JP2007276139A - インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法 - Google Patents

インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007276139A
JP2007276139A JP2006101683A JP2006101683A JP2007276139A JP 2007276139 A JP2007276139 A JP 2007276139A JP 2006101683 A JP2006101683 A JP 2006101683A JP 2006101683 A JP2006101683 A JP 2006101683A JP 2007276139 A JP2007276139 A JP 2007276139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carriage
platen
sequence
drive control
control data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006101683A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Hayashi
徹 林
Norifumi Hatada
憲史 畑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006101683A priority Critical patent/JP2007276139A/ja
Publication of JP2007276139A publication Critical patent/JP2007276139A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】装置幅を抑制しつつ、印刷中に定期的なフラッシング動作を実行すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、インクを吐出する記録ヘッド7を有するキャ
リッジ4の移動方向に沿ってプラテン5と並べて配設され、記録ヘッド7を覆うためのキ
ャップ部材10と、キャリッジ4をプラテン5からキャップ部材10まで、途中で停止さ
せることなく連続的に移動させるための定期フラッシング駆動制御データ54を記憶する
記憶手段52と、キャリッジ4をプラテン5側からキャップ部材10側へ向けて移動させ
るために、記憶手段52に記憶される定期フラッシング駆動制御データ54を読み込み、
キャリッジ4の駆動を制御する制御手段57と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法に関する。
特許文献1は、インクジェットプリンタを開示する。このインクジェットプリンタは、
フラッシング装置を有する。フラッシング装置は、キャリッジの記録ヘッドから吐出され
た廃インクを受けるものである。そのため、フラッシング装置は、キャリッジを保持する
ガイドレールの方向に沿って、プラテンの一端側に並べて配設される。また、特許文献1
のインクジェットプリンタは、この他にも、プラテンと並べて配設されるインク吸引装置
およびワイピング部材などを有する。インク吸引装置は、キャリッジの記録ヘッドを覆う
ものであり、インクの乾燥などを防止する。ワイピング部材は、記録ヘッドのノズルプレ
ート面を払拭するものである。
特開2005−199598号公報(図1、図6、図8、発明の詳細な説明など)
特許文献1のように、インクジェットプリンタにフラッシング装置を設け、このフラッ
シング装置に向かって、キャリッジの記録ヘッドから廃インクを吐出するフラッシング動
作を定期的に実行することで、記録ヘッドの各ノズル内のインクは、定期的に入れ替えら
れる。記録ヘッドの各ノズル内のインクが経時的に増粘するとしても、記録ヘッドの各ノ
ズル内のインクは、定期的に新しいものへ更新されるので、一定の品質に維持される。
しかしながら、この定期的なフラッシング動作は、印刷中に定期的に実行する必要があ
る。印刷中でも露出した記録ヘッドの各ノズル内のインクは経時的に増粘し、しかも、印
刷によりすべてのノズルが定期的にインクを吐出するとは限らないからである。そのため
、フラッシング装置は、特許文献1にもあるようにプラテンの隣に固定的に並べて配設す
る必要がある。
その結果、インクジェットプリンタでは、プラテンと一列に並べて、フラッシング装置
、インク吸引装置、ワイピング部材などの複数の部材を配設することになる。それにより
、インクジェットプリンタの装置幅は、大きくなってしまう。
特に、A2、A3ノビなどの大判サイズの用紙への印刷が可能なインクジェットプリン
タでは、プラテンやキャリッジがそれに応じた大きいサイズに形成される。そして、フラ
ッシング装置、インク吸引装置、ワイピング部材なども、それに応じて大型化する。その
結果、大判対応のインクジェットプリンタは、非常に大きな装置幅になってしまう。
本発明は、装置幅を抑制しつつ、印刷中に定期的なフラッシング動作を実行することが
できるインクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法を得ることを目的とする
本発明に係るインクジェットプリンタは、インクを吐出する記録ヘッドを有するキャリ
ッジの移動方向に沿ってプラテンと並べて配設され、記録ヘッドを覆うためのキャップ部
材と、キャリッジをプラテンからキャップ部材まで、途中で停止させることなく連続的に
移動させるための定期フラッシング駆動制御データを記憶する記憶手段と、キャリッジを
プラテン側からキャップ部材側へ向けて移動させるために、記憶手段に記憶される定期フ
ラッシング駆動制御データを読み込み、キャリッジの駆動を制御する制御手段と、を有す
るものである。
この構成を採用すれば、キャリッジは、プラテンからキャップ部材まで、途中で停止す
ることなく連続的に移動する。したがって、キャリッジがプラテン上を移動しているとき
に印刷を実行し、そのままキャリッジをキャップ部材まで移動することができる。プラテ
ンと並んだフラッシング装置を有するインクジェットプリンタと同様に、印刷中に定期的
なフラッシング動作を実行することができる。
しかも、キャリッジは、キャップ部材と対向する位置に停止する。定期フラッシング動
作において、キャリッジは、キャップ部材へインクを吐出する。そのため、インクジェッ
トプリンタに、定期フラッシング動作でのキャリッジの廃インクを受けるフラッシング装
置を設ける必要がない。また、インクジェットプリンタの装置幅は、抑制される。
本発明に係るインクジェットプリンタは、上述した発明の構成に加えて、定期フラッシ
ング駆動制御データが、プラテン上でキャリッジを印刷時と同じ略一定の速度で駆動する
定速駆動制御データと、プラテン通過後にキャリッジの速度を減速させる減速駆動制御デ
ータと、を有するものである。
この構成を採用すれば、定期フラッシング駆動制御データにより駆動されるキャリッジ
は、プラテン上を通常の印刷時と同じ略一定の速度で移動する。したがって、インクジェ
ットプリンタは、この定期フラッシング駆動制御データによりキャリッジを駆動している
最中に、通常時のインク吐出制御と同じ制御により、印刷をすることができる。インクジ
ェットプリンタは、定期フラッシング駆動制御データによりキャリッジを駆動するときに
、通常時の印刷制御とは異なる特別なインク吐出制御を実行する必要がない。
しかも、プラテンを通過した後のキャリッジの速度は減速される。したがって、プラテ
ンとキャップ部材との間にたとえば、記録ヘッドを払拭するワイピング部材などが記録ヘ
ッドと擦られるように配設されていたとしても、キャリッジとワイピング部材などとの干
渉による音や衝撃は、緩和される。つまり、キャリッジをプラテンからキャップ部材まで
途中で停止させることなく連続的に移動させたとしても、その干渉による大きな音や振動
の発生を防止することができる。
本発明に係るインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、記憶手段に
は、定期フラッシング駆動制御データの他に、プラテン上でキャリッジを略一定の速度で
駆動し、キャリッジをプラテンの一端側から他端側まで移動させる通常印刷駆動制御デー
タが記憶されていて、制御手段が、印刷のためにキャリッジを駆動するときに、所定の定
期フラッシング時期であるか否かを判断し、所定の定期フラッシング時期である場合には
、定期フラッシング駆動制御データを選択して読み込み、それ以外の場合には、通常印刷
駆動制御データを選択して読み込むものである。
この構成を採用すれば、制御手段は、印刷中にキャリッジを実際に駆動しようとすると
きに、定期フラッシング駆動制御データおよび通常印刷駆動制御データの中の一方を、定
期フラッシング動作の要否に応じて選択する。そのため、定期フラッシング動作を、印字
動作の一部として実行し、印刷中に印字動作とは別に定期フラッシング動作を実行する必
要がない。
しかも、仮にたとえば、印刷を開始する前に、定期フラッシング駆動制御データおよび
通常印刷駆動制御データの選択順を事前に決定した場合には、フラッシング動作直後にた
とえば装置カバーの開閉などにより制御が中断したとき、次の定期フラッシング動作のタ
イミングが予め決まってしまっているので期間が長くなってしまう。これに対して、この
発明の構成を採用すれば、印刷再開時に定期フラッシング時期となっていれば、直ちに定
期フラッシング動作をすることができる。
本発明に係るインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、キャップ部
材を保持するとともに、キャリッジの移動方向に揺動可能に配設されるベース部材と、キ
ャップ部材よりもキャリッジ側に突出する状態でベース部材に配設され、キャリッジの移
動経路に突出する突起部材と、を有する。そして、制御手段は、定期フラッシング駆動制
御データに基づいて、キャリッジの速度を制御する。
この構成を採用すれば、速度制御により駆動されるキャリッジが、制御終了時の停止位
置が若干ずれてキャップ部材を行き過ぎようとしても、突起部材に当接する。また、キャ
リッジにより突起部材が押されると、ベース部材が揺動し、キャップ部材は、突起部材と
ともに移動する。これにより、キャップ部材は、速度制御により駆動されるキャリッジの
記録ヘッドと対向する位置に適切に配設される。たとえばキャリッジの速度制御誤差や瞬
時的な駆動負荷変動などによりキャリッジの停止位置が若干ずれたとしても、キャリッジ
が停止したときには、キャリッジの記録ヘッドと対向する位置にキャップ部材が位置し、
キャップ部材は、記録ヘッドから吐出される廃インクを適切に受けることができる。
本発明に係るインクジェットプリンタの定期フラッシング方法は、インクを吐出する記
録ヘッドを有するキャリッジを用いた印刷中に、定期フラッシング時期であるか否かを判
断するステップと、このステップにおいて定期フラッシング時期であると判断された場合
に、記憶手段から、キャリッジをプラテンからキャップ部材まで、途中で停止させること
なく連続的に移動させるための定期フラッシング駆動制御データを読み込むステップと、
読み込んだ定期フラッシング駆動制御データによりキャリッジを駆動するステップと、定
期フラッシング駆動制御データによるキャリッジの駆動制御が終了した後に、記録ヘッド
からインクを吐出させるステップと、を有するものである。
この方法を採用すれば、定期フラッシング時期になると、キャリッジは、プラテンから
キャップ部材まで途中で停止することなく連続的に移動し、その後に直ちに記録ヘッドか
らインクが吐出される。定期フラッシングが実行される。しかも、キャリッジがプラテン
上を移動しているときには、印刷を実行することができる。キャップ部材を用いて定期フ
ラッシング動作をすることで、装置幅を抑制しつつ、印刷中に定期的にフラッシング動作
を実行することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタおよびその定期フラッシング
方法を、図面に基づいて説明する。インクジェットプリンタの定期フラッシング方法は、
インクジェットプリンタの動作の一部として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の機構構成を示す透視斜
視図である。インクジェットプリンタ1は、用紙搬送機構を有する。
用紙搬送機構は、たとえば給紙トレイ2、図示外のLD(ロード)ローラ、図示外のP
F(ペーパーフィード)ローラ、図示外の排紙ローラなどを有する。LDローラは、給紙
トレイ2から用紙Pを1枚ずつ給紙する。PFローラは、LDローラにより給紙された用
紙Pを、印刷位置へ搬送する。排紙ローラは、印刷された用紙Pを排出する。図1のイン
クジェットプリンタ1では、紙面右上の給紙トレイ2に用紙Pが載置される。そして、給
紙トレイ2に載置された用紙Pは、LDローラ、PFローラおよび排紙ローラにより搬送
されて、紙面の左下方向へ搬送される。
なお、AノビやAサイズの大判サイズの用紙Pへ印刷が可能な大判のインクジェットプ
リンタ1の中には、給紙トレイ2を具備しないものもある。給紙トレイ2を具備しない場
合でも、インクジェットプリンタ1の用紙搬送機構は、PFローラにより印刷する用紙P
を印刷位置へ搬送し、排紙ローラにより印刷された用紙Pを排出する。
用紙搬送機構により用紙Pが給紙される印刷位置には、キャリッジ軸3により軸支され
るキャリッジ4と、プラテン5とが配設される。このプラテン5とキャリッジ軸3との間
に、用紙Pは給紙される。
プラテン5は、印刷位置へ給紙される用紙Pの最大幅より若干長い長尺形状を有する。
プラテン5は、その長尺方向が、印刷位置に給紙される用紙Pの幅方向(主走査方向。図
1では、紙面の右下側から左上側への方向)に沿う向きで配設される。
キャリッジ軸3は、プラテン5より長い丸棒形状を有する。キャリッジ軸3は、その軸
方向が、主走査方向に沿う向きで配設される。キャリッジ4は、このキャリッジ軸3によ
り軸支される。キャリッジ4は、主走査方向へ移動可能である。
以下、図1の紙面右下側を、ホームエンド側とよび、図1の紙面左上側を、リターンエ
ンド側とよぶ。また、ホームエンド側からリターンエンド側へのキャリッジ4の移動方向
を、順駆動方向とよび、リターンエンド側からホームエンド側へのキャリッジ4の移動方
向を、リターン駆動方向とよぶ。
キャリッジ4は、複数のインクタンク6と、記録ヘッド(図2参照)7と、を有する。
これらのうち、インクタンク6は、インクを収容するものであり、キャリッジ4の上部に
着脱可能に装着される。
記録ヘッド7は、キャリッジ4のプラテン5と対向する下面に配設される。記録ヘッド
7は、図示外の複数の吐出ノズルを有する。複数の吐出ノズルには、インクタンク6から
供給されるインクが充填される。また、各吐出ノズル内には、図示外のピエゾ素子が配設
される。ピエゾ素子は、電圧が印加されると変形する。このピエゾ素子の変形により、吐
出ノズルからインクが吐出される。吐出ノズルから吐出されたインクは、プラテン5へ向
かって移動する。
プラテン5の隣には、ワイピング機構と、キャップ機構とが一列に並べて配設される。
具体的には、プラテン5の図1右下側の隣に、ワイピング機構が配設され、さらにワイピ
ング機構の図1右下側の隣に、キャップ機構が配設される。キャリッジ軸3は、プラテン
5からキャップ機構の全体に渡る長さに形成される。これにより、キャリッジ軸3に沿っ
て移動可能なキャリッジ4は、プラテン5の上方位置と、ワイピング機構の上方位置と、
キャップ機構の上方位置とへ移動することができる。
ワイピング機構は、ワイピングブレード8を有する。ワイピングブレード8は、ゴムな
どの弾性部材により形成される。ワイピングブレード8は、その上に位置するキャリッジ
4の記録ヘッド7と当接する高さに配設される。また、ワイピングブレード8は、図示外
の駆動機構により、キャリッジ軸3と略垂直な方向へ駆動される。このとき、ワイピング
ブレード8は、記録ヘッド7を擦る。
キャップ機構は、ベース部材9と、キャップ部材10と、突起部材11と、を有する。
これらのうち、ベース部材9は、図示外の昇降機構により、上下方向へ駆動される。ベ
ース部材9は、図示外のたとえばゴムやバネなどの弾性部材によるダンパ機構を介して保
持され、昇降される。そのため、ベース部材9は、降下位置より若干上昇した中間位置や
上昇位置においては、力が加えられると、キャリッジ軸3の軸方向に沿って若干揺動する
ことが可能である。
また、キャップ部材10は、たとえば記録ヘッド7より一回り大きいサイズに形成され
る。キャップ部材10は、ベース部材9の上に配設される。ベース部材9が上昇位置にあ
るとき、キャップ部材10は、その上に位置するキャリッジ4の記録ヘッド7を覆う。こ
れにより、記録ヘッド7は、被覆される。そして、記録ヘッド7内のインクから水分が抜
け難くなり、インクの増粘が抑えられる。キャップ部材10は、記録ヘッド7を覆った状
態で記録ヘッド7の下面と当接しないように凹部12を有する。
また、キャップ部材10には、図示外のインク吸引機構が接続される。キャップ部材1
0により記録ヘッド7を覆った状態でこのインク吸引機構が動作すると、キャップ部材1
0の凹部12と記録ヘッド7との間の空間が負圧となり、記録ヘッド7からインクが吸引
される。
また、突起部材11は、細長い略棒形状を有する。この突起部材11は、ベース部材9
の上にキャップ部材10と並べて配設されるとともに、キャップ部材10よりホームエン
ド側に配設される。突起部材11は、キャップ部材10より上方へ突出する。ベース部材
9が中間位置や上昇位置にあるとき、突起部材11の先端部は、キャリッジ軸3方向へ移
動するキャリッジ4と当接する。つまり、突起部材11の先端部は、ベース部材9が中間
位置や上昇位置にあるとき、キャリッジ4の移動経路に突出する。
図2は、図1のインクジェットプリンタ1におけるキャリッジ4の制御系の構成を示す
ブロック図である。キャリッジ4の制御系は、リニアパターン部材21、光学センサ22
、記録ヘッド制御回路23などを有する。キャリッジ4の制御系は、この他にも、マイク
ロコンピュータ26、ASIC(Application Specific Inte
grated Circuit:特定用途向け集積回路)27、モータドライバ28、C
R(キャリッジ)モータ29、駆動伝達機構30などを有する。
リニアパターン部材21は、たとえば明暗パターンを有する。この明暗パターンは、主
走査方向に沿って並べられる。リニアパターン部材21は、キャリッジ軸3と略同じ長さ
を有する。
光学センサ22は、図示外の発光素子と受光素子とが離間して対向するように配設され
る。光学センサ22は、この発光素子と受光素子との間にリニアパターン部材21が位置
するように、キャリッジ4に配設される。発光素子は、リニアパターン部材21へ光を照
射する。リニアパターン部材21の透明部分は、光を透過する。この光は、受光素子に入
射する。受光素子は、受光光量に応じたレベルの検出信号を出力する。なお、検出信号の
波形は、リニアパターン部材21の明部分を透過する光を、リニアパターン部材21の暗
部分により遮断される間隔で受光すると、パルス波形になる。
記録ヘッド制御回路23は、電圧波形パターンが供給されると、そのパターンに応じた
電圧波形の電圧を、記録ヘッド7の複数の吐出ノズル内に配設される複数のピエゾ素子へ
印加する。記録ヘッド制御回路23は、光学センサ22の受光素子が出力するパルス波形
の検出信号に同期させて、複数のピエゾ素子へ印加する電圧を変化させる。
モータドライバ28は、Duty指令値が供給されると、そのDuty比のパルス列を
生成し、CRモータ29へ出力する。
CRモータ29は、たとえばDCモータである。DCモータは、図示外の永久磁石によ
る固定子と、コイルを有する回転子とを有する。DCモータの回転子は、コイルに電流が
流れると、回転する。回転子は、パルスによってコイルに電流が流れると、そのパルス幅
に応じた速度で回転する。DCモータの駆動トルクは、コイルに供給されるパルスのDu
ty比が大きいほど、大きくなる。パルスのDuty比が100%になると、DCモータ
には電流が流れつづけ、DCモータは最大の駆動トルクを出力する。DCモータは、一定
のDuty比のパルス列が供給されつづけると、その駆動トルクと駆動負荷がつりあう速
度に安定するように動作する。なお、CRモータ29は、ステッピングモータなどのパル
スモータであってもよい。
駆動伝達機構30は、たとえば図1に示す駆動ベルト31、ギアユニット32、駆動プ
ーリ33、従動プーリ34などを有する。これらの部材は、たとえばキャリッジ軸3を保
持するキャリッジ支持部5に配設される。また、駆動ベルト31は、駆動プーリ33と従
動プーリ34との間に掛け渡され、キャリッジ4に固定される。駆動伝達機構30のギア
ユニット32、駆動プーリ33および駆動ベルト31は、CRモータ29の回転駆動力に
したがって回転する。駆動ベルト31がCRモータ29の回転駆動力にしたがって回転す
ると、キャリッジ4は、主走査方向へ駆動される。
なお、キャリッジ4の移動範囲内には、図2に示すように、印刷範囲、ホームポジショ
ンなどがある。印刷範囲は、キャリッジ4がプラテン5の上方にある範囲である。印刷時
には、この印刷範囲内において、キャリッジ4の記録ヘッド7からインクが吐出される。
ホームポジションは、非印刷時にキャリッジ4が退避する位置である。図1のインクジェ
ットプリンタ1では、記録ヘッド7がキャップ部材10と対向する位置が、ホームポジシ
ョンとなっている。この場合、ホームポジションは、キャップ位置と一致する。
ASIC27は、マイクロコンピュータ26の一種であり、メモリ41を有する。AS
IC27のメモリ41は、各種の制御指令値や検出情報を記憶する。制御指令値には、た
とえばCRモータ29用のDuty指令値42、複数のピエゾ素子へ供給する電圧波形パ
ターン43などがある。Duty指令値42は、後述するサーボ制御指令値生成部56に
より周期的に更新される。電圧波形パターン43は、後述するシーケンス制御部57によ
り書き込まれる。検出情報には、たとえばキャリッジ4の位置情報44、キャリッジ4の
速度情報45などがある。
また、ASIC27には、DCユニット46が実現される。DCユニット46は、AS
IC27の図示外のCPU(Central Processing Unit:中央処
理装置)が、図示外のDCユニットプログラムを実行することで実現される。
ASIC27には、モータドライバ28と、光学センサ22と、記録ヘッド制御回路2
3と、が接続される。DCユニット46は、周期的に、メモリ41に記憶されているDu
ty指令値42を、モータドライバ28へ供給する。また、DCユニット46は、メモリ
41が記憶する電圧波形パターン43を、記録ヘッド制御回路23へ供給する。また、D
Cユニット46は、光学センサ22の検出信号によるパルス数をカウントする。そして、
DCユニット46は、単位時間あたりのパルスのカウント値に基づいて、メモリ41に保
存されるキャリッジ4の速度情報45を周期的に更新する。また、DCユニット46は、
累積的なパルスのカウント値に基づいて、メモリ41に保存されるキャリッジ4の位置情
報44を周期的に更新する。
マイクロコンピュータ26は、タイマ51と、記憶手段としてのメモリ52と、を有す
る。これらのうち、タイマ51は、時刻を計測する。
また、マイクロコンピュータ26のメモリ52は、インクジェットプリンタ1がその印
刷動作などにおいて使用する各種の制御データを記憶する。メモリ52が記憶する制御デ
ータとしては、たとえば通常印刷駆動制御データ53、定期フラッシング駆動制御データ
54、最終フラッシング時刻55などがある。
図3は、図2中の通常印刷駆動制御データ53のデータ構造の一例を示す。通常印刷駆
動制御データ53は、印刷のためにキャリッジ4を駆動するときに使用するデータである
。図3の通常印刷駆動制御データ53は、加速用目標速度データ群61と、停止制御開始
位置データ62と、停止用目標速度データ群63と、を有する。なお、加速用目標速度デ
ータ群61の最後の目標速度データにより、キャリッジ4は、プラテン5上で略一定の速
度で駆動される。通常印刷駆動制御データ53により駆動されるキャリッジ4は、プラテ
ン5の一端から他端まで移動する。
加速用目標速度データ群61は、キャリッジ4の速度をたとえば0ips(inch/
second)から28ipsまで増加させる複数の目標速度データで構成される。この
ときの加速用目標速度データ群61の最後の目標速度データは、28ipsである。
停止制御開始位置データ62は、キャリッジ4の停止制御の開始位置であり、たとえば
プラテン5のホームエンド側の端部の位置である。
停止用目標速度データ群63は、キャリッジ4の速度をたとえば28ipsから0ip
sまで減少させる複数の目標速度データで構成される。このときの停止用目標速度データ
群63の最後の目標速度データは、0ipsである。
図4は、図2中の定期フラッシング駆動制御データ54のデータ構造の一例を示す。定
期フラッシング駆動制御データ54は、印刷およびフラッシングのためにキャリッジ4を
駆動するときに使用するデータである。図4の定期フラッシング駆動制御データ54は、
加速用目標速度データ群65と、減速制御開始位置データ66と、減速用目標速度データ
群67と、停止制御開始位置データ68と、停止用目標速度データ群69と、を有する。
なお、加速用目標速度データ群65の最後の目標速度データにより、キャリッジ4は、
プラテン5上で印刷時と同じ略一定の速度で駆動される。この加速用目標速度データ群6
5の最後の目標速度データが、定速駆動制御データである。また、減速駆動制御データは
、減速用目標速度データ群67および停止用目標速度データ群69により構成される。
定期フラッシング駆動制御データ54の加速用目標速度データ群65は、図3の通常印
刷駆動制御データ53の通常印刷駆動制御データ53と同じデータで構成される。つまり
、加速用目標速度データ群65は、キャリッジ4の速度をたとえば0ips(inch/
second)から28ipsまで増加させる複数の目標速度データで構成される。この
ときの加速用目標速度データ群65の最後の目標速度データは、28ipsである。
減速制御開始位置データ66は、キャリッジ4の減速制御の開始位置であり、たとえば
プラテン5のホームエンド側の端部の位置である。
減速用目標速度データ群67は、キャリッジ4の速度をたとえば28ipsから4ip
sまで減少させる複数の目標速度データで構成される。このときの減速用目標速度データ
群67の最後の目標速度データは、4ipsである。
定期フラッシング駆動制御データ54の停止制御開始位置データ68は、キャリッジ4
の停止制御の開始位置であり、たとえばホームポジションより若干リターンエンド側とな
る位置である。
定期フラッシング駆動制御データ54の停止用目標速度データ群69は、キャリッジ4
の速度をたとえば4ipsから0ipsまで減少させる複数の目標速度データで構成され
る。このときの停止用目標速度データ群69の最後の目標速度データは、0ipsである
図2に示すように、マイクロコンピュータ26のメモリ52に記憶される最終フラッシ
ング時刻55は、最後にフラッシングを行った時刻である。
また、マイクロコンピュータ26には、サーボ制御指令値生成部56と、制御手段とし
てのシーケンス制御部57と、が実現される。サーボ制御指令値生成部56およびシーケ
ンス制御部57は、マイクロコンピュータ26の図示外のCPU(Central Pr
ocessing Unit:中央処理装置)が、図示外の制御プログラムを実行するこ
とで実現される。
なお、このマイクロコンピュータ26にて実行される制御プログラムは、たとえばマイ
クロコンピュータ26のメモリ52に記憶されていればよい。このマイクロコンピュータ
26のメモリ52に記憶される制御プログラムは、インクジェットプリンタ1の出荷前に
メモリ52に記憶されたものであっても、出荷後にメモリ52に記憶されたものであって
もよい。出荷後にメモリ52に記憶される制御プログラムは、たとえばCD−ROMなど
のコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶された状態でユーザへ提供したり、インターネ
ットなどのデータ伝送媒体を介してユーザへ提供したりすることができる。なお、メモリ
52に記憶される制御プログラムの一部が、コンピュータ読取可能な記録媒体や、伝送媒
体によりユーザへ提供されたものであってもよい。なお、ASIC27にて実行されるD
Cユニットプログラムについても、同様である。
サーボ制御指令値生成部56は、周期的に、制御指令値を生成する。制御指令値には、
たとえばCRモータ29へのDuty指令値がある。なお、制御指令値は、Duty比に
関する情報とともに、CRモータ29の回転方向などの情報を有するものであってもよい
。サーボ制御指令値生成部56は、具体的にはたとえば、速度減算器58、PID制御指
令値生成器59などを有する。
速度減算器58は、周期的に、サーボ制御指令値生成部56に指定される目標速度から
、キャリッジ4の現在速度を減算し、速度偏差を生成する。なお、キャリッジ4の現在速
度には、たとえばASIC27のメモリ41に記憶されているキャリッジ4の速度情報4
5による速度を使用すればよい。
PID制御指令値生成器59は、速度減算器58により速度偏差が演算されると、その
速度偏差に応じた制御指令値の比例成分と、微分成分と、積分成分とを演算する。PID
制御指令値生成器59は、演算した比例成分と、微分成分と、積分成分とを加算し、制御
指令値を生成する。PID制御指令値生成器59は、たとえば速度偏差を減らすようにC
Rモータ29へのDuty指令値を増減する。PID制御指令値生成器59は、生成した
Duty指令値などの制御指令値により、ASIC27のメモリ41に記憶されるDut
y指令値42などの制御指令値を更新する。
シーケンス制御部57は、インクジェットプリンタ1が実行する制御シーケンスを選択
し、さらに選択した制御シーケンスを実行する。インクジェットプリンタ1が実行する制
御シーケンスには、たとえば給紙シーケンス、印字シーケンス、紙送りシーケンス、排紙
シーケンス、エラーシーケンスなどがある。
給紙シーケンスは、給紙トレイ2上の用紙Pを印刷位置へ搬送するシーケンスである。
印字シーケンスは、印刷データに基づいて印刷位置にある用紙Pへインクを吐出するシー
ケンスである。紙送りシーケンスは、印刷位置にある用紙Pを所定量送るシーケンスであ
る。排紙シーケンスは、印刷位置にある用紙Pをインクジェットプリンタ1から排紙する
シーケンスである。エラーシーケンスは、たとえばインクジェットプリンタ1の図示外の
カバーが開かれた場合などにおいて、印刷を中断したりする例外処理のためのシーケンス
である。
そして、シーケンス制御部57は、マイクロコンピュータ26のメモリ52やASIC
27のメモリ41から各種の必要なデータを読み込んで、上述の中のいずれかの制御シー
ケンスを選択する。シーケンス制御部57は、制御シーケンスを選択すると、その選択し
た制御シーケンスを実行する。また、シーケンス制御部57は、マイクロコンピュータ2
6のメモリ52やASIC27のメモリ41から各種の必要なデータを読み込み、読み込
んだデータに基づいてシーケンスの実行ステップを進めたり、シーケンスを中断して終了
したりする。シーケンス制御部57は、シーケンス実行時に、サーボ制御指令値生成部5
6などに対して、キャリッジ4の目標速度などを指定する。
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の動作を説明す
る。
図示外のコンピュータなどからインクジェットプリンタ1へ印刷データが供給されると
、マイクロコンピュータ26のシーケンス制御部57は、その印刷データに基づく印刷制
御を開始する。印刷制御において、シーケンス制御部57は、キャップ機構のベース部材
9を中間位置に降下させた後、給紙シーケンスを選択し、実行する。
給紙シーケンスを実行するシーケンス制御部57は、具体的には、LDローラおよびP
Fローラを駆動するための制御目標値を生成し、サーボ制御指令値生成部56へ供給する
。サーボ制御指令値生成部56は、指定された制御目標値にて図示外のPFモータを駆動
する。これにより、LDローラおよびPFローラは回転駆動され、給紙トレイ2から印刷
位置へ用紙Pが給紙される。給紙された用紙Pの用紙搬送方向の先端部は、プラテン5と
キャリッジ軸3との間の印刷位置に位置する。シーケンス制御部57は、給紙シーケンス
を終了する。
給紙シーケンスを終了すると、シーケンス制御部57は、次に実行するシーケンスとし
て、印字シーケンスを選択し、実行する。
図5は、シーケンス制御部57が実行する印字シーケンスの一例を示す図である。印字
シーケンスにおいて、シーケンス制御部57は、まず、キャリッジ4がリターン駆動であ
るか否かを判断する(ステップST1)。印字シーケンスを開始するとき、キャリッジ4
は、ホームポジションに位置する。したがって、シーケンス制御部57は、キャリッジ4
がリターン駆動ではないと判断する。そのとき、シーケンス制御部57は、マイクロコン
ピュータ26のメモリ52から、通常印刷駆動制御データ53を読み込む(ステップST
2)。また、シーケンス制御部57は、印刷データに基づく電圧波形パターン43を、A
SIC27のメモリ41に書き込む。
以上の印字設定処理を終えると、シーケンス制御部57は、読み込んだ通常印刷駆動制
御データ53を用いたキャリッジ4の駆動制御と、インク吐出制御とを開始する(ステッ
プST3)。シーケンス制御部57は、まず、サーボ制御指令値生成部56に、加速用目
標速度データ群61の最初の目標速度データを指定する。加速用目標速度データ群61の
複数の目標速度データは、0ipsから28ipsへ加速するものである。
サーボ制御指令値生成部56の速度減算器58は、キャリッジ4の目標速度が指定され
ると、指定された目標速度からキャリッジ4の現在速度を減算する。速度減算器58は、
ASIC27のメモリ41に記憶されるキャリッジ4の速度情報45を、キャリッジ4の
現在速度として読み込み、減算処理を実行する。印字シーケンスを開始するときのキャリ
ッジ4の速度は「0」である。速度減算器58は、指定された目標速度と略同じ大きさの
速度偏差を生成する。
速度減算器58により速度偏差が演算されると、PID制御指令値生成器59は、その
速度偏差に応じた制御指令値の比例成分と、微分成分と、積分成分とを演算する。PID
制御指令値生成器59は、演算した比例成分と、微分成分と、積分成分とを加算し、CR
モータ29への演算指令値を生成する。PID制御指令値生成器59は、生成した演算指
令値により、ASIC27のメモリ41に記憶されるDuty指令値42を更新する。
ASIC27のDCユニット46は、周期的に、ASIC27のメモリ41に書き込ま
れたDuty指令値42を読み込み、モータドライバ28へ供給する。モータドライバ2
8は、Duty指令値42が供給されると、そのDuty比のパルス列を生成し、CRモ
ータ29へ出力する。CRモータ29は、パルス列のDuty比に応じた速度で回転を開
始する。CRモータ29の回転駆動力は、駆動伝達機構30を介してキャリッジ4へ伝達
される。キャリッジ4は、ホームポジションからリターンエンド側へ向かって、順駆動方
向へ移動を開始する。
キャリッジ4がホームポジションからリターンエンド側へ向かって順駆動方向へ移動を
開始すると、キャリッジ4に設けられる光学センサ22の受光素子は、リニアパターン部
材21の明暗パターンに基づく光を受光し、パルス波形の検出信号をASIC27へ出力
する。ASIC27は、光学センサ22の検出信号のパルス数をカウントし、メモリ41
に保存されるキャリッジ4の速度情報45と、キャリッジ4の位置情報44とを周期的に
更新する。
サーボ制御指令値生成部56の速度減算器58は、ASIC27のメモリ41からキャ
リッジ4の速度情報45を周期的に読み込み、速度偏差を周期的に更新する。速度偏差が
更新されると、PID制御指令値生成器59は、その速度偏差に応じた値の演算指令値を
演算する。PID制御指令値生成器59は、生成した演算指令値により、ASIC27の
メモリ41に記憶されているDuty指令値42を更新する。
ASIC27のDCユニット46は、周期的に、ASIC27のメモリ41に書き込ま
れたDuty指令値42を読み込み、モータドライバ28へ供給する。モータドライバ2
8は、Duty指令値42が供給されると、そのDuty比のパルス列を生成し、CRモ
ータ29へ出力する。したがって、ASIC27のメモリ41に記憶されているDuty
指令値42が更新されると、CRモータ29の回転速度は、更新された新たなDuty比
に応じた速度へ変化する。それにより、キャリッジ4が、ホームポジションからリターン
エンド側へ向かって移動する速度も変化する。
また、シーケンス制御部57は、周期的に、サーボ制御指令値生成部56に指定するキ
ャリッジ4の目標速度を更新する。印字シーケンスの開始時には、加速用目標速度データ
群61の複数の目標速度データが順番に指定される。複数の目標速度データは、0から2
8ipsへ速度を段階的に加速するためのものである。サーボ制御指令値生成部56に指
定されるキャリッジ4の目標速度データの速度は、0ipsから28ipsへ段階的に増
加され、サーボ制御指令値生成部56はキャリッジ4の現在速度が指定される目標速度デ
ータの速度となるように、メモリ41に記憶されるDuty指令値42を更新する。キャ
リッジ4の移動速度は、0ipsから28ipsへ加速する。
キャリッジ4の移動速度が28ipsになると、速度減算器58は、値「0」の速度偏
差を生成する。これにより、ASIC27のメモリ41に記憶されているDuty指令値
42は、それまでと同じ値に更新されるようになる。したがって、CRモータ29の回転
速度は一定の速度となり、キャリッジ4が、ホームポジションからリターンエンド側へ向
かって移動する速度も一定の速度となる。キャリッジ4の移動速度は、28ipsに安定
する。
DCユニット46は、ASIC27のメモリ41に記憶されるキャリッジ4の位置情報
44が、プラテン5のホームエンド側の端部位置になると、記録ヘッド制御回路23へ、
ASIC27のメモリ41に記憶される電圧波形パターン43の出力を開始する。記録ヘ
ッド制御回路23は、供給される電圧波形パターン43に応じた電圧波形の電圧を、複数
のピエゾ素子へ印加する。記録ヘッド7の複数のインク吐出ノズルは、電圧波形パターン
43に応じてインクを吐出する。キャリッジ4が28ipsの一定速度で駆動されている
状態で記録ヘッド7の複数のインク吐出ノズルから吐出されたインクは、印刷位置にある
用紙Pの先端部に付着する。印刷位置にある用紙Pの先端部には、ホームエンド側の端部
から順番にリターンエンド側の端部まで、電圧波形パターン43に応じたインクが付着す
る。
また、シーケンス制御部57は、周期的に、ASIC27のメモリ41に記憶されるキ
ャリッジ4の位置情報44を監視する。そして、そのキャリッジ4の位置情報44がマイ
クロコンピュータ26のメモリ52に記憶される停止制御開始位置データ62の位置とな
ると、シーケンス制御部57は、マイクロコンピュータ26のメモリ52から、停止用目
標速度データ群63の最初の目標速度データを読み込み、サーボ制御指令値生成部56に
指定する。シーケンス制御部57は、周期的に、停止用目標速度データ群63の次の目標
速度データを読み込み、サーボ制御指令値生成部56に指定するキャリッジ4の目標速度
を更新する。停止用目標速度データ群63の複数の目標速度データは、28から0ips
へ速度を減速するものである。
これにより、サーボ制御指令値生成部56に指定されるキャリッジ4の目標速度は、2
8ipsから0ipsへ段階的に減少され、サーボ制御指令値生成部56は、キャリッジ
4の現在速度がこの目標速度となるようにDuty指令値42を更新する。キャリッジ4
の移動速度は、28ipsから0ipsへ減速する。キャリッジ4は、プラテン5よりリ
ターンエンド側の所定の位置で停止する。
通常印刷駆動制御データ53の停止用目標速度データ群63の最後の目標速度データを
、サーボ制御指令値生成部56に指定し、さらにキャリッジ4が停止していることを確認
すると、シーケンス制御部57は、印字シーケンスを終了する。
図5の印字シーケンスを終了すると、シーケンス制御部57は、次に実行するシーケン
スとして、紙送りシーケンスを選択し、実行する。シーケンス制御部57は、具体的には
、図示外のPFモータによりPFローラを駆動するための制御目標値を生成し、サーボ制
御指令値生成部56へ供給する。PFローラは、所定の回転量で回転駆動される。印刷位
置に給紙される用紙Pは、PFローラの回転量に相当する分だけ移動する。印刷位置には
、用紙Pの新たな部分が位置決めされる。
紙送りシーケンスを実行したシーケンス制御部57は、次に実行するシーケンスとして
、印字シーケンスを再び選択する。シーケンス制御部57は、図5のフローチャートにし
たがって、まず、キャリッジ4がリターン駆動であるか否かを判断する(ステップST1
)。1回目の印字シーケンスを実行し終えた時点では、キャリッジ4は、プラテン5より
リターンエンド側に位置する。したがって、シーケンス制御部57は、キャリッジ4がリ
ターン駆動であると判断する。
キャリッジ4がリターン駆動であると判断したシーケンス制御部57は、次に、定期フ
ラッシング時期であるか否かを判断する(ステップST4)。具体的にはたとえば、シー
ケンス制御部57は、マイクロコンピュータ26のメモリ52から最終フラッシング時刻
55を読み込むとともに、タイマ51が計測する現在時刻を読み込む。シーケンス制御部
57は、これらの時間差が、たとえば数秒から数十秒の所定のフラッシング期間以上であ
る場合、定期フラッシング時期であると判断し、所定のフラッシング期間より短い場合、
定期フラッシング時期ではないと判断する。
たとえば印刷制御の開始時に、マイクロコンピュータ26のメモリ52に記憶される最
終フラッシング時刻55がそのときのタイマ51の現在時刻に更新されている場合、2回
目の印字シーケンスでは、シーケンス制御部57は、定期フラッシング時期ではないと判
断する。
定期フラッシング時期ではないと判断したシーケンス制御部57は、マイクロコンピュ
ータ26のメモリ52から、上述したような通常印刷駆動制御データ53を読み込む(ス
テップST2)。また、シーケンス制御部57は、印刷データに基づく次の電圧波形パタ
ーン43を、ASIC27のメモリ41に書き込んだ後、読み込んだ通常印刷駆動制御デ
ータ53に基づいて、サーボ制御指令値生成部56へ周期的に更新する目標速度を指定す
る(ステップST3)。
ASIC27のメモリ41に記憶されるDuty指令値42は、シーケンス制御部57
により周期的に更新される目標速度と、DCユニット46により周期的に更新されるキャ
リッジ4の速度情報45とに応じて、周期的に更新される。キャリッジ4は、リターンエ
ンド側からホームエンド側へ向かって移動を開始し、0ipsから28ipsの速度へ加
速し、28ipsの速度に安定する。
リターン駆動方向へ移動するキャリッジ4がプラテン5のリターンエンド側の端部位置
になると、記録ヘッド制御回路23は、DCユニット46から供給される電圧波形パター
ン43に基づく電圧を複数のピエゾ素子へ印加する。キャリッジ4が28ipsの一定速
度で駆動されている状態で記録ヘッド7の複数のインク吐出ノズルから吐出されたインク
は、印刷位置にある用紙Pに付着する。印刷位置にある用紙Pには、リターンエンド側の
端部から順番にホームエンド側の端部まで、電圧波形パターン43に応じたインクが付着
する。
リターン駆動方向へ移動するキャリッジ4がプラテン5のホームエンド側の端部に到達
すると、シーケンス制御部57は、キャリッジ4がマイクロコンピュータ26のメモリ5
2に記憶される停止制御開始位置データ62の位置になったと判断し、停止用目標速度デ
ータ群63による減速制御を開始する。これにより、サーボ制御指令値生成部56に指定
されるキャリッジ4の目標速度は、28ipsから0ipsへ段階的に減少され、キャリ
ッジ4は、プラテン5よりホームエンド側の所定の位置で停止する。そして、シーケンス
制御部57は、通常の印字シーケンスを終了する。
また、印刷制御を開始してから所定のフラッシング期間が経過すると、シーケンス制御
部57は、図5の印字シーケンスのステップST4において、リターン駆動時に定期フラ
ッシング時期であると判断する。
定期フラッシング時期であると判断したシーケンス制御部57は、マイクロコンピュー
タ26のメモリ52から、定期フラッシング駆動制御データ54を読み込む(ステップS
T5)。また、シーケンス制御部57は、印刷データに基づく次の電圧波形パターン43
を、ASIC27のメモリ41に書き込んだ後、読み込んだ定期フラッシング駆動制御デ
ータ54に基づいて、サーボ制御指令値生成部56へ周期的に更新する目標速度を指定す
る(ステップST6)。
ASIC27のメモリ41に記憶されるDuty指令値42は、シーケンス制御部57
により周期的に更新される目標速度と、DCユニット46により周期的に更新されるキャ
リッジ4の速度情報45とに応じて、周期的に更新される。キャリッジ4は、リターンエ
ンド側からホームエンド側へ向かって移動を開始し、0ipsから28ipsの速度へ加
速し、28ipsの速度に安定する。
リターン駆動方向へ移動するキャリッジ4がプラテン5のリターンエンド側の端部位置
になると、記録ヘッド制御回路23は、DCユニット46から供給される電圧波形パター
ン43に基づく電圧を複数のピエゾ素子へ印加する。通常印刷駆動制御データ53の場合
と同様に、キャリッジ4が28ipsの一定速度で駆動されている状態で記録ヘッド7の
複数のインク吐出ノズルから吐出されたインクは、印刷位置にある用紙Pに付着する。印
刷位置にある用紙Pには、リターンエンド側の端部から順番にホームエンド側の端部まで
、電圧波形パターン43に応じたインクが付着する。
その後、リターン駆動方向へ移動するキャリッジ4がプラテン5のホームエンド側の端
部に到達すると、シーケンス制御部57は、キャリッジ4がマイクロコンピュータ26の
メモリ52に記憶される減速制御開始位置データ66の位置になったと判断し、減速用目
標速度データ群67による減速制御を開始する。これにより、サーボ制御指令値生成部5
6に指定されるキャリッジ4の目標速度は、28ipsから4ipsへ段階的に減少され
、キャリッジ4の速度は、4ipsに減速される。そして、キャリッジ4は、印刷時と比
較してはるかに小さな速度で、リターン駆動方向へ移動する。
4ipsに減速された速度でリターン駆動方向へ移動するキャリッジ4は、プラテン5
のホームエンド側に配設されるワイピング機構の上を通過する。このとき、ワイピングブ
レード8が、キャリッジ4の記録ヘッド7のインク吐出面に当接する。しかしながら、キ
ャリッジ4の速度が4ipsと遅いので、このワイピングブレード8の当接による音や衝
撃は、小さい。その結果、キャリッジ4がワイピング機構の上を通過するときに、それら
の干渉による大きな音や振動が発生してしまうことはない。
リターン駆動方向へ移動するキャリッジ4がワイピング機構の上を通過し、ホームポジ
ションの直前の位置に移動すると、シーケンス制御部57は、キャリッジ4がマイクロコ
ンピュータ26のメモリ52に記憶される停止制御開始位置データ68の位置になったと
判断し、停止用目標速度データ群69による減速制御を開始する。これにより、サーボ制
御指令値生成部56に指定されるキャリッジ4の目標速度は、4ipsから0ipsへ段
階的に減少され、キャリッジ4は、ホームポジションで停止する。
キャリッジ4が停止すると、シーケンス制御部57は、次に、記録ヘッド7のすべての
インク吐出ノズルから所定時間インクを吐出する制御(フラッシングさせる制御)を実行
する(ステップST7)。具体的にはたとえば、シーケンス制御部57は、連続的にイン
クを吐出する電圧波形パターン43をASIC27のメモリ41に書き込む。ASIC2
7のDCユニット46は、ASIC27のメモリ41に書き込まれた電圧波形パターン4
3を読み込んで、記録ヘッド制御回路23へ供給する。記録ヘッド制御回路23は、供給
される電圧波形パターン43に応じた電圧波形の電圧を、複数のピエゾ素子へ印加する。
記録ヘッド7の複数のインク吐出ノズルは、電圧波形パターン43に応じて、インクを連
続的に所定時間吐出する。
なお、この記録ヘッド7のすべてのインク吐出ノズルから所定時間インクを吐出する電
圧波形パターン43は、上述した印刷のための電圧波形パターン43とともに事前に、A
SIC27のメモリ41に書き込まれてもよい。
記録ヘッド7のすべてのインク吐出ノズルに所定時間インクを吐出させた後、シーケン
ス制御部57は、次に、タイマ51から現在時刻を読み込み、読み込んだ時刻で、マイク
ロコンピュータ26のメモリ52に記憶される最終フラッシング時刻55を更新する(ス
テップST8)。
なお、シーケンス制御部57は、現在時刻に、所定の定期フラッシング期間に相当する
時刻などを加えた時刻を、最終フラッシング時刻55としてもよい。以上のようにして、
シーケンス制御部57は、定期フラッシング時の印字シーケンスを終了する。
なお、印字シーケンスを終了すると、シーケンス制御部57は、次に実行するシーケン
スとして、紙送りシーケンスを選択し、実行する。印刷位置に給紙される用紙Pは、PF
ローラの回転量に相当する分だけ移動する。印刷位置には、用紙Pの新たな部分が位置決
めされる。
以上のように、シーケンス制御部57は、給紙シーケンスにより用紙Pを印刷位置に給
紙した後、たとえば印刷データが無くなるまで、紙送りシーケンスと、印字シーケンスと
を繰り返し実行する。これにより、印刷位置に給紙された用紙Pには、その先端から後端
にかけて、印刷データに基づいてインクが付着する。用紙Pには、印刷データに基づく画
像が印刷される。
印刷データが無くなると、シーケンス制御部57は、印字シーケンスを終えた時点で、
次に実行するシーケンスとして、排紙シーケンスを選択し、実行する。具体的には、シー
ケンス制御部57は、PFローラおよび排紙ローラを駆動するための制御目標値を生成し
、サーボ制御指令値生成部56へ供給する。サーボ制御指令値生成部56は、指定された
制御目標値にて図示外のPFモータを駆動する。これにより、PFローラおよび排紙ロー
ラは回転駆動され、印刷位置から排紙される。インクジェットプリンタ1から排紙された
用紙Pには、印刷データに基づく画像が印刷されている。
以上の一連のシーケンス制御により、シーケンス制御部57は、印刷データの供給によ
る印刷制御を終了する。そして、シーケンス制御部57は、キャリッジ4をホームポジシ
ョンへ移動させた後、キャップ機構のベース部材9を上昇位置に上昇させる。記録ヘッド
7は、キャップ部材10により覆われる。
なお、シーケンス制御部57は、この一連の印刷制御の途中の次シーケンスの選択時に
、たとえば装置カバーが開いていると判断すると、エラーシーケンスを実行する。エラー
シーケンスでは、たとえばシーケンス制御部57は、装置カバーが閉じられることを検出
するまで、印刷処理を中断する。装置カバーが閉じられると、シーケンス制御部57は、
エラーシーケンスを終了し、次のシーケンスを選択する。
以上のように、この実施の形態によれば、シーケンス制御部57は、図5の印字シーケ
ンスにおいて、定期フラッシング時であるか否かを判断し(ステップST4)、定期フラ
ッシング時であるときには、キャリッジ4を、プラテン5からキャップ部材10まで途中
で停止することなく連続的に移動させる(ステップST6)。したがって、シーケンス制
御部57は、キャリッジ4がプラテン5上を移動しているときに印刷を実行させ、そのま
まキャリッジ4をキャップ部材10まで移動させ、停止させる。その後、シーケンス制御
部57は、キャリッジ4の記録ヘッド7から、キャップ部材10へインクを吐出させる(
ステップST7)。
このようにキャリッジ4は、印刷中に定期的にフラッシング動作を実行する。また、そ
の定期フラッシング動作において、キャリッジ4は、キャップ部材10と対向する位置に
停止し、このキャップ部材10へ廃インクを吐出する。
したがって、インクジェットプリンタ1に、定期フラッシング動作でのキャリッジ4の
廃インクを受けるフラッシング装置などを設けることなく、印刷中に定期的にフラッシン
グ動作を実行することができる。また、インクジェットプリンタ1に、定期フラッシング
動作での廃インクを受けるフラッシング機構を設ける必要がないので、インクジェットプ
リンタ1の装置幅を抑制することができる。
しかも、この定期フラッシング動作は、図5の印字シーケンスの一部として実行される
。したがって、シーケンス制御部57は、印刷制御中に、印字シーケンスなどの印刷制御
シーケンス以外のたとえば定期フラッシングシーケンスなどを別途実行する必要がない。
図6は、定期フラッシング動作時のキャリッジ4の移動速度を示す波形図である。図6
(A)は、この実施の形態のように、印字シーケンスにおいて定期フラッシング動作をす
る時のキャリッジ4の移動速度である。図6(B)は、定期フラッシング動作を、印字シ
ーケンスとは別のシーケンス(たとえば定期フラッシングシーケンス)として実行する場
合の、比較例でのキャリッジ4の移動速度である。
この実施の形態では、図6(A)に示すように、キャリッジ4は、プラテン5上を28
ipsで移動した後、4ipsまで減速し、さらに移動した後に、0ipsへ減速される
。そして、キャリッジ4の速度が0ipsになると、定期フラッシング動作のためのイン
ク吐出を開始する。
これに対して、図6(B)に示す比較例の場合、キャリッジ4は、印字シーケンスによ
り駆動されて停止した後、別のシーケンスによりふたたび4ipsへ加速され、移動した
後に0ipsへ減速される。そして、キャリッジ4の速度が0ipsになると、定期フラ
ッシング動作のためのインク吐出を開始する。
図6(A)および(B)を比較すれば明らかなように、定期フラッシング動作を印字シ
ーケンスの一部として実行することで、定期フラッシング動作を印字シーケンスとは別の
シーケンスに実行する場合に比べて、定期フラッシング動作のためのインク吐出を早く開
始することができる。その結果、定期フラッシング動作に使用する時間を短くすることが
できる。
これにより、1回の定期フラッシング動作のために余分に必要となる時間を、たとえば
400ミリ秒から200ミリ秒へのように、短縮することができる。その結果、たとえば
A2サイズの用紙に対して、数秒から数十秒の時間間隔で定期フラッシング動作をして印
刷する場合、図6(B)の場合はたとえば約155秒の印刷時間が必要であったものを、
約151秒に短縮することができるようになる。また、定期フラッシング動作をするとき
の印字シーケンスの実行開始間隔と、しないときとの実行開始間隔との差が格段に減少す
るため、紙面に付着したインクの凝集度合いが均質化し、カラーバンディングを抑制して
印刷品質を向上させることができる。
この他にも、仮にたとえば、印刷を開始する前に、定期フラッシングシーケンスなどに
より、定期フラッシング動作時期を事前に決定した場合には、そのフラッシング動作直後
にたとえば装置カバーの開閉などにより印刷制御が中断したとき、次の定期フラッシング
動作のタイミングが予め決まってしまっているので期間が長くなってしまう。これに対し
て、この実施の形態のように、印刷中に定期的に実行が判断される図5の印字シーケンス
の一部として定期フラッシング動作をすることで、印刷再開時に定期フラッシング時期と
なっていれば、直ちに定期フラッシング動作をすることができる。
また、この実施の形態では、印字シーケンスでの定期フラッシング時に使用する定期フ
ラッシング駆動制御データ54は、図4に示すように、通常印刷駆動制御データ53同じ
略一定の速度でプラテン5上を駆動する加速用目標速度データ群65と、プラテン5通過
後にキャリッジ4の速度を減速させる減速用目標速度データ群67および停止用目標速度
データ群69と、を有する。
したがって、定期フラッシング駆動制御データ54によりキャリッジ4を駆動している
最中に、通常のインク吐出制御と同じ制御により、インク吐出を制御することができる。
そのため、インクジェットプリンタ1は、定期フラッシング駆動制御データ54によりキ
ャリッジ4を駆動するときに、図3の通常印刷駆動制御データ53を用いた通常のインク
吐出制御とは異なる特別なインク吐出制御を実行する必要がない。
しかも、プラテン5を通過した後のキャリッジ4の速度は、減速用目標速度データ群6
7によりたとえば4ipsに減速される。したがって、プラテン5とキャップ部材10と
の間においてワイピングブレード8が記録ヘッド7と擦られるとしても、その干渉による
音や衝撃は、緩和されて小さくなる。キャリッジ4をプラテン5からキャップ部材10ま
で途中で停止させることなく連続的に移動させたとしても、それらの干渉による大きな音
や振動の発生を防止することができる。
また、この実施の形態では、定期フラッシング時にキャリッジ4が廃インクを吐出する
キャップ部材10は、ベース部材9に配設される。このベース部材9は、キャリッジ4が
リターン駆動されるとき、中間位置においてキャリッジ4の移動方向へ揺動可能に保持さ
れ、且つ、キャリッジ4の移動経路に突出する突起部材11が配設される。
したがって、定期フラッシング時のキャリッジ4の駆動が、目標速度により速度制御さ
れているにもかかわらず、キャップ部材10は、キャリッジ4の記録ヘッド7と対向する
位置に適切に配設される。つまり、速度制御により駆動されるキャリッジ4は、その駆動
負荷変動などにより、制御終了時の停止位置が若干ずれることがある。しかしながら、キ
ャップ部材10を行き過ぎようとするキャリッジ4は、突起部材11に当接する。キャリ
ッジ4により突起部材11が押されると、ベース部材9が揺動し、キャップ部材10は、
突起部材11とともに移動する。
その結果、たとえばキャリッジ4の速度制御誤差や瞬時的な駆動負荷変動などによりキ
ャリッジ4の停止位置が若干ずれたとしても、キャリッジ4が停止したときには、キャリ
ッジ4の記録ヘッド7と対向する位置にキャップ部材10が位置し、キャップ部材10は
、記録ヘッド7から吐出される廃インクを適切に受けることができる。
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定
されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であ
る。
たとえば上記実施の形態では、インクジェットプリンタ1は、キャリッジ4が順駆動方
向へ駆動されるとき、およびリターン駆動方向へ駆動されるときに、印刷のためのインク
吐出制御を実行している。この他にもたとえば、インクジェットプリンタ1は、キャリッ
ジ4が順駆動方向あるいはリターン駆動方向の中のいずれか一方へ駆動されるときに、印
刷のためのインク吐出制御を実行するようにしてもよい。この変形例の場合、インクジェ
ットプリンタ1は、1回の印字シーケンスにおいて、キャリッジ4を順駆動方向およびリ
ターン駆動方向へ駆動すればよい。そして、シーケンス制御部57は、そのリターン駆動
のときに、通常印刷駆動制御データ53あるいは定期フラッシング駆動制御データ54に
より駆動を制御すればよい。
上記実施の形態では、プラテン5のホームエンド側に、ワイピング機構およびキャップ
機構とが配設されている。この他にもたとえば、ワイピング機構およびキャップ機構とは
、プラテン5のリターンエンド側に配設されていても、プラテン5のホームエンド側およ
びリターンエンド側に分けて配設されていてもよい。なお、プラテン5のリターンエンド
側にキャップ機構が設けられる場合、シーケンス制御部57は、キャリッジ4を順駆動方
向へ駆動するときに、定期フラッシング時期であるか否かを判断し、通常印刷駆動制御デ
ータ53および定期フラッシング駆動制御データ54の中の一方を選択するようにすれば
よい。また、ワイピング機構およびキャップ機構以外のものが、プラテン5と並べて配設
されていてもよい。
上記実施の形態では、シーケンス制御部57は、サーボ制御指令値生成部56へ、目標
速度を指定し、サーボ制御指令値生成部56は、その目標速度に基づいてPID制御によ
る制御指令値(Duty指令値)を生成している。この他にもたとえば、シーケンス制御
部57は、サーボ制御指令値生成部56へ、目標距離や目標移動量などを指定するように
してもよい。また、サーボ制御指令値生成部56は、位置追従型のPID制御による制御
指令値(Duty指令値)を生成するようにしても、PID制御以外の制御による制御指
令値(Duty指令値)を生成するようにしてもよい。
本発明は、キャリッジを用いてインクを吐出するインクジェットプリンタにおいて好適
に利用することができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの透視斜視図である。 キャリッジの制御系の構成を示すブロック図である。 図2中の通常印刷駆動制御データのデータ構造の一例を示す。 図2中の定期フラッシング駆動制御データのデータ構造の一例を示す。 シーケンス制御部が実行する印字シーケンスの一例を示す図である。 定期フラッシング動作時のキャリッジの移動速度を示す波形図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、4 キャリッジ、5 プラテン、7 記録ヘッド、9
ベース部材、10 キャップ部材、11 突起部材、52 メモリ(記憶手段)、53
通常印刷駆動制御データ、54 定期フラッシング駆動制御データ、57 シーケンス制
御部(制御手段)

Claims (5)

  1. インクを吐出する記録ヘッドを有するキャリッジの移動方向に沿ってプラテンと並べて
    配設され、上記記録ヘッドを覆うためのキャップ部材と、
    上記キャリッジを上記プラテンから上記キャップ部材まで、途中で停止させることなく
    連続的に移動させるための定期フラッシング駆動制御データを記憶する記憶手段と、
    上記キャリッジを上記プラテン側から上記キャップ部材側へ向けて移動させるために、
    上記記憶手段に記憶される上記定期フラッシング駆動制御データを読み込み、上記キャリ
    ッジの駆動を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記定期フラッシング駆動制御データは、前記プラテン上で前記キャリッジを印刷時と
    同じ略一定の速度で駆動する定速駆動制御データと、前記プラテン通過後に前記キャリッ
    ジの速度を減速させる減速駆動制御データと、を有することを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットプリンタ。
  3. 前記記憶手段には、前記定期フラッシング駆動制御データの他に、前記プラテン上で前
    記キャリッジを略一定の速度で駆動し、前記キャリッジを前記プラテンの一端側から他端
    側まで移動させる通常印刷駆動制御データが記憶されていて、
    前記制御手段は、印刷のためにキャリッジを駆動するときに、所定の定期フラッシング
    時期であるか否かを判断し、所定の定期フラッシング時期である場合には、前記定期フラ
    ッシング駆動制御データを選択して読み込み、それ以外の場合には、上記通常印刷駆動制
    御データを選択して読み込むこと、
    を特徴とする請求項1または2記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記キャップ部材を保持するとともに、前記キャリッジの移動方向に揺動可能に配設さ
    れるベース部材と、
    前記キャップ部材よりも前記キャリッジ側に突出する状態で上記ベース部材に配設され
    、前記キャリッジの移動経路に突出する突起部材と、を有し、
    前記制御手段は、前記定期フラッシング駆動制御データに基づいて、前記キャリッジの
    速度を制御すること、
    を特徴とする請求項1から3の中のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  5. インクを吐出する記録ヘッドを有するキャリッジを用いた印刷中に、定期フラッシング
    時期であるか否かを判断するステップと、
    上記ステップにおいて定期フラッシング時期であると判断された場合に、記憶手段から
    、キャリッジをプラテンからキャップ部材まで、途中で停止させることなく連続的に移動
    させるための定期フラッシング駆動制御データを読み込むステップと、
    読み込んだ上記定期フラッシング駆動制御データにより上記キャリッジを駆動するステ
    ップと、
    上記定期フラッシング駆動制御データによる上記キャリッジの駆動制御が終了した後に
    、上記記録ヘッドからインクを吐出させるステップと、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタの定期フラッシング方法。
JP2006101683A 2006-04-03 2006-04-03 インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法 Withdrawn JP2007276139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006101683A JP2007276139A (ja) 2006-04-03 2006-04-03 インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006101683A JP2007276139A (ja) 2006-04-03 2006-04-03 インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007276139A true JP2007276139A (ja) 2007-10-25

Family

ID=38678138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006101683A Withdrawn JP2007276139A (ja) 2006-04-03 2006-04-03 インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007276139A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102180014A (zh) * 2010-01-15 2011-09-14 精工爱普生株式会社 图像形成装置及其控制方法
JP2013049202A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
US8773692B2 (en) 2010-03-10 2014-07-08 Seiko Epson Corporation Printing control apparatus and printing control method for document layout processing

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102180014A (zh) * 2010-01-15 2011-09-14 精工爱普生株式会社 图像形成装置及其控制方法
US8480198B2 (en) 2010-01-15 2013-07-09 Seiko Epson Corporation Image forming apparatus, control method therefor, and medium storing program
US8773692B2 (en) 2010-03-10 2014-07-08 Seiko Epson Corporation Printing control apparatus and printing control method for document layout processing
JP2013049202A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5245943B2 (ja) 記録装置、制御方法及びプログラム
JP5107513B2 (ja) 印刷方法および印刷装置
JP2008080750A (ja) 印刷装置
US20100067938A1 (en) Image forming apparatus with reciprocally movable carriage
JP2007276139A (ja) インクジェットプリンタおよびその定期フラッシング方法
JP4621623B2 (ja) プリンタ
JP2007219691A (ja) Pid制御装置および制御パラメータ更新方法
JP6003156B2 (ja) 画像形成装置
US8474940B2 (en) Image recording apparatus and image recording method
JP2007152584A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射装置におけるフラッシング方法
JP2006347039A (ja) インクジェットプリンタ及びその制御装置
JP2006256229A (ja) ギャップ調整機構、このギャップ調整機構を備えるプリンタおよびギャップ調整方法
JP5921141B2 (ja) 記録装置
JP2004025549A (ja) モータの制御装置及び制御方法
US10099491B2 (en) Ink-jet printer
JP2006248070A (ja) ギャップ調整機構、このギャップ調整機構を備えるプリンタおよびギャップ調整方法
JP2007090793A (ja) 記録装置および液体噴射装置
JP2007136851A (ja) 記録装置のキャリッジモータ制御装置、キャリッジモータ制御方法、及びキャリッジモータ制御プログラム
JP2019166792A (ja) インクジェットプリンタ
JP2020001312A (ja) 画像記録装置
KR100579521B1 (ko) 잉크젯 프린터의 인쇄 제어방법
US10940703B2 (en) Liquid jetting apparatus
JP2006168108A (ja) 記録装置
JP2000188894A (ja) モ―タ加速制御方法
JP4492477B2 (ja) 記録装置および液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090707