JP2007266243A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光取り出し効率の高い有機発光素子を提供する。
【解決手段】 該発光層が少なくとも一種の有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体とから少なくとも構成され、該発光層の屈折率が1.10以上1.50未満であることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、低屈折率な発光層を有する有機発光素子に関する。
有機発光素子は、発光効率や寿命などの性能を向上するために、数多くの材料開発や素子開発が行なわれている。
一方、有機発光素子の外部への光取り出し効率を向上させ、発光効率や寿命などの性能を向上させる研究も行なわれている。例えば、有機発光素子内にシリカエアロゲルなどの低屈折率な層を設けることにより、光取り出し効率が向上することが報告されている。(特許文献1)
ここで、有機発光素子の内部で発生した光が有機発光素子の外部へ取り出される光取り出し効率ηは、屈折率nの媒体中から屈折率1.00の空気中に出射される際の全反射角の臨界角θで決まる。屈折の法則からこの臨界角θは次式(1)で与えられる。
θ=sin−1 (1/n) 式(1)
すなわち、屈折率nの媒体中で発光した光のうち、出射角がθ以内のエスケープ円錐内の光のみが、有機発光素子の外部へ取り出すことができる。
また、光取り出し効率ηは次式(2)で与えられる。
η=1−cosθ≒1/2n 式(2)
図1に示すような、平板構造で光取り出し面の逆側の光反射を考慮しない場合は、θは発光層の屈折率と空気の屈折率1.00のみで決まり、間にある層構造には依存しない。すなわち、発光層の屈折率nが小さい程、光取り出し効率ηは2次的に大きくなる。(非特許文献1)
有機発光材料を用いた発光層は、屈折率が1.6から1.8の範囲にあり、例えば代表的な発光材料であるAlq3は1.70であることが知られている。(特許文献2)
このAlq3を単独で発光層に用いた場合、光取り出し効率ηはおよそ17.3%となる。
上述したように、有機発光素子の光取り出し効率は、発光層の屈折率と空気の屈折率1.00で決まるが、これまで屈折率が小さい発光層を用いた有機発光素子で光取り出し効率を向上させるという報告はなかった。
Appl.Phys.Lett.,76,27(2000) 特開2001−202827号公報 特開平07−240277号公報
本発明の目的は、光取り出し効率が高い有機発光素子を提供することにある。
また本発明の目的は、高発光効率で高耐久な有機発光素子を提供することにある。
また本発明の目的は、上記有機発光素子を具備したデイスプレイパネルまたは表示装置を提供することにある。
さらに、製造が容易でかつ比較的安価な塗布法で作成可能な有機発光素子を提供することにある。
本発明者らは、低屈折率な発光層を有する有機発光素子が、高い光取り出し効率と優れた初期特性および耐久特性を有することを見出した。
即ち、本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有し、該有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が発光層である有機発光素子において、該発光層が少なくとも一種の有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体とから少なくとも構成され、該発光層の屈折率が1.10以上1.50未満であることを特徴とする。
本発明によれば、光取り出し効率が高い有機発光素子を提供することができる。
また本発明によれば、高発光効率で高耐久な有機発光素子を提供することができる。
また本発明によれば、光取り出し効率が高い有機発光素子を具備したデイスプレイまたは表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機発光素子の発光層は、少なくとも一種の有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体とから少なくとも構成され、該発光層の屈折率が1.10以上1.50未満である。
ここで、屈折率が決まる因子について説明する。
屈折率nと化学構造を関係づける式は多数提案されているが、構造論的には次のフローレンツ−フローレンス式を用いるのが好ましい。
n=[(2Φ+1)/(1−Φ)]1/2 式(3)
n;屈折率、Φ;分子容あたりの分子屈折
Φ≒4/3πNα(≒R/V) 式(4)
N;単位体積中の分子数、α;分極率,(R;分子屈折、V;分子容)
V=M/ρ 式(5)
M;分子量、ρ;密度
式(3)から、n;屈折率はΦ;分子容あたりの分子屈折により決まり、Φが小さいほどnは小さくなる。
また式(4)および式(5)から、ΦはN;単位体積中の分子数とα;分極率により決まり、Nが小さいすなわち密度が低い、またはαが小さいすなわち分極率が小さいほどΦは小さくなる。
本発明の屈折率が1.10以上1.50未満の発光層は、これまで知られている有機発光材料を用いた発光層の屈折率1.7前後と比較し、低屈折率である。このような低屈折率な発光層は、空孔を有する多孔質な膜を発光層として用いる、または分極率が低い有機材料例えば含フッ素化合物を用いる方法などで実現できる。
ここで多孔質とは、固体が内部または表面に多数の小さな空孔をもつ状態をいう。空孔は、外部に通ずる孔状のものと気泡状のものを意味する。
本発明の発光層は、少なくとも一種の有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体とから少なくとも構成されるが、有機発光材料を保持する媒体としては、空孔を有する多孔質なシリカからなっていてもよい。シリカ膜の屈折率は1.52であるが、例えば空孔率が10%の多孔質シリカ膜の屈折率は1.45前後、空孔率が50%の多孔質シリカ膜の屈折率は1.25前後、空孔率が80%の多孔質シリカ膜の屈折率は1.10前後となる。すなわち、空孔率が大きくなる程、屈折率は小さくなる。
ここで空孔率とは、多孔質物質において、その物質の空孔体積と空孔を含めた全体積の比率で、一般に式(6)に示すような百分率で表される。
P=(V1/V2)×100 式(6)
P;空孔率、V1;空孔体積、V2;空孔を含めた全体積
発光層の屈折率が1.10以下、すなわち空孔率が80%以上の多孔質シリカ膜は、膜としての安定性や強度が十分でなく、発光層としての性能や機能を満足できない。一方、式(2)から、屈折率が1.50以上の発光層の光取り出し効率ηは、屈折率が1.7前後の発光層を用いた場合の1.25倍以下となり、光取り出し効率向上の十分な効果が得られない。
本発明の発光層は、屈折率が1.10以上1.50未満であるが、膜としての安定性や強度を高くするという理由から、屈折率が1.25以上1.50未満であることが好ましい。
本発明の発光層は、多孔質でその空孔率が10%以上80%以下であることが屈折率を小さくするという点で好ましいが、膜としての安定性や強度を高くするという理由から、空孔率は10%以上60%以下がより好ましい。また、空孔の平均細孔径は、発光層の膜厚との兼ね合いになるが、1nm以上20nm以下が好ましく、発光層の面内均一性を高くするという理由から、1nm以上10nm以下がより好ましい。
本発明の発光層は、有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体の重量比が、5/100以上150/100以下で構成される。屈折率が約1.7の有機発光材料の含有量が多くなると、発光層の屈折率が高くなるので、空孔率との兼ね合いになるが、5/100以上100/100以下の重量比が好ましい。
本発明の発光層において、有機発光材料を保持する媒体は、コロイダルシリカからなっていてもよい。コロイダルシリカとしては、例えば、シリカ粒子表面を疎水性置換基で改質し、トルエン、アルコール系、ケトン系などの有機溶媒に分散させたオルガノゾルなどが挙げられる。コロイダルシリカの平均粒子径は、発光層の膜厚との兼ね合いになるが、1nm以上50nm以下が好ましい。多孔質な発光層は、有機発光材料とオルガノゾルを混合した液をスピンコート法などにより塗布した後、常圧下または減圧下で、50℃から250℃の温度で加熱乾燥することにより形成できる。
本発明の発光層において、有機発光材料を保持する媒体は、シリカエアロゲルからなっていてもよい。シリカエアロゲルは、例えば、テトラアルキルオルソシリケートまたはアルコキシシランなどをアルカリ存在下または酸存在下で加水分解して得られるケイ素化合物を含む塗布液を基板に塗布し、加熱処理をすることにより形成できる。
本発明の発光層において、少なくとも一種の有機発光材料とコロイダルシリカまたはシリカエアロゲルは、化学結合していてもよい。
本発明の有機発光材料は、アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、クロロシリル基または水酸基などの置換基を有していてもよい。これらの置換基とシリカ表面の水酸基は、加熱することにより、脱アルコール、脱塩酸、または脱水反応が進行し、容易に化学結合を形成する。またこれらの置換基を有する有機発光材料は、公知の合成法に準じて合成することができる。
本発明の有機発光材料は、蛍光性発光材料または燐光性発光材料のいずれか一方、または両方を同時に用いてもよい。
本発明の発光層は、発光波長が異なる少なくとも二種の有機発光材料を用いることにより、白色発光素子の作成が可能である。
本発明において、発光層の屈折率は、分光エリプソメーター[SOPRA社製;GES500]などを用い測定できる。また発光層の空孔率は、気相置換法による真密度測定装置;ウルトラピクノメーター1000[ユアサ アイオニクス株式会社製;M−UPYC]などを用い、真密度を測定し算出できる。さらに、空孔の平均細孔径は、窒素ガス吸着法による細孔分布曲線から算出する方法、または発光層断面の透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)などによる観察像の解析する方法により求められる。
次に、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有し、該有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が発光層である。
本発明の発光層は、溶液塗布法により作成するのが好ましい。塗布方法としては、スピンコート法、デイスペンス法、印刷法、スリットコーター法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられる。発光層の膜厚は、有機発光素子の発光開始電圧や印加電圧との兼ね合いになるが、10μmより薄く、好ましくは1μm以下、より好ましくは30nm以上500nm以下である。
本発明の有機発光素子は、発光層の他に複数の有機層を有してもよく、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、ホール/エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などが挙げられる。これらの層は、真空蒸着法や溶液塗布法により作成し、膜厚は5μmより薄く、好ましくは1μm以下、より好ましくは10nm以上500nm以下である。
図2乃至図8に本発明の有機発光素子の好ましい例を示す。
図2は本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図2は基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
図3は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいづれかあるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合発光層3はホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
図4は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものである。
そしてこれはホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図ることも可能になる。
図5は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5は図4に対してホール注入層7を陽極側に挿入した構成であり、陽極とホール輸送層の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
図6は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図6は図4に対してホール/エキシトンブロッキング層を発光層と電子輸送層間に挿入した構成であり、ホールあるいは励起子が発光層から陰極側に抜けることが抑制され、発光効率の向上に効果的な構成である。
図7は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図7は、図5に対して電子注入層を電子輸送層と陰極間に挿入した構成であり、低電圧化に効果的である。
図8は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図8は基板1上に陽極2、ホール注入層7、発光層3、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成である。
ただし、図2乃至図8はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける。ホール注入層またはホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される、など多様な層構成をとることができる。
本発明の有機発光素子は、公知なホール輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物などを使用することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
Figure 2007266243
Figure 2007266243
Figure 2007266243
Figure 2007266243
Figure 2007266243
Figure 2007266243
本発明の有機発光素子において、塗布法で作成する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、銀、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
一方、陰極材料としては仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金またはこれらの塩などを用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜または光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
厚み0.7mmのガラス板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、乾燥後、さらにUV処理したものを基板として用いた。
テトラエチルオルソシリケート(信越化学工業株式会社製)40g、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)35gおよびエタノール600mlの混合溶液を調整した。この溶液に、室温で攪拌下、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの10重量%水溶液を100g滴下した後、60℃で8時間攪拌した。この反応液の溶媒をロータリーエバポレーターにより留去し、プロピルプロピレングリコールを加え、シリカ濃度が5重量%のプロピルプロピレングリコール溶液を調整した。この液を、前記ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、100℃で15分間加熱後、200℃で5分間加熱、次いで300℃で5分間加熱し、膜厚が120nmのシリカ多孔質膜を作成した。得られたシリカ多孔質膜は、屈折率が1.20、空孔率が65%であった。
さらに、このガラス基板/シリカ多孔質膜を、下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物の5重量%トルエン溶液に浸漬した後、150℃で3時間加熱した。
Figure 2007266243
加熱後、トルエンで未反応な発光材料を十分に洗浄し、100℃で3時間乾燥し、膜厚が120nmのシリカを含有する多孔質な発光層を形成した。この発光層は、屈折率が1.22、空孔率が60%であった。
このようにして作成したガラス/発光層の光取り出し効率を、図9に示す測定装置で測定した。光取り出し効率は、ガラス/発光層の端面を遮光したサンプルに、発光層側から360nmの励起光を照射し、ガラス側から取り出される蛍光強度の相対値を比較した。結果を表1に示す。
なお蛍光の相対強度は、蛍光スペクトルの面積を、あらかじめUVで測定した360nmの吸光度で補正し、比較例2を1.00とし、これに対する相対値を式(7)により算出した。
PLintensity=(PL/PLref)/(Abs./Abs.ref) 式(7)
PLintensity;比較例2に対する蛍光の相対強度、
PL;蛍光スペクトルの面積、
PLref;比較例2の蛍光スペクトルの面積、
Abs.;360nmのUV吸光度、
Abs.Ref;比較例2の360nmのUV吸光度
なお、360nmのUV吸光度は、日立分光光度計U−3010を用い、蛍光スペクトルの面積は、日立蛍光分光光度計F−4500の改造品を用いて測定した。
(実施例2)
実施例1と同様なガラス板を基板として用いた。
オルガノゾル クォートロン PL−2−TOL(コロイダルシリカ平均粒子径:30nm、コロイダルシリカ含有量:40重量%、扶桑化学工業株式会社製)10gに、下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物0.8gをトルエン30gに溶解した溶液を加え、コロイダルシリカの含有量が10重量%のトルエン分散液を調整した。この液を、前記ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、80℃で10分間加熱し、次いで120℃で3時間加熱し、膜厚が140nmのコロイダルシリカを含有する多孔質な発光層を形成した。
Figure 2007266243
この発光層は、屈折率が1.33、空孔率が35%であった。
このようにして作成したガラス/発光層の光取り出し効率を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様なガラス板を基板として用いた。
ポリメチルメタクリレート(分子量:15000、Acros製)1gおよび下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物1gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が100nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
この発光層の屈折率は、1.57であった。
このようにして作成したガラス/発光層の光取り出し効率を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様なガラス板を基板として用いた。
ポリカーボネートZ200(三菱瓦斯化学株式会社製)1gおよび下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物1gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が120nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
この発光層の屈折率は、1.73であった。
このようにして作成したガラス/発光層の光取り出し効率を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同様なガラス板を基板として用いた。
下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物1gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が90nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
この発光層の屈折率は、1.71であった。
このようにして作成したガラス/発光層の光取り出し効率を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007266243
表1の結果から、本発明の屈折率が1.10以上1.50未満の発光層は、屈折率が1.50以上の発光層と比べ蛍光強度の相対値が大きく、光取り出し効率が高いことが分かる。
(実施例3)
図8に示す構造の素子を作成した。
基板1としてのガラス基板上に、陽極2としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
透明導電性支持基板上に、バイトロンP Al−4083をスピンコート法により50nmの膜厚で成膜し、100℃で30分加熱し、ホール注入層7を形成した。
さらに、実施例1と同様な方法で、膜厚が120nmのパラ−フルオレン化合物およびシリカを含有する多孔質な発光層3を形成した。
次に、電子注入層8として、カルシウムを用い、上記有機層の上に真空蒸着法により1nmの金属層膜を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10−4Pa、成膜速度は0.1nm/secの条件で成膜した。
さらに、陰極4として、真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10−4Pa、成膜速度は1.0nm/sec以上1.2nm/sec以下の条件で成膜した。
さらに、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、8mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、850cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。ELスペクトルは425nmおよび455nmにピークを有し、色度は(X,Y)=(0.12,0.13)であり、外部量子収率は10%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度500cd/mから100時間後440cd/m2と輝度劣化は小さかった。結果を表2に示す。
(実施例4)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、実施例2と同様な方法で、膜厚が140nmのパラ−フルオレン化合物およびコロイダルシリカを含有する多孔質な発光層3を形成した。
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、6mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、450cd/mの輝度で青色の発光が観測された。ELスペクトルは425nmおよび455nmにピークを有し、色度は、(X,Y)=(0.12,0.13)であり、外部量子収率は8.5%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度400cd/mから100時間後360cd/mと輝度劣化は小さかった。結果を表2に示す。
(比較例4)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、比較例1と同様な方法で、膜厚が100nmのパラ−フルオレン化合物およびポリメチルメタクリレートを含有する発光層3を形成した。
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、8mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、280cd/mの輝度で青色の発光が観測された。ELスペクトルは425nmおよび455nmにピークを有し、色度は、(X,Y)=(0.12,0.14)であり、外部量子収率は3.5%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度190cd/mから100時間後80cd/mであった。結果を表2に示す。
(比較例5)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、比較例2と同様な方法で、膜厚が120nmのパラ−フルオレン化合物およびポリカーボネートZ200を含有する発光層3を形成した。
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、8mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、200cd/mの輝度で青色の発光が観測された。ELスペクトルは425nmおよび455nmにピークを有し、色度は、(X,Y)=(0.12,0.13)であり、外部量子収率は2.5%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度120cd/mから100時間後50cd/mであった。結果を表2に示す。
(比較例6)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、比較例3と同様な方法で、膜厚が90nmのパラ−フルオレン化合物を含有する発光層3を形成した。
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、10mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、350cd/mの輝度で青色の発光が観測された。ELスペクトルは430nmおよび460nmにピークを有し、色度は、(X,Y)=(0.13,0.15)であり、外部量子収率は3.0%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度160cd/mから100時間後90cd/mであった。結果を表2に示す。
Figure 2007266243
表2の結果から、本発明の有機発光素子は、初期の輝度および外部量子効率が高く、耐久による輝度劣化が小さいことが分かる。
(実施例5)
パラ−フルオレン化合物を下記構造式で示されるジピレニル−フルオレン化合物に代えた他は、実施例3と同様に素子を作成し同様な評価を行った。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.27、空孔率は55%であった。結果を表3に示す。
Figure 2007266243
(実施例6)
パラ−フルオレン化合物を下記構造式で示されるジピレニル−フルオレン化合物に代えた他は、実施例4と同様に素子を作成し同様な評価を行った。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.35、空孔率は33%であった。結果を表3に示す。
Figure 2007266243
(比較例7)
パラ−フルオレン化合物を下記構造式で示されるジピレニル−フルオレン化合物に代えた他は、比較例4と同様に素子を作成し同様な評価を行った。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は、1.58であった。結果を表3に示す。
Figure 2007266243
(比較例8)
パラ−フルオレン化合物を下記構造式で示されるジピレニル−フルオレン化合物に代えた他は、比較例5と同様に素子を作成し同様な評価を行った。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は、1.73であった。結果を表3に示す。
Figure 2007266243
(比較例9)
パラ−フルオレン化合物を下記構造式で示されるジピレニル−フルオレン化合物に代えた他は、比較例6と同様に素子を作成し同様な評価を行った。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は、1.72であった。結果を表3に示す。
Figure 2007266243
Figure 2007266243
表3の結果から、本発明の有機発光素子は、初期の輝度および外部量子効率が高く、耐久による輝度劣化が小さいことが分かる。
(実施例7)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、オルガノゾル クォートロン PL−2−TOL(コロイダルシリカ平均粒子径:30nm、コロイダルシリカ含有量:40重量%、扶桑化学工業株式会社製)10gに、下記構造式で示されるIr錯体1gをトルエン40gに溶解した溶液を加え、コロイダルシリカの含有量が8重量%のトルエン分散液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、80℃で10分間加熱し、次いで120℃で3時間加熱し、膜厚が130nmのコロイダルシリカを含有する多孔質な発光層を作成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.37、空孔率は30%であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、10mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、2900cd/mの輝度で赤色の発光が観測された。ELスペクトルは610nmにピークを有し、色度は(X,Y)=(0.63,0.35)であり、外部量子収率は22%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度1200cd/mから100時間後1000cd/mと輝度劣化は小さかった。
(比較例10)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、ポリ−9−ビニルカルバゾール(分子量:25000以上50000以下、Aldrich製)2gおよび下記構造式で示されるIr錯体0.5gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が120nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.73であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、15mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、1300cd/mの輝度で赤色の発光が観測された。ELスペクトルは610nmにピークを有し、色度は(X,Y)=(0.63,0.34)であり、外部量子収率は7%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度400cd/mから100時間後220cd/mであった。
(実施例8)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、オルガノゾル クォートロン PL−2−TOL(コロイダルシリカ平均粒子径:30nm、コロイダルシリカ含有量:40重量%、扶桑化学工業株式会社製)10gに、下記構造式で示されるIr錯体1gをトルエン40gに溶解した溶液を加え、コロイダルシリカの含有量が8重量%のトルエン分散液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、80℃で10分間加熱し、次いで120℃で3時間加熱し、膜厚が140nmのコロイダルシリカを含有する多孔質な発光層を作成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.35、空孔率は33%であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、8mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、7200cd/mの輝度で緑色の発光が観測された。ELスペクトルは520nmにピークを有し、色度は(X,Y)=(0.32,0.63)であり、外部量子収率は24%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度3200cd/mから100時間後2800cd/mと輝度劣化は小さかった。
(比較例11)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、ポリ−9−ビニルカルバゾール(分子量:25000以上50000以下、Aldrich製)2gおよび下記構造式で示されるIr錯体0.5gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が120nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.73であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、13mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、3900cd/mの輝度で緑色の発光が観測された。ELスペクトルは520nmにピークを有し、色度は(X,Y)=(0.32,0.63)であり、外部量子収率は8%であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度1200cd/mから100時間後500cd/mであった。
(実施例9)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、オルガノゾル クォートロン PL−2−TOL(コロイダルシリカ平均粒子径:30nm、コロイダルシリカ含有量:40重量%、扶桑化学工業株式会社製)10gに、下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物1gおよび下記構造式で示されるIr錯体0.2gをトルエン40gに溶解した溶液を加え、コロイダルシリカの含有量が8重量%のトルエン分散液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、80℃で10分間加熱し、次いで120℃で3時間加熱し、膜厚が140nmのコロイダルシリカを含有する多孔質な発光層を作成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.38、空孔率は28%であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、10mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、6700cd/mの輝度で白色の発光が観測された。色度は(X,Y)=(0.33,0.34)であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度2800cd/mから100時間後1800cd/mと輝度劣化は小さかった。
(比較例12)
図8に示す構造の素子を作成した。
実施例3と同様に、透明導電性支持基板上にホール注入層7を形成した。
さらに、ポリ−9−ビニルカルバゾール(分子量:25000以上50000以下、Aldrich製)2gおよび下記構造式で示されるパラ−フルオレン化合物0.5gおよび下記構造式で示されるIr錯体0.1gをトルエン50gに溶解した溶液を調整した。この液を、前記ホール注入層上にスピンコート法で塗布し、120℃で3時間加熱し、膜厚が120nmの発光層を形成した。
Figure 2007266243
次に、電子注入層8および陰極4を実施例3と同様に形成し、さらに窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
前記発光層と同様な方法で作成した膜の屈折率は1.73であった。
この素子を、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして5Vの直流電圧を印加すると、14mA/cmの電流密度で電流が素子に流れ、1800cd/mの輝度で橙色の発光が観測された。色度は(X,Y)=(0.55,0.34)であった。
さらに、電流密度を5.0mA/cmに保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度550cd/mから100時間後150cd/mであった。
有機発光素子の全反射角の臨界角θと素子外部への光取り出しの図である。 本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 実施例1の測定装置の構成図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 電子注入層
9 ホール/エキシトンブロッキング層
10 360nm励起光源
11 ミラー
12 遮光シート
13 ガラス基板
14 発光層からガラス基板を通して出た蛍光
15 蛍光検出器

Claims (11)

  1. 陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有し、該有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が発光層である有機発光素子において、該発光層が少なくとも一種の有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体とから少なくとも構成され、該発光層の屈折率が1.10以上1.50未満であることを特徴とする有機発光素子。
  2. 発光層の屈折率が、1.25以上1.50未満であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 発光層が多孔質で、その空孔率が10%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  4. 有機発光材料と該有機発光材料を保持する媒体の重量比が、5/100以上150/100以下で構成される発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  5. 発光層が、少なくとも一種の有機発光材料とコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
  6. 発光層が、少なくとも一種の有機発光材料とシリカエアロゲルを含有することを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
  7. 少なくとも一種の有機発光材料とシリカが化学結合していることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機発光素子。
  8. 少なくとも一種の有機発光材料が、アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、クロロシリル基または水酸基を有することを特徴とする請求項7に記載の有機発光素子。
  9. 少なくとも一種の有機発光材料が、蛍光性発光材料または燐光性発光材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  10. 発光層が、発光波長が異なる少なくとも二種の有機発光材料を含有し、白色発光を呈することを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  11. 請求項1に記載の有機発光素子を具備したデイスプレイまたは表示装置。
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