JP2007266281A - 正孔注入層材料及びそれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の有機電界発光素子の長寿命化技術は、有機電界発光素子が何故通電駆動によって劣化していくのかという、劣化機構そのものに配慮したものではなかった。
【解決手段】有機電界発光素子を構成する正孔注入層の材料が、架橋した網目構造を有する主鎖共役系高分子誘導体からなり、正孔注入層への通電による劣化、分解物の有機層への拡散を抑止することで、長寿命化を図る。
【選択図】図1

Description

本発明は、正孔注入層材料及びそれを用いた有機電界発光素子に係り、薄膜、軽量、高精細な薄膜平面ディスプレイに適用できる、高効率で長寿命な有機電界発光素子に関する。
代表的な高分子系有機電界発光素子用の正孔注入層材料には、PEDOT/PSSが知られている。PEDOTを含む電気伝導性の高いポリチオフェン誘導体については、下記特許文献1に開示されている。ここでは、酸化剤による酸化重合又は電気化学的な反応による重合の2つの可能性が示されている。このうち、電気化学的な反応では十分な量の試料が得られず、高分子化も不十分で、多くの電解質が残存する等の問題があった。このため酸化重合法が実用的には用いられるが、この場合は原料を混合し、溶媒除去、加熱反応させるもので、生成物は不溶性で、構造的にも不均一な高分子しか得られず、得られた粉末を圧縮成型させて実用に供していた。
このPEDOTとポリ酸との共存下における酸化重合法によってPEDOT/PSSを合成する方法については、下記特許文献2に開示されている。この合成方法によって、従来法に比べると高い重合度のPEDOT誘導体が得られることに加えて、得られた生成物がポリ酸との共存体であるために、水性溶媒に分散塗布することが可能となった。しかしながら、これらはいずれも高電気伝導度を持つ帯電防止剤としての用途を狙ったものであった。
また、このようなPEDOTをパターニングさせようとする試みの最初のものは、下記特許文献3に開示されている。そこには、加熱反応の前段階で、原料混合物を塗布し、紫外線によって部分的に反応性を失わせることでパターニングされた有機電界発光素子について説明されている。しかしながら、この手法では目的部分が重合されてPEDOT部分の膜質は通常の酸化重合法で得られたものと何ら変わるところがなかった。
また、下記特許文献4によれば、PEDOT/PSSをスピンコート法等の手法で薄膜化した後、この上に部分的に導電性膜の共役を切る作用のあるアルカリ性インク等を塗布することにより、部分的に導電性を失活させることでパターニング化させる方法について説明されている。しかしながら、この手法で残されるPEDOT/PSS部分は従来のPEDOT/PSSそのものであり、従来品以上の高性能化や長寿命化を実現させるものではなかった。
特開平1−313521号公報 特開平7−90060号公報 国際公開WO96/08047 特開2003−331662号公報
このように種々の有機電界発光素子、その中で特に高分子系の有機電界発光素子を実用化する上で、その優れた発光特性をいかに長時間維持し続けることが可能であるか、すなわち、有機電界発光素子の長寿命化技術が重要である。
これまで検討されてきた多くの高分子系有機電界発光素子の長寿命化技術は、発光素子の高効率化(有機材料の発光効率の向上、チャージバランスを上げる層構造、電極と有機層とのポテンシャルギャップ低減による低電圧化、光取り出し効率を上げるための光学構造の導入、トップエミッション構造導入による開口率拡大、等)によって、必要光量を得るのに必要な駆動電力を引き下げることによって長寿命化を図るものであった。しかしながら、これらの手法は有機電界発光素子が何故通電駆動によって劣化していくのかという、劣化機構そのものに配慮したものではなかった。
本発明では、これら高効率化による長寿命化技術とは独立に、高分子系有機電界発光素子の正孔注入層材料に関わる構造最適化によって、素子構造自体の安定性を高め、それによって長寿命化を図るものである。すなわち、有機電界発光素子を構成する部材の物質的安定性そのものに着目し、最適条件の構成範囲について種々の検討を加えることで、最も長期にわたる通電によっても変質しない材料構成を提供するものである。
このような有機電界発光素子の長寿命化を図る本発明の解決手段は以下のとおりである。ここで、本発明における「正孔注入層材料」とは、「正孔を注入又は輸送する機能を有する層に用いられる材料」を意味する。
すなわち、少なくとも2つ以上の電極を有し、この電極の間に挟まれた少なくとも1種類以上の薄膜層を有しており、かつ薄膜層の少なくとも1つは有機物質を含む薄膜層であって、かつ電極を通じて正負の両電荷の注入、輸送することが可能で、正負の両電荷により生成された正孔と電子の再結合により光を発生可能な有機電界発光素子であり、かつ有機電界発光素子に含まれる再結合による発光物質又は該発光物質からの光を受けて二次的に光を発生させることが可能な蛍光物質若しくは燐光物質を含むことが可能な有機電界発光素子において、有機電界発光素子の電極からの正孔を注入又は輸送することが可能な層に用いられる材料が、架橋した網目構造を有する主鎖共役系高分子誘導体からなること特徴とする正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子にある。
また、正孔注入層材料が、主鎖共役系高分子同士が架橋した網目構造を有することを特徴とする。
また、正孔注入層材料が、正孔注入層材料が該網目構造を形成する前又は形成後に偏光性又は円偏光性を示すことを特徴とする。
また、正孔注入層材料が、正孔注入層材料が該網目構造を形成する前又は形成後に液晶相を示すことを特徴とする。
また、正孔注入層材料が、正孔注入層材料が有機溶媒に可溶な主鎖共役系高分子誘導体であって、かつ可溶性主鎖共役系高分子誘導体を基板上に薄膜形成後、熱又は光によって化学的に架橋させることが可能なことを特徴とする。
また、正孔注入層材料の主鎖共役系高分子誘導体が、ポリチオフェン誘導体を含むことを特徴とする。
また、正孔注入層材料の主鎖共役系高分子誘導体が、チオフェンとチオフェン以外分子構造を有する縮合多環系又は複素縮合多環系単量体との共重合体からなることを特徴とする。
なお、ここでいう有機電界発光素子とは、有機発光分子を含む発光層に対して、陽極電極から正孔を、陰極電極から電子を注入可能であって、発光層内部で正孔と電子の再結合によって光を放出することが可能な有機電界発光素子であり、発光層は単一層であっても、又は多層であってもよい。また、発光層は正孔と電子の再結合により光を放射する有機発光分子以外に、有機発光分子から発生した光を吸収して別の光を発生することが可能な蛍光物質(又は燐光物質)を含んでいてもよい。また、発光層は正孔又は電子の発光層内部での易動度を高めることが可能な正孔輸送物質又は電子輸送物質を含んでいてもよい。また、発光層は特定の空間的位置に正孔又は電子を補足する又は輸送性を低下させるための正孔捕捉物質又は電子捕捉物質を含んでいてもよい。さらに、これら有機発光分子、蛍光物質(又は燐光物質)、正孔輸送物質、電子輸送物質、正孔捕捉物質、電子捕捉物質は同一の層に含まれていてもよく、又は、別個の層に分離されていてもよい。
また、本発明の発光層と、この発光層に正孔又は電子を注入する陽極又は陰極との間には、正孔又は電子の注入効率を向上させるための正孔注入層又は電子注入層を設けていてもよい。
また、発光層や、陽極、陰極、正孔注入層、電子注入層を保持するための基板を設けていてもよく、それら以外の中間層を適宜設けていてもよい。そのような中間層としては光の反射特性を変調するための反射鏡や部分透過鏡、特定光を透過するフィルタ、光の出射タイミングを調整する光スイッチ、光の位相特性を調整するために波長板、光の出射方向を拡散するための拡散板、素子を構成する物質の外部光や熱、酸素、水分等による劣化を防ぐための保護膜、等が挙げられる。これら中間層は発光層、陽極、陰極、正孔注入層、電子注入層、基板との間、又は、その外部に素子特性を著しく劣化させないような仕様で適宜設けることができる。
また、本発明に用いることが可能な電界発光材料としては、各種金属錯体型発光材料(配位子として8-キノリノール、ベンゾオキサゾール、アゾメチン、フラボン等。中心金属としてはAl、Be、Zn、Ga、Eu、Ru、Pt等)や蛍光色素系発光材料(オキサジアゾール、ピラゾリン、ジスチリルアリレーン、シクロペンタジエン、テトラフェニルブタジエン、ビススチリルアントラセン、ペリレン、フェナントレン、オリゴチオフェン、ピラゾロキノリン、チアジアゾロピリジン、層状ペロプスカイト、p-セキシフェニル、スピロ化合物等)を用いることができる。あるいは、各種高分子材料(ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン、等)を発光材料としたり、または、非発光性の高分子材料(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリイソプレン、ポリイミド、ポリカーボネート等)をマトリックスとして、各種発光材料又は蛍光材料を混合したり共重合したりすることも可能である。また特に、適した電界発光材料は、所謂高分子系の有機電界発光材料であり、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルオレン等の共役系高分子やそれらの共重合体等を用いることができる。また、各種有機正孔又は電子輸送材料(トリフェニルアミン等)を介在させることもできる。さらには、各種正孔又は電子注入層(例えば、Li、Ca、Mg、Cs、CuPc等)を介在させることも可能であり、素子構成に合わせて適宜材料を選ぶことができる。
本発明の有機電界発光素子を作成する手段としては、各種薄膜形成技術、例えば、スピンコート法、塗布法、キャスト法、スパッタ法、真空蒸着法、分子線蒸着法、液相エピタキシャル法、原子層エピタキシャル法、ロール法、スクリーン印刷法、インクジェット法、電界重合法、ラビング法、吹き付け法、水面展開法、ラングミュア・ブロジェット膜法、等を用いることができる。また、これら製膜中又は製膜後の配向化を促進させるために、基板自身に配向規制力を有するような結晶性基板や、配向膜塗布基板、物理的又は化学的な表面処理を施した基板等を用いることができる。また、このような配向処理に適した化合物中の分子骨格としては、配向処理過程で液晶性を示すものが望ましく、配向処理を施した後に、試料温度のガラス転移温度以下への冷却や、光や熱等による反応により分子間に新たな化学結合を形成することにより、その配向状態を固定することも有効である。
また、基板にはガラス、シリコン、ガリウム砒素、等の無機物質からなる基板や、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、等の有機物質からなる基板、あるいは、両者を複合化させた基板を用いることができる。これら基板は、その母材からの切り出し研磨、射出成形、サンドブラスト法、ダイシング法等の手法によって形成することができる。また、発光状態を制御するために薄膜トランジスタを形成した基板を用いることも可能であり、係る薄膜トランジスタを形成した基板上に有機電界発光層を形成したり、あるいは、薄膜トランジスタを形成した基板と有機電界発光層を形成した基板とをそれぞれ別々に形成したりした後に、両者を接合させることによって一体化させることも可能である。
また、本発明の有機電界発光素子は、その素子形成の過程で、必要とする光学的素子構造を作製するために、各種精密加工技術を用いることができる。例えば、精密ダイアモンド切断加工、レーザ加工、エッチング加工、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチング、集束イオンビームエッチング、等が挙げられる。また、予め加工された有機電界発光素子を複数個配列させたり、多層化したり、または、その間を光導波路で結合したり、または、その状態で封止したりすることもできる。
また、素子を不活性ガス又は不活性液体を充填させた容器に保存することをも可能である。さらに、その動作環境を調整するための冷却又は加熱機構を共存させることもできる。容器に用いることができる素材としては、銅、銀、ステンレス、アルミニウム、真鍮、鉄、クロム等の各種金属や、その合金、あるいは、ポリエチレンやポリスチレン等の高分子材料等に、これら金属を分散させた複合材料、セラミック材料等を用いることができる。また、断熱層には、発泡スチロール、多孔質セラミックス、ガラス繊維シート、紙等を用いることができる。特に、結露を防止するためのコーティングを行うことも可能である。また、内部に充填する不活性液体としては、水、重水、アルコール、低融点ワックス、水銀、等の液体や、その混合物を用いることができる。また、内部に充填する不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素等を挙げることができる。また、容器内部の湿度低減のために、乾燥剤を入れることも可能である。
また、本発明の有機電界発光素子は、製品の形成後に、外観、特性の向上や長寿命化のための処理を行ってもよい。こうした後処理としては、熱アニ−リング、放射線照射、電子線照射、光照射、電波照射、磁力線照射、超音波照射等が挙げられる。さらに、有機電界発光素子を各種の複合化、例えば、接着、融着、電着、蒸着、圧着、染着、溶融成形、混練、プレス成形、塗工等、その用途又は目的に応じた手段を用いて複合化させることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、駆動させるための電子回路と近接させて高密度実装させることも可能であり、外部との信号の授受のインターフェースや、外部と無線信号を授受するアンテナ等と一体化することもできる。
本発明に係る正孔注入層材料及びそれを用いた有機電界発光素子によると、従来、数多く報告されている有機電界発光素子の全ての発光層材料に対して、その基本構造を変化させることなく、より高効率で長寿命な有機電界発光素子を与えることができる。
すなわち、共役系高分子として、より高性能なポリチオフェン誘導体を与え、かつ、得られた誘導体が溶媒可溶であるために、薄膜形成が容易である。十分な高分子量化反応を進行させた後に薄膜形成されるために、従来のように、不均一な高分子ではなく、高品位な薄膜が得られる。
また、このような薄膜を形成した後に、パターニングすることが可能であるために、微細な領域に、所望の正孔注入層材料を配置することが可能であると共に、一度パターニングされた正孔注入層材料は、その電気特性を損なうことなく溶媒に不溶化できるために、この上に更なる別の薄膜層を形成することが容易であり、特に、従来の高分子系有機電界発光素子で用いられていた溶媒の極性の違いによる高々2層の多層素子構造よりも、更に多層で、膜厚制御された高分子系の有機電界発光素子を得ることができる。
また、最初のポリチオフェン誘導体の合成時に、複数種のチオフェン誘導体、又は他の共役系モノマ誘導体と共重合化させたポリチオフェン誘導体を用いることで、目的の層構成に合わせたエネルギバンドを有する最適正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子を得ることができる。
また、ポリチオフェン誘導体に、液晶や結晶性を制御可能な置換基を導入することで、成膜時の膜ドメイン均質性を高めることが可能であると共に、その構造異方性を制御することで、得られる有機電界発光素子の電気特性の向上や光学特性の変調を付与することも可能である。これらの有機電界発光素子としての新たな機能を、その信頼性を損なうことなく付与することも可能である。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
まず、本発明における正孔注入層材料の具体的な構造の一例を、図1を用いて説明する。以下に示す具体的な構造及びその合成方法は、本発明の実施方法を示す一例ではあるが、それを実現するためには、これ以外の手法も可能であり、以下記述されたものに限定されるものではない。
図1には、主鎖共役系高分子誘導体として、ポリチオフェン誘導体からなり、このポリチオフェン誘導体がメチレン鎖を介して架橋した網目構造体の一例を示した。ここで、架橋構造部分のメチレン鎖の数nは、1以上の整数である。この例では、主鎖共役系高分子同士が架橋した網目構造を形成しており、別の高分子鎖を介した網目構造とはなっていない。このような架橋した網目構造体は、高分子鎖同士が共有結合により3次元的に結びついているために、多くの場合溶媒に対して不溶であり、かつ、温度を上げても熱可塑性を示さず、構造的に安定であると同時に、電荷の注入輸送を担う主鎖共役系高分子誘導体の共役系部分は、この架橋構造部分によって変調されないため、その電気的特性を損なうことがない。このため、設計した主鎖共役系高分子の電荷注入輸送性を、そのまま固定することが可能であり、長時間の駆動によっても変質しない安定な正孔注入層を用いた有機電界発光素子を得ることができる。
一方、このような架橋した網目構造体は、化学的にも極めて安定であるために、それ自体は製膜性や成型性には優れていない。このため、高々数十ナノメートルの膜厚しかない有機電界発光素子の正孔注入層等の有機層を形成することは、この架橋した網目構造体からは困難である。
そこで、図2(a)に示すように、実際に素子構造を形成するためには、架橋させる前に有機溶媒に可溶な主鎖共役系高分子誘導体とし、かつ、可溶性主鎖共役系高分子誘導体を基板上に薄膜形成後、図2(b)に示すように、熱又は光によって化学的に架橋させた構造体に変化させることが可能であることが望ましい。
図2(a)(b)においては、末端にエチレン骨格CH2=CH−を有するメチレン鎖を側鎖に有する主鎖共役系高分子誘導体のポリチオフェン鎖同士が形成され、これが架橋後には、末端のエチレン骨格部分のC=C二重結合同士が化学的に反応して新たなメチレン鎖として架橋していくことを示している。ここで、m架橋する前のメチレン鎖の数を示し、mは1以上の整数である。図1のnとの対応ではn=2m+4である。具体的にどのようなmが最適であるかについて、目的とする正孔注入層材料自身の特性に依存するが、多くの場合mは20以下であることが望ましい。
より具体的な本発明における正孔注入層材料の合成方法の一例を以下説明する。以下では(A)から(G)までの7段階で主鎖共役系高分子を得るためのモノマ分子が合成され、次に(H)で、モノマを用いた主鎖共役系高分子の重合反応を行い、最後に(I)で、主鎖共役系高分子を素子形態に利用可能な薄膜に成型後、架橋反応を行わせることで、最終的な網目構造体を得ることができる。
(A)Diethyl thiodiglycolateの合成:最初に、下記反応式1に従い、出発物質であるthiodiglycolic acidからdiethyl thiodiglycolateを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換した500 ml三口フラスコを用いて、thiodiglycolic acid (25 g,167 mmol) と、精製したethanol (125 ml) の混合物を攪拌した。1時間加熱還流した後、濃硫酸 (10 ml) を等圧滴下ろうとで、ゆっくり滴下した。滴下に要した時間は1時間であった。滴下終了後、オイルバス (70 ℃) を用いて24時間加熱還流した。次に、室温で水 (150 ml) をフラスコに加えたところ、無色のオイルが生じた。Diethyl etherで抽出し、数回飽和NaCO3溶液で洗った。これをMgSO4 を使用して12時間脱水した。エバポレーターで溶媒を除去し、目的物を得た。真空乾燥して、生成物のIRスペクトル、NMRスペクトル測定を行い目的物であることを確認した。収率は77.7 %であった。目的物の収量は26.7 g (127 mmol) であった。
(B)Diethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylate disodium saltの合成:次に、下記反応式2に従い、上記(A)で得られたdiethyl thiodiglycolateからdiethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylate disodium saltを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換した500 ml三口フラスコ中で、無水C2H5OHを室温で攪拌し、sodium (5.07 g,221 mmol) を毎回約2 gづつゆっくり加えた。反応終了後、透明な液体が生じた。アイスバスで冷やしながら化合物を撹拌した。30分後、溶液の温度が0℃になったのを確認し、diethyl thiodiglycolate (10 g,48.5 mmol) とdiethyl oxalate (17.8 ml,131 mmol) を混合して、等圧滴下ろうとで、ゆっくり滴下した。溶液は黄色懸濁液になった。滴下終了後、さらに2時間反応させた。その後に、オイルバスを使用して、70 ℃で1時間還流した。室温で、ろ過して、黄色の目的物が得られた。
(C)Diethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylateの合成:次に、下記反応式3に従い、上記(B)で得られたdiethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylate disodium saltからdiethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylateを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
500 mlの三角フラスコを用いて、Diethyl 3,4-dihydroxy thiophene-2,5-dicarboxylate disodium salt (14.8 g,48.5 mmol) を250 mlの蒸留水中に加え、室温で攪拌しなから、濃塩酸 (8.08 ml,97 mmol) をゆっくり加えると白い沈殿物が生じた。6時間後、これを、ろ過して、生成物を回収した。真空乾燥し、生成物のIRスペクトル、NMRスペクトル測定を行い、これにより目的物であることを確認した。収率は63.6 %であった。収量は8.03 g (31 mmol) であった。
(D)Diethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothienyl(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylateの合成:次に、下記反応式4に従い、上記(C)で得られたdiethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylateからdiethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothienyl(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylateを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換した500 mlの三口フラスコに、50 ml無水C2H5OHを入れ、これを室温で攪拌し、diethyl 3,4-dihydroxythiophene-2,5-dicarboxylate (2.5 g,9.6 mmol) を加え、70℃で還流した。30分後、potassium carbonate (0.41 g,3.0 mmol) を 15 mlの水で溶解して、これを等圧滴下ろうとで、ゆっくり滴下した。次に、epibromohydrin (4.70 g,34.3 mmol) を等圧滴下ろうとで、ゆっくり加え、72時間還流した。淡黄色沈殿物が生じた。反応終了後 500 mlの三角フラスコの中で10% 塩酸溶液80 mlを加えると白い沈殿物が生じた。クロロホルムと5 % KCl溶液で抽出した。これの有機層を分離し、MgSO4を使用して12時間脱水した。エバポレーターで溶媒を除去すると、オレンジ色の固体が得られた。これをdiethyl etherで再結晶し、白い固体を得た。真空乾燥を行ってIRスペクトル、NMRスペクトル測定の結果より目的物であることを確認した。収率は70.3 %であった。収量は2.15 g (6.8 mmol) であった。
(E)Diethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothien(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylic acidの合成:次に、下記反応式5に従い、上記(D)で得られたdiethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothienyl(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylateからdiethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothien(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylic acidを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
100 mlの三口フラスコに、KOH (1.2g,21.4 mmol) とdiethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothienyl(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylic acid (1.15g,3.7 mmol) を入れた。これに25 mlの水を加えて攪拌しながら、オイルバスを用いて80 ℃で12時間還流した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を半分除去し、それを100 ml三角フラスコに移し、アイスバスで攪拌しながら30分間冷却した。これに、濃塩酸2.4 mlをゆっくり加えた。30分後、反応溶液中に白い沈殿物が生じた。2時間後この沈殿物をろ過し、目的物を得た。真空乾燥して、生成物をIRスペクトル、NMRスペクトル測定より目的物であることを確認した。収率は49.2 %であった。収量は0.47 g (1.8 mmol) であった。
(F)2,3-Dihydrothieno(3,4-b)-1,4-dioxin-2-yl methanolの合成:次に、下記反応式6に従い、上記(E)で得られたdiethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothien(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylic acidから2,3-dihydrothieno(3,4-b)-1,4-dioxin-2-yl methanolを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換したシュレンクに、diethyl 2-(hydroxymethyl)-2,3-dihydrothienyl(3,4-b)-1,4-dioxine-5,7-dicarboxylic acid (0.4 g,1.5 mmol)と、触媒であるCuO (0.012 g,0.15 mmol) を入れて、キノリンを溶媒として2.5 ml加えた。オイルバスを用いて、攪拌しながら、180 ℃で4時間還流した。反応終了後、室温で15 mlの diethyl etherを加えて、5 %の塩酸と5 % NaCl溶液を用いて交互に2回洗った。溶液は淡黄色であった。MgSO4で12時間脱水させた。その後、エバポレーターで溶媒を除去し、粗生成物を得た。生成物をIRスペクトル、NMRスペクトル測定より目的物であることを確認した。収率は51.4 %であった。収量は0.13 g (0.8 mmol) であった。
(G)2-(9-Decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxineの合成:次に、下記反応式7に従い、上記(F)で得られた2,3-dihydrothieno(3,4-b)-1,4-dioxin-2-yl methanolから2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxineを合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換したシュレンクに、(2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxin-2-yl)-methanol (1.72g,10 mmol) と、溶媒であるDMF 10 mlを加え、70 ℃で3時間還流する NaH (0.31 g,13 mmol) と1-Bromodecane (2.21 g,10 mmol) を加え、24時間還流する。反応終了後、室温まで冷却し、水を加えてdiethyl etherで抽出を行う。その後、エバポレーターで溶媒を除去し、カラム (chloroform) で精製し、目的物を得た。生成物をIRスペクトル、NMRスペクトル測定より目的物であることを確認した。
(H)Poly(2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine)の合成:次に、下記反応式8に従い、上記(G)で得られた2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxineからpoly(2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine)を合成した方法について説明する。
Figure 2007266281
アルゴン置換したシュレンクに、2-Decyloxymethyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine (0.31 g, 1 mmol)、触媒であるIron(III) perchlorate n-hydrate (0.71 g, 2mmol)、溶媒acetonitrile 1.5 mlを加え、室温で6時間攪拌した。反応終了後、100 mlのメタノールに注ぎ1日間攪拌して塩を洗浄した後、ろ過で沈殿物を回収した。
(I)Poly(2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine)の架橋:次に、上記(H)で得られたpoly(2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine)を合成した方法について説明する。
上記反応式8で得られた poly(2-(9-decenyl-1-oxy)methyl-2,3-dihydro-thieno[3,4-b][1,4]dioxine)をTHFに溶かし、石英セルの上にポリマーのフィルムを作成した。このフィルムを80 ℃で1時間加熱して架橋ポリマーを作成した。
次に、本発明における正孔注入層材料を用いて、有機電界発光素子を作製した素子の基本特性について説明する。
図3には、本発明に係る有機電界発光素子の基本構造を示した。有機電界発光素子は、基板1上に形成されており、その直上に透明電極2が形成されている。この透明陽極2の上に、正孔注入層3を形成し、更にその上に発光層4、更にその上に陰極5が形成されている。
ここに示す構造は、本発明に係る正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子の一例であり、これ以外の有機電界発光素子構造、例えば、正孔注入層や発光層以外に、正孔輸送層や電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層等の別の機能を果たす層を用いることも可能である。
また、ここでは基板側に透明な陽極、最上部に陰極が形成されている例を示しているが、逆に積層される場合や、陰極が透明である場合、あるいは、これらの電極が半透明であったり、複数の薄膜積層体から電極が形成されていたり、あるいは、補助的な複数の電極が形成されていたりしている場合等にも用いることが可能であり、本実施例の素子構成に限定されるものではない。
以下、この構成を満たした具体的な有機電界発光素子の素子構成について説明する。基板1には、旭ガラス製硼珪ガラスAN100(厚み0.7 mm)を用いた。透明陽極2には、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide、ITO)を用いた。ITOとしては、以下に説明する独自のスパッタ装置にて薄膜形成後パターニング形成したITOを用いた。ITOの厚みは150 nm、シート抵抗は10Ω/□である。
正孔注入層3には、実施例1に示した本発明に係る正孔注入層材料を用いた。後に説明するような方法で、膜厚60 nmの薄膜を形成した。発光層4には、ポリフルオレン(化合物名Poly(9,9-dioctyllfluoren-2,7-diyl)、H. W. Sand社製、製品番号OPA2311)を用いた。ただし、市販のポリフルオレンをトルエン/メタノール系で溶解再沈を3回繰り返して精製し、凍結乾燥したものを用いた。後に説明するような方法で、膜厚60 nmの薄膜を形成した。陰極5には、LiF/Ca/Alの三層からなる金属薄膜を用いた。LiFにはレアメタリックス製LiF(純度4N)を用い、厚みは0.5 nmとした。Caにはアルドリッチ製Ca(純度4N)を用い、厚みは60 nmとした。Alにはレアメタリックス製Al(純度6N)を用い、厚みは150 nmとした。これらは後に説明する方法で、発光層4上に順次、LiF、Ca、Alの順で積層した。
次に、この素子の製造プロセス全体の流れを図4で、この素子中の各層の面内配置を図5で説明する。
まず、ステップ1では、市販のガラス基板(5cm角)を用意し、この基板を、中性洗剤(アズワン製、クリーンエースS)を純水にて10倍に希釈した洗浄液を用いて洗浄した。この後、純水にて洗浄、純水流水洗浄、純水超音波洗浄を施した後、基板をクラス100の専用基板乾燥室にて乾燥保管し、次の金属酸化物電極を形成するステップ2の直前に、紫外線照射装置(東芝製、紫外線照射装置、KAH-08101-2652)にて、表面清浄化処理を施したものを基板6とした。
次に、ステップ2では、洗浄済み基板6上に、ITOを専用のスパッタ薄膜形成装置(DCマグネトロンスパッタ装置。パワー密度1 W/cm2、酸素分圧1%、圧力0.7 Pa、製膜速度10 nm/min)を用いて、透明陽極7を形成した。スパッタターゲットには高純度化学製のターゲット材を用い、基板上全面にITO薄膜を形成した後、その基板を専用の焼成炉中で、200℃、8時間焼成して、スパッタ直後のアモルファス状態から多結晶状態に変化させた。この状態のITOを図4では透明陽極7と表記した。
次に、この透明陽極7をパターニングするステップ3では、最初にスピンコート法によってフォトレジスト膜を透明陽極7上に形成し、所定のフォトマスクを使って、図5(a)に示すようなパターンで金属酸化物電極が残るように紫外線照射してフォトレジストを硬化させ、未硬化フォトレジストをレジスト除去液で除去した後、エッチング液でパターン外の金属酸化物電極を除去し、最後に硬化したフォトレジストも別のレジスト剥離液で取り除いた。このステップ3は、標準的なITOパターニング工程であり、特に用いた装置や試薬については記述していないが、特定のパターニング手法に限定されるものではない。このようにパターニングが完了した透明陽極7は、次のステップに移行する前に、中性洗剤スクライブ洗浄を施し、次に純水にて洗浄、純水流水洗浄、純水超音波洗浄を施した後、イソプロパノール蒸気洗浄を施し、純水メガソニックスピン洗浄を施し、専用乾燥室にて乾燥後、使用直前に紫外線照射を施した。この状態まで仕上げたものをパターニング後の透明陽極7'とした。
次に、ステップ4では、正孔注入層8を形成した。具体的には、室温23℃のクラス100のイエロークリーンルーム内で以下の作業を実施し、実施例1で合成した架橋前の正孔注入層材料を用い、これをトルエンに溶解させて1wt%の溶液とした。この溶液を0.1μmメッシュのフィルタで異物を除去した後、スピンナ(アクティブ製、マニュアルスピンコータACT-300D)を用いて所定の膜厚の薄膜を形成した。次に、図5(b)に示すようなパターンで、トルエンを染込ませた綿棒を用いて基板周辺部の正孔注入層材料をふき取り、乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(120℃、30分)で乾燥、熱硬化させた。ただし、最初に減圧にして、可能な限り膜中の溶媒を除去した後、加熱処理を施した。この状態まで仕上げたものを正孔注入層8とした。
次に、ステップ5では、発光層9を形成した。具体的には、同じく室温23℃のクラス100のイエロークリーンルーム内で以下の作業を実施し、前述の発光層材料をトルエンに溶解させて1wt%の溶液とした。この溶液を0.1μmメッシュのフィルタで異物を除去した後、スピンナ(アクティブ製、マニュアルスピンコータACT-300D)を用いて所定の膜厚の薄膜を形成した。次に、図5(b)に示すようなパターンで、トルエンを染込ませた綿棒を用いて基板周辺部の発光層材料をふき取り、乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(120℃、30分)で乾燥させた。ただし、最初に減圧にして、可能な限り膜中の溶媒を除去した後、加熱処理を施した。この状態まで仕上げたものを発光層9とした。
次に、ステップ6では、陰極10を形成した。具体的には、真空蒸着装置(トッキ製、有機EL作成装置、CM-29GL)を用い、パターン化した開口部を有するメタルマスクで図5(c)に示すようなパターンで部分的に蒸着が可能とした真空蒸着によって形成した。真空蒸着チャンバのベース圧力は1×10-6 Paで、3つの蒸着原料、LiF、Ca、Alをそれぞれ蒸着ボードにセットし、一度真空中で各原料を蒸発温度まで加熱して脱ガスし、しかる後に蒸着チャンバ全体を140℃で1昼夜ベーキングした後、発光層9まで形成された基板を別の真空チャンバから導入し、真空を保持した状態で、蒸着用チャンバに搬送棒を用いて移送した。膜厚については、事前に正孔注入層や発光層を塗布していないITO付のガラス基板を用いて行い、蒸着装置付属の水晶振動子膜厚計と実際の蒸着膜の膜厚との較正作業を行って、目標とする陰極10の各層の膜厚設定を行い、真空蒸着を施した。蒸着順序は、発光層9の上にLiF層、Ca層、Al層の順に蒸着を行い、この間同じメタルマスクを用いた。このようにして形成された3層の蒸着膜を、まとめて陰極10とした。当然ながら、本発明は特定の装置構成に由来する最大積層数に限定されるものではない。
次に、ステップ7では、素子の封止作業を行った。具体的には、ステップ6で陰極10まで形成し終えた基板を、装置外部に取り出されることなく、直結した受渡用のチャンバを経由して、グローブボックスに搬送され、この中で封止作業を行った。内部の雰囲気は高純度乾燥窒素(窒素純度6N、露点-90℃、酸素濃度0.01 ppm以下)で大気圧とした。この作業環境の中で、封止缶11を取り付けた。この封止缶11は、硼珪ガラス製封止缶(エヌエスジーガラスコンポーネンツ製)で、特に図示はしていないが、内側に窪みが設けてあり、そこに酸化カルシウム(サエスゲッタ製)が乾燥剤として貼り付けられている。基板上の封止缶11が取り付けられる配置は、図5(d)に示されたような位置であり、この部分に相当する封止缶11の端部に、紫外線硬化性エポキシ樹脂(スリーボンド製、30Y-296C)を塗布して、所定の位置で基板と封止缶を貼り合わせ、その状態で紫外線を照射して光硬化させる。しかる後、封止された基板を、装置外部に取り出す。この段階では十分にエポキシ樹脂は硬化していないので、別の樹脂硬化オーブンに封止された基板を搬送し、その中で80℃、1時間、ポストキュアして、硬化を完成させる。このようにして、一連の素子作製ステップは完成する。
図5に、完成した有機電界発光素子中での各構成部位の配置を示した。基板12は5 cm角で、その上に透明陽極13が同図(a)に示す如く計8本形成されている。正孔注入層及び発光層14は同図(b)に示す如く透明陽極13の一部を覆う配置になっている。その上に形成される陰極15は同図(c)に示す如く透明陽極13とは直交するような配置になっている。ただし、その一端は、含有機物質薄膜層が形成されず、直接基板12と接触している。封止缶は同図(d)に示すような配置を取っている。これら図5(a)から(d)の配置を重ねて示したものが同図(e)である。この中で、有機電界発光素子として光を発生する領域は、透明陽極13と正孔注入層及び発光層14、陰極15の3つの構成要素が重なった部分である。この図5(e)の中では、このような発光部分は計6箇所あり、それらを今後画素と称することにする。所定の画素を発光させるためには、その画素に繋がる陰極と、その画素に繋がる陽極とを選択し、この電極間に順方向(陽極にプラス、陰極にマイナスの電位を与える方向)に電圧を印加して電流を流すことで発光させることができる。
次に、完成した有機電界発光素子の、有機電界発光特性を評価した方法について説明する。有機電界発光素子の発光特性評価(すなわち、印加電圧に対する電流密度、発光輝度の関係)には、輝度計(ミノルタ製、ハンディ輝度計LS-110)と精密電源電流計(ヒューレットパッカード製、4140B pAmeter/DC voltage source)を用いた。測定には、0Vを始点として、0.2Vずつ電圧をプラス側に上昇させた場合(以下順バイアス方向)とマイナス側に下降させた場合(以下逆バイアス方向)の電圧印加方向がある。所定の電圧を印加した時の流れた電流(及び画素面積で規格化した電流密度)と発光輝度を測定したが、輝度計の指示値の安定性を得るために、電圧印加後2秒経過した時点での電流と輝度をその時の測定値とした。
図6には代表的な発光特性の模式図(図6(a)は電流密度と電圧の関係、図6(b)は輝度と電圧の関係)を示した。有機電界発光素子は一種の発光ダイオードであり、0Vから始めて順バイアス方向に電圧を上昇させると、少しずつ電流量が増加する。ある電圧に達すると急速に電流量が増加し、発光が開始する。この時の電圧を閾値電圧(Vth)とした。更に電圧を増加させ続けるにつれ、電流量は著しく増加し、それに比例して発光量も増加する。この十分に発光した領域での特性を指標化するために、発光量が1000 cd/m2に到達した時点の電流密度をI1000、電圧をV1000とした。
有機電界発光素子の電界発光スペクトル及び画素内の発光分布測定には、蛍光顕微鏡(顕微鏡部はニコン製落射蛍光装置Y-FL、分光システムは浜松ホトニクス製AQUACOSMOS U7 501)を用いた。測定波長域は380〜800 nm、分解能は0.1nmである。
有機電界発光素子の寿命特性は以下の手法で評価した。電源には直流電源(アドバンテスト製DC voltage current source / meter)を、光量測定には輝度計(トプコン製BM-7 fast)を用いた。事前に発光特性評価を行って、輝度1000 cd/m2が得られる特性電流密度I1000を測定しておき、この特性電流密度I1000を直流電源に常時一定電流で印加させて対象画素を通電発光させ、その輝度と電圧の経時変化を測定した。これらの測定では開始直後数秒から1時間の範囲で輝度が一旦上昇した後なだらかに下降したり、電圧が一旦下降した後なだらかに上昇したりする初期変動が見られる。このため、初期1000 cd/m2相当の定電流で寿命測定を開始しても、時刻0でその値に達しない場合が多い。これらの状況から、各種有機電界発光素子の寿命特性を評価する際には、通電後数時間の範囲での最大輝度Bmaxで規格化した相対輝度B/Bmaxと、最小電圧Vminで規格化した相対電圧V/Vminをもって、寿命特性評価を行った。
図7には代表的な寿命特性の模式図(図7(a)は輝度変化、図7(b)は電圧変化)を示した。各有機電界発光素子の寿命特性を比較する際には、例えば、相対輝度がX%となった時の時間tx、及び、その時の相対電圧RVxをもって比較し、txが大きい程寿命が長い、もしくはRVxが小さい程電圧上昇が小さい、と表現した。
次に、このような評価手段によって、得られた素子の諸特性を検討した結果について説明する。下記表1には、今回作製した有機電界発光素子の初期の発光特性と寿命特性をまとめた。閾値電圧(Vth)は2.6 Vで、この電圧から発光が始まり、1000 cd/m2を示す電圧(V1000)は6.8 V、電流密度(I1000)は0.132 A/cm2であった。発光色は青で、発光スペクトルのピーク波長は450 nmであった。この素子を定電流駆動させて寿命を評価したところ、初期輝度を100%とした時の輝度低下率90、80、70、60、50、40%に到達した時刻は、それぞれ2.1、6.2、13、28、66、138時間であった。また、この時の電圧変化率は初期を100%として、それぞれ101.0、102.9、103.9、105.8、107.9、109.0%であった。このことから、所謂輝度半減時間は66時間であることがわかった。
Figure 2007266281
〔比較例〕次に、市販の正孔注入層材料を用い、実施例2と同様の素子を作製し、その特性を評価比較した結果について説明する。市販の正孔注入層材料には、シュタルクヴィテック製のPEDOT/PSS(型式CH8000 LVW233)を用いた。実施例2と同様に、図4に示した製造工程の流れでステップ3までは同じであり、同様にパターニングされた透明陽極付の基板を用意した。異なる点は、ステップ4で、市販の正孔注入層材料が水分散系高分子であるため、市販品自体が溶液状態にあり、そのまま塗布が可能である点である。具体的には、室温23℃のクラス100のイエロークリーンルーム内で以下の作業を実施し、市販の正孔注入層材料を3000 rpmで1時間攪拌した後、手早く0.1μmメッシュのフィルタで異物を除去した後、スピンナ(アクティブ製、マニュアルスピンコータACT-300D)を用いて所定の膜厚の薄膜を形成した。次に、図5(b)に示すようなパターンで、イソプロピルアルコールを染込ませた綿棒を用いて基板周辺部の正孔注入層材料をふき取り、乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(200℃、10分)で加熱乾燥させた。この状態まで仕上げたものを正孔注入層8とした。以下ステップ5以降は、実施例2と同様である。
下記表2には、このようにして作製した有機電界発光素子の初期の発光特性と寿命特性をまとめた。閾値電圧(Vth)は2.7 Vで、この電圧から発光が始まり、1000 cd/m2を示す電圧(V1000)は6.9 V、電流密度(I1000)は0.156 A/cm2であった。発光色は青で、発光スペクトルのピーク波長は452 nmであった。この初期の段階での発光特性は、実施例2の素子とほぼ同様の性能を示した。この素子を定電流駆動させて寿命を評価したところ、初期輝度を100%とした時の輝度低下率90、80、70、60、50、40%に到達した時刻は、それぞれ0.2、0.4、0.7、2.1、5.2、11時間であった。また、この時の電圧変化率は、初期を100%として、それぞれ104.2、109.4、110.6、115.0、118.9、123.8%であった。このことから、所謂輝度半減時間は5.2時間であることがわかった。この寿命は実施例1と比較して、極めて短く、特に初期1時間以内での輝度低下が著しい。また、駆動電圧の上昇度も大きく、寿命性能で劣っている。
Figure 2007266281
以上の点からも、実施例1で示した正孔注入層材料を用いると、有機電界発光素子の信頼性向上に寄与することがわかる。
次に、本発明に係る正孔注入層材料を用いて、有機電界発光素子を作製したその他の手法で得られた素子について説明する。実施例2において、実施例1で材料合成方法が示された正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子の一例を示した。この中では、実施例1の合成段階(I)の架橋反応の直前の段階で素子を形成するための透明電極付基板上に塗布して、加熱によって架橋させて正孔注入層を形成している。ここでは、この正孔注入層段階を更に改良して形成した結果について、説明する。
具体的には、同様の室温23℃のクラス100のイエロークリーンルーム内で以下の作業を実施し、実施例1で合成した架橋前の正孔注入層材料を用い、これをトルエンに溶解させて1wt%の溶液とした。この溶液を0.1μmメッシュのフィルタで異物を除去した後、スピンナ(アクティブ製、マニュアルスピンコータACT-300D)を用いて所定の膜厚の薄膜を形成した。次に、図5(b)に示すようなパターンで、トルエンを染込ませた綿棒を用いて基板周辺部の正孔注入層材料をふき取った。次に、乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(室温、30分)で乾燥し、可能な限り膜中の溶媒を除去した。この乾燥した薄膜に対して、紫外線照射ランプ(セン特殊光源 HLR-400、最大光量200mW/cm2、極大波長365nm)を用いて、いくつかの照射光量や時間で条件最適化して紫外線を照射し、架橋反応させた。この状態まで仕上げたものを正孔注入層として、以下実施例2と同様の手順で素子形成した。同様に素子の発光特性や寿命特性を評価したところ、実施例2に示したような熱により架橋反応させた素子と同等の性能が得られた。
次に、本発明における正孔注入層材料を用いて、有機電界発光素子を作製したその他の手法で得られた素子について説明する。実施例2において、実施例1で材料合成方法が示された正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子の一例を示した。この中では、実施例1の合成段階(I)の架橋反応の直前の段階で素子を形成するための透明電極付基板上に塗布して、加熱によって架橋させて正孔注入層を形成している。ここでは、この正孔注入層段階を更に改良して形成した結果について、説明する。
具体的には、同様の室温23℃のクラス100のイエロークリーンルーム内で以下の作業を実施し、実施例1で合成した架橋前の正孔注入層材料を用い、これをトルエンに溶解させて1wt%の溶液とした。この溶液を0.1μmメッシュのフィルタで異物を除去した後、スピンナ(アクティブ製、マニュアルスピンコータACT-300D)を用いて所定の膜厚の薄膜を形成した。次に、図5(b)に示すようなパターンで、トルエンを染込ませた綿棒を用いて基板周辺部の正孔注入層材料をふき取った。次に、乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(室温、30分)で乾燥し、可能な限り膜中の溶媒を除去した。この乾燥した薄膜に対して、基板温度を室温以下に保ってラビング処理を施し、その薄膜中の分子の配向状態を偏光顕微鏡で処理前後において観察したところ、処理前はランダムな状態で、吸収スペクトルに異方性がなかったのに対して、処理後はラビング方向に主軸方向を有する吸収スペクトルの異方性(偏光性又は円偏光性)が観察された。このようなラビング処理を行った後に、実施例2と同様に乾燥窒素でパージされた専用真空乾燥炉(120℃、30分)で乾燥、熱硬化させた。この状態まで仕上げたものを正孔注入層として、以下実施例2と同様の手順で素子形成した。同様に素子の発光特性や寿命特性を評価したところ、実施例2に示したような熱により架橋反応させた素子と同等の性能が得られた。かつ、得られた発光特性には光学的異方性(偏光性又は円偏光性)が観測された。
次に、本発明に係る正孔注入層材料を用いて、有機電界発光素子を作製したその他の素子の特性について説明する。実施例1に示した正孔注入層材料の合成手法の内、合成段階(G)でその中間体の合成方法を記載したが、ここで用いた原料のうち、1-Bromodecaneを別の化合物に代えて、その構成分子のアルキル鎖の長さが異なる正孔注入層材料を合成した。すなわち、代替原料として、1-Bromobutane、1-Bromohexane、1-Bromooctane、1-Bromononane、1-Bromoundecane、1-Bromododecaneを用いて、同様に中間体を合成し、以下同様にして最終的な正孔注入層材料を形成した。実施例1で示した正孔注入層材料を以下HIL-10と略記し、これら代替原料を用いて得られた正孔注入層材料をそれぞれ、HIL-04、HIL-06、HIL-08、HIL-09、HIL-11、HIL-12と略記した。このうち、HIL-06、HIL-08、HIL-09、HIL-11については、合成段階(I)の架橋反応の直前の段階で製膜した薄膜を偏光顕微鏡で観察しつつ、その膜温度を変化させたところ、液晶相特有の光学テクスチャを示し、その相を示す状態で実施例3に示したような光照射によって架橋反応をさせて正孔注入層材料を形成したところ、その光学テクスチャを保持した膜が得られた。
これら正孔注入層材料を用いて、実施例2に示した手法で有機電界発光素子を作製し、その発光特性や寿命特性をまとめたものを下記表3に示す。発光特性については、アルキル鎖の比較的短いHIL-04、HIL-06が、やや駆動電圧が高くなった。寿命特性については、HIL-04、HIL-06、HIL-08の寿命がやや短くなったが、いずれも比較例で示した従来材料を用いた素子よりは長寿命であった。
Figure 2007266281
本発明における正孔注入層材料の代表的構造図 図1に示す構造が、架橋反応によって形成される前の構造図 図1に示す構造が、架橋反応によって形成された後の構造図 本発明に係る有機電界発光素子の基本的素子構造図 本発明に係る有機電界発光素子を作製する製造プロセス全体の流れ図 本発明に係る有機電界発光素子の基本的素子構造中での各構成部位の配置図 有機電界発光素子の代表的発光特性の説明図 有機電界発光素子の代表的寿命特性の説明図
符号の説明
1…基板、2…透明陽極、3…正孔注入層、4…発光層、5…陰極、6…基板、7…透明陽極、7'…パターニング後の透明陽極、8…正孔注入層、9…発光層、10…陰極、11…封止缶、12…基板、13…透明陽極、14…正孔注入層及び発光層形成部、15…陰極、16…封止缶接着部

Claims (14)

  1. 少なくとも2つ以上の電極を有し、前記電極の間に挟まれた少なくとも1種類以上の薄膜層を有しており、前記薄膜層の少なくとも1つは有機物質を含む薄膜層であって、前記電極を通じて正負の両電荷を注入又は輸送し、前記正負の両電荷としての正孔と電子との再結合により光を発生する発光物質又は前記発光物質からの光を受けて二次的に光を発生する蛍光物質若しくは燐光物質を含む有機電界発光素子において、
    前記正孔を注入又は輸送する薄膜層に用いられる材料が、架橋した網目構造を有する主鎖共役系高分子誘導体からなること特徴とする正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  2. 前記主鎖共役系高分子同士が架橋した網目構造を有することを特徴とする請求項1に記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  3. 前記正孔注入層材料が網目構造を形成する前又は形成後に偏光性又は円偏光性を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  4. 前記正孔注入層材料が網目構造を形成する前又は形成後に液晶相を示すことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  5. 前記正孔注入層材料が有機溶媒に可溶な主鎖共役系高分子誘導体であって、前記可溶性主鎖共役系高分子誘導体を基板上に薄膜形成後、熱又は光によって化学的に架橋させることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  6. 前記主鎖共役系高分子誘導体がポリチオフェン誘導体を含むことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  7. 前記主鎖共役系高分子誘導体がチオフェンとチオフェン以外分子構造を有する縮合多環系又は複素縮合多環系単量体との共重合体からなることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の正孔注入層材料を用いた有機電界発光素子
  8. 有機電界発光素子に用いる正孔注入層材料において、
    前記正孔注入層材料が架橋した網目構造を有する主鎖共役系高分子誘導体からなること特徴とする正孔注入層材料
  9. 前記主鎖共役系高分子同士が架橋した網目構造を有することを特徴とする請求項8に記載の正孔注入層材料
  10. 前記正孔注入層材料が網目構造を形成する前又は形成後に偏光性又は円偏光性を示すことを特徴とする請求項8又は9に記載の正孔注入層材料
  11. 前記正孔注入層材料が網目構造を形成する前又は形成後に液晶相を示すことを特徴とする請求項8から10の何れかに記載の正孔注入層材料
  12. 前記正孔注入層材料が有機溶媒に可溶な主鎖共役系高分子誘導体であって、前記可溶性主鎖共役系高分子誘導体を基板上に薄膜形成後、熱又は光によって化学的に架橋させることを特徴とする請求項8から11の何れかに記載の正孔注入層材料
  13. 前記主鎖共役系高分子誘導体がポリチオフェン誘導体を含むことを特徴とする請求項8から12の何れかに記載の正孔注入層材料
  14. 前記主鎖共役系高分子誘導体がチオフェンとチオフェン以外分子構造を有する縮合多環系又は複素縮合多環系単量体との共重合体からなることを特徴とする請求項8から13の何れかに記載の正孔注入層材料
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