JP2007270221A - 堆積膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒状基体に対して膜厚や膜質のムラの少ない膜を形成できるようにするとともに膜剥がれが生じることを抑制し、画像ムラや微小な画像欠陥の少ない電子写真感光体を低コストで提供できるようにする。
【解決手段】複数の基体10を基体支持体24に支持させた状態で互いに隣接させ、基体10の表面に堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、連結部材7を介して基体10どうしを連結した状態で堆積膜を形成する。基体10は、たとえば電子写真感光体を構成する円筒状基体である。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真感光体の円筒状基体などの基体に対して、アモルファスシリコン系(a−Si系)などの堆積膜を形成する方法に関するものである。
電子写真感光体としては、種々の形態が知られているが、ドラム状の形態が一般的である。ドラム状の電子写真感光体は、円筒状基体の表面に、a−Si系光導電層などの所望とする層を形成したものである。円筒状基体上にa−Si系光導電層を形成する方法としては、種々のものが知られている。なかでも、プラズマCVD法は、現在実用化が非常に進んでいる。このプラズマCVD法は、原料ガスを直流または高周波、マイクロ波グロー放電等によって分解し、円筒状基体上に堆積膜を形成する方法である。
このプラズマCVD法において電子写真感光体を作製する場合には、図10に示すようなグロー放電プラズマCVD装置9が用いられている(たとえば特許文献1参照)。
同図に示したグロー放電プラズマCVD装置9は、円筒状の真空容器90のほぼ中央に配置した円筒状の導電性基体91上に、グロー放電プラズマによりa−Si系膜を成膜するものである。このグロー放電プラズマCVD装置9は、基体支持体92に対してリング部材93を介して支持された導電性基体91を接地電極とするとともに、これを等距離で囲んだ中空の円筒状の金属電極94を、高周波電力印加用の電極とするものである。金属電極94には、成膜用の原料ガスを導入するガス導入口95が設けられており、このガス導入口95を介して導入された原料ガスが、金属電極94の内周面に設けられたガス吹き出し孔94aから導電性基体91に向けて吹き出すように構成されている。金属電極94と導電性基体91との間には、高周波電源96により高周波電力を印加してグロー放電が起こるようになされている。基体支持体92の内部には、ニクロム線やカートリッジヒーターなどからなる基体加熱手段97が設けられており、導電性基体91を所望の温度に昇温することができる。基体支持体92および導電性基体91は、回転用のモーター98aを含めた回転駆動手段98により、一体で回転させることができる。
このプラズマCVD装置9を用いて導電性基体91にa−Si系膜の成膜を行なうに当たっては、所定の流量やガス比に設定された原料ガスが、ガス導入管95からガス吹き出し孔94aを介して金属電極94と導電性基体91との間に導入される。その一方で、真空容器90でのガス圧は、真空ポンプ(図示せず)により排気口99からの排気量を調整することにより所定値に設定される。そして、高周波電源96により金属電極94と導電性基体91との間に高周波電力を印加し、金属電極94と導電性基体91との間にグロー放電プラズマを発生させて原料ガスを分解することにより、所望の温度に設定した導電性基体91上にa−Si系膜が成膜される。成膜時においては、導電性基体91は、基体支持体92とともに回転駆動手段98により回転させられるため、導電性基体91に対する周方向における膜厚や膜質の均一化が図られている。
特開2002−004050号公報
プラズマCVD装置9を用いて導電性基体91に所望の膜を形成する場合、たとえば生産性を向上させるために、図11に示したように、複数の導電性基体91を基体支持体92に支持させ、たとえば状態で、プラズマCVD装置9にセットし、それらの導電性基体91に対して同時に成膜を行なうことも行われている。
しかしながら、基体支持体92の外径は、基体支持体92に対する着脱を容易とするために、導電性基体91の内径よりも若干小さく設定されている。そのため、図12に示したように、基体支持体92に対しては、隣接する導電性基体91の相互において、それらの導電性基体91の軸心が位置ずれした状態で支持され、そのままの状態で成膜が行なわれてしまうことがある。このような事態が生じた場合には、以下に説明するような不具合が生じる。
第1に、基体支持体92を回転させたときの金属電極94(ガス吹き出し口94a)と導電性基体91の表面との間の距離が一定化しないために、導電性基体91の表面に形成される膜の厚みや質にムラが生じる。また、金属電極94(ガス吹き出し口94a)と導電性基体91の表面との間の距離の不均一さに起因して、それらの間に異常放電が生じることがある。このような異常放電が生じた場合には、膜の異常成長が生じ、導電性基体91の表面に形成される膜の厚みや質にムラが生じる。とくに、隣接する導電性基体91の端部においては、位置ずれにより段差が生じるため、段差の部分(端部)の近傍において異常放電が生じやすい。このような膜厚や膜質のムラは、画像ムラや微小な画像欠陥の原因となるため、電子写真装置のカラー化が急速に進むにつれて大きな問題となる。
第2に、隣接する導電性基体91の端部においては、上述のように位置ずれにより段差が生じるため、段差(端部)の近傍においては、膜の密着性が低くなる。そのため、成膜終了後において基体支持体92から導電性基体91を取り外すときに、導電性基体91の端部において膜剥がれが生じることがある。このような端部での膜剥がれは、歩留りを低下させる原因となるためにコスト低減が図れず、低価格化の要求に対応することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、円筒状基体に対して膜厚や膜質のムラの少ない膜を形成できるようにするとともに膜剥がれが生じることを抑制し、画像ムラや微小な画像欠陥の少ない電子写真感光体を低コストで提供できるようにすることを課題としている。
本発明では、複数の基体を基体支持体に支持させた状態で互いに隣接させ、前記基体の表面に堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、互いに隣接する基体どうしを、連結部材を介して連結した状態で前記堆積膜を形成することを特徴とする、堆積膜形成方法が提供される。
本発明において堆積膜の形成対象となる基体は、たとえば電子写真感光体を構成する円筒状基体である。
円筒状基体は、たとえば端部にフランジを嵌め込むためのインロー部が形成されたものである。この場合、連結部材は、インロー部にはめ込まれることにより、隣接する円筒状基体の軸心を一致または略一致させるもの、たとえば円筒状部材として構成される。
連結部材は、円筒状基体の端面に設けられた凹部にはめ込まれるピン状部材として構成することもできる。
好ましくは、連結部材としては、ステンレス製のものが使用される。
本発明によれば、連結部材を介して複数の基体を連結した状態で堆積膜が形成されるため、堆積膜の膜厚や膜質にムラが生じることを抑制できる。たとえば、基体としての円筒状基体を用いる場合には、連結部材によって隣接する円筒状基体相互の軸心が一致または略一致させられるため、隣接する円筒状基体相互においては、それらの連結部分に段差が生じることが抑制される。そのため、原料ガスの吹き出し孔と円筒状基体との距離を均一化することができ、ガス吹き出し孔と円筒状基体の表面との間の距離の不均一さに起因する膜厚や膜質にムラを抑制できる。また、プラズマCVD法などの堆積膜形成方法では、連結部分における段差をなくすことにより、異常放電に起因する異状膜成長を抑制し、均質な堆積膜を形成することができる。したがって、本発明の堆積膜形成方法を電子写真感光体の製造に適用した場合には、膜厚や膜質のムラに起因する画像ムラや微小な画像欠陥の発生を抑制でき、電子写真装置のカラー化に適切に対応することができる。
また、円筒状基体の連結部分における段差がなくなれば、円筒状基体の端部における膜の密着性が低下することも抑制できる。そのため、成膜終了後において隣接する基体を分離するときに、基体の端部において膜剥がれが生じることを抑制できる。その結果、本発明の堆積膜形成方法では、円筒状基体の端部での膜剥がれに起因する歩留りの低下が抑制できるため、コストを低減させることができ、低価格化の要求に対応することが可能となる。
本発明において、円筒状基体のインロー部を利用して円筒状基体の相互を連結するようにすれば、連結部材を用いて円筒状基体を連結するために円筒状部材に対して特別な加工を施す必要がなく、生産性の低下やコスト上昇を抑制することができる。
本発明において、連結部材として円筒状基体の端面に設けられた凹部にはめ込まれるピン状部材を用いれば、インロー部のない円筒状基体に堆積膜を形成する場合においても、膜厚や膜質にムラが生じることを抑制することができる。
本発明において、連結部材としてステンレス製のものを用いれば、連結部材の強度を適切に確保できるため、連結部材の繰り返しの使用が可能となり、製造コスト的に有利なものとなる。
以下においては、本発明に係る堆積膜形成方法について、電子写真感光体を形成する場合を例にとって、第1ないし第3の実施の形態として、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1ないし図5を参照して説明する。
図1に示したように、本発明により堆積膜が形成される円筒状基体10は、その外周面に、例えば電荷注入阻止層11、光導電層12および表面保護層13が順次積層形成されることにより電子写真感光体1を構成するものである。円筒状基体10には、端部にフランジ14を嵌め込むためのインロー部10aが設けられている。
このような円筒状基体10に対しては、たとえば図2に示したプラズマCVD装置2を用いることにより、その外周面にアモルファスシリコン膜(a−Si膜)を形成することができる。
プラズマCVD装置2は、円筒状電極20および一対のプレート21,22により真空室23を規定したものであり、基体支持体24および加熱体25をさらに備えている。
円筒状電極20は、全体が金属などの導体により中空に形成されたものであり、絶縁シール26を介して一対のプレート21,22に接合されている。この円筒状電極20には、ガス導入口27および複数のガス吹き出し孔28が設けられているとともに、インピーダンス整合回路30を介して高周波電源31が接続されている。
ガス導入口27は、真空室23に供給すべき原料ガスを導入するためのものであり、原料ガスタンク40,41,42,43に配管40A,41A,42A,43A,44を介して接続されている。原料ガスタンク40,41,42,43は、それぞれがB2H6、H2(またはHe)、CH4あるいはSiH4が充填されたものである。配管40A,41A,42A,43Aの途中には、バルブ40B,41B,42B,43B,40C,41C,42C,43Cおよび流量調整器40D,41D,42D,43Dが設けられており、真空室23に導入する各原料ガス成分の流量、ガス圧および組成を調整することが可能とされている。
複数のガス吹き出し孔28は、円筒状電極20の内部に導入された原料ガスを円筒状基体10に向けて吹き出すためのものであり、図の上下方向等間隔で配置されているとともに、周方向にも等間隔で配置されている。複数の複数のガス吹き出し孔28は、同一形状の円形に形成されており、その孔径Dは、たとえば0.5〜2.0mm程度とされている。
一対のプレート21,22は、円筒状電極20の開口20A,20Bを閉鎖するためのものであり、たとえば金属などの導体により、円筒状電極20の外径に対応した径を有する円形に形成されている。
プレート21には、その中心に回転手段5が設けられている。この回転手段5は、基体支持体24を回転させるためのものである。回転手段5とプレート21との接点には、真空室23の真空を維持できるように回転機構(図示略)が設けられている。このような回転機構としては、回転軸を二重もしくは三重構造としてオイルシールやメカニカルシール等の真空シール手段を用いることができる。また、円筒状基体10の温度制御のために円筒状基体10の温度を検出するように構成する場合には、回転軸を中空に形成するとともに、回転軸の内部に温度検出手段やその配線などを設けることもできる。
このような回転手段5により基体支持体24を回転させて成膜を行なった場合には、基体支持体24とともに円筒状基体10が回転させられるために、円筒状基体10の外周に対して均等に原料ガスの分解成分を堆積させることが可能となる。
一方、プレート22には、ガス排出口22Aおよび圧力計60が設けられている。
ガス排出口22Aは、真空室23のガスを外部に排出するためのものであり、メカニカルブースタポンプ61およびロータリーポンプ62に接続されている。これらのポンプ61,62によりガス排気口22Aを介して真空室23からガスを排出させることにより、真空室23は真空に維持される。真空室23の圧力は、たとえば1.0〜100Pa程度とされる。
圧力計60は、真空室23の圧力をモニタリングするためのものである。圧力計60でのモニタリング結果は、メカニカルブースタポンプ61およびロータリーポンプ62にフィードバックされ、真空室23の圧力が所望値に維持される。圧力計60としては、公知の種々のものを使用することができる。
基体支持体24は、円筒状基体10を支持するためのものであり(図3参照)、中空に形成されている。この基体支持体24は、電極としても機能するものであり、全体が金属などの導体により形成されている。
加熱体25は、円筒状基体10を加熱するためのものであり、基体支持体24の内部に収容されている。加熱体25としては、たとえばニクロム線やカートリッジヒーターを使用することができる。
このようなプラズマCVD装置2を用いて円筒状基体10にa−Si膜を形成する場合には、まず図3に示したように基体支持体24に複数の円筒状基体10(図面上は2つ)をセットする。図3および図4に示したように、基体支持体24に円筒状基体10をセットするに当たっては、まず、円筒状基体10のインロー部10aを利用して、連結部材7を介して2つの円筒状基体10を相互に連結する。
連結部材7としては、図5によく表れているように、円筒状のものが使用される。この連結部材7は、その内径が円筒状基体10の内径と一致または略一致し、その外径が円筒状基体10におけるインロー部10aの内径と一致または略一致している。そのため、図3および図4に示したように連結部材7を介して2つの円筒状基体10を連結した場合には、円筒状基体10の表面に段差を生じることなくそれらの軸心を一致または略一致させた状態で円筒状基体10を一体化させつつも、円筒状基体10を基体支持体24に支持させるときに連結部材7が邪魔になることもない。このような連結部材7は、たとえばステンレス、アルミニウムあるいは銅などの金属により形成することができるが、とくにステンレスより形成したものを使用するのが好ましい。ステンレス製の連結部材7は、後述の実施例からも明らかになるように、十分な強度を有しているために繰り返しの使用が可能であるため、製造コスト的に有利なものとなる。
ここで、円筒状基体10としては、導電性または絶縁性のもの、あるいは絶縁性基体の表面に導電層を形成したものが採用される。
導電性基体としては、たとえばアルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、およびチタン(Ti)などの金属またはこれらの合金により形成されたものを挙げることができる。
絶縁性基体としては、たとえばガラス(ホウ珪酸ガラスやソーダガラスなど)、セラミックス、石英、およびサファイヤなどの無機絶縁物、あるいはフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、およびマイラーなどの合成樹脂絶縁物を挙げることができる。
絶縁性基体に形成される導電層としては、たとえば絶縁性基体の表面にITO(インジウム・スズ・酸化物)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、およびヨウ化銅などの導電層の他、Al、Ni、および金(Au)などの金属層を採用することができる。また、導電層は、たとえば真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、あるいは浸漬法などにより形成することができる。
連結部材7を介して一体化させた円筒状基体10を基体支持体24に支持させた後は、加熱体25により円筒状基体10を加熱するとともに、真空室23を減圧する。
加熱体25による円筒状基体10の加熱は、たとえば加熱体25に対して外部から電力を供給して加熱体25を発熱させることにより行なわれる。このような加熱体52の発熱により、円筒状基体3が目的とする温度に昇温される。円筒状基体10の温度は、その表面に形成すべき膜の種類によって選択されるが、たとえばa−Si膜を形成する場合には250〜300℃の範囲に設定される。
一方、真空室23の減圧は、メカニカルブースタポンプ61およびロータリーポンプ62によってガス排出口22Aを介して真空室23からガスを排出させることにより行なわれる。真空室23の減圧の程度は、たとえば1.0〜100Pa程度とされる。
次いで、円筒状基体10の温度が所望温度となり、真空室23の圧力が所望圧力となった場合には、配管40A,41A,42A,43A,44を介して原料ガスタンク40,41,42,43の原料ガスを、所望の組成、流量およびガス圧で、ガス導入口27を介して円筒状電極20の内部に導入する。円筒状電極20の内部に導入された原料ガスは、複数のガス吹き出し孔28を介して円筒状基体10に向けて吹き出される。
一方、円筒状電極20と基体支持体24との間には、インピーダンス整合回路30を介して高周波電源31により高周波を印加する。これにより、円筒状電極20と基体支持体24との間にグロー放電が起こり、原料ガス成分が分解されてプラズマ化される。原料ガスの分解成分は、円筒状基体10の表面に堆積される。そして、バルブ40B,41B,42B,43B,40C,41C,42C,43Cおよび流量調整器40D,41D,42D,43Dによって原料ガスの組成を適宜切り替えることにより、円筒状基体10の表面には、電荷注入阻止層11、光導電層12および表面保護層13が順次積層形成される。
円筒状基体10に対する膜形成が終了した場合には、基体支持体24から円筒状基体10を抜き取ることにより、図1に示した電子写真感光体1を得ることができる。
このような堆積膜形成方法では、2つの円筒状基体10の軸心を一致または略一致させ、それらの連結部分における段差がほとんどないものとされている。そのため、基体支持体24を回転させたときの円筒状電極20(複数のガス吹き出し孔28)と円筒状基体10の表面との間の距離が一定化することができる。その結果、円筒状電極20(複数のガス吹き出し孔28)と円筒状基体10の表面との間の距離の不均一さに起因する膜厚や膜質にムラ、あるいは異常放電に起因する異状膜成長を抑制して均質な体積膜を形成することができる。したがって、本発明の堆積膜形成方法により得られる電子写真感光体1では、膜厚や膜質のムラに起因する画像ムラや微小な画像欠陥の発生を抑制でき、電子写真装置のカラー化に適切に対応することができる。
また、円筒状基体10の連結部分における段差がなくなれば、円筒状基体10の端部における膜の密着性が低下することも抑制できる。そのため、成膜終了後において基体支持体24から円筒状基体10を取り外すときに、円筒状基体10の端部において膜剥がれが生じることを抑制できる。その結果、本発明の堆積膜形成方法では、歩留りの低下を抑制して製造コストを低減させることができるため、低価格化の要求に対応することが可能となる。
さらに、円筒状基体10のインロー部10aを利用して円筒状基体10の相互を連結するようにすれば、円筒状基体10を連結するために円筒状基体10に対して特別な加工を施す必要がないために、生産性の低下やコスト上昇を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6および図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る堆積膜形成方法は、円筒状基体10′の端部10B′および連結部材7′の構成が先に説明した堆積膜形成方法とは異なっている。
本実施の形態において用いられる円筒状基体10′は、インロー部10a(図1参照)が設けられていないものであり、端面10b′において複数の凹部10c′が設けられたものである。一方、連結部材7′は、凹部10c′に嵌合するためのピン状部材として構成されている。
本実施の形態では、凹部10c′に連結部材7′を嵌め込むことにより2つの円筒状基体10′が相互に連結される。このような連結部材7′を用いる方法は、インロー部10a(図1参照)が設けられていない円筒状基体10′に堆積膜を形成する場合に有用である。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図8および図9を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る堆積膜形成方法は、連結部材7″の構成が先に説明した第2の実施の形態の堆積膜形成方法とは異なっている。
連結部材7″は、円筒状部材70″の端面71″から複数のピン状部72″が突出して形成されたものである。この連結部材7″では、各ピン状部72″を円筒状基体10″の凹部10c″に嵌め込むことにより、2つの円筒状基体10″を連結することができる。このような連結部材7″では、図6および図7に示したような、複数のピン状部材7′により円筒状基体10′を連結する場合のように、凹部10c′に対して個別にピン状部材を嵌め込む必要がないために作業性が向上する。
本発明は、上述した実施の形態には限定されず、種々に変更可能である。たとえば、上述の実施の形態では、プラズマCVD法によりa−Si膜を形成する場合を例にとって説明したが、本発明は、その他のCVD法(たとえば熱CVD法や発熱体CVD法)、あるいはCVD法以外の堆積膜形成方法に対しても適用することができ、またa−Si膜以外の膜を形成する場合にも適用することができる。
また、連結部材としては、円筒状やピン状、あるいはそれらを組み合わせたもの以外に、たとえばプレート状のもの、あるいは円筒状部材の端面からピン状以外のフィンが突出したものなどを使用することもできる。
先の実施の形態では、2つの円筒状基体を連結して堆積膜を形成する場合を例にとって説明したが、本発明は3つ以上の円筒状基体を連結して堆積膜を形成する場合にも適用することができる。
本実施例では、図2に示した構成のプラズマCVD装置2を用いて図1に示した構成の電子写真感光体1を形成したときの電位特性、画像特性および外観特性について評価した。
円筒状基体としては、図1などに示したようにインロー部10aが設けられたものであり、アルミニウムよりなる直径84mm、長さ340mmのものを用いた。基体支持体24に対しては、図3に示したように、2つの円筒状基体10を円筒状の連結部材7を介して連結した状態で支持させた。連結部材7としては、ステンレス製のものを用いた。堆積膜は、下記表1に示す条件で形成した。各特性の評価結果については、下記表2に示した。表2においては、連結部材を用いずに基体支持体に2つの円筒状基体を支持させて堆積膜を形成した場合の結果を同時に示した。
なお、電位特性は京セラ株式会社製の電位測定器を用いて評価し、画像特性は京セラミタ社製 KM7530を用いて評価した。
また、表2において、○は「良好」、△は「不良率が高くなるが実使用上問題ない」、×は「実使用上問題あり」で評価した。
Figure 2007270221
Figure 2007270221
表2の結果から分かるように、連結部材7を用いて2つの円筒状基体10を連結した状態で堆積膜を形成した場合には、連結部材7を用いずに堆積膜を形成する場合に比べて、画像および外観品質が大きく向上している。とくに、円筒状基体10の端部50mmまでの領域での画像および外観品質が大きく向上していた。その一方で、連結部材7を用いて堆積膜を形成した場合において、電位特性についての劣化も見受けられなかった。そのため、本発明の堆積膜形成方法によれば、実用上問題のない特性を有する電子写真感光体を提供できるため、歩留りが向上させることが可能となる。
本実施例においては、材質の異なる連結部材7を用いて、実施例1と同様にして円筒状基体10に堆積膜を形成するとともに、各種特性を評価した。各種特性の評価結果については、下記表3に示した。なお、下記表3において、○は「良好」、×は「実使用上問題あり」である。
Figure 2007270221
表3の結果から分かるように、連結部材7の材質に関わらず品質が向上した。AlやCu製の連結部材7は、材質が軟らかいため、堆積後の円筒状基体10と連結部材7との切り離しは容易ではなかった。その一方で、SUS製の連結部材7は強度が十分に保たれているために、円筒状基体7からの切り離しが容易に行え、また繰り返し使用してもその効果が得られた。
本発明に係る堆積膜形成方法により得られる電子写真感光体の一例を示す断面図およびその要部拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係る堆積膜形成方法を説明するためのCVD装置の断面図である。 図2に示したCVD装置における基体支持体に2つの円筒状基体を支持させた状態を示す断面図である。 図3に示した2つの円筒状基体の連結部分を拡大して示した断面図である。 図4に示した連結部分を分解して示した斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための図4に相当する断面図である。 図6に示した連結部分の図5に相当する分解斜視図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するための図4に相当する断面図である。 図8に示した連結部分の図5に相当する分解斜視図である。 従来の堆積膜形成方法の一例を、プラズマCVD法を例にとって説明するための断面図である。 図10に示したCVD装置における基体支持体に2つの円筒状基体を支持させた状態を示す断面図である。 図11に示した2つの円筒状基体の連結部分を拡大して示した断面図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
10,10′,10″ 円筒状基体
10a (円筒状基体の)インロー部
14 (電子写真感光体の)フランジ
24 基体支持体
7,7′,7″ 連結部材

Claims (6)

  1. 複数の基体を基体支持体に支持させた状態で互いに隣接させ、前記基体の表面に堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、
    互いに隣接する基体どうしを、連結部材を介して連結した状態で前記堆積膜を形成することを特徴とする、堆積膜形成方法。
  2. 前記基体は、電子写真感光体を構成する円筒状基体である、請求項1に記載の堆積膜形成方法。
  3. 前記円筒状基体は、端部にフランジを嵌め込むためのインロー部が形成されたものであり、
    前記連結部材は、前記インロー部にはめ込まれることにより、隣接する円筒状基体の軸心を一致または略一致させるものである、請求項2に記載の堆積膜形成方法。
  4. 前記連結部材は、円筒状部材である、請求項3に記載の堆積膜形成方法。
  5. 前記連結部材は、前記円筒状基体の端面に設けられた凹部にはめ込まれるピン状部材である、請求項2に記載の堆積膜形成方法。
  6. 前記連結部材は、ステンレス製である、請求項1ないし5のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
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