JP2007278111A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コレクタ内に負圧を発生させても燃焼が不安定にならないようにする。
【解決手段】 スロットル弁18の開度とリフト・作動角可変機構51と位相可変機構52とを制御する内燃機関の制御装置において、負圧要求によりコレクタ16内に負圧を発生させる際には、負圧要求に応じて目標スロットル開度を算出すると共に、要求トルクと負圧要求に応じて吸気弁3の目標リフト・作動角を算出し、時刻t1〜t2で、吸気弁3を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップがゼロとなるよう吸気弁3のリフト中心角の位相を遅角させ、時刻t2〜t3で、吸気弁3の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁18の目標スロットル開度への変更とを行う。これによって、バルブオーバーラップが縮小され、コレクタ16内に負圧を発生させても燃焼が安定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、吸気弁のリフト・作動角を同時かつ連続的に拡大縮小制御可能なリフト・作動角可変機構と、吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる位相可変機構と、複数の気筒の吸気通路が接続されたコレクタの上流側に位置するスロットル弁と、を備え、吸気弁のバルブタイミングと、スロットル弁の弁開度を制御することにより吸入空気量を制御すると共に、負圧を可変化することによって、異なるバルブタイミングで同一のトルクを発生させることが可能な内燃機関の吸気制御装置が開示されている。
特開2004−197566号公報
特許文献1のように、リフト・作動角可変機構や位相可変機構といった吸気弁のバルブタイミングを可変する可変動弁機構を備えたエンジンにおいては、吸気弁のバルブタイミングで筒内の吸気量を制御するため、ブレーキのマスターバック負圧やエバポレータのパージの負圧要求がある場合には、スロットル弁により意図的にコレクタ内に負圧を発生させる必要がある。
しかしながら、スロットル弁によって、コレクタ内に負圧を発生させる際に、吸気弁と排気弁とがバルブオーバーラップするような条件で内燃機関運転されているような場合、コレクタ負圧と排気圧との差が大きくなるため、筒内の残留ガス量が相対的に増加し、燃焼が不安定となり、ひいては機関停止に至る虞がある。
そこで、本発明は、スロットル弁の開度とリフト・作動角可変機構と位相可変機構とを制御する制御手段を備えてなる内燃機関の制御装置において、負圧要求によりコレクタ内に負圧を発生させる際には、負圧要求に応じてスロットル弁の目標スロットル開度を算出すると共に、要求トルクと負圧要求に応じて吸気弁の目標リフト・作動角を算出し、吸気弁を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップが縮小されて負圧を発生させても燃焼が安定するように吸気弁のリフト中心角の位相を遅角させた後に、吸気弁の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁の目標スロットル開度への変更とを行うことを特徴としている。
本発明によれば、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップが縮小され、筒内の排気ガス吸気管側に流れ込むいわゆる内部EGRを抑制することができるので、コレクタ内に負圧を発生させても燃焼を安定させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関の吸気制御装置を示すシステム構成図であって、火花点火式ガソリン機関からなる内燃機関1は、吸気弁3と排気弁4とを有し、その吸気弁3側の動弁機構として、後述する可変動弁機構2が設けられている。排気弁4側の動弁機構は、排気カムシャフト5により排気弁4を駆動する直動型のものであり、そのバルブリフト特性は、常に一定である。
各気筒の排気を集合させる排気マニホルド6の出口側は、触媒コンバータ7に接続されており、かつこの触媒コンバータ7の上流位置に、空燃比を検出するための空燃比センサ8が設けられている。触媒コンバータ7の下流側には、さらに、第2の触媒コンバータ10および消音器11を備えている。空燃比センサ8は、空燃比のリッチ,リーンのみを検出する酸素センサであってもよく、あるいは、空燃比の値に応じた出力が得られる広域型空燃比センサであってもよい。
各気筒の吸気ポートに向かって各気筒毎に燃料を噴射供給するように燃料噴射弁12が配設されている。この吸気ポートには、ブランチ通路15がそれぞれ接続され、かつこの複数のブランチ通路15の上流端が、コレクタ16に接続されている。コレクタ16の一端には、吸気入口通路17が接続されており、この吸気入口通路17に、電子制御のスロットル弁18が設けられている。このスロットル弁18は、電気モータからなるアクチュエータ18aを備え、エンジンコントロールユニット19から与えられる制御信号によって、その開度が制御される。なお、スロットル弁18の実際の開度を検出するセンサ18bを一体に備えており、その検出信号に基づいて、スロットル弁18の弁開度が目標開度にクローズドループ制御される。また、スロットル弁18の上流に、吸入空気流量を検出するエアフロメータ20が配置され、さらに上流にエアクリーナ21が設けられている。
また、機関回転速度およびクランク角位置を検出するために、クランクシャフトに対してクランク角センサ22が設けられており、さらに、運転者により操作されるアクセルペダル開度(踏込量)を検出するアクセル開度センサ23を備えている。また、内燃機関1の温度として潤滑油温を検出する油温センサ25がシリンダブロックに取り付けられている。これらの検出信号は、上記のエアフロメータ20や空燃比センサ8等の検出信号とともに、エンジンコントロールユニット19に入力されている。エンジンコントロールユニット19では、これらの検出信号に基づいて、燃料噴射弁12の噴射量や噴射時期、点火プラグ24による点火時期、可変動弁機構2によるバルブリフト特性、スロットル弁18の開度、などを制御する。
また、エンジンコントロールユニット19は、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求や、図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求が入力されている。
上記の吸気弁3側の可変動弁機構2は、例えば前述した特開2002−89341号公報によって公知のものであり、図2に示すように、吸気弁3のリフト・作動角を連続的に可変制御するリフト・作動角可変機構51と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を連続的に進角もしくは遅角させる位相可変機構52と、が組み合わされて構成されている。このようにリフト・作動角可変機構51と位相可変機構52とを組み合わせた可変動弁機構によれば、吸気弁開時期および吸気弁閉時期の双方をそれぞれ独立して任意に制御することが可能であり、また同時に、低負荷域ではリフト量(最大リフト量)を小さくすることで、負荷に応じた吸入空気量に制限することができる。なお、リフト量がある程度大きな領域では、シリンダ内に流入する空気量が主に吸気弁3の開閉時期によって定まるのに対し、リフト量が十分に小さい状態では、主にリフト量によって空気量が定まる。
図3の動作説明図を併せて、リフト・作動角可変機構51の概要を説明すると、このリフト・作動角可変機構51は、シリンダヘッドに回転自在に支持され、かつクランクシャフトに連動して回転する中空状の駆動軸53と、この駆動軸53に固定された偏心カム55と、駆動軸53の上方位置において平行に配置された回転自在な制御軸56と、この制御軸56の偏心カム部57に揺動自在に支持されたロッカアーム58と、各吸気弁3上端のタペット59に当接する揺動カム60と、を備えている。偏心カム55とロッカアーム58とはリンクアーム61によって連係されており、ロッカアーム58と揺動カム60とは、リンク部材62によって連係されている。リンクアーム61は、その環状部61aが偏心カム55の外周面に回転可能に嵌合している。またリンクアーム61の延長部61bがロッカアーム58の一端部に連係しており、該ロッカアーム58の他端部に、リンク部材62の上端部が連係している。偏心カム部57は、制御軸56の軸心から偏心しており、従って、制御軸56の角度位置に応じてロッカアーム58の揺動中心は変化する。
揺動カム60は、駆動軸53の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部60aに、リンク部材62の下端部が連係している。この揺動カム60の下面には、駆動軸53と同心状の円弧をなす基円面64aと、該基円面64aから端部60aへと所定の曲線を描いて延びるカム面64bと、が連続して形成されている。基円面64aは、リフト量が0となる区間であり、図3に示すように、揺動カム60が揺動してカム面64bがタペット59に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。
制御軸56は、一端部に設けられた例えば電動モータからなるリフト・作動角制御用アクチュエータ65によって、その回転位置が制御されている。
このアクチュエータ65により例えば偏心カム部57が図3(A)のように上方位置にあると、ロッカアーム58は全体として上方へ位置し、揺動カム60の端部60aが相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム60の初期位置は、そのカム面64bがタペット59から離れる方向に傾く。従って、駆動軸53の回転に伴って揺動カム60が揺動した際に、基円面64aが長くタペット59に接触し続け、カム面64bがタペット59に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部57が図3(B)のように下方へ位置しているとすると、ロッカアーム58は全体として下方へ位置し、揺動カム60の端部60aが相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム60の初期位置は、そのカム面64bがタペット59に近付く方向に傾く。従って、駆動軸53の回転に伴って揺動カム60が揺動した際に、リフト量が大きく得られ、かつその作動角も拡大する。
上記の偏心カム部57の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、図4に示すように、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。
次に、位相可変機構52は、図2に示すように、駆動軸53の前端部に設けられたスプロケット71と、このスプロケット71と駆動軸53とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用油圧アクチュエータ72と、から構成されている。スプロケット71は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。従って、位相制御用油圧アクチュエータ72への油圧制御によって、スプロケット71と駆動軸53とが相対的に回転し、図5に示すように、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。
なお、リフト・作動角可変機構51ならびに位相可変機構52の制御としては、実際のリフト・作動角あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドループ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
上記のような可変動弁機構2を吸気弁3側に備えた構成においては、基本的に、スロットル弁18に依存せずに、吸気弁3の可変制御によって吸気量を制御することが可能であり、本実施形態においては、基本的に吸気弁3のバルブタイミング(リフト・作動角及びリフト中心角の位相)を可変制御することによって、吸気量を制御する。尚、実用機関では、ブローバイガスの還流等のために吸気系に若干の負圧が存在していることが好ましいので、吸気弁3の可変制御による吸気量制御を行う領域でも、スロットル弁18を僅かに閉じ、コレクタ16内に負圧を生成するものとする。
ところで、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求や図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求により、コレクタ16内にある負圧を発生させる際には、吸気弁3と排気弁4との間にバルブオーバーラップ(O/L)があると図6に示すように、圧力の高い方から低い方へ流体は移動するため、排気ガスが吸気管側に戻る(内部EGR)ことになり、燃焼が不安定にとなり、場合によってはエンジン(内燃機関1)が停止してしまう虞がある。また、コレクタ16内に負圧を発生させた際には、吸気量の変化によりトルク段差が発生する虞がある。
そこで、本実施形態においては、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求や図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求が出された際には、バルブタイミングを負圧が発生しても燃焼が安定する状態に遷移させてからコレクタ16内に負圧を発生させるよう制御する。また、コレクタ16内の負圧の発達に同期して、吸気弁3のリフト量が増加するように制御する。
図7及び図8を用いて詳述する。図8(a)に示すように、通常時、スロットル弁18は略全開状態となっており、吸気量は、吸気弁3のバルブタイミングによって制御されている。つまり、マスターバックから出される負圧要求やエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求が出される以前となる、図7における時刻t1以前では、吸気弁3のリフト・作動角は小リフト・小作動角で、吸気弁3のリフト中心角の位相は進角側に設定され、バルブオーバーラップ(O/L)も設定されている。
そして、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求や図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求が出されると、図8(b)に示すように、まず、吸気弁3のリフト中心角の位相を遅角させる。このときの吸気弁3のリフト中心角の位相の遅角量は、吸気弁3のリフト・作動角を後述する目標リフト・作動角としたときにバルブオーバーラップ(O/L)がゼロとなるように設定されており、図7における時刻t2で吸気弁3のリフト中心角の位相の遅角化が終了する。尚、リフト中心角の位相を遅角させる際には、トルク変動を抑えるためにスロットル開度を僅かに閉じている。このようにすれば、オーバーラップが大きい場合でも、図7中の点線に示すように、トルク変動は小さくなる。また、リフト中心角の位相を遅角させる際に、本実施形態とは異なり、スロットル開度を変化させない場合には、図7中に一点鎖線で示すように、トルク変動が大きくなる。
吸気弁3のリフト・中心角の位相の遅角化が終了すると、吸気弁3のリフト・作動角の変更と、スロットル弁18のスロットル開度の変更とを同じタイミングで実施する。具体的には、図8(c)に示すように、吸気弁3のリフト・作動角を負圧要求がない場合のリフト作動角よりも相対的に大リフト・大作動角となる目標リフト・作動角に変更し、スロットル弁18を目標スロットル開度となるまで閉じる。吸気弁3の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁18の目標スロットル開度への変更は、図7にける時刻t3で完了する。ここで、吸気弁3の目標リフト・作動角は、要求トルクと負圧要求時の要求負圧に応じて決定され、スロットル弁18の目標スロットル開度は負圧要求時の要求負圧に応じて決定される。尚、要求負圧は、負圧要求に応じて決定される値であり、例えばブレーキペダルの踏み込み量が大きいほど大きな値となる。
図9は、このような本実施形態のにおける制御の流れを示すフローチャートである。
ステップ(以下、単にSとする記す)11では、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求もしくは、図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求の有無を検知し、負圧要求がある場合には、S12へ進み、負圧要求が無い場合には、今回のルーチンを終了する。
S12では、要求トルクと負圧要求時の要求負圧に応じて吸気弁3の目標リフト・作動角と、負圧要求時の要求負圧に応じた目標スロットル開度と、を算出する。
S13では、現在のバルブタイミングで吸気弁3のリフト・作動角を目標リフト・作動角としたとき、すなわち現在のリフト中心角の位相を保持した状態で吸気弁3のリフト・作動角を目標リフト・作動角としたとき、のバルブオーバーラップ(O/L)を算出する。
S14では、S13で算出されたバルブオーバーラップ(O/L)から、吸気弁3のリフト・作動角を目標リフト・作動角としたときにバルブオーバーラップ(O/L)がゼロとなるような吸気弁3のリフト中心角の位相の変更量を算出する。つまり、リフト中心角の位相の目標値を算出する。
そして、S15では、吸気弁のリフト中心角の位相をS14で算出したリフト中心角の位相の目標値に変更する。
S16では、吸気弁のリフト中心角の位相を目標値に変更した後、吸気弁のリフト・作動角の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁18のスロットル開度の目標スロットル開度への変更とを同じタイミングで実施する。
このような本実施形態においては、ブレーキ時に図外のマスターバックから出される負圧要求や図外のエバポレータがパージを行う際に出される負圧要求が出された際には、バルブオーバーラップ(O/L)の無い目標バルブタイミング(目標リフト・作動角、リフト中心角の位相を目標値)を要求トルクと負圧要求時の要求負圧に応じ算出し、まず吸気弁3のリフト中心角の位相を目標値まで変更し、その後吸気弁3のリフト・作動角を目標リフト・作動角に変更することによって、コレクタ16内に要求負圧を発達させる際には、バルブオーバーラップ(O/L)がゼロとなっており、筒内の排気ガス吸気管側に流れ込むいわゆる内部EGRを抑制することができるので、燃焼安定性を損なうことなくコレクタ16内に要求負圧を発達させることができる。
また、スロットル開度を目標スロットル開度となるよう閉弁させることによってコレクタ16内に要求負圧を発達させる際には、負圧の発達と伴に吸気弁3のリフト・作動角も大きくなるよう変更されているので、トルク段差の跳ね返りを防止することができる。
尚、コレクタ16内に負圧を発生させる際に燃焼が安定するのであれば、吸気弁3を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップ(O/L)がゼロでなくてもよい。この場合、具体的には、吸気弁3を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップ(O/L)が極めて小さい値となるように吸気弁3のリフト中心角の位相の目標値が設定されることになる。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大縮小制御可能なリフト・作動角可変機構と、吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる位相可変機構と、複数の気筒の吸気通路が接続されたコレクタと、このコレクタの上流に位置し、制御信号により開度が制御されるスロットル弁と、シリンダ内に吸入される吸気量が運転条件に応じた目標吸気量となるように、スロットル弁の開度とリフト・作動角可変機構と位相可変機構とを制御する制御手段と、を備えてなる内燃機関の制御装置において、負圧要求によりコレクタ内に負圧を発生させる際には、負圧要求に応じてスロットル弁の目標スロットル開度を算出すると共に、要求トルクと負圧要求に応じて吸気弁の目標リフト・作動角を算出し、吸気弁を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップが縮小されて負圧を発生させても燃焼が安定するように吸気弁のリフト中心角の位相を遅角させた後に、吸気弁の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁の目標スロットル開度への変更とを行う。これによって、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップが縮小され、筒内の排気ガス吸気管側に流れ込むいわゆる内部EGRを抑制することができるので、コレクタ内に負圧を発生させても燃焼を安定させることができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の制御装置において、スロットル弁は、目標スロットル開度への変更によって弁開度が閉弁方向に変更されるよう設定され、リフト・作動角可変機構は、負圧要求がある場合のリフト・作動角が、負圧要求がない場合のリフト・作動角に対して相対的に大リフト・大作動角となるよう設定されている。スロットル弁の閉弁方向への変更によって、コレクタ内の負圧が発達(増大)するが、このコレクタ内の負圧の発達に同期して、吸気弁のリフト量が増加することになるので、トルク段差の跳ね返りを防止することができる。
(3) 上記(1)または(2)に記載の内燃機関の制御装置において、負圧要求によりコレクタ内に負圧を発生させる際に、具体的には、吸気弁のリフト中心角の位相が吸気弁を目標リフト・作動角としたときに排気弁とのバルブオーバーラップがゼロとなるように遅角側に変更される。
この発明の一実施形態を示す構成説明図。 可変動弁機構の要部を示す斜視図。 リフト・作動角可変機構の動作説明図。 リフト・作動角可変機構によるリフト・作動角の特性変化を示す特性図。 位相可変機構によるバルブリフト特性の位相変化を示す特性図。 バルブオーバーラップがあるときの気筒を模式的に示した説明図。 本実施形態における要部を示すタイミングチャート。 (a)は時刻t1におけるバルブタイミングとスロットル開度を模式的に示した説明図、(b)時刻t2におけるバルブタイミングとスロットル開度を模式的に示した説明図、(c)時刻t3におけるバルブタイミングとスロットル開度を模式的に示した説明図。 本実施形態のにおける制御の流れを示すフローチャート。
符号の説明
3…吸気弁
16…コレクタ
18…スロットル弁
51…リフト・作動角可変機構
52…位相可変機構

Claims (3)

  1. 吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大縮小制御可能なリフト・作動角可変機構と、
    吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる位相可変機構と、
    複数の気筒の吸気通路が接続されたコレクタと、
    このコレクタの上流に位置し、制御信号により開度が制御されるスロットル弁と、
    シリンダ内に吸入される吸気量が運転条件に応じた目標吸気量となるように、スロットル弁の開度とリフト・作動角可変機構と位相可変機構とを制御する制御手段と、を備えてなる内燃機関の制御装置において、
    負圧要求によりコレクタ内に負圧を発生させる際には、
    負圧要求に応じてスロットル弁の目標スロットル開度を算出すると共に、要求トルクと負圧要求に応じて吸気弁の目標リフト・作動角を算出し、
    吸気弁を目標リフト・作動角としたときのバルブオーバーラップが縮小されて負圧を発生させても燃焼が安定するように吸気弁のリフト中心角の位相を遅角させた後に、吸気弁の目標リフト・作動角への変更と、スロットル弁の目標スロットル開度への変更とを行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. スロットル弁は、目標スロットル開度への変更によって弁開度が閉弁方向に変更されるよう設定され、
    リフト・作動角可変機構は、負圧要求がある場合のリフト・作動角が、負圧要求がない場合のリフト・作動角に対して相対的に大リフト・大作動角となるよう設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 負圧要求によりコレクタ内に負圧を発生させる際には、吸気弁のリフト中心角の位相は、吸気弁を目標リフト・作動角としたときに排気弁とのバルブオーバーラップがゼロとなるように遅角側に変更されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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