JP2007269732A - ビスヒドロキサム酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビスヒドロキサム酸の簡便で工業的製造が可能な方法を提供する。
【解決手段】水と非プロトン性有機溶媒の混合溶媒中で塩基の存在下、N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたはその塩とカルボン酸ハライドとを反応させることを特徴とする下記式(I)


(式中、Rは、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表す)
で示されるビスヒドロキサム酸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、不斉酸化触媒のリガンドとして有用なビスヒドロキサム酸の製造方法に関する。
下記式(I)で示されるビスヒドロキサム酸の光学活性体は、オレフィンを酸化して光学活性エポキシ化合物を得る為の触媒に使用されるリガンドとして知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。このリガンドを使用した触媒は、オレフィン類の酸化反応において高い立体選択性を出現し、水に対しても安定であるなど工業的に非常に有用な化合物である。
従来、ビスヒドロキサム酸(I)の合成法としては、1,2−ジアミノシクロヘキサンから製造されるN,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン(II)の水酸基をシリル化剤で保護した化合物(III)に、対応する酸クロライドによってアミド化を行い、脱保護する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法においては、シリル化する際に、不安定な光学活性化合物(II)を脱水しなければならず、残存水分は次工程の収率を大きく低下させる原因となる。また、アミド化反応に於いては、目的とするビスヒドロキサム酸の構造が非常に嵩高いため、反応の進行が遅く、さらに反応処理後も夾雑物が多く、精製するのが困難である等、工業的製造法としては、必ずしも満足する方法ではない。
WO2005/072868 Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4389
本発明は、ビスヒドロキサム酸を製造するに際し、不安定なヒドロキシルアミンの脱水操作を必要とせず、対応するカルボン酸ハライドと直接反応させることを特徴とする、より簡便で工業的製造が可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ビスヒドロキサム酸を製造するに当たり、不安定なビスヒドロキシルアミンを水溶液のまま直接アミド化を行う方法を鋭意検討した結果、シリル化を経ずに直接ヒドロキシルアミンをアミド化する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、水と非プロトン性有機溶媒の混合溶媒中で塩基の存在下、N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたはその塩とカルボン酸ハライドとを反応させることを特徴とする下記式(I)
(式中、Rは、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表す)
で示されるビスヒドロキサム酸の製造方法(請求項1)や、ビスヒドロキサム酸が光学活性体である請求項1記載の製造方法(請求項2)や、カルボン酸ハライドが、酸クロライドまたは酸ブロマイドである請求項1または2記載の製造方法(請求項3)や、Rが、置換もしくは非置換アリ−ル基で置換されたアルキル基である請求項1記載の製造方法(請求項4)や、置換もしくは非置換アリ−ル基で置換されたアルキル基が、ジフェニル酢酸、トリフェニルプロピオン酸またはビス(3,5−ジメチルフェニル)酢酸である請求項4記載の製造方法(請求項5)や、非プロトン性有機溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法(請求項6)や、塩基が、アルカリ金属の水酸化物である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法(請求項7)、および、アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求項7記載の製造方法(請求項8)に関する。
本発明により、従来2工程で行われていたN,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサンからビスヒドロキサム酸への製造工程を1工程へと簡略化し、不安定なヒドロキシルアミンの脱水操作を行うことなく、安価で大量に製造することができる。
以下、本発明の製造方法について説明する。
式(I)で表される化合物において、Rで示される置換もしくは非置換の低級アルキル基のアルキル基とは、直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキルであって、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。置換もしくは非置換のシクロアルキル基のシクロアルキル基とは、炭素数3〜12のシクロアルキルであって、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル等が挙げられる。置換もしくは非置換のアリール基のアリール基とは、炭素数6〜14のアリールであって、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
置換アルキル基の置換基としては、同一または異なって、置換数1〜8の置換基であって、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アロイル基等が挙げられる。ここで、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の各原子が挙げられ、アルコキシ基、アルカノイル基およびアルコキシカルボニル基のアルキル部分は、前記アルキル基の定義と同義であり、シクロアルキル基は、前記シクロアルキル基の定義と同義であり、アリール基およびアロイル基のアリール部分は、前記アリール基の定義と同義である。さらに、当該シクロアルキル基並びにアリール基およびアロイル基のアリール部分は、さらに置換基を有していてもよく、該シクロアルキル基およびアリール基の置換基としては、同一または異なって、置換数1〜8の置換基であって、例えば、前記と同義のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アロイル基等が挙げられる。
置換シクロアルキル基および置換アリール基の置換基としては、同一または異なって、置換数1〜8の置換基であって、例えば、前記と同義のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アロイル基等が挙げられる。さらに、当該シクロアルキル基並びにアリール基およびアロイル基のアリール部分は、さらに置換基を有していてもよく、該シクロアルキル基およびアリール基の置換基としては、同一または異なって、置換数1〜8の置換基であって、例えば、前記と同義のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アロイル基等が挙げられる。
本発明の製造方法におけるカルボン酸ハライドとしては、カルボン酸クロライド、カルボン酸ブロマイド等が好ましく用いられる。また、カルボン酸ハライドにおけるカルボン酸としては、前記Rとして定義される基にカルボキシル基が結合したカルボン酸を意味する。該カルボン酸におけるRとしては、例えば、置換もしくは非置換アリール基が置換したアルキル基が好ましく、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等のアリール基が、またアリール基の置換基としては、メチル、tert−ブチル等のアルキル基、メトキシ等のアルコキシ基、フェニル等のアリール基が好ましく、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル等のアルキル基が好ましい。当該アリ−ル基置換アルキルカルボン酸の具体例としては、例えば、ジフェニル酢酸、ジナフチル酢酸、トリフェニルプロピオン酸等、および、アリール基に置換基を有する、例えば、ビフェニル酢酸、ビス(4−tert−ブチルフェニル)酢酸、ビス(3−メチルフェニル)酢酸、ビス(3,5−ジメチルフェニル)酢酸、ビス(3−メトキシ−2−ナフチル)酢酸、トリス(4−メチルフェニル)プロピオン酸、トリス(4−tert−ブチルフェニル)プロピオン酸、トリス(4−イソプロピルフェニル)プロピオン酸等が挙げられる。その他、トリメチル酢酸、ジシクロヘキシル酢酸、シクロドデカンカルボン酸、安息香酸等も、好適に用いることができる。
次に、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法で原料となるN,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン(II)は、市販の1,2−ジアミノシクロヘキサン(IV)を出発原料として、下記工程により製造することができる(特許文献1参照)。
1,2−ジアミノシクロヘキサン(IV)とp−アニスアルデヒド(V)とを反応させ、N,N’−ビス(4−メトキシベンジリデン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン(VI)を得、更にオキソン(登録商標)を作用させて対応するジオキサジリジン(VII)へと変換する。得られた化合物(VII)は、O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(VIII)と反応させて化合物(II)の塩酸塩へと変換することにより得られる。
化合物(II)は、通常、塩酸塩として用いられるが、他の酸、例えば硫酸等の無機酸や酢酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸の塩として用いることもできる。
化合物(II)の塩は、カルボン酸ハライドとのアミド化反応において、脱水することなく水溶液で使用することができ、また、前段反応から精製することなく、そのまま使用することもできる。
反応は、先ず、化合物(II)の塩を含む水溶液に塩基を添加する。添加する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩が例示され、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましく使用される。
塩基の添加量は、通常、化合物(II)の塩に対して4〜8当量程度、好ましくは4〜6当量程度である。該当量数が少ないときは反応が完結せず、また、多いとカルボン酸ハライドの加水分解が進行し、目的物の収量が減少する。
また、塩基処理時は発熱を伴うため除熱するのが好ましく、系内の温度は、0〜60℃であり、好ましくは20〜40℃である。
塩基処理後、速やかに非プロトン性有機溶媒に溶解したカルボン酸ハライドを滴下し、アミド化反応を行う。
非プロトン性有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メトキシシクロペンタン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭素類、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒が好適に用いられ、特に、テトラヒドロフラン(THF)が好ましい。
非プロトン性有機溶媒の使用量は、化合物(II)の塩の水溶液に対して0.1〜10倍量、好ましくは0.5〜5倍量用いられる。
使用するカルボン酸ハライドの量は、化合物(II)の塩に対して2〜6当量程度、好ましくは2〜4当量程度である。該当量数が少ないときは反応が完結せず、また、多いと副反応が進行し、目的物の収量が減少する。
カルボン酸ハライドの滴下時間は、5分〜5時間であり、滴下中の温度は、0〜100℃であり、好ましくは20〜80℃である。
滴下終了後、反応を完結するために反応を続けることが好ましく、反応温度は0〜100℃で行うことができるが、好ましくは0〜50℃である。
反応時間は0.5〜100時間であり、カルボン酸ハライドの種類や反応温度により変化する。
反応終了後、目的化合物は、濃縮、抽出、クロマトグラフィー、再結晶等の常法により単離、精製することができる。
化合物(I)は、オレフィンを酸化して光学活性エポキシ化合物を得る為の触媒として使用される場合、光学活性なリガンドとして用いられる。化合物(I)の光学活性体は、原料として光学活性な化合物(II)を用いることにより製造することができる。また、光学不活性な化合物(II)を用い製造した光学不活性な化合物(I)を、常法により光学分割し、光学活性体として使用することもできる。
以下、実施例および比較例等により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造(1)
参考例1で得られた(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩(2.19g;10mmol)を含む水溶液5mlに24%水酸化ナトリウム(45mmol)を添加し、次いで、ジフェニル酢酸クロライド(4.61g;20mmol)のTHF溶液35mlを室温で、5分かけて滴下した後、更に、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液は、水洗後減圧濃縮し、得られた残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)で単離、精製し、収率40%で目的化合物を得た。
H NMR (δ ppm, CDCl3)9.26 (s, 2H), 7.32-7.10 (m, 20H), 5.48 (s, 2H), 4.64-4.62 (m, 2H), 1.81-1.73 (m, 6H), 1.23-1.25 (m, 2H)
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造(2)
参考例1で得られた(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩(2.19g;10mmol)の水溶液5mlに24%水酸化ナトリウム(56mmol)を室温で添加し、次いでジフェニル酢酸クロライド(6.92g:30mmol)のTHF溶液を室温で添加した。反応終了後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)で単離し、収率47%で目的化合物を得た。
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造(3)
参考例1で得られた(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩(2.19g;10mmol)の水溶液5mlに水酸化カリウム(56mmol)を室温で添加し、次いでジフェニル酢酸クロライド(6.92g:30mmol)のTHF溶液を室温で添加した。反応終了後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)で単離し、収率48%で目的化合物を得た。
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造(4)
参考例1で得られた(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩(2.19g;10mmol)の水溶液5mlに炭酸水素カリウム(50mmol)を添加し、次いでジフェニル酢酸クロライド(5.77g:25mmol)のTHF溶液を添加した。反応終了後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)で単離し、収率47%で目的化合物を得た。
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造(5)
参考例1で得られた(1S,2S)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩(2.19g;10mmol)の水溶液5mlに炭酸カリウム(50mmol)を室温で添加し、次いでジフェニル酢酸クロライド(5.77g:25mmol)のTHF溶液を室温で添加した。反応終了後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)で単離し、収率42%で目的化合物を得た。
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(3,3,3−トリフェニルプロピオニル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造
カルボン酸ハライドを3,3,3−トリフェニルプロピオン酸クロライドに変え、反応温度を40℃に変えた他は実施例2に準じて反応を行った。その結果、収率54%で目的化合物を得た。
H NMR (δppm, CDCl3)7.87 (s, 2H), 7.25-7.15 (m, 30H), 4.17 (d, 2H), 3.98-3.96 (m, 2H), 3.51 (d, 2H) 1.6-1.5 (m, 4H), 1.13 (m, 2H)
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス[2,2−ビス(3,5−ジメチルフェニルアセチル)]−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造
カルボン酸ハライドを2,2−ビス(3,5−ジメチルフェニル)酢酸クロライドに変え、反応温度を40℃に変えた他は実施例2に準じて反応を行った。その結果、収率39%で目的化合物を得た。
H NMR (δ ppm, CDCl3)8.42 (s, 2H), 6.87-6.72 (m, 12H), 4.52-4.50 (m, 2H), 2.27 (s, 12H), 2.14 (s, 12H) 1.89-1.77 (m, 6H), 1.26 (m, 2H)
[比較例1]
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ビス(ジフェニルアセチル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造
参考例1で得られた(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン・2塩酸塩の水溶液を減圧下で水を留去し、更にエタノールで水を共沸留去した。更に、ジクロロメタンを加えてエタノールを留去し、残った残渣(5.44g:25mmol)に溶媒としてジクロロメタン(100mL)を加え、トリエチルアミン(6.89g:68mmol)を添加した。次いでクロロトリエチルシラン(15.17g:100mmol)を室温で1.5時間かけて滴下し、更に室温で一晩シリル化反応を行った。
反応終了後、中和、抽出、濃縮を行い、13.82g(純度45.26%:16.69mmol)でビスO−シリル化ヒドロキシルアミンを得た。得られたビスO−シリル化ヒドロキシルアミン(5.5g:14.7mmol)をチッソ雰囲気下ジクロロメタン(300mL)に溶解し、エチルジイソプロピルアミン(7.5g:58mmol)及びジフェニル酢酸クロライド(6.43g:27.9mmol)を室温で添加した。
室温で3日間反応後、反応液を水で洗浄し、溶媒を減圧下留去した。得られた組成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル)により単離し、目的化合物のビスヒドロキサム酸(1.5g:2.8mmol)をN,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサンから28%の収率で得た。
[参考例1]
(1R,2R)−N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサン(II)の調製
化合物(IV)から、特許文献1に記載の方法に準じて得られるビスオキサジリジン化合物(VII)300gをメタノール7Lに溶解し、次いでO−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩を247g添加した。1M−塩化水素/メタノール溶液2.7Kgを滴下し、室温で20分攪拌した。メタノールを減圧下留去した後トルエン及び酢酸エチルで洗浄し、目的化合物(II)の水溶液を得た。
得られた化合物(II)の水溶液は、更に精製することなく実施例の原料として供した。


Claims (8)

  1. 水と非プロトン性有機溶媒の混合溶媒中で塩基の存在下、N,N’−ジヒドロキシ−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたはその塩とカルボン酸ハライドとを反応させることを特徴とする下記式(I)

    (式中、Rは、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表す)
    で示されるビスヒドロキサム酸の製造方法。
  2. ビスヒドロキサム酸が光学活性体である請求項1記載の製造方法。
  3. カルボン酸ハライドが、酸クロライドまたは酸ブロマイドである請求項1または2記載の製造方法。
  4. Rが、置換もしくは非置換アリ−ル基で置換されたアルキル基である請求項1記載の製造方法。
  5. 置換もしくは非置換アリ−ル基で置換されたアルキル基が、ジフェニル酢酸、トリフェニルプロピオン酸またはビス(3,5−ジメチルフェニル)酢酸である請求項4記載の製造方法。
  6. 非プロトン性有機溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. 塩基が、アルカリ金属の水酸化物である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求項7記載の製造方法。
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