JP2007268383A - 塗布装置、塗布方法、および光学フィルムの製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗布方法、および光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 減圧チャンバーにおけるサクション変動(減圧変動)を低減させる塗布装置および塗布方法と、そのような塗布装置や塗布方法によって得られる塗布膜を含む光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】 エアー配管28を介して減圧チャンバー26にブロア30が接続され、減圧チャンバー26とブロア30との間のエアー配管28には、オリフィス32およびバッファ装置33が順次設けられている。オリフィス32は、エアー配管28内の通気可能な断面積を4分の1以下に局所的に絞る。バッファ装置33は、バッファタンク34と、バッファタンク34に給気するエアー吸引口35とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、塗布装置、塗布方法、および光学フィルムの製造方法に係り、特に塗布液を支持体上に精度良く塗布させる技術に関する。
従来より、ウェブ(支持体)の表面に所望の厚さの塗布膜(フィルム)を塗布する塗布装置として、マニホールドからスロットを介して塗布液を吐出させるダイコータ(スロットダイ)を用いる装置が広く利用されている。ダイコータには、スライドコータ、ファウンテンコータ、エクストルージョンコータ、等の種類があり、用途に応じたダイコータが用いられて高品質の塗布膜がウェブ上に形成される。
例えば、エクストルージョンコータが用いられる塗布装置では、ウェブとスロットダイとの間に架設される塗布液のビードによってウェブ上に塗布液が塗布される。そのため、塗布膜を精度良く形成する上で、ビードの状態を安定化させることが非常に好ましい。そのため、ビードの近傍の圧力状態を理想的な状態に保つために圧力チャンバーが用いられることがある(特許文献1および特許文献2参照)。
例えば特許文献3には減圧チャンバーを設置した塗布装置が開示されている。この塗布装置では、減圧チャンバーのバックプレートとウェブとの隙間がコータの先端リップとウェブとの隙間よりも大きくなるように調整される。この塗布装置によれば、減圧チャンバーによるサクション変動(減圧変動)を効果的に抑えることができ、ビードの状態を安定化させることができる。
特開昭55−003860号公報 特開昭58−180262号公報 特開2003−236434号公報
上述のように、減圧チャンバーが用いられる塗布装置では、ビードの状態を安定化させるために、減圧チャンバーによるサクション変動(減圧変動)を可能な限り抑えることが好ましい。したがって、減圧チャンバーのサクション変動(減圧変動)をより高いレベルで抑制することが可能な新たな技術を提案することは非常に望ましい。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、減圧チャンバーによるサクション変動(減圧変動)を低減させる塗布装置および塗布方法と、そのような塗布装置や塗布方法によって得られる塗布膜を含む光学フィルムの製造方法とを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の一態様は、バックアップローラにより支持された状態で連続走行する支持体の表面に向かってスロットダイから塗布液を吐出させる塗布装置において、前記スロットダイと前記支持体との間に架設される塗布液のビードに隣接する空間を減圧する減圧チャンバーと、前記減圧チャンバーに減圧管を介して接続され当該減圧管の内部から外部へ排気する減圧手段であって、排気流量が可変である減圧手段と、前記減圧チャンバーと前記減圧手段との間に設置され前記減圧管に連通するバッファタンクと、当該バッファタンク内に給気する給気装置と、を有するバッファ手段と、前記減圧チャンバーと前記バッファタンクとの間の前記減圧管に設置され、前記減圧管内の通気可能な断面積を4分の1以下に局所的に絞るオリフィスと、を備える塗布装置に関する。
当該塗布装置によれば、給気装置によってバッファタンク内に給気され、オリフィスによって減圧管の通気可能断面積が局所的に絞られ、減圧手段によって排気流量(排気風量)が適切に変えられることによって、所望の値に設定できる。また、その際に排気手段や周辺の振動に伴う圧力変動等を、オリフィスにより効果的に抑制することができる。また、圧力変動に対する調整が、バッファタンクの給気孔における風の出入によってなされやすくなり、更に効果が高まる。
なお、減圧チャンバー内や減圧管内の気体は、特に限定されず、空気(大気)や特定の気体とすることが可能である。また、減圧手段は、減圧管の内部から外部へ排気することができる任意の機器類を用いることが可能であり、例えばブロアを好適に用いることができる。また、減圧手段の排気流量(排気風量)を可変とする方法は、特に限定されず、インバータ等の様々な原理を応用して実現することが可能である。また、オリフィスの形状や構造は、特に限定されず、絞り弁、ニードルバルブ、ダンパ、等を適宜用いることができる。また、ここでいう「スロットダイ」とは、幅の比較的狭いスロットを介して塗布液が吐出される塗布器全般を含みうる概念であり、いわゆるダイコータを含む。
前記給気装置による前記バッファタンク内への給気流量は、毎分0.05m以上であって、前記減圧チャンバー内への気体流入量の5倍以上であることが好ましい。
この場合、減圧チャンバーから減圧管への気体流量(気流)が安定化して、減圧チャンバーのサクション変動(圧力変動)を効果的に抑えることができる。
前記バッファタンクは、0.3m以上の大きさを有することが好ましい。
この場合、バッファタンクの容積として十分な容積が確保され、バッファタンクのバッファ効果が効果的に発揮される。そのため、減圧チャンバーから減圧管への気流が安定化し、減圧チャンバーのサクション変動(圧力変動)を効果的に抑えることができる。
前記減圧チャンバーは、1m幅当たり0.005m以上の大きさを有することが好ましい。
この場合、減圧チャンバーから減圧管に流入する気流の乱れの影響を減圧チャンバーが受けにくくなり、減圧チャンバーのサクション変動(圧力変動)を効果的に抑えることができる。
本発明の他の態様は、上記の塗布装置を用いて、塗布液を支持体上に塗布する塗布方法に関する。
当該塗布方法によれば、安定した状態のビードによって支持体上に塗布液が精度良く塗布され、高品質な塗布膜を提供することができる。
本発明の他の態様は、バックアップローラにより支持された状態で連続走行する支持体の表面に向かってスロットダイから塗布液を吐出させる塗布方法において、減圧チャンバーによって、前記スロットダイと前記支持体との間に架設される塗布液のビードに隣接する空間を減圧し、前記減圧チャンバーに減圧管を介して接続され排気流量が可変である減圧手段によって、前記減圧管の内部から外部へ排気し、給気装置によって、前記減圧チャンバーと前記減圧手段との間の前記減圧管に連通するバッファタンク内に給気し、オリフィスによって、前記減圧チャンバーと前記バッファ手段との間の前記減圧管内の通気可能な断面積を4分の1以下に局所的に絞る塗布方法に関する。
当該塗布方法によれば、給気装置によってバッファタンク内に給気され、オリフィスによって減圧管の通気可能断面積が局所的に絞られ、減圧手段によって排気流量(排気風量)が適切に変えられることによって、所望の値に設定できる。これにより、減圧チャンバーのサクション変動(圧力変動)を効果的に抑えることができる。
本発明の他の態様は、上記の塗布装置によって支持体上に塗布膜を形成し、当該塗布膜を用いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法に関する。
この場合、上記の塗布装置によって精度良く支持体上に形成された塗布膜が用いられ、高品質な光学フィルムを製造することができる。
前記光学フィルムは、光学補償フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムであることが好ましい。
このような防眩フィルムや反射防止フィルムなどの高機能性フィルムを製造する場合には、フィルムを精度良く製造する必要があるため、上述の本発明に係る塗布装置および塗布方法が特に適している。
本発明の塗布液の塗布装置および塗布方法によれば、装置全体の外乱等による圧力変動を効果的に抑制し、減圧チャンバーから減圧管への気体流入量(気流)を安定化させて、減圧チャンバーのサクション変動(圧力変動)を効果的に抑えることができる。また、このような塗布装置および塗布方法によって製造された塗布膜を用いることによって、高品質な光学フィルムを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、光学フィルムの製造ライン(スロットダイコータ式塗布システム10)の全体構成を示す図である。図中の矢印はウェブ14の走行方向を示す。なお、スロットダイコータ式塗布システム10を簡明に示すために、ウェブ14を搬送する複数のパスローラ68については、代表的な位置に配置されるパスローラ68のみが図示されている。
本実施形態のスロットダイコータ式塗布システム10では、上流側から下流側に向かって、送り出し機66、除塵機74、バックアップローラ12、エクストルージョン型のダイコータ(スロットダイ)18、乾燥装置76、加熱装置78、紫外線照射装置80、および巻き取り機82が順次設置されている。なお、ここでいう「上流」および「下流」は、ウェブ14の走行方向を基準としている。
送り出し機66は、ポリマー層が予め形成された透明な支持体であるウェブ14を、下流側へ順次送り出す。除塵機74は、ウェブ14に付着する塵等の異物を除去する。
ダイコータ18およびバックアップローラ12の詳細については後述するが、バックアップローラ12によって搬送、支持されるウェブ14に向かってダイコータ18から塗布液が吐出され、ウェブ14上に塗布膜が形成される。
乾燥装置76および加熱装置78は、ウェブ14上に形成された塗布膜を乾燥させるゾーンを形成する。乾燥装置76は、ウェブ14上の塗布膜(塗布層)の表面を気体層でシールしながら抑制した状態で溶媒を蒸発させる。なお、気体層による塗布膜表面のシールとして、気体を、塗布膜の移動速度に対して−0.1m/秒〜+0.1m/秒の相対速度で塗布膜の表面に沿って移動させることが好ましい。溶媒を抑制した状態で蒸発させる場合、塗布膜中の溶媒含有量の減少速度が時間と比例関係にある間に塗布膜の乾燥を行なうことが好ましい。加熱装置78は、必要により加熱して溶剤を除去したり、膜硬化させたりするのに用いられることもある。
なお、乾燥装置76および加熱装置78による溶媒の乾燥は、覆いが設けられた状態で行われることが好ましい。また、乾燥風として、整流した風、均質な風、等を用いることができる。また、蒸発した溶媒を、塗布膜面に対向して設置された冷却凝縮板により、凝縮させて取り除いてもよい。
紫外線照射装置80は、紫外線ランプによって塗布膜に紫外線を照射し、塗布膜のモノマー等を架橋させて、所望のポリマーを形成する。巻き取り機82は、ポリマー化された塗布膜(塗布層)が積層されているウェブ14を、ロール状に巻き取って回収する。
なお、塗布膜の成分に応じて、塗布膜を熱により硬化させるための熱処理ゾーンを更に設けることもでき、所望の塗布膜の硬化および架橋を行ってもよい。また、本システム10とは別の工程で、ウェブ14上の塗布膜に対して熱処理等の他の処理を施してもよい。
このようなスロットダイコータ式塗布システム10の各機器類の間にはパスローラ68が複数設けられており、ウェブ14は、これらのパスローラ68によって上流側から下流側へ送られる。パスローラ68の位置および数、隣接するパスローラ68の回転中心の相互間距離、等は必要に応じて適宜調整される。
上述のスロットダイコータ式塗布システム10では、バックアップローラ12およびパスローラ68が、ウェブ14を搬送するガイドローラとして働く。また、スロットダイコータ式塗布システム10には、必要に応じて他の機器類を導入することもできる。例えば、光学補償フィルムでは、塗布膜の液晶部の配向を調整するためのラビング処理装置を除塵機74の前後に設置することも可能である。
次に、ダイコータ18およびバックアップローラ12について説明する。
図2は、ダイコータ18、バックアップローラ12、およびその周辺の構成図である。図中のバックアップローラ12およびウェブ14の近傍の矢印は、本実施形態の「バックアップローラ12によるウェブ14の搬送方向」、すなわち「ウェブ14の走行方向」を示す。なお、理解を容易にするため、図2に示されている各機器類の大きさや向きは実際の装置と必ずしも一致しないが、図2に示される各機器類は図1に示されている機器類に対応する。
図2に示されるように、本実施形態では、バックアップローラ12により支持された状態で連続走行するウェブ(支持体)14の表面に向かってダイコータ18のスロット24から塗布液が吐出され、ダイコータ18とウェブ14との間に塗布液のビード20が液架橋される。そして、ビード20のウェブ上流側に隣接する空間である減圧チャンバー26内が減圧された状態で、連続走行するウェブ14の表面にビード20の塗布液が塗布され、ウェブ14上に塗布膜(塗布層)が形成される。
なお、ダイコータ18によって塗布液が塗布される位置(以下、「塗布位置」とも称する)を基準にして、ウェブ14の走行方向に関し塗布位置よりも前段の部分を「ウェブ上流」と称し、後段の部分を「ウェブ下流」と称する。したがって、図2に示す横型のダイコータ18では、ビード20の下側は「ウェブ上流側」となり、ビード20の上側は「ウェブ下流側」となる。また、ウェブの搬送方向と垂直を成すウェブの幅方向を「ウェブ幅方向」と称する。
図3は、ダイコータ18の一部を切断した状態を示す斜視図である。
ダイコータ18は、本体の内部に設けられたマニホールド22と、マニホールド22からダイコータ18の先端部に延在するスロット24とを有する。また、ダイコータ18は、上流側ダイブロック18Aおよび下流側ダイブロック18Bの二つのブロックによって構成されており、マニホールド22およびスロット24が上流側ダイブロック18Aおよび下流側ダイブロック18Bの境界の一部となっている。このように、ダイコータ18を多ブロック構造とすることで、ダイコータ18の製造精度を高め、洗浄などの後処理を容易にする。なお、ダイコータ18の具体的な形状やサイズは、自重、使用時の環境、塗布液の温度、製作仕様限界、等に基づいて決定される。
マニホールド22は、ダイコータ18に供給された塗布液を塗布幅方向(ウェブ幅方向)へ拡流する液溜め部であり、ウェブ幅方向(長手方向)へ延びる。本実施形態のマニホールド22は、略円形の断面形状を有し、ウェブ幅方向に沿って略同一の断面形状をもつ空洞部を構成する。マニホールド22のウェブ幅方向への有効長さは、ウェブ14に対する塗布幅と同等又は若干長く設定される。なお、マニホールド22は、「ポケット」とも称される。
ダイコータ18の本体のウェブ幅方向の両端部には閉鎖板54が設けられ、マニホールド22から外部への塗布液の漏出が防がれている。そして、マニホールド22には、マニホールド22から塗布液を引き抜くための塗布液排出管52が接続されている。なお、塗布液供給管46および塗布液排出管52は、閉鎖板54を貫通して、マニホールド22と連通する。本実施形態では、マニホールド22への塗布液の供給が塗布液供給管46および塗布液排出管52を介して行われるが、これに限定されるものではない。
スロット24は、マニホールド22からスロット先端に至る狭隘な塗布液の流路を構成し、ダイコータ18の先端部分における開口部24Aから塗布液を吐出させて、ダイコータ18とウェブ14との間に塗布液から成るビード20を架設する。このスロット24は、通常、0. 01mm〜0. 5mm程度の開口幅をもち、ウェブ幅方向に関して、ウェブ14に対する塗布液の塗布幅よりも略同等以上の長さを持つのが通常である。また、スロット24の先端部は、バックアップローラ12のウェブ走行方向の接線と30°以上90°以下の角度を成すように配置される。なお、マニホールド22からウェブ14に向かって延びるスロット24の流路長は、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件に基づいて設定可能であり、スロット24の開口部24Aから吐出される塗布液がウェブ幅方向に亘って略均一な流量および液圧をもつように、スロット24の流路長を設定することが好ましい。
スロット24のウェブ幅方向の両端部には幅規制板60が挿入されており、各幅規制板60は、スロット24の壁部を構成する上流側ダイブロック18Aおよび下流側ダイブロック18Bに密着している。幅規制板60は、スロット24の開口部24Aから吐出される塗布液の塗布幅を規制する部材であり、ウェブ幅方向(長手方向)に関して開口部24Aが塗布幅と略同等以下となるように配置調整されている。また、幅規制板60の近傍の塗布液の塗布状態を安定化させる観点から、幅規制板60に特定の材料や表面加工を採用して、幅規制板60に対する塗布液の濡れ性を調整することが好ましい。例えば、テフロン(登録商標)やニューライトなどの材料によって幅規制板60を形成したり、フッ素樹脂などのポリマーによってコーティングされた金属板を幅規制板60として使用したりすることで、幅規制板60の塗布液に対する接触角が30°以上となるように調整されることが好ましい。
ダイコータ18の先端部分は、図2に示すように先細り状に形成され、その先端はリップランド16と呼ばれる。スロット24のウェブ上流側(図2の下側)のリップランド16を上流側リップランド16Aと称し、ウェブ下流側(図2の上側)のリップランド16を下流側リップランド16Bと称する。
本実施形態のダイコータ18はオーバーバイト構造を有し、上流側リップランド16Aよりも下流側リップランド16Bのほうが、バックアップローラ12に巻き掛けられたウェブ14に近い位置に配置される。このようなオーバーバイト構造は、ダイコータ18のウェブ幅方向の全長に亘って略均一に形成されている。オーバーバイト構造、下流側リップランド16Bが比較的狭い構造、およびリップランド16とウェブ14の間隔が狭い低リップクリアランス構造を採用する場合、ビード20の下流側塗布液の圧損を小さくして、減圧チャンバー26における減圧値を小さくすることができる。そのため、これらの構造を採用する場合には、ビード20の変動が抑えられ、塗布液をウェブ14上に安定塗布することが可能となり、高精度な面状を有する塗布膜を提供することができる。
マニホールド22には、塗布液を貯留する塗布液タンク44が塗布液供給管46を介して接続され、塗布液供給管46には、塗布液タンク44からマニホールド22に塗布液を送る塗布液ポンプ42が設けられている。
上述のような構成を有するダイコータ18の先端部分の下方には、ビード20のウェブ上流側の空間を減圧するための減圧チャンバー26が設けられている。減圧チャンバー26は、バックプレート26A、2枚のサイドプレート26B、リアプレート26C、およびボトムプレート26Dによって、内部に空間を形成するような箱形形状に構成されている。
この減圧チャンバー26は、十分な大きさの容積を有していることが好ましく、具体的には、1m幅当たり0.005m以上の容積を有していることが好ましく、1m幅当たり0.01m以上の容積を有していることがより好ましい。
バックプレート26Aは、減圧チャンバー26のうちウェブ搬送方向の最も上流側に位置し、ウェブ14の幅方向に延在するように配置される。2枚のサイドプレート26Bは、バックプレート26Aと垂直を成すように配置され、減圧チャンバー26の両側壁を構成する。バックアップローラ12と近接するサイドプレート26Bの縁部分(図示省略)は、バックアップローラ12とほぼ同じ曲率を有する。リアプレート26Cは、ダイコータ18の下方において、バックプレート26Aと略平行に配置されている。ボトムプレート26Dは、減圧チャンバー26の底部分を構成し、バックプレート26A、サイドプレート26B、およびリアプレート26Cと縁部分において接合する。
「バックプレート26Aとウェブ14の間」および「サイドプレート26Bとウェブ14の間」の各々には、所定の大きさの隙間が存在する。主にこれらの隙間によって構成される「バックアップローラ12(ウェブ14)と減圧チャンバー26との間の隙間」および「ダイコータ18と減圧チャンバー26との間の隙間」を介して、減圧チャンバー26内に外気(空気)が流入する。なお、これらの隙間を介して減圧チャンバー26内に流入する空気流量は、外気に対する減圧チャンバー26内の減圧度に応じて変わり、具体的には後述するエアー吸引口35の吸気流量およびブロア30の排気流量に応じて決定される。
ボトムプレート26Dには吸引口40が形成され、この吸引口40にはエアー配管(減圧管)28が接続されている。減圧チャンバー26は、吸引口40およびエアー配管28を介してブロア(減圧手段)30に接続され、減圧チャンバー26とブロア30との間のエアー配管28にはバッファ装置33が設けられ、減圧チャンバー26とバッファ装置33との間のエアー配管28にはオリフィス32が設けられている。したがって、減圧チャンバー26、オリフィス32、バッファ装置33、およびブロア30が、エアー配管28を介して順次設けられており、これらによって減圧装置が構成されている。
図4は、減圧装置の概略構成を示す図である。
ブロア30は、吸引口40およびエアー配管28を介して減圧チャンバー26内の空気を吸引し、減圧チャンバー26内を負圧にする。本実施形態のブロア30は、インバータ式であり、吸引風量を適宜変えることができ、エアー排気流量を毎時0.5m〜5m(0.008m/min(分)〜0.08m/min(分))の範囲で調整することが可能である。
オリフィス32は、通気可能なエアー配管28の断面積を局所的に絞る(低減する)ことによってエアー配管28内の通気を制限する。特に本実施形態のオリフィス32は、通気可能なエアー配管28の断面積を4分の1以下に絞るように設定されている。このようにエアー配管28の断面積をオリフィス32により局所的に絞ることによって、ブロアその他の外乱によるサクション装置内の圧力変動が伝わることを防止し、エアー配管28内への空気の急激な流入が防がれるとともに、エアー配管28内の圧力変動を安定化する。その結果、減圧チャンバー26からエアー配管28に流れ込む空気も安定し、減圧チャンバー26内における急激なサクション変動(減圧変動)を低減することできる。なお、オリフィス32は、所望の断面積にエアー配管28を絞ることができる任意の手段を用いることが可能であり、例えば絞り弁、ニードルバルブ、ダンパ、等が好適に用いられる。
バッファ装置33は、エアー配管28と連通するバッファタンク34と、バッファタンク34内に給気するエアー吸引口35とを有する。バッファタンク34は、主として減圧チャンバー26内の圧力変動を小さくするための緩衝部としての役割を果たし、0.3m以上の大きさ、より好ましくは0.5m以上の大きさを有する。
エアー吸引口35は、エアー配管28とは別個に設けられた空気流入口であり、毎分0.03m以上の割合で外気をバッファタンク34内に吸引、給気する。このエアー吸引口35の給気流量は、減圧チャンバー26内に流入する空気流量の5倍以上に設定されている。このようなエアー吸引口35を設けることにより、ブロア30によって減圧チャンバー26内から外部に排出される空気流量を安定化させることができ、減圧チャンバー26内における急激なサクション変動(減圧変動)を効果的に防ぐことができる。
なお、減圧チャンバー26内には、図2に示すように、減圧チャンバー26内の圧力を測定する圧力計36が設けられており、圧力計36の測定結果がコントローラ38に送られる。コントローラ38は、圧力計36の測定結果に基づいて、オリフィス32の開度、エアー吸引口35のエアー吸引流量、およびブロア30による排気流量を調整する。なお、コントローラ38は、オリフィス32の開度、エアー吸引口35のエアー吸引流量、およびブロア30による排気流量の各々に関するデータをフィードバックして、フィードバック制御を行うことも可能である。
このように調整されるオリフィス32、バッファ装置33、およびブロア30によって、減圧チャンバー26内の圧力が所望の圧力にまで減圧される。特に、本件発明者は、以下の[実施例]に示すように、オリフィス32によってエアー配管28の断面積を絞ることと、減圧チャンバー26およびバッファタンク34の容積を十分に大きくして一定以上の容積を確保することと、ブロア30の排気流量およびエアー吸引口35の給気流量を調整してエアー配管28内の空気流量を安定化させることとを組み合わせることで、減圧チャンバー26における急激なサクション変動(減圧変動)を効果的に防ぐことができるという知見を、鋭意研究の結果得た。したがって、本実施形態に係るスロットダイコータ式塗布システム10では、ビード20が大変安定した状態で形成され、ウェブ14に対して塗布液を非常に精度良く塗布することができ、段ムラ等の塗布不良を防ぐことができる。また、ブロア30、エアー吸引口35、あるいはエアー配管28の振動(固有振動)、等に基づく外乱がスロットダイコータ式塗布システム10に作用する場合であっても、本実施形態によれば、減圧チャンバー26内のサクション変動(減圧変動)を抑えて、減圧チャンバー26内の減圧状態をほぼ均一に保つことが可能である。
次に、本発明によって実現可能な光学フィルムの具体的な構成例について説明する。
[LCD用光学補償シート]
以下に、セルロースアシレートフィルム透明支持体(ウェブ14)上にディスコティック化合物からなる光学異方性層を塗設した光学補償シートを、直接偏光板の保護フィルムとして用いる液晶表示装置について説明するが、本発明を応用可能な光学フィルムはこれに限定されるものではない。
ディスコティック化合物については、特開平7−267902号、特開平7−281028号、特開平7−306317号の各公報に詳細に記載されている。それらによると、光学異方層はディスクティック構造単位を有する化合物から形成される層である。即ち、光学異方層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物層、または重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)により得られるポリマー層である。
また、セルロースアシレートフィルムは、配向膜の支持体(ウェブ14)として好ましく用いられる。それらは特開平9−152509号公報に詳細に記載されているものを適用できる。すなわち、配向膜は、セルロースアシレートフィルム上又はそのセルロースアシレートフィルム上に塗設された下塗層上に配設可能であり、その上に設けられる液晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するように機能する。このような配向膜は、光学異方層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。なお、配向膜に用いられるポリマーと、光学異方層の液晶性化合物とが、これらの層の界面を介して化学的に結合していることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、特開平8−5837号、特開平7−191217号、特開平8−50206号、特開平7−281028号の各公報に詳細に記載されている基本構成を有する光学補償シートに用いることができる。セルロースアシレートフィルム及びその上に設けられた光学異方層からなる光学補償シートが適用例であり、該光学異方層がディスコティック構造単位を有する化合物から形成される層である。LCDへの適用例としては、上記光学補償シートを偏光板の片側に粘着剤を介して貼り合わせる、もしくは、保護フィルムとして上記光学補償シートを偏光素子の片側に接着剤等を介して貼り合わせることが好ましい。光学異方素子は、少なくともディスコティック構造単位(ディスコティック液晶が好ましい)を有することが好ましい。
セルロースアシレートフィルムが適用される表記の光学補償シートの作製方法については、例えば特開平9−73081号、特開平8−160431号、特開平9−73016号の各公報に詳細に記載されているが、これらに限定されるものではない。
[LCD用光学補償シートの応用法]
次にセルロースアシレートフィルムをパネルへ応用する例を示す。それらは、特開平8−95034号、特開平9−197397号、特開平11−316378号の各公報に詳細に記載されている。前記各公報に記載されている光学補償シートは、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持する。光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置することができる。液晶セルのモードは、VAモード、TNモード、またはOCBモードであることが好ましい。
[防眩フィルム、反射防止フィルム]
セルロースアシレートフィルムは、防眩フィルム、反射防止フィルムに対しても好ましく適用できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上させる目的で、セルロースアシレートフィルムの片面または両面に防眩層、反射防止層の何れかあるいは両方を付与することができる。このような機能を付与したフィルムは防眩フィルムまたは反射防止フィルムと呼ばれ、防眩層と反射防止層の両方を具備するものは防眩性反射防止フィルムと呼ばれることがある。一般に、防眩フィルムならば透明支持体と防眩層から構成され、反射防止フィルムならば単層または複数層の光干渉層から成る反射防止層が透明支持体上において最表面に設けられ、必要に応じてハードコート層や防眩層が支持体と光干渉層の間に設けられる。
透明支持体としては、LCD用途にはセルロースアシレートフィルムが好ましく、特にセルロースアセテートが好ましい。本発明に係る防眩、反射防止フィルムをLCDに用いる場合、片面に粘着層を設ける等することにより、ディスプレイの最表面やディスプレイ内部の空気との界面に配置可能である。セルローストリアセテートは偏光板の偏光子を保護する保護フィルムに用いられるため、本発明に係る防眩、反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコスト、ディスプレイの薄手化の観点で好ましい。
本発明に係る防眩、反射防止フィルムには、必要に応じてハードコート層を設けることができる。ハードコート層に用いられる化合物は、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、架橋構造を有することが好ましい。架橋構造を有するポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを電離放射線または熱により架橋するのが好ましい。
フィルムに防眩性能を付与する手段としては、可視光を散乱する粒径のマット粒子をバインダ中に分散して表面凹凸を有する防眩層を形成する方法、エンボスやサンドブラスト等により支持体表面に凹凸を付与する方法、塗布組成物の相分離構造により表面に凹凸を付与する方法等、様々な手法が公開特許公報にて公開されているが、一般的にはマット粒子をバインダ中に分散する方法が実用化されている。
防眩層の形成には、表面凹凸形成による防眩性付与の目的で、樹脂化合物からなるバインダに加えて樹脂または無機化合物からなる微粒子(マット剤)が用いられることがある。平均粒径は、1.0μmから10.0μmが好ましく、1.5μmから5.0μmがより好ましい。また、防眩層のバインダ膜厚よりも小さな粒径の微粒子が、該微粒子全体の50%未満であることが好ましい。粒度分布はコールターカウンター法により測定できるが、その分布は粒子数分布に換算して考えることができる。防眩層膜厚は、0.5μm乃至10μmが好ましく、1μm乃至5μmがより好ましい。
防眩層を形成するために用いられる樹脂バインダには、膜強度、透明性の観点から、上記ハードコート層を形成するための素材が好ましく用いられる。反射防止層と組み合わされる場合には、さらに上記ハードコート素材に加えて、高屈折率モノマーまたは高屈折率無機微粒子を併用することで、層の屈折率を1.50から2.00まで高くすることができ、反射防止性能を向上させることが可能な場合がある。
エンボスによって支持体表面に凹凸を付与する場合には、複数層の光学干渉層の全てを形成した後に表面凹凸を形成することが好ましい。表面凹凸を形成した後にウエット塗布によって複数の光学干渉層を形成する場合、凹部に塗布液が溜まることによって発生する各層の膜厚ムラのために、反射防止性能の著しい悪化を引き起こすことがあり、好ましくない。全光学干渉層を形成した後にエンボス処理を行うことにより、光学干渉層の膜厚が実質的に均一になる。ここで、実質的に均一とは、中心膜厚±3%以内であることを意味する。
反射防止フィルムには、光学薄膜による光干渉の原理に基づいて設計された膜厚、屈折率、層構成となるように、低屈折率層の単層、あるいは低屈折率層と高屈折率層の複数層から構成される反射防止層を設ける。ここで低屈折率層、高屈折率層とは、それぞれ支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する層、支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する層を指し、いずれも反射防止の対象となる光の波長オーダー以下の膜厚を有する。このような非常に薄い膜厚を有する層は光学薄膜と呼ばれ、光干渉の原理に基づいた反射防止膜や反射膜等の光学機能層として様々な用途に実用化されている。
低屈折率層として、屈折率が1.30〜1.49までのものが、膜強度と屈折率のバランスを兼ね備えた素材として選択できる。具体的には、特開平11−38202号、特開平11−326601号の各公報等で開示されるような光の散乱を生じないぐらい粒径が小さな微粒子間に空気の隙間が形成された低屈折率層や、熱または電離放射線により架橋する含フッ素化合物が好ましく用いられる。
高屈折率層には、上記防眩層を高屈折率化するときに好ましく用いられる素材が同様に用いられる。好ましい屈折率範囲は1.70〜2.20であり、好ましい膜厚範囲は5〜300nmである。
ハードコート層、防眩層、反射防止層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)に基づいて、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、米国特許2941898号、米国特許3508947号、米国特許3526528号の明細書、および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
なお、特開2003−149413には、角変化による、コントラスト低下、階調または黒白反転および色相変化などがほとんど生じない、表示品位に優れる液晶表示装置を提供するために、酢化度59.0%〜61.5%のセルロースアセテートフィルム上に、透光性樹脂中に透光性微粒子を含む光拡散層を有する光拡散フィルムであって、セルロースアセテートフィルムの厚みが20μm〜70μmであり、長さ100mm当たりのカットオフ値が0.8mmであり、平均表面粗さRaが0.2μm以下である光拡散フィルムについての記載があり、この光拡散フィルムは本発明にも適応できる。
本発明の防眩フィルム、反射防止フィルムは、防眩層、反射防止層の形成前または形成後に何らかの手段によって支持体の裏面を鹸化処理することにより、LCDを始めとする各用途に用いられる偏光板の製造において、保護フィルムとして偏光子の片面若しくは両面に直接偏光子と貼り合わせることができる。
特にLCDの広視野角化のために液晶を封入したセルと偏光板との間に位相差フィルムを配置する場合には、セルの両面に配置される偏光板のうち、視認側に用いられる偏光板の空気界面側の保護フィルムに防眩フィルムまたは反射防止フィルム、およびその反対面であってセルと偏光子との間に形成される面に位相差フィルムの各々を、偏光子の両面に保護層として貼り合わせて用いることができる。このような構成の偏光板は、従来の偏光板と同等の厚みを持つ一方で、広視野角、低反射といった機能を付与することが可能であり、高機能LCD用途に極めて好ましい。
屈折率が異なる無機化合物(金属酸化物等)の透明薄膜を複数積層させた多層膜として、化学蒸着(CVD)法、物理蒸着(PVD)法、および金属アルコキシド等の金属化合物のゾルゲル方法でコロイド状金属酸化物粒子皮膜を形成後に後処理(紫外線照射:特開平9−157855号公報、プラズマ処理:特開2002−327310号公報)して薄膜を形成する方法が挙げられる。一方、生産性が高い反射防止膜として、無機粒子がマトリックス状に分散されて形成される薄膜を積層塗布してなる反射防止膜が各種提案されている。
上述したような塗布による反射防止フィルムに対して微細な凹凸の形状を有する防眩性を付与した反射防止層から成る反射防止フィルムも挙げられる。
[塗布型反射防止フィルムの層構成]
基体上において少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成から成る反射防止膜は、「高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率」の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。また、透明支持体と中屈折率層の間にハードコート層を設けてもよい。更に、塗布型反射防止フィルムは、中屈折率ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層を含んでいてもよい。また、各層に他の機能を付与してもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
基体上に防眩層、低屈折率層を積層した層構成からなる防眩性反射防止膜は、「防眩層の屈折率>低屈折率層の屈折率」を満足する様に設計される。また、透明支持体と防眩層の間に、ハードコート層を設けてもよい。
基体上にハードコート層を設け、低屈折率層を積層した層構成のクリア型反射防止膜は「防眩層の屈折率>低屈折率層の屈折率」を満足する様に設計される。また透明支持体と防眩層の間にハードコート層を設けてもよい。もしくは基体上に防眩層を設け、高屈折率層、低屈折率層を積層した層構成の防眩性反射防止膜は、「高屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率」を満足する様に設計される。もしくは基体上にハードコート層を設け、高屈折率層、低屈折率層を積層した層構成からなる防眩性反射防止膜は、「高屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率」を満足する様に設計される。
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒径100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成り、耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。
(反射防止フィルムの他の層)
さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体に設けられる。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けられることが好ましい。高屈折率層は、ハードコート層を兼ねることができる。ハードコート層は、平均粒径0.2μm〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。
(前方散乱層)
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設けられる。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報、等が挙げられる。
(アンチグレア機能)
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止膜表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法であってもよい。
なお、上述したスロットダイコータ式塗布システム10は、特に薄層塗布に有効であるので、たとえば、ウエット塗布量が20ml/m 以下(塗布時の膜厚が20μm以下)、更には10ml/mの薄層塗布を行う光学フィルムの製造ラインに好適に適用できる。
スロットダイコータ式塗布システム10は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
以上説明したように、本実施形態のスロットダイコータ式塗布システム10によれば、減圧チャンバー26におけるサクション変動(減圧変動)を効果的に抑制することができ、段ムラ等を抑えた良好な面状の塗布膜をウェブ14上に形成することが可能である。
上述の事項は本発明の一態様を例示したに過ぎず、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形が加えられたり、公知の要素を応用したりすることも可能であり、そのような各種態様も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、上述の実施形態ではエクストルージョン型のダイコータを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、減圧チャンバーが用いられる塗布装置全般に対して本発明を適用することができる。例えば、本発明は、上述のエクトルージョン型のダイコータ18が用いられるシステムに限定されるものではなく、減圧チャンバー26によってビードの安定化を図るスロットダイ全般に対して応用することが可能である。また、チャンバー部がなくスリットを介して吸引するものにも、本発明は効果的である。
また、上述の実施形態では、吸引口40が減圧チャンバー26のボトムプレート26Dに設けられている例について説明したが、吸引口40の形成場所は特に限定されず、バックプレート26A、サイドプレート26B、リアプレート26C、等の減圧チャンバー26の他の場所に設けられてもよい。なお吸引口40の形状等は特に限定されないが、減圧チャンバー26内の空気を、減圧チャンバー26内全体に関してほぼ均一に、特にビード20の近傍に関してほぼ均一に、エアー配管28に送気することができる形状であることが好ましい。例えば、ビード20の幅方向(ウェブ幅方向)に吸引口40を形成したり、ビード20の幅とほぼ同じ大きさの吸引口40を設けたりすることも可能である。
また、上述の実施形態では、減圧装置のオリフィス32、バッファタンク34、エアー吸引口35がエアー配管28上に一つのみ設けられている例について説明したが、これらの機器類を複数設けることによって、エアー配管28内の空気流を更に安定させてもよい。また、エアー吸引口35とブロア30との間のエアー配管28にオリフィス32を設けてもよい。
また、スロットダイコータ式塗布システム10におけるバックアップローラ12、ダイコータ18、および減圧チャンバー26は、ウェブ14上に塗布液を適切に塗布することができれば、どのような配置関係であってもよい。例えば、ウェブ14に対するダイコータ18の塗布液の吐出角度、マニホールド22の断面形状、バックアップローラ12に対するウェブ14の巻き掛け状態、バックアップローラ12に対するウェブ14の巻き掛け部とダイコータ18や減圧チャンバー26との相対位置関係、オーバーバイト量、等は、用途に応じて適宜調整可能である。
また、マニホールド22への塗布液の供給方式は、マニホールド22に塗布液を適切に供給することができればどのような手法であってもよい。例えば、マニホールド22の一端側から塗布液を供給する方式だけではなく(図3参照)、マニホールド22の中央部から塗布液を供給する方式、塗布液が漏れ出ることを防止する栓をマニホールド22の両端部に設けて、マニホールド22の一方端から新規な塗布液を供給するとともに、他方端から抜き取られた一部の塗布液を再び一方端に循環させる方式、等も用いられうる。また、マニホールド22の断面形状は、各図に示す略円形に限定されるものではなく、例えば半円形、台形などの矩形、あるいはそれらに類似する形状であってもよい。
また、上述の実施形態では、オリフィス32、エアー吸引口35、およびブロア30がコントローラ38によって自動的に制御される例について示したが、これらの各機器をユーザが手動で適宜制御してもよい。
また、上述の実施形態では、ウェブ14上に塗布膜が単層で形成される例について説明したが、防眩層や反射防止層などの何らかの機能を有する塗布膜を複数層に形成してもよい。ウェブ14上に複数層の塗布膜が形成される場合には、各層の塗布液をウェブ14上に逐次塗布してもよいし、各層の塗布液をウェブ14上に同時に塗布してもよい。なお、ウェブ14(基材、フィルム)上に逐次塗布を行って2層以上の塗布膜を形成する場合、これらの塗布工程を連続で行うことが生産上は好ましく、最終層以外の層(塗布膜)に対する巻き取り工程を省略し、各層に対する塗布工程および乾燥工程を繰り返して、最終的に巻き取って回収することがより好ましい。
以下に上述のスロットダイコータ式塗布システム10を用いた実施例について記述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
まず、下地として防眩層(防眩フィルム)を製作した。
塗布液は、次のように調整した。ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)240gを、104gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶解した。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20重量%の含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素界面活性剤(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した(なお、この溶液を塗布、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.65であった)。
更に、この溶液に個数平均粒径2.0μm、屈折率1.61の架橋ポリスチレン粒子(SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを、160gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルタ(それぞれPPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて濾過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して防眩層用の塗布液として調製した。この塗布液の粘度は、8mpa・sであり、表面張力は30mN/mであった。
このようにして得られた塗布液を、ウェブ14上に塗布される塗布膜の湿潤膜厚が8μm、ウェブ14上の塗布液の塗布量が8mL/m、塗布幅が1440mmとなるように、バーコータによってウェブ14上に塗布した。この時、ウェブ14を10m/minの速さで搬送した。このようにして塗布液が塗布されたウェブ14を、巻き取り機82によってロール状に巻き取った。
次に、反射防止膜用の塗布液の準備(低屈折率層用塗布液の調製)を行った。屈折率が1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6重量%のメチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30重量%のSiOゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)8g、メチルエチルケトン94g及びシクロヘキサノン6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して、反射防止膜用塗布液を調製した。この反射防止膜用塗布液の粘度は1mPa・sであり、表面張力は0.024N/mとなった。
このようにして得られた反射防止膜用塗布液を、ウェブ14上に塗布される塗布膜の湿潤膜厚が4μm、ウェブ14上の塗布液の塗布量が4mL/m、塗布幅が1490mmとなるように、ダイコータ18によってウェブ14上に塗布した。
なお、ウェブ14として、上記の防眩層が設けられたフジタックの1470mm幅の支持体が用いられ、10m/minの速さでこのウェブ14を搬送した。このようにして反射防止膜用の塗布液が塗布されたウェブ14を、巻き取り機82によってロール状に巻き取った。
なお、「バックアップローラ12に巻き掛けられたウェブ14と減圧チャンバー26のバックプレート26Aとの間の隙間」および「バックアップローラ12に巻き掛けられたウェブ14とダイコータ18のリップランド16(下流側リップランド16B)との間の隙間」を100μmに設定した。また、減圧チャンバー26のサイドプレート26Bとバックアップローラ12との間隙を300μmに設定した。また、バッファタンク34として0.5mの容積を有するタンクを使用した。また、減圧チャンバー26は、1m幅当たりの容積が0.03m、幅が略1.5m、総容積が略0.045mのものを使用した。また、エアー配管28として、絞り等のない通常部分の断面(基本断面)の内径が50mmの鋼管を用いた。また、ブロア30としてインバータ式のブロアを使用し、ブロア30の最大排気流量を5m/hrのものを使用し、減圧チャンバー26内の空気の圧力が0.4kPaに保たれるようにブロア30の排気流量を適宜調整した。なお、ブロア30の排気流量は、減圧チャンバー26内への空気流入量(減圧室吸入風量)およびエアー吸引口35による吸入流量(エアー吸引口風量)に基づいて決定され、減圧チャンバー26内への空気流入量はブロア30の排気流量によって左右される。
そして、エアー吸引口35からバッファタンク34内への給気流量と、オリフィス32によるエアー配管28の通気可能断面積の絞り度とを変えることによって、以下の表1に示す結果を得ることができた。
Figure 2007268383
表1において、「減圧室内平均圧力」は減圧チャンバー26内の空気の平均圧力を意味し、「減圧室吸入風量」は減圧チャンバー26内に流入する空気流量を意味し、「エアー吸引口風量」はエアー吸引口35によるバッファタンク34内への給気流量を意味する。また、「オリフィス配管面積比」はオリフィス32によるエアー配管28の基本断面の断面積の絞り度を意味し、例えば「1」の場合は「基本断面の断面積:オリフィス部分の断面積=1:1」であり、「1/4」の場合は「基本断面の断面積:オリフィス部分の断面積=4:1」であることを示す。また、「圧力変動幅」は減圧チャンバー26内の空気の圧力の最大値と最小値との差の絶対値を意味し、「段ムラ面状」はウェブ14上に形成された塗布膜の面状を意味し、「◎」は非常に良好であることを意味し、「○」は良好であることを意味し、「△」は普通であることを意味し、「×」は段ムラが目立つことを意味する。
なお、減圧チャンバー26内の空気の圧力は、コスモ計器製圧力トランスジューサーPT−162Aによって測定した。また、減圧チャンバー26内に流入する風量(空気流量)やエアー吸引口35による給気風量(給気流量)は、日本パナメトリクス製の超音波ガス流量計GM868シリーズによって測定した。また、塗布膜の面状の評価は目視により行った。
表1に示すように、エアー吸引口35によってバッファタンク34内およびエアー配管28内への給気がある場合(表1の「No.2〜No.6」参照)に比べ、当該給気が無い場合(表1の「No.1」参照)には、減圧チャンバー26内の圧力変動幅が大きくなり、ウェブ14上に形成される塗布膜の面状についても段ムラが目立って良好であるとは言えなかった。したがって、エアー吸引口35による給気を行うことによって、ウェブ14上に塗布膜を精度良く形成することができることが分かった。また、オリフィス32によるエアー配管28の絞り度を大きくしてエアー配管28内の通気可能断面積を減少させる程、減圧チャンバー26内の圧力変動幅が小さくなり、ウェブ14上に形成される塗布膜の面状についても段ムラが抑えられて良好になった(表1の「No.2〜No.6」参照)。特に、オリフィス32によってエアー配管28の通気可能断面積を基本断面積の4分の1以下に絞った場合に、減圧チャンバー26内の圧力変動幅の抑制の効果が顕著となって、塗布膜の面状も非常に良好なものになることが分かった。
実施例2
上述の実施例1とほぼ同じ条件で、ウェブ14上に塗布膜を形成した。
エアー吸引口35からバッファタンク34への給気流量と、オリフィス32によるエアー配管28内の通気可能な断面積の絞り度と、ブロア30による排気流量とを変えることによって、以下の表2に示す結果を得ることができた。
Figure 2007268383
表2に示すように、エアー吸引口35からバッファタンク34への給気流量を、0.05m/min以上に設定するとともに(表2の「No.1〜No.4」参照)減圧チャンバー26内への空気流入量の5倍以上に設定した場合(表2の「No.3,No.5,No.6」参照)、減圧チャンバー26内の空気の圧力変動幅が効果的に抑制され、塗布膜の面状が良好になることが分かった。
実施例3
上述の実施例1とほぼ同じ条件で、ウェブ14上に塗布膜を形成した。
本例では、エアー吸引口35からバッファタンク34への給気流量(エアー吸引口風量)を0.05m/minに保つとともに、オリフィス32によるエアー配管28内の通気可能断面積の絞り度(オリフィス配管面積比)を4分の1(1/4)に保った。その一方で、減圧チャンバー26の容積と、バッファタンク34の容積とを変えることによって、以下の表3に示す結果を得ることができた。
Figure 2007268383
表3において、「減圧室容積(1m幅当たり)」は減圧チャンバー26の幅1m当たりの容積を意味し、「タンク容積」はバッファタンク34の容積を意味する。
表3に示すように、減圧チャンバー26の幅1m当たりの容積が0.005m以上になると、減圧チャンバー26内の圧力変動幅が小さくなり、ウェブ14上に形成される塗布膜の面状についても段ムラが目立たず良好になった(表3の「No.3」および「No.4」参照)。減圧チャンバー26の幅1m当たりの容積は、0.01m以上であることがより好ましい(表3の「No.3およびNo.4」参照)。
また、バッファタンク34の容積が0.3m以上になると、減圧チャンバー26内の圧力変動幅が小さくなり、ウェブ14上に形成される塗布膜の面状についても段ムラが目立たず良好になった(表3の「No.5」および「No.6」参照)。バッファタンク34の容積は、0.5m以上であることがより好ましい(表3の「No.1」「No.5」「No.6」参照)。
光学フィルムの製造ライン(スロットダイコータ式塗布システム)の全体構成を示す図である。 ダイコータ、バックアップローラ、およびその周辺の構成図である。 ダイコータの一部を切断した状態を示す斜視図である。 減圧装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10…スロットダイコータ式塗布システム、12…バックアップローラ、14…ウェブ(支持体)、18…ダイコータ、18A…上流側ダイブロック、18B…下流側ダイブロック、20…ビード、22…マニホールド、24…スロット、24A…開口部、26…減圧チャンバー、26A…バックプレート、26B…サイドプレート、26C…リアプレート、26D…ボトムプレート、28…エアー配管、30…ブロア、32…オリフィス、33…バッファ装置、34…バッファタンク、35…エアー吸引口、36…圧力計、38…コントローラ、40…吸引口、42…塗布液ポンプ、44…塗布液タンク、46…塗布液供給管、52…塗布液排出管、54…閉鎖板、60…幅規制板、66…送り出し機、68…パスローラ、74…除塵機、76…乾燥装置、78…加熱装置、80…紫外線照射装置、82…巻き取り機

Claims (8)

  1. バックアップローラにより支持された状態で連続走行する支持体の表面に向かってスロットダイから塗布液を吐出させる塗布装置において、
    前記スロットダイと前記支持体との間に架設される塗布液のビードに隣接する空間を減圧する減圧チャンバーと、
    前記減圧チャンバーに減圧管を介して接続され当該減圧管の内部から外部へ排気する減圧手段であって、排気流量が可変である減圧手段と、
    前記減圧チャンバーと前記減圧手段との間に設置され前記減圧管に連通するバッファタンクと、当該バッファタンク内に給気する給気装置と、を有するバッファ手段と、
    前記減圧チャンバーと前記バッファタンクとの間の前記減圧管に設置され、前記減圧管内の通気可能な断面積を4分の1以下に局所的に絞るオリフィスと、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記給気装置による前記バッファタンク内への給気流量は、毎分0.05m以上であって、前記減圧チャンバー内への気体流入量の5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記バッファタンクは、0.3m以上の大きさを有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
  4. 前記減圧チャンバーは、1m幅当たり0.005m以上の大きさを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布装置を用いて、塗布液を支持体上に塗布する塗布方法。
  6. バックアップローラにより支持された状態で連続走行する支持体の表面に向かってスロットダイから塗布液を吐出させる塗布方法において、
    減圧チャンバーによって、前記スロットダイと前記支持体との間に架設される塗布液のビードに隣接する空間を減圧し、
    前記減圧チャンバーに減圧管を介して接続され排気流量が可変である減圧手段によって、前記減圧管の内部から外部へ排気し、
    給気装置によって、前記減圧チャンバーと前記減圧手段との間の前記減圧管に連通するバッファタンク内に給気し、
    オリフィスによって、前記減圧チャンバーと前記バッファ手段との間の前記減圧管内の通気可能な断面積を4分の1以下に局所的に絞ることを特徴とする塗布方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布装置によって支持体上に塗布膜を形成し、
    当該塗布膜を用いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法。
  8. 前記光学フィルムは、防眩フィルムまたは反射防止フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。
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