JP2007277351A - インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色材として顔料等の水分散性色材を用いた場合でも、熱エネルギーを用いたヘッドを用いて、常に安定して長時間使用できるインクジェット用インクを提供すること。
【解決手段】熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に適用されるインクジェット用インクであって、少なくとも、水分散性色材と、水と、水溶性有機溶媒とを含んでなるインクジェット用インクにおいて、0.1〜2.0質量%の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を含み、且つ、インクのpHが2〜6であることを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、該インクを用いたインクジェット記録方法に関し、インクジェット用に特別に調製された塗工紙は勿論のこと、それ以外の、コピー紙、レポート用紙、ボンド紙及び連続伝票用紙等のオフィスや家庭で一般に使用されている非塗工紙(所謂、普通紙)に対しても、高精細で且つ高堅牢な記録が可能なインクジェット用インク(単に「インク」と呼ぶこともある)及び該インクを用いたインクジェット記録方法に関する。
現在、種々の方法のインクジェット記録技術が検討され、オフィス、家庭、POP(店頭広告)等、様々な用途で実用化されている。ここで、インクジェット記録方法としては、これまでに様々な方式が提案されている。例えば、帯電した液滴を連続的に発生させ、該液滴の一部を記録に使用する方式、圧電素子を有する記録ヘッドに信号を与え、該信号に応じて記録液(インク)の液滴を発生させて記録を行う方式がある。又、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させて記録を行う方式等がある。とりわけ、特許文献1に記載されているような、熱エネルギーによるインクの発泡現象によってインクを吐出させるタイプは、ノズルの高集積化及び高密度化が容易であることから、広く実用化されている。
一方、インクジェット記録用のインクについても、色や濃度等、画像形成にかかわる部分から、ノズル先端で目詰まりしないといった信頼性にかかわる部分まで、実に様々な課題があり、数多くの検討がなされている。特に、熱エネルギーを利用したインクジェット記録方法を用いる場合には、上記のような課題のほかに、下記のような特有の課題がある。即ち、所謂コゲーション(以降コゲと略す)と呼ばれる、加熱されたインクの成分が熱分解してヒーター上に堆積し、安定した記録ができなくなるという問題である。
この問題に対しては、既に種々の検討が行われている。それらの検討によれば、コゲの原因は、下記の3種に分類され、これらのいずれか又はその複合的なものであるといえる。即ち、コゲの原因としては、インクが含有する下記の成分が考えられる。
(1)インク中の記録剤(色材)自身
(2)記録剤(色材)或いは液媒体等を構成する有機物の反応中間体等に起因する有機不純物
(3)染料等の色材合成時やインク製造時に混入してくる無機不純物
これらの原因に対しては、(1)については、染料の水溶性を高めることにより、そして(2)及び(3)については、合成の際に精製により除去することで主として対応されている。その結果、広範な使用に十分なインクジェット用インクが得られている。
又、コゲの発生を抑制する別の方向からの技術としては、インクに添加剤を加えてコゲを防止する方法の検討も行われている。例えば、特許文献2には、単分子で溶解している水溶性染料を含むインクに、ポリホスホン酸を添加することにより、コゲーションが発生しなくなるという技術が開示されている。更に、特許文献3には、インクに、ビスヒドロキシエチルスルホンとクエン酸を含有させて、水溶性の色材を含むインクのコゲを防止する技術が開示されている。
特開昭54−59936号公報 特開平2−233777号公報 特開平11−315238号公報
一方、近年では、記録した画像の長寿命化のために、インクの色材として顔料等の水分散性色材を使用することが望まれている。顔料は、通常の印刷等の用途では、数ミクロン単位に分散されるものであるが、インクジェット用インクとする場合は、微細なノズルから吐出させるために、数十nm〜数百nmに分散するものであることが求められる。本発明者らは、インクジェット用として使用可能な粒径に分散された顔料を色材として用いたインクを、熱エネルギーを用いたインクジェット用記録ヘッドで使用することを試みた。すると、短時間吐出させただけで、吐出が止ってしまい、用いたヘッドを分解すると、ヒーター上に激しいコゲの堆積が見られた。
この問題に対して、従来より、水溶性染料を用いたインクに対してコゲ防止に効果があるとされるEDTAを用いたところ、コゲの改善が見られなかった。そこで、前記した特開平2−233777号公報に記載されている1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(以下、HEDPと略す)を用いたところ、改善する傾向が見られた。そこで、本発明者らは、HEDPを、顔料等の水分散性色材を使用するインク中へ添加することについて、更に詳細な検討を行った。しかしながら、常に安定して使用できるインクを得ることはできなかった。例えば、同一構造をもつ顔料を色材として使用しているにもかかわらず、コゲが改善しなかったり、又、場合によっては、熱エネルギーを伝えるヒーターが破壊する(ヒーターの断線)こともあった。本発明者らが、このようなばらつきを生じる原因について各種の検討を行ったところ、顔料等の水分散性色材をインクジェット用インク化するための複雑な工程から生じる、量の制御の困難な不純物に由来するものであることがわかった。
これらの不純物の発生原因について更に詳細に説明する。先ず第一に、顔料は、インクジェット用に微粒子化するために、その製造工程において、結晶の成長を人為的にとめる等の工程が入っている場合が多い。結晶の成長を人為的に止めるための方法としては、具体的には、主成分と構造が類似した顔料を微量混入させることや、或いは、ロジン等の添加剤を使用する等の方法が行われている。そして、このようにして製造された顔料は、この後、通常、粉砕メディア等を用いての分散工程を経て、水溶性樹脂を分散剤として水に分散されてインクとされる。製造工程時に顔料粒子内部に内包した不純物は、インク化して長期保存したとき等に経時的にインク中に溶出する。そして、特に、ロジン等によって処理された場合に、インクに不純物が溶出した場合に、コゲ等、吐出不良の原因となることが多いことがわかった。
又、第2に、粉砕メディア等を用いて分散すると、コンタミ(夾雑物の混入)が起こる場合がある。例えば、粉砕メディアにガラスビーズを使用した場合、インク中には、ごく微量であるが、珪素の溶出が起こる。溶出しにくいといわれるジルコニアを粉砕メディアに用いた場合ですらも、インク中に数10ppmの溶出は避けられない。又、これらのビーズからのコンタミを嫌って、ビーズレス分散を行った場合でも、顔料と分散剤の間に何らかの機械的シェアをかける必要があるため、シェアをかけるのに使用した材料からの微量なコンタミは避けられない。
又、これらの不純物に対応すべく、HEDPをインクに添加すると、不純物が少なかった場合には、遊離のHEDPがヒーター材を溶解する作用を起こし、ヒーター断線が発生し、不吐にいたってしまうことがあることがわかった。このように、従来の技術を組み合わせるのみでは、安定した吐出特性をもつ水分散性色材を含むインクジェット用インクは得られなかった。
本発明は、上記した従来技術の課題の解決を目的としたものである。即ち、本発明の主な目的は、色材として顔料等の水分散性色材を用いた場合でも、熱エネルギーを用いたヘッドを用いて、常に安定して長時間使用できるインクジェット用インクを提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に適用されるインクジェット用インクであって、少なくとも、水分散性色材と、水と、水溶性有機溶媒とを含んでなるインクジェット用インクにおいて、0.1〜2.0質量%の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を含み、且つ、インクのpHが2〜6であることを特徴とするインクジェット用インクである。
又、本発明の第2の態様は、上記に加えて、更に、ビスヒドロキシエチルスルホンを含むインクジェット用インクである。
本発明にかかるインクによれば、従来技術の問題点が十分に解決されており、特に発熱ヒーター上における沈着物の発生を最も嫌う熱エネルギーを使用するインクジェット記録方式のインクとして好適であり、優れた品質の画像が安定的に得られる。
次に、発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明にかかる手段で、コゲの問題が改善するメカニズムについては、推測の域を超えないが、以下のように考えている。即ち、本発明で使用するHEDPは、遊離金属のキレートと、微量不純物の分散力という2種類の機能をもっている。pHが高い状態では、遊離金属のコゲ防止力は優れている反面、ヒーターの保護膜の金属材料を引き抜く力も強く、この結果、断線を引き起こす。これに対し、本発明で規定するpH2〜6の酸性領域では、キレート力は高OH域に比較すれば弱いものの、顔料の前処理剤として含まれるマグネシウムやカルシウム等や、分散に使用したベッセルからの金属イオンの封鎖には十分である。
又、粉砕メディアであるガラスビーズ等からの溶出物は、低pHではコロイド状態となっていると推定されるが、それに対しては、HEDPのもつ分散力が有効に働き、コゲを防止するものと思われる。上記したような理由から、本発明で規定した「特定量のHEDPを含有するインクを特定の酸性pH域で使用する」というコゲの発生が抑制され、且つ断線しないという効果が得られる領域があったものと考える。尚、ヒーターの断線については、使用するヘッドのヒーターの上のインクとの接触面の保護膜を厚くすれば防ぐことができる。しかしながら、そうすると熱の伝導が悪くなるため、高周波数で且つ吐出堆積が小さくて安定した近年の高画質、高速記録には適さなくなるので、適当な方法とは言えない。
又、上記に加えて更にビスヒドロキシエチルスルホンを含んでなる本発明の第2の態様のインクによれば、熱エネルギーを利用したヘッドにおいて、更に長期にわたりコゲを防止することができる。ビスヒドロキシエチルスルホンは、前記した特開平11−315238号公報にも記載されているように、コゲの抑制に効果がある物質である。その反面、小液滴での長期間にわたる耐久においては、ヒーター上にビスヒドロキシエチルスルホン自身が由来と思われるコゲを発生する。本発明者らの検討によれば、本発明のように、HEDPを併用すれば、ビスヒドロキシエチルスルホン由来のコゲが防止でき、より長期にわたり安定した吐出を得ることが可能となる。インクの吐出安定性が増す理由は明らかでないが、HEDPの分散力により、ビスヒドロキシエチルスルホン由来のコゲが発熱ヒーター上に析出しても、再溶解するためと推測している。
次に、本発明で使用する各成分について更に詳細に説明する。本発明にかかるインクは、色材として水分散性色材を含み、該色材を、水と水溶性有機溶媒との混合媒体によって分散してなるインクジェット用インクである。そして、水溶性化合物である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)を0.1〜2.0質量%含み、且つ、インクのpHが2〜6であることを特徴とする。即ち、本発明では、HEDPを0.1質量%〜2質量%含有し、且つインクのpHが2〜6であることが必須であるが、本発明で使用するHEDPは、下記の構造を有し、従来公知の方法で得られるものである。
Figure 2007277351
上記したHEDPは、酸型でインクに添加してもよいが、ナトリウム塩の状態でインクに添加してもよい。そのインク中における添加量は、0.1質量%〜2質量%の範囲であり、更にこのときのpHは、2〜6の範囲に調整する。インクのpHを調整する手段については、酸型のHEDPを添加後、水酸化ナトリウム等で調整してもよいし、或いは、HEDPの酸型とナトリウム塩型を混合して使用してもよい。
尚、特開2002−338852公報や特開2003−145245公報において、インクジェット用インクにHEDPを添加する検討がなされている。しかし、これらの技術では、本発明で検討している顔料等の水分散性色材を使用する場合においてのコゲの発生を抑制するという技術課題については触れられておらず、その目的が異なるものである。又、実施例の範囲も本発明とは全く異なっているものである。
次に、本発明で使用する水分散性色材について説明する。インクの色材として使用する水分散性色材は、具体的には顔料等が挙げられる。先に述べたように、本発明の効果は、特に、顔料と分散剤の間に何らかの機械的なシェアをかけて分散する分散工程を経て分散剤によって水に分散される色素を使用する場合に有効である。
本発明で使用する顔料の例としては、黒色インクに使用される顔料としてはカーボンブラックが好適である。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料である。そして、その一次粒子径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%の特性をもつものが好ましく用いられる。
カラーインクに使用される顔料としては、通常インクジェットで使用される有機顔料をいずれも好適に使用できる。これら有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントイエロー13、同17、同55、同74、同93、同97、同98、同110、同128、同139、同147、同150、同151、同154、同155、同180、同185、C.I.ピグメントレッド122、同202、同209、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4等である。中でも、フタロシアニン系のC.I.ピグメントブルー15:3、同15:4等は、顔料合成時に一次粒径制御のために各種添加剤を必要とすることが多いため、本発明の効果がより発揮される。尚、インク中におけるこれら顔料の含有量は、印字物の濃度をより向上させ、又、インクのリフィル性をより良好にするために、インク全質量に対して3〜20質量%の範囲で用いられることが好ましい。
上記の顔料を分散するための分散剤としては、インクジェット用として従来公知の分散剤が使用可能である。中でも、分散剤の可溶化基として、ノニオン系の界面活性剤をもつもの、或いは、スルホン酸基、カチオンをもつもの、リン酸エステル系界面活性剤等が、本発明は特に適している。具体的には、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
上記に列挙した顔料は、上記の分散剤と混合し、従来公知の分散処理を行うことにより、インクジェット記録用として好適な粒径の範囲に調整される。好ましく使用される分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、タイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。メディアとしては、ガラスビーズを用いた場合に本発明の効果がより発揮される。
本発明にかかるインクは、上記したような顔料等の水分散性色材を、水と水溶性有機溶媒との混合媒体に分散してなる。水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水を使用することが好ましい。水と混合して使用される水溶性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール及びイソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド類;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、分子量200〜600までのポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスヒドロキシエチルスルホン、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール及びグリセリン等のポリオール類;エチレングリコールモノエチル(ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノエチル(ブチル)エーテル及びトリエチレングリコールモノエチル(ブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン及びジメチルホルムアミド等の非プロトン供与性極性溶媒等が挙げられる。
この理由はさだかではないが、本発明者らの検討によれば、特定量のHEDPの水溶液を含有する本発明にかかるインク中における上記水溶性有機溶媒の含有量は、25質量%以下であることが好ましい。これは、色材のほかに分散剤も通常使用されることから、粘度の制約上、水溶性有機溶媒の量を25質量%以上にすると、粘度が高くなり過ぎるからである。
又、本発明の第2の態様としては、上記水溶性有機溶媒に変えて、ビスヒドロキシエチルスルホンを含む構成とすることにより、より長期にわたる安定吐出性を得ることが可能である。ビスヒドロキシエチルスルホンのインク中への添加量は、1質量%〜20質量%、好ましくは3質量%〜20質量%である。本発明にかかるインク中における水の含有量は、インク全質量の10〜90質量%の範囲であることが好ましい。又、本発明にかかるインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を有するインクとするために、界面活性剤、消泡剤及び防腐剤等を添加することが可能であり、更に、市販の水溶性染料等を添加することも可能である。
(記録装置)
上記した本発明にかかるインクは、特に、熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる方法を適用したインクジェット記録装置に適用した場合に、大きな効果が得られる。このような記録装置としては、従来公知のもので、熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させるための記録ヘッドが、インクとの接触部分に耐キャビテーション膜を有し、該耐キャビテーション膜の膜厚が0.25μm以下である保護膜をもつ記録ヘッドが挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に示さない限り質量基準とする。
<顔料分散液の調製>
顔料としてChromofine blue4920(C.I.ピグメントブルー15:3)を用いた。そして、該顔料15部に、分散剤としてナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の30%水溶液を50部、エタノール5部、水30部を加えて、ウルトラディスパーザーにて30分プレミキシングした。その後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径
・粉砕メデイアの充填率:60体積%
・粉砕時間:3時間
更に、上記分散液に対して遠心分離処理(20,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液Aを得た。そして、該顔料分散液を用いて次のインクの作成に使用した。
<実施例のインク1〜9の調製>
上記分散液20部、ジエチレングリコール15部、グリセリン3部、水50部加えて1時間撹拌した後、表1中に示した数値のHEDPを加え、水酸化ナトリウムにて表1中に示した数値のpHにし、残部の水を調整して全量で100部として、実施例のインク1〜9を得た。
<実施例のインク10〜12の調製>
先に得た顔料分散液Aを20部、ビスヒドロキシエチルスルホン15部、グリセリン3部、水50部加えて1時間撹拌した。その後、表1中に示した数値のHEDPをそれぞれ加え、水酸化ナトリウムにて表1中に示した数値のpHにそれぞれなるように調整した。残部の水を調整してインクの全量が100部となるようにして、実施例のインク10〜12を得た。
<比較例のインク1〜12の調製>
実施例1のインクと同様の調製法にて、表1中に示した数値のHEDPをそれぞれ含み、表1中に示した数値のpHにそれぞれなるように調整して、比較例のインクを得た。
<吐出耐久性の評価>
上記したようにして調製した実施例1〜12及び比較例1〜12の各インクの吐出耐久性について、下記のようにして評価した。評価インクを、ヘッドを改造したバブルジェットプリンタ(登録商標)BJF900(キヤノン製)のインクカートリッジに各インクを充填し、所定のパターンを印字して評価した。即ち、バブルジェットプリンタBJF900のインクジェットヘッドと同様の構成で、耐キャビテーション膜を平均0.2μmに調整したプリンタを使用し、印字安定性を下記の基準で評価した。
(評価基準)
◎:5枚目と200枚目の印字時のパルス数とインクの減少重量から測定、計算した吐出量の変化率が1%以内。
○:5枚目と200枚目の印字時のパルス数とインクの減少重量から測定、計算した吐出量の変化率が10%以内。
×:5枚目と200枚目の印字時のパルス数とインクの減少重量から測定、計算した吐出量の変化率が10%超。
<評価結果>
実施例及び比較例のインクについて、その主組成と、吐出耐久性の評価結果を表1にまとめて示した。表1に示した通り、上記評価に用いたプリンタのような熱エネルギーを利用してオリフィスからインクを吐出させて記録を行う際の吐出安定性は、インクが、0.1〜2.0質量%のHEDPを含み、且つpHが2〜6であることが有効であることが確認できた。
Figure 2007277351

Claims (5)

  1. 熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に適用されるインクジェット用インクであって、少なくとも、水分散性色材と、水と、水溶性有機溶媒とを含んでなるインクジェット用インクにおいて、0.1〜2.0質量%の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を含み、且つ、インクのpHが2〜6であることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記水分散性色材が、顔料である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 更に、ビスヒドロキシエチルスルホンを含む請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、上記インクに、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 熱エネルギーを利用して記録信号に応じてインクをオリフィスから吐出させるための記録ヘッドが、インクとの接触部分に耐キャビテーション膜を有し、該耐キャビテーション膜の膜厚が0.25μm以下である請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017119831A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 キヤノン株式会社 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

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