JP2007262279A - 形状記憶性ゴムの形状回復方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体に軟化点60℃以上のポリオレフィンを溶融分散させ、アロイ化したポリマー90〜20重量%および過酸化物架橋可能なゴムポリマー10〜80重量%よりなるブレンド物100重量部当り0.5〜15重量部の有機過酸化物を用いて架橋した形状記憶性を有するゴムを、自己発熱性を備えた加熱体を熱源として形状回復させる。
Description
(1) 簡単に電線を装着できる装着性
(2) 平面状に電線を束ねることによる形状保持性
(3) くり返し使用することができるリサイクル性(使用耐久性)
(4) 各種電線との密着性
等が求められ、さらに材料としての耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、耐水性、場合によっては耐油性が必要とされる。
(2) 形状記憶性を応用して任意の形状とすることができるので、狭い空間での取り回し性の改善あるいは従来電線を束ねて使っていたものを平面状に固定できるようになったという利便性の改善が達成される。
(3) 電源や火気を必要とはせず、任意の場所で安全に加熱することができる発熱体を用いることによる、安全作業性や施工性の飛躍的な向上がみられる。
(4) 火気を用いないため、油や有機溶剤雰囲気下でも取り付けや施工が可能である。
アロイ化ポリマー(三井化学製品エプタロイK9720;EPDM 60重量部
に軟化点70℃のポリオレフィン樹脂をアロイ化)
油展EPDM(同社製品三井3042E;ポリマー分45%) 89 〃
N990カーボンブラック 20 〃
可塑剤(旭電化製品RS107) 10 〃
ZnO(堺化学製品) 5 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品) 1 〃
酸化防止剤(大内新興化学製品ノクラックRD) 1 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーブチルP) 4 〃
トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品TAIC) 1 〃
パラフィン系ワックス(大内新興化学製品サンノック) 1 〃
以上の各配合成分(架橋剤、促進剤を除く)を1Lニーダで混練し、次いで10インチオープンロールを用いて架橋剤(有機過酸化物)および促進剤(トリアリルイソシアヌレート)を添加し、ゴムシートとした後、170℃、8分間の圧縮成形プレスによる加硫成形を行い、その後150で5時間のオーブン加硫(二次加硫)を行った。この加硫直後に賦形を行い、一次記憶体(シート状電線ホールダ)とした。
・耐オゾン性:JIS K-6259準拠、40℃、50pphm、20%伸長、168時間の条件下でのクラック発生の有無を目視で確認
・圧縮永久歪:JIS K-6262準拠(120℃、24時間)、線径3.5mm、内径8mmのOリング使用
・形状記憶性評価:線径3.5mm、内径8mmのOリングを用い、この内径を16mmに変形させた後、加熱回復させた場合の内径寸法Dから下記式を用いて算出した
回復率=(16−D/16−8)×100(%)
なお、変形/回復1回後の回復率を初期回復率とし、10回後の回復率を耐久回復率とした
・密着性:電線ホールダを形状回復させ、密着させた樹脂線を引っ張ったときに、電線ホールダから樹脂線が抜けるかどうかを評価し、抜けなかった場合を○、抜けてしまった場合を×とした
なお、形状回復のためのヒータとしては、自己発熱体(NOK製品30分発熱タイプ;表面発熱温度90℃)が用いられた
実施例1において、アロイ化ポリマー量が5重量部に、油展EPDM量が211重量部にそれぞれ変更された。
実施例1において、アロイ化ポリマー量が100重量部に変更され、油展EPDMが用いられなかった。
実施例1において、有機過酸化物量が0.2重量部に変更された。
実施例1において、有機過酸化物量が25重量部に変更された。
実施例1において、有機過酸化物およびトリアリルイソシアヌレートが用いられず、イオウ1重量部および加硫促進剤(大内新興化学製品ノクセラーTS)2重量部が用いられた。
配合成分(重量部) 実施例2 実施例3 実施例4
アロイ化ポリマー(エプタロイK9720) 50 50 60
EPDM(JSR製品EP22) 50
水素化NBR(日本ゼオン製品Zetpol 2020) 50
IIR(Bayer社製品XL10000) 40
N990カーボンブラック 40 60
N550カーボンブラック 50
可塑剤(RS107) 5 25
アロマ系プロセスオイル(出光興産製品AH16) 40 15
ZnO 4 5
ステアリン酸 1 1 1
酸化防止剤(ノクラックRD) 2 2 1
有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド) 3 4 4
トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 1 2
トリメチロールプロパントリメタクリレート 1
(三菱レーヨン製品)
パラフィン系ワックス(サンノック) 2 2 1
アロイ化ポリマー(エプタロイK9720) 60重量部
プロピレン-TFE共重合体(旭硝子製品アフラス150P) 40 〃
N990カーボンブラック 5 〃
有機過酸化物(パーブチルP) 3 〃
トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 2 〃
ステアリン酸ナトリウム 1 〃
実施例5において、アロイ化ポリマー量が8重量部に、プロピレン-TFE(テトラフルオロエチレン)共重合体量が92重量部にそれぞれ変更された。
実施例5において、アロイ化ポリマー量が92重量部に、プロピレン-TFE(テトラフルオロエチレン)共重合体量が8重量部にそれぞれ変更された。
配合成分(重量部) 実施例6 実施例7 実施例8
アロイ化ポリマー(エプタロイK9720) 60 50 40
SBR(日本ゼオン製品Nipol 1502) 40
エチレン-MAA共重合体(デュポン社製品Vamac DP) 50
NBR(日本ゼオン製品Nipol DN2850)) 50
N990カーボンブラック 60
N550カーボンブラック 40 60
可塑剤(RS107) 5 20
可塑剤(旭電化製品RS735) 20 10
アロマ系プロセスオイル(AH16) 40 10
ZnO 6 5
ステアリン酸 2 1 1
酸化防止剤(ノクラックRD) 1 1 2
有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド) 3 2 2
トリメチロールプロパントリメタクリレート 1 1
ステアリン酸アミド 2
パラフィン系ワックス(サンノック) 1 1 2
アロイ化ポリマー(エプタロイK9720) 55重量部
油展EPDM(三井3042E) 100 〃
可塑剤(RS107) 5 〃
アロマ系プロセスオイル(AH16) 10 〃
ZnO 4 〃
ステアリン酸 1 〃
酸化防止剤(ノクラックRD) 1 〃
有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド) 2 〃
トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 1 〃
SiO2(トーソーシリカ製品ニプシールVN3) 15 〃
パラフィン系ワックス(サンノック) 1 〃
メタけい酸カルシウム(キンセイマティック製品FPW400) 25 〃
Fe2O3 5 〃
表
硬度 引張強 伸び 圧縮永 形状記憶・回復率 電線
例 (IRHD) さ(MPa) (%) 久歪(%) 初期(%) 耐久(%) 密着性
実施例1 45 11 460 14 100 99 ○
比較例1 40 6 620 30 − − −
〃 2 82 13 240 47 98 95 ○
〃 5 42 13 540 69 80 72 ×
実施例2 65 12 280 12 100 98 ○
〃 3 60 17 250 10 98 96 ○
〃 4 58 10 220 24 97 96 ○
〃 5 68 12 280 28 95 94 ○
比較例6 62 14 230 24 − − −
〃 7 84 12 160 45 96 92 ○
実施例6 65 14 400 20 97 94 ○
〃 7 58 9 230 27 94 93 ○
〃 8 66 12 200 30 96 92 ○
〃 9 53 8 190 28 98 97 ○
(1) 各実施例では、電線を任意の形状で固定することが可能で、くり返しの使用にも問題はなく、形状記憶性の回復率も良好である。なお、実施例9は、ベンガラを用いたブラウン着色ゴムである。
(2) 比較例2、7は、硬くて賦形し難く、圧縮永久歪の値も大きい。
(3) 比較例5は圧縮永久歪が大きく、また密着性能に問題がみられた。
Claims (3)
- エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体に軟化点60℃以上のポリオレフィンを溶融分散させ、アロイ化したポリマー90〜20重量%および過酸化物架橋可能なゴムポリマー10〜80重量%よりなるブレンド物100重量部当り0.5〜15重量部の有機過酸化物を用いて架橋した形状記憶性を有するゴムを、自己発熱性を備えた加熱体を熱源として形状回復させることを特徴とする形状記憶性ゴムの形状回復方法。
- 架橋した形状記憶性を有するゴムが複数本の電線を固定するための電線用ホールダである請求項1記載の形状記憶性ゴムの形状回復方法。
- 自己発熱性を備えた加熱体が鉄粉・水・活性炭・塩類を主成分とし、酸化反応により発熱する加熱体または金属酸化物・水を主成分とし、還元反応により発熱する加熱体である請求項1または2記載の形状記憶性ゴムの形状回復方法。
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JP2006090531A JP2007262279A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 形状記憶性ゴムの形状回復方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110128930A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-08-16 | 中国人民解放军海军航空大学青岛校区 | 一种自修复的智能复合涂料 |
Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JPH11325381A (ja) * | 1998-05-13 | 1999-11-26 | Toyoda Gosei Co Ltd | プロテクタ付樹脂ホース |
JP2000191847A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Mitsui Chemicals Inc | グロメット用ゴム組成物、グロメットおよび製造方法 |
JP2000297825A (ja) * | 1998-08-04 | 2000-10-24 | Nok Corp | 分割型ブーツ並びにその接合方法、溶着剤及び加熱体 |
JP2002286142A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Nok Corp | ワイヤーハーネス用コネクタパッキン |
-
2006
- 2006-03-29 JP JP2006090531A patent/JP2007262279A/ja active Pending
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