JP2007268936A - 紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙容器を製造する時に、低温シール性に優れ、熱シールの際段差のある部分にも充分対応でき、ピンホールの発生のない構成の積層材からなる紙容器、特に、バリア性層と熱可塑性樹脂層との接着性が良好である紙容器を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも、最外層、紙基材層、熱可塑性樹脂層、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けた構成からなるバリア性層、中間ポリエチレン層、該中間ポリエチレン層側をポリオレフィン樹脂とし、接内容物側をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体とした共押し出しにより積層してなる最内層を順次積層した積層材を使用してなることを特徴とする紙容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、密封性が良好な紙容器に関するものであり、詳しくは、バリア性に優れ、シール不良、液漏れ等を回避した、保存性、貯蔵性に優れた紙容器に関するものである。
従来より、酒類、果汁類、清涼飲料類、乳製飲料類、液体調味料類等の種々の液体等の飲食物等を充填包装するために、種々の形態からなる紙容器が、開発され、提案されている。それらの紙容器に使用される材料は種々の構成からなり、例えば、最外層(ポリオレフィン系樹脂層)/紙基材層/接着性樹脂層/バリア性層/最内層(ポリオレフィン系樹脂層)の順で構成されたものがあげられる。
このような構成の材料を使用した紙容器では、主に低密度ポリエチレン樹脂からなる最内層を加熱して溶かして容器に成形しているが、バリア性層として、AL箔以外で基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜を積層させた場合、熱伝導性が悪く、そのため、低密度ポリエチレン層を溶かすのに充分な加熱を行うと、しばしばバリア性層にピンホールが発生することがあり、逆に加熱が不足するとピンホールは発生しないものの充分なシールができないという問題がある。また、AL箔をバリア性層として使用した場合、熱伝導性が良く、ピンホールの発生が少ないものの、シールの際に段差部の埋まりにおいて、充分ではなく、漏れ等が発生していた。従って、ピンホールの発生がなく、かつ、シール不良のないシール条件を設定することは非常に難しく、シール条件の許容範囲は非常に狭いものであった。この問題を解決するために、最内層にエチレン−α・オレフイン共重合体を用いた構成の積層材からなる紙容器も使用されている(例えば、特許文献1参照。)。また、最内層にエチレン−α・オレフイン共重合体に低密度ポリエチレン樹脂を含有させた樹脂を用いた構成の積層材からなる紙容器も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−337237号公報 特開平9−193323号公報
しかしながら、最内層にエチレン−α・オレフイン共重合体を用いた構成の積層体としても、紙容器を成形する熱シールの際、特に段差のある部分を埋める必要がある場合には、流れが不十分であり、紙容器に内容物を充填して使用した時に、内容物の漏れ等を発生しやすくなるという問題があり、また、最内層にエチレン−α・オレフイン共重合体を用いた構成の材料をブランクに打抜く打ち抜き加工で、カッティング不良を起こしやすいという問題もある。また、最内層にエチレン−α・オレフイン共重合体に低密度ポリエチレン樹脂を含有させた樹脂からなる層とした場合、低温シール性の点で不十分であり、また、加工上において、二種類の樹脂をドライブレンドする必要があり手間が掛かるという問題がある。
また、バリア性層として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、あるいは、2軸延伸ナイロンフィルム等の基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた透明バリア性フィルムを使用する場合、該透明バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜は、ガラス質の、非可撓性の薄膜であって、柔軟性に著しく欠ける薄膜であることから、例えば、外部から、熱、あるいは、圧等の作用により簡単にクラック等が発生するという問題点があり、一度、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生すると、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に著しく欠け、もはや、その使用に耐えないという欠点がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、最外層、紙基材層、熱可塑性樹脂層、バリア性層、中間ポリエチレン層、最内層を順次積層した積層材から紙容器を製造する時に、低温シール性に優れ、熱シールの際段差のある部分にも充分対応でき、ピンホールの発生のない構成の積層材からなる紙容器、特に、バリア性素材としてのバリア性層を構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生することを防止すると共に炙りピンホ−ル等の発生を皆無とし、これにより、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、ピンホ−ルの発生に伴う液漏れ等を回避し、内容物の変質等を防止すると共に保存性、貯蔵性等に優れた極めて有用な紙容器を提供することを目的とするものである。
少なくとも、最外層、紙基材層、熱可塑性樹脂層、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けた構成からなるバリア性層、中間ポリエチレン層、該中間ポリエチレン層側をポリオレフィン樹脂とし、接内容物側をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体とした共押し出しにより積層してなる最内層を順次積層した積層材を使用してなることを特徴とする紙容器であり、前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜と前記ガスバリア性塗布膜とが、前記紙基材層の面に対向して積層した積層材からなることを特徴とし、また、前記バリア性層を構成する前記基材フィルムが、2軸延伸加工した樹脂のフィルムまたはシートからなることを特徴とし、さらに、前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法によることを特徴とし、前者の化学気相成長法の場合、酸化珪素からなること、あるいは、後者の物理気相成長法の場合、酸化アルミニウムの蒸着膜からなることが好ましい。
また、前記バリア性層を構成する前記ガスバリア性塗布膜が、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるコーティング膜からなることを特徴とする。
さらに、前記最内層を構成する接内容物側の層の前記エチレン−α・オレフイン共重合体樹脂の密度が0.880〜0.920g/cm3の範囲であり、メルトインデックスが0.2〜20g/10分の範囲であることを特徴とし、前記最内層を構成する前記中間ポリエチレン層側の前記ポリオレフィン樹脂からなる層(最内層の中間ポリエチレン層側の層)と前記接内容物側の前記エチレン−α・オレフイン共重合体からなる層(最内層の接内容物側の層)との厚み比[最内層の接内容物側の層の厚さ/最内層の中間ポリエチレン層側の層の厚さ]が、0.05〜1.5の範囲であることを特徴とする。
本発明は、少なくとも、最外層、紙基材層、熱可塑性樹脂層、バリア性層、中間ポリエチレン層、最内層を順次積層した積層材を使用してなる紙容器において、最内層を共押し出しによる2層とし、中間ポリエチレン層側をポリオレフィン樹脂とし、接内容物側をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体層を積層することにより、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体層単層仕様より、中間ポリエチレン層側のポリオレフィン樹脂の影響により流動性が上がり段差部シールが改善し、また、シール面にメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体層を積層しているため、低温シール性は保持され、かつ、ホットタック性も優れている。従って、積層材から紙容器を製造する時に、低温シール性に優れ、熱シールの際段差のある部分にも充分対応できるという効果を有している。また、バリア性素材としてのバリア性層を構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生することを防止すると共に炙りピンホ−ル等の発生を皆無とし、これにより、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、ピンホ−ルの発生に伴う液漏れ等を回避し、内容物の変質等を防止すると共に保存性、貯蔵性等に優れた極めて有用な紙容器を製造し得ることができるというものである。
上記の本発明について以下に図面等を用いてさらに詳しく説明する。まず、本発明にかかる紙容器を構成する積層材等の構成についてその一二例を例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる紙容器を構成する積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
まず、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aとしては、図1に示すように、少なくとも、最外層1、紙基材層2、熱可塑性樹脂層3、基材フィルム4aの一方の面に無機酸化物の蒸着膜4bとガスバリア性塗布膜4cとを設けた構成からなるバリア性層4、中間ポリエチレン層5、中間ポリエチレン層5側をポリオレフイン樹脂とし、接内容物側をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−オレフイン共重合体とした共押し出しにより積層してなる最内層6を順次積層した構成を基本構造とするものである。
上記の例示は、本発明にかかる紙容器を構成する積層材Aについてその一二例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。例えば、本発明においては、図示しないが、上記のような積層材Aの構成において、バリア性層4を構成する無機酸化物の蒸着膜4bとガスバリア性塗布膜4cとの面は、紙基材層2の面、あるいは、最内層6の面のいずれの面に対向させて積層してもよいものであるが、好ましくは、紙基材層2の面に対向させて積層することが望ましいものである。また、例えば、本発明においては、図示しないが、バリア性層4を構成する無機酸化物の蒸着膜4bとしては、無機酸化物の蒸着膜の一層からなる単層膜のみならず同種あるいは異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる多層膜あるいは複合膜等でもよく、さらにまた、本発明においては、紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その使用目的、用途等によって、さらに、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる積層材を設計して製造することができるものである。
つぎに、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aを構成する各層、および製造方法について詳しく説明する。まず、積層材Aを構成する最外層1としては、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体等の樹脂を使用することができる。本発明においては、上記のような樹脂の1種または2種以上を使用し、これを押出し機等を用いて溶融押出して、例えば、紙基材層2の一方の面に、コロナ処理・フレーム処理若しくはアンカーコート剤層等を介して、溶融押出し樹脂層を溶融押出して積層することにより、最外層1を形成することができる。なお、本発明において、最外層1の厚さとしては、5〜200μmの範囲、好ましくは、10〜100μmの範囲が望ましいものである。なお、本発明において、上記の最外層1には、例えば、文字、図形、絵柄、記号等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
つぎに、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aを構成する紙基材層2としては、これが紙容器を構成する基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材層2、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の各種の紙を使用することができる。また、本発明において、上記の紙基材層2の材料としては、坪量が80〜600g/m2の範囲のもの、好ましくは、坪量が100〜450g/m2の範囲のものを使用することができる。なお、本発明において、上記の紙基材層2には、例えば、文字、図形、絵柄、記号等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
つぎにまた、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aを構成する熱可塑性樹脂層3は、紙基材層2とバリア性層4とを密接着させるものであり、通常、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等を使用し、これを加熱して溶融押出しながら積層するものであり、例えば、押出し機等を使用し、紙基材層2とバリア性層4との層間に、上記のような樹脂の1種または2種以上を単層または多層に溶融押出ししながら熱可塑性樹脂層3を形成し、その溶融押出しした熱可塑性樹脂層3を介して、上記の紙基材層2とバリア性層4とを積層することができるものである。なお、本発明において、上記の熱可塑性樹脂層3の膜厚としては、10〜100μmの範囲、好ましくは、15〜60μmの範囲である。上記において、膜厚が、10μm未満であると、炙りピンホールが発生し易くなることから好ましくなく、また、膜厚が、100μmを越えると、底部およびトップ部の成形性が非常に悪くなることから好ましくないものである。
つぎに、本発明において、本発明にかかる紙容器に使用する積層体Aを構成するバリア性層4について説明すると、まず、バリア性層4を構成する基材フィルム4aとしては、これに無機酸化物の蒸着膜4bを設けることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムまたはシートを使用することができる。具体的には、本発明において、基材フィルム4aとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂のフィルムまたはシートを使用することができる。なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムまたはシートを使用することが好ましいものである。
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムまたはシートとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種またはそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、さらには、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムまたはシートを製造し、さらに、要すれば、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して1軸または2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムまたはシートを使用することができる。本発明において、各種の樹脂のフィルムまたはシートの膜厚としては、6〜100μmの範囲、より好ましくは、9〜50μmの範囲が望ましい。
また、本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムまたはシートの表面には、後述する無機酸化物の蒸着膜4bとの密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムまたはシートと後述する無機酸化物の蒸着膜4bとの密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムまたはシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体または変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
つぎに、本発明において、バリア性層4を構成する無機酸化物の蒸着膜4bについて説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜4bとしては、例えば、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
本発明において、上記の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜4bについて、さらに説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜4bとしては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜4bを形成することができる。本発明においては、具体的には、基材フィルム4aの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、さらに、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜4bを形成することができる。上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜4bは、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルム4aの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX(ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。上記の酸化珪素の蒸着膜4bとしては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX(ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜4bを主体とする薄膜であることが好ましいものである。上記において、Xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、上記の酸化珪素の蒸着膜4bは、酸化珪素を主体とし、これに、さらに、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜4bからなることを特徴とするものである。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、さらに、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜4b中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜4b中に含有する含有量としては、0.1〜50%の範囲、好ましくは、5〜20%の範囲が望ましいものである。上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜4bの耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。さらに、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜4bにおいて、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜4bの表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜4bの表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルム4aとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルム4aと酸化珪素の蒸着膜4bとの密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
つぎに、本発明において、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜4bについて、さらに詳しく説明すると、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜4bとしては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜4bを形成することができる。本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルム4aの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルム4aの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、さらに酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜4bを形成することができる。上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
上記において、無機酸化物の蒸着膜4bとしては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX、AlOX、MgOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜4bの膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Åの範囲、好ましくは、100〜1000Åの範囲の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜4bとしては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜4bを構成することもできる。
ところで、本発明において、本発明にかかる紙容器等を構成する無機酸化物の蒸着膜4bとして、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできるものである。上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルム4aの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、ついで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルム4aの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、つぎに、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜4bを構成することもできるものである。
つぎに、本発明において、バリア性層4を構成するガスバリア性塗布膜4cについて説明すると、かかるガスバリア性塗布膜4cとしては、例えば、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾル−ゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製する工程、基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの上に、必要ならば、酸素ガスによるプラズマ処理面等を介して、上記のゾル−ゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設ける工程、上記の塗工膜を設けた基材フィルム4aを、20℃〜180℃で、かつ、上記の基材フィルム4aの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して、上記の基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの上に、要すれば、酸素ガスによるプラズマ処理面等を介して、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜4cを形成する工程等を包含する製造工程により製造することができる。
なお、本発明に係るバリア性層4を構成するガスバリア性塗布膜4cとしては、このガスバリア性組成物を使用し、基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの上に、2層以上重層し、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜4cを2層以上重層した複合ポリマー層を形成して製造することもできる。
本発明に係るバリア性層4を構成するガスバリア性塗布膜4cを形成する一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができ、また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよくさらに、加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を使用することができる。本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。また、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
本発明において、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、例えば、MがSiであるアルコキシシランを使用することが好ましいものであり、一般式Si(ORa)4(ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH34、テトラエトキシシラン Si(OC254、テトラプロポキシシラン Si(0C374、テトラブトキシシラン Si(OC494等を使用することができる。
また、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、例えば、一般式RbnSi(ORc)4-m(ただし、式中、nは、0以上の整数を表し、mは、1、2、3の整数を表し、Rb、Rcは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他を表わす。)で表されるアルキルアルコキシシランを使用することができる。具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3Si(OCH33、メチルトリエトキシシラン CH3Si(OC253、ジメチルジメトキシシラン (CH32Si(OCH32、ジメチルジエトキシシラン (CH32Si(OC253等を使用することができる。また、上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。さらに、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン等を使用することができる。
つぎに、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、例えば、MがZrであるジルコニウムアルコキシドを使用することができる。具体例としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム Zr(OCH34、テトラエトキシジルコニウム Zr(OC254、テトラiプロポキシジルコニウム Zr(is0−0C374、テトラnブトキシジルコニウム Zr(OC494等を使用することができる。
また、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、例えば、MがTiであるチタニウムアルコキシドを使用することができる。具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH34、テトラエトキシチタニウム Ti(OC254、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C374、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC494等を使用することができる。
さらに、上記の一般式R1nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、例えば、MがAlであるアルミニウムアルコキシドを使用することができる。具体例としては、例えば、テトラメトキシアルミニウム Al(OCH34、テトラエトキシアルミニウム Al(OC254、テトライソプロポキシアルミニウム Al(is0−0C374、テトラnブトキシアルミニウム Al(OC494等を使用することができる。
なお、上記のようなアルコキシドは、その2種以上を混合して用いてもよいものである。本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避されるものである。上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものであり、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜4cが、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜4cが剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
また、本発明において、特に、アルコキシシランとチタニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるガスバリア性塗布膜4cの熱伝導率が低くなり、その耐熱性が著しく向上するという利点がある。チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものであり、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜4cの脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜4cが剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
つぎに、本発明に係るバリア性層4を構成するガスバリア性塗布膜4cを形成するポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、ポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体を単独で各々使用することができ、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することができ、而して、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することにより、ガスバリア性塗布膜4cのガスバリア性、耐水性、耐候性、その他等の物性を著しく向上させることができるものである。特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜4cを形成することができるものである。
本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合、それぞれの配合割合としては、重量比で、ポリビニルアルコール系樹脂:エチレン・ビニルアルコール共重合体=10:0.05〜10:6位であることが好ましく、さらには、約10:1位の配合割合で使用することがさらに好ましいものである。
また、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体との含有量は、上記のアルコキシドの合計量100重量部に対して5〜500重量部の範囲であり、好ましくは、約20〜200重量部位の配合割合でガスバリア性組成物を調製することが好ましいものであり、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜4cの脆性が大きくなり、その耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、さらに、5重量部を下回るとガスバリア性が低下することから好ましくないものである。
本発明において、ポリビニルアルコ一ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、まず、ポリビニルアルコ一ル系樹脂としては、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものを使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
また、本発明において、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである。また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
つぎに、本発明において、本発明に係るバリア性層4を構成するガスバリア性塗布膜4cを形成するガスバリア性組成物について説明すると、かかるガスバリア性組成物としては、前述のような一般式R1nM(OR1)mで表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾル−ゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製するものである。
上記のガスバリア性組成物を調製するに際し、例えば、シランカップリング剤等も添加することができるものである。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができ、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜4cの剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜4cの絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
つぎに、上記のガスバリア性組成物において用いられる、ゾル−ゲル法触媒、主として、重縮合触媒としては、水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンが用いられる。具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適であり、その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾル−ゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
さらに、上記のガスバリア性組成物においては、上記のアルコキシドの合計モル量1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは、0.8から2モルの割合の水をもちいることができる。上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、さらに、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、そのような多孔性のポリマーは、ガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものであり、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
さらにまた、上記のガスバリア性組成物において用いられる、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、その他等を用いることができる。上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾル−ゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
つぎに、本発明に係るガスバリア性塗布膜4cは、具体的には、例えば、以下のようにして製造される。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾル−ゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。つぎに、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。ついで、基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。この乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。さらに、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルム4aを20℃〜200℃の範囲位で、かつ、基材フィルム4aの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜160℃の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理して、基材フィルム4aの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜4bの上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜4cを1層ないし2層以上形成して、本発明に係るバリア性層4を構成することができる。このようにして得られた本発明に係るバリア性層4は、ガスバリア性に優れているものである。
なお、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂の代わりに、エチレン・ビニルアルコール共重合体、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者を用いて、上記と同様に、塗工、乾燥および加熱処理を行うことにより製造される本発明に係るガスバリア性積層フィルムにおいては、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理後のガスバリア性がさらに向上するという利点を有するものである。
さらに、本発明においては、上記のようにエチレン・ビニルアルコール共重合体、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用しない場合、すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂のみを使用して、本発明に係るバリア性層4を構成する場合には、熱水処理後のガスバリア性を向上させるために、例えば、予め、ポリビニルアルコール系樹脂を使用したガスバリア性組成物を塗工して第1の塗工層を形成し、ついで、その塗工層の上に、エチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物を塗工して第2の塗工層を形成し、それらの複合層を形成することにより、本発明に係るバリア性層4のガスバリア性を向上させることを可能とするものである。
さらにまた、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物により形成される塗工層、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて含有するガスバリア性組成物により形成される塗工層を、複数層重層して形成することによっても、本発明に係るバリア性層4のガスバリア性の向上に有効な手段となるものである。
つぎに、本発明に係るガスバリア性塗布膜4cの製造法について、アルコキシドとして、アルコキシシランをする場合を事例としてその作用を説明すると、まず、アルコキシシランおよび金属アルコキシドは、添加された水によって、加水分解される。その際、酸が加水分解の触媒となる。
ついで、ゾル−ゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。この時、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する。上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、さらに、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾル−ゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、ついで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
Figure 2007268936
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Figure 2007268936
Figure 2007268936
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上記の反応は常温で進行し、ガスバリア性組成物(塗工液)は、調製中に粘度が増加する。このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルム4aの一方の面に設けたと無機酸化物の蒸着膜4bの上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの上に透明な塗工層が形成される。上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。さらに、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの表面の水酸基等と結合するため、基材フィルム4aの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜4bの表面と、塗工層との密着性、接着性等も良好なものとなるものである。
本発明の方法においては、添加される水の量が、アルコキシド類1モルに対して0.8〜2モル、好ましくは、1.5モルに調節されているため、上記の直鎖状のポリマーが形成される。このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
本発明に係るバリア性層4は、上記のような優れた特性を有するので、包装材料として有用であり、特に、ガスバリア性(O2、N2、H2O、CO2等の透過を遮断、阻止する)に優れるため、包装用フィルムを構成するバリア性基材として、好適に使用されるものである。特に、N2あるいは、CO2ガス等を充填した、いわゆる、ガス充填包装に用いた場合には、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。さらに、本発明に係るガスバリア性積層フィルムは、熱水処理、特に、高圧熱水処理(レトルト処理)に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
本発明においては、無機酸化物の蒸着膜4bとガスバリア性塗布膜4cとが、例えば、加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、あるいは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜4bとガスバリア性塗布膜4cとの密着性が向上し、その2層の相乗効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得るものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、さらに、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明の第1または第2のガスバリア性塗布膜4cを形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜4bの上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
つぎに、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aを構成する中間ポリエチレン層5は、最内層6のシール性を付与する層であり、耐ピンホール性をよくする効果も有している。さらに、押し出し加工で形成する場合、バリア性層4と後述する最内層6とを接着する機能を有し、バリア性層4と最内層6との接着力を高くすることができる。
中間ポリエチレン層5を形成するポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体等を用いることができる。
中間ポリエチレン層5を形成するポリエチレンの密度は、0.890〜0.930g/cm3の範囲とし、好ましくは0.900〜0.925g/cm3の範囲とする。
このような中間ポリエチレン層5の厚さは、10〜100μmの範囲とし、好ましくは20〜80μmの範囲とする。この中間ポリエチレン層5は、良好な耐ピンホール性を付与するためにはフィルム状を使用することが好ましいが、バリア性層4と後述の最内層6とをサンドラミネートするために溶融して押出しコーティングして形成することもできる。
つぎに、本発明にかかる紙容器に使用する積層材Aを構成する最内層6としては、紙容器の内容物と直接に接する層であり、紙容器に成形する際に最外層1とのシール性を必要とする層である。本発明の積層体Aにおける最内層6は、中間ポリエチレン層側の層6aをポリオレフイン樹脂とし、接内容物側の層6bをメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体とした共押し出しにより形成されている。最内層6がポリオレフィン樹脂単層の場合は、樹脂の流動性は良いものの、低温シール性が悪い欠点があり、また、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体単層であると、低温シール性及びホットタック性は改善されるものの、埋まり性が悪い欠点がある。また、中間ポリエチレン層側にメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体樹脂を、接内容物側にポリオレフィン樹脂積層した場合、面々の低温シール性が充分でなく好ましくない。従って、本発明のように、中間ポリエチレン層側にポリオレフィン樹脂、接内容物側にメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体樹脂を積層させることにより、低温シール性・ホットタック性が良好で、かつ、段差部のシール性が良好なものとなる。
この最内層6の中間ポリエチレン層側の層6aのポリオレフイン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等を使用することができる。中でも、チーグラー触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体が好ましい。溶融粘度は、低剪断速度においてはメタロセン触媒よりチーグラー触媒を用いて重合されたエチレン−α・オレフイン共重合体の方が大きく、高剪断速度では、メタロセン触媒よりチーグラー触媒を用いて重合されたエチレン−α・オレフイン共重合体の方が小さい。従って、紙容器等の成形におけるシールを考慮すると、剪断速度が速い場合と考えられる為、チーグラー触媒を用いて重合されたエチレン−α・オレフイン共重合体の方が溶融しやすく、樹脂の埋まり性には有利に働く。
この最内層6の中間ポリエチレン層側の層6aのポリオレフイン樹脂に使用する樹脂の密度は、0.890〜0.930g/cm3の範囲とし、好ましくは0.900〜0.925g/cm3の範囲とする。この最内層6の中間ポリエチレン層側の層6aの厚さは、10〜100μmの範囲とし、好ましくは20〜80μmの範囲とする。10μm未満では樹脂の流動性が落ちる為、シール性が劣り好ましくない。また、100μmを超える場合は、打ち抜き適性が悪くなったり、成形不良を生じたりして好ましくない。
また、最内層6の接内容物側の層6bの樹脂としては、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層を使用する。このメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して、エチレンとα・オレフィンとを共重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。本発明において、接内容物側の層6bの膜厚としては、10〜100μmの範囲とし、好ましくは、20〜80μmの範囲とする。10μm未満ではシール性・ホットタック性が劣り好ましくない。また、100μmを超える場合は、打ち抜き適性が悪くなったり、成形不良を生じたりして好ましくない。
本発明において、エチレンと共重合されるコモノマーであるα・オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。上記のα・オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記のα・オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%の範囲、望ましくは、10〜30重量%の範囲とすることが好ましい。本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の物性は、密度dが、0.880〜0.920g/cm3の範囲、メルトインデックス〔MI〕が、0.2〜20g/10分の範囲である。0.880g/cm3未満の場合、切れ性が悪くブランクの打抜き等でトラブルを生じ易い。また、滑り性も極端に悪くなり好ましくない。0.920g/cm3を超えた場合は、シール性・ホットタック性が悪くなり好ましくない。
なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機または有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
上記のように、接内容物側の層6bの前記エチレン−α・オレフイン共重合体からなる層と中間ポリエチレン層側の層6aの前記ポリオレフィン樹脂からなる層の2層の共押出し積層樹脂層を形成する方法としては、インフレーション法、Tダイ法、押出しラミネート等があり、中間ポリエチレン層に共押し出しにより積層する。押出しラミネートの場合はオゾン処理を行うことが好ましい。中間ポリエチレン層側の層6aと接内容物側の層6bとからなる最内層6全体の厚さは、20〜200μm範囲が好ましい。総厚が20μm未満の場合、シール性・埋まり性が悪く好ましくない。また、200μmを超えた場合、成形性が悪くなり好ましくない。
また、最内層6における、エチレン−α・オレフイン共重合体層(接内容物側の層6b)とポリオレフィン樹脂層(中間ポリエチレン層側の層6a)との厚み比[最内層6の接内容物側の層6bの厚さ/最内層6の中間ポリエチレン層側の層6aの厚さ]を0.05〜1.5の範囲としている。厚み比が0.05未満の場合、エチレン−α・オレフイン共重合体層(接内容物側の層6b)が薄くなる為、シール性・ホットタック性・密封性が低下する為、好ましくない。また、1.5を超える場合は、エチレン−α・オレフイン共重合体層(接内容物側の層6b)が厚くなる為、樹脂の流動性が悪く、シールの埋まり性が低下する為、好ましくない。
この最内層6は、中間ポリエチレン層5に共押し出し加工により、ダイレクトに積層される。さらに、接着強度が不十分な場合、最内層6の中間ポリエチレン層側の層6aの表面には、オゾン処理等を適宜行うことができる。その他の積層方法として、中間ポリエチレン層15を接着層として、バリア性層4と最内層6とをサンドイッチラミネーションしても良いし、中間ポリエチレン層15と最内層6の3層を共押出しして、バリア性層4にダイレクトに積層しても良い。また、最内層6をインフレーション法、Tダイ法等により、予め2層からなるフィルムを製膜して、中間ポリエチレン層5とドライラミネート等の接着剤を用いて積層しても良い。
これらの層構成からなる積層体を用いた紙容器の製造は、例えば、紙容器の場合、前述の層構成からなる積層体のシートの外面に印刷を行った後、打ち抜き、端面をスカイブヘミングして内容物が端面に接触しないようにしてから充填装置内で底部およびトップ部を熱風加熱、火炎加熱等によりヒートシールして紙容器とする。
この積層体を使用した紙容器の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定すればよく、主に、紙カップ容器として使用することができ、例えば、その形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形等の角形形状、あるいは、丸形等の円筒形状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。また、ゲーベルトップ型に使用することができ、ゲーベルトップ型以外の形状、例えば、ブリック型、フラットトップ型、丸筒型、角筒型、紙カップ等にも使用することができる。また、この紙容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
上記の本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
<実施例1>
内容物がジュースである筒状の紙容器を作製した。
まず、上蓋として、プラズマ化学気相成長装置で、基材フィルムである厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ120Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し、酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
つぎに、形成したプラズマ処理面に、調製したポリビニルアルコールと、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液(組成A)に、予め調製したエチルシリケート、シランカップリング剤、塩酸、イソプロピルアルコール、イオン交換水からなる加水分解液(組成B)を加えて攪拌した無色透明のガスバリア性組成物(塗工液)を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、ついで、140℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.3μm(乾操状態)のガスバリア性塗布膜を設けて、バリア性層を形成した。
組成A ポリビニルアルコール 2.33
イソプロピルアルコール 2.70
イオン交換水 51.20
組成B エチルシリケート 16.60
シランカップリング剤剤 1.66
イソプロピルアルコール 3.90
0.5N塩酸水溶液 0.53
イオン交換水 22.53
合計 100.00
さらに、2液硬化型の脂肪族イソシアネート系ラミネート用接着剤を用いて、バリア性層と60μmのポリエチレンフィルム(以下PEFと記す)をタンデムドライラミネーションをし、バリア性層と中間ポリエチレン層(PEF60μm)を積層したものを作製した。
ついで、予め、ポリエチレンイミンをグラビアコートした140g/m2のカップ原紙の非コート面と上記バリア性層の蒸着膜面を対向させながら、エチレンーメタクリル酸共重合体樹脂をオゾン処理しながらサンドラミし、さらに、ポリエチレンフィルム面に、低密度ポリエチレン樹脂[d=0.907g/cm3、MI=3.7g/10分]とメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフイン共重合体樹脂[d=0.907g/cm3、MI=11.0g/10分]とを使用し、オゾン処理を施しながら、これらを共押出しし、各層厚が20μmになるように、2層共押出し樹脂を積層させて下記のような構成の積層材を得た。
紙140g/m2/EMAA30μm/ガスバリア性組成物コート0.3μm(乾操状態)・酸化珪素蒸着膜120Å・PET12μm/PEF60μm/(LDPE20μm/S−PE20μm)
一方、容器本体及び底材として、同様に、プラズマ化学気相成長装置で、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ120Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し、酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
つぎに、形成したプラズマ処理面に、調製したポリビニルアルコールと、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液(組成A)に、予め調製したエチルシリケート、シランカップリング剤、塩酸、イソプロピルアルコール、イオン交換水からなる加水分解液(組成B)を加えて攪拌した無色透明のガスバリア性組成物(塗工液)を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、140℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.3μm(乾操状態)のガスバリア性塗布膜を設けて、バリア性層を形成した。
さらに、2液硬化型の脂肪族イソシアネート系ラミネート用接着剤を用いて、バリア性層と40μmのポリエチレンフィルム(以下PEFと記す)をタンデムドライラミネーションをし、バリア性層と中間ポリエチレン層(PEF40μm)を積層したものを作製した。
ついで、300g/m2のカップ原紙に低密度ポリエチレン樹脂[d=0.923g/cm3、MI=3.7g/10分]を20μm押出しラミネートし、さらに低密度ポリエチレン層とは逆の面と上記バリア性層の蒸着膜面を対向させながら、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂20μmをサンドラミし、さらに、ポリエチレンフイルム面に、低密度ポリエチレン樹脂[d=0.923g/cm3、MI=3.7g/10分]とメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフイン共重合体樹脂[d=0.907g/cm3、MI=11.0g/10分]とを使用し、オゾン処理を施しながら、これらを共押出しし、各層厚が20μmになるように、2層共押出し樹脂を積層して下記のような構成の積層材を得た。
PE20μm/紙300g/m2/EMAA20μm/ガスバリア性組成物コート0.3μm(乾燥状態)・酸化珪素蒸着膜120Å・PET12μm/PEF40μm/(LDPE20μm/S−PE20μm)
<実施例2>
上記の実施例1において、バリア性層を構成する無機酸化物の蒸着膜が化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜ではなく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜であること以外は、上記の実施例1と全く同様にして、実施例1と同様に、本発明にかかる積層材を製造した。
<実施例3>
まず、上記の実施例1と同様に、バリア性層を製造し、つぎに、300g/m2のカップ原紙とバリア性層の蒸着膜面をエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂20μmをオゾン処理を施しながらサンドラミし、さらにバリア性層のPET面側に2液硬化型AC剤を塗布し低密度ポリエチレン樹脂[d=0.923g/cm3、MI=3.7g/10分]を20μm押出しラミネートした。さらに、上記ラミ原反の紙側に低密度ポリエチレン樹脂[d=0.923g/cm3、MI=3.7g/10分]を20μm押出しラミネートし、反転させ、低密度ポリエチレン樹脂側に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂[d=0.915g/cm3、MI=4.0g/10分]20μとメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフイン共重合体樹脂[d=0.907g/cm3、MI=11.0g/10分]20μmとを共押出しにより積層させて積層材を作製した。
上記作製した胴部ブランク板を筒状に必要な所定の形状に、打抜き加工し、さらに、スカイブ・ヘミング処理等の端面処理を施した。そのブランク板を筒状に巻いてその両側端部を部分的に重ね合せ、その重合部分にホットエアー処理等の加熱処理を行い、最外層と最内層を加熱・加圧接着させ、筒状のカップ胴部を製造した。他方、上記のように製造した、底材を円形状に打抜き加工し、底部を構成する円板を製造し、該円板の外周部を筒状に起立成形した底部を、胴部に挿入し、その筒状のカップ胴部と底部とを、その接合部分に熱風等を吹付け加熱溶融させ、カール用型により胴部の先端部分を内方に折り曲げ、底部起立成形部にかぶせ、ローレットで密着させた。一方、最内層側の上蓋開口部に内面フイルム(PE/EVOH/PE)を位置合わせし、シールヘッドの所定部分を加熱加圧により融着させた。ついで、紙側の上蓋開口部にプルタブを位置合わせし、シールヘッドにより所定部分を加熱加圧により融着させ、ブルタブ、上蓋、内面フィルムの3ピースの開口構造体を得た。上蓋を円形状に打抜き加工し、底部を構成する円板を製造し、該円板の外周部を筒状に起立成形させた。底材を接合した胴部材に所定の充填物を充填し、起立成形させた上蓋を熱風等で加熱溶融させ、カール用型により胴部の先端部分を内方に折り曲げ、底部起立成形部にかぶせ、ローレットで密着させ、筒状の紙容器を得た。
<比較例1>
実施例1の最内層を1層の低密度ポリエチレン40μmにしたこと以外は、全て同一とした紙容器を作製した。
<比較例2>
実施例2の最内層を1層の低密度ポリエチレン40μmにしたこと以外は、全て同一とした紙容器を作製した。
上記の実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2の紙容器のピンホールの発生率を検証したところ、各1000個を製造した中で、実施例1、実施例2および実施例3は漏れなかったが、比較例1は13.2%、比較例2は14.1%の漏れが発生した。
本発明にかかる紙容器は、紙カップ、液体用紙容器、紙缶等に広く利用することができる。例えば、紙カップ容器として使用することができ、例えば、その形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形等の角形形状、あるいは、丸形等の円筒形状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。また、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプ等の液体用紙容器等を製造することができる。また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。本発明にかかる紙容器に使用することができる内容物としては、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品等の種々の物品を充填包装することができるものである。特に、液体用紙容器には、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウオーター、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ等の種々の液体飲食物を充填包装する包装用容器として有用なものである。
本発明にかかる紙容器を構成する積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
符号の説明
A 積層材
1 最外層
2 紙基材層
3 熱可塑性樹脂層
4 バリア性層
4a 基材フィルム
4b 蒸着膜
4c ガスバリア性塗布膜
5 中間ポリエチレン層
6 最内層
6a 最内層(中間ポリエチレン層側)
6b 最内層(接内容物側)

Claims (19)

  1. 少なくとも、最外層、紙基材層、熱可塑性樹脂層、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けた構成からなるバリア性層、中間ポリエチレン層、該中間ポリエチレン層側をポリオレフィン樹脂とし、接内容物側をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体とした共押し出しにより積層してなる最内層を順次積層した積層材を使用してなることを特徴とする紙容器。
  2. 前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜と前記ガスバリア性塗布膜とが、前記紙基材層の面に対向して積層した積層材からなることを特徴とする請求項1に記載する紙容器。
  3. 前記バリア性層を構成する前記基材フィルムが、2軸延伸加工した樹脂のフィルムまたはシートからなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載する紙容器。
  4. 前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法によることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載する紙容器。
  5. 前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素からなることを特徴とする請求項4に記載する紙容器。
  6. 前記バリア性層を構成する無機酸化物の前記蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする請求項4に記載する紙容器。
  7. 前記バリア性層を構成する前記ガスバリア性塗布膜が、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるコーティング膜からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載する紙容器。
  8. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する一般式R1nM(OR2)m中のMが、珪素、ジルコニウム、チタニウム、または、アルミニウムからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載する紙容器。
  9. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記アルコキシドが、アルコキシシランからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載する紙容器。
  10. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記アルコキシドが、アルコキシドの加水分解物、または、前記アルコキシドの加水分解縮合物からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載する紙容器。
  11. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記ガスバリア性組成物が、シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載する紙容器。
  12. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記ガスバリア性組成物が、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾル−ゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載する紙容器。
  13. 前記ガスバリア性塗布膜が、1層ないし2層以上重層した複合ポリマ−層からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載する紙容器。
  14. 前記ガスバリア性塗布膜が、前記ガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設けた前記基材フィルムを、20℃〜200℃で、かつ、前記基材フィルムの融点以下の温度で30秒〜10分間加熱処理した硬化膜からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載する紙容器。
  15. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記ガスバリア性組成物中のゾル−ゲル法触媒が、水に実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンからなることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載する紙容器。
  16. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記ガスバリア性組成物中の第3アミンが、N,N−ジメチルベンジルアミンからなることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載する液体紙容器。
  17. 前記ガスバリア性塗布膜を構成する前記ガスバリア性組成物中の水が、アルコキシド1モルに対して0.1〜100モルの割合で用いられることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載する紙容器。
  18. 前記最内層を構成する接内容物側の層の前記エチレン−α・オレフイン共重合体樹脂の密度が0.880〜0.920g/cm3の範囲であり、メルトインデックスが0.2〜20g/10分の範囲であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の紙容器。
  19. 前記最内層を構成する前記中間ポリエチレン層側の前記ポリオレフィン樹脂からなる層(最内層の中間ポリエチレン層側の層)と前記接内容物側の前記エチレン−α・オレフイン共重合体からなる層(最内層の接内容物側の層)との厚み比[最内層の接内容物側の層の厚さ/最内層の中間ポリエチレン層側の層の厚さ]が、0.05〜1.5の範囲であることを特徴とする請求項18に記載の紙容器。

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