JP2007269718A - 新規芳香族化合物、その製造方法、及びそれにより得られる重縮合ポリマー - Google Patents
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Abstract
【課題】機能性材料や医薬・農薬等の合成原料及び中間体等として有用な新規芳香族化合物、その製造方法、及びそれにより得られる優れた機能を有する重縮合ポリマーを提供する。
【解決手段】ハノゲノベンゼンと一般式(II)で表される化合物とを反応させる工程と、得られた化合物を還元する工程と、さらに得られた化合物をジアゾ化する工程と、さらに得られた化合物をザンドマイヤー反応により反応させる工程とを含む3−ブロモ−4,4´−ジクロロジフェニルスルホンに代表される新規芳香族化合物の製造方法。
[Aはアリール基又はヘテロ環基を表す。X2はハロゲン原子を表す。X3は脱離基を表す。Yは−SO2−、−CO−、又は−SO−を表す。]
【選択図】なし
【解決手段】ハノゲノベンゼンと一般式(II)で表される化合物とを反応させる工程と、得られた化合物を還元する工程と、さらに得られた化合物をジアゾ化する工程と、さらに得られた化合物をザンドマイヤー反応により反応させる工程とを含む3−ブロモ−4,4´−ジクロロジフェニルスルホンに代表される新規芳香族化合物の製造方法。
[Aはアリール基又はヘテロ環基を表す。X2はハロゲン原子を表す。X3は脱離基を表す。Yは−SO2−、−CO−、又は−SO−を表す。]
【選択図】なし
Description
本発明は、新規芳香族化合物、その製造方法、及びそれにより得られる重縮合ポリマーに関する。
4,4’−ジクロロジフェニルスルホンや4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシドの重縮合モノマーは、エンジニアプラスチックの原料として非常に重要であり、それらを用いたポリマー合成の研究が活発にされている。そして合成させるポリマーにさらなる高機能を付与するために、これら重縮合モノマーに官能基を導入することが望まれる。そのような官能基を導入した重縮合モノマーを合成中間体として用いることにより、クロスカップリング反応等でその重縮合モノマーを修飾することができ、さらに高機能化できるからである。官能基を導入した重縮合モノマーとして、臭素及びヨウ素が一置換した4,4’−ジクロロジフェニルスルホンや4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシドなどが考えられる。しかしこれまで、そのような芳香族化合物が合成されたことはない。
そこで、本発明は、機能性材料や医薬・農薬等の合成原料及び中間体等として有用な新規芳香族化合物、その製造方法、及びそれにより得られる優れた機能を有する重縮合ポリマーの提供を目的とする。
上記の課題は下記の手段により達成された。
(1) 一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを反応させて一般式(III)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(III)で表される化合物を還元して一般式(IV)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(IV)で表される化合物をジアゾ化して一般式(V)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(V)で表される化合物をザンドマイヤー反応により反応させて、一般式(VI)で表される化合物を合成する工程と、
を含むことを特徴とする新規芳香族化合物の製造方法。
一般式(III)で表される化合物を還元して一般式(IV)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(IV)で表される化合物をジアゾ化して一般式(V)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(V)で表される化合物をザンドマイヤー反応により反応させて、一般式(VI)で表される化合物を合成する工程と、
を含むことを特徴とする新規芳香族化合物の製造方法。
(2)(1)で合成された一般式(V)又は(VI)で表される化合物を、金属触媒存在下、一般式(VIII)で表される化合物と反応させて、一般式(VII)で表される化合物を合成する工程を含むことを特徴とする新規芳香族化合物の製造方法。
(3)一般式(II)または一般式(III)における連結基A(NO2)が式(IX−1)で表されることを特徴とする(1)または(2)記載の新規芳香族化合物の製造方法。
(4)連結基Yが−SO2−であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の新規芳香族化合物の製造方法。
(5)脱離基X3がフッ素原子又は塩素原子であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の新規芳香族化合物の製造方法。
(6)(1)に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする一般式(VI)で表される化合物。
(7)3−ブロモ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン。
(8)(2)に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする前記一般式(VII)で表される新規芳香族化合物。
(9)式(VII−1)〜(VII−3)のいずれかで表される新規芳香族化合物。
本発明の製造方法によれば、機能性材料や医薬・農薬等の合成原料及び中間体として有用な新規芳香族化合物を安価かつ効率的に合成することが可能である。さらに、本発明の製造方法で得られる新規芳香族化合物を原料として、優れた性能を発揮する高機能性ポリマー、特にプロトン伝導膜を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法は新規な芳香族化合物を製造する方法であり、[工程1]一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを反応させて一般式(III)で表される化合物を合成する工程と、[工程2]一般式(III)で表される化合物を還元して一般式(IV)で表される化合物を合成する工程と、[工程3]一般式(IV)で表される化合物をジアゾ化して一般式(V)で表される化合物を合成する工程と、[工程4]一般式(V)で表される化合物をザンドマイヤー反応により反応させて一般式(VI)で表される化合物を合成する工程とを含む。
本発明の製造方法は新規な芳香族化合物を製造する方法であり、[工程1]一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを反応させて一般式(III)で表される化合物を合成する工程と、[工程2]一般式(III)で表される化合物を還元して一般式(IV)で表される化合物を合成する工程と、[工程3]一般式(IV)で表される化合物をジアゾ化して一般式(V)で表される化合物を合成する工程と、[工程4]一般式(V)で表される化合物をザンドマイヤー反応により反応させて一般式(VI)で表される化合物を合成する工程とを含む。
一般式(I)中、X1はフッ素原子又は塩素原子を表す。これらのうち、塩素原子が特に好ましい。
一般式(II)中、Aはアリール基又はヘテロ環基を表す。連結基A(NO2)としては、式(IX−1)〜(IX−16)で表されるものが挙げられる。なお、*1はYとの結合部を表し、*2はX3との結合部を表す。
X2はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)を表す。これらのうち、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
X3は脱離基を表す。脱離基とは、求核剤との反応により、置換される官能基を意味する。X3の例としては、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、又はスルホキシ基等が挙げられる。この中で、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、又はフェノキシ基が好ましく、フッ素原子及び塩素原子がより好ましい。
X3は脱離基を表す。脱離基とは、求核剤との反応により、置換される官能基を意味する。X3の例としては、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、又はスルホキシ基等が挙げられる。この中で、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、又はフェノキシ基が好ましく、フッ素原子及び塩素原子がより好ましい。
Yは−SO2−、−CO−、又は−SO−を表す。これらうち、−SO2−、又は−CO−が好ましく、−SO2−がより好ましい。
以下に、本発明の一般式(III)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下に、本発明の一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下に、本発明の一般式(V)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
工程1は、フリーデル−クラフツ反応である。本反応は無溶媒で行っても、溶媒存在下で行ってもよい。溶媒としては、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、塩化メチレン等が挙げられる。本反応は、無溶媒で行うのが環境及びコストの面から最も好ましい。フリーデル−クラフツ反応に用いられる酸は、一般的にフリーデル−クラフツ反応に用いられているものを使用することができ、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三臭化ガリウム、三塩化ガリウム、三塩化鉄、五塩化アンチモン、四塩化すず、四塩化チタン、二塩化亜鉛、フッ化水素、硫酸、リン酸、ペルフルオロスルホン酸等が挙げられるが、好ましくは、三塩化アルミニウム、三塩化鉄である。反応は、0〜200℃で行うのが好ましいが、20〜150℃で行うのが好ましい。酸の使用量は、特に制限がないが、反応基質(一般式(II)で表される化合物)に対し、0.01〜10.0モル当量用いることが好ましく、0.1〜5.0モル当量用いることがより好ましい。反応温度は、場合によるが、概ね0〜200℃である。一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物との反応量は特に限定されないが、一般式(II)で表される化合物に対して一般式(I)で表される化合物を1.0〜10モル当量添加して反応させることが好ましい。
工程2は、ニトロ基の還元反応である。ニトロ基の還元反応は、例えば、酸性条件下、還元鉄、亜鉛等の金属を用いる方法、硫化ナトリウム、ナトリウムヒドロスルフィド、亜二チオン酸ナトリウム等を用いる方法、白金、ラネーニッケル、パラジウム−炭素、ロジウム−アルミナ等の金属触媒と水素ガスやヒドラジン等の水素源を用いる還元法、LiAlH4等の金属水素化物を用いる方法等が挙げられる。これらの還元反応のうち、酸性条件下で金属を用いる方法、又は金属触媒と水素源を用いる還元法が好ましい。反応温度は、用いる還元方法により異なるが、概ね0〜200℃である。
工程3は、ジアゾニウム塩の合成工程である。ジアゾニウム塩合成は通常の方法を用いることができる。ニトロソ源には、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸イソアミル等の一般的に入手可能な試薬を用いることが好ましい。ニトロソ源は、特に制限がないが、反応基質(一般式(IV)で表される化合物)に対し、1.0〜100モル当量用いることが好ましく、1.0〜10.0モル当量用いることがより好ましい。溶媒は、特に制限されず、硫酸、塩酸、酢酸等を用いることができる。反応温度は、反応条件により異なるが、概ね−50〜100℃である。
工程4は、ザンドマイヤー反応であり、通常の方法を用いることができる。添加する銅化合物としては、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅等を用いることができる。
これら銅化合物は、特に制限がないが、反応基質(一般式(V)で表される化合物)に対し、1.0〜10.0モル当量用いることが好ましく、1.0〜5.0モル当量用いることがより好ましい。反応溶媒は、酢酸、硫酸、ハロゲン化水素溶液(臭化水素溶液、ヨウ化水素溶液)等を用いることができ、これらを混合して用いてもよい。これらのうち、特にハロゲン化水素溶液存在下で反応を行うことが好ましい。反応は、工程3で得られたジアゾニウム塩を銅含有溶液に添加して行うことが好ましい。反応は、概ね−50〜100℃で行うことが好ましい。
これら銅化合物は、特に制限がないが、反応基質(一般式(V)で表される化合物)に対し、1.0〜10.0モル当量用いることが好ましく、1.0〜5.0モル当量用いることがより好ましい。反応溶媒は、酢酸、硫酸、ハロゲン化水素溶液(臭化水素溶液、ヨウ化水素溶液)等を用いることができ、これらを混合して用いてもよい。これらのうち、特にハロゲン化水素溶液存在下で反応を行うことが好ましい。反応は、工程3で得られたジアゾニウム塩を銅含有溶液に添加して行うことが好ましい。反応は、概ね−50〜100℃で行うことが好ましい。
一般式(V)又は(VI)で表される化合物は、クロスカップリング反応に活性な官能基(ジアゾ基、臭素原子及びヨウ素原子)を有するため、別の官能基を導入することが可能である。例えば、下記工程5(一般式(V)又は(VI)で表される化合物を金属存在下、一般式(VIII)で表される化合物と反応させる工程)を経由して、一般式(VII)で表される化合物を合成することができる。
次に、工程5について詳しく述べる。
本発明の製造方法によれば、上記一般式(V)又は(VI)で表される化合物を、金属触媒存在下、一般式(VIII)で表される化合物と反応させて、下記一般式(VII)で表される化合物を製造することができる。
一般式(VII)中、X1は一般式(I)中のX1と同義である。A、X3、及びYはそれぞれ一般式(II)中のA、X3、及びYと同義である。Rは主鎖に酸素原子を有してもよい含フッ素アルキレン基である。これらのうち、Rは主鎖に酸素原子を有してもよい直鎖の炭素数1〜10のペルフルオロアルキレン基が好ましい。Wは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)、スルフィノ基、又はスルホ基を表す。これらのうち、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、スルフィノ基、又はスルホ基が好ましく、臭素原子、ヨウ素原子、スルフィノ基、又はスルホ基がより好ましい。
本発明の製造方法によれば、上記一般式(V)又は(VI)で表される化合物を、金属触媒存在下、一般式(VIII)で表される化合物と反応させて、下記一般式(VII)で表される化合物を製造することができる。
工程5について、さらに詳しくいうと、一般式(VIII)で表される含フッ素アルキルヨージド又は含フッ素アルキルブロミドにより、一般式(VII)で表される化合物を得るクロスカップリング反応である。クロスカップリング方法としては、通常の方法を用いることができる。用いる金属触媒としては、銅、CuI、CuBr、CuCl、Cu(OH)2、Cu(OAc)2等が好ましく(Acはアセチル基を表す。)、銅及びCuIがより好ましい。用いる金属触媒の使用量は、一般式(V)もしくは(VI)で表される化合物に対し、1.0〜10.0モル当量用いることができるが、1.0〜8.0モル当量が好ましく、1.0〜5.0モル当量がより好ましい。
一般式(VIII)で表される含フッ素アルキルヨージド又は含フッ素アルキルブロミドは、通常のものを用いることができる。使用量は、一般式(V)又は(VI)で表される化合物に対し、1.0〜10.0モル当量用いることができるが、1.0〜8.0モル当量が好ましく、1.0〜5.0モル当量がより好ましい。用いる溶媒としては、水、スルホキシド化合物(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ケトン化合物(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル化合物(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル化合物(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素化合物(例えば、ペンタン、ヘキサン等)、芳香族炭化水素化合物(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等)、二トリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル等)、アミド化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、カルボン酸化合物(例えば、酢酸、プロピオン酸等)、アルコール化合物(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、3−メチルブタノール等)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)が挙げられる。これらのうち、スルホキシド化合物(例えば、ジメチルスルホキシド等)、アミド化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、エーテル化合物(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、二トリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル等)が好ましく、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドンがより好ましい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、一般式(V)または(VI)で表される化合物に対し、体積にして0.01倍以上100倍以下の量を用いることが好ましく、0.1倍以上50倍以下がより好ましい
反応は30℃〜200℃で行うことができ、50℃〜200℃が好ましく、80℃〜150℃がより好ましい。反応時間は、反応条件により一概には決定できないが、概ね1.0〜10時間である。
以下に、本発明の一般式(VII)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
一般式(VII)中のWが臭素原子又はヨウ素原子である場合、ハイドロサルファイトナトリウム及び塩基と反応させることにより、スルフィノ基に変換することができる。ハイドロサルファイトナトリウムの使用量は、一般式(VII)で表される化合物に対し、1.0〜10モル当量用いることが好ましく、1.0〜5.0モル当量用いることがより好ましい。塩基は、炭酸水素ナトリウムが好ましい。炭酸水素ナトリウムの使用量は、一般式(VII)で表される化合物に対し、1.0〜10モル当量用いることが好ましく、1.0〜5.0モル当量用いることがより好ましい。溶媒は、前記溶媒が挙げられ、特に、アセトニトリルと水の混合溶媒が好ましい。アセトニトリルと水の混合比は、アセトニトリル/水=1/100〜100/1が好ましく、1/1〜10/1が最も好ましい。アセトニトリルと水の混合溶媒の使用量は、特に制限されないが、一般式(VII)で表される化合物に対し、体積にして0.01倍以上100倍以下の量を用いることが好ましく、0.1倍以上50倍以下がより好ましい
反応は20℃〜80℃で行うことができ、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜80℃が最も好ましい。反応時間は、反応条件により一概には決定できないが、概ね1.0〜10時間である。
さらに、一般式(VII)中のWがスルフィノ基である場合、酸化することによってスルホ基に変換することができる。酸化の方法は通常の例を用いることが可能であるが、特に、金属塩存在下、過酸化水素水を用いる酸化が好ましい方法である。金属塩としては、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウムが好ましい。金属塩の使用量は、一般式(VII)で表される化合物に対し、0.0010〜0.20モル当量が好ましく、0.01〜0.10モル当量がより好ましい。溶媒は、前記溶媒が挙げられ、特に、水が好ましい。水の使用量は、特に制限されないが、一般式(VII)で表される化合物に対し、体積にして0.01倍以上100倍以下の量を用いることが好ましく、0.1倍以上50倍以下がより好ましい
反応は20℃〜80℃で行うことができ、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましい。反応時間は、反応条件により一概には決定できないが、概ね1.0〜10時間である。
一般式(V)又は(VI)で表される化合物は、その他の通常のクロスカップリング反応でも官能基を導入することができる。クロスカップリング反応の例としては、ニッケル触媒存在下、グリニヤール反応剤と反応させる方法(玉尾−熊田−コリウ(Corriu)反応)、パラジウム触媒存在下、レホマツキー(Reformatsky)反応剤と反応させる方法、パラジウム触媒存在下、ボロン化合物と反応させる方法(鈴木−宮浦反応)、パラジウム触媒存在下、有機スズ化合物と反応させる方法(右田−小杉−スティル(Stille)反応)、パラジウム触媒存在下、アルケンと反応させる方法(溝呂木−ヘック(Heck)反応)、パラジウム触媒存在下、アルキンと反応させる方法(萩原−薗頭反応)、銅触媒存在下、アルコール、アミン又はチオールと反応させる方法等、銅及びパラジウム存在下、シアノ化剤と反応させる方法等が挙げられる。これらのカップリング反応は、不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応温度は、反応により異なるが、概ね−50℃〜250℃である。
一般式(III)〜(VII)のいずれかで表される化合物は、重縮合のモノマーとして用いることができる。一般式(III)〜(VII)のいずれかで表される化合物のうち、特に、一般式(VII)で表される化合物を原料とするポリマーは、高機能性ポリマーとして用いることができる。重縮合は、一般式(III)〜(VII)のいずれかで表される化合物と、求核性を有する官能基(例えば、水酸基、アミノ基等)を二個有する化合物を、塩基存在下、反応させることによって行うことができる。求核性を有する官能基を二個有する化合物の例として、ビスフェノールA、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−スルホニルジフェノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、4−アミノフェニルスルホン等が挙げられるが、特に、ビスフェノールA、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−スルホニルジフェノールが好ましい。求核性を有する官能基を二個有する化合物の使用量は、特に制限はないが、高分子量を達成するためには、一般式(III)〜(VII)のいずれかで表される化合物に対し、1.00モル当量用いることが好ましい。用いる塩基は、特に制限がないが、炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸セシウムが好ましい。塩基の使用量は、一般式(III)〜(VII)のいずれかで表される化合物に対し、1.0〜5.0モル当量が好ましく、1.0〜2.5モル当量がより好ましい。また、分子量は反応系内の水分に影響を受けるため、反応溶媒に水を留去できる溶媒を添加し、脱水しながら反応を行うのが好ましい。反応溶媒は、前記工程5に用いたのと同じ反応溶媒が挙げられ、特にアミド化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、エーテル化合物(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル等)が好ましく、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドンがより好ましい。反応溶媒の使用量は、特に制限されないが、一般式(VII)で表される化合物に対し、体積にして0.01倍以上100倍以下の量を用いることが好ましく、0.1倍以上50倍以下がより好ましい。水を留去できる溶媒は、脂肪族炭化水素化合物(例えば、ペンタン、ヘキサン等)、芳香族炭化水素化合物(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等)が好ましく、ベンゼン、トルエン又はヘキサンがより好ましい。水を留去できる溶媒は、反応溶媒に対し0.1〜10体積当量加えることが好ましく、0.5〜5体積当量加えることが特に好ましい。
生成したポリマーは、反応液を分液操作して得られた有機溶媒を濃縮することによって得ることができる。抽出操作に用いる有機溶媒は生成物を反応溶液から取り出すことが出来れば特に制限なく使用できるが、アルカン系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等)、アリール系溶媒(トルエン、キシレン、メシチレン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が好ましく、ヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチルがより好ましい。抽出操作に用いる有機溶媒の量は、一般式(I)で表される化合物に対して、体積にして0.01倍以上100倍以下の量を用いることが好ましく、0.1倍以上50倍以下がより好ましい。
反応は50℃〜300℃で行うことができ、80℃〜250℃が好ましく、100℃〜220℃がより好ましい。反応時間は、反応条件により一概には決定できないが、概ね1.0〜24時間である。
反応は50℃〜300℃で行うことができ、80℃〜250℃が好ましく、100℃〜220℃がより好ましい。反応時間は、反応条件により一概には決定できないが、概ね1.0〜24時間である。
本発明の重縮合ポリマーは、前記一般式(VII)で表される化合物の少なくとも1種を重縮合させて得たものであり、下記一般式(X)で表される繰返し単位を含む。
以下に本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
[化合物(III−1)の合成]
4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(76.8g、300mmol)をクロロベンゼン200mLに溶解させ、80℃に加熱した。その反応溶液に、三塩化アルミニウム(60.0g、450mmol)を1.5時間かけて分割添加した。さらに1.5時間、80℃で加熱した後、放冷した。酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮したところ、固化した。その固化物に、イソプロパノール200mLを加え、還流下で固体を溶解させ、ゆっくりと放冷した。析出した固体をろ過操作で単離し、乾燥させることで、化合物(III−1)が76.7g(231mmol、収率77%)で得られた。
[化合物(III−1)の合成]
4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(76.8g、300mmol)をクロロベンゼン200mLに溶解させ、80℃に加熱した。その反応溶液に、三塩化アルミニウム(60.0g、450mmol)を1.5時間かけて分割添加した。さらに1.5時間、80℃で加熱した後、放冷した。酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮したところ、固化した。その固化物に、イソプロパノール200mLを加え、還流下で固体を溶解させ、ゆっくりと放冷した。析出した固体をろ過操作で単離し、乾燥させることで、化合物(III−1)が76.7g(231mmol、収率77%)で得られた。
以下に得られた化合物(III−1)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.75(dm,J=9.0Hz,2H)、8.04(d,J=8.4Hz,1H)、8.08(dm,J=9.0Hz,2H),8.27(dd,J=8.4Hz,2.1Hz、1H)、8.69(d,J=2.1Hz,1H)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.75(dm,J=9.0Hz,2H)、8.04(d,J=8.4Hz,1H)、8.08(dm,J=9.0Hz,2H),8.27(dd,J=8.4Hz,2.1Hz、1H)、8.69(d,J=2.1Hz,1H)
[化合物(IV−1)の合成]
還元鉄(90.0g、1620mmol)、塩化アンモニウム(9.6g、180mmol)、イソプロパノール600mL、水60mLを外温80℃で0.5時間加熱した。次に、化合物(III−I)(60.0g180mmol)を2時間かけながら分割添加し、さらに80℃で2時間加熱した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、得られた有機溶液を濃縮したところ、固化した。その固化物にイソプロパノール200mLを加え、還流下で固体を溶解させ、ゆっくりと放冷した。析出した固体をろ過操作で単離し、乾燥させることで、化合物(IV−1)が53.4g(176.7mmol、収率98%)で得られた。
還元鉄(90.0g、1620mmol)、塩化アンモニウム(9.6g、180mmol)、イソプロパノール600mL、水60mLを外温80℃で0.5時間加熱した。次に、化合物(III−I)(60.0g180mmol)を2時間かけながら分割添加し、さらに80℃で2時間加熱した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、得られた有機溶液を濃縮したところ、固化した。その固化物にイソプロパノール200mLを加え、還流下で固体を溶解させ、ゆっくりと放冷した。析出した固体をろ過操作で単離し、乾燥させることで、化合物(IV−1)が53.4g(176.7mmol、収率98%)で得られた。
以下に得られた化合物(IV−1)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ5.96(s,1H)、7.02(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.33(d,J=1.8Hz,1H)、7.42(d,J=8.1Hz,1H),7.70(d,J=8.7Hz,1H)、7.89(d,J=8.7Hz,1H)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ5.96(s,1H)、7.02(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.33(d,J=1.8Hz,1H)、7.42(d,J=8.1Hz,1H),7.70(d,J=8.7Hz,1H)、7.89(d,J=8.7Hz,1H)
[化合物(V−1)、(VI−1)の合成]
化合物(IV−1)(50g、165mmol)を濃硫酸250mL、酢酸200mLに溶解させた。その溶液を、氷冷下、濃硫酸125mL、亜硝酸ナトリウム23g(330mmol)の混合溶液に滴下した。滴下終了した後、室温で1時間攪拌した。この操作により、化合物(IV−1)は完全に消失し、化合物(V−1)が合成できた。
次に、臭化第一銅330mmolと48%臭化水素水溶液500mLに、氷冷下で、上記で調製した化合物(V―I)含有硫酸溶液を2時間かけて滴下した。その後、外温60℃で1時間加熱し、放冷した。その溶液を、水4.5Lに加えて、得られた結晶を採取・乾燥させることで、化合物(VI−1)が54.2g(148mmol、収率90%)で得られた。
化合物(IV−1)(50g、165mmol)を濃硫酸250mL、酢酸200mLに溶解させた。その溶液を、氷冷下、濃硫酸125mL、亜硝酸ナトリウム23g(330mmol)の混合溶液に滴下した。滴下終了した後、室温で1時間攪拌した。この操作により、化合物(IV−1)は完全に消失し、化合物(V−1)が合成できた。
次に、臭化第一銅330mmolと48%臭化水素水溶液500mLに、氷冷下で、上記で調製した化合物(V―I)含有硫酸溶液を2時間かけて滴下した。その後、外温60℃で1時間加熱し、放冷した。その溶液を、水4.5Lに加えて、得られた結晶を採取・乾燥させることで、化合物(VI−1)が54.2g(148mmol、収率90%)で得られた。
以下に得られた化合物(VI−1)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(400MHz,溶媒 重DMSO)δ7.72(dm,J=8.8Hz,2H)、7.89(d,J=8.4Hz,1H)、7.98(dd,J=8.1Hz,2.0Hz,1H),8.06(dm,J=8.8Hz,2H)、8.35(d,J=2.0Hz,1H)
1H NMR(400MHz,溶媒 重DMSO)δ7.72(dm,J=8.8Hz,2H)、7.89(d,J=8.4Hz,1H)、7.98(dd,J=8.1Hz,2.0Hz,1H),8.06(dm,J=8.8Hz,2H)、8.35(d,J=2.0Hz,1H)
(実施例2)
[化合物(VII−1)の合成]
化合物(VI−1)(18.3g、50mmol)、I(CF2)6I(83g、150mmol)をDMSO100mLに加え、窒素雰囲気下にし、銅粉末6.4g(100mmol)を加えた。その後、外温130℃で3時間加熱し、放冷後、酢酸エチル、1規定塩酸を加えた。その溶液を、セライトを用いてろ過し、ろ液を分液操作することによって、化合物(VII―I)を含有する有機溶液を得た。有機溶液を濃縮後、充填剤にシリカゲル、溶離液に酢酸エチルを10体積%含むヘキサンを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−1)を含む粗固体が22.7g得られた。
[化合物(VII−1)の合成]
化合物(VI−1)(18.3g、50mmol)、I(CF2)6I(83g、150mmol)をDMSO100mLに加え、窒素雰囲気下にし、銅粉末6.4g(100mmol)を加えた。その後、外温130℃で3時間加熱し、放冷後、酢酸エチル、1規定塩酸を加えた。その溶液を、セライトを用いてろ過し、ろ液を分液操作することによって、化合物(VII―I)を含有する有機溶液を得た。有機溶液を濃縮後、充填剤にシリカゲル、溶離液に酢酸エチルを10体積%含むヘキサンを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−1)を含む粗固体が22.7g得られた。
以下に得られた化合物(VII−1)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.73(d,J=8.7Hz,2H)、8.08(d,J=8.4Hz,1H)、8.12(d,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=1.8Hz,1H)、8.36(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−123.05(s,2F)、−121.63(s,2F)、−120.75(s,2F)、−113.93(s,2F)、−106.73(t,J=14.1Hz,2F),−68.59(s,2F)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.73(d,J=8.7Hz,2H)、8.08(d,J=8.4Hz,1H)、8.12(d,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=1.8Hz,1H)、8.36(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−123.05(s,2F)、−121.63(s,2F)、−120.75(s,2F)、−113.93(s,2F)、−106.73(t,J=14.1Hz,2F),−68.59(s,2F)
(実施例3)
[化合物(VII−2)の合成]
実施例2で得られた化合物(VII−1)を含む固体10g、Na2S2O44.87g(28mmol)、アセトニトリル100mL、水20mLの混合溶液を外温70℃で加熱した。その溶液に、炭酸水素ナトリウム1.26g(15mmol)を10分かけて分割添加した。放冷後、酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮した。得られた有機物を酢酸エチルに溶解させ、充填剤にシリカゲル、溶離液にイソプロパノールを25体積%含む酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−2)が5.67g(8.34mmol)得られた。
[化合物(VII−2)の合成]
実施例2で得られた化合物(VII−1)を含む固体10g、Na2S2O44.87g(28mmol)、アセトニトリル100mL、水20mLの混合溶液を外温70℃で加熱した。その溶液に、炭酸水素ナトリウム1.26g(15mmol)を10分かけて分割添加した。放冷後、酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮した。得られた有機物を酢酸エチルに溶解させ、充填剤にシリカゲル、溶離液にイソプロパノールを25体積%含む酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−2)が5.67g(8.34mmol)得られた。
以下に得られた化合物(VII−2)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.75(d,J=8.7Hz,2H)、8.03(d,J=8.4Hz,1H)、8.09(d,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=1.8Hz,1H)、8.32(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−130.41(m,2F)、−122.55(s,2F)、−121.81(s,2F)、−121.47(s,2F)、−119.88(s,2F),−106.67(t,J=13.8Hz,2F)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.75(d,J=8.7Hz,2H)、8.03(d,J=8.4Hz,1H)、8.09(d,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=1.8Hz,1H)、8.32(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−130.41(m,2F)、−122.55(s,2F)、−121.81(s,2F)、−121.47(s,2F)、−119.88(s,2F),−106.67(t,J=13.8Hz,2F)
(実施例4)
[化合物(VII−3)の合成]
化合物(VII−2)(5.0g、7.5mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物0.1g(0.30mmol)を水10mLに溶解した。この溶液を50℃に加熱し、過酸化水素水(30%)3.0mL(26.4mmol)を加え、1時間攪拌した。反応終了後、亜硫酸ナトリウムを反応溶液がヨウ素でんぷん用紙で着色しなくなるまで添加し、酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮した。得られた有機物を酢酸エチルに溶解させ、充填剤にシリカゲル、溶離液に酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−3)が2.27g(3.29mmol、収率44%)得られた。HPLCを用いて純度を測定したところ、98.6%(測定波長254nm)だった。
[化合物(VII−3)の合成]
化合物(VII−2)(5.0g、7.5mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物0.1g(0.30mmol)を水10mLに溶解した。この溶液を50℃に加熱し、過酸化水素水(30%)3.0mL(26.4mmol)を加え、1時間攪拌した。反応終了後、亜硫酸ナトリウムを反応溶液がヨウ素でんぷん用紙で着色しなくなるまで添加し、酢酸エチル−水系で反応溶液を抽出し、得られた有機相を濃縮した。得られた有機物を酢酸エチルに溶解させ、充填剤にシリカゲル、溶離液に酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィー精製を行った。その結果、化合物(VII−3)が2.27g(3.29mmol、収率44%)得られた。HPLCを用いて純度を測定したところ、98.6%(測定波長254nm)だった。
以下に得られた化合物(VII−3)のNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.73(dm,J=8.7Hz,2H)、8.02(d,J=8.7Hz,1H)、8.08(dm,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=2.4Hz,1H)、8.32(dd,J=8.7Hz,2.4Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−121.40(m,4F)、−120.39(m,2F)、−119.87(m,2F)、−114.59(m,2F)、−106.52(m,2F)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ7.73(dm,J=8.7Hz,2H)、8.02(d,J=8.7Hz,1H)、8.08(dm,J=8.7Hz,2H),8.18(d,J=2.4Hz,1H)、8.32(dd,J=8.7Hz,2.4Hz,1H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−121.40(m,4F)、−120.39(m,2F)、−119.87(m,2F)、−114.59(m,2F)、−106.52(m,2F)
(実施例5)
[化合物(VII−3)とビスフェノールの重縮合]
化合物(VII−3)(0.3446g、0.500mmol)、ビスフェノール(0.1142g、0.500mmol)、炭酸カリウム(0.104g、0.750mmol)をN−メチルピペリドン5mL、トルエン5mLに加え、外温130℃で2時間加熱し、反応系内に存在する微量の水をディーンスタークで除去した。その後、外温195℃で20時間加熱した。放冷後、酢酸エチル−水で抽出し、有機溶媒を濃縮することで、重合体が0.27g得られた。この高分子は、質量平均分子量61,500、重量平均分子量104,000(ポリスチレン換算)であった。
[化合物(VII−3)とビスフェノールの重縮合]
化合物(VII−3)(0.3446g、0.500mmol)、ビスフェノール(0.1142g、0.500mmol)、炭酸カリウム(0.104g、0.750mmol)をN−メチルピペリドン5mL、トルエン5mLに加え、外温130℃で2時間加熱し、反応系内に存在する微量の水をディーンスタークで除去した。その後、外温195℃で20時間加熱した。放冷後、酢酸エチル−水で抽出し、有機溶媒を濃縮することで、重合体が0.27g得られた。この高分子は、質量平均分子量61,500、重量平均分子量104,000(ポリスチレン換算)であった。
以下に得られたポリマーのNMRスペクトルデータを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ1.68(s,6H)、7.01−7.15(m,7H)、7.30−7.39(m,4H),7.95−8.15(m,2H)、8.18−8.20(m,2H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−121.41(brs,4F)、−120.65(brs,2F)、−120.46(brs,2F)、−114.55(brs,2F)、−107.32(brs,2F)
1H NMR(300MHz,溶媒 重DMSO)δ1.68(s,6H)、7.01−7.15(m,7H)、7.30−7.39(m,4H),7.95−8.15(m,2H)、8.18−8.20(m,2H)19F NMR(282MHz,溶媒 重DMSO)δ−121.41(brs,4F)、−120.65(brs,2F)、−120.46(brs,2F)、−114.55(brs,2F)、−107.32(brs,2F)
(比較例1)
[4,4‘−ジクロロジフェニルスルホンの臭素化]
[4,4‘−ジクロロジフェニルスルホンの臭素化]
4,4’−ジクロロジフェニルスルホン5.0g(17.5mmol)をテトラヒドロフラン20mLに加えた。その後、N−ブロモこはく酸イミド3.40g(17.5mmol)を添加したが、反応は全く進行しなかった。
(比較例2)
[4,4‘−ジクロロジフェニルスルホンのニトロ化]
[4,4‘−ジクロロジフェニルスルホンのニトロ化]
4,4’−ジクロロジフェニルスルホン50g(175mmol)を硫酸150mLに溶解した。そこに、亜硝酸ナトリウム8.5g(100mmol)を分割添加したところ、(III−1)以外に、化合物Aが精製した。これらの分離はできなかった。
(比較例3)
[4−クロロベンゼンスルホン酸クロリドの臭素化]
[4−クロロベンゼンスルホン酸クロリドの臭素化]
4−クロロベンゼンスルホン酸クロリド12.7g(60mmol)を硫酸30mL、水10mLに溶解させた。その後、50℃に加熱し、KBrO3(10.0g、60mmol)を分割添加したが、反応は全く進行せず、化合物Bは生成しなかった。
(比較例4)
[クロロブロモベンゼンと4−クロロベンゼンスルホン酸クロリドのフリーデル−クラフツ反応]
[クロロブロモベンゼンと4−クロロベンゼンスルホン酸クロリドのフリーデル−クラフツ反応]
4−クロロベンゼンスルホン酸クロリド12.7g(60mmol)をクロロブロモベンゼン20mLに溶解させ、100℃に加熱した。次に、塩化アルミニウム12.0g(90mmol)を分割添加したところ、化合物(VI−1)以外に化合物Cが生成した。これらの分離はできなかった。
臭素及びヨウ素を一置換した4,4’−ジクロロジフェニルスルホンや4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシドの合成法として、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンや4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシドのハロゲン化が考えられた。しかし、目的とするハロゲン化はできなかった(比較例1参照)。これらのモノマーは強い電子求引基を有するためと考えられる。
また、臭素原子、ヨウ素原子を導入する方法として、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンや4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシドをニトロ化、還元、ジアゾ化を経て、ザンドマイヤー反応を行う方法が考えられた。ニトロ化の例としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンのニトロ化が報告されている(ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、1937年、242頁)。しかし、この方法を用いてニトロ化を行っても、選択性が非常に悪く、さらに生成物の溶解性も悪く、その精製はできなかった(比較例2参照)。
さらにまた、臭素及びヨウ素を一置換した4−クロロベンゼンスルホニルクロリドとクロロベンゼンとのフリーデル−クラフツ反応により、臭素及びヨウ素を一置換した4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを合成することが考えられた。しかし、4−クロロベンゼンスルホニルクロリドの臭素化を検討したところ、非常に難しく、反応が全く進行しなかった(比較例3参照)。
また、4−クロロベンゼンスルホニルクロリドと1,2−ジハロゲン化ベンゼンとのフリーデル−クラフツ反応による3,4,4’−トリクロロジフェニルスルホンの合成が報告されている(非特許文献2参照)。この方法を応用して4−クロロベンゼンスルホニルクロリドとo−クロロブロモベンゼンとのフリーデル−クラフツ反応を行ったが、選択性が悪く、精製も不可能であった(比較例4参照)。
これに対し本発明製造方法によれば、安価な原料である化合物(I),(II)から製造適性のある工程を経由することにより、化合物(VI)で表される化合物、さらには化合物(VII)で表される化合物を高選択的に合成することが可能となった。
Claims (10)
- 一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを反応させて一般式(III)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(III)で表される化合物を還元して一般式(IV)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(IV)で表される化合物をジアゾ化して一般式(V)で表される化合物を合成する工程と、
一般式(V)で表される化合物をザンドマイヤー反応により反応させて一般式(VI)で表される化合物を合成する工程と、
を含むことを特徴とする新規芳香族化合物の製造方法。
- 請求項1で合成された一般式(V)又は(VI)で表される化合物を、金属触媒存在下、一般式(VIII)で表される化合物と反応させて、一般式(VII)で表される化合物を合成する工程を含むことを特徴とする新規芳香族化合物の製造方法。
- 連結基Yが−SO2−であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の新規芳香族化合物の製造方法。
- 脱離基X3がフッ素原子又は塩素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の新規芳香族化合物の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする一般式(VI)で表される新規芳香族化合物。
- 3−ブロモ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン。
- 請求項2に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする前記一般式(VII)で表される新規芳香族化合物。
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CN115286543A (zh) * | 2022-09-05 | 2022-11-04 | 富海(东营)新材料科技有限公司 | 利用全氟烷基磺酸离子液体制备4,4′-二氯二苯砜的工艺 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006098806A patent/JP2007269718A/ja active Pending
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