JP2007270110A - 軽油組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】FT合成基材を軽油組成物全量に対し60容量%以上含有し、加速酸化試験後の全不溶解分0.5mg/100mL以下、HFRR摩耗痕径(WS1.4)400μm以下、炭素数20〜30のノルマルパラフィン含有量の総和が2質量%以上4質量%未満、炭素数20〜30のノルマルパラフィン含有量の総和を炭素数20〜30のノルマルパラフィン以外の炭化水素の含有量の総和で除した値が0.2以上0.6以下、炭素数20〜25の各炭素数におけるノルマルパラフィン含有量(CnP)にC20P>C21P>C22P>C23P>C24P>C25Pの関係が成立し、所定の方法にて潤滑性向上剤および低温流動性向上剤を添加することを特徴とする軽油組成物。
【選択図】なし
Description
すなわち、環境負荷低減性能と優れた冬季環境下での実用性能、燃費悪化抑制を同時に有する軽油組成物に求められる要件を高水準で同時に達成できる高品質の燃料を設計することは非常に困難であり、これ以外の燃料油として求められている諸性能を十分満たし、また現実的な製造方法の検討を踏まえた例、知見は存在していない。
(工程1)脂肪酸および/または脂肪酸エステルからなる潤滑性向上剤を活性分として20mg/L以上300mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて軽油組成物に添加する。
(工程2)エチレン酢酸ビニル共重合体および/または界面活性効果を有する低温流動性向上剤を活性分として20mg/L以上1000mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて軽油組成物に添加混合する。
本発明の軽油組成物にはFT合成基材を配合する必要がある。FT合成基材は飽和炭化水素化合物から構成されており、これらの配合を制御することで本発明の軽油組成物を容易に製造することができる。FT合成基材の性状は本発明の軽油組成物の性状を満足する限りにおいては特に制約はない。FT合成基材以外の基材については本発明の軽油組成物の性状を満足する限りにおいては特に制約はないが、環境対応性能を十分に発揮させるためには、以下に示す高度に水素化処理を行った石油系基材、動植物由来の処理油等を配合することが好ましい。
炭素を含有する物質としては、天然ガス、石油液化ガス、メタンガス等の常温で気体となっている炭化水素からなるガス成分や、石油アスファルト、バイオマス、石炭、建材やゴミ等の廃棄物、汚泥、及び通常の方法では処理しがたい重質な原油、非在来型石油資源等を高温に晒すことで得られる混合ガスが一般的であるが、水素及び一酸化炭素を主成分とする混合ガスが得られる限りにおいては、本発明はその原料を限定するものではない。
多孔質担体としては無機酸化物が好ましく用いられる。具体的には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ボリア、シリカ、ゼオライトなどが挙げられる。
ゼオライトは結晶性アルミノシリケートであり、フォージャサイト、ペンタシル、モルデナイトなどが挙げられ、好ましくはフォージャサイト、ベータ、モルデナイト、特に好ましくはY型、ベータ型が用いられる。なかでも、Y型は超安定化したものが好ましい。
活性金属Aタイプは周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種類の金属である。好ましくはRu、Rh、Ir、PdおよびPtから選ばれる少なくとも1種類であり、さらに好ましくはPdまたは/およびPtである。活性金属としてはこれらの金属を組み合わせたものでよく、例えば、Pt−Pd、Pt−Rh、Pt−Ru、Ir−Pd、Ir−Rh、Ir−Ru、Pt−Pd−Rh、Pt−Rh−Ru、Ir−Pd−Rh、Ir−Rh−Ruなどがある。これらの金属からなる貴金属系触媒を使う際には、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いることができる。一般的には水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が還元され、水素化活性を発現することになる。
また活性金属Bタイプとして、周期律表第6A族および第8族金属から選ばれる少なくとも一種類の金属を含有し、望ましくは第6A族および第8族から選択される二種類以上の金属を含有しているものも使用することができる。例えばCo−Mo、Ni−Mo、Ni−Co−Mo、Ni−Wが挙げられ、これらの金属からなる金属硫化物触媒を使う際には予備硫化工程を含む必要がある。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の反応温度は、170℃以上320℃以下であることが好ましく、175℃以上300℃以下であることがより好ましく、180℃以上280℃以下であることが更に好ましい。水素化精製における反応温度が320℃を超えると、ナフサ留分へ分解する副反応が増えて中間留分の収率が極度に減少するため好ましくない。また、反応温度が170℃を下回ると、アルコール分が除去しきれずに残存するため好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の水素圧力は、2MPa以上10MPa以下であることが好ましく、2.5MPa以上8MPa以下であることがより好ましく、3MPa以上7MPa以下であることが更に好ましい。水素圧力は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の液空間速度(LHSV)は、0.1h−1以上2h−1以下であることが好ましく、0.2h−1以上1.5h−1以下であることがより好ましく、0.3h−1以上1.2h−1以下であることが更に好ましい。LHSVは低いほど反応に有利であるが、低すぎる場合には極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となるので経済的に好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の水素/油比は、100NL/L以上800NL/L以下であることが好ましく、120NL/L以上600NL/L以下であることがより好ましく、150NL/L以上500NL/L以下であることが更に好ましい。水素/油比は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
固体酸性質を有する担体にはアモルファス系と結晶系のゼオライトがある。具体的にはアモルファス系のシリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニアとゼオライトのフォージャサイト型、ベータ型、MFI型、モルデナイト型などがある。好ましくはフォージャサイト型、ベータ型、MFI型、モルデナイト型のゼオライト、より好ましくはY型、ベータ型である。Y型は超安定化したものが好ましい。
活性金属Aタイプとしては主に周期律表第6A族および第8族金属から選ばれる少なくとも1種類の金属である。好ましくはNi、Co、Mo、Pt、PdおよびWから選ばれる少なくとも1種類の金属である。これらの金属からなる貴金属系触媒を使う際には、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いることができる。一般的には水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が還元され、水素化活性を発現することになる。
また活性金属Bタイプとしてはこれらの金属を組み合わせたものでよく、例えば、Pt−Pd、Co−Mo、Ni−Mo、Ni−W、Ni−Co−Moなどが挙げられる。また、これらの金属からなる触媒を使う際には、予備硫化したのち使用するのが好ましい。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化分解を行う場合の液空間速度(LHSV)は、0.1h−1以上2h−1以下であることが好ましく、0.2h−1以上1.7h―1以下であることがより好ましく、0.3h−1以上1.5h−1以下であることが更に好ましい。LHSVは低いほど反応に有利であるが、低すぎる場合には極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となるので経済的に好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化分解を行う場合の水素/油比は、150NL/L以上2000NL/L以下であることが好ましく、300NL/L以上1700NL/L以下であることがより好ましく、400NL/L以上1500NL/L以下であることが更に好ましい。水素/油比は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
水素化処理装置の反応形式は、固定床方式をとりうる。水素は原料油に対して、向流または並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔の中段には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスをクエンチとして注入してもよい。
高度な水素化処理条件は反応温度170〜320℃、水素圧力2〜10MPa、LHSV0.1〜2h−1、水素/油比100〜800NL/Lである。好ましくは反応温度175℃〜300℃、水素圧力2.5〜8MPa、LHSV0.2〜1.5h−1、水素/油比150〜600NL/Lであり、さらに好ましくは反応温度180℃〜280℃、水素圧力3〜7MPa、LHSV0.3〜1.2h−1、水素/油比150〜500NL/Lである。反応温度は低温ほど水素化反応には有利であるが、脱硫反応には好ましくない。水素圧力、水素/油比は高いほど脱硫、水素化反応とも促進されるが、経済的に最適点が存在する。LHSVは低いほど反応に有利であるが、低すぎる場合には極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となるので不味である
本発明の水素化処理装置の反応形式は、固定床方式をとりうる。水素は原料油に対して、向流または並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔の中段には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスをクエンチとして注入してもよい。
活性金属の担持量は特に限定されないが、触媒質量に対し金属量合計で0.1〜10質量%、好ましくは0.15〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。
本発明にある触媒は、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いる。一般的には水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が還元され、水素化活性を発現することになる。
上述の原料油(動植物油脂および動植物油脂由来成分)はこれらの脂肪酸を1種または複数種有しており、原料によってその有する脂肪酸類は異なっている。例えば、ココヤシ油はラウリン酸、ミリスチン酸等の飽和脂肪酸を比較的多く有しているが、大豆油はオレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸を多く有している。
本発明の軽油組成物とは、FT合成基材を軽油組成物全量に対し60容量%以上含有し、硫黄分含有量が5質量ppm以下、芳香族分含有量が10容量%以下、酸素含有量が100ppm以下、密度が760kg/m3以上840kg/m3以下、蒸留性状の90%留出温度が280℃以上350℃以下、終点が360℃以下、加速酸化試験後の全不溶解分が0.5mg/100mL以下、HFRR摩耗痕径(WS1.4)が400μm以下、くもり点が−5℃以下、目詰まり点が−20℃以下、流動点が−25℃以下、炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量の総和が2質量%以上4質量%未満であり、かつ炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量の総和を炭素数20から30までノルマルパラフィン以外の炭化水素の含有量の総和で除した値が0.2以上0.6以下であり、かつ炭素数20から炭素数25までの各炭素数におけるノルマルパラフィン含有量(CnP)にC20P>C21P>C22P>C23P>C24P>C25Pの関係が成立し、以下の工程1および工程2の通りに添加剤を添加することを特徴とする軽油組成物である。
(工程2)エチレン酢酸ビニル共重合体および/または界面活性効果を有する低温流動性向上剤を活性分として20mg/L以上1000mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて軽油組成物に添加混合する。
また、初留点は140℃以上が好ましい。初留点が140℃に満たないとエンジン出力や高温時の始動性の悪化を招く可能性がある。そのため、初留点は145℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。終点は360℃以下であることが好ましい。終点が360℃を越えるとPMや微小粒子の排出量が増加する傾向にある。そのため、終点は368℃以下が好ましく、366℃以下がより好ましい。
10%留出温度に対する制約はないものの、下限値に関してはエンジン出力や燃費の悪化を抑制するため、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上である。一方、上限値に関しては排ガス性能が悪化を抑制する目的から、好ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下、さらに好ましくは230℃以下である。なお、ここでいう初留点、10%留出温度、90%留出温度、終点とは、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」により測定される値を意味する。
炭素数20から30までの直鎖飽和炭化水素含有量の総和、ならびに炭素数20〜25の直鎖飽和炭化水素含有量は、GC−FIDを用いて測定される値(質量%)である。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム(ULTRAALLOY−1)、キャリアガスにはヘリウムを、検出器には水素イオン検出器(FID)を用い、カラム長30m、キャリアガス流量1.0mL/min、分割比1:79、試料注入温度360℃、カラム昇温条件140℃→(8℃/min)→355℃、検出器温度360℃の条件で測定された値である。
低温流動性向上剤の種類は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/または界面活性効果を有する低温流動性向上剤でなければならない。例えば、界面活性効果を有する低温流動性向上剤としては、エチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、塩素化メチレン−酢酸ビニル共重合体、不飽和カルボン酸のアルキルエステル重合体、水酸基を有する含窒素化合物と飽和脂肪酸から合成されるエステルもしくはその塩、多価アルコールと飽和脂肪酸から合成されるエステル及びアミド誘導体、ポリオキシアルキレングリコールと飽和脂肪酸から合成されるエステル、多価アルコールまたはその部分エステルのアルキレンオキサイド付加物と飽和脂肪酸から合成されるエステル、塩素化パラフィン/ナフタレン縮合物、アルケニルコハク酸アミド、スルホ安息香酸のアミン塩などから選ばれる1種または2種以上を組み合わせたものが挙げられる。
なお、低温流動性向上剤と称して市販されている商品は、低温流動性に寄与する有効成分(活性分)が適当な溶剤で希釈されていることがあるため、こうした市販品を本発明の軽油組成物に添加する場合にあたっては、上記の添加量は、有効成分(活性分)としての添加量(活性分濃度)を意味している。
セタン価向上剤としては、軽油のセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用することができ、例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等が挙げられる。これらのセタン価向上剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良いが、上述のセタン価向上剤の中では硝酸エステルを用いることが好ましい。かかる硝酸エステルには、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、エチレングリコールジナイトレートなどの種々のナイトレート等が包含されるが、特に、炭素数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。
セタン価向上剤は、常法に従い合成したものを用いてもよく、また、市販品を用いてもよい。なお、セタン価向上剤と称して市販されているものは、セタン価向上に寄与する有効成分(すなわちセタン価向上剤自体)を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例である。このような市販品を使用して本発明の軽油組成物を調製する場合には、軽油組成物中の当該有効成分の含有量が上述の範囲内となることが好ましい。
その他の添加剤の添加量は任意に決めることができるが、添加剤個々の添加量は、極低温地向け軽油組成物の全量基準でそれぞれ好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
なお、本発明の軽油組成物を適用するディーゼルエンジンのその他の諸元、用途、使用環境に関しては、本発明は何ら制限を加えるものではない。
表1に示す性状を有する基材を調合して表2に示す軽油組成物を調製した(実施例1、2および比較例1)。FT合成基材1、2は天然ガスをFT反応によりワックス及び中間留分化し、これに水素化処理を施して得られた炭化水素混合物であるが、それぞれの反応条件は異なっており、FT合成基材1は異性化を積極的に行った基材であり、FT合成基材2はあまり異性化に重きを置かない処理を行った基材である。高度水素化処理基材は軽油基材に更に水素化処理を施し、更なる低硫黄化と低芳香族化をはかった炭化水素基材である。動植物由来の処理油はパーム油(ホール成分)を原料として水素化処理を行い、雑成分を取り除いたものである。水素化精製軽油は冬季に使用されている市販のJIS2号軽油に相当する。これらを適量配合または全量使用して、実施例1、2と比較例1を製造した。
潤滑性向上剤:インフィニアムジャパン社製 Infineum R655
(活性分:脂肪酸を原料とした直鎖アルキルエステル混合物、平均分子量250MW)
清浄剤:アルケニルコハク酸イミド混合物
低温流動性向上剤:インフィニアムジャパン社製 Infineum R240
(活性分:エチレン−酢酸ビニル共重合体混合物、溶剤:アルキルベンゼン(融点は
−50℃以下))
密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を指す。
動粘度は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を指す。
引火点はJIS K 2265「原油及び石油製品引火点試験方法」で測定される値を示す。
硫黄分含有量は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される軽油組成物全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
酸素分含有量は、試料を白金炭素上でCOに転換し、あるいはさらにCO2に転換した後に熱伝導度検出器を用いて測定した値を示す。
蒸留性状は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
各炭素数毎のノルマルパラフィン含有量(CnP)、炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量(C20−C30)、炭素数20から30までノルマルパラフィン以外の炭化水素の含有量(CnP以外)、炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量の総和を炭素数20から30までノルマルパラフィン以外の炭化水素の含有量の総和で除した値(C20−C30のCnP/CnP以外)はGC−FIDを用いて測定される値(質量%)又は測定値より算出した値である。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム(ULTRAALLOY−1)、キャリアガスにはヘリウムを、検出器には水素イオン検出器(FID)を用い、カラム長30m、キャリアガス流量1.0mL/min、分割比1:79、試料注入温度360℃、カラム昇温条件140℃→(8℃/min)→355℃、検出器温度360℃の条件で測定された値である。
セタン指数及びセタン価は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した価及び「7.セタン価試験方法」に準拠して測定された値を指す。
くもり点は、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準じて測定されるくもり点を意味する。
目詰まり点は、JIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意味する。
流動点は、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準じて測定される流動点を意味する。
10%残油の残留炭素分とは、JIS K 2270「原油及び石油製品−残留炭素分試験方法」により測定される10%残油の残留炭素分を意味する。
芳香族分含有量は、社団法人石油学会により発行されている石油学会法JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に準拠され測定された芳香族分含有量の容量百分率(容量%)を意味する。
酸化安定性試験後の過酸化物価(過酸化物価)とは、ASTM D2274−94に準拠して、95℃、酸素バブリング下、16時間の条件で加速酸化した後、石油学会規格JPI−5S−46−96に準拠して測定される値を意味する。
酸化安定性試験後の全不溶解分(全不溶解分)とは、ASTM D2274−94に準拠して、95℃、酸素バブリング下、16時間の条件で加速酸化した後に測定する値を意味する。
潤滑性能およびHFRR摩耗痕径(WS1.4)は、社団法人石油学会から発行されている石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方法」により測定した潤滑性能を指す。
水分は、JIS K 2275「原油及び石油製品−水分試験方法」に記載のカールフィッシャー式電量滴定法により測定される水分を指す。
車両1を用いて、図1に示す試験モードを走行し、その際のNOx、Smoke、燃費を測定した。結果は、比較例1の燃料を供試した場合の結果を100として、各結果を相対的に比較して評価した(数値が小さい方がよい結果を示す)。
車両1を用いて、環境温度の制御が可能なシャーシダイナモメータ上で、室温で、(1)供試ディーゼル自動車の燃料系統を評価燃料でフラッシング(洗浄)、(2)フラッシング燃料の抜き出し、(3)メインフィルタの新品への交換、(4)燃料タンクに評価燃料の規定量(供試車両の燃料タンク容量の1/2)の張り込みを行う。その後、(5)環境温度を室温から−10℃まで急冷し、(6)−10℃で1時間保持した後、(7)1℃/hの冷却速度で所定の温度(−20℃)に達するまで徐冷し、(8)所定の温度で1時間保持した後、エンジンを始動させる。10秒間のクランキングを30秒間隔で2回繰り返しても始動しない場合はこの時点で不可(×)とした。また、クランキングを2回繰り返す間でエンジンが始動した場合はそのままアイドリングで3分間保持し、その後15秒かけて車速を60km/hに移行し、そのまま低速運転を行う。速度移行時及び60km/h低速走行を20分継続する際に動作不良(ハンチング、スタンブル、車速低下、エンジン停止等)が見られた場合はその時点で不可(×)とし、最後まで支障なく走行した場合は可(○)とした。
エンジン種類:インタークーラー付過給EGR付直列4気筒ディ−ゼル
排気量 :1.4L
内径×工程 :73mm×81.4mm
圧縮比 :18.5(16.0に改良)
最高出力 :72kW/4000rpm
規制適合 :2002年排ガス規制適合
車両重量 :排出ガス
ミッション :5MT
後処理装置 :酸化触媒
Claims (4)
- FT合成基材を軽油組成物全量に対し60容量%以上含有し、硫黄分含有量が5質量ppm以下、芳香族分含有量が10容量%以下、酸素含有量が100ppm以下、密度が760kg/m3以上840kg/m3以下、蒸留性状の90%留出温度が280℃以上350℃以下、終点が360℃以下、加速酸化試験後の全不溶解分が0.5mg/100mL以下、HFRR摩耗痕径(WS1.4)が400μm以下、くもり点が−5℃以下、目詰まり点が−20℃以下、流動点が−25℃以下、炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量の総和が2質量%以上4質量%未満であり、かつ炭素数20から30までのノルマルパラフィン含有量の総和を炭素数20から30までノルマルパラフィン以外の炭化水素の含有量の総和で除した値が0.2以上0.6以下であり、かつ炭素数20から炭素数25までの各炭素数におけるノルマルパラフィン含有量(CnP)にC20P>C21P>C22P>C23P>C24P>C25Pの関係が成立し、以下の工程1および工程2の通りに添加剤を添加することを特徴とする軽油組成物。
(工程1)脂肪酸および/または脂肪酸エステルからなる潤滑性向上剤を活性分として20mg/L以上300mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて軽油組成物に添加混合する。
(工程2)エチレン酢酸ビニル共重合体および/または界面活性効果を有する低温流動性向上剤を活性分として20mg/L以上1000mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて軽油組成物に添加混合する。 - 工程1と工程2の間に、ポリエーテルアミン化合物、ポリブテニルアミン化合物、アルケニルコハク酸アミド化合物、アルケニルコハク酸イミド化合物等から構成される清浄剤を20mg/L以上500mg/L以下を、ラインブレンド、強制撹拌、または十分な静地放置にて添加混合する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の軽油組成物。
- 潤滑性向上剤、清浄剤および低温流動性向上剤の溶剤として、融点が10℃以上ある化学物質を含まない添加剤を使用したことを特徴とする請求項1または2に記載の軽油組成物。
- 加速酸化試験後の過酸化物価が50質量ppm以下、30℃における動粘度が2.5mm2/s以上5.0mm2/s以下、セタン指数が45以上、水分が100容量ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽油組成物。
Priority Applications (15)
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