JP2007262648A - エアバック用高密度織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、軽量で安定した織物強度物性と低通気性織物を得ることによりエアバッグに適した高密度織物を提供することにある。
【解決手段】 製織前の原糸の交絡度が10〜30コ/mであり、単糸繊度が6dtex以下であり、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が、8コ/m以下であり、20kPa差圧下における通気度が1 L/cm2/min.以下であることを特徴とするエアバック用高密度織物。
【選択図】 なし
【解決手段】 製織前の原糸の交絡度が10〜30コ/mであり、単糸繊度が6dtex以下であり、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が、8コ/m以下であり、20kPa差圧下における通気度が1 L/cm2/min.以下であることを特徴とするエアバック用高密度織物。
【選択図】 なし
Description
本発明は自動車用安全装置の一つであるエアバッグ用織物に適したものであり、更に詳しくは、必要な機械的特性を保持しつつ、低通気度を有するエアバック用高密度織物を提供しようとするものである。
近年、自動車安全部品の一つとしてのエアバックは乗員の安全意識の向上に伴い、急速に装着率が向上している。エアバックは自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバックを急激に展開させ、乗員保護に役立つものである。
従来、エアバックにはクロロプレン、クロルスルフォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴムが塗布された基布が、耐熱性、空気遮断性(通気度)、難燃性の目的から使用されていた。
しかしながら、これらのコーティング基布は基布重量の増加、柔軟性の低下、製造コストの増加、リサイクルが難しいのため、エアバック用基布に使用するには不具合な点が多かった。現在でも一部で使用されているシリコーンコーティング基布は上記不具合点がかなり改善されてはきたが、まだ満足できるものではない。
そこで、最近はコーテイングを施さないノンコートエアバック用基布が主流になっており、軽量で良好な収納性と低通気度化のために様々な提案がなされている。このような現状において、ノンコートエアバック基布では、更なる軽量で低通気度をそなえた基布が求められている。
上記従来の方法では解決できていない軽量で安定した織物強度物性と低通気性織物を得ることによりエアバッグに適した高密度織物を提供することにある。
上記課題を解決するための手段、即ち本発明の第1は、製織前の原糸の交絡度が10〜30コ/mであり、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が、8コ/m以下であり、20kPa差圧下における通気度が1 L/cm2/min.以下であることを特徴とするエアバック用高密度織物であり、その第2は、製織前の原糸の交絡度が15〜25コ/mである請求項1記載のエアバッグ用高密度織物であり、その第3は、式1で規定する織物のカバーファクターが1800〜2400である請求項1または2に記載のエアバッグ用高密度織物であり、カバーファクター=√(経糸繊度 dtex)x(経糸密度 本/inch)+√(緯糸繊度 dtex)x(緯糸密度 本/inch) ―――――― (式1)
その第4は、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が、5コ/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物であり、その第5は、20kPa差圧下における通気度が0.8 L/cm2/min.以下である請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物である。
その第4は、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が、5コ/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物であり、その第5は、20kPa差圧下における通気度が0.8 L/cm2/min.以下である請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物である。
ここで本発明のエアバッグに適した高密度織物の特徴を詳細に説明すると、織物を構成する分解糸の交絡度が経糸または/及び緯糸において8コ/m以下であり、更に好ましくは5コ/m以下である。分解糸の交絡度が8コ/mを超えると通気度が高くなり良くない。
原糸の交絡度は、10〜30個/mであり、好ましくは、15〜25コ/mであることが必要である。交絡度が、10コ/m未満であると毛羽の発生で製織効率が低下し毛羽による欠点が多くなり品位が低下する。また、交絡度が、30コ/mより大きくなると製織後の織物を構成する糸の残留交絡度が大きくなり低通気性が得られなくなる、また、強度低下の原因になり好ましくない。
本発明におけるカバーファクターは、1800〜2400である事が好ましい、更に好ましくは、1900〜2300である。カバーファクターが、1800未満であると低通気度が得られず良くない、カバーファクターが、2400を超えると製織時のトラブルが多くなり生産性が低下して好ましくない。
本発明に用いられる熱可塑性繊維の沸水収縮率は、5〜15%で有ることが必要である。沸水収縮率が、5%より小さいと低通気度が得られず、15%より大きいと収縮後の織物の厚さが厚くなりコンパクト性を損ねることとなり良くない。沸水収縮率の値は、5〜15%程度の物を用いるのが好ましいが、さらに好ましくは、8〜12%である。本発明における加熱処理温度は特に規定するものではなく、通常100〜200℃で実施する、好ましくは、160℃以下で処理をするのが低通気性を得るのにはよい。処理は、ヒートセッター、沸水バス等特に規定はしないが、縦及び横のオーバーフィードが、2〜15%程度可能な加工機を用いることができる。
製織の仕方としては特に限定するものではないが、基布物性の均一性を勘案すると平織りが良く、織機は、エアージェットルーム、レピアルーム、ウオータージェットルーム等特に限定するものでない。
本発明におけるエアバッグを構成する熱可塑性繊維としては、特に素材を限定するものではないが、特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエステルが使用されるが特に限定するものではない。ただし、経済性や耐衝撃性を勘案するとナイロン66、ナイロン46、ナイロン6が特に好ましい。また、これらの合成繊維には原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有または付与していても何ら問題はない。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、難燃剤等である。
また、使用する原糸の総繊度および単糸繊度は総繊度が100〜550dtex、単糸繊度が6dtex以下が良い。好ましくは総繊度150dtex〜470dtex、単糸繊度4.4dtex以下である。更に好ましくは、総繊度200dtex〜400dtex、単糸繊度3.3dtex以下である。すなわち、総繊度が100dtex未満場合にはその部分での引張強力及び引裂強力が不足し、550dtexを超える場合には織物の柔軟性が損なわれ、収納性にとって不利になる。単糸繊度が6dtexを超える場合には、これも織物の柔軟性が損なわれ、収納性にとって不利になる。
[実施例]次に実施例により、本発明を更に詳しく説明する。なお、実施例中の物性は下記の方法で測定した。
毛羽発生評価:加工反検反時毛羽の数で4段階評価した。
◎ :毛羽がほとんどない
○ :毛羽が少し見られる。
△ :毛羽がある。
× :毛羽がかなりある。
◎ :毛羽がほとんどない
○ :毛羽が少し見られる。
△ :毛羽がある。
× :毛羽がかなりある。
交絡度:水面下に原糸を置き、交絡間距離を測定し1メ−トルにある交絡数を計算により求めた。分解糸の交絡度は、荷重(式2)を加えた針の移動量により交絡間距離を測定し1メートルにある交絡数を計算により求めた。
荷重(g)=0.045xマルチフィラメントの繊度(dtex) −−−−−(式2)
荷重(g)=0.045xマルチフィラメントの繊度(dtex) −−−−−(式2)
沸水収縮率:JIS L1013 熱水収縮率B法 100℃
織密度:JIS L1096 6.6
強度及び伸度:JIS L1096 6.12 A法
引き裂き強力:JIS L1096 6.15 A−1法
実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例2
経糸及び緯糸に表1に示す物性の原糸470dtex/144f(単糸繊度3.3dtex)を平織にてウオータージェットルームで製織後、沸水にて収縮加工し、140℃で乾燥仕上げし経密度52本/in、緯密度52本/inのノンコートエアバッグ織物を得た。このエアバッグ織物の評価結果を表1に示す。
経糸及び緯糸に表1に示す物性の原糸470dtex/144f(単糸繊度3.3dtex)を平織にてウオータージェットルームで製織後、沸水にて収縮加工し、140℃で乾燥仕上げし経密度52本/in、緯密度52本/inのノンコートエアバッグ織物を得た。このエアバッグ織物の評価結果を表1に示す。
実施例4〜実施例5及び比較例3
経糸及び緯糸に表2に示す物性の原糸350dtex/144f(単糸繊度2.4dtex)を平織にてウオータージェットルームで製織後、沸水にて収縮加工し、130℃で乾燥セット仕上げし、経密度59本/in、緯密度59本/inのノンコートエアバッグ織物を得た。このエアバッグ織物の評価結果を表2に示す。
経糸及び緯糸に表2に示す物性の原糸350dtex/144f(単糸繊度2.4dtex)を平織にてウオータージェットルームで製織後、沸水にて収縮加工し、130℃で乾燥セット仕上げし、経密度59本/in、緯密度59本/inのノンコートエアバッグ織物を得た。このエアバッグ織物の評価結果を表2に示す。
本発明は、エアバッグ用織物として必要な軽量で安定した織物強度物性と低通気性織物を得ることによりエアバッグに適した高密度織物を提供することにある。
Claims (5)
- 製織前の原糸の交絡度が10〜30コ/mであり、単糸繊度が6dtex以下であり、高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が8コ/m以下であり、20kPa差圧下における通気度が1 L/cm2/min.以下であることを特徴とするエアバック用高密度織物。
- 製織前の原糸の交絡度が15〜25コ/mである請求項1記載のエアバッグ用高密度織物。
- 式1で規定する織物のカバーファクターが1800〜2400である請求項1または2に記載のエアバッグ用高密度織物。
カバーファクター=√(経糸繊度 dtex)x(経糸密度 本/inch)+√(緯糸繊度 dtex)x(緯糸密度 本/inch) ―――――― (式1) - 高密度織物の経糸および/または緯糸の分解糸交絡度が5コ/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物。
- 20kPa差圧下における通気度が0.8 L/cm2/min.以下である請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用高密度織物。
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JP2007138133A JP2007262648A (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | エアバック用高密度織物 |
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JPWO2017057300A1 (ja) * | 2015-09-30 | 2018-07-19 | セーレン株式会社 | エアバッグ用織物およびエアバッグ |
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2007
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