JP2005163634A - 車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents

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俊一 青山
Shinichi Takemura
信一 竹村
Takeshi Arinaga
毅 有永
Takanobu Sugiyama
孝伸 杉山
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Abstract

【課題】 マスタバックに必要に応じて十分な負圧を供給する。
【解決手段】 車両の運転状態に応じて、吸気系の吸入負圧を略一定としつつ吸気弁のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御する車両用内燃機関の制御装置において、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させる(S10、S11)。これによって、マスタバックに必要に応じて十分な負圧を蓄えておくことができるので、車両走行中の危険回避に不可欠となる車両の制動力を、常に発揮できる状態を保つことができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に開示されているような、吸気弁のリフト・作動角の拡大・縮小制御を行える可変動弁機構においては、機関低速時から高速時まで、燃焼と充填効率の最適化による燃費性能の大幅な向上が得られるようになっている。
特開平11−36906号公報。
また、吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる技術も従来から知られており、吸気弁の作動角・リフトの拡大・縮小制御と吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる制御とを組み合わせることによって、自由度の高い吸気弁のリフト・作動角及びリフト中心角の位相の制御が実現可能になっている。
また、吸気弁のリフト・作動角及びリフト中心角の位相制御が可能な可変動弁機構が搭載された内燃機関においては、吸気コレクタの上流に簡単な負圧調整弁を設けるのみで、基本的には従来のように吸気絞り弁(スロットル弁)の弁開度によって吸気量を制御せずに、吸気系の吸入負圧を、図8に示すように、負荷(吸気量)に関わらず略一定に制御することができる。これは、図9に示すように、吸気弁の小作動角・リフト制御に加え、リフト中心角の位相も最適に制御することにより、ポンピングロスを基本的に最小限に抑えて吸気を吸入することができるためである。
しかしながら、このような吸気弁の作動角・リフト制御及びリフト中心角の位相制御は燃費性能改善には大きな効果がある一方、吸気系の吸入負圧が常時低く抑えられるため、車両の制動システムに不可欠なマスタバックの負圧源として吸気系の吸入負圧を利用する場合、吸気系の吸入負圧のレベルが不足してしまい、別途真空ポンプを装着する必要がある。
そこで、本発明は、車両の運転状態に応じて、吸気系の吸入負圧を略一定としつつ吸気弁のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御する車両用内燃機関の制御装置において、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴としている。これによって、マスタバックには必要に応じて十分な負圧が蓄えられる。
本発明によれば、マスタバックに必要に応じて十分な負圧を蓄えておくことができるので、車両走行中の危険回避に不可欠となる車両の制動力を、常に発揮できる状態を保つことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明は、吸気弁4のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御することを前提しており、先ず、図1を用いて、吸気弁のバルブリフト特性を連続的に変更可能な可変動弁機構について説明する。この可変動弁機構1は、本発明に係る車両用内燃機関の制御装置に用いられるものであって、吸気弁4のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角変更機構2と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬクランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相変更機構3と、が組み合わされて構成されている。尚、このリフト・作動角変更機構2は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角変更機構2は、シリンダヘッド(図示せず)バルブガイド(図示せず)を介して摺動自在に設けられた吸気弁4と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)に回転自在に支持された中空状の駆動軸6と、この駆動軸6に、圧入等により固定された偏心カム7と、駆動軸6の上方位置に上記カムブラケットに回転自在に支持されるとともに駆動軸6と平行に配置された制御軸8と、この制御軸8の偏心カム部9に揺動自在に支持されたロッカアーム10と、各吸気弁4の上端部に配置されたタペット11に当接する揺動カム12と、を備えている。偏心カム7とロッカアーム10とはリンクアーム13によって連係されており、ロッカアーム10と揺動カム12とは、リンク部材14によって連係されている。
駆動軸6は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
偏心カム7は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸6の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム13の環状部13aが回転可能に嵌合している。
ロッカアーム10は、略中央部が偏心カム部9によって支持されており、その一端部に、リンクアーム13の延長部13bが連係しているとともに、他端部に、リンク部材14の上端部が連係している。偏心カム部9は、制御軸8の軸心から偏心しており、従って、制御軸8の角度位置に応じてロッカアーム10の揺動中心は変化する。
揺動カム12は、駆動軸6の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた揺動カム12の端部に、リンク部材14の下端部が連係している。この揺動カム12の下面には、駆動軸6と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム12の揺動位置に応じてタペット11の上面に当接するようになっている。
すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム12が揺動してカム面がタペット11に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
制御軸8は、一端部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ16によって所定回転角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ16への油圧供給は、エンジンコントロールユニット17からの制御信号に基づき、第1油圧制御部18によって制御されている。
このリフト・作動角変更機構2の作用を説明すると、駆動軸6が回転すると、偏心カム7のカム作用によってリンクアーム13が上下動し、これに伴ってロッカアーム10が揺動する。このロッカアーム10の揺動は、リンク部材14を介して揺動カム12へ伝達され、該揺動カム12が揺動する。この揺動カム12のカム作用によって、タペット11が押圧され、吸気弁4がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ16を介して制御軸8の角度が変化すると、ロッカアーム10の初期位置が変化し、ひいては揺動カム12の初期揺動位置が変化する。
例えば偏心カム部9が図の上方へ位置しているとすると、ロッカアーム10は全体として上方へ位置し、揺動カム12の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム12の初期位置は、そのカム面がタペット11から離れる方向に傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って揺動カム12が揺動した際に、揺動カム12の基円面が長くタペット11に接触し続け、揺動カム12のカム面がタペット11に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部9が図の下方へ位置しているとすると、ロッカアーム10は全体として下方へ位置し、揺動カム12の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム12の初期位置は、そのカム面がタペット11に近付く方向に傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って揺動カム12が揺動した際に、タペット11と接触する部位が揺動カム12の基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
偏心カム部9の位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は連続的に変化する。つまり、バルブリフト量ならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。特に、このものでは、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁4の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。尚、リフト・作動角可変機構は、油圧式のものに限られず、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
次に、位相変更機構3は、駆動軸6の前端部に設けられたスプロケット19と、このスプロケット19と駆動軸6とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用油圧アクチュエータ20と、から構成されている。スプロケット19は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。位相制御用油圧アクチュエータ20への油圧供給は、エンジンコントロールユニット17からの制御信号に基づき、第2油圧制御部21によって制御されている。この位相制御用油圧アクチュエータ20への油圧制御によって、スプロケット19と駆動軸6とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。位相変更機構3としては、油圧式のものに限られず、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
図2は、上述した可変動弁機構1を備えた、本発明に係る車両用内燃機関の制御装置の全体システム構成を示す説明図である。尚、本実施形態においては、基本的には、吸気系の吸入負圧を略一定としつつ吸気弁4のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御している。
上述した第1油圧制御部18及び第2油圧制御部21へ制御信号を送るエンジンコントロールユニット17には、アクセルペダルセンサ31、クランク角センサ32、吸入負圧センサ33、排気温度センサ34、ブレーキセンサ35及びマスタバック負圧センサ36からの検出信号が入力されている。
アクセルペダルセンサ31は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた出力信号をエンジンコントロールユニット17に送るものであり、エンジンコントロールユニット17は、アクセルペダルセンサ31からのこの出力信号からエンジン負荷及び後述するアクセル開度APOを演算する。また、エンジンコントロールユニットは、クランク角センサ32からエンジン負荷を、吸入負圧センサ33から吸入負圧を、排気温度センサ34から排気温度を、ブレーキセンサ35からブレーキペダル37の踏み込み量を、マスタバック負圧センサ36からは後述する吸入負圧導入管45を介して制動機構としてのマスタバック38内に蓄えられて負圧をそれぞれ検出している。
つまり、アクセルペダルセンサ31及びクランク角センサ32が運転状態検出手段に相当し、ブレーキセンサ35が制動状態検出手段に相当している。
尚、マスタバック38は、吸入負圧を利用して運転者がブレーキペダルを踏み込む時に、吸入負圧を利用して必要となる踏み込み力を軽減するいわゆる倍力装置である。また、図2中の39は、ブレーキペダル37の踏み力を受けてブレーキ油圧を発生させるマスタシリンダである。
また、エンジンコントロールユニット17は、吸入負圧を制御可能な負圧調整弁40の制御を行っている。吸気系内に配設された負圧調整弁40は、図3に示すように、吸気コレクタ41の吸気上流側の位置し、エンジンコントロールユニット17からの指令で動作する電動アクチュエータ42によって、その弁開度が制御されている。吸気コレクタ41には、吸気ポート43に連通する吸気ブランチ44が接続されている。
ここで、負圧調整弁40よりも吸気下流側には、マスタバック38に吸入負圧を導入する吸入負圧導入管45が接続されている。
マスタバック38は、内部に空気室と負圧室とが設けれた構造となっており、基本的には吸入負圧導入管45から導入された負圧が負圧室に蓄えられ、ブレーキペダルが踏み込まれると(制動開始)、空気室に大気が導入され、負圧室との差圧で倍力装置の機能を発揮する。従って、制動時にはマスタバック38に十分な吸入負圧を供給する必要がある。特にブレーキペダル37が踏まれる急減速時などは、事故を回避するための緊急時であり、出来るだけ大きな吸入負圧が望ましい。
そこで、図4に示すように、可変動弁機構1(吸気弁4)及び負圧調整弁40を制御をする。
図4に示す処理ルーチンは、エンジンコントロールユニット17内で所定時間毎に実行される。
ステップ(以下単にSと表記する)1では、アクセル開度APOとエンジン回転速度Neとに基づいて目標エンジントルクtTeを算出する。
S2では、高負荷運転条件であるか否か判断する。例えば、S1で算出した目標エンジントルクtTeが現在のエンジン回転速度Neにおける最大エンジントルクの90%以上であるとき高負荷運転条件であると判断する。
S2で高負荷運転条件であると判断した場合はS3へ進み、負圧調整弁40の目標弁開度tTVOを全開に設定する。この設定により、吸気系内の圧力は大気圧にほぼ等しくなる。
S4では、目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neとに基づいて高負荷運転時の吸気弁4の目標作動角tVEL及び目標中心角tVTCを算出する。具体的には、tTeとNeとに対応させてtVELを記憶させてあるVEL制御マップAから値をルックアップするとともに、tTeとNeとに対応させてtVTCを記憶させてあるVTC制御マップAから値をルックアップする。マップセットA(VEL制御マップAとVTC制御マップA)は、様々なバルブリフト特性(作動角と中心角の組み合わせ)について負圧調整弁40を全開としたたきのエンジントルクを求める実験を行い、この実験結果から任意のエンジントルクを最良燃費で実現するバルブリフト特性を求め、これを吸気弁の作動角と中心角についてそれぞれマップ化したものである。
S2で高負荷運転条件でないと判断した場合はS5へ進み、車両運転者が制動操作を行っているか否か、すなわち、ブレーキセンサ35がブレーキの踏み込みを検知しているか否かを判断する。
S5で制動操作有りと判断した場合はS6へ進み、負圧調整弁40の目標弁開度tTVOを全閉に設定する。この設定により、吸入負圧が高くなる。
S7では、目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neとに基づいて制動操作時の目標作動角tVELと目標中心角tVTCを算出する。具体的には、tTeとNeとに対応させてtVELを記憶させてあるVEL制御マップBから値をルックアップするとともに、tTeとNeとに対応させてtVTCを記憶させてあるVTC制御マップBから値をルックアップする。VEL制御マップBとVTC制御マップBは、通常制御時に使用するマップセットB(詳細は後述)の一部である。
S8では、S7で算出した目標中心角tVTCに対し所定の遅角補正を施して最終的な目標中心角tVTCを算出する。すなわち、通常制御時に比べて吸気弁4のリフト中心角を吸入下死点に近づけるように遅角させる。制動操作中のアクセル開度APOは通常全閉であり、通常制御における目標中心角tVTCはアイドリング条件の目標中心角程度となっているから、遅角補正後の目標中心角tVTCはアイドリング条件の目標中心角より遅角側となり、遅角補正後の吸気弁閉時期はアイドリング条件の吸気弁閉時期より吸入下死点に近づくこととなる。この補正により、吸入負圧がさらに高くなる。尚、目標中心角tVTCの遅角補正に代えて目標作動角tVELの増大補正を行うようにしても良い。この場合には、目標作動角tVELを増大させることによって、吸気弁閉時期を吸入下死点に近づけることになる。
上述のように、吸入負圧増大効果は目標中心角tVTCの遅角補正によっても目標作動角tVELの増大補正によっても得ることができるが、目標中心角tVTCの遅角補正では燃焼安定性が向上するという副次的な効果を得ることができる。すなわち、制動操作中のアクセル開度APOは通常全閉であり、目標エンジントルクtTeに対応するエンジン吸入空気量が少ない上に負圧制御弁40の全閉制御も行なわれるため、制動操作中のエンジン吸入空気量は極めて少なくなる。このとき、目標作動角tVELの増大補正を行うとリフト量が大きくなって吸気流速が低下する。これに対し、目標中心角tVTCの遅角補正であれば小リフト(アイドリング条件のリフト程度)が維持され、さらに筒内負圧が高まってから吸気弁4を開くので吸気流速が通常制御時よりも上昇する。この吸気流れによって燃料の気化が促進されるとともに筒内ガス流動が強まって燃焼安定性が向上する。また、吸入負圧を等しく高める条件で比較した場合、目標作動角tVELの増大補正を行ったときの燃費悪化代より目標中心角tVTCの遅角補正を行ったときの燃費悪化代の方が小さくなることが多い。
尚、制動操作中のエンジントルクは目標エンジントルクtTeに一致しない。また、通常制御中に制動操作を行うと負圧調整弁40の目標弁開度tTVOと目標中心角tVTCがステップ的に切り換わる。これらに起因して制動操作直後にエンジントルク変動が発生する可能性があるが、制動操作に伴う車両加速度変化の方が大きいので、エンジントルク変動が車両運転者に違和感を与えることはない。
S5で制動操作無しと判断した場合はS9へ進み、マスタバック38の負圧を補充する必要があるか否か判断する。具体的には、マスタバック負圧センサ36で検出したマスタバック負圧が負圧補充判定値より低くなったときに負圧補充要と判断する。この判断結果は、マスタバック負圧が予め設定された負圧補充完了判定値(負圧補充判定値より高負圧側に設定)より高くなるまで維持される。
S9でマスタバック38への負圧補充要と判断した場合はS10へ進み、目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neとに基づいて負圧補充制御時の負圧調整弁40の目標弁開度tTVOと目標作動角tVELと目標中心角tVTCを算出する。具体的には、tTeとNeとに対応させてtTVOを記憶させてあるTVO制御マップCから値をルックアップし、tTeとNeとに対応させてtVELを記憶させてあるVEL制御マップCから値をルックアップし、tTeとNeとに対応させてtVTCを記憶させてあるVTC制御マップCから値をルックアップする。マップセットC(TVO制御マップCとVEL制御マップCとVTC制御マップC)は、様々なバルブリフト特性について吸入負圧を所定負圧とする負圧調整弁40の開度とそのときのエンジントルクを求める実験を行い、この実験結果から任意のエンジントルクを最良燃費で実現する負圧調整弁40の開度とバルブリフト特性の組み合わせを求め、これを負圧調整弁40の開度と作動角と中心角についてそれぞれマップ化したものである。上記の所定負圧は、後述の通常負圧より高負圧側に設定される固定値であり、マスタバックの38負圧を徐々に補充できる程度の負圧である。また、ここで算出される目標値と通常制御時(tTe、Ne同一条件)の目標値とを比較した場合、
・負圧調整弁40の目標弁開度tTVOが通常制御時よりも小さい
・目標作動角tVELが通常制御時よりも大きい
・目標中心角tVTCが通常制御時よりも遅角側
のうち少なくとも1つが成立している。また、ここで算出される目標値で各装置を制御したときのエンジン吸入空気量は、通常制御時のエンジン吸入空気量よりもポンプ損失増大分だけ多くなる。なお、所定負圧と通常負圧との差が大きいほどポンプ損失増大分が大きくなる一方負圧補充に要する時間が短くなる。
S11では、通常制御時の目標値から負圧補充制御時の目標値へ向けて各目標値を徐々に変化させる。この徐変処理は、制御の移行(通常制御から負圧補充制御へ)が発生してから各目標値が負圧補充制御時の目標値へ収束するまで実行される。この徐変処理により、制御移行時のエンジントルク変動を防止できる。通常制御から負圧補充制御への移行は、車両運転者の意思(運転操作の有無)に関わらず発生するので、このときエンジントルク変動が発生すると車両運転者に大きな違和感を与えることになる。
S9で負圧補充不要と判断した場合はS12へ進み、目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neとに基づいて通常制御時の負圧調整弁40目標弁開度tTVOと目標作動角tVELと目標中心角tVTCを算出する。具体的には、tTeとNeとに対応させてtTVOを記憶させてあるTVO制御マップBから値をルックアップし、tTeとNeとに対応させてtVELを記憶させてあるVEL制御マップBから値をルックアップし、tTeとNeとに対応させてtVTCを記憶させてあるVTC制御マップBから値をルックアップする。マップセットB(TVO制御マップBとVEL制御マップBとVTC制御マップB)は、様々なバルブリフト特性について吸入負圧を通常負圧(例えば−100mmHg)とする負圧調整弁40の開度とそのときのエンジントルクを求める実験を行い、この実験結果から任意のエンジントルクを最良燃費で実現する負圧調整弁40の開度とバルブリフト特性の組み合わせを求め、これを負圧調整弁40の開度と作動角と中心角についてそれぞれマップ化したものである。通常負圧は、燃料タンクで発生した燃料蒸気やブローバイガスを吸気系へ導入するために最低限必要な負圧に設定される。
S13では、目標値の徐変処理(S11の処理と反対の処理)を行う。
以上のようにして負圧調整弁40の目標弁開度tTVOと目標作動角tVELと目標中心角tVTCを算出したら、各目標値とそれぞれに対応する実際値との偏差に基づいて可変動弁機構1並びに負圧調整弁40をフィードバック制御する。
図5は、制動操作が行われた際の吸気弁作動特性、負圧調整弁40弁開度等に関する時間変化を示すタイミングチャートである。マスタバック38に負圧の補充が行われている際には、吸入負圧を増大(吸入負圧の低下を抑制)させるべく負圧調整弁40の開度を絞り、吸気弁4のリフト中心角を遅角させることで吸気弁閉時期IVCを下死点近傍に遅角させる。マスタバック38に負圧の補充が終わったら、燃費優先のため吸気弁4のリフト中心角をもとの状態まで進角させる。
このように、上述した実施形態においては、マスタバック38の負圧が所定値を下回った場合には、吸気弁4の作動特性(作動角、バルブリフト量、位相角)や、負圧調整弁40の弁開度を変化させ、吸気系の吸入負圧が発達するような吸入特性に戻すことができる。つまり、マスタバックに必要に応じて十分な負圧を蓄えておくことができるので、車両走行中の危険回避に不可欠となる車両の制動力を、常に発揮できる状態を保つことができる。尚、この場合、切換にともなうショックなどがないように、負圧調整弁40の開度、吸気弁4のバルブリフト特性は、目標値に向かって徐々に変化するよう制御される。
ところで、例えば低速の20km/h程度の巡航時に、負圧発生の切り替え(吸入負圧の増大)を行う場面では、負圧発生に伴うポンプ損失の増大によるトルク低下を修正することが必要となる。吸入負圧を増大させる吸気弁作動特性の設定については図6に示すように、小作動角・リフトを維持しながら位相角を遅角させ、吸気弁閉時期を下死点近傍に近づける方法と、吸気弁のリフト・作動角を拡大し、通常の固定作動角・リフトの吸気弁のような開閉時期にする方法がある。これらいずれの方法でも大きな吸入負圧は発生できるが、前述のポンプ損失発生の点では吸気弁は小作動角・リフトを保ったままで閉時期を下死点に近づける方法がポンプ損失分を軽減できるので有利である。この理由は吸気弁が閉じている吸入行程前半は、吸気系の高い吸入負圧がシリンダ(燃焼室)に導入されず、残留ガスの断熱膨張に近い形で筒内の圧力が徐々に低下(負圧は増大)するためである。また吸気弁の開時期を大幅に遅らせ、閉時期は下死点近傍の場合、開弁期間は例えば90°程度であるため、バルブリフトは1mm以下で、吸気弁の開弁時期を遅らせた効果とともに、吸気流速を大幅に高めることができため、燃焼は改善されるため、多少のポンプ損失増大は相殺することが出来る。
尚、上述した実施形態において、負圧調整弁40を必ずしも電動アクチュエータ42で駆動させる必要はなく、例えば、図7に示すように、エンジンコントロールユニットによって制御される4方電磁弁50を用いて駆動させるようにしてもよい。すなわち、負圧調整弁は、4方電磁弁を切り替えることによって、起動時には最小開度とし、通常運転時には負圧調整弁の下流側の吸入負圧を導入することで−50〜100mmHg程度の所定吸入負圧で開弁させ、加速時にはマスタバック内に蓄えられた負圧を導入して強制的に全開となるよう作動させてもよい。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 車両用内燃機関の制御装置は、吸気弁のバルブリフト特性を連続的に変更可能な可変動弁機構と、吸気系の吸入負圧を調整可能な負圧調整弁と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、吸気系内の吸入負圧が導入されたマスタバックと、を備え、車両の運転状態に応じて、吸気系の吸入負圧を略一定としつつ吸気弁のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御するものであって、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させる。これによって、マスタバックに必要に応じて十分な負圧を蓄えておくことができるので、車両走行中の危険回避に不可欠となる車両の制動力を、常に発揮できる状態を保つことができる。
(2) 上記(1)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、負圧調整弁の弁開度を減少させることによって吸気系の吸入負圧を増大させる。
(3) 上記(1)または(2)に記載の車両用内燃機関の制御装置において、可変動弁機構は、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を同時に、かつ連続的に変更可能なリフト・作動角変更機構と、吸気弁の作動角の位相を変更可能な位相変更機構と、により構成されたものであって、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、可変動弁機構により吸気弁のバルブリフト特性を変更することによって、吸気系の吸入負圧を増大させる。
(4) 上記(3)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、吸気系の吸入負圧を増大させるために、リフト・作動角変更機構により、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を変更する。
(5) 上記(3)または(4)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、吸気系の吸入負圧を増大させるために、位相変更機構により、吸気弁の作動角の位相を変更する。
(6) 上記(4)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、同一の運転状態のときに比べ、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を増大させ、吸気弁閉時期を吸入下死点に近づけるようリフト・作動角変更機構を制御することで、吸気系の吸入負圧を増大させる。
(7) 上記(5)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、同一の運転状態のときに比べ、吸気弁の作動角の位相を吸気弁閉時期を吸入下死点に近づけるように位相変更機構を制御することで、吸気系の吸入負圧を増大させる。
(8) 上記(1)に記載の車両用内燃機関の制御装置は、より具体的には、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させるために、吸入空気量を相対的に増加させる。
可変動弁機構の概略構成を示す説明図。 本発明に係る車両用内燃機関の制御装置の全体システム構成を示す説明図。 吸気系の要部を示す説明図。 本発明に係る車両用内燃機関の制御装置の制御の流れを示すフローチャート。 制動操作が行われた際の吸気弁作動特性、負圧調整弁40弁開度等に関する時間変化を示すタイミングチャート。 小リフト・小作動角で、かつリフト中心角を大きく遅角させた時のインジケータ線図。 負圧調整弁の他の駆動方法を示す説明図。 吸入負圧とエンジントルクの相関関係を示す説明図。 小リフト・小作動角で、かつリフト中心角の位相を最適に制御した時のインジケータ線図。
符号の説明
1…可変動弁機構
2…リフト・作動角変更機構
3…位相変更機構
36…マスタバック負圧センサ
37…ブレーキペダル
38…マスタバック
40…負圧調整弁

Claims (8)

  1. 吸気弁のバルブリフト特性を連続的に変更可能な可変動弁機構と、吸気系の吸入負圧を調整可能な負圧調整弁と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、吸気系内の吸入負圧が導入されたマスタバックと、を備え、車両の運転状態に応じて、吸気系の吸入負圧を略一定としつつ吸気弁のバルブリフト特性を変更して吸入空気量を制御する車両用内燃機関の制御装置において、
    マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴とする車両用内燃機関の制御装置。
  2. マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、負圧調整弁の弁開度を減少させることによって吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  3. 可変動弁機構は、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を同時に、かつ連続的に変更可能なリフト・作動角変更機構と、吸気弁の作動角の位相を変更可能な位相変更機構と、により構成されたものであって、マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、可変動弁機構により吸気弁のバルブリフト特性を変更することによって、吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  4. 吸気系の吸入負圧を増大させるために、リフト・作動角変更機構により、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を変更することを特徴とする請求項3に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  5. 吸気系の吸入負圧を増大させるために、位相変更機構により、吸気弁の作動角の位相を変更することを特徴とする請求項3または4に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  6. 同一の運転状態のときに比べ、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を増大させ、吸気弁閉時期を吸入下死点に近づけるようリフト・作動角変更機構を制御することで、吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴とする請求項4に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  7. 同一の運転状態のときに比べ、吸気弁の作動角の位相を吸気弁閉時期を吸入下死点に近づけるように位相変更機構を制御することで、吸気系の吸入負圧を増大させることを特徴とする請求項5に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  8. マスタバック内に蓄えられた負圧が所定値以下になった場合には、吸気系の吸入負圧を増大させるために、吸入空気量を相対的に増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の制御装置。
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