JP2007266625A - 半導体基材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)図に示すように、成長面が凹凸面とされた基板1を用いる。この基板を用いて気相成長した場合、凹凸形状が、横方向成長を抑え、C軸方向の成長を促進する働きとなり、ファセット面形成に可能な素地面となる。従って(b)図に示すように、凸部にはファセット面が形成された結晶が成長し、凹部にも結晶が成長した状態となる。さらに結晶成長を続けると凸部、凹部から成長した膜がつながって、やがて(c)図のように凹凸面を覆い平坦化する。この場合、ファセット面が形成された凸部上部には低転位領域が形成され、作製した膜の高品質化が図れている。
【選択図】図1
Description
転位が存在している。近年高輝度の発光ダイオード、半導体レーザーなどが実現されているが、特性向上を図るためには転位密度の低減が望まれている。
スキャン)することでも確認できる。即ち、ラテラル成長方向からの入射X線によるX線ロッキングカーブの半値全幅(FWHM)は、マスク層のストライプ方向からのX線によるFWHM値より大きくなっており、C軸の微小傾斜(チルティング)に方位依存性があ
る事を示している。この事は、マスク上のラテラル成長の合体部分に新たな欠陥を多数誘起する可能性を示唆している。
成長層が積重されるとSi成分がこの結晶成長層中に移行するという、いわゆるオートドーピング汚染の問題があることも判明した。
さらに、Alを含む半導体材料、例えばAlGaNをSiO2マスク層付き基板上に成長させた場合、マスク層上にも結晶成長し、選択成長自体が効果的に行えないという問題もあった。
図1(a)乃至(c)は本発明に係る半導体基材の結晶成長状態を説明するための断面図である。図において、1は基板であり、2は該基板1上に気相成長された半導体結晶をそれぞれ示している。基板1の結晶成長面には凸部11及び凹部12が形成されており、前記凸部11及び/または凹部12からファセット面を形成し得る素地面とされている。
Ga1-X-YInYN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)ではx、yの組成比を変化させたGaN、Al0.2Ga0.8N、In0.4Ga0.6Nなどが例示できる。
かる問題が解消されるため、従来できなかったAlGaN低転位密度化が可能となり低転位で高品質な膜の成長が基板直上から可能となる。このため紫外線発光素子等で問題となるGaN層による光吸収がなくなり応用上特に好適である。
GaNの一般的な成長はMOCVD法などによりサファイアC面基板に低温バッファー層を介し、高温GaN膜を成長するものである。低温バッファー層上に高温GaNを成長するとバッファー層を核とし、その核が横方向成長しながら合体し、やがて平坦になるというものである。この時、サファイア基板には何も施されていない為、安定であるC面が出るように成長が進むため平坦化される。これは安定であるC面の成長速度に比べ横方向の成長速度が速い為である。
一方、横方向成長速度を抑え、C軸方向の成長速度を上げると、{1−101}などの斜めのファセットが形成し得る。本発明では基板の成長面に凹凸加工を施す事で、上記横方向成長を抑えている。
このような凹凸面の形成の態様としては、島状の点在型の凸部、ストライプ型の凸条からなる凸部、格子状の凸部、これらを形成する線が曲線である凸部などが例示できる。
なお幅の組み合わせだけでなく、凹部の深さ(凸部の高さ)hを変化させる事でもファセット面形成領域の制御が可能である。
また、凹部深さhは上記と同様の考えのもと検討をした結果、A,Bいずれか長い方の幅の20%以上とした時にファセットの形成が生じ、転位低減が促進されることが確認された。
のように薄膜を形成する他、実質的に結晶成長し得ない加工であれば特に制限はない。また、凹部又は凸部のいずれかを、実質的な結晶成長自体が起こり得ないような微小開口の凹部、又は微小幅の凸部とすることで、いずれかのみからファセット構造成長が起こるようにすることもできる。
ファセットが出易く、常圧成長では減圧に比べファセット面が出易い。
また成長温度を上げると横方向成長が促進されるが、低温成長すると横方向成長よりもC軸方向の成長が速くなり、ファセット面が形成されやすくなる。
以上成長条件によってファセット形状の制御が可能である事を示したが、本発明の効果が出る範囲内であれば、目的に応じ使い分ければよい。
c面サファイア基板上にフォトレジストのパターニング(幅:2μm、周期:4μm、ストライプ方位:ストライプ延伸方向がサファイア基板の<1−100>方向)を行い、RIE(Reactive Ion Etching)装置で2μmの深さまで断面方形型にエッチングした。この時のアスペクト比は1であった。フォトレジストを除去後、MOVPE装置に基板を装着した。その後、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチングを行った。その後温度を500℃まで下げ、3族原料としてトリメチルガリウム(以下TMG)を、N原料としてアンモニアを流し、GaN低温バッファー層を成長した。つづいて温度を1000℃に昇温し原料としてTMG・アンモニアを、ドーパントとしてシランを流しn型GaN層を成長した。その時の成長時間は、通常の凹凸の施していない場合のGaN成長における2μmに相当する時間とした。
成長後の断面を観察すると、図1(b)に示すように凸部、凹部両方での成長が観察された。
リア濃度をHall測定にて行なった。さらにX線ロッキングカーブ半値幅測定も行なった。
同様のストライプ方向、幅で形成した基材の上にGaNを4μm成長したサンプルも作成した。各サンプルの評価結果を表1に示す。
これは凹部でも貫通転位が曲げられる事が生じたためと考えられる。
一方、キャリア濃度は通常GaN成長と同程度であった。またXRCのFWHMは107secと一番小さく、総合的にみて高品質の膜であるといえる。
実施例1の内、凹凸部の形状を以下の様に変更した以外は同じとした。
(幅:2μm、周期:6μm、ストライプ方位:サファイア基板の<1−100>)を行い、RIE装置で0.5μmの深さまで断面方形型にエッチングした。
凸部上部には転位に対応したピットはほとんど観測されなかった。これは凸部上ではファセット面が形成された状態で成長が進み、転位が横方向に曲げられた結果と考えられる。
一方、凹部のうち、凸部に近いあたりではピットはあまり観測されなかったが、中央付近の幅4μmの領域ではピットが多数見られた。これは、凹部中央付近ではファセット面の形成が生じていないため、転位が表面まで伝播した結果と考えられる。しかしウエハー全体でみると、凹凸加工を施していない基板上の成長に比べ転位密度は低減していることがわかる。
実施例1の内、凹部にSiO2マスクを形成した以外は同じとし、GaNの成長を行な
った。2μm相当成長した膜の断面を観察すると、図3(b)に示すように凸部上部にはフ
ァセット面を形成したGaNが成長していた。一方、凹部には膜は形成されていなかった。
成長をさらに行なうと隣り合う凸部上部のファセットはやがて合体した。その後、合体した谷部が埋まるように成長が進み、やがて凹部上部に空洞を残し平坦となったGaN膜が得られた。
エッチングによりピットを形成したところ凹部中央に若干の転位に対応するピットが確認されたが、それ以外ではピットはほとんど観測されなかった。
実施例1で得られた膜に連続してn型AlGaNクラッド層、InGaN発光層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順に形成し、発光波長370nmの紫外LEDウエハーを作製した。
その後、電極形成、素子分離を行い、LED素子とした。ウェハ全体で採取されたLEDチップの出力の平均値と逆電流特性を評価した。比較対象としては、従来のELO技術を使って上記構造を作製した紫外LEDチップと通常のサファイア基板を使って上記構造を作製した紫外LEDチップである。これらの評価結果を表2に示す。
実施例1の内、半導体層成長時にトリメチルアルミニウム(TMA)を追加した以外は同じとした。
結果、AlGaN(Al組成0.2)の膜が凹凸部を覆うように平坦な膜が成長できていた。エッチングによりピットを形成したところ凸部上方部には転位に対応するピットは少なかった。これにより従来のELO技術では成し得なかったAlGaN膜の高品質化(低転位密度化)が本発明を用いてできた事を確認した。
次にGaNを基板として用いた例を示す。GaN基板上にフォトレジストのパターニング(幅:2μm、周期:4μm、ストライプ方位:GaN基板の<11−20>)を行い、RIE装置で2μmの深さまで断面方形型にエッチングした。フォトレジストを除去後、MOVPE装置に基板を装着した。その後、窒素、水素、アンモニア混合雰囲気下で1000℃まで昇温した。その後、原料としてTMG・アンモニアを、ドーパントとしてシランを流しn型GaN層を成長した。その時の成長時間は、通常の凹凸の施していない場合のGaN成長における4μmに相当する時間とした。
対しても更なる転位密度低減効果があることが確認できた。
実施例1で作製したGaN結晶を第一結晶とし、その上に第二結晶を成長させた。まずGaN第一結晶にフォトレジストのパターニング(幅:2μm、周期:4μm、ストライプ方位:GaN基板の<11−20>)を行い、RIE装置で2μmの深さまで断面方形型にエッチングした。この時のパターニングは基板凸部の上に第一結晶の凹部がくるような配置とした。フォトレジストを除去後、MOVPE装置に基板を装着した。その後、窒素、
水素、アンモニア混合雰囲気下で1000℃まで昇温した。その後、原料としてTMG・アンモニアを、ドーパントとしてシランを流しn型GaN層を成長した。その時の成長時間は、通常の凹凸の施していない場合のGaN成長における4μmに相当する時間とした。
がわかった。このように本実施例を繰り返す事により更なる転位密度低減効果があることが確認できた。
11 凸部
12 凹部
13 空洞部
2 半導体層
Claims (9)
- 基板と該基板上に気相成長された半導体結晶とからなる半導体基材であって、前記基板の結晶成長面が凹凸面とされ、前記半導体結晶は凹部及び/または凸部からファセット構造を形成しながら成長されたものであることを特徴とする半導体基材。
- 上記半導体結晶がInGaAlNであることを特徴とする請求項1記載の半導体基材。
- 上記基板の結晶成長面の凸部が、平行なストライプ形状からなる凸部であることを特徴とする請求項1記載の半導体基材。
- 上記半導体結晶がInGaAlNであって、かつストライプの長手方向が該InGaAlN結晶の(1−100)面もしくは(11−20)面と平行であることを特徴とする請求項3記載の半導体基材。
- 上記基板に凹凸加工したストライプの長手方向が上記InGaAlN結晶の(1−100)面もしくは(11−20)面と平行であり、その精度が1°以内であることを特徴とする請求項4記載の半導体基材。
- 上記基板に凹凸加工した凸部の幅Aと、これに隣接する凹部の幅Bとの合計A+Bが20μm以内とされ、前記凹部の深さhをA,Bのいずれか長い方の幅の20%以上としたことを特徴とする請求項5記載の半導体基材。
- 上記基板に凹凸加工した凸部の立上り斜面と基板平面とが成す角度が60°以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体基材。
- 上記基板に凹凸加工した凹部の底面に、曲面部を備えていることを特徴とする請求項1記載の半導体基材。
- 基板と該基板上に気相成長された半導体結晶とからなる半導体基材であって、前記基板の結晶成長面が凹凸面とされ、前記凹凸面の凹面には、その表面からは実質的に結晶成長し得ない加工が施され、前記半導体結晶は凸部からファセット構造を形成しながら成長されたものであることを特徴とする請求項1記載の半導体基材。
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