JP2007272049A - ガラス導波路型光回路の製造方法 - Google Patents

ガラス導波路型光回路の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高寸法精度で、低損失なシングルモードおよびマルチモードのガラス導波路型光回路を作製する簡易な方法を提供する。
【解決手段】石英系ガラス基板1上にレーザ光Lを反射させるメタル膜2を形成するメタル膜形成工程と、そのメタル膜2に導波路型光回路パターン3を切り抜くためのエッチング工程と、導波路型光回路パターン3内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光Lを集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、石英系ガラス基板1よりも高屈折率のコアガラス膜8を形成するコアガラス膜形成工程と、メタル膜2をエッチングして剥離するメタル膜剥離工程と、コアガラス膜8全体をそれよりも低屈折率のクラッドガラス膜9で覆うクラッドガラス膜形成工程とを備えた方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、シングルモードおよびマルチモードのガラス導波路型光回路を製造する方法に関する。
従来、埋め込み型ガラス導波路構造として、図3に示すガラス導波路30の構造が報告されている。基板31にはガラス(石英系、多成分系ガラス)が用いられ、その基板31の表面上には低屈折率のクラッド層(ガラス、あるいはポリマ)32が形成されている。クラッド層32上には高屈折率の矩形状の光回路パターン(コア、コアガラス)33Aが設けられており、そして光回路パターン33Aの全面を覆うように低屈折率nbの上部クラッド層34が設けられている。
ガラス導波路30の製造方法として図4(a)〜図4(g)に示す方法が報告されている。
まず、図4(a)に示すように、基板31上に低屈折率の下部クラッド層32をCVD法、あるいはスパッタリング法などで形成し、その上に高屈折率npのコアガラス層33をCVD法、あるいはスパッタリング法などで形成する。
図4(b)に示すように、コアガラス層33の上にメタル層35をスパッタリング法で形成する。ついで図4(c)に示すように、そのメタル層35の上にフォトレジスト膜36を塗布、加熱後にそのフォトレジスト膜36の上にフォトマスク37を置き、そのフォトマスク37の上から紫外線UVを照射する。
ここで、フォトマスク37には、紫外線を透過させる領域37Aの中に、コア層用の光回路パターンを形成するための紫外線を透過させない領域37Bが形成されている。紫外線UVはフォトマスク37を介してフォトレジスト膜36に照射され、その後で現像することによりフォトレジストパターン36Aを得る。つまりフォトリソグラフィ工程でレジストパターン36Aが得られている。
ついで図4(d)に示すように、そのフォトレジストパターン36Aをマスクにしてメタル層35をドライエッチングによりパターニングしてメタルパターン35Aを得る。
その後、図4(e)に示すように、そのメタルパターン35Aをマスクにしてコアガラス層33をドライエッチングによって矩形状の光回路パターン33Aに加工する。そしてその光回路パターン33Aの上のメタルパターン35Aをドライエッチングで取り除き、図4(f)に示すような形状を得る。
最後に光回路パターン33Aの全面を覆うように屈折率nbの上部クラッド層34を形成することにより埋め込み型ガラス導波路30が得られている。
他方、ガラス導波路の別の製造方法として、図5に示すように、GeCl4 を含んだSiCl4 のガスからなる気体状のガラス原料とO2 ガスとを混合した雰囲気中に、熱膨張係数の小さい平板型ガラス基板51を置き、この基板51に直径数十μmに細く絞られたCO2 レーザ光52を照射しつつ、矢印A方向に2次元的に移動させ、基板51を約1400℃に加熱する。そして加熱された基板51の領域に、熱酸化反応によって生じたGeO2 を含むSiO2 の透明なガラス53を堆積させて光導波路50を形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57−163204号公報 特許第2827640号公報 特開平8−62445号公報
しかし、上記従来の埋め込み型ガラス導波路の製造方法には次のような課題があった。
1)図4の方法では工程数が多く、製造時間も多大にかかることと、製造装置が高価であるために、低コスト化が難しい。
2)図5の方法は、図4の方法に比して工数が少ないことと、高価な製造装置が要らないことから低コスト化を期待できるが、導波路のコアの幅が10μm以下のシングルモード導波路を実現することが難しい。また、コアの幅の制御も難しい。さらに高寸法精度の光回路パターンを形成することも非常に難しい。これは、コアとなるガラス53を堆積させるために、レーザ光52を繰り返し重ねて照射しなければならないからである。
そこで、本発明の目的は、上記した従来の問題点を解決し、高寸法精度で、低損失なシングルモードおよびマルチモードのガラス導波路型光回路を作製する簡易な方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、
石英系ガラス基板上にレーザ光を反射させるメタル膜を形成するメタル膜形成工程と、 そのメタル膜に導波路型光回路パターンを切り抜くためのエッチング工程と、
上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成するコアガラス膜形成工程と、
上記メタル膜をエッチングして剥離するメタル膜剥離工程と、
上記コアガラス膜全体をそれよりも低屈折率のクラッドガラス膜で覆うクラッドガラス膜形成工程
とを備えたガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項2の発明は、
上記コアガラス膜形成工程において、
上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成する際に、
上記石英系ガラス基板を基板移動手段上に固定し、その基板移動手段を上記導波路型光回路パターンに沿って移動させて上記コアガラス膜を形成する請求項1記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項3の発明は、
上記コアガラス膜形成工程において、
上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成する際に、
上記レーザ光を上記導波路型光回路パターンに沿って移動させて上記コアガラス膜を形成する請求項1記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項4の発明は、上記エッチング工程と上記コアガラス膜形成工程の間に、上記導波路型光回路パターン内に高出力のレーザ光を集光させ、上記導波路型光回路パターン下部の上記石英系ガラス基板に溝を形成する溝形成工程を備えた請求項1〜3いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項5の発明は、上記レーザ光としてCO2 レーザ光を用いる請求項1〜4いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項6の発明は、上記メタル膜として、Al、Ti、Cu、Wのいずれかからなる膜を2種類以上組み合わせて積層したメタル膜を用いる請求項1〜5いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項7の発明は、上記屈折率制御用ドーパントとして、Ge、P、Ti、Ta、Znの中から少なくとも1種含んだものを用いる請求項1〜6いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項8の発明は、上記石英系ガラス基板として、OH基含有量が50ppm以下の石英ガラス、あるいは石英ガラス上にFを添加したSiO2 膜が形成されたものを用いる請求項1〜7いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
請求項9の発明は、上記ソースガスとして、ハロゲン化物系、アルコレート系、シラン系のいずれかを用いる請求項1〜8いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法である。
本発明によれば、高寸法精度で、低損失なシングルモードおよびマルチモードのガラス導波路型光回路を簡単に作製できる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明の第1の実施形態に係るガラス導波路型光回路(ガラス導波路)の製造方法は、 石英系ガラス基板上にレーザ光を反射させるメタル膜を形成するメタル膜形成工程と、 そのメタル膜に導波路型光回路パターンを切り抜くためのエッチング工程と、
上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成するコアガラス膜形成工程と、
上記メタル膜をエッチングして剥離するメタル膜剥離工程と、
上記コアガラス膜全体をそれよりも低屈折率のクラッドガラス膜で覆うクラッドガラス膜形成工程
とを備えた方法である。
メタル膜に形成する導波路型光回路パターンは、シングルモード用導波路パターン、あるいはマルチモード用導波路パターンのいずれも用いることができ、その幅は数μm〜数百μmの範囲から選ばれる。
第1の実施形態におけるレーザの出力は、石英系ガラス基板を削らず、かつソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させるのに十分な出力とする。
コアガラス膜には、例えば、後述する屈折率制御用ドーパントを少なくとも1種含んだSiO2 膜を用いるとよい。
コアガラス膜を形成するには、レーザ光を固定して基板を動かしてもよいし、逆に基板を固定してレーザ光を動かしてもよい。
すなわち、コアガラス膜を形成するには、
上記コアガラス膜形成工程において、
上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成する際に、
上記石英系ガラス基板を平面内で移動自在なXYステージなどの基板移動手段上に固定し、上記XYステージを上記導波路型光回路パターンに沿って移動させてコアガラス膜を形成してもよい。
また、ガラス膜形成工程は、上記レーザ光を上記導波路型光回路パターンに沿って移動させてコアガラス膜を形成してもよい。
また、第2の実施形態に係る方法は、エッチング工程とコアガラス膜形成工程の間に、上記導波路型光回路パターン内に高出力のレーザ光を集光させて照射し、上記導波路型光回路パターン下部の上記石英系ガラス基板に溝を形成する溝形成工程を備えた方法である。
この溝形成工程におけるレーザの出力は、石英系ガラス基板を削ることができる出力とする。
第2の実施形態に係る方法は、第1の実施形態に係る方法で作製したコアガラス膜が、メタル膜の厚さで決定されるのに対し、メタル膜の厚さを超えるような厚いコアガラス膜を作製する場合に用いる。
レーザ光としては、ガスレーザ光が好ましく、例えばCO2 レーザ光を用いるとよい。これは、CO2 レーザがガスレーザの中では最も効率が高く、1W〜20kWの小出力から大出力に達するものがあるからである。また、本実施の形態に係る方法によれば、メタル膜によって導波路型光回路パターンを形成する部分を高精度に位置決めできるため、このCO2 レーザ(波長は約10.6μm)のような波長の長いものを使用できる。
CO2 レーザ光のパワーは数十W〜数百Wの範囲のものを用いることができ、パワーを高くするほど、コアガラス膜の形成速度を早くすることができる。また、石英ガラス系基板の表面に形成する溝を高速で形成することができる。
XYステージを光回路パターンに沿ってX,Y方向に所望速度で繰り返し移動させ、導波路型光回路パターン内にレーザ光を1〜10回程度の範囲で繰り返し重ねて照射してもよい。
エッチング工程およびメタル膜を剥離する工程におけるエッチングには、よく知られたウエットエッチング、あるいは反応性イオンエッチングなどのドライエッチングを用いる。
メタル膜としては、Al、Ti、Cu、Wのいずれかからなる膜を2種類以上組み合わせて積層したメタル膜を用いるとよい。
屈折率制御用ドーパントとしては、Ge、P、Ti、Ta、Znの中から少なくとも1種含んだものを用いるとよい。
石英系ガラス基板としては、OH基含有量が200ppm以上の石英ガラス(有水の石英ガラス)はもちろん、OH基含有量が50ppm以下の石英ガラス(無水の石英ガラス)、あるいは石英ガラス上にFを添加したSiO2 膜が形成されたものを用いてもよい。
このような基板を用いると、屈折率制御用ドーパントの量を少なくして高比屈折率差の導波路を実現することができる。また、熱酸化反応中に発生したOH基が基板内に混入するのをFの添加で低減させることができる。
ソースガスとしては、ハロゲン化物系(例えば、SiCl4 、GeCl4 など)、アルコレート系(例えば、Si(OC254 、Ge(OCH34 など)、シラン系(例えば、SiH4 、PH3 、BH4 など)のいずれかを用いるとよい。
本実施形態に係る製造方法は、まず、石英系基板上にメタル膜を形成し、そのメタル膜に導波路型光回路パターンを形成するようにメタル膜を切り抜く。この切り抜いた導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含んだガラス膜の原料となるソースガスとO2 ガスを混合して吹き付けると共に、CO2 レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつコアガラス膜を形成している。
これにより、本実施形態に係る製造方法によれば、以下の(1)〜(5)に記載した作用効果が得られる。
(1)メタル膜の導波路型光回路パターンはエッチングにより高精度に形成でき、しかもメタル膜がマスクの役目を果たすことで、その導波路型光回路パターンの場所のみにコアガラス膜を高精度に形成できる。したがって、メタル膜をエッチングする際に、導波路型光回路パターンの幅(コア幅)をマルチモード用にするかシングルモード用にすることによってマルチモードおよびシングルモードの導波路を高精度に実現することが容易に可能である。
(2)コアの形状およびその側面荒れは導波路型光回路パターン(メタルパターン)の側面荒れ、あるいは第2の実施形態に係る方法のように、切り抜かれた導波路型光回路パターン内にCO2 レーザで形成した溝に依存している。しかし、導波路型光回路パターンはフォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程で実現されるために、高寸法精度でかつその側面も滑らかである。また、CO2 レーザで形成した溝は切り抜かれた導波路型光回路パターンに依存しているために、その溝の形状は高寸法精度であり、かつその側面も非常に滑らかである。したがって、これらを基にして作製されたコアの形状は高寸法精度であり、またその側面も滑らかである。これにより、低損失のガラス導波路型光回路を実現することが可能である。
(3)コアは切り抜かれた導波路型光回路パターン内、あるいは第2の実施形態に係る方法のように、CO2 レーザで形成された溝内のみに形成されるので、高寸法精度に実現でき、非常に効率よくコアガラス膜を形成することが可能となる。
(4)切り抜かれた導波路型光回路パターン内、あるいは第2の実施形態に係る方法のように、CO2 レーザで形成された溝内にコアガラス膜を形成した後は、メタル膜を剥離する工程と、その後にクラッドガラス膜を形成する工程により、図4の従来の方法に比べて少ない工数でガラス導波路型光回路を実現することができる。このため、ガラス導波路型光回路の製造方法の低コスト化を期待することができる。
(5)石英系ガラス基板に無水の石英ガラス基板を用いれば、OH基が少ない低損失なクラッド層として作用するので、低損失なガラス導波路型光回路を実現できる。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施形態に係る製造方法のより詳細な一例であり、これを図1(a)〜図1(f)で説明する。
まず図1(a)に示すように、例えば、基板として直径4インチ、厚み1mmの石英系ガラス基板1上に、CO2 レーザ光を反射させ、CO2 レーザ光(出力55W)によってダメージを受けにくい材料のメタル膜2を形成する(メタル膜形成工程)。メタル膜2には、厚みが0.1μmのTi膜の上にCu膜を4μmの厚みに形成したメタル膜を用いた。このメタル膜2の膜厚は後述するコアガラス膜の膜厚と同程度の厚みが好ましい。メタル膜2は真空蒸着装置を用いて形成したが、スパッタリング装置を用いて形成してもよい。
図1(b)に示すように、このメタル膜2に導波路型光回路パターン(メタルパターン)3を切り抜くためのエッチングを行う。このエッチングはよく知られたウエットエッチング、あるいはドライエッチング(反応性イオンエッチング)で行う(エッチング工程)。
この導波路型光回路パターン3の幅はシングルモード用かマルチモード用によって異なるが、実施例1ではシングルモード用として作製し、その幅は4μmとした。
その後で図1(c)に示すように、導波路型光回路パターン3付きの基板1をXYステージ10上に固定する。この状態で、石英系ガラス基板1よりも屈折率を高くするための屈折率制御用ドーパントを含んだガラス膜の原料となるソースガスsの供給源と、O2 ガスgの供給源と、これら供給源に接続され、導波路型光回路パターン3の近傍にガス供給口を有するガス供給ライン4とからなるガス供給系5を設置する。さらに、CO2 レーザ光Lを出力するレーザ装置と、そのレーザ光を集光するレンズ6とからなる光学系7を設置する。
そして、導波路型光回路パターン3内に、ソースガスsをO2 ガスgと混合して吹き付けると共に、レーザ光Lをレンズ6で集光させて照射し、ソースガスsとO2 ガスgを熱酸化反応させつつ、XYステージ10を導波路型光回路パターン3に沿って移動させてコアガラス膜8を形成する(コアガラス膜形成工程)。このとき、光回路パターン3内にソースガスsとO2 ガスgを吹き付ける前に、レーザ光Lを照射しないようにする。CO2 レーザの出力は200Wとした。
この実施例1では、アルコレート系(すなわちSi(OC254 を70℃に加熱させて発生させた蒸気(流量6sccm)とGe(OCH34 を70℃に加熱させて発生させた蒸気(流量3sccm)の混合蒸気からなるガス)を用いた。また、O2 ガスgの流量として100sccmを流した。
XYステージ10を導波路型光回路パターン3内に沿ってX,Y方向に100mm/sの速度で移動させ、導波路型光回路パターン3内を3回繰り返し重ねて照射した。その結果、導波路型光回路パターン3内に屈折率が1.51(波長0.632μmでの値)のコアガラス膜8を約4μmの厚みに形成した(図1(d))。
図1(e)に示すように、メタル膜2をエッチングによって剥離する(メタル膜剥離工程)。その後に図1(f)に示すように、コアガラス膜8全体をそれよりも低屈折率のクラッドガラス膜9(SiO2 膜)を約20μmの厚みで覆うことにより(クラッドガラス膜形成工程)、埋め込み型ガラス導波路型光回路11を得た。
低屈折率のクラッドガラス膜9はプラズマCVD法を用い、400℃の温度で上記Si(OC254 を70℃に加熱して発生させた蒸気(流量6sccm)とO2 ガスを300sccm流しながら形成した。
なお、図1(e)の工程において、コアガラス膜8をより安定した膜にするため、1000〜1300℃の範囲で熱処理するようにしてもよいし、あるいは図1(f)の工程が終わってから上記温度で熱処理するようにしてもよい。
作製したガラス導波路型光回路11の伝搬損失は波長1.3μmにおいて0.15dB/cm、波長1.55μmにおいて0.13dB/cmであり、低損失特性を実現できることがわかった。
なお、上記結果は石英系ガラス基板1に有水の石英ガラス基板(OH基含有量が200ppm以上)を用いた結果であり、石英系ガラス基板1に無水石英ガラス基板(OH基含有量が50ppm以下)を用いた場合には、波長1.55μmにおいて0.095dB/cmであり、無水石英ガラス基板のOH基含有量の低さが低損失化に寄与していることがわかった。
(実施例2)
実施例2は、第2の実施形態に係る製造方法のより詳細な一例であり、これを図2(a)〜図2(f)で説明する。
図2(a)のメタル膜形成工程は、図1(a)のメタル膜形成工程と同じである。実施例2では、図1(b)のエッチング工程と、その次の工程である図1(c)のガラス膜形成工程の間に、図2(b)に示すように、高出力のCO2 レーザ光L2を導波路型光回路パターン3内に集光させて照射し、導波路型光回路パターン3の下の石英系ガラス基板1に溝21を形成する(溝形成工程)。
この溝21の深さはCO2 レーザ光L2のエネルギー、すなわちパワー、照射回数などで制御することができる。例えば、55WのCO2 レーザ光L2を用いた場合には、XYステージ10をX,Y方向に移動させる速度を500mm/sとした場合、約10μmの深さの溝21を形成することができる。また、XYステージ10をX,Y方向に移動させる速度を1000mm/sとした場合には、約4.5μmの深さの溝21を形成することができた。
以下、図1(c)〜図1(f)の工程と同様にして、図2(c)〜図2(f)の工程を行い、溝21内と導波路型光回路パターン3内にコアガラス膜28を形成して埋め込み型ガラス導波路型光回路20を得た。
作製したガラス導波路型光回路20の伝搬損失も波長1.3μmにおいて0.15dB/cm、波長1.55μmにおいて0.13dB/cmであり、低損失特性を実現できることがわかった。
図1(a)〜図1(f)は、本発明の好適な第1の実施形態であるガラス導波路型光回路の製造方法を用いた実施例1における製造方法を説明する断面図である。 図2(a)〜図2(f)は、第2の実施形態であるガラス導波路型光回路の製造方法を用いた実施例2における製造方法を説明する断面図である。 従来の製造方法を用いて作製したガラス導波路型光回路の断面図である。 図4(a)〜図4(g)は、従来のガラス導波路型光回路の製造方法を説明する断面図である。 図4とは別の方法による従来のガラス導波路型光回路の製造方法を説明する概略図である。
符号の説明
1 石英系ガラス基板
2 メタル膜
3 導波路型光回路パターン
8 コアガラス膜
9 クラッドガラス膜
10 XYステージ
s ソースガス
g O2 ガス
L レーザ光

Claims (9)

  1. 石英系ガラス基板上にレーザ光を反射させるメタル膜を形成するメタル膜形成工程と、 そのメタル膜に導波路型光回路パターンを切り抜くためのエッチング工程と、
    上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成するコアガラス膜形成工程と、
    上記メタル膜をエッチングして剥離するメタル膜剥離工程と、
    上記コアガラス膜全体をそれよりも低屈折率のクラッドガラス膜で覆うクラッドガラス膜形成工程
    とを備えたことを特徴とするガラス導波路型光回路の製造方法。
  2. 上記コアガラス膜形成工程において、
    上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成する際に、
    上記石英系ガラス基板を基板移動手段上に固定し、その基板移動手段を上記導波路型光回路パターンに沿って移動させて上記コアガラス膜を形成することを特徴とする請求項1記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  3. 上記コアガラス膜形成工程において、
    上記導波路型光回路パターン内に、屈折率制御用ドーパントを含むガラス膜の原料となるソースガスをO2 ガスと混合して吹き付けると共に、レーザ光を集光させて照射し、ソースガスとO2 ガスを熱酸化反応させつつ、上記石英系ガラス基板よりも高屈折率のコアガラス膜を形成する際に、
    上記レーザ光を上記導波路型光回路パターンに沿って移動させて上記コアガラス膜を形成することを特徴とする請求項1記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  4. 上記エッチング工程と上記コアガラス膜形成工程の間に、上記導波路型光回路パターン内に高出力のレーザ光を集光させ、上記導波路型光回路パターン下部の上記石英系ガラス基板に溝を形成する溝形成工程を備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  5. 上記レーザ光としてCO2 レーザ光を用いることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  6. 上記メタル膜として、Al、Ti、Cu、Wのいずれかからなる膜を2種類以上組み合わせて積層したメタル膜を用いることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  7. 上記屈折率制御用ドーパントとして、Ge、P、Ti、Ta、Znの中から少なくとも1種含んだものを用いることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  8. 上記石英系ガラス基板として、OH基含有量が50ppm以下の石英ガラス、あるいは石英ガラス上にFを添加したSiO2 膜が形成されたものを用いることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
  9. 上記ソースガスとして、ハロゲン化物系、アルコレート系、シラン系のいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のガラス導波路型光回路の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021039241A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 古河電気工業株式会社 光導波路回路、光源モジュールおよび光導波路回路の製造方法

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