JP2007264224A - 印刷版製造用マスク、印刷版及び印刷版の製造方法 - Google Patents

印刷版製造用マスク、印刷版及び印刷版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、印刷時に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる印刷版製造用マスク等を提供することを目的とする。
【解決手段】所望の形状を有する印刷版を製造するために用いられる印刷版製造用マスクであって、当該印刷版製造用マスクは、前記印刷版に形成される凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記凸部を補強するための補強部に対応する補強部用開口部と、を有する印刷版製造用マスク等により、上記課題を解決する。
【選択図】図6

Description

本発明は、フレキソ印刷等に用いられ、所望の形状を有する印刷版及びこれ形成するために用いられる印刷版製造用マスク等に関する。
従来から、所望の形状を有する印刷版を製造する際には様々な製造方法が用いられていた。例えば、図1に示すように、感光性樹脂層2にマスク3を密着させ、上方から紫外線4を照射し、マスク3の開口部5から入射する紫外線4により感光性樹脂層2を硬化させ、その後、未硬化部分(硬化させた部分である凸部2a以外の部分)2bを溶剤により溶解させて除去し、印刷版1を製造する方法がある。また、図2(a)に示すように、マスク3を使用せずに感光性樹脂層2の表面にマスク3の代わりとなるカーボン層6を設け、上方からレーザ光7でカーボン層6にマスクパターンを描写して感光性樹脂層2上に直接開口部8を有するマスクを作製した後、図2(b)に示すように、上方から紫外線4を照射し、カーボン層6の開口部8から入射する紫外線4により感光性樹脂層2を硬化させ、その後、未硬化部分(硬化させた部分である凸部2a以外の部分)2bを溶剤により溶解させて除去し、印刷版1を製造する方法等があった(特許文献1)。
特開平8−300600号公報
しかし、これらの方法では凸部2aが硬化された後に感光性樹脂層2の未硬化部分2bを溶剤により溶解させて除去する際に、凸部2aが溶解中において変形してしまう場合があった。具体的には、図3に印刷版の上面図を示すように、本来直線状になるべき凸部2a(上面から見た凸部2aの形状9)が、変形して曲がった形状(上面から見た凸部2aの形状10)となる場合がある。そうすると、所望のパターンに印刷ができなくなる。また、印刷時に印圧を加える際に、凸部2aの剛性不足により凸部2aが倒れてしまう場合があった。具体的には、図4に印刷版の側面図を示すように、本来直立になるべき凸部2a(側面から見た凸部の形状12)が、変形して倒れた形状(側面から見た凸部の形状13)となる場合がある。図4に示す、直立の凸部12を有する印刷版により印刷用紙11に印刷を行うと、図5(a)に示すように所望の直線の印刷がなされ、倒れた凸部13を有する印刷版を用いて印刷用紙11に印刷を行うと、図5(b)に示すように線形状の周囲が歪んだ形状等に印刷がなされることになる。そうすると、図5(b)に示す場合には、所望のパターンに正確に印刷ができなくなる。このような傾向は、特に印刷版により細い線や小さな点を表現しようとした場合に顕著である。
本発明は、このような不都合に鑑みてなされたものであり、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、印刷時に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる印刷版製造用マスク等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、所望の形状を有する印刷版を製造するために用いられる印刷版製造用マスクであって、当該印刷版製造用マスクは、前記印刷版に形成される凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記凸部を補強するための補強部に対応する補強部用開口部と、を有することを特徴とする。
これによれば、感光性樹脂層上に印刷版製造用マスクを設置し、当該印刷版製造用マスクの開口部と、補強部用開口部に向けて紫外線を照射することにより、印刷版製造用マスクの開口部、補強部用開口部を通過した紫外線が照射された部分の感光性樹脂層が硬化することになり、凸部と補強部となる部分のみを硬化させることができる。このようにして印刷版製造用マスクを用いて印刷版を製造すると、凸部の周囲に凸部を補強する補強部を形成することができる。よって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、当該印刷版を用いて印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。
特に凸部の形状が細い線や、小さな点の場合に、凸部の形状を正確に保つことができる。
上記第1の発明は、前記補強部用開口部の幅が、5μm〜10μmであってもよい。
これによれば、補強部用開口部の幅が狭いため、感光性樹脂層の高さ全てを硬化させるために必要なエネルギーを感光性樹脂層に与えることができず、補強部の高さが凸部の高さよりも低い印刷版を製造することができる。特に凸部の形状が細い線や、小さな点の場合に、凸部の形状を正確に保つことができる。
上記第1の発明は、前記印刷版に形成される前記凸部の周囲に、前記凸部よりも高さが低い補強部を設けた印刷版を製造できるように前記補強部用開口部が設けられていてもよい。
これによれば、印刷版製造用マスクを用いて印刷版を製造することによって、印刷版に凸部を補強する補強部を形成することができることによって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。また、補強部の高さを凸部の高さよりも低い印刷版を製造することによって、当該補強部を有する印刷版を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す場合に、凸部のみが印刷されるようにすることができ、補強部が印刷されることを防ぐことができる。
上記課題を解決するための第2の発明は、所望の形状を有する印刷版において、前記印刷版に形成される凸部の周囲に、前記凸部の高さよりも高さが低い補強部を設けたことを特徴とする。
これによれば、凸部を補強する補強部を形成することができることによって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。
また、補強部の高さを凸部の高さよりも低くすることによって、当該補強部を有する印刷版を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す場合に、凸部のみが印刷されるようにすることができ、補強部が印刷されることを防ぐことができる。
上記第2の発明は、前記印刷版は、前記凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記補強部に対応する補強部用開口部と、を有する印刷版製造用マスクを用いて製造されてもよい。
これによれば、印刷版を印刷版製造用マスクを用いて製造することにより、凸部を補強する補強部を形成することができることによって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。
上記第2の発明は、前記凸部の断面が略台形形状に形成される凸部の斜線に接して前記補強部が設けられていてもよい。
これによれば、凸部の断面が略台形形状に形成される凸部の斜線に接して補強部が設けられることによって、凸部が曲がったり、変形することを確実に防止し、凸部の形状をより正常に保つことができる。
上記第2の発明は、前記補強部は、上面から見て線状又は、点状に、凸部の周囲に設けられていてもよい。
これによれば、補強部は、具体的に上面から見て線状又は、点状に、凸部の周囲に設けられることによって、凸部を確実に補強することができるため、凸部が曲がったり、変形することを防止することができ、凸部の形状をより正常に保つことができる。
上記課題を解決するための第3の発明は、所望の形状を有する印刷版の製造方法において、基板上に形成された感光性樹脂層上に、前記印刷版に形成される凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記凸部を補強するための補強部に対応する補強部用開口部と、を有する印刷版製造用マスクを設置する設置工程と、少なくとも前記印刷版製造用マスクの前記開口部と、前記補強部用開口部と、に向けて紫外線を照射し、前記感光性樹脂を硬化させ、前記凸部と、前記凸部を補強するための補強部となる部分を形成する硬化工程と、前記凸部と前記補強部となる部分以外の部分を溶剤により溶解させて除去し、前記凸部と、前記補強部を形成し、印刷版を製造する製造工程と、を有することを特徴とする。
これによれば、感光性樹脂層上に印刷版製造用マスクを設置し、当該印刷版製造用マスクの開口部と、補強部用開口部に向けて紫外線を照射することにより、印刷版製造用マスクの開口部、補強部用開口部を通過した紫外線が照射された部分の感光性樹脂層が硬化することになり、凸部と補強部となる部分のみを硬化させることができる。このようにして印刷版製造用マスクを用いて印刷版を製造すると、凸部の周囲に凸部を補強する補強部を形成することができる。よって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、当該印刷版を用いて印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。特に凸部の形状が細い線や、小さな点の場合に、凸部の形状を正確に保つことができる。
本発明によれば、感光性樹脂層上に印刷版製造用マスクを設置し、当該印刷版製造用マスクの開口部と、補強部用開口部に向けて紫外線を照射することにより、印刷版製造用マスクの開口部、補強部用開口部を通過した紫外線が照射された部分の感光性樹脂層が硬化することになり、凸部と補強部となる部分のみを硬化させることができる。このようにして印刷版製造用マスクを用いて印刷版を製造すると、凸部の周囲に凸部を補強する補強部を形成することができる。よって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、当該印刷版を用いて印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。特に凸部の形状が細い線や、小さな点の場合に、凸部の形状を正確に保つことができる。
以下に、本発明の印刷版製造用マスク、印刷版及び印刷版の製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。
(印刷版製造用マスクについて)
図6(a)は、本発明の印刷版製造用マスクを示す概略図であり、黒い部分は印刷版製造用マスク20、白い部分は開口部21と補強部用開口部22を示す。図6(b)は、図6(a)で示した本発明の印刷版製造用マスク20の説明を簡便にするために印刷版製造用マスク20を白色で示した図である。以下、図6(a)(b)の両者を単に図6と示す場合がある。
本発明の印刷版製造用マスク20は、図7を用いて後述するように、凸部31等を有する印刷版30を製造するために用いられるマスクであり、図6に示すように、開口部21と、補強部用開口部22と、を有している。なお、開口部21の幅をW1、長さをT1と示し、補強部用開口部22の幅をW2、長さをT2と示す。ここで、印刷版製造用マスク20の開口部21が、略長方形であった場合に開口部21の幅W1は、開口部21の開口部分の短い辺を示すものとし、開口部21の長さT1は、開口部21の幅W1に対して開口部分の長い辺を示すものとする。また、同様に、印刷版製造用マスク20の補強部用開口部22が、略長方形であった場合に補強部用開口部22の幅W2は、補強部用開口部22の開口部分の短い辺を示すものとし、補強部開口部22の長さT1は、補強部用開口部22の幅W1に対して開口部分の長い辺を示すものとする。
まず、開口部21について詳細に説明する。開口部21は、図7に示す印刷版30の凸部31を形成するために設けられたものであり、開口部21は、印刷版30に形成される凸部31に対応する形状で設けられている。具体的には図9(a)〜図9(d)を用いて後述するが、感光性樹脂層24上に印刷版製造用マスク20を設置し、当該印刷版製造用マスク20の開口部21に向けて紫外線25を照射することにより、開口部21を通過した紫外線25によって、感光性樹脂層24の凸部31となる部分のみが硬化され、凸部31となる部分が形成されることになる。
開口部21の形状、長さT1、個数、位置関係等は、図6や後述する図10(a)〜(e)に示すように様々な態様とすることができ、特に限定されないが、上述したように印刷版製造用マスク20の開口部21を用いて形成される印刷版30が形成されるべき形状、長さ、個数、位置関係になるように任意に設定すればよい。
また、開口部21の幅W1は、具体的には後述するが、感光性樹脂層24上に印刷版製造用マスク20を設置し、当該印刷版製造用マスク20の開口部21に向けて紫外線25を照射した場合、開口部21の幅W1が、例えば20μm〜10mmであるとすると、紫外線25が開口部21を通過し、凸部31となる部分として感光性樹脂層24を硬化させるために必要なエネルギーを感光性樹脂層24に十分与えることができる。よって、凸部31となる部分は、図8に示すように感光性樹脂層24の高さH3の高さまで硬化されることになる。具体的には、感光性樹脂層24に紫外線25を照射すると、感光性樹脂層24の底部(照射側から最も遠い位置)から徐々に硬化していき、凸部31として感光性樹脂層24が図8に示すような(断面が略台形形状であって照射された側の辺が短い)形状で硬化される。なお、開口部21の幅W1が、特に10μm〜40μm程度と、細い場合にも、本発明の印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造することにより、凸部31が曲がったり、変形することを防止し、凸部の形状を正常に保つことができ、印刷版30を用いて印刷した場合に正常な印刷が可能になる。
次に、補強部用開口部22について詳細に説明する。
補強部用開口部22は、図7に示す印刷版30の補強部32を形成するために、開口部21の周囲に設けられたものであり、補強部用開口部22は、印刷版30に形成される補強部32に対応する形状で設けられている。具体的には図9(a)〜図9(d)を用いて後述するが、感光性樹脂層24上に印刷版製造用マスク20を設置し、当該印刷版製造用マスク20の補強部用開口部22に向けて紫外線25を照射することにより、補強部用開口部22を通過した紫外線25によって、感光性樹脂層24の補強部32となる部分のみが硬化され、補強部32となる部分が形成されることになる。
例えば、図6に示す印刷版製造用マスク20には、凸部31に対応する略長方形の開口部21の周囲に略長方形の補強部用開口部22が複数設けられている。当該印刷版製造用マスク20における略長方形の補強部用開口部22は、開口部21の直線(長さT1方向)に対して垂直な方向に長く形成されている。
補強部用開口部22の形状、長さT2、位置関係等は、図6や後述する図10(a)〜(e)に示すように様々な態様とすることができ、特に限定されないが、少なくとも、開口部21により形成される印刷版30の凸部31を補強できる補強部32を形成できるものである必要がある。具体的には、図7に示すように凸部31は断面が略台形形状であり、印刷インクが塗布され、印刷用紙等が接する位置よりもその土台の部分が広くなる形状であるが、補強部32は、その凸部31の断面の略台形形状における斜線(斜面)に形成されている必要がある。補強部32をこのような位置に形成できるように、補強部用開口部22の形状、長さT2、位置関係等が決められることになる。
具体的には、補強部用開口部22が図6に示す位置関係で設けられている場合には、長さT2は、10μm〜20μmであることが望ましい。補強部用開口部22は、図6に示すように離れた位置に複数設けられている場合に、その個数は特に限定されないが、補強部32が凸部31を補強できる間隔で設けられるように、その個数が決められる。
補強部用開口部22の位置は、特に限定するものではなく、図6や後述する図10の(a)〜(e)に示すように様々な位置に補強部用開口部22を形成することができる。しかし、印刷版30の凸部31を補強することができる補強部32を形成することが必要であるため、補強部用開口部22は、開口部21を挟んで両側に設け、その他、均等な間隔で複数設けることが望ましい。
隣り合うそれぞれの補強部用開口部22との間隔S1は、特に限定されるものではない。しかし、上述したように、印刷版30の凸部31を補強することができる補強部32を形成することが必要であるため、凸部31が補強可能な位置に均等な間隔で補強部32を形成できるように補強部用開口部22を設ける必要がある。具体的には、それぞれの補強部用開口部22との間隔S1は、10μm〜50μmであることが望ましい。
開口部21と補強部用開口部22との間隔S2は、特に限定されるものではなく、開口部21は補強部用開口部22と接していても接していなくてもよい。しかし、補強部32は、元来凸部31を補強するために用いられるものであるため、あまりにも凸部31と補強部31とが離れていると、補強部32が凸部31を補強する効果が減少してしまう。よって、間隔S2は、凸部31が補強部32に補強されるために必要な間隔、通常5μm〜10μmであることが望ましい。ここで、図8は、印刷版30の製造時(後述する硬化工程)の印刷版の断面を示した図である。この図8に示すように、最適には、補強部32は、凸部31の根元と補強部32の根元が重なるような位置に形成されるように補強部用開口部22を形成することが望ましい。
本発明において、補強部用開口部22の幅W2が、5μm〜10μmであることに特徴を有している。
補強部用開口部22の幅W2は、上述した場合と同様に、感光性樹脂層24上に印刷版製造用マスク20を設置し、当該印刷版製造用マスク20の補強部用開口部22に向けて紫外線25を照射させた場合、紫外線25は補強部用開口部22を通過して通過した部分の感光性樹脂層24を硬化させることになるが、補強部用開口部22の幅W2が、5μm〜10μmと開口部21の幅W1に比べて狭いため、補強部32となる部分としての感光性樹脂層24を硬化させるために必要なエネルギーを十分感光性樹脂層24に与えることができない。よって補強部32となる部分は、図8に示すように感光性樹脂層24の高さH3までは硬化されず、これよりも低い、例えばH4の高さに硬化されることになる。上記と同様に、感光性樹脂層24に紫外線25を照射すると、感光性樹脂層24の底部から徐々に硬化していき、補強部32として感光性樹脂層24が図8に示すような形状で硬化される。
印刷版製造用マスク20の材料は、従来公知の印刷版製造用マスク用の材料が用いられ、特に限定されないが、例えば、カーボン、アルミ等が用いられる。印刷版製造用マスク20の厚さは、従来公知の印刷版製造用マスク用の厚さに基づいて設定され、特に限定されないが、例えば、5μm〜100μmであってもよい。印刷版製造用マスク20の開口部21、補強部用開口部22を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、開口部21、補強部用開口部22に対応するフィルムを製作し、好適な光源を用い、印刷版製造用マスク20の材料となる感光性樹脂層を当該フィルムを介して感光し、その後、感光性樹脂層を現像/洗浄することにより形成する。また、印刷版製造用マスク20の開口部21、補強部用開口部22の形成方法として、レーザー等によるアブレーション法という手法を用いてもよい。
(印刷版について)
図7は、本発明の印刷版を示す概略図である。
本発明の印刷版30は、図7に示すように、凸部31と、補強部32と、基板23により構成されている。
図7の印刷版30は、図6を用いて説明した印刷版製造用マスク20を用いて形成された印刷版の一部を示す。なお、凸部31の幅をW3、長さをT3、高さをH3と示し、補強部32の幅をW4、長さをT4、高さをH4と示す。ここで、凸部31の幅W3は、凸部31の断面形状である略台形形状の上部の短い辺を示すものとし、凸部31の長さT3は、凸部31の幅W3に対して上部の長い辺を示すものとする。さらに、凸部31の高さH3は、凸部31の断面形状である略台形形状の底部から上部までを垂直に測った長さである。また、同様に、補強部32の幅W4は、補強部32の断面形状が略台形形状になるような部分(補強部32を凸部31の長さT3と平行に切った場合の補強部32の断面形状)の上部の短い辺を示すものとし、補強部32の長さT4は、補強部32の幅W4に対して上部の長い辺を示すものとする。さらに、補強部32の高さH4は、補強部32の断面形状である略台形形状の底部から上部までを垂直に測った長さである。ここで、基板23としては、従来公知の基板を用いて構成してもよい。
まず、凸部31について説明する。凸部31は、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す場合に、印刷用紙に印刷されるべき部分として形成されるものである。
ここで、凸部31の形状は、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す際に印刷されるべき形状にしたがって任意に設定すればよい。なお、詳細は後述するが、感光性樹脂層24に紫外線25を照射すると、感光性樹脂層24の底部から徐々に硬化していき、凸部31として感光性樹脂層24が図7に示すよう断面が略台形形状に硬化され、斜面を有している。
凸部31の高さH3は、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す際に印刷可能な高さであれば特に限定されることはない。具体的には、凸部31の高さH3は、0.76mm〜2.86mmであることが望ましい。
凸部31の幅W3は、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す際に印刷されるべき形状にしたがって任意に設定すればよい。なお、凸部31の幅W3が細い場合に、凸部31を補強する補強部32を用いる効果がより現れることになる。具体的には、補強部32を用いる場合には、凸部31の幅W3は、10μm〜40μm程度に細くても、補強部32により凸部31を補強できる。
凸部31の長さT3、個数、位置関係は、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す際に印刷されるべき長さ、個数にしたがって任意に設定すればよい。
次に、補強部32について詳細に説明する。
補強部32は、凸部31を補強するために凸部31の周囲に設けられたものである。具体的には後述するが、硬化工程において、凸部31と、補強部32となる部分が硬化された後、凸部31と補強部32となる部分以外の部分の感光性樹脂層24を溶剤により溶解されて除去する際に凸部31が溶解中において変形してしまうといった不都合、また、印刷時に印圧を加えると凸部31の剛性不足により凸部31が倒れてしまい、印刷用紙等に所望の形状の印刷ができないという不都合を解消すべく凸部31を補強するために設けられたものである。
補強部32の形状、長さT4、位置関係等は、図7を用いて説明するように様々な態様とすることができ、特に限定されないが、少なくとも、印刷版30が倒れたり、変形しないよう補強できるものである必要がある。具体的には、図7に示すように凸部31は断面が略台形形状であり、印刷インクが塗布され、印刷用紙等が接する位置よりもその土台の部分が広くなる形状であるが、補強部32は、その凸部31の断面の略台形形状における斜線に形成されている必要がある。補強部32をこのような位置に形成できるように、補強部32の形状、長さT4、位置関係等が決められることになる。
ここで、補強部32の高さH4は、凸部31の高さH3よりも低く形成する。補強部32は、凸部31を補強するために凸部31の周囲に設けられたものであるが、印刷版30を用いて任意の印刷用紙に印刷を施す場合には印刷がなされない部分である。よって、任意の印刷用紙に印刷を施す場合に凸部31のみが印刷されるようにするため、補強部32は、印刷版30を用いて行う場合に印刷されない高さであることが必要である。具体的には、凸部31の高さH3と比べて50μm〜400μm低いことが望ましい。また、補強部32の高さH4は凸部31の高さH3の60%〜95%の高さであることが望ましい。印刷し補強部32の高さH4がこの範囲であることにより、印刷した際に、補強部22が印刷されることがないという利点がある。
補強部32の幅W4、長さT4は、凸部31を補強することができる幅、長さであれば特に限定されることはないが、具体的に、図7に示す形状の補強部32である場合には、補強部32の幅W4は、10μm〜20μmであることが望ましく、補強部32の長さT4は、5μm〜100mmであることが望ましい。
補強部32の個数は、特に限定するものではないが、印刷版30の凸部31を補強することができる程度の数の補強部32を形成することが必要であるため、補強部32の個数は、前記補強部32が形成できる個数が必要である。
隣り合うそれぞれの補強部32との間隔S3(図7参照)は、特に限定されるものではない。しかし、上述したように、印刷版30の凸部31を補強することができる補強部32を形成することが必要であるため、凸部31が補強可能な位置に均等な間隔で補強部32を設置することが望ましい。具体的には、隣り合うそれぞれの補強部32との間隔S3は、20μm〜1mmであることが望ましい。
更に、凸部31と補強部32との間隔S4(図7、8参照)は、特に限定されるものではなく、凸部31は補強部22と接していても接していなくてもよい。しかし、補強部32は、元来凸部31を補強するために用いられるものであるため、あまりにも凸部31と補強部32とが離れていると、補強部32が凸部31を補強する効果が減少してしまう。よって、補強部32の形状、大きさ、長さ、幅等によって異なるが、凸部31と補強部32との間隔S4が、通常0μm〜100μmとなるようにする。最適には、補強部32は、図8に示すように、凸部31の根元と補強部32の根元が重なるような位置に形成されることが望ましい。
本発明の印刷版30は、凸部31が細い線を表現したものであっても、凸部31のみは図3に示す直線9のように形成でき、これを用いて印刷した場合に図5(a)に示すように、所望のパターンで正確に印刷ができることとなる。
(印刷版の製造方法について)
図9(a)〜(d)は本実施形態としての印刷版の製造方法を工程順に示す説明図である。以下、工程順に説明する。
まず、図9(a)に示すように、基板23の上に感光性樹脂層24を形成する。
ここで、基板23は、当該方法を実施するための作業台としての役割を果たすものであり、したがって特に限定されることはないが、例えば、PET、アクリル、アルミ、ステンレス等を用いることができる。また、感光性樹脂層24は、前記本願の印刷版30における凸部31を形成するための材料であり、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリケイ皮酸ビニル等を用いることができる。
次に、図9(b)に示すように、
基板23上に形成された感光性樹脂層24上に、開口部21と補強部用開口部22とを有する印刷版製造用マスク20を設置する(設置工程)。
この時、基板23と印刷版製造用マスク20が略平行になるように設置する。
次に、図9(c)に示すように、少なくとも印刷版製造用マスク20の開口部21と、補強部用開口部22と、に向けて紫外線25を照射し、感光性樹脂を硬化させ、凸部31と、凸部31を補強するための補強部32となる部分を形成する(硬化工程)。
具体的には、印刷版製造用マスク20の開口部21と、補強部用開口部22に向けて紫外線25を照射すると、印刷版製造用マスク20の開口部21、補強部用開口部22を通過した紫外線25が照射された部分の感光性樹脂層24が硬化することになり、凸部31と補強部32となる部分のみを硬化させることができる。このようにして凸部31と、補強部32となる部分を形成することができる。
ここで、紫外線の照射量は硬化させる凸部31と補強部32の形状、長さ等によって異なるが、例えば積算光量が1000mJ〜8000mJとなるように紫外線を照射することによって、凸部31と補強部32を形成することができる。
次に、図9(d)に示すように、印刷版製造用マスク20を取り外し、凸部31と補強部32となる部分以外の部分を溶剤により溶解させて除去し、凸部31と、補強部32を形成し、印刷版を製造する(形成工程)。
具体的には、前記硬化工程において、凸部31と、補強部32となる部分が硬化され、形成された後に凸部31と補強部32となる部分以外の部分の感光性樹脂層24を除去することによって、図9(d)に示すように、基板23上に凸部31と補強部32を形成し、印刷版を製造することができる。なお、この時用いる溶剤は、従来公知のものが使用でき、特に限定はされないが、例えば、芳香族炭化水素系浴剤等が使用できる。
なお、上記実施形態は印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造する場合について説明したが、本発明の印刷版30は、印刷版製造用マスク20を直接用いず、公知技術(図2参照)に示したように、感光性樹脂層上にカーボン層を設け、当該カーボン層を設けた感光性樹脂層にレーザ光線で描写し、カーボン層におけるマスクを製造し、当該カーボン層におけるマスクを用いて印刷版30を製造してもよい。この場合には、カーボン層におけるマスクの開口部の形状を本発明の印刷版製造用マスク20と同様の形状にする。
(印刷版製造用マスク20及び印刷版30の形状について)
上記に示した印刷版製造用マスク20の種類は図6に示すものに限定されるものではなく、図10(a)〜(e)に示すような多種多様なものであってもよい。
具体的には、図10(a)の印刷版製造用マスク20の開口部21は、図6に示したものと同様に略長方形に開口されているが、補強部用開口部22は、図6に示したものとは異なり、開口部21に接するように開口されている。ここで、補強部用開口部22の長さ、位置関係、個数、幅、隣り合う補強部22との間隔、凸部21と補強部22との間隔等は図6を用いて説明したものと同様に設置される。開口部21と補強部用開口部22が接していても、補強部用開口部22の幅が極細いため、開口部21の形状に応じた凸部31とこれよりも高さの低い補強部32が形成できる。
図10(b)の印刷版製造用マスク20の開口部21は図6に示したものと同様に略長方形に開口されているが、補強部用開口部22は、図6に示したものとは異なり、開口部21の長さ方向に沿って開口部21を挟んで両側に平行に細長い略長方形の形状に設けられている。ここで、補強部用開口部22の長さは、特に限定はされないが、図10(b)のように、開口部21の長さと同様の長さであってもよいし、開口部21の長さの長さよりも長い、又は短い長さであってもよい。凸部31の補強の観点からは、補強部用開口部22の長さは、開口部21の長さと同程度またはこれより長いことが好ましい。
補強部用開口部22の位置は、特に限定するものではないが、印刷版30の凸部31を補強することができる補強部32を形成することが必要である。開口部21と補強部用開口部22との間隔は、特に限定されるものではないが、補強部32は、元来凸部31を補強するために用いられるものであるため、あまりにも凸部31と補強部32とが離れていると、補強部32が凸部31を補強する効果が減少してしまう。よって、開口部21と補強部用開口部22との間隔は、凸部31が補強部32に補強されるために必要な間隔、通常10μm〜0.2mmであることが望ましい。最適には、補強部32は、図8について上述したように、凸部31の根元と補強部32の根元が重なるような位置に形成されるように補強部用開口部22を形成することが望ましい。
ここで、補強部用開口部22の幅が、5μm〜10μmであることに特徴を有している。なお、補強部用開口部22は、略長方形であるため、補強部用開口部22の幅は、補強部用開口部22の開口部分の短い辺を示すものとする。補強部用開口部22の幅は図6において上述したものと同様である。
図10(c)の印刷版製造用マスク20の開口部21は、図6に示したものと同様に略長方形に開口されているが、補強部用開口部22は、図6に示したものとは異なり、開口部21を挟んで両側に小さな複数の略円形の形状に開口されている。この補強部用開口部22は、開口部21と接していない場合について図示しているが、ここで補強用開口部22は、開口部21と接していてもよい。
補強部用開口部22は略円形であるため、上記した補強部用開口部22の長さ、幅に変えて直径の長さにより略円形を定義するものとする。具体的には、直径5μm〜10μmであることが望ましい。なお、この直径の値を本発明で幅と定義する。図10(c)では略円形になっているが、楕円等の形状であっても、凸部31を補強することができる形状であれば特に形状は限定されないものとする。他に、10(c)における補強部用開口部22の位置関係、個数、隣り合う補強部22との間隔、凸部21と補強部22との間隔等は、図6において上述したものと同様である。
図10(d)の印刷版製造用マスク20の開口部21は、図6に示したものとは異なり、略円形に開口されている。開口部21は略円形であるため、上記した開口部21の長さ、幅に変えて直径の長さにより略円形を定義するものとする。具体的には、直径は10μm〜100mmであることが望ましい。図10(d)では開口部21は、略円形になっているが、楕円等の形状であってもよく、形状は限定されないものとする。
開口部21の直径が、特に5μm〜20mm程度と、細い場合にも、本発明の印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造することにより、凸部31が曲がったり、変形することを防止し、凸部31の形状を正常に保つことができ、印刷版30を用いて印刷した場合に正常な印刷が可能になる。
開口部21の個数、位置関係等は、図6を用いて上述したように様々な態様とすることができ、特に限定されないが、上述したように印刷版製造用マスク20の開口部21を用いて形成される印刷版30が形成されるべき個数、位置関係になるように任意に設定すればよい。
更に、印刷版製造用マスク20の補強部用開口部22は、開口部21の周囲に放射状に4本の略長方形に開口されている。ここで、図10(d)の印刷版製造用マスク20の上方に示している補強部用開口部22は、開口部21と接しており、下方に示している補強部用開口部22は、開口部21と接していない。このように、開口部21の周囲に略長方形の補強部用開口部22を放射状に設ける場合には、開口部21と補強部用開口部22とは接していても接していなくてもよい。また、略長方形の補強部用開口部22の個数は、図10(d)に示す4本に限定されないが、複数本の補強部用開口部22が略等間隔で放射状に設けられていることが好ましい。補強部用開口部22の長さは、特に限定はされないが、図10(b)のように、開口部21の略円形の直径と同様の長さであってもよいし、略円形の直径よりも長い、又は短い長さであってもよい。補強部用開口部22の位置、幅等は上述したものを参照するものとする。
図10(e)の印刷版製造用マスク20の開口部21は、図10(d)と同様に、略円形に開口されている。更に、補強部用開口部22は、その開口部21の周囲に一周線を描くように形成されている。
補強部用開口部22の位置は、特に限定するものではないが、印刷版30の凸部31を補強することができる補強部32を形成することが必要である。開口部21と補強部用開口部22との間隔(非開口部の幅)は特に限定されるものではないが、補強部32は、元来凸部31を補強するために用いられるものであるため、あまりにも凸部31と補強部32とが離れていると、補強部32が凸部31を補強する効果が減少してしまう。よって、開口部21と補強部用開口部22との間隔は、凸部31が補強部32に補強されるために必要な間隔、通常10μm〜0.2mmであることが望ましい。最適には、補強部32は、図8について上述したように、凸部31の根元と補強部32の根元が重なるような位置に形成されるように補強部用開口部22を形成することが望ましい。ここで、補強部用開口部22の幅が、5μm〜10μmであることに特徴を有している。なお、補強部用開口部22は、図10(c)と同様に開口部21の周囲に点状に設けられていてもよい。
ここで、本実施形態において印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造する場合について説明したが、このような場合に、図10(e)における開口部21と補強部用開口部22との間(非開口部の幅)の固定方法は、マスク20の下に非開口部を支持するフィルム層等が形成され、それにより非開口部が固定されることになる。よって、補強部用開口部22が開口部21の周囲に接していない場合であっても非開口部が固定されることになるため、当該印刷版製造用マスク20を印刷版30を製造することができる。また、本発明の印刷版30は、印刷版製造用マスク20を直接用いず、公知技術(図2参照)に示したように、感光性樹脂層上にカーボン層を設け、当該カーボン層を設けた感光性樹脂層にレーザ光線で描写し、カーボン層におけるマスクを製造し、当該カーボン層におけるマスクを用いて印刷版30を製造してもよい。この場合には、図10(e)における開口部21と補強部用開口部22との間(非開口部)は、図2に示すように、非開口部が感光性樹脂層24に密着しているため固定されることになる。よって、補強部用開口部22が開口部21の周囲に接していない場合であっても非開口部が固定されることになるため、当該印刷版製造用マスク20を印刷版30を製造することができる。なお、この場合には、カーボン層におけるマスクの開口部の形状を本発明の印刷版製造用マスク20と同様の形状にする。
更に、このような多種多様な印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造する際の「断面」を図11(a)〜(e)に示す。なお、図11(a)〜(e)は、図10(a)〜(e)の断面で示す位置に見られる印刷版30を製造する際の様子を示す図である。ここで、図11(a)は、図10(a)の印刷版製造用マスク20を用いて印刷版30を製造する際の様子を示す図である。
具体的には、図10(a)に示すように、補強部用開口部22が開口部21と接していることによって図11(a)に示すように紫外線を照射した場合に補強部32の上面が凸部の略台形形状の斜線に接するような形状になる。
図11(b)は、図10(b)の印刷版製造用マスク20を用いて製造される印刷版30を製造する際の様子を示す図であり、具体的には、図10(b)に示すように、補強部用開口部22が開口部21とは少し離れて設けられているが、補強部用開口部22と開口部21との間隔が小さいため、図11(b)に示すように紫外線を照射した場合に補強部32の上面が凸部の斜線に接するような形状になる。
図11(c)は、図10(c)の印刷版製造用マスク20を用いて製造される印刷版30を製造する際の様子を示す図であり、具体的には、図10(c)に示すように、補強部用開口部22が開口部21とは少し離れて設けられているため、紫外線の照射量にもよるが、図11(c)に示すように補強部32における凸部31の斜線に接する部分は、補強部32の上面よりも低い高さとなる。
図11(d)は、図10(d)の印刷版製造用マスク20を用いて製造される印刷版30を製造する際の様子を示す図であり、具体的には、図10(d)の印刷版製造用マスク20の上方に示すように、補強部用開口部22が開口部21と接している場合には、図11(d)に示すように紫外線を照射した場合に補強部32の上面が凸部の略台形形状の斜線に接するような形状になる。また、図10(d)の印刷版製造用マスク20の下方に示すように、補強部用開口部22が開口部21とは少し離れて設けられているが、補強部用開口部22と開口部21との間隔が小さい場合には、図11(d)に示すように紫外線を照射した場合に補強部32の上面が凸部の斜線に接するような形状になる。
図11(e)は、図10(e)の印刷版製造用マスク20を用いて製造される印刷版30を製造する際の様子を示す図であるが、具体的には、図11(b)において説明したものと同様である。
なお、上記実施形態において、印刷版製造用マスク20の補強部用開口部22の幅W2を5〜10μmとし、印刷版30を製造する場合について説明したが、補強部32の幅を上記幅で形成することが困難な場合は、補強部用開口部22の幅W2を形成可能である最小の幅で描写し、レーザの出力(エネルギー)を減少させることによって、補強部32の高さを凸部の高さH3よりも低い高さH4に形成してもよい。
補強部32は具体的に、略長方形、略円形、楕円形等の形状であるとして説明したが、略長方形等の形状は、開口部22が線状に凸部の周囲に設けられていることの具体例である。また、略円形、楕円形等の形状は、開口部22が点状に凸部の周囲に設けられていることの具体例である。
以上説明したように、感光性樹脂層上に印刷版製造用マスクを設置し、当該印刷版製造用マスクの開口部と、補強部用開口部に向けて紫外線を照射することにより、印刷版製造用マスクの開口部、補強部用開口部を通過した紫外線が照射された部分の感光性樹脂層が硬化することになり、凸部と補強部となる部分のみを硬化させることができる。このようにして印刷版製造用マスクを用いて印刷版を製造すると、凸部の周囲に凸部を補強する補強部を形成することができる。よって、印刷版の凸部の形状を正常に保つことができ、当該印刷版を用いて印刷した場合に所望の形状の印刷が可能となる印刷版を製造することができる。
先行技術における印刷版の製造方法について説明するための図である。 先行技術における印刷版の製造方法について説明するための図である。 未硬化部分を溶剤により溶解させて除去する場合について説明するための図である。 印刷時の印刷版の凸部を示す図である。 印刷用紙に印刷が施された際の様子を示す図である。 本発明の印刷版製造用マスクを示す概略図である。 本発明の印刷版を示す概略図である。 本発明の印刷版を製造する際の印刷版の断面を説明するための図である。 本発明の印刷版を製造する製造方法を示す図である。 本発明の印刷版製造用マスクを示す概略図である。 本発明の印刷版を製造する際の様子を説明するための図である。
符号の説明
20・・・印刷版製造用マスク
21・・・開口部
22・・・補強部用開口部
23・・・基板
24・・・感光性樹脂層
25・・・紫外線
30・・・印刷版
31・・・凸部
32・・・補強部
W1・・・開口部の幅
W2・・・補強部用開口部の幅
W3・・・凸部の幅
W4・・・補強部の幅
T1・・・開口部の長さ
T2・・・補強部用開口部の長さ
T3・・・凸部の長さ
T4・・・補強部の長さ
H3・・・凸部の高さ
H4・・・補強部の高さ

Claims (8)

  1. 所望の形状を有する印刷版を製造するために用いられる印刷版製造用マスクであって、
    当該印刷版製造用マスクは、前記印刷版に形成される凸部に対応する開口部と、
    当該開口部の周囲に、前記凸部を補強するための補強部に対応する補強部用開口部と、
    を有することを特徴とする印刷版製造用マスク。
  2. 請求項1に記載の印刷版製造用マスクにおいて、
    前記補強部用開口部の幅が、5μm〜10μmであることを特徴とする印刷版製造用マスク。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の印刷版製造用マスクにおいて、
    前記印刷版に形成される前記凸部の周囲に、前記凸部よりも高さが低い補強部を設けた印刷版を製造できるように前記補強部用開口部が設けられたことを特徴とする印刷版製造用マスク。
  4. 所望の形状を有する印刷版において、
    前記印刷版に形成される凸部の周囲に、前記凸部よりも高さが低い補強部を設けたことを特徴とする印刷版。
  5. 請求項4に記載の印刷版において、
    前記印刷版は、前記凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記補強部に対応する補強部用開口部と、
    を有する印刷版製造用マスクを用いて製造されることを特徴とする印刷版。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の印刷版において、
    前記凸部の断面が略台形形状に形成される凸部の斜線に接して前記補強部が設けられていることを特徴とする印刷版。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の印刷版において、
    前記補強部は、上面から見て線状又は、点状に、凸部の周囲に設けられていることを特徴とする印刷版。
  8. 所望の形状を有する印刷版の製造方法において、
    基板上に形成された感光性樹脂層上に、前記印刷版に形成される凸部に対応する開口部と、当該開口部の周囲に、前記凸部を補強するための補強部に対応する補強部用開口部と、を有する印刷版製造用マスクを設置する設置工程と、
    少なくとも前記印刷版製造用マスクの前記開口部と、前記補強部用開口部と、に向けて紫外線を照射し、前記感光性樹脂を硬化させ、前記凸部と、前記凸部を補強するための補強部となる部分を形成する硬化工程と、
    前記凸部と前記補強部となる部分以外の部分を溶剤により溶解させて除去し、前記凸部と、前記補強部とが形成された印刷版を製造する製造工程と、
    を有することを特徴とする印刷版の製造方法。
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