JP2007271051A - シリンダ式弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弁ケーシング78と、弁ケーシング78に対して回転可能に内嵌された弁体76とを有し、弁体76の回転に基づいて流路の切替えをなすシリンダ式弁装置(切替弁装置74)において、弁体76には流路切替用の内部通路110と外周面で開口する第1開口106及び第2開口108を設ける。そして第1開口106への流入部を弁体76と弁ケーシング78との間に形成した通水室131にて構成し、周方向の一部分だけにシール部材130を設けておく。
【選択図】 図11
Description
そこで従来、水道水(原水)を内部に導き入れてこれを浄化カートリッジに通し、浄水とした上で浄水吐水口から吐水する機能を有する浄水装置を水栓とは別体の単体のユニットとして構成し、これを水栓の蛇口、即ち吐水管の先端部に後付けで取り付けるといったことが行われている。
しかしながらこの単体且つ後付式の浄水装置の場合、これを水栓の吐水管の先端部に装着すると吐水管の先端部が不自然に大型化してしまって美観が損なわれてしまうといった問題がある。
この種形式の浄水装置202はビルトインタイプと称されているが、この浄水装置202を用いた場合、水栓200特に吐水管204の先端部の形状は通常の水栓と全く変わらず、従って外部に現れる部分について美観を良好に保持することができる。
近年キャビネット内の収納空間をできるだけ広く使おうとする傾向があり、このような中にあってこの種ビルトインタイプの浄水装置202を設置することが困難な場合も生じている。
しかしながらこの場合通常の水栓と浄水専用の水栓との2つの水栓が必要となり、カウンター上のスペースがそれら水栓にて広く占有されてしまうとともにコストも高くなるといった問題がある。
この特許文献1に開示の浄水機能付きの水栓(浄水装置内蔵の水栓)は、図16に示しているように可撓性のホースとともに引出可能な吐水ヘッド205の内部に浄化カートリッジ206を収容するとともに、その下流部において、水道水から成る原水を整流束としてストレート吐水する原水ストレート吐水口212と、原水をシャワー吐水する原水シャワー吐水口214、更に浄水を整流束としてストレート吐水する浄水ストレート吐水口216とを設け、切替弁装置(シリンダ式弁装置)218により原水と浄水との切替え、更には原水ストレート吐水口212からの原水ストレート吐水と、原水シャワー吐水口214からの原水シャワー吐水とに切り替えるようにしている。
尚図16中208は原水通路を、210は浄水通路をそれぞれ表している。
これらの図において220は弁体を、221は弁ケーシングを示している。ここで弁体220は、弁ケーシング221に回転可能に内嵌されている。
弁体220は円筒部222を有しており、その内部には主通路(内部通路)224が形成されている。
また円筒部222の各端には、円形状の大きな開口228と、三日月形状の開口226とが設けられている。
円筒部222にはまた、主通路224から原水を流出させる開口230が周壁部を貫通して設けられている。
この切替弁装置218では、弁体220の開口230が弁ケーシング221の第1原水流出部232に一致した状態では、原水通路208からの原水が、原水流入部244から弁体220の主通路224へと流入し、更に第1原水流出部232へと流出して原水ストレート吐水口212に到り、そこから外部に原水ストレート吐水される(図19(A)参照)。
一方、弁体220の回転によって開口230が弁ケーシング221の第2原水流出部234に位置させられると、原水がその第2原水流出部234へと流出して、原水シャワー吐水口214へと到り、そこから外部に原水シャワー吐水される(図19(B)参照)。
この副通路246は浄水通路としてのもので、弁体220の回転により、開口236が図17(A)の弁ケーシング221の浄水通路210に連通した、開口から成る浄水流入部240に一致し、また同じく弁ケーシング221の開口から成る浄水流出部242に開口238が一致した状態の下で、浄水通路210からの浄水がこの副通路246を通じて弁ケーシング221の浄水流出部242に流出して、図16の浄水ストレート吐水口216へと到り、そこから外部に浄水吐水される(図19(C)参照)。
また本発明の他の目的は、コンパクトに構成することのできるシリンダ式弁装置を提供することを目的とする。
本発明のシリンダ式弁装置では、通水室として構成した流入部に対し、弁体の外周面を直接露出させておくことができ、その通水室を形成した部分において弁体と弁ケーシングとの間にシール部材を設けることを不要化することができる。
これにより、弁体の外周面とシール部材との接触面積を少なくすることができ、弁体を回転操作する際の抵抗を小さくし得て、弁体操作時の操作を軽くすることができる。
この請求項3のシリンダ式弁装置においては、第1流入部からの水と第2流入部からの水とを、弁体の回転により同じ第1流出部に流出させることができる。
このようにすれば、通水室の水を弁体の回転によって第1流出部と第2流出部とに振り分けることができる。即ち弁体の回転によって通水室からの水の出口を異ならせ、流路の切替えをなすことができる。
この場合、第1流出部と第2流出部との周りの部分については、弁体の外周面と弁ケーシングの内面とをシール部材にてシールしておくこととなるが、上記のように通水室に露出する弁体の外周面についてはシール部材によるシールの必要が無いため、全体としてのシール面積は少なく、弁体の回転操作時の軽い操作を確保することができる。
これによりシリンダ式弁装置をコンパクト化することができる。
図1において、1はキッチンに設置されたキャビネットで、2はシンク、3はカウンターで、このカウンター3上にシングルレバー式の混合水栓(以下単に水栓とする)10が起立状態で設置されている。
同図において4は水栓10に対し水,湯を供給するためのサプライ管であって、下端部が止水栓5を介して元配管に接続され、また上端部が水栓10における水栓本体12にそれぞれ接続されている。
この水栓本体12からは下向きに接続管6が延び出しており、その接続管6に対して可撓性のホース22の端部が接続されている。
水栓本体12の内部には、図3に示しているように吐止水と吐水の水量調節及び温度調節を行う主弁7が内蔵されており、その主弁7に対し上記ハンドル14が作動的に連結されている。
この水栓10では、ハンドル14を左右回動操作することで吐水の温度調節が行われ、また上下に回動操作することで吐止水及び吐水の水量調節が行われる。
この吐水ヘッド20の先端部には、後に詳述する原水ストレート吐水,原水シャワー吐水及び浄水ストレート吐水を切替操作するためのレバー式且つ回転式の切替操作部24(図2参照)が外部に突き出す状態で設けられている。
ここで頭部28は吐水ヘッド本体26と別体とされていて、吐水ヘッド本体26に対し脱着可能とされている。
本実施形態では、この頭部28の脱着によって、その内部に収容されている後述の浄化カートリッジ42が交換可能とされている。
吐水ヘッド本体26には、その基端部に上記ホース22がシール部材30によるシールの下に水密に接続固定されている。
このホースガイド31はまた、吐水ヘッド20をここに差し込むことでこれを保持する機能も有している。
浄化カートリッジ42は全体として円筒形状をなす部材であって、中心部の円筒形状の多孔質のセラミックフィルタ44を有しており、これを支持体としてその外面に珪藻土46の層が、更にその外面に活性炭48の層が積層形成され、その外周面に不織布50が巻き付けられている。
詳しくは、緊急遮断弁51の弁ケーシングの軸方向の一端部(図中左端部)がホース22に固定され、また他方の端部が固定リング57により吐水ヘッド本体26の内筒40に固定されている。
ここで固定リング57は、吐水ヘッド20の内筒40にねじ結合されている。即ち固定リング57を内筒40にねじ込んで行くことで、緊急遮断弁51の弁ケーシングが吐水ヘッド20の内筒40に接続固定される。
そしてこれらストレート吐水口62,原水シャワー吐水口64に連通して、頭部28の内部にストレート通路68,原水シャワー通路70がそれぞれ形成されている。
この切替弁装置74の具体的構成が図5及び図6〜図10に詳しく示してある。
図6に示しているように、弁ケーシング78には外筒接続部80と内筒接続部82とが一体に形成されていて、その外筒接続部80が、吐水ヘッド本体26の端部内側にOリングを介して水密に嵌合接続されている。
また一方、内筒接続部82が浄化カートリッジ42の軸方向端部に形成された筒状の嵌合突部122の外側に、Oリングを介して水密に嵌合接続されている。
尚原水通路58Bの端部には、原水通路58Bにごみ等の異物が侵入するのを防止するためのリング状のストレーナ100が装着されている。
軸部86は、更に基端側の円形部88と角形部90とを有しており、図6,図7に示すようにその角形部90に対してスペーサリング94と、切替操作部24の基部92とが一体回転状態に外嵌された上、それらが締結ねじ96にて軸方向に抜止状態に固定されている。
尚、98は締結ねじ96を隠蔽するためのキャップである。
また102は、弁ケーシング78の図中下端の円形状の開放部を閉鎖する、対応した円形状の閉鎖部材であって、Oリング104を介して水密に嵌合固定されている。
ここで開口106と108とは、周方向に90°隔たった位置に設けられている。
この切欠部112の周方向の両端は、後述するストッパ突起132(図11参照)に当接する当接面112A,112Bとされている。
またこの本体部84には、軸方向に貫通する窓116が設けられている。
本体部84にはまた、これを径方向に貫通する窓118が設けられており、これら窓116,118を通じて、本体部84におけるフランジ123側の内側空間が本体部84の外側空間と連通させられている。
尚、図9(B)に示しているように本体部84には補強用のリブ120が放射状に設けられている。
更にこのシャワー流出部126に並んで、図8(C)中上側位置には、浄水通路60Bからの浄水を弁ケーシング78内部に流入させる、開口から成る浄水流入部(第2流入部)128が、浄水通路60Bに連通して設けられている。
このシール部材130には、上記ストレート流出部124,シャワー流出部126及び浄水流入部128の各開口に対応する位置に円形の貫通孔を備えている。
ここで通水室131は、図11にも示しているように略180°強の角度範囲に亘って形成されている。
この通水室131においては、弁体76(詳しくは本体部84)の外周面がシール部材を介することなく直接通水室131に露出させられており、弁ケーシング78と弁体76との間はシール部材によるシールが行われていない。
ここで通水室131は、弁体76の円形部88に取り付けられたOリング114と、閉鎖部材102に取り付けられたOリング104とによって外部に対し水密にシールされている。
同図中(A)は、弁体76における開口106が通水室131に位置し、また開口108がストレート流出部124に位置した状態を表している。
この状態では、通水室131とストレート流出部124とが弁体76の内部通路110を介して連通した状態となり、通水室131からの原水が内部通路110を通じてストレート流出部124に流出する。
このとき、開口106は通水室131に依然として位置しており、また開口108がシャワー流出部126に位置した状態となって通水室131が、内部通路110を介してシャワー流出部126に連通した状態となる。
この状態では、通水室131からの原水が内部通路110を通じてシャワー流出部126に流出する。
従ってこの状態では、浄水流入部128とストレート流出部124とが内部通路110を介して連通した状態となって、浄水流入部128からの浄水が、内部通路110を通じてストレート流出部124に流出する。
一方図11(C)に示す状態では、開口108が浄水流入部128からの浄水の入側となり、開口106が浄水の出側となる。
即ち図11(A)に示す状態と(C)に示す状態とで、弁体76の内部通路110の流路の向きが逆転する。
弁体76は、このストッパ突起132への上記当接面112A,112Bの当接によって回転角度が規制される。
具体的には、これらストッパ突起132と当接面112A,112Bとの当接によって、弁体76の回転角度位置が位置決めされる。
図12(A)及び図13(A)は、切替弁装置74が原水ストレート吐水に切り替わった状態を表しており、このとき弁体76は原水の通水室131とストレート流出部124とを内部通路110にて連通させた状態にあり、従って通水室131に流れ込んで来た原水は、弁体76の内部通路110を通じてストレート流出部124に流出し、そして更にストレート吐水口62に到って、そこから外部に原水ストレート吐水される。
尚このとき、浄水流入部128は弁体76により遮断された状態にあり、当然ながら浄水の吐水は行われない。
尚この図12(B)に示す状態の下でも浄水流入部128は遮断された状態にあり、当然に浄水の吐水は行われない。
この図12(C)に示す状態では、原水の通水室131が弁体76にて遮断された状態にあり、従って当然に原水の吐水は行われず、浄水の吐水のみが行われる。
これにより弁体76の外周面とシール部材との接触面積を少なくすることができ、弁体76を回転操作する際の抵抗を小さくし得て弁体76の操作を軽くすることができる。
この例は、弁ケーシング78の内面に嵌合突起134を設け、この嵌合突起134の先端部を弁体76の外周面に摺接させるようになしたものである。
この嵌合突起134により弁体76の径方向の位置を拘束し、通水室131においてシール部材を不要となした場合においても弁体76を安定してシール部材130に接触させることができ、弁体76に対する軽い操作を維持しつつ、安定したシール機能を確保することができ、また弁体76の回転動作を安定して円滑に行わせることができる。
76 弁体
78 弁ケーシング
106 開口(第1開口)
108 開口(第2開口)
110 内部通路
124 ストレート流出部(第1流出部)
126 シャワー流出部(第2流出部)
128 浄水流入部(第2流入部)
130 シール部材
131 通水室(第1流入部)
132 ストッパ突起
134 嵌合突起
Claims (5)
- 弁ケーシングと、該弁ケーシングに対して回転可能に内嵌された弁体とを有し、該弁体の回転に基づいて流路の切替えをなすシリンダ式弁装置において、
前記弁体には、その内部に流路切替用の内部通路を設けるとともに、外周面に流入部からの水を該内部通路に流入させる開口を設け、且つ該流入部は前記弁体と前記弁ケーシングとの間に形成した通水室にて構成してあることを特徴とするシリンダ式弁装置。 - 請求項1において、前記通水室にて構成した前記流入部を第1流入部とし、また前記開口を第1開口として、該第1流入部とは別の第2流入部からの水を前記内部通路に流入させる第2開口を前記弁体の外周面に設け、且つ該第2流入部は前記弁ケーシングに設けた貫通の開口にて構成してあることを特徴とするシリンダ式弁装置。
- 請求項2において、前記弁体の内部通路を前記第1開口と第2開口とを連絡する屈曲した通路となし、該弁体の所定回転角度位置で、前記第1開口を前記第1流入部に、前記第2開口を第1流出部に位置させて、該第1流入部からの水を前記内部通路を通じて該第1流出部に流出させるとともに、
別の回転角度位置で、前記第1開口を前記第1流入部に位置させつつ、前記第2開口を第2流出部に位置させて、該第1流入部からの水を前記内部通路を通じて該第2流出部に流出させ、
更に別の回転角度位置で、前記第2開口を前記第2流入部に、前記第1開口を前記第1流出部に位置させて、該第2流入部からの水を該内部通路を通じて該第1流出部に流出させるようになしてあり、
且つ前記第1流出部,第2流出部の何れもが前記弁ケーシングに形成した貫通の開口にて構成してあるとともに、前記第1流入部を構成する前記通水室が前記第1開口に対して周方向に大きな角度範囲に亘って設けてあることを特徴とするシリンダ式弁装置。 - 請求項1〜3の何れかにおいて、前記弁ケーシングの内面には前記弁体の回転規制用のストッパ突起が前記通水室にて構成した前記流入部に突出する状態で設けてあることを特徴とするシリンダ式弁装置。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記弁ケーシングの内面には前記弁体の外周面に相対回転可能に摺接する嵌合突起が、前記通水室にて構成した前記流入部に突出する状態で設けてあることを特徴とするシリンダ式弁装置。
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