JP2007278341A - 配管接続具および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続端にフランジを有する2つの配管を容易に且つ確実に接続することができる配管接続具、および、メンテナンスを容易にすることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】フランジ27、28の接続部に、外周面にネジ部が設けられた環状のボルト23を外嵌する。配管の軸方向に沿って分割された複数の詰部材21により構成されたリング状部材24を、突き合わされたフランジの配管軸方向外側からフランジ27、28のそれぞれに当接させる。当該状態で、内周面にボルト23のネジ部と螺合するネジ部が設けられたナット22をボルト23の両端に装着する。ナット22の締め付けに伴い、ナット22の突出部221によりリング状部材24の間隔が小さくなり、シール部材17が両側から均等に押圧される。
【選択図】図1
【解決手段】フランジ27、28の接続部に、外周面にネジ部が設けられた環状のボルト23を外嵌する。配管の軸方向に沿って分割された複数の詰部材21により構成されたリング状部材24を、突き合わされたフランジの配管軸方向外側からフランジ27、28のそれぞれに当接させる。当該状態で、内周面にボルト23のネジ部と螺合するネジ部が設けられたナット22をボルト23の両端に装着する。ナット22の締め付けに伴い、ナット22の突出部221によりリング状部材24の間隔が小さくなり、シール部材17が両側から均等に押圧される。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体集積回路装置の製造工程で用いられる基板処理装置に関し、特に拡散炉などの反応炉を有する基板処理装置における配管接続具に関する。
半導体集積回路装置の製造工程では、酸化工程、成膜工程、拡散工程等において、加熱雰囲気下で半導体基板の処理を行う基板処理装置が使用されている。この種の基板処理装置は、処理対象の基板を収容する反応炉(処理炉)を装備している。
図11は、基板処理装置の1種である熱処理装置を示す概略構成図である。熱処理装置50は、下端が開放された鉛直軸心を有する円筒鐘形のチューブ2を備える。チューブ2は石英からなり、チューブ2の外周には複数の環状ヒータ11が鉛直方向に沿って配置されている。各ヒータ11には、熱電対等の温度センサ13が設置されており、温度センサ13の出力に基づいてチューブ2内が任意の温度分布となるようにヒータ11の出力が調整される。チューブ2の下端は、半導体基板が載置されるボート4とともに昇降する昇降台5により気密封止される。昇降台5とチューブ2とにより気密された空間が反応炉を構成し、当該反応炉内において半導体基板の熱処理、酸化、拡散等の基板処理が行われる。
チューブ2の下部側面には、石英製の外部燃焼管1を介して、石英製のガス導入管9、10が接続されている。ガス導入管9、10を通じて供給されるプロセスガスは、外部燃焼管1で燃焼された後、チューブ2内に導入される。例えば、酸化処理の場合、ガス導入管9からは酸素が導入され、ガス導入管10からは水素が導入される。また、酸化を目的としない処理では、両ガス導入管9、10から窒素が導入される。また、チューブ2下部の他の側面には、石英製の排気管3が接続されている。排気管3には、トラップ配管12が接続されており、トラップ配管12において、排出ガスの冷却と水分除去が行われる。
外部燃焼管1および排気管3とチューブ2との接続を容易にするために、チューブ2の側面には、外部燃焼管1の枝管8(以下燃焼管枝管8)が接続される導入枝管7、および排気管3が接続される排出枝管14がチューブ2から延出されている。導入枝管7と燃焼管枝管8との接続、および、排出枝管14と排気管3との接続には、クランプ6が使用されている。例えば、クランプ6は、導入枝管7の端部、および燃焼管枝管8の端部のそれぞれに設けられたフランジを当接させた状態で当該フランジを2枚の金属板材で挟み込み、両板材を4箇所に設置されたネジを締め付けて固定する構成になっている(例えば、特許文献1等参照。)。
上述のような、熱処理装置では、ガス導入経路等に使用されている金属部品からFe、Ni等の重金属がチューブ2の内部に進入して付着することがある。このような重金属が、チューブ2内で処理中の半導体基板に取り込まれると、半導体装置の電気特性を変化させてしまう場合がある。そのため、汚染対策として、外部燃焼管1、チューブ2、排気管3、ボート4等の石英製部材の交換が定期的に行われる。このとき、クランプ6は一旦分解される。そして、チューブ2を交換した後、導入枝管7と燃焼管枝管8との接続部、および、排出枝管14と排気管3との接続部に再度クランプ6が固定される。
図12は、クランプ6の拡大図である。また、図13は、クランプ6を図12に示す矢印Aの方向から見た図である。クランプ6は、4隅に貫通孔34を備えたステンレス板16aと、各貫通孔34に対応する位置に、ステンレスネジ15(15a、15b、15c、15d)が螺合するネジ孔35を備えたステンレス板16bを備えている。上述のように、排気管3の先端にはフランジ28が設けられ、排出枝管14の先端にはフランジ27が設けられている。フランジ28の端面には、ガス流路に沿った環状の突部31が形成されている。また、フランジ27の端面には、突部31が嵌合する環状の凹部32が形成されている。突部31の外径はフランジ27の外径より小さくなっており、突部31と凹部32が嵌合したときに、ガス流路の周囲に溝部33が構成される。
排気管3と排出枝管14とを接続する場合、溝部33にOリング17が配設された状態で、突部31を凹部32に嵌合させるとともに、嵌合したフランジ27、28を挟み込む状態でステンレス板16a(排気管3側)およびステンレス板16b(排出枝管14側)が配置される。当該状態で、ステンレスネジ15a〜15dがステンレス板16aの貫通孔34に排気管3側から挿入され、ステンレス板16bのネジ孔35に螺合される。各ステンレスネジ15a〜15dを締めることにより、ステンレス板16aとステンレス板16bの間隔が狭くなり、排出枝管14と排気管3が接続された状態で固定される。なお、導入枝管7と燃焼管枝管8との接続も同様に、クランプ6を使用して行われる。
特開平9−97767号公報
熱処理装置50の通常の処理温度が200〜1300℃と高温であるため、上述したチューブ2の交換は、チューブ2の温度を常温程度に低下させた状態で行われる。このため、チューブ2の交換作業を行う際には、熱処理装置50を長時間停止する必要がある。また、交換部材の取り付けに不具合があると、再度、取り付け作業を行う時間が必要となり、装置の可動停止時間がさらに長くなってしまう。このため、取り付け不具合を防止することが重要である。また、熱処理装置50は高温で使用されるためクランプ6には、耐熱性のあるステンレス金属等の硬度の高い材質が使用される。このため、フランジ27、28が傾斜した状態等の不適切な状態で取り付けが行われると、石英製部材(導入枝管7、燃焼管枝管8、排出枝管14、排気管3等)が破損する。
図12に示したようなクランプ6では、各ステンレスネジ15a〜15dの締め付けが作業者により行われる。例えば、作業者の経験が浅く、各ステンレスネジ15a〜15dが不均等な締め付けトルクで締め付けられた場合には、ステンレス板16a、16bに傾きが生じる。これにより、排気管3が本来の接続軸に対して傾き、排出枝管14のフランジ27や、排気管3のフランジ28が破損する可能性がある。また、ステンレス板16a、16bの傾きによりOリング17の潰れ方に偏りが生じると、当該接続部から漏れたプロセスガスにより装置が腐食する可能性もある。接続部近傍には、腐食しやすい個所として、チューブ2とヒータ11との位置合わせを行うステンレス天板18がある(図11、12参照。)。ステンレス天板18が腐食すると腐食物がボート4に落下し、半導体基板が汚染する可能性がある。さらに、腐食物が付着したボート4がチューブ2内にて処理されることでチューブ2内が汚染される可能性もある。
一方、上述のクランプ6に代えて、図14、図15に示すように、排出枝管14のフランジ27と排気管3のフランジ28とをユニオン式のボルト42およびナット41で押圧して締め付けるネジ式接続具40を配管接続具として用いることもできる。なお、図14は、ネジ式接続具40の断面図であり、図15は、図14に示す矢印Bの方向からネジ式接続具40を見た図である。しかしながら、この場合、チューブ2の製作段階でフランジ27全体を収容するユニオン式のボルト42(またはナット41)を排出枝管14に組み込む必要があり、チューブ2完成後に配管接続具を後付けすることが不可能であるという問題点があった。
本発明は上記従来の欠点を解決し、石英製等の配管を容易に且つ確実に接続することができる配管接続具、および、メンテナンスを容易にすることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用している。まず、本発明は、接続端にフランジを有する2本の配管を、シール部材を介して前記フランジを突合わせた状態で固定する配管接続具を前提としている。そして、本発明に係る配管接続具は、継部材、詰部材、および締付部材を備える。継部材はフランジが突合わされた状態で両フランジに渡って外嵌され、その周面にネジ部が螺設されている。詰部材は、突合わされた両フランジの配管軸方向外側に配置され、上記フランジの外径以上かつ上記継部材の外径以下の外径を有する。締付部材は、上記継部材のネジ部に螺合するネジ部と、上記フランジの外径より大きな内径を有する内側への突出部とを備えている。締付部材は、上記継部材への両側からの螺合に伴って、突出部が上記詰部材を介して上記シール部材を両側から押圧する。
例えば、上記継部材を筒状のボルトとし、締付部材をナットとすることができる。また、上記詰部材は、例えば、周方向で複数部分に分割されたリング部材とすることができる。本構成によれば、突合わされたフランジを配管の軸方向外側から均等に押圧することができる。このため、配管が傾いて接続されたり、Oリング等のシール部材の潰れに偏りが生じない。また、詰部材の形状はフランジの形状に合わせて任意に設計可能であるため、任意のフランジ形状に適用することができる。
また、本発明に係る他の配管接続具は、継部材が、フランジが突合わされた状態で両フランジに渡って外嵌された際に、突合わされた両フランジの配管軸方向外側の一方側で係止される係止部と、周面に螺設されたネジ部とを有する。また、継部材は、周方向で複数部分に分割されている。フランジの外径以上かつ継部材の外径以下の外径を有する詰部材は、突合わされた両フランジの配管軸方向外側の他方側、すなわち、継部材の係止部と反対側に配置される。締付部材は、上記継部材のネジ部に螺合するネジ部と、上記フランジの外径より大きな内径を有する内側への突出部とを備えている。締付部材は、上記継部材への他方側からの螺合に伴って前記突出部が当接する詰部材と、上記係止部とによりシール部材を両側から押圧する。
本構成によれば、上述の配管接続具と同様の効果を得ることができる。特に、本構成では、継部材に締付部材を一方側から螺合させることにより配管を固定することができるため、配管の接続部が比較的狭い空間に位置する状態であっても、容易に配管を固定することができる。
さらに、上述の配管接続具を備えた基板処理装置は、例えば、石英製の配管の破損および使用ガスの漏洩や装置の腐食が防止される。また、配管を容易にかつ確実に接続できるため、メンテナンスを短時間で行うことができ、基板処理装置の稼動停止時間を短縮することができる。
本発明によれば、接続端にフランジを備えた配管の接続を、容易且つ確実に接続することができる。また、配管に対する加工を要しないため、既存配管の接続に容易に適用することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態では、熱処理装置および当該熱処理装置に使用する配管接続具として本発明を具体化している。以下では、排出枝管14と排気管3とを接続する事例に基づいて、各実施形態の配管接続具を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における配管接続具20を示す断面図である。また、図2は、当該配管接続具20を図1に示す矢印Cの方向から見た正面図である。なお、本実施形態の配管接続具20が適用される熱処理装置は、クランプ6を除き図11に示した熱処理装置50と同一の構造である。なお、ここでは、排出枝管14のフランジ27の外径と排気管3のフランジ28の外径とが同一径である場合について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における配管接続具20を示す断面図である。また、図2は、当該配管接続具20を図1に示す矢印Cの方向から見た正面図である。なお、本実施形態の配管接続具20が適用される熱処理装置は、クランプ6を除き図11に示した熱処理装置50と同一の構造である。なお、ここでは、排出枝管14のフランジ27の外径と排気管3のフランジ28の外径とが同一径である場合について説明する。
本実施形態の配管接続具20は、ナット22(排気管側ナット22aおよびチューブ側ナット22b)、円筒状のボルト23、および4つの分割ブロック21(21a、21b、21c、21d)により構成される。なお、ナット22が締付部材であり、ボルト23が継部材であり、分割ブロックが詰部材である。
排気管側ナット22aおよびチューブ側ナット22bは、その一端に内側に突出する突出部221を備える。突出部221は、排気管3のフランジ28の外径、および排出枝管14のフランジ27の外径よりも大きい内径を有している。また、ボルト23の内径は、フランジ27およびフランジ28の外径以上になっている。また、ボルト23の軸方向の長さは、フランジ27の配管軸方向の厚さ、フランジ28の配管軸方向の厚さ、および適切に潰されたOリング17の配管軸方向厚さの総和よりも小さくなっている。
分割ブロック21aと21bは対になっており、これらを組み合わせることにより、リング状ブロック24aが構成される(図2参照)。リング状ブロック24aは、フランジ28の外径以上かつボルト23の外径以下の外径を有する。ここでは、リング状ブロック24aの一端(フランジ側端)が、フランジ28の外径と等しい内径を有するとともに、ボルト23の外径よりも小さい外径を有している。また、リング状ブロック24aの他端は、排気管3の外径と等しい内径を有するとともに、排気管側ナット22aの突出部221の内径と等しい外径を有している。そして、リング状ブロック24aは、上記一端と他端との間に、フランジ28の排出管3側の端面に当接する当接面241を備える。
同様に、分割ブロック21cと21dは対になっており、これらを組み合わせることにより、リング状ブロック24bが構成される。リング状ブロック24bは、フランジ27の外径以上かつボルト23の外径以下の外径を有する。ここでは、リング状ブロック24bの一端(フランジ側端)が、フランジ27の外径と等しい内径を有するとともに、ボルト23の外径よりも小さい外径を有している。また、リング状ブロック24bの他端は、排出枝管14の外径と等しい内径を有するとともに、チューブ側ナット22bの突出部221の内径と等しい外径を有している。そして、リング状ブロック24bは、上記一端と他端との間に、フランジ27のチューブ2側の端面に当接する当接面241を備える。
上記構成の配管接続具20を使用して排出枝管14と排気管3とを接続する場合、まず、図3に示すように、排気管側ナット22aが排気管3の先端から排気管3に外嵌され、チューブ側ナット22bが排出枝管14の先端から排出枝管14に外嵌される。次いで、リング状ブロック24a(分割ブロック21a、21b)が、フランジ28の排出管3側の端面に当接面241が当接するとともに排気管3を挟持する状態で排気管3に配置される。同様に、リング状ブロック24b(分割ブロック21c、21d)が、フランジ27の排出枝管14側端面に当接面241が当接するとともに排出枝管14を挟持する状態で排出枝管14に配置される。
その状態で、排気管先端の突部31にOリング17を配設し、フランジ27とフランジ28の外縁にボルト23を配置した状況下で、突部31をフランジ27の凹部32に嵌合させる。なお、ボルト23の長さは、突部31と凹部32とが適切に嵌合した際に、排気管3に装着されたリング状ブロック24aと、排出枝管14に装着されたリング状ブロック24bとの間に配置可能な長さになっている。このように、突部31が凹部32に嵌合した状態で、排気管側ナット22a、およびチューブ側ナット22bがボルト23に螺合される(図1)。
本構成によれば、排気管側ナット22a、およびチューブ側ナット22bを螺合することにより、フランジ27、およびフランジ28は、分割ブロック21を介して均等に締め付け固定される。フランジ27とフランジ28との接続部全体が均等に締め付けられることにより、排出枝管14、チューブ2、排気管3等の石英製部材の破損を防ぐことができる。また、配管接続具20によれば、Oリング17も全体的に均等に圧縮されるため、シール性が向上して使用ガスの漏洩を防ぐことができる。それにより、装置の腐食を防ぐことができる。さらに、配管接続具20では、従来のネジ式接続具のように、フランジに当接する部位にボルトやナットを直接当接させるのではなく、フランジの外径以上かつボルトの外径以下の外径を有する分割ブロック21を当接させる構成である。このため、ナットの内径をフランジ外形より大きくすることができ、ナットを排出枝管や排気管に後付けすることができる。したがって、排出枝管14や排気管3にリング状のナットやボルトを予め組み込む必要がない。
なお、上記では、ボルト23に両ナット22a、22bを螺合させる取付方法を説明したが、片方のナットを順に固定してもよい。例えば、まず、分割ブロック21c、21dをフランジ27にチューブ側ナット22bとボルト23とにより固定する。そして、フランジ28の突部31をフランジ27の凹部32に嵌合させた状態で、フランジ28に分割ブロック21a、21bを装着し、ボルト23に接続管側ナット22aを螺合してもよい。
図4は、ナット22、ボルト23、および分割ブロック21の斜視図である。本実施形態では、作業者の手での締め付けが容易になるように、図4(a)に示すように、ナット22の外周部に複数個所に切欠き222を設けている。当該切欠き222は、ナット22に必要な強度を維持可能な範囲で、ナット22の外周の全部あるいは一部に適宜形成することができる。また、図4(b)に示すように、ボルト23には、放熱、Oリング17の状態視認、および排出枝管14と排気管3との接続部からのガス漏れ検査を目的として、外周面に複数の開口部231を設けている。当該開口部231も、ボルト23に必要な強度を維持可能な範囲で、ボルト23の外周面に適宜形成することができる。さらに、図4(c)に示すように、分割ブロック21にも開口部211を複数個設けている。図4の例では、軸方向に沿った開口部211を3箇所に形成している。これにより、フランジ27、28からの放熱が阻害されることを抑制できる。
なお、上記では、固定性を高めるため、リング状ブロック24a、24bをフランジとナットの双方に嵌合する形状としたが、円筒状等の任意形状に設計することができる。また、排気管側ナット22a、チューブ側ナット22b、円筒状のボルト23、および分割ブロック21には、硬度がステンレスよりも低く(好ましくは、石英とほぼ同等)、融点が200℃以上の耐熱性を持つ材質を採用することが好ましい。例えば、ポリエーテルエーテルケトン材等を使用することができる。これにより、熱処理装置50の石英製部材に破損が生じることを抑制することができる。
(第2の実施形態)
実施形態1で説明した配管接続具20は、その取り付けに、ナット22が回転可能な空間が必要である。例えば、チューブ2を支持するステンレスベース板19(図1参照)と上述のステンレス天板18との間隔が狭く、排出枝管14の周囲にナット22を回転可能な空間がない場合には、作業性が低下する。本実施形態では、より狭い空間で配管の接続および固定を容易に行うことができる配管接続具30を説明する。
実施形態1で説明した配管接続具20は、その取り付けに、ナット22が回転可能な空間が必要である。例えば、チューブ2を支持するステンレスベース板19(図1参照)と上述のステンレス天板18との間隔が狭く、排出枝管14の周囲にナット22を回転可能な空間がない場合には、作業性が低下する。本実施形態では、より狭い空間で配管の接続および固定を容易に行うことができる配管接続具30を説明する。
図5は本実施形態の配管接続具30の断面図である。なお、本実施形態の配管接続具30が適用される熱処理装置は、クランプ6を除き図11に示した熱処理装置50と同一の構造である。なお、ここでは、排出枝管14のフランジ27の外径と排気管3のフランジ28の外径とが同一径である場合について説明する。
図5に示すように、配管接続具30は、第1の実施形態のボルト23に代えて、分割ボルト26を備えている。分割ボルト26は、ボルト23と同様に筒状であり、一端がフランジ27、28の外径に等しい内径を有している。また、他端には内側に突出する係止部261が設けられており、その内径は排出枝管14の外径と等しくなっている。図6の上面図に示すように、分割ボルト26は、その軸を通過する面で軸方向に沿って2分割された分割ボルト26aと分割ボルト26bとを組み合わせて構成されている。なお、分割ボルト26の外周面には、上記一端側からナットが螺合可能なネジ山が形成されている。分割ボルト26は、上記一端側から分割ボルト26に螺合されるバックアップナット29により一体に固定される。
排出枝管14のフランジ27のチューブ側の面には、分割ボルト26がフランジ27に直接当接して、フランジ27が破損することを避けるため、分割スペーサ25(25a、25b)が介在されている。分割スペーサ25aと分割スペーサ25bは対になっており、これらを組み合わせることによりリング状のスペーサ25が構成される。当該リング状のスペーサ25の外径はフランジ27の外径と等しく、リング状スペーサ25の内径は排出枝管14の外径と等しくなっている。なお、排気管3側に使用される部品(排気管側ナット22、分割ブロック21a、21b)は、第1の実施形態で説明した構成と同一である。
上記構成の配管接続具30を使用して排出枝管14と排気管3とを接続する場合、まず、図7に示すように、分割スペーサ25a、25bが、フランジ27の排出管3側の端面に当接するとともに排出枝管14を挟持する状態で排出枝管14に配置される。次いで、図8の断面図に示すように、分割スペーサ25に係止部261が当接するとともに、フランジ27および分割スペーサ25を挟持する状態で分割ボルト26が配置される。当該状態で、バックアップネジ29を分割ボルト26に排気管3側から螺合する。これにより、排出枝管14に分割ボルト26が装着される。なお、図8は、図7に示す矢印Dの方向から見た断面図を示している。図7および図8から理解できるように、分割ボルト26は、分割ボルト26aと分割ボルト26bとの接合面が、分割スペーサ25aと25bの接合面と軸心周りに略90度回転した状態で配置される。このように配置することにより、以降で、分割ボルト26にナット22を螺合させた際に、分割スペーサ25とフランジ27との当接面に不均等な力が付与されることを抑制することができる。
図9の断面図に示すように、バックアップネジ29によって分割ボルト26a、26bを一体に固定した後、排気管側ナット22aが外嵌され、先端の突部31にOリング17が配設された排気管3が、排出枝管14に接合される。当該接合は、第1の実施形態と同様に、突部31をフランジ27の凹部32に嵌合させることで行われる。このように、突部31が凹部32に嵌合した状態で、排気管側ナット22aを分割ナット26に螺合させることで、排気管3が排出枝管14に固定される(図5参照)。
本構成によれば、第1の実施形態と同様に、排気管側ナット22aを螺合することにより、フランジ27、およびフランジ28は、均等に締め付け固定される。フランジ27とフランジ28との接続部全体が均等に締め付けられることにより、排出枝管14、チューブ2、排気管3等の石英製部材の破損を防ぐことができる。また、配管接続具30によれば、Oリング17も全体的に均等に圧縮されるため、シール性が向上して使用ガスの漏洩を防ぐことができる。それにより、装置の腐食を防ぐことができる。さらに、配管接続具30では、従来のネジ式接続具のように、排出枝管14や排気管3にリング状のナットやボルトを予め組み込む必要もない。加えて、配管接続具30では、排出枝管14にチューブ側ナット22bを外嵌する必要がなく、バックアップナット29と排気管側ナット22aを排気管側のみから、すなわち、一方向から螺合するだけで、配管を接続固定することができる。したがって、ステンレス天板18とステンレスベース板19との間隔d(図7参照)が狭い場合であっても、排出枝管14と排気管3とを容易に接続固定することができる。
図10は、分割ボルト26、および分割スペーサ25a、25bの斜視図である。本実施形態では、図10(a)に示すように、分割ボルト26には放熱、Oリング17の状態視認、および排出枝管14と排気管3との接続部からのガス漏れ検査を目的として、その外周面に複数の開口部262を設けている。なお、開口部262は、分割ボルト26に必要な強度を維持可能な範囲で、分割ボルト26の外周面に適宜形成することができる。さらに、図10(b)に示すように、分割スペーサ25にも開口部251を複数個設けている。図10(b)の例では、軸方向に沿った開口部251を各分割スペーサ25a、25bに3箇所形成している。これにより、フランジ27、28からの放熱が阻害されることを抑制できる。 なお、排気管側ナット22a、分割ボルト26、分割ブロック21、および分割スペーサ25a、25bには、硬度がステンレスよりも低く(好ましくは、石英とほぼ同等)、融点が200℃以上の耐熱性を持つ材質を採用することが好ましい。例えば、ポリエーテルエーテルケトン材等を使用することができる。これにより、熱処理装置50の石英製構成部材に破損が生じることを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、接続端にフランジを備えた配管の接続を、容易且つ確実に接続することができる。また、配管に対する加工を要しないため、既存配管の接続に容易に適用することができる。
なお、以上で説明した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記では、継部材をボルトとし、締付部材をナットとした構成を例示したが、継部材をナットとし、締付部材をボルトとしても同様の効果を奏することができる。また、上記では、2分割の分割ブロック、分割ボルト、および分割スペーサにより各配管を挟持したが、分割ブロック、分割ボルト、および分割スペーサの分割数は2に限るものではなく、2以上の任意の分割数にすることができる。さらに、接続するフランジの外径や形状が異なる場合であっても、詰部材の形状を適宜設計することにより本発明を適用することができる。
さらに、上記では、本発明を熱処理装置に適用した事例を説明したが、本発明は反応炉と当該反応炉に接続される配管を備えるいかなる基板処理装置に対しても適用することが可能である。そのような基板処理装置は、メンテナンスに要する稼動停止時間を最小限にすることができ、装置の稼動効率を向上させることができる。
2 チューブ
3 排気管
6 クランプ
14 排出枝管
15 ステンレスネジ
16a、16b ステンレス板
20、30 配線接続具
21 分割ブロック(詰部材)
22a 排気管側ナット(締付部材)
22b チューブ側ナット(締付部材)
222 突出部
23 ボルト(継部材)
25 分割スペーサ
26 分割ボルト(継部材)
261 係止部
27、28 フランジ
3 排気管
6 クランプ
14 排出枝管
15 ステンレスネジ
16a、16b ステンレス板
20、30 配線接続具
21 分割ブロック(詰部材)
22a 排気管側ナット(締付部材)
22b チューブ側ナット(締付部材)
222 突出部
23 ボルト(継部材)
25 分割スペーサ
26 分割ボルト(継部材)
261 係止部
27、28 フランジ
Claims (8)
- 接続端にフランジを有する2本の配管を、シール部材を介して前記フランジを突合わせた状態で固定する配管接続具において、
前記フランジが突合わされた状態で両フランジに渡って外嵌され、周面にネジ部が螺設された継部材と、
前記フランジの外径以上かつ前記継部材の外径以下の外径を有し、突合わされた両フランジの配管軸方向外側に配置された詰部材と、
前記継部材のネジ部に螺合するネジ部と、前記フランジの外径より大きな内径を有する内側への突出部とを有し、前記継部材への両側からの螺合に伴って前記突出部が前記詰部材を介して前記シール部材を両側から押圧する締付部材と、
を備えたことを特徴とする配管接続具。 - 接続端にフランジを有する2本の配管を、シール部材を介して前記フランジを突合わせた状態で固定する配管接続具において、
前記フランジが突合わされた状態で両フランジに渡って外嵌された際に、両フランジの配管軸方向外側の一方でフランジに係止される係止部と、周面に螺設されたネジ部とを有するとともに、周方向で複数部分に分割された継部材と、
前記フランジの外径以上かつ前記継部材の外径以下の外径を有し、突合わされた両フランジの配管軸方向外側の他方側に配置された詰部材と、
前記継部材のネジ部に螺合するネジ部と、前記フランジの外径より大きな内径を有する内側への突出部とを有し、前記継部材への他方側からの螺合に伴って、前記突出部が当接する詰部材と前記係止部とにより前記シール部材を両側から押圧する締付部材と、
を備えたことを特徴とする配管接続具。 - 前記詰部材が、周方向で複数部分に分割されたリング状部材である請求項1または請求項2記載の配管接続具。
- 前記継部材が、継部材のネジ部に螺合するネジ部を備えたリング状部材により一体に固定される請求項2記載の配管接続具。
- 前記係止部と前記フランジとの間に、前記継部材と異なる周方向の位置で複数部分に分割されたリング状部材を備えた請求項2記載の配管接続具。
- 前記継部材が、両フランジの接続部に対応する周面に開口部を備えた請求項1または請求項2記載の配管接続具。
- 前記継部材、前記詰部材、及び前記締付部材が、ステンレスよりも低硬度で耐熱性を有する材質からなる請求項1または請求項2記載の配管接続具。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の配管接続具を備えた基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006102944A JP2007278341A (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | 配管接続具および基板処理装置 |
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JP2007278341A true JP2007278341A (ja) | 2007-10-25 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-04-04 JP JP2006102944A patent/JP2007278341A/ja active Pending
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