JP2007268859A - シート材の押出成形装置、シート材の押出成形方法、およびシート材 - Google Patents
シート材の押出成形装置、シート材の押出成形方法、およびシート材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】熱可塑性樹脂からなる主材に、主材よりもガラス転移温度または融点の高い副材を分散させた材料からシート材を製造する際、シート材の良品率を高めることができる押出成形装置および押出成形方法を提供する。
【解決手段】本発明のシート材の押出成形装置1は、二種類以上の材料が混合された混合材料を押出成形してシート状に加工する装置であって、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が混合されたものを含む混練材料を、肉厚のシート状に成形しながら押し出す押出機10と、押出機10によって混練材料を肉厚のシート状に形成した中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する横延伸機30と、横延伸機30によって延伸された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する縦延伸機40とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のシート材の押出成形装置1は、二種類以上の材料が混合された混合材料を押出成形してシート状に加工する装置であって、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が混合されたものを含む混練材料を、肉厚のシート状に成形しながら押し出す押出機10と、押出機10によって混練材料を肉厚のシート状に形成した中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する横延伸機30と、横延伸機30によって延伸された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する縦延伸機40とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、シート材の押出成形装置、シート材の押出成形方法、およびその押出成形方法によって製造されたシート材に関する。
シート状またはフィルム状の樹脂成形品を得るために、押出成形装置が用いられている。押出成形装置は、押出機と、キャスティングロールと、縦延伸機と、横延伸機と、切除機と、引取機と、巻取機とを備えている。押出機は、投入口に供給された熱可塑性樹脂を加熱混練することによって溶融された熱可塑性樹脂を、ダイより肉厚のシート状に形成しながら押し出し、キャスティングロールは、押出機によって肉厚のシート状に形成された熱可塑性樹脂を冷却しながら送り出す。縦延伸機は、キャスティングロールから送り出された熱可塑性樹脂をその送り出し方向(すなわち縦方向)に引き延ばし、横延伸機は、縦方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂を送り出し方向と交差する幅方向(すなわち横方向)に引き延ばす。切除機は、縦横二方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を切除する。引取機は、両側縁を切除された熱可塑性樹脂を冷却しながら引き取り、巻取機は、引き取られた熱可塑性樹脂を順次巻き取っていく(例えば、特許文献1参照。)。
押出機によって肉厚のシート状に成形された熱可塑性樹脂の成形品、すなわち中間成形体は、キャスティングロールによって送り出され、縦横二方向に引き延ばされる過程で薄くなり、巻取機に巻き取られる最終成形品は、所定の厚さ(薄さ)に成形される。なお、最終段階での樹脂成形品の厚さは、縦横二方向への引き延ばす過程において引き延ばし比率を調整することにより自在に変更することができる。樹脂成形品は、最終的に非常に薄く成形されればフィルム状に、ある程度の厚さに成形されればシート状になる。そこで、以下では最終段階での樹脂成形品をシート材と称する。
近年、上記のような熱可塑性樹脂を加熱混練する際にも溶融しない融点の高い高融点材料を熱可塑性樹脂に混合し、この混合樹脂材料を上記のような押出成形装置によってシート材を製造することが検討されている。このようにして製造されたシート材は、混合する未溶融材料の種類によって、最終成形品の不透明度、低密度といった特性が付与される。
ところで、加熱によっても溶融しない材料を混ぜた混合樹脂材料からシート材を製造しようとすると、次のような問題が生じる。すなわち、加熱・混練によっても溶融しない材料を混ぜた混合樹脂材料を押出機から押し出すと、押出機から押し出された混合樹脂材料の成形品は、自重により直後に括れるように細くなって送り出される(ネッキング現象)。そして、その細くなった部分の混合樹脂材料には、その送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて極端に大きな応力が生じ、混合樹脂材料に混合された未溶融材料がその応力によって幅方向に圧迫される。未溶融材料は、幅方向に圧迫されると、混合樹脂材料の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりする。
このような傾向は、押し出された混合樹脂材料が縦延伸機によって送り出し方向に引き延ばされることにより、さらに助長されてしまい、加熱された未溶融材料が繊維状に伸び、これが送り出し方向に配向してしまうのである。
このような傾向は、押し出された混合樹脂材料が縦延伸機によって送り出し方向に引き延ばされることにより、さらに助長されてしまい、加熱された未溶融材料が繊維状に伸び、これが送り出し方向に配向してしまうのである。
上記のように未溶融材料が送り出し方向に伸びるように変形して同方向に配向したりすると、押出成形の最終段階に向けて混合樹脂材料に付与されるべき特性が、幅方向の両側縁にあたる部分とそれ以外の部分とで異なってしまう。そればかりか、両側縁の部分が、裂け易い、色合いが異なる等の意図しない特性が付与されてしまい、最終成形品としてのシート材の良品率を低下させる原因となる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂等の溶融する材料に未溶融材料を混ぜた混合樹脂材料からシート材を製造するに際して、シート材の良品率を高めることができる押出成形装置および押出成形方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、特性が均一な良質のシート材を提供することを目的とする。
本発明のシート材の押出成形装置は、熱可塑性樹脂からなる主材と、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出機と、押出機によって肉厚のシート状に成形された中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸機と、第1の延伸機によって延伸された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸機と、を備えることを特徴とする。
本発明のシート材の押出成形方法は、熱可塑性樹脂からなる主材と、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出工程と、肉厚のシート状に成形された中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸工程と、送り出し方向に交差する方向に延伸された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のシート材は、熱可塑性樹脂からなる主材と、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出工程と、肉厚のシート状に成形された中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸工程と、送り出し方向に交差する方向に延伸された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸工程と、を経て製造されることを特徴とする。
本発明のシート材の押出成形装置においては、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材が未溶融状態または軟化した半溶融状態で混練されたものを含む混練材料を押し出すと、ダイより肉厚のシート状に成形されて押し出された中間成形体は、その自重により、いわゆるネッキング現象を起こす。そして、その中間成形体の細くなった部分には、送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて応力が生じる。
しかしながら、押し出された中間成形体は、その送り出し方向と交差する方向に延伸されることにより、ネッキング現象によって生じる応力が減衰、もしくは低減されるので、中間成形体中の副材が内在応力によって幅方向に圧迫されることはない。したがって、副材が中間成形体の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりすることを防ぐことができる。その結果、最終成形品としてのシート材に付与されるべき特性が、幅方向の両側縁にあたる部分とそれ以外の部分とで大きく異なるのを抑えることが可能となる。
しかしながら、押し出された中間成形体は、その送り出し方向と交差する方向に延伸されることにより、ネッキング現象によって生じる応力が減衰、もしくは低減されるので、中間成形体中の副材が内在応力によって幅方向に圧迫されることはない。したがって、副材が中間成形体の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりすることを防ぐことができる。その結果、最終成形品としてのシート材に付与されるべき特性が、幅方向の両側縁にあたる部分とそれ以外の部分とで大きく異なるのを抑えることが可能となる。
本発明の押出成形装置は、熱可塑性樹脂からなる主材と、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の樹脂、無機フィラといった副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出機と、押出機によって肉厚のシート状に成形された中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第3の延伸機と、第3の延伸機によって送り出し方向に延伸された中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第4の延伸機と、第3の延伸機と第4の延伸機の間に設けられ、中間成形体の送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を、所定の幅だけ連続的に切除する切除機と、を備えることを特徴とする。
本発明のシート材の押出成形装置においては、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材が未溶融状態または軟化した半溶融状態で混練されたものを含む混練材料を押し出すと、ダイより肉厚のシート状に成形された中間成形体は、その自重により、いわゆるネッキング現象を起こす。そして、その中間成形体の細くなった部分には、送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて極端に大きな応力が生じる。これにより、中間成形体中の副材が幅方向に圧迫され、中間成形体の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりする。その結果、中間成形体の幅方向の両側縁には、意図しない特性が付与されてしまう。
しかしながら、押し出された中間成形体は、切除機によって、その送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除される。すなわち、押出機から押し出された中間成形体は、副材が変形したり向きを揃えるように変位したりした部分が除去される。その結果、最終成形品としてのシート材には、特性が均一な部分のみが残る。
そして、残されたシート材の均一な部分を第4の延伸機で延伸することで、シート材の裂け等を防止できる。
しかしながら、押し出された中間成形体は、切除機によって、その送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除される。すなわち、押出機から押し出された中間成形体は、副材が変形したり向きを揃えるように変位したりした部分が除去される。その結果、最終成形品としてのシート材には、特性が均一な部分のみが残る。
そして、残されたシート材の均一な部分を第4の延伸機で延伸することで、シート材の裂け等を防止できる。
このようなシート材の押出成形装置は、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材が未溶融状態または軟化した半溶融状態で混練されたものを含む混練材料を、シート状(フィルム状と表現されるものも含む)に成形する際に使用される。例えば、主材の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等がある。一方、副材は、主材よりもガラス転移温度または融点が高い樹脂材料または無機フィラを用いることができる。例えば、ポリアミド、アクリル、環状オレフィン、ポリカーボネイト、無機化合物、繊維等がある。この副材は、主材中への添加段階で、粉末状、粒子状、チップ状、塊状、繊維状等、いかなる形態であっても良い。
これらの材料から製造されるシート材としては、合成紙、空隙シート、異材均一分散シート等がある。
これらの材料から製造されるシート材としては、合成紙、空隙シート、異材均一分散シート等がある。
本発明によれば、溶融した状態の熱可塑性樹脂からなる主材中に、主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材が未溶融状態または軟化した半溶融状態で混練されたものを含む混練材料からシート材を製造するのに際して、シート材の良品率を高めることができる。また、本発明によれば、特性が均一な良質のシート材を提供することができる。
本発明の第一の実施形態を、図1を参照して具体的に説明する。
本実施形態のシート材の押出成形装置1は、加熱・混練することによって溶融軟化させた熱可塑性樹脂を肉厚のシート状に成形しながらダイ12より押し出す押出機10と、ダイ12によって肉厚のシート状に成形された熱可塑性樹脂を冷却しながら送り出すキャスティングロール20と、キャスティングロール20から送り出されたシート状の中間成形体をその送り出し方向と直交する幅方向(すなわち横方向)に引き延ばす横延伸機(第1の延伸機)30と、横延伸機30によって横方向に引き延ばされた中間成形体を送り出し方向(すなわち縦方向)に引き延ばす縦延伸機(第2の延伸機)40と、縦横二方向に引き延ばされた中間成形体の幅方向の両側縁を切除する切除機50と、中間成形体の両側縁を切除することで得られた最終成形品であるシートを冷却しながら引き取る引取機51と、引き取られたシートを順次巻き取る巻取機52とを備えている。
本実施形態のシート材の押出成形装置1は、加熱・混練することによって溶融軟化させた熱可塑性樹脂を肉厚のシート状に成形しながらダイ12より押し出す押出機10と、ダイ12によって肉厚のシート状に成形された熱可塑性樹脂を冷却しながら送り出すキャスティングロール20と、キャスティングロール20から送り出されたシート状の中間成形体をその送り出し方向と直交する幅方向(すなわち横方向)に引き延ばす横延伸機(第1の延伸機)30と、横延伸機30によって横方向に引き延ばされた中間成形体を送り出し方向(すなわち縦方向)に引き延ばす縦延伸機(第2の延伸機)40と、縦横二方向に引き延ばされた中間成形体の幅方向の両側縁を切除する切除機50と、中間成形体の両側縁を切除することで得られた最終成形品であるシートを冷却しながら引き取る引取機51と、引き取られたシートを順次巻き取る巻取機52とを備えている。
押出機10は、押出装置11と、ダイ12とを備えている。図2に示すように、押出装置11は、原料投入口11aからシリンダ11b内に投入された樹脂を、加熱手段で加熱しながらスクリュー11cの回転により混練し、溶融軟化させた熱可塑性樹脂をダイ12に押し出して供給し、ダイ12は、溶融軟化した熱可塑性樹脂を肉厚のシート状に成形しながら押し出す。
キャスティングロール20には、図示しない冷却機構が内蔵されており、ダイ12によって肉厚のシート状に成形された熱可塑性樹脂の中間成形体は、キャスティングロール20に沿って送り出される過程で冷却し、固化する。キャスティングロール20から送り出された中間成形体は、複数のローラを介して横延伸機30に向けて送り出される。
横延伸機30は、中間成形体の両側を図示しないクリップで挟み、中間成形体を送りつつ、その送り出し方向と直交する幅方向に引っ張ることによって中間成形体をその幅方向に引き延ばす。横延伸機30によって横方向に延伸された中間成形体は、縦延伸機40に向けて送り出される。
縦延伸機40は、回転速度の異なる複数のローラ41を介して中間成形体を送り出すことによって中間成形体をその送り出し方向に引き延ばすことでシートが形成される。複数のローラ41は、中間成形体の下流側に配置されたものほど回転速度が速められている。中間成形体には、あるローラから、そのローラよりも相対的に回転速度の速い次のローラに委ねられる過程でその速度差に応じた引張力が作用する。中間成形体は、この引張力により送り出し方向に引き延ばされる。中間成形体は、縦延伸機40によって縦方向に延伸されることにより、その厚さ(薄さ)を最終成形品(シート)とほぼ同等の薄さにまで低減し、巻取機50に向けて送り出される。
切除機50は、縦横二方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を、図示しない円板状のカッターを回転させながら切除する。引取機51は、両側縁を切除された最終成形品のシート、キャスティングロール20と同様の冷却機構を内蔵するローラで冷却しながら引き取る。巻取機52は、引き取られた熱可塑性樹脂の最終成形品のシートを、巻き芯の周りに巻き取る。巻取機52によって巻き取られた最終成形品のシートは、原反と呼ばれ、検品等を経て巻き芯とともに出荷されるか、もしくは次の工程に搬送される。
上記のように構成された押出成形装置1を使用して、熱可塑性樹脂からなる主材A中に、その主材Aの溶融温度では溶融しない、すなわち主材Aと比べてガラス転移温度または融点の高い副材Bが一定の割合で混合されたものを含む材料からシートを製造する。なお、シートの材料は、上記主材Aおよび副材Bだけで構成されていてもよいし、その他の材料が混合されていてもよい。
上記の主材Aおよび副材Bを押出装置11の原料投入口11aに投入し、シリンダ11b内で、加熱手段で加熱しながらスクリュー11cで混練されることにより、混合樹脂材料Cを得る。この混合樹脂材料Cは、主材Aが溶融状態であり、その主材A中に、軟化または半溶融状態の副材Bがほぼ均一に分散したものとなる。
この混合樹脂材料Cをダイ12から押し出すと、図3(a)に示すように、押し出された溶融・軟化状態の中間成形体C’は、いわゆるネッキング現象を起こす。そして、その中間成形体C’の細くなった部分には、送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて応力が生じる。応力が生じることにより、中間成形体C’中に軟化状態で混合された副材B’が幅方向に圧迫され、中間成形体C’の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりする。
この混合樹脂材料Cをダイ12から押し出すと、図3(a)に示すように、押し出された溶融・軟化状態の中間成形体C’は、いわゆるネッキング現象を起こす。そして、その中間成形体C’の細くなった部分には、送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて応力が生じる。応力が生じることにより、中間成形体C’中に軟化状態で混合された副材B’が幅方向に圧迫され、中間成形体C’の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりする。
しかしながら、押し出された中間成形体C’は、横延伸機30によってその送り出し方向と交差する方向に延伸されることにより、ネッキング現象によって生じる応力が減衰、もしくは低減されるので、中間成形体C’中の軟化した副材B’が内在応力によって幅方向に圧迫されることはない。したがって、軟化した副材B’が中間成形体C’の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりすることはない。その結果、最終成形品としてのシート材に付与されるべき特性が、幅方向の両側縁にあたる部分とそれ以外の部分とで大きく異なることはない。
さらに、本実施形態の押出成形装置1においては、中間成形体C’のボーイング現象の発生を抑制することができる。ボーイング現象とは、中間成形体C’を形成する側縁に近い部分の樹脂が、中央部分の樹脂よりも遅れて送り出されるように歪みを生じる現象である。ボーイング現象を生じると、軟化した副材B’が特定の方向に倣うように配向する傾向がある。このようなボーイング現象は、押出機10から押し出された中間成形体C’がその送り出し方向に強く引張力を受けることによって引き起こされる。本実施形態の押出成形装置1においては、押出機10から送り出された中間成形体C’が、キャスティングの後に横延伸機30によって幅方向に引き延ばされることにより、ボーイング現象の発生が抑制され、軟化混合された副材B’が特定の方向に配向しないようになる。
したがって、シート材の良品率を高めることができる。また、上記のようにして製造されたシート材は、主材A中に副材Bが満遍なく混合され、特性が均一で非常に良質である。
本発明の第二の実施形態を、図4から図6を参照して具体的に説明する。なお、上記第一の実施形態において説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態のシート材の押出成形装置2は、図4に示すように、押出機10と、キャスティングロール20と、キャスティングロール20から送り出された熱可塑性樹脂をその送り出し方向(すなわち縦方向)に引き延ばす縦延伸機(第3の延伸機)60と、縦延伸機60によって縦方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除する切除機70と、切除機70によって両側縁を切除された熱可塑性樹脂を送り出し方向と直交する幅方向(すなわち横方向)に引き延ばす横延伸機(第4の延伸機)80と、縦横二方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を切除する切除機50と、引取機51と、巻取機52とを備えている。
本実施形態のシート材の押出成形装置2は、図4に示すように、押出機10と、キャスティングロール20と、キャスティングロール20から送り出された熱可塑性樹脂をその送り出し方向(すなわち縦方向)に引き延ばす縦延伸機(第3の延伸機)60と、縦延伸機60によって縦方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除する切除機70と、切除機70によって両側縁を切除された熱可塑性樹脂を送り出し方向と直交する幅方向(すなわち横方向)に引き延ばす横延伸機(第4の延伸機)80と、縦横二方向に引き延ばされた熱可塑性樹脂の幅方向の両側縁を切除する切除機50と、引取機51と、巻取機52とを備えている。
縦延伸機60の構造は、上記第一の実施形態の縦延伸機40と同じであり、横延伸機80の構造は、上記第一の実施形態の横延伸機30と同じである。
切除機70は、図5に示すように、熱可塑性樹脂を送り出す1つのローラ71に両端に近接して設けられた2枚の円板状のカッター72,73からなる。2枚のカッター72,73は、ローラ71の長さ方向に離間し、ローラ71の回転軸と平行な軸にローラ71の周速度で回転するように、回転手段を設けて取り付けられている。ローラ71の周面には、各カッター72,73の刃先に向き合う位置に、無端の溝74,75が形成されている。図6に示すように、各カッター72,73は、ローラ71に対し、ローラ71に直接触れることはないが、溝74,75にそれぞれの刃先を差し込むようにして配置されている。
切除機70に向けて送り出された最終成形体のシートは、ローラ71に沿って移動する過程で一方の側縁をカッター72と溝74との間に挟み込まれ、他方の側縁をカッター73と溝75との間に挟み込まれる。そして、回転するローラ71の溝74,75とカッター72,73に順次切り込まれることにより連続的に切除される。
ところで、切除機50については、切除機70とほぼ同様の機構を採用することもできるが、切除機50に到達した時点でシートは延伸されて薄くなっているため、通常フィルムラインのトリムに使用されている、カッター刃、フェザーカミソリ刃、セラミックカッター刃、エアーばさみ等の機構とすることもできる。
上記のように構成された押出成形装置2を使用して、主材A中に副材Bが混合されたものを含む混合樹脂材料Cからシートを製造する。なお、混合樹脂材料Cは、上記主材Aおよび副材Bだけで構成されていてもよいし、その他の材料が混合されていてもよい。
上記の主材Aおよび副材Bを押出装置11の投入口に投入し、加熱・混練手段により溶融・軟化した混合樹脂材料Cをダイ12から押し出すと、押し出された溶融・軟化した混合樹脂材料Cの中間成形体C’は、いわゆるネッキング現象を起こす。そして、その中間成形体C’の細くなった部分には、送り出し方向と交差する幅方向の両側縁に、幅方向に向けて極端に大きな応力が生じる。これにより、溶融した中間成形体C‘中の軟化状態の副材B’が幅方向に圧迫され、中間成形体C’の送り出し方向に伸びるように変形したり、送り出し方向に向きを揃えるように変位したりしようとする。
ダイ12から押し出された中間成形体C‘は、図3(b)に示すように、縦延伸機60によってその送り出し方向に引き延ばされ、これによって中間成形体C‘中の副材B’が明らかに伸び、送り出し方向に向きを揃えるように変位する。切除機70によって、その送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除される。すなわち、押出機10から押し出され、縦延伸機60によって縦方向に延伸された中間成形体C’は、副材B’が変形したり向きを揃えるように変位したりした部分を除去される。その結果、最終成形品としてのシート材には、特性が均一な部分のみが残る。したがって、シート材の良品率を高めることができる。また、上記のようにして製造されたシート材は、主材A中に副材Bが満遍なく混ざり、特性が均一で非常に良質である。
さらに、横延伸機80では、切除機70による切除が行われた後の、均質なシート材を横方向に延伸するため、両側縁部の裂け等が生じるのを回避しつつ、良好にシート材の延伸を行うことができる。
ダイ12から押し出された中間成形体C‘は、図3(b)に示すように、縦延伸機60によってその送り出し方向に引き延ばされ、これによって中間成形体C‘中の副材B’が明らかに伸び、送り出し方向に向きを揃えるように変位する。切除機70によって、その送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を所定の幅だけ連続的に切除される。すなわち、押出機10から押し出され、縦延伸機60によって縦方向に延伸された中間成形体C’は、副材B’が変形したり向きを揃えるように変位したりした部分を除去される。その結果、最終成形品としてのシート材には、特性が均一な部分のみが残る。したがって、シート材の良品率を高めることができる。また、上記のようにして製造されたシート材は、主材A中に副材Bが満遍なく混ざり、特性が均一で非常に良質である。
さらに、横延伸機80では、切除機70による切除が行われた後の、均質なシート材を横方向に延伸するため、両側縁部の裂け等が生じるのを回避しつつ、良好にシート材の延伸を行うことができる。
なお、本実施形態においては、切除機70が、縦延伸機60と横延伸機80との間に設置されているが、切除機70は、キャスティングロール20と縦延伸機60との間に設置されてもよい。
10…押出機、11…押出装置、20…キャスティングロール、30…横延伸機(第1の延伸機)、40…縦延伸機(第2の延伸機)、50…切除機、51…引取機、52…巻取機、60…縦延伸機(第3の延伸機)、70…切除機、80…横延伸機(第4の延伸機)
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂からなる主材と、前記主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の前記主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の前記副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出機と、
前記押出機によって肉厚のシート状に成形された前記中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸機と、
前記第1の延伸機によって延伸された前記中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸機と、
を備えることを特徴とするシート材の押出成形装置。 - 熱可塑性樹脂からなる主材と、前記主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の前記主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の前記副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出工程と、
肉厚のシート状に成形された前記中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸工程と、
前記送り出し方向に交差する方向に延伸された前記中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸工程と、
を備えることを特徴とするシート材の押出成形方法。 - 熱可塑性樹脂からなる主材と、前記主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の前記主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の前記副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出工程と、
肉厚のシート状に成形された前記中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第1の延伸工程と、
前記送り出し方向に交差する方向に延伸された前記中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第2の延伸工程と、
を経て製造されることを特徴とするシート材。 - 熱可塑性樹脂からなる主材と、前記主材よりもガラス転移温度または融点が高い副材を加熱・混練し、溶融状態の前記主材中に、未溶融状態または軟化した半溶融状態の前記副材が分散した混練材料を押し出すことで、肉厚のシート状の中間成形体を形成する押出機と、
前記押出機によって肉厚のシート状に成形された前記中間成形体を、その送り出し方向に延伸する第3の延伸機と、
前記第3の延伸機によって前記送り出し方向に延伸された前記中間成形体を、その送り出し方向と交差する方向に延伸する第4の延伸機と、
前記第3の延伸機と前記第4の延伸機の間に設けられ、前記中間成形体の前記送り出し方向と交差する幅方向の両側縁を、所定の幅だけ連続的に切除する切除機と、
を備えることを特徴とするシート材の押出成形装置。
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JP2006097577A JP2007268859A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | シート材の押出成形装置、シート材の押出成形方法、およびシート材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014046464A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 延伸樹脂フィルムの製造方法 |
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2006
- 2006-03-31 JP JP2006097577A patent/JP2007268859A/ja active Pending
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