JP2004286959A - 光導波路の製造方法および光導波路 - Google Patents
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Abstract
【課題】光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成できる製造方法を提供する。
【解決手段】基板11上に下部クラッド層12、コア層13、メタルマスク層14、フォトレジスト膜15を順次形成する工程と、フォトマスク16を用いてフォトレジスト膜15をパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14を所望の幅のコアよりも幅広くパターニングした後にフォトレジスト膜15を除去する工程と、パターニングされたメタルマスク層14を用いてコア層13をパターニングしてコア13aを形成した後にメタルマスク層14を除去する工程と、パターニングされたコア13aを被覆するようにして下部クラッド層12上に上部クラッド層17を形成する工程により光導波路を形成する。
【選択図】 図10
【解決手段】基板11上に下部クラッド層12、コア層13、メタルマスク層14、フォトレジスト膜15を順次形成する工程と、フォトマスク16を用いてフォトレジスト膜15をパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14を所望の幅のコアよりも幅広くパターニングした後にフォトレジスト膜15を除去する工程と、パターニングされたメタルマスク層14を用いてコア層13をパターニングしてコア13aを形成した後にメタルマスク層14を除去する工程と、パターニングされたコア13aを被覆するようにして下部クラッド層12上に上部クラッド層17を形成する工程により光導波路を形成する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路の製造方法に関し、特に光導波路を構成するコアの形成に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの発展に伴い、光部品の集積化、高機能化が求められているなか、プレーナプロセスを用いて製造される導波路型の光部品は上記要求を低価格で実現するものとして期待されている。なかでも、石英系材料を用いた光導波路は、高信頼性および低損失性を備えること、同じく石英で作製される光ファイバとの相性が良いことから、広く用いられている。
【0003】
光導波路は、基板上に形成された屈折率が相対的に高いコアと、それを取り囲む屈折率の低い領域であるクラッドとからなり、光は両者の屈折率の違いによってコア中に閉じこめられて伝搬される。なお、コアとクラッドの屈折率差およびコアの大きさは、コアの伝搬光が光ファイバの光が低損失で結合されるように設計される。
【0004】
ここで、一般的な石英系導波路の作製方法は、石英基板あるいはシリコン基板上に火炎堆積法(FHD)、化学気相蒸着法(CVD)、スパッタ法などの方法で、下部クラッド層とコア層をこの順に全面に成膜する。次に、メタルマスクを上記の成膜方法で、さらにその上にフォトレジストを塗布などの方法で作製する。
【0005】
そして、フォトリソグラフィの技術に従い、フォトマスクを用いてフォトレジストを露光、現像してフォトレジストの導波路パターンを形成する。次に、コア層のみを所望のレイアウトにパターニングするために、まずフォトレジストをエッチングマスクとしてメタルマスクをエッチングした後にフォトレジストを除去し、次いでメタルマスクをエッチングマスクとしてコア層をエッチングし、断面が略矩形の導波路コアを作製する。これらエッチングには反応性イオンエッチング(RIE)などの方法を用いることができる。最後に上部クラッド層を全面に成膜し、導波路構造とする。そして、上記プロセス中に膜中に含まれる水分や内部応力を除去するために、熱処理が加えられて光導波路が完成する。
【0006】
光導波路を伝搬する光はコア近傍の屈折率分布に大きく影響される。たとえば、前述した導波路の作製プロセスでのコア形成時にエッチングによる残渣が付着すると伝搬損失が大きくなることから、これを極力抑制するように決められる。
【0007】
ここで、光導波路の製造方法として、特開平7−77619号公報には、所定パターンのチャネル導波路を火炎堆積法で上部クラッド層に埋め込むに先立ち、チャネル導波路に加熱処理を施して、フォトリソグラフィとエッチング時に発生した側面の微細凹凸や変質層を消滅させ、光の伝搬損失を低減する技術が開示されている。
【0008】
また、光導波路の他の製造方法として、特開2000−75157号公報には回折格子形成領域上とそれ以外の領域上でコア幅を等しくする技術が、特開平10−10347号公報にはエッチング条件によりコア幅を制御する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−77619号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−75157号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平10−10347号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
エッチングのメカニズムは、アルゴンなどの不活性イオンをエッチング対象物に衝突させ吹き飛ばす「物理的エッチング」と呼ばれるものと、エッチング対象物を反応ガスの化学反応を用いて気化させる「化学的エッチング」と呼ばれる2種類に大別される。物理的エッチングでは衝突するイオン束の方向が比較的揃っていることから、エッチング時には基板面に垂直な方向にはエッチングが大きく進み、平行な方向にはあまり進まない、つまり異方性が大きいが、その分吹き飛ばした残渣がエッチング対象物の周囲に付着しやすいという問題がある。
【0013】
また、前記イオン束のエネルギーが大きいため、エッチングでのマスキング層の耐性も問題になり、例えばパターンされたマスキング層の垂直性が悪く台形状であるとエッチング終了時でのマスキング層の幅が小さくなり、その下にあるパターン幅も必然的に小さくなる。
【0014】
反面、化学的エッチングでは残渣は付着しにくいが、エッチングの異方性が小さいために、エッチングの深さが深くなるとその分だけ横方向のエッチングも進んでしまう。なお、本明細書において深さ方向とは積層方向を指し、横方向とはこの積層方向に直交する方向を指す。
【0015】
光導波路作製においては、エッチング残渣の付着を抑制するために、化学的エッチングが優勢となるような条件でエッチングを行うことが好ましいものの、横方向のエッチング量が比較的大きくなることから、コアのパターニングに際してコア幅が予想したよりも細くなって設計した導波路形状で作製されず、結合損失が大きくなって所期の光学特性が得られないという問題があった。
【0016】
そして、チャネル導波路つまりコアの側面の微細凹凸等を除去して伝搬損失を低減する特開平7−77619号公報に記載の技術では、コア幅の細りによる結合損失の増加に対する配慮はなされていない。また、コアの幅をその形成領域を問わず等しく形成する特開2000−75157号公報に記載の技術では、コア幅を設計値通りにするための考察はなされていない。さらに、特開平10−10347号公報に記載のようなエッチング条件によりコア幅を制御する技術より簡便にコア幅を制御できれば、製造が容易になって望ましい。
【0017】
ここで、本発明者によって、コア形成時における横方向および深さ方向のエッチング量はエッチングを行う領域の大きさに依存して変化することが見出された。つまり、ギャップを挟んで隣接した2つのコアが存在するような導波路では、コアのギャップ側と反対側とでエッチング深さと横方向へのエッチング量が異なってしまい、設計した導波路形状で作製されず、予定した光学特性が得られないという問題があった。
【0018】
そこで、本発明は、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することでのできる光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路の製造方法は、基板上または第1のクラッド層上にコア層を形成する工程と、前記コア層上にマスキング層を形成する工程と、前記マスキング層上にフォトレジスト膜を形成する工程と、フォトマスクを用いて前記フォトレジスト膜をパターニングする工程と、パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記マスキング層を所望のコアの幅よりも幅広くパターニングする工程と、パターニングされた前記マスキング層を用いて前記コア層をパターニングしてコアを形成した後に前記マスキング層を除去する工程と、パターニングされた前記コアを被覆するようにして前記第1のクラッド層上に第2のクラッド層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
このような発明によれば、マスキング層を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0021】
本発明の好ましい形態において、パターニングされた前記マスキング層の幅は、このマスキング層を用いて前記コアを形成したときに細くなった当該コアの幅が所望のコアの幅となる幅である。
【0022】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0023】
本発明のさらに好ましい形態において、前記コアがギャップを挟んで配置されている場合においては、前記パターニングされたマスキング層の幅の中心位置が前記コアの幅の中心位置よりも前記ギャップから遠くなるように前記マスキング層をパターニングする。
【0024】
これにより、ギャップを挟んで隣接した2つのコアが存在する場合でも、エッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0025】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層は、前記フォトレジスト膜をパターニングする際に用いるフォトマスクのマスクパターン、前記フォトレジスト膜をパターニングする際のパターン形成条件、または前記マスキング層をパターニングする際のパターン形成条件、の少なくとも何れか1つの条件で前記所望のコアの幅よりも幅広くパターニングされる。
【0026】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0027】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層および前記コア層のパターニングは反応ガスの化学反応を用いた反応性イオンエッチングにより行われる。
【0028】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0029】
本発明のさらに好ましい形態において、前記所望のコアの幅は、比屈折率差が0.3%のときには8μm、比屈折率差が0.4%のときには7μm、比屈折率差が0.7%のときには6μm、比屈折率差が1.0%のときには5μmである。
【0030】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0031】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層の幅は、前記所望のコアの幅が7〜8μmのときにはこの幅よりも1.2〜1.4μm広くした幅である。
【0032】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0033】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路は、少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、前記コアはフォトマスクを用いてパターニングされ、前記フォトマスクの前記コアに対応する部分のパターン幅は前記コアの幅よりも大きいことを特徴とする。
【0034】
このような発明によれば、エッチングによるコア幅の細りがフォトマスクで補正されるので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0035】
本発明の好ましい形態において、前記パターン幅は前記コア幅よりも0.5μm以上大きくなっている。
【0036】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0037】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路は、少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、前記コアの屈折率をncore、前記クラッドの屈折率をncladとし、導波路のカットオフ波長をλとしたとき、前記コアの幅dが、d<1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))であり、かつ前記コアをパターニングするマスキング層の対応する部分の幅Mが、M>1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))であることを特徴とする。
【0038】
このような発明によれば、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0039】
本発明の好ましい形態において、前記カットオフ波長は使用波長の80%〜90%である。
【0040】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0042】
図1は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の一工程を示す断面図、図2は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図1に続く工程を示す断面図、図3は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図2に続く工程を示す断面図、図4は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図3に続く工程を示す断面図、図5は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図4に続く工程を示す断面図、図6は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図5に続く工程を示す断面図、図7は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図6に続く工程を示す断面図、図8は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図7に続く工程を示す断面図、図9は本発明者が検討対象としたマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図10は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図11は2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を示すグラフ、図12は分岐したコアとマスキング層との関係を示す説明図、図13は本発明の他の実施形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図14は2種類のカットオフ波長に対する比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を示すグラフ、図15は3次元チャンネル光導波路の分散特性を示すグラフである。
【0043】
先ず、本実施の形態における光導波路製造方法の一連のプロセスについて、石英系の光導波路を例にとって説明する。但し、基板としては石英ではなくシリコンなど他のものを用いることもできる。
【0044】
先ず、石英の基板11上にノンドープの石英ガラスからなる下部クラッド層(第1のクラッド層)12をCVDにて5μmの厚さ(シリコン基板の場合は15μmの厚さ)に成膜する。ここでの反応原料には、TEOS(テトラエトキシオルソシリケート)と酸素の混合ガスが用いられる。次に、この混合ガスにTMG(テトラメトキシボレート)が加えられてゲルマニウムがドープされたコア層13を7μmの厚さに成膜した後、1100℃、3時間の熱処理を行う。さらにその上に、パターニング用のメタルマスク層(マスキング層)14としてWSi(タングステンシリサイド)をスパッタリングで700nmの厚さに成膜した後、フォトレジストを塗布してフォトレジスト膜15を形成する。これにより、図1に示す積層体が形成される。
【0045】
次に、図2に示すように、フォトリソグラフィ技術により、フォトマスク16を用いて紫外光で露光した後に現像して、図3に示すフォトレジスト膜15のパターニングを行なう。なお、図示する場合には、ポジ型のフォトレジストが用いられているが、ネガ型を用いてもよい。
【0046】
先ずRIE(反応性イオンエッチング)装置で、エッチングガスとしてCF4とSF6 を使用し、図4に示すように、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14をパターニングする。RIE(反応性イオンエッチング)は常に物理的、化学的エッチング反応が共存しており、作製条件によって両者のバランスを変えることで最適化を図ることが可能である。そして、メタルマスク層14のパターニング後、図5に示すように、酸素プラズマアッシングでフォトレジスト膜15を除去する。
【0047】
次に、パターニングされたメタルマスク層14により、RIEにてCHF3 とCH4 との混合ガスを用いてコア層13をエッチングでパターニングしてコア13aを形成し(図6)、その後SF6 ガスを用いてメタルマスク層14を除去する(図7)。
【0048】
最後に、図8に示すように、パターニングされたコア13aを被覆するようにして下部クラッド層12上に上部クラッド層(第2のクラッド層)17を形成し、光導波路が完成する。なお、上部クラッド層17には、相互に隣接したコアパターンでのクラッドの埋め込み被覆性を良好にするために、ノンドープの石英よりも低温で軟化可能なBPSG(ボロンと燐がドープされた石英ガラス)が用いられる。そして、これを成膜するために、CVD装置にて、TEOSと酸素ガスの他にTMB(テトラメトキシボロン)、TMP(テトラメトキシ燐)を加えて、BPSGを30μmの厚さに堆積した後、最後に軟化リフローおよび応力緩和などの目的で1100℃、24時間の熱処理を行う。
【0049】
さて、以上説明したように、本実施の形態では、反応ガスを用いた化学的エッチングにより光導波路が製造される。なお、図9、図10、図13において、エッチング前の状態のコア層13およびメタルマスク層14を破線で示し、エッチング後のコア13aおよびメタルマスク層14をハッチング付きの実線で示している。前述のように、化学的エッチングでは異方性が抑制されてエッチング残渣の付着が少ないという利点があるものの、図9に示すように、エッチングの深さが深くなるとその分だけ横方向のエッチングも進んでしまうことから、パターニングされたコア13aの幅が、図9において一点鎖線で示す設計上のコア幅よりも細くなってしまう。具体的には、エッチング深さが7〜8μmでは横方向に1.2〜1.4μm程度、エッチング深さが28μmでは横方向に7.0〜8.8μm程度、エッチング深さが40μmでは横方向に9.8〜11.0μm程度エッチングが進む。
【0050】
そこで、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14をパターニングする際、メタルマスク層14の幅を設計上のつまり所望のコア幅と等しくするのではなく、図10に示すように、所望の幅のコアよりも幅広くパターニングする。具体的には、例えば所望のコアの断面寸法が7〜8μm角、つまりコア幅が7〜8μmの場合には、前述のように横方向に1.2〜1.4μm程度エッチングが進むことから、メタルマスク層14の幅を8.2〜8.4μm(コア幅7μm)または9.2〜9.4μm(コア幅8μm)にパターニングする。同様に、所望のコア幅が28μm角の場合には35.0〜36.8μmに、所望のコア幅が40μmのときには49.8〜51.0μmにパターニングする。つまり、メタルマスク層14の幅は、所望のコアの幅に対して1.0μm以上大きいことが好ましく、実際の製造精度つまり寸法誤差等を考慮すると0.5μm以上大きいことがより好ましい。
【0051】
なお、以下に説明する場合を含め、メタルマスク層14の幅は、フォトマスク16のマスクパターンにより前述の幅にパターニングすることができる。但し、フォトレジスト膜15をパターニングする際のパターン形成条件やメタルマスク層14をパターニングする際のパターン形成条件を制御して前述の幅にパターニングしてもよく、これら3つの条件の内の2つあるいは全部を併用してパターニングしてもよい。
【0052】
このようにメタルマスク層14の幅を所望のコア幅よりも広くパターニングすることにより、当該メタルマスク層14を用いてコア層13をパターニングすれば、図示するように、所望の幅(例えばメタルマスク層14の幅を8.2〜8.4μmとして7μm幅)のコア13aを形成することができる。
【0053】
次に、本明細書でいう「所望のコア幅」について説明する。光導波路の伝搬特性は、コア13aとクラッド12,17の屈折率差(あるいは比屈折率差Δ=(ncore−nclad)/nclad)およびコア13aの大きさ(幅方向の断面における高さと幅)によって決まる。
【0054】
そして、通常のシングルモード光ファイバに接続して使用される光導波路では、接続の際の結合損失を考慮して光導波路もシングルモードとなるように設計される。屈折率差が大きい場合、シングルモードとなるためにはコア13aのサイズを小さくする必要があるが、あまり小さくしすぎると光ファイバとの接続性が悪くなるという問題が生じる。一方、コア13aの曲がり部分での伝搬損失は屈折率差を小さくすると増加してしまうので、導波路デバイスの小型化のためにパターンの最小曲率半径を小さくすればするほど損失が大きくなる。
【0055】
そこで、矩形型のチャンネル導波路の場合、これらの関係を考慮し、コア寸法と屈折率差を表1に示す組み合わせとすることが多い。
【表1】
【0056】
これらは、各々の場合で、結合損失や許容曲げ半径が異なりメリット・デメリットがあるが特性的には概ね許容できる範囲とされる。したがって、比屈折率差により設計上のコア幅が分かる。つまり、コア13aとクラッド12,17とから算出される比屈折率差が0.3%のときには設計上のコア幅は8μm、1.0のときには5μmとなる。そこで、本明細書でいう「所望のコア幅」とは比屈折率差から導き出された表1に例示されるようなコア幅をいう。
【0057】
このように、本実施の形態によれば、メタルマスク層14を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコア13aを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。そして、これにより、光の伝搬損失および結合損失の双方を低減することができる。
【0058】
ここで、2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を図11に示す。
【0059】
図11に示すように、コアの線細りは1.0〜1.8μmであり、ギャップ幅が小さいほど線細りの量は小さくなることがわかる。
【0060】
一般的な光導波路のレイアウトにおいては、ギャップを挟んで隣接したコアパターンは分岐部分や隣接した導波路の結合を利用したりする場合にのみ用いられる。そして、孤立したコアパターンは図中のギャップ8μm以上に相当し、この場合の線細りは1μm以上となっている。また、ギャップ部分の幅は作製再現性やコア形成後に上部クラッド17で埋め込む必要があるために最小でも2μm程度とする必要がある。この場合の線細りは0〜0.6μmである。
【0061】
そこで、図12および図13に示すように、コア13aの分岐点においては、メタルマスク層14の幅方向の中心位置C1がコア13aの幅方向の中心位置C2よりも2つのコア13aで形成されるギャップGから遠くなるようにして(図12に示す場合には、中心位置C1と中心位置C2との距離が0.2μmになるようにして)、メタルマスク層14をパターニングする。
【0062】
これにより、図13に示すように、ギャップGを挟んで隣接した2つのコア13aが存在する場合でも、エッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0063】
なお、図12に示す数値は一例であり、本発明がこれに限定されるものではないことはもちろんである。
【0064】
さて、3次元チャンネル導波路のシングルモード条件は、よく知られた規格化周波数と規格化伝搬定数のグラフより導き出すことができ、コアの形状が略正方形である場合、2d/λ・(√(ncore 2 −nclad 2 ))<1.45となる。λは1次モードのカットオフ波長である。そして、コアncoreとクラッドncladの屈折率とカットオフ波長から、コアの幅d(正方形形状のコアとしている場合には幅d=高さ)が求まる。2種類のカットオフ波長に対する計算結果に基づいた比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を図14に示す。
【0065】
ここで、3次元チャンネル光導波路の分散特性を図15に示す。図中のn1 、n2 は各々コア、クラッドであって、Eijは導波路中を伝搬する各モードを表している。
【0066】
横軸は次式で与えられる規格化周波数Vをπで除した数である。
【0067】
V=2πd√(ncore 2 −nclad 2 )/λ
【0068】
また、縦軸は、モードの伝搬定数をβとしたとき、次式で与えられる規格化伝搬定数Bである。
【0069】
B=(β2 −nclad 2 k2 )/(ncore 2 k2 −nclad 2 k2 )
【0070】
図中の線は、ある周波数での導波路を伝搬するモードの伝搬定数がいくつであるかを計算した図であって、実線、破線などの違いは、モード計算での種々の近似での値を示している。x,yの添え字は偏波面の違いであって、図のように周囲のクラッドが対称で略正方形形状のコアの場合にはx,yの曲線はほぼ一致する。
【0071】
伝搬定数が0となる周波数のことをカットオフ周波数と呼び、これより下の周波数ではそのモードは伝搬できない。そして、シングルモード導波路であるためには0次のモードのみが伝搬する状態であるので、1次のモードがカットオフとなるV/π=1.4〜1.6(Typ:1.45)以下である必要がある。よって、前述のように、3次元チャンネル導波路のシングルモード条件が、2d/λ・(√(ncore 2 −nclad 2 ))<1.45と導かれる。
【0072】
したがって、コア13aが所望の幅dとなるには、上式より、d<1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))を満たせばよい。また、コア13aをパターニングするメタルマスク層14の対応する部分の幅Mはコア幅dよりも広くなることから、M>1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))となる。
【0073】
なお、光導波路がシングルモードとなるためには、カットオフ波長が使用する波長よりも小さくなる必要があり、実際の製造プロセスのばらつきを考慮すると使用波長の80%〜90%となるようにするのが好ましい。比屈折率差は大きいほど導波路の最小許容曲げ半径が小さくなるため好ましく、また幅・高さはファイバとの結合損失を考えると6〜8μm程度が好ましい。
【0074】
これらの関係から、使用波長1310nmのときコアの高さ・幅と比屈折率差の組み合わせは、例えば前述した表1のようになる。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0076】
すなわち、マスキング層を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0077】
このようにエッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成できることから、光の伝搬損失および結合損失の双方を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図1に続く工程を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図2に続く工程を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図3に続く工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図4に続く工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図5に続く工程を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図6に続く工程を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図7に続く工程を示す断面図である。
【図9】本発明者が検討対象としたマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図11】2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を示すグラフである。
【図12】光導波路の分岐パターンとマスキング層との関係を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図14】2種類のカットオフ波長に対する比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を示すグラフである。
【図15】3次元チャンネル光導波路の分散特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 基板
12 下部クラッド層(第1のクラッド層)
13 コア層
13a コア
14 メタルマスク層(マスキング層)
15 フォトレジスト膜
16 フォトマスク
17 上部クラッド層(第2のクラッド層)
C1 中心位置
C2 中心位置
G ギャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路の製造方法に関し、特に光導波路を構成するコアの形成に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの発展に伴い、光部品の集積化、高機能化が求められているなか、プレーナプロセスを用いて製造される導波路型の光部品は上記要求を低価格で実現するものとして期待されている。なかでも、石英系材料を用いた光導波路は、高信頼性および低損失性を備えること、同じく石英で作製される光ファイバとの相性が良いことから、広く用いられている。
【0003】
光導波路は、基板上に形成された屈折率が相対的に高いコアと、それを取り囲む屈折率の低い領域であるクラッドとからなり、光は両者の屈折率の違いによってコア中に閉じこめられて伝搬される。なお、コアとクラッドの屈折率差およびコアの大きさは、コアの伝搬光が光ファイバの光が低損失で結合されるように設計される。
【0004】
ここで、一般的な石英系導波路の作製方法は、石英基板あるいはシリコン基板上に火炎堆積法(FHD)、化学気相蒸着法(CVD)、スパッタ法などの方法で、下部クラッド層とコア層をこの順に全面に成膜する。次に、メタルマスクを上記の成膜方法で、さらにその上にフォトレジストを塗布などの方法で作製する。
【0005】
そして、フォトリソグラフィの技術に従い、フォトマスクを用いてフォトレジストを露光、現像してフォトレジストの導波路パターンを形成する。次に、コア層のみを所望のレイアウトにパターニングするために、まずフォトレジストをエッチングマスクとしてメタルマスクをエッチングした後にフォトレジストを除去し、次いでメタルマスクをエッチングマスクとしてコア層をエッチングし、断面が略矩形の導波路コアを作製する。これらエッチングには反応性イオンエッチング(RIE)などの方法を用いることができる。最後に上部クラッド層を全面に成膜し、導波路構造とする。そして、上記プロセス中に膜中に含まれる水分や内部応力を除去するために、熱処理が加えられて光導波路が完成する。
【0006】
光導波路を伝搬する光はコア近傍の屈折率分布に大きく影響される。たとえば、前述した導波路の作製プロセスでのコア形成時にエッチングによる残渣が付着すると伝搬損失が大きくなることから、これを極力抑制するように決められる。
【0007】
ここで、光導波路の製造方法として、特開平7−77619号公報には、所定パターンのチャネル導波路を火炎堆積法で上部クラッド層に埋め込むに先立ち、チャネル導波路に加熱処理を施して、フォトリソグラフィとエッチング時に発生した側面の微細凹凸や変質層を消滅させ、光の伝搬損失を低減する技術が開示されている。
【0008】
また、光導波路の他の製造方法として、特開2000−75157号公報には回折格子形成領域上とそれ以外の領域上でコア幅を等しくする技術が、特開平10−10347号公報にはエッチング条件によりコア幅を制御する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−77619号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−75157号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平10−10347号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
エッチングのメカニズムは、アルゴンなどの不活性イオンをエッチング対象物に衝突させ吹き飛ばす「物理的エッチング」と呼ばれるものと、エッチング対象物を反応ガスの化学反応を用いて気化させる「化学的エッチング」と呼ばれる2種類に大別される。物理的エッチングでは衝突するイオン束の方向が比較的揃っていることから、エッチング時には基板面に垂直な方向にはエッチングが大きく進み、平行な方向にはあまり進まない、つまり異方性が大きいが、その分吹き飛ばした残渣がエッチング対象物の周囲に付着しやすいという問題がある。
【0013】
また、前記イオン束のエネルギーが大きいため、エッチングでのマスキング層の耐性も問題になり、例えばパターンされたマスキング層の垂直性が悪く台形状であるとエッチング終了時でのマスキング層の幅が小さくなり、その下にあるパターン幅も必然的に小さくなる。
【0014】
反面、化学的エッチングでは残渣は付着しにくいが、エッチングの異方性が小さいために、エッチングの深さが深くなるとその分だけ横方向のエッチングも進んでしまう。なお、本明細書において深さ方向とは積層方向を指し、横方向とはこの積層方向に直交する方向を指す。
【0015】
光導波路作製においては、エッチング残渣の付着を抑制するために、化学的エッチングが優勢となるような条件でエッチングを行うことが好ましいものの、横方向のエッチング量が比較的大きくなることから、コアのパターニングに際してコア幅が予想したよりも細くなって設計した導波路形状で作製されず、結合損失が大きくなって所期の光学特性が得られないという問題があった。
【0016】
そして、チャネル導波路つまりコアの側面の微細凹凸等を除去して伝搬損失を低減する特開平7−77619号公報に記載の技術では、コア幅の細りによる結合損失の増加に対する配慮はなされていない。また、コアの幅をその形成領域を問わず等しく形成する特開2000−75157号公報に記載の技術では、コア幅を設計値通りにするための考察はなされていない。さらに、特開平10−10347号公報に記載のようなエッチング条件によりコア幅を制御する技術より簡便にコア幅を制御できれば、製造が容易になって望ましい。
【0017】
ここで、本発明者によって、コア形成時における横方向および深さ方向のエッチング量はエッチングを行う領域の大きさに依存して変化することが見出された。つまり、ギャップを挟んで隣接した2つのコアが存在するような導波路では、コアのギャップ側と反対側とでエッチング深さと横方向へのエッチング量が異なってしまい、設計した導波路形状で作製されず、予定した光学特性が得られないという問題があった。
【0018】
そこで、本発明は、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することでのできる光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路の製造方法は、基板上または第1のクラッド層上にコア層を形成する工程と、前記コア層上にマスキング層を形成する工程と、前記マスキング層上にフォトレジスト膜を形成する工程と、フォトマスクを用いて前記フォトレジスト膜をパターニングする工程と、パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記マスキング層を所望のコアの幅よりも幅広くパターニングする工程と、パターニングされた前記マスキング層を用いて前記コア層をパターニングしてコアを形成した後に前記マスキング層を除去する工程と、パターニングされた前記コアを被覆するようにして前記第1のクラッド層上に第2のクラッド層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
このような発明によれば、マスキング層を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0021】
本発明の好ましい形態において、パターニングされた前記マスキング層の幅は、このマスキング層を用いて前記コアを形成したときに細くなった当該コアの幅が所望のコアの幅となる幅である。
【0022】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0023】
本発明のさらに好ましい形態において、前記コアがギャップを挟んで配置されている場合においては、前記パターニングされたマスキング層の幅の中心位置が前記コアの幅の中心位置よりも前記ギャップから遠くなるように前記マスキング層をパターニングする。
【0024】
これにより、ギャップを挟んで隣接した2つのコアが存在する場合でも、エッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0025】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層は、前記フォトレジスト膜をパターニングする際に用いるフォトマスクのマスクパターン、前記フォトレジスト膜をパターニングする際のパターン形成条件、または前記マスキング層をパターニングする際のパターン形成条件、の少なくとも何れか1つの条件で前記所望のコアの幅よりも幅広くパターニングされる。
【0026】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0027】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層および前記コア層のパターニングは反応ガスの化学反応を用いた反応性イオンエッチングにより行われる。
【0028】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0029】
本発明のさらに好ましい形態において、前記所望のコアの幅は、比屈折率差が0.3%のときには8μm、比屈折率差が0.4%のときには7μm、比屈折率差が0.7%のときには6μm、比屈折率差が1.0%のときには5μmである。
【0030】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0031】
本発明のさらに好ましい形態において、前記マスキング層の幅は、前記所望のコアの幅が7〜8μmのときにはこの幅よりも1.2〜1.4μm広くした幅である。
【0032】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0033】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路は、少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、前記コアはフォトマスクを用いてパターニングされ、前記フォトマスクの前記コアに対応する部分のパターン幅は前記コアの幅よりも大きいことを特徴とする。
【0034】
このような発明によれば、エッチングによるコア幅の細りがフォトマスクで補正されるので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0035】
本発明の好ましい形態において、前記パターン幅は前記コア幅よりも0.5μm以上大きくなっている。
【0036】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0037】
上記課題を解決するため、本発明に係る光導波路は、少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、前記コアの屈折率をncore、前記クラッドの屈折率をncladとし、導波路のカットオフ波長をλとしたとき、前記コアの幅dが、d<1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))であり、かつ前記コアをパターニングするマスキング層の対応する部分の幅Mが、M>1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))であることを特徴とする。
【0038】
このような発明によれば、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0039】
本発明の好ましい形態において、前記カットオフ波長は使用波長の80%〜90%である。
【0040】
これにより、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0042】
図1は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の一工程を示す断面図、図2は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図1に続く工程を示す断面図、図3は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図2に続く工程を示す断面図、図4は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図3に続く工程を示す断面図、図5は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図4に続く工程を示す断面図、図6は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図5に続く工程を示す断面図、図7は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図6に続く工程を示す断面図、図8は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図7に続く工程を示す断面図、図9は本発明者が検討対象としたマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図10は本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図11は2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を示すグラフ、図12は分岐したコアとマスキング層との関係を示す説明図、図13は本発明の他の実施形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図、図14は2種類のカットオフ波長に対する比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を示すグラフ、図15は3次元チャンネル光導波路の分散特性を示すグラフである。
【0043】
先ず、本実施の形態における光導波路製造方法の一連のプロセスについて、石英系の光導波路を例にとって説明する。但し、基板としては石英ではなくシリコンなど他のものを用いることもできる。
【0044】
先ず、石英の基板11上にノンドープの石英ガラスからなる下部クラッド層(第1のクラッド層)12をCVDにて5μmの厚さ(シリコン基板の場合は15μmの厚さ)に成膜する。ここでの反応原料には、TEOS(テトラエトキシオルソシリケート)と酸素の混合ガスが用いられる。次に、この混合ガスにTMG(テトラメトキシボレート)が加えられてゲルマニウムがドープされたコア層13を7μmの厚さに成膜した後、1100℃、3時間の熱処理を行う。さらにその上に、パターニング用のメタルマスク層(マスキング層)14としてWSi(タングステンシリサイド)をスパッタリングで700nmの厚さに成膜した後、フォトレジストを塗布してフォトレジスト膜15を形成する。これにより、図1に示す積層体が形成される。
【0045】
次に、図2に示すように、フォトリソグラフィ技術により、フォトマスク16を用いて紫外光で露光した後に現像して、図3に示すフォトレジスト膜15のパターニングを行なう。なお、図示する場合には、ポジ型のフォトレジストが用いられているが、ネガ型を用いてもよい。
【0046】
先ずRIE(反応性イオンエッチング)装置で、エッチングガスとしてCF4とSF6 を使用し、図4に示すように、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14をパターニングする。RIE(反応性イオンエッチング)は常に物理的、化学的エッチング反応が共存しており、作製条件によって両者のバランスを変えることで最適化を図ることが可能である。そして、メタルマスク層14のパターニング後、図5に示すように、酸素プラズマアッシングでフォトレジスト膜15を除去する。
【0047】
次に、パターニングされたメタルマスク層14により、RIEにてCHF3 とCH4 との混合ガスを用いてコア層13をエッチングでパターニングしてコア13aを形成し(図6)、その後SF6 ガスを用いてメタルマスク層14を除去する(図7)。
【0048】
最後に、図8に示すように、パターニングされたコア13aを被覆するようにして下部クラッド層12上に上部クラッド層(第2のクラッド層)17を形成し、光導波路が完成する。なお、上部クラッド層17には、相互に隣接したコアパターンでのクラッドの埋め込み被覆性を良好にするために、ノンドープの石英よりも低温で軟化可能なBPSG(ボロンと燐がドープされた石英ガラス)が用いられる。そして、これを成膜するために、CVD装置にて、TEOSと酸素ガスの他にTMB(テトラメトキシボロン)、TMP(テトラメトキシ燐)を加えて、BPSGを30μmの厚さに堆積した後、最後に軟化リフローおよび応力緩和などの目的で1100℃、24時間の熱処理を行う。
【0049】
さて、以上説明したように、本実施の形態では、反応ガスを用いた化学的エッチングにより光導波路が製造される。なお、図9、図10、図13において、エッチング前の状態のコア層13およびメタルマスク層14を破線で示し、エッチング後のコア13aおよびメタルマスク層14をハッチング付きの実線で示している。前述のように、化学的エッチングでは異方性が抑制されてエッチング残渣の付着が少ないという利点があるものの、図9に示すように、エッチングの深さが深くなるとその分だけ横方向のエッチングも進んでしまうことから、パターニングされたコア13aの幅が、図9において一点鎖線で示す設計上のコア幅よりも細くなってしまう。具体的には、エッチング深さが7〜8μmでは横方向に1.2〜1.4μm程度、エッチング深さが28μmでは横方向に7.0〜8.8μm程度、エッチング深さが40μmでは横方向に9.8〜11.0μm程度エッチングが進む。
【0050】
そこで、パターニングされたフォトレジスト膜15を用いてメタルマスク層14をパターニングする際、メタルマスク層14の幅を設計上のつまり所望のコア幅と等しくするのではなく、図10に示すように、所望の幅のコアよりも幅広くパターニングする。具体的には、例えば所望のコアの断面寸法が7〜8μm角、つまりコア幅が7〜8μmの場合には、前述のように横方向に1.2〜1.4μm程度エッチングが進むことから、メタルマスク層14の幅を8.2〜8.4μm(コア幅7μm)または9.2〜9.4μm(コア幅8μm)にパターニングする。同様に、所望のコア幅が28μm角の場合には35.0〜36.8μmに、所望のコア幅が40μmのときには49.8〜51.0μmにパターニングする。つまり、メタルマスク層14の幅は、所望のコアの幅に対して1.0μm以上大きいことが好ましく、実際の製造精度つまり寸法誤差等を考慮すると0.5μm以上大きいことがより好ましい。
【0051】
なお、以下に説明する場合を含め、メタルマスク層14の幅は、フォトマスク16のマスクパターンにより前述の幅にパターニングすることができる。但し、フォトレジスト膜15をパターニングする際のパターン形成条件やメタルマスク層14をパターニングする際のパターン形成条件を制御して前述の幅にパターニングしてもよく、これら3つの条件の内の2つあるいは全部を併用してパターニングしてもよい。
【0052】
このようにメタルマスク層14の幅を所望のコア幅よりも広くパターニングすることにより、当該メタルマスク層14を用いてコア層13をパターニングすれば、図示するように、所望の幅(例えばメタルマスク層14の幅を8.2〜8.4μmとして7μm幅)のコア13aを形成することができる。
【0053】
次に、本明細書でいう「所望のコア幅」について説明する。光導波路の伝搬特性は、コア13aとクラッド12,17の屈折率差(あるいは比屈折率差Δ=(ncore−nclad)/nclad)およびコア13aの大きさ(幅方向の断面における高さと幅)によって決まる。
【0054】
そして、通常のシングルモード光ファイバに接続して使用される光導波路では、接続の際の結合損失を考慮して光導波路もシングルモードとなるように設計される。屈折率差が大きい場合、シングルモードとなるためにはコア13aのサイズを小さくする必要があるが、あまり小さくしすぎると光ファイバとの接続性が悪くなるという問題が生じる。一方、コア13aの曲がり部分での伝搬損失は屈折率差を小さくすると増加してしまうので、導波路デバイスの小型化のためにパターンの最小曲率半径を小さくすればするほど損失が大きくなる。
【0055】
そこで、矩形型のチャンネル導波路の場合、これらの関係を考慮し、コア寸法と屈折率差を表1に示す組み合わせとすることが多い。
【表1】
【0056】
これらは、各々の場合で、結合損失や許容曲げ半径が異なりメリット・デメリットがあるが特性的には概ね許容できる範囲とされる。したがって、比屈折率差により設計上のコア幅が分かる。つまり、コア13aとクラッド12,17とから算出される比屈折率差が0.3%のときには設計上のコア幅は8μm、1.0のときには5μmとなる。そこで、本明細書でいう「所望のコア幅」とは比屈折率差から導き出された表1に例示されるようなコア幅をいう。
【0057】
このように、本実施の形態によれば、メタルマスク層14を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコア13aを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。そして、これにより、光の伝搬損失および結合損失の双方を低減することができる。
【0058】
ここで、2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を図11に示す。
【0059】
図11に示すように、コアの線細りは1.0〜1.8μmであり、ギャップ幅が小さいほど線細りの量は小さくなることがわかる。
【0060】
一般的な光導波路のレイアウトにおいては、ギャップを挟んで隣接したコアパターンは分岐部分や隣接した導波路の結合を利用したりする場合にのみ用いられる。そして、孤立したコアパターンは図中のギャップ8μm以上に相当し、この場合の線細りは1μm以上となっている。また、ギャップ部分の幅は作製再現性やコア形成後に上部クラッド17で埋め込む必要があるために最小でも2μm程度とする必要がある。この場合の線細りは0〜0.6μmである。
【0061】
そこで、図12および図13に示すように、コア13aの分岐点においては、メタルマスク層14の幅方向の中心位置C1がコア13aの幅方向の中心位置C2よりも2つのコア13aで形成されるギャップGから遠くなるようにして(図12に示す場合には、中心位置C1と中心位置C2との距離が0.2μmになるようにして)、メタルマスク層14をパターニングする。
【0062】
これにより、図13に示すように、ギャップGを挟んで隣接した2つのコア13aが存在する場合でも、エッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0063】
なお、図12に示す数値は一例であり、本発明がこれに限定されるものではないことはもちろんである。
【0064】
さて、3次元チャンネル導波路のシングルモード条件は、よく知られた規格化周波数と規格化伝搬定数のグラフより導き出すことができ、コアの形状が略正方形である場合、2d/λ・(√(ncore 2 −nclad 2 ))<1.45となる。λは1次モードのカットオフ波長である。そして、コアncoreとクラッドncladの屈折率とカットオフ波長から、コアの幅d(正方形形状のコアとしている場合には幅d=高さ)が求まる。2種類のカットオフ波長に対する計算結果に基づいた比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を図14に示す。
【0065】
ここで、3次元チャンネル光導波路の分散特性を図15に示す。図中のn1 、n2 は各々コア、クラッドであって、Eijは導波路中を伝搬する各モードを表している。
【0066】
横軸は次式で与えられる規格化周波数Vをπで除した数である。
【0067】
V=2πd√(ncore 2 −nclad 2 )/λ
【0068】
また、縦軸は、モードの伝搬定数をβとしたとき、次式で与えられる規格化伝搬定数Bである。
【0069】
B=(β2 −nclad 2 k2 )/(ncore 2 k2 −nclad 2 k2 )
【0070】
図中の線は、ある周波数での導波路を伝搬するモードの伝搬定数がいくつであるかを計算した図であって、実線、破線などの違いは、モード計算での種々の近似での値を示している。x,yの添え字は偏波面の違いであって、図のように周囲のクラッドが対称で略正方形形状のコアの場合にはx,yの曲線はほぼ一致する。
【0071】
伝搬定数が0となる周波数のことをカットオフ周波数と呼び、これより下の周波数ではそのモードは伝搬できない。そして、シングルモード導波路であるためには0次のモードのみが伝搬する状態であるので、1次のモードがカットオフとなるV/π=1.4〜1.6(Typ:1.45)以下である必要がある。よって、前述のように、3次元チャンネル導波路のシングルモード条件が、2d/λ・(√(ncore 2 −nclad 2 ))<1.45と導かれる。
【0072】
したがって、コア13aが所望の幅dとなるには、上式より、d<1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))を満たせばよい。また、コア13aをパターニングするメタルマスク層14の対応する部分の幅Mはコア幅dよりも広くなることから、M>1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))となる。
【0073】
なお、光導波路がシングルモードとなるためには、カットオフ波長が使用する波長よりも小さくなる必要があり、実際の製造プロセスのばらつきを考慮すると使用波長の80%〜90%となるようにするのが好ましい。比屈折率差は大きいほど導波路の最小許容曲げ半径が小さくなるため好ましく、また幅・高さはファイバとの結合損失を考えると6〜8μm程度が好ましい。
【0074】
これらの関係から、使用波長1310nmのときコアの高さ・幅と比屈折率差の組み合わせは、例えば前述した表1のようになる。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0076】
すなわち、マスキング層を所望のコア幅よりも広く形成してエッチングによるコア幅の細りを補正しているので、光導波路のコアを、エッチング残渣を抑制しつつその幅を所望の寸法に形成することが可能になる。
【0077】
このようにエッチング残渣を抑制しつつコア幅を所望の寸法に形成できることから、光の伝搬損失および結合損失の双方を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図1に続く工程を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図2に続く工程を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図3に続く工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図4に続く工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図5に続く工程を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図6に続く工程を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法の図7に続く工程を示す断面図である。
【図9】本発明者が検討対象としたマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図11】2つのコアにより形成されるギャップとコアの線幅との関係を示すグラフである。
【図12】光導波路の分岐パターンとマスキング層との関係を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態である光導波路の製造方法におけるマスキング層とこれによりエッチングされたコアとを示す断面図である。
【図14】2種類のカットオフ波長に対する比屈折率差とコアの幅・高さとの関係を示すグラフである。
【図15】3次元チャンネル光導波路の分散特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 基板
12 下部クラッド層(第1のクラッド層)
13 コア層
13a コア
14 メタルマスク層(マスキング層)
15 フォトレジスト膜
16 フォトマスク
17 上部クラッド層(第2のクラッド層)
C1 中心位置
C2 中心位置
G ギャップ
Claims (11)
- 基板上または第1のクラッド層上にコア層を形成する工程と、
前記コア層上にマスキング層を形成する工程と、
前記マスキング層上にフォトレジスト膜を形成する工程と、
フォトマスクを用いて前記フォトレジスト膜をパターニングする工程と、
パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記マスキング層を所望のコアの幅よりも幅広くパターニングする工程と、
パターニングされた前記マスキング層を用いて前記コア層をパターニングしてコアを形成した後に前記マスキング層を除去する工程と、
パターニングされた前記コアを被覆するようにして前記第1のクラッド層上に第2のクラッド層を形成する工程とを有することを特徴とする光導波路の製造方法。 - パターニングされた前記マスキング層の幅は、このマスキング層を用いて前記コアを形成したときに細くなった当該コアの幅が所望のコアの幅となる幅であることを特徴とする請求項1記載の光導波路の製造方法。
- 前記コアがギャップを挟んで配置されている場合においては、前記パターニングされたマスキング層の幅の中心位置が前記コアの幅の中心位置よりも前記ギャップから遠くなるように前記マスキング層をパターニングすることを特徴とする請求項1または2記載の光導波路の製造方法。
- 前記マスキング層は、前記フォトレジスト膜をパターニングする際に用いるフォトマスクのマスクパターン、前記フォトレジスト膜をパターニングする際のパターン形成条件、または前記マスキング層をパターニングする際のパターン形成条件、の少なくとも何れか1つの条件で前記所望のコアの幅よりも幅広くパターニングされることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光導波路の製造方法。
- 前記マスキング層および前記コア層のパターニングは反応ガスの化学反応を用いた反応性イオンエッチングにより行われることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光導波路の製造方法。
- 前記所望のコアの幅は、比屈折率差が0.3%のときには8μm、比屈折率差が0.4%のときには7μm、比屈折率差が0.7%のときには6μm、比屈折率差が1.0%のときには5μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の光導波路の製造方法。
- 前記マスキング層の幅は、前記所望のコアの幅が7〜8μmのときにはこの幅よりも1.2〜1.4μm広くした幅であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光導波路の製造方法。
- 少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、
前記コアはフォトマスクを用いてパターニングされ、
前記フォトマスクの前記コアに対応する部分のパターン幅は前記コアの幅よりも大きいことを特徴とする光導波路。 - 前記パターン幅は前記コア幅よりも0.5μm以上大きいことを特徴とする請求項8記載の光導波路。
- 少なくともコアとクラッドからなる光導波路であって、
前記コアの屈折率をncore、前記クラッドの屈折率をncladとし、導波路のカットオフ波長をλとしたとき、
前記コアの幅dが、
d<1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))
であり、
かつ前記コアをパターニングするマスキング層の対応する部分の幅Mが、
M>1.45λ/(2(√(ncore 2 −nclad 2 )))
であることを特徴とする光導波路。 - 前記カットオフ波長は使用波長の80%〜90%であることを特徴とする請求項10記載の光導波路。
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