JP2007274863A - 電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 - Google Patents

電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】弱め界磁制御のすべての領域で電流を安定させて制御することができるようにする。
【解決手段】電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出する偏差算出処理手段と、第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出する電圧指令値算出処理手段と、電圧飽和が生じたときに、第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段とを有する。電圧指令値算出処理手段は、弱め界磁制御中に所定の補正条件が成立したときに、第1、第2の偏差の両方に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法に関するものである。
従来、電動車両、例えば、電気自動車においては、電動機械として駆動モータが配設され、ハイブリッド型車両においては、第1、第2の電動機械として駆動モータ及び発電機が配設されるようになっている。そして、前記駆動モータ及び発電機は、いずれも、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等を備える。
そして、駆動モータ又は発電機を駆動し、駆動モータのトルクである駆動モータトルク、又は発電機のトルクである発電機トルクを発生させるために、電動駆動装置が配設される。駆動モータを駆動するために駆動モータ制御装置が、発電機を駆動するために発電機制御装置が、電動機械制御装置として配設され、前記駆動モータ制御装置及び発電機制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、前記駆動モータトルクを発生させたり、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
前記駆動モータ制御装置においては、駆動モータを駆動することができる領域、すなわち、出力領域を拡大するために所定の条件に基づいて弱め界磁制御を行うようになっている。該弱め界磁制御においては、電圧指令値と実電圧とを比較し、比較結果に基づいて電圧指令値を抑制するようにしている。そのために、電圧指令値が電圧振幅及び電圧位相角に変換され、実電圧も同様にして電圧振幅及び電圧位相角に変換される。そして、電圧飽和が生じていることから、電圧振幅を変更することができないので、両電圧位相角を比較し、電圧位相角を変更するようにしている。
しかしながら、前記従来の駆動モータ制御装置においては、マグネットトルクだけでなく、リラクタンストルクを併せて利用するようにした駆動モータの場合、直流電圧の制限のもとで駆動モータの駆動領域を拡大するために弱め界磁制御が行われるようになっているが、弱め界磁制御の領域において、一般のd軸及びq軸による電流(誤差PI)制御を行うと、電圧指令の飽和によって、電流を安定させて制御することができない領域が存在する。
本発明は、前記従来の駆動モータ制御装置の問題点を解決して、弱め界磁制御のすべての領域で電流を安定させて制御することができる電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出する電圧指令値算出処理手段と、電圧飽和が生じたときに、前記第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段とを有する。
そして、前記電圧指令値算出処理手段は、弱め界磁制御中に所定の補正条件が成立したときに、前記第1、第2の偏差の両方に基づいて前記第1、第2の電圧指令値を算出する。
本発明の他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電圧指令値算出処理手段は、積分制御において第1、第2の偏差の両方を第1、第2の電圧指令値を算出するために使用する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電圧指令値算出処理手段は、前記第1の偏差に第2の偏差を加減算したものを、第1の電圧指令値の積分項を算出するために使用する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電圧指令値算出処理手段は、前記第2の偏差に第1の偏差を加減算したものを、第2の電圧指令値の積分項を算出するために使用する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記第1、第2の電流指令値は、d軸電流指令値及びq軸電圧指令値である。そして、電動機械はd−q軸ベクトル上で制御される。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記補正条件は、電動機械の角速度及び電動機械目標トルクで決定される運転象限ごとに設定される。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記補正条件は、電圧指令値の位相角に基づいて設定される。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記補正条件は、電動機械が正転及び力行で駆動される運転象限、並びに電動機械が逆転及び回生で駆動される運転象限で、前記位相角が閾値より大きいときに成立する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記補正条件は、電動機械が逆転及び回生で駆動される運転象限、並びに電動機械が正転及び力行で駆動される運転象限で、前記位相角が閾値より小さいときに成立する。
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出し、該第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出し、該第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出し、電圧飽和が生じたときに、前記第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行う。
そして、電圧飽和によって所定の補正条件が成立したときに、前記第1、第2の偏差の両方に基づいて前記第1、第2の電圧指令値を算出する。
本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出する電圧指令値算出処理手段と、電圧飽和が生じたときに、前記第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段とを有する。
そして、前記電圧指令値算出処理手段は、弱め界磁制御中に所定の補正条件が成立したときに、前記第1、第2の偏差の両方に基づいて前記第1、第2の電圧指令値を算出する。
この場合、弱め界磁制御を効果的に行うことができない場合、所定の補正条件が成立すると、電流を安定させて制御することができるので、弱め界磁制御をすべての領域で効果的に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動車両としての電気自動車、ハイブリッド型車両等に搭載され、電動機械として駆動モータを駆動するようにした電動駆動装置、及び該電動駆動装置を作動させるための電動駆動制御装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態における電流制御部のブロック図、図2は本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図、図3は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図、図4は本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図、図5は本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図、図6は本発明の実施の形態における駆動モータの第1の特性図、図7は本発明の実施の形態における駆動モータの第2の特性図、図8は本発明の実施の形態における運転象限を示す図、図9は本発明の実施の形態における運転象限ごとの交差モードを示す図である。なお、図4において、横軸に駆動モータ31のトルクである駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にd軸電流指令値id* を、図5において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を、図6において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を、図7において、横軸にd軸電圧指令値vd* を、縦軸にq軸電圧指令値vq* を採ってある。
図において、31は駆動モータであり、該駆動モータ31は、例えば、電気自動車の駆動軸等に取り付けられ、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させて歯が形成されたステータコア、並びに前記歯に巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
前記ロータの出力軸に、ロータの磁極位置を検出するための磁極位置検出部として磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、磁極位置検出部として、前記磁極位置センサ21に代えてレゾルバを配設し、該レゾルバによって磁極位置信号を発生させることができる。
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流電流が、電流発生装置としてのインバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、該各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、ドライブ回路51において発生させられた駆動信号を各トランジスタTr1〜Tr6に送り、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。なお、前記インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。なお、直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
そして、前記駆動モータ31、インバータ40、ドライブ回路51、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。また、17はコンデンサである。
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11、12のリード線に、U相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34によって検出された電流は、検出電流iu、ivとして駆動モータ制御装置45に送られる。
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、該記録装置に第1、第2の電流指令値マップが設定される。なお、CPUに代えてMPUを使用することができる。
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を、外部記憶装置として配設された図示されないハードディスク等の他の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
次に、前記駆動モータ制御装置45の動作について説明する。
まず、該駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。また、前記位置検出処理手段の回転速度算出処理手段は、回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに基づいて駆動モータ31の角速度ωを算出する。なお、前記回転速度算出処理手段は、磁極数をpとしたとき、前記角速度ωに基づいて駆動モータ31の回転速度である駆動モータ回転速度NM
NM=60・(2/p)・ω/2π
も算出する。前記駆動モータ回転速度NMによって電動機械回転速度が構成される。
また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって取得する。
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。なお、本実施の形態においては、前記駆動モータ制御装置45において、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
そのために、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに基づいて、駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、該車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、該車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータ目標トルクTM* を発生させ、前記駆動モータ制御装置45に送る。
そして、該駆動モータ制御装置45において、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ目標トルクTM* に基づいて駆動モータ31を駆動するために、電流指令値設定処理手段としての電流指令値設定部46、弱め界磁制御処理手段としての弱め界磁制御部47、電圧指令値設定処理手段としての電圧指令値設定部48、第1の相変換処理手段としての三相二相変換部49、及び出力信号発生処理手段としてのPWM発生器50を備える。
前記電流指令値設定部46は、電流指令値設定処理を行うために、第1の軸電流指令値設定処理手段として、d軸電流指令値算出部(最大トルク制御部)53及び減算器55を、第2の軸電流指令値設定処理手段としてq軸電流指令値算出部(等トルク制御部)54を備え、前記d軸電流指令値算出部53及び減算器55は、第1の軸電流指令値設定処理を行い、d軸電流idの目標値を表す第1の電流指令値としてのd軸電流指令値id* を算出し、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の軸電流指令値設定処理を行い、q軸電流iqの目標値を表す第2の電流指令値としてのq軸電流指令値iq* を算出する。なお、前記d軸電流指令値算出部53によって第1の電流指令値算出処理手段及び最大トルク制御処理手段が、q軸電流指令値算出部54によって第2の電流指令値算出処理手段及び等トルク制御処理手段が、前記減算器55によって電流指令値調整処理手段が構成される。
また、前記弱め界磁制御部47は、弱め界磁制御処理を行うために、電圧飽和指標算出処理手段としての減算器58、及び電圧飽和判定処理手段としての、かつ、弱め界磁電流算出処理手段としてのd軸電流調整制御部59を備え、弱め界磁制御処理を行い、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)が低くなったり、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)が高くなったりすると、駆動モータ31を駆動することができる出力領域を拡大するために、所定の条件に基づいて、調整値としての弱め界磁電流Δidを発生させて自動的に弱め界磁制御を行う。なお、前記d軸電流調整制御部59は積分器によって構成される。
そして、前記三相二相変換部49は、三相二相変換を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをd軸電流id及びq軸電流iqに変換し、d軸電流id及びq軸電流iqを実電流として算出し、電圧指令値設定部48に送る。
該電圧指令値設定部48は、電圧指令値設定処理を行うために、電流制御処理手段としての、かつ、軸電圧指令値設定処理手段としての電流制御部61、及び電圧制御処理手段としての、かつ、第2の相変換処理手段としての電圧制御部62を備える。
また、前記PWM発生器50は、出力信号発生処理を行い、パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力信号として発生させ、前記ドライブ回路51に送る。
該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個の駆動信号を発生させ、該各駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6をスイッチングして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。
次に、前記電流指令値設定部46の動作について説明する。
この場合、該電流指令値設定部46は、駆動モータ目標トルクTM* 、角速度ω及び直流電圧Vdcを読み込み、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
そのために、前記車両用指令値算出処理手段から駆動モータ制御装置45に駆動モータ目標トルクTM* が送られると、前記d軸電流指令値算出部53は、第1の電流指令値算出処理及び最大トルク制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図4に示される第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み出すことによって算出し、該d軸電流指令値id* を減算器55に送る。
この場合、前記第1の電流指令値マップにおいて、d軸電流指令値id* は、駆動モータ目標トルクTM* を達成するために電流振幅指令値の絶対値が最も小さくなるように設定される。そして、前記第1の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が正又は負の値を採るのに対して、d軸電流指令値id* は負の値を採り、駆動モータ目標トルクTM* が零(0)である場合、d軸電流指令値id* は零にされ、駆動モータ目標トルクTM* が正又は負の方向に大きくなるにつれてd軸電流指令値id* は負の方向に大きくなるように設定される。
このようにして、d軸電流指令値id* が算出されると、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の電流指令値算出処理及び等トルク制御処理を行い、前記駆動モータ目標トルクTM* 、弱め界磁制御部47から送られた弱め界磁電流Δidを読み込み、図5に示される第2の電流指令値マップを参照し、駆動モータ目標トルクTM* 及びd軸電流指令値id* に対応するq軸電流指令値iq* を読み出すことによって算出し、該q軸電流指令値iq* を前記電流制御部61に送る。
なお、前記第2の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に大きくなり、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に小さくなり、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に小さくなるように設定される。また、駆動モータ目標トルクTM* が一定の場合、d軸電流指令値id* が負の方向に大きくなると、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に小さくなる。
次に、弱め界磁制御部47の動作について説明する。
ところで、前記駆動モータ31においては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、駆動モータ回転速度NMが高くなるほど駆動モータ31の端子電圧が高くなり、該端子電圧が閾(しきい)値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータ31による出力が不可能になってしまう。
そこで、前記電圧制御部62の図示されない変調率算出処理手段は、変調率算出処理を行い、電流制御部61によって調整されたd軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 、直流電圧Vdc及び磁極位置θを読み込み、電圧振幅|v|
Figure 2007274863
を、理論上の最大の電圧Vmax
Vmax=0.78×Vdc
によって除算することにより、変調率m
Figure 2007274863
を算出して減算器58に送る。なお、前記変調率mは、電圧振幅|v|の程度を表す値である。
そして、前記減算器58は、電圧飽和指標算出処理を行い、前記変調率mを読み込むとともに、図示されない変調率指令値算出部においてあらかじめ算出された変調率mの指令値、すなわち、変調率指令値kを読み込み、電圧飽和の程度を表す指標である電圧飽和指標Δm
Δm=m−k
を算出し、電圧飽和指標Δmをd軸電流調整制御部59に送る。
続いて、該d軸電流調整制御部59は、電圧飽和判定処理及び弱め界磁電流算出処理を行い、制御タイミングごとに前記電圧飽和指標Δmを積算し、積算値ΣΔmを算出し、該積算値ΣΔmが正の値を採るかどうかによって電圧飽和が生じているかどうかを判断し、積算値ΣΔmが正の値を採り、電圧飽和が生じている場合、積算値ΣΔmに比例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための弱め界磁電流Δidを算出して設定し、積算値ΣΔmが零以下の値を採り、電圧飽和が生じていない場合、前記弱め界磁電流Δidを零にする。
そして、弱め界磁電流Δidは減算器55に送られ、該減算器55は、弱め界磁電流Δidを受けると、電流指令値調整処理を行い、前記d軸電流指令値id* から弱め界磁電流Δidを減算することによってd軸電流指令値id* を調整し、前記弱め界磁電流Δidを電流制御部61に送る。
この場合、弱め界磁電流Δidが零の値を採るとき、実質的にd軸電流指令値id* の調整は行われず、弱め界磁制御も行われない。一方、弱め界磁電流Δidが正の値を採るとき、d軸電流指令値id* は調整されて値が負の方向に大きくされ、弱め界磁制御が行われる。
したがって、図5に示されるように、減算器55に送られたd軸電流指令値id* の値がida* であるときに、弱め界磁電流Δidが零であって弱め界磁制御が行われない場合は、q軸電流指令値算出部54において、値ida* に対応するq軸電流指令値iq* の値iqa* が読み出される。これに対して、弱め界磁電流Δidが正の値を採り、弱め界磁制御が行われる場合、例えば、減算器55及びq軸電流指令値算出部54において、d軸電流指令値id* は、負の方向に弱め界磁電流Δidだけ大きい値idb* にされ、該値idb* は電流制御部61に送られる。したがって、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* は値iqa* より正の方向に小さくされて、値iqb* になる。
続いて、前記電圧指令値設定部48の動作について説明する。
前記電流制御部61は、電流制御処理及び軸電圧指令値設定処理を行い、減算器55を介してd軸電流指令値算出部53から送られたd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値算出部54から送られたq軸電流指令値iq* を受け、三相二相変換部49から前記d軸電流id及びq軸電流iqを受けてフィードバック制御を行う。
そして、該フィードバック制御において、前記電流制御部61は、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に基づいて、第1、第2の軸電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出し、設定する。
そのために、電流制御部61は、第1の偏差としての、前記d軸電流指令値id* とd軸電流idとの電流偏差δid、及び第2の偏差としての、q軸電流指令値iq* とq軸電流iqとの電流偏差δiqを算出し、各電流偏差δid、δiq及び駆動モータ31のパラメータに基づいて、比例制御及び積分制御から成る比例積分項演算を行う。
そして、前記電圧制御部62は、電圧制御処理及び第2の相変換処理を行い、d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 、直流電圧Vdc及び磁極位置θを読み込み、二/三相変換によって、第1〜第3の相電圧指令値としての電圧指令値vu* 、vv* 、vw* を算出し、PWM発生器50に送る。
なお、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び電圧指令値vu* 、vv* 、vw* によって電圧指令値が構成される。また、前記パラメータは、逆起電圧定数MIf、各ステータコイルの巻線抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq等から成り、d軸とq軸との間の干渉を抑制するために、干渉項の演算を行う際に使用される。
ところで、駆動モータ31、特に、マグネットトルクだけでなく、リラクタンストルクも利用するようにした駆動モータにおいては、d軸電流指令値id* を負の方向に大きくしようとしても、誘起電圧を低くするこができない制御領域が存在し、弱め界磁制御を全制御領域で行うことができない。
図6において、L1は等トルク指令曲線、L2は最大トルク指令曲線であり、例えば、駆動モータ目標トルクTM* が等トルク指令曲線L1上にある場合、等トルク指令曲線L1と最大トルク指令曲線L2と交差する点、すなわち、運転ポイントpt1によって、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が表される。
ところで、例えば、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* がいずれも正である場合に、直流電圧Vdcが低くなるか、角速度ωが高くなるかして、直流電圧Vdcを角速度ωで除算することによって得られる電圧速度比Vdc/ωが小さくなると、該電圧速度比Vdc/ωで表される出力制限曲線L3より外側で駆動モータ目標トルクTM* を発生させることができなくなり、電圧速度比Vdc/ωが小さくなるのに伴って、出力制限曲線L3が小さくなり、運転ポイントpt1は、等トルク指令曲線L1に沿って矢印A方向に移動する。
ところが、前記等トルク指令曲線L1は、負の方向においてd軸電流指令値id* の値が大きいほど等トルク指令曲線L1の傾き角ε
ε=Δiq* /Δid*
が小さくなり、弱め界磁制御においてd軸電流指令値id* だけが変化し、q軸電流指令値iq* がほとんど変化しなくなってしまう。
その場合、図7において矢印のベクトルで示される電圧指令値Bvがd軸の付近に設定され、電圧指令値Bvの位相角vθが傾き角εとほぼ等しくなると、従来の弱め界磁制御では、電圧指令の位相が変化せず、電圧指令の振幅は電圧飽和によって制限されるので、電流を安定させて制御することができなくなってしまう。したがって、弱め界磁制御をすべての領域で効果的に行うことができない。
そこで、本実施の形態においては、弱め界磁制御が行われている場合に、電流制御部61において積分制御を行うに当たり、制御モードを、電流偏差δidに基づいてd軸電圧の積分項の演算を、電流偏差δiqに基づいてq軸電圧の積分項の演算を行うようにした標準モード、及び電流偏差δid、δiqに基づいてd軸電圧の積分項の演算を、電流偏差δiq、δidに基づいてq軸電圧の積分項の演算を行うようにした交差モードで切り換え、選択することができるようになっている。
次に、前記電流制御部61の詳細について説明する。
図1に示されるように、電流制御部61は、第1、第2の電圧指令値算出処理手段としての電圧指令値算出部78、79を備える。
該電圧指令値算出部78は、第1の偏差算出処理手段としての減算器81、第1の比例積分項演算処理手段としてのPI項演算部82、及び第1の電圧指令値調整処理手段としての加算器85を備え、d軸電流idとd軸電流指令値id* との偏差を表す電流偏差δidに基づいて、d軸電流idがd軸電流指令値id* になるようにフィードバック制御を行う。
また、電圧指令値算出部79は、第2の偏差算出処理手段としての減算器86、第2の比例積分項演算処理手段としてのPI項演算部87、及び第2の電圧指令値調整処理手段としての加算器90を備え、q軸電流iqとq軸電流指令値iq* との偏差を表す電流偏差δiqに基づいて、q軸電流iqがq軸電流指令値iq* になるようにフィードバック制御を行う。
そのために、前記電圧指令値算出部78において、前記減算器81は、偏差算出処理を行い、d軸電流id及びd軸電流指令値id* を読み込み、電流偏差δidを算出し、PI項演算部82に送る。
該PI項演算部82は、第1の比例積分項演算処理を行い、電流偏差δidを読み込み、電流偏差δidに基づいて電圧降下Vzdを算出し、加算器85に送る。そのために、前記PI項演算部82は、比例項演算処理手段としての比例項演算部83、及び積分項演算処理手段としての積分項演算部84を備え、前記比例項演算部83は乗算器d1を、前記積分項演算部84は、乗算器d2、第1の偏差補正処理手段としての加減算器71、及び第1の積分処理手段としての積分器d3を備える。
そして、前記比例項演算部83は、比例項演算処理を行い、電流偏差δid及びゲインKpdに基づいて比例項の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp
Vzdp=Kpd・δid
を比例項演算値として算出する。また、前記積分項演算部84は、積分項演算処理を行い、標準モードでは、電流偏差δid及び積分項演算用のゲインKidに基づいて積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzdi
Vzdi=Vzdi+Kid・δid
を積分項演算値として算出し、交差モードでは、電流偏差δid、補正値γd及び積分項演算用のゲインKidに基づいて電圧降下Vzdi
Vzdi=Vzdi+Kid・(δid±γd)
を積分項演算値として算出する。補正値γdは、電流偏差δiqから計算される値である。
なお、交差モードにおいて、前記加減算器71は、第1の偏差補正処理を行い、電流偏差δidに補正値γdを加減算して値Kid(δid±γd)を算出し、積分器d3は、積分処理を行い、値Kid(δid±γd)を積分して値Vzdiを算出する。
さらに、前記加算器85は、電圧指令値調整処理を行い、電圧降下Vzdp、Vzdiを加算して、電圧降下Vzd
Vzd=Vzdp+Vzdi
を算出するとともに、干渉項のq軸電流iqによって誘起される誘起電圧ed
ed=−ω・Lq・iq*
を読み込み、電圧降下Vzdと誘起電圧edとを加算し、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd*
vd* =Vzd+ed
=Vzd−ω・Lq・iq
を算出する。
一方、電圧指令値算出部79において、減算器86は、偏差算出処理を行い、q軸電流iq及びq軸電流指令値iq* を読み込み、電流偏差δiqを算出し、PI項演算部87に送る。
該PI項演算部87は、第2の比例積分項演算処理を行い、電流偏差δiqを読み込み、該電流偏差δiqに基づいて電圧降下Vzqを算出し、加算器90に送る。そのために、前記PI項演算部87は、比例項演算処理手段としての比例項演算部88、及び積分項演算処理手段としての積分項演算部89を備え、前記比例項演算部88は乗算器q1を、前記積分項演算部89は、乗算器q2、第2の偏差補正処理手段としての加減算器72、及び第2の積分処理手段としての積分器q3を備える。
そして、前記比例項演算部88は、比例項演算処理を行い、電流偏差δiq及びゲインKpqに基づいて比例項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqp
Vzqp=Kpq・δiq
を比例項演算値として算出する。また、前記積分項演算部89は、積分項演算処理を行い、標準モードでは、電流偏差δiq及び積分項演算用のゲインKiqに基づいて積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqi
Vzqi=Vzqi+Kiq・Σδiq
を積分項演算値として算出し、交差モードでは、電流偏差δiq、補正値γq及び積分項演算用のゲインKiqに基づいて積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqi
Vzqi=Vzqi+Kiq・Σ(δiq±γq)
を積分項演算値として算出する。補正値γqは、電流偏差δidから計算される値となる。
なお、交差モードにおいて、前記加減算器72は、第2の偏差補正処理を行い、電流偏差δiqに補正値mを加減算して値Kiq(δiq±γq)を算出し、積分器q3は、積分処理を行い、値Kiq(δiq±γq)を積分して値Vzqiを算出する。
さらに、前記加算器90は、電圧降下算出処理を行い、電圧降下Vzqp、Vzqiを加算して、電圧降下Vzq
Vzq=Vzqp+Vzqi
を算出するとともに、干渉項のd軸電流idによって誘起される誘起電圧eq
eq=+ω(Mif+Ld・id*
を読み込み、電圧降下Vzqと誘起電圧eqとを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値vq*
vq* =Vzq+eq
=Vzq+ω(Mif+Ld・id*
を算出する。
このようにして、電流偏差δidが零になるように、d軸電圧指令値vd* が発生させられ、電流偏差δiqが零になるように、q軸電圧指令値vq* が発生させられ、d軸電流指令値id* 及びq軸電圧指令値vq* が電圧制御部62に送られる。
ところで、前記弱め界磁制御が行われている間に、前記電流制御部61の図示されないモード切換判定処理手段は、モード切換判定処理を行い、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* によって決まる駆動モータ31の運転象限G1〜G4ごとに設定されたモード切換条件が成立するかどうかを判断する。なお、該モード切換条件によって補正条件が構成される。
そのために、電流制御部61の図示されない運転象限判定処理手段は、運転象限判定処理を行い、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* が属する運転象限G1〜G4を判定する。すなわち、運転象限判定処理手段は、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* がいずれも正であって、駆動モータ31が正転及び力行で駆動される場合、運転象限はG1であり、角速度ωが負であり、駆動モータ目標トルクTM* が正であって、駆動モータ31が逆転及び回生で駆動される場合、運転象限はG2であり、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* がいずれも負であって、駆動モータ31が逆転及び力行で駆動される場合、運転象限はG3であり、角速度ωが正であり、駆動モータ目標トルクTM* が負であって、駆動モータ31が正転及び回生で駆動される場合、運転象限はG4であると判定する。
続いて、前記モード切換判定処理手段は、位相角vθが運転象限G1〜G4ごとに閾値として設定された角度θ1〜θ4より大きいかどうかを判断する。すなわち、前記モード切換判定処理手段は、運転象限G1〜G4を読み込み、運転象限がG1である場合、位相角vθが角度θ1(180〔°〕付近の所定の値)より大きいかどうかを判断し、位相角vθが角度θ1より大きい場合、モード切換条件が成立していると判断する。そして、前記モード設定処理手段は、制御モードを標準モードから交差モードに切り換え、補正モードMD1を設定する。
同様に、前記モード切換判定処理手段は、運転象限がG2である場合、位相角vθが角度θ2(270〔°〕付近の所定の値)より大きいかどうかを判断し、位相角vθが角度θ2より大きい場合、モード切換条件が成立していると判断し、前記モード設定処理手段は、制御モードを標準モードから交差モードに切り換え、補正モードMD2を設定する。
また、運転象限がG3である場合、位相角vθが角度θ3(180〔°〕付近の所定の値)より小さいかどうかを判断し、位相角vθが角度θ3より小さい場合、モード切換条件が成立していると判断し、前記モード設定処理手段は、制御モードを標準モードから交差モードに切り換え、補正モードMD3を設定する。
そして、運転象限がG4である場合、位相角vθが角度θ4(90〔°〕付近の所定の値)より小さいかどうかを判断し、位相角vθが角度θ4より小さい場合、モード切換条件が成立していると判断し、前記モード設定処理手段は、制御モードを標準モードから交差モードに切り換え、補正モードMD4を設定する。
なお、モード切換条件が成立しない場合、前記モード設定処理手段は、制御モードを切り換えず、標準モードを設定する。したがって、加減算器71、72において加減算は行われず、電流偏差δid、δiqに基づいて通常の積分制御が行われる。
そして、前記補正モードMD1、MD4が設定された場合、前記加減算器71は、減算を行い、電流偏差δidを(δid−δiq)にして電流偏差δiq分小さくし、前記加減算器72は、加算を行い、電流偏差δiqを(δiq+δid)にして電流偏差δid分大きくする。また、前記補正モードMD2、MD3が設定された場合、前記加減算器71は、加算を行い、電流偏差δidを(δid+δiq)にして電流偏差δiq分大きくし、前記加減算器72は、減算を行い、電流偏差δiqを(δiq−δid)にして電流偏差δid分小さくする。
このように、弱め界磁制御が行われている間に、モード切換条件が成立すると、電流偏差δid、δiqが補正されるので、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を十分に変化させることができ、電圧指令値Bvを安定させることができる。したがって、弱め界磁制御をすべての領域で効果的に行うことができる。
また、運転象限G1〜G4ごとにモード切換条件が成立するかどうかを判断するようになっているので、過度に制御モードの切換えが行われるのを抑制することができる。したがって、制御モードの切換えに伴ってショックが発生するのを抑制することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における電流制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図である。 本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における駆動モータの第1の特性図である。 本発明の実施の形態における駆動モータの第2の特性図である。 本発明の実施の形態における運転象限を示す図である。 本発明の実施の形態における運転象限ごとの交差モードを示す図である。
符号の説明
45 駆動モータ制御装置
47 弱め界磁制御部
53 d軸電流指令値算出部
54 q軸電流指令値算出部
61 電流制御部
71、72 加減算器
78、79 電圧指令値算出部
81、86 減算器
G1〜G4 運転象限
id* d軸電流指令値
iq* q軸電流指令値
TM* 駆動モータ目標トルク
vd* d軸電圧指令値
vq* q軸電圧指令値
vu* 、vv* 、vw* 電圧指令値
vθ 位相角
Δid 弱め界磁電流
ω 角速度

Claims (10)

  1. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出する電圧指令値算出処理手段と、電圧飽和が生じたときに、前記第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段とを有するとともに、前記電圧指令値算出処理手段は、弱め界磁制御中に所定の補正条件が成立したときに、前記第1、第2の偏差の両方に基づいて前記第1、第2の電圧指令値を算出することを特徴とする電動駆動制御装置。
  2. 前記電圧指令値算出処理手段は、積分制御において第1、第2の偏差の両方を第1、第2の電圧指令値を算出するために使用する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 前記電圧指令値算出処理手段は、前記第1の偏差に第2の偏差を加減算したものを、第1の電圧指令値の積分項を算出するために使用する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  4. 前記電圧指令値算出処理手段は、前記第2の偏差に第1の偏差を加減算したものを、第2の電圧指令値の積分項を算出するために使用する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  5. 前記第1、第2の電流指令値は、d軸電流指令値及びq軸電圧指令値であり、電動機械はd−q軸ベクトル上で制御される請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  6. 前記補正条件は、電動機械の角速度及び電動機械目標トルクで決定される運転象限ごとに設定される請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  7. 前記補正条件は、電圧指令値の位相角に基づいて設定される請求項6に記載の電動駆動制御装置。
  8. 前記補正条件は、電動機械が正転及び力行で駆動される運転象限、並びに電動機械が逆転及び回生で駆動される運転象限で、前記位相角が閾値より大きいときに成立する請求項7に記載の電動駆動制御装置。
  9. 前記補正条件は、電動機械が逆転及び回生で駆動される運転象限、並びに電動機械が正転及び力行で駆動される運転象限で、前記位相角が閾値より小さいときに成立する請求項7に記載の電動駆動制御装置。
  10. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1、第2の電流指令値を算出し、該第1、第2の電流指令値と前記電動機械に供給される電流との第1、第2の偏差を算出し、該第1、第2の偏差に基づいて第1、第2の電圧指令値を算出し、電圧飽和が生じたときに、前記第1、第2の電流指令値を変更して弱め界磁制御を行うとともに、電圧飽和によって所定の補正条件が成立したときに、前記第1、第2の偏差の両方に基づいて前記第1、第2の電圧指令値を算出することを特徴とする電動駆動制御方法。
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