JP2007262176A - ウレタン樹脂の製造方法および粘着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のウレタン樹脂の製造方法は、鎖延長剤が鎖延長剤(A)および鎖延長剤(B)を含み、鎖延長剤(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、残りの官能基より反応性が高い化合物であり、鎖延長剤(B)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量62〜500である化合物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、再剥離性を有し、しかも時間が経過しても再剥離性が変化しにくい粘着剤を得るためのウレタン樹脂を製造できるウレタン樹脂の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、再剥離性を有し、時間が経過しても再剥離性が変化しにくい粘着剤を提供するものである。
[1] ポリオールとポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰の割合で反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得た後、該イソシアネート基末端プレポリマーに鎖延長剤を反応させ、さらに必要に応じて末端停止剤を反応させるウレタン樹脂の製造方法であって、
鎖延長剤が鎖延長剤(A)および鎖延長剤(B)を含み、
鎖延長剤(A)は、下記(a1)の化合物および(a2)の化合物からなる群から選ばれる1種または2種の化合物であり、鎖延長剤(B)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量が62〜500である化合物であることを特徴とするウレタン樹脂の製造方法。
(a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基である化合物。
(a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうち2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。
[2] 鎖延長剤(B)のイソシアネート基と反応可能な官能基が、アミノ基または水酸基である[1]に記載のウレタン樹脂の製造方法。
[3] 鎖延長剤(B)が、脂肪族ジオール、脂肪族ジアミン、アルカノールアミン、芳香族ジアミンおよびビスフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である[1]または[2]に記載のウレタン樹脂の製造方法。
[4] 鎖延長剤(A)と鎖延長剤(B)とのモル比(A/B)が50/50〜95/5である[1]〜[3]のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法で得られたウレタン樹脂を含有する粘着剤。
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法で得られたウレタン樹脂と第2のポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる架橋ウレタン樹脂を含有する粘着剤。
本発明の粘着剤は、再剥離性を有し、時間が経過しても再剥離性が変化しにくいものである。
本発明のウレタン樹脂の製造方法は、ポリオールとポリイソシアネート化合物(以下、第1のポリイソシアネート化合物という。)とをイソシアネート基過剰の割合で反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを製造し(プレポリマー生成反応)、該イソシアネート基末端プレポリマーに鎖延長剤を反応させ(鎖延長反応)、必要に応じて、さらに末端停止剤を反応させ、末端を失活させて(停止反応)、ウレタン樹脂を製造する方法である。該方法により得られるウレタン樹脂は、主にウレタン樹脂系粘着剤の主剤の原料になるものである。
ポリオールとしては、たとえば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。ポリオールの中でも、柔軟性を得るためには、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、炭素数が2〜6のアルキレンオキシドが好ましく、具体例としてエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびそれらの組み合わせが特に好ましい。
多価開始剤としては、アルキレンオキシドが反応しうる活性水素原子を2個以上有する化合物が挙げられ、たとえば、多価アルコール、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。その価数(活性水素原子の数)としては、反応性の点から、2〜6価が好ましく、2〜3価がより好ましく、2価が最も好ましい。2価の開始剤としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAまたはこれらに少量のアルキレンオキシドが付加された比較的低分子量のポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。開環重合触媒として複合金属シアン化物錯体触媒を用いる場合には、反応性の点から、多価開始剤として水酸基当たりの分子量が200〜500のポリオキシアルキレンポリオールを用いることが好ましい。多価開始剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
なお、ポリオキシアルキレンポリオールの1分子あたりの水酸基数は製造するのに用いた多価開始剤の価数と一致する。
粘着力が1N/25mm以下の微粘着領域の粘着力を有する粘着剤を得ようとする場合においては、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価が18mgKOH/gを超えることが好ましく、37〜600mgKOH/gがより好ましく、56〜300mgKOH/gが最も好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールは2種以上の混合物であってもよく、その場合においては平均の水酸基価が前記の範囲内にあることが好ましい。
このような不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールを製造するためには、開環重合触媒として、セシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒を用いることが好ましく、複合金属シアン化物錯体触媒を用いることが最も好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールは2種以上の混合物であってもよく、その場合においても平均の不飽和度、水酸基価は前記の範囲内にあることが好ましい。
また、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物を開環重合したポリエステルポリオール等も使用できる。
ポリエステルポリオールは2種以上の混合物であってもよく、その場合においては平均の水酸基価が前記の範囲内にあることが好ましい。
ポリカーボネートポリオールの製造に用いるジオール化合物としては、エチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル‐1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、デカンジオール、およびドデカンジオール等が挙げられる。これらジオール成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリカーボネートポリオールの水酸基価は20〜600mgKOH/gであることが好ましい。
第1のポリイソシアネート化合物としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等を用いることができる。
また、芳香環を有し、該芳香環に直接結合しないイソシアネート基を有するポリイソシアネートが挙げられる。たとえば、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下p−TMXDIと記載する。)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下m−TMXDIと記載する。)等が挙げられる。
プレポリマー生成反応は特に制限されず、たとえば、ポリオールと第1のポリイソシアネート化合物と必要に応じてウレタン化触媒と溶剤とを反応器に仕込んで行う方法等が挙げられる。
ポリオールと第1のポリイソシアネート化合物の配合比は、末端にイソシアネート基が残るようにするために、インデックス(NCOのモル数/OHのモル数×100)が110〜300となるように反応させることが好ましく、130〜250となるように反応させることがより好ましい。インデックスが110未満ではゲル化して増粘しやすくなる傾向にあり、300を超えるとプレポリマー中の未反応イソシアネート化合物濃度が高くなり過ぎて次の鎖延長反応が困難になる傾向にある。
また、使用する化合物の反応性や、鎖延長剤の配合量によって異なるが、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量(NCO%)は0.5〜12質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。NCO%が0.5質量%未満では充分な量の鎖延長剤を反応させることができず、12質量%を超えると鎖延長反応の制御が難しくなる傾向にある。
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(以下DBUと記載する。)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。錫系化合物としては、たとえば、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(以下DBTDLと記載する。)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫スルフィド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロリド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。非錫系化合物としては、たとえば、ジブチルチタニウムジクロリド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロリド等のチタン系化合物、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系化合物、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系化合物、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系化合物、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上述したウレタン化触媒のうち、DBTDL、2−エチルヘキサン酸錫が好ましい。また、上述したウレタン化触媒は単独で用いてもよいし併用してもよい。
本発明において、鎖延長剤は、鎖延長剤(A)および鎖延長剤(B)を含むものである。
鎖延長剤(A)は、下記(a1)の化合物および(a2)の化合物からなる群から選ばれる1種または2種の化合物である。
(a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基である化合物。
(a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうち2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。
(A−1)の化合物の具体例としては、メタキシリレンジアミンのプロピレンオキシド1モル付加物(下記式(1)で表される化合物、青木油脂社製、商品名MXDA−PO1)、メタキシリレンジアミンのプロピレンオキシド2モル付加物(下記式(2)で表される化合物、青木油脂社製、商品名MXDA−PO2)、メタキシリレンジアミンのエチレンオキシド1モル付加物(青木油脂社製、商品名MXDA−EO1)、メタキシリレンジアミンのエチレンオキシド2モル付加物(青木油脂社製、商品名MXDA−EO2)、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン(広栄化学工業株式会社製)、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)キシリレンジアミン等が挙げられる。
鎖延長剤(B)におけるイソシアネート基と反応可能な官能基としては、たとえば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられ、中でも、イソシアネート基との反応性が比較的高いことから、アミノ基または水酸基が好ましい。
脂肪族ジアミンとしては、たとえば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジアミンの中でも、エチレンジアミンが好ましい。
アルカノールアミンとしては、たとえば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、たとえば、ビスフェノールA等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、たとえば、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
フェノールアミンとしては、たとえば、アミノフェノール等が挙げられる。
上述した化合物の中でも、時間が経過しても再剥離性が変化しにくくなることから、結晶性が高い1,4−ブタンジオール、エチレンジアミンが好ましい。
鎖延長反応としては特に制限されず、たとえば、1)イソシアネート基末端プレポリマー溶液を反応容器に仕込み、その反応容器に鎖延長剤を滴下して反応させる方法、2)鎖延長剤を反応容器に仕込み、イソシアネート基末端プレポリマー溶液を滴下して反応させる方法、3)イソシアネート基末端プレポリマー溶液を溶剤で希釈した後、その反応容器に鎖延長剤を所定量一括投入して反応させる方法が挙げられる。1)〜3)のうち、イソシアネート基が徐々に減少するため均一な樹脂を得やすいことから、1)または3)の方法が好ましい。
鎖延長反応後、必要に応じて、末端停止剤を添加して停止反応を行ってもよい。
上記末端停止剤としては、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって当該官能基を1つのみ有する化合物、または、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって、1つの反応性の高い官能基と、当該官能基よりも反応性の低い官能基を1〜2つ有する化合物が使用できる。
官能基を1つのみ有する化合物としては、すなわち、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級水酸基または2級水酸基を1つのみ有する化合物が使用できる。たとえば、ジエチルアミン、モルホリン等のモノアミン化合物およびメタノール等のモノオール化合物が挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって、1つの反応性の高い官能基と、当該官能基よりも反応性の低い官能基を1〜2つ有する化合物としては、例えば1つの1級アミノ基または2級アミノ基とともに、1〜2つの水酸基を有する化合物が挙げられる。このような化合物は、官能基を2つ以上有しているが、当該官能基の反応性が異なるので、反応性の高い1つの官能基が反応した後は、残りの官能基は反応せず、実質的に1官能と同等となる。水酸基としては、2級水酸基であることがより好ましい。具体的には、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(以下、「AMP」と記載する)、モノイソプロパノールアミン、アミノプロパノール等の水酸基を有するモノアミン化合物等が使用できる。
ウレタン樹脂の末端が水酸基である場合には、末端停止剤を使用する必要はない。
末端停止反応は、必要に応じて前記した溶剤中で行ってもよい。
次に、本発明の粘着剤について説明する。
本発明の粘着剤は、上述したウレタン樹脂の製造方法で得られたウレタン樹脂を主成分として含有するものである。前記製造方法で得られたウレタン樹脂はそれ自体で粘着性能を有しているため、そのまま粘着剤として使用できる。
この粘着剤は、ウレタン樹脂中に残存する1級水酸基、2級水酸基、3級水酸基、カルボキシル基のいずれかの官能基と第2のポリイソシアネート化合物とが反応してウレタン樹脂が架橋した架橋ウレタン樹脂を含む粘着剤である。
架橋剤の主成分である第2のポリイソシアネート化合物としては、前記の第1のポリイソシアネート化合物およびそれらのトリメチロールプロパンアダクト型変性体、ビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート型変性体等の多官能ポリイソシアネートが用いられる。前記第2のポリイソシアネート化合物の中でも、平均官能基数が2を超える変性体が好ましい。例えばデュラネートP301−75E(旭化成社製、トリメチロールプロパンアダクト型HDI、イソシアネート基含有量:12.9質量%、固形分:75質量%)、コロネートL(日本ポリウレタン社製、トリメチロールプロパンアダクト型TDI、イソシアネート基含有量:13.5質量%、固形分:75質量%)、コロネート2031(日本ポリウレタン社製、イソシアヌレート型TDI、イソシアネート基含有量:7.5質量%、固形分:50質量%)等が使用できる。
第2のポリイソシアネート化合物においても、第1のポリイソシアネート化合物と同様に、光学用途には、耐候性および耐光性に優れる脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、芳香環を有し、該芳香環に直接結合しないイソシアネート基を有するポリイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上のポリイソシアネートが好ましい。
前記粘着力は以下の方法により測定する。すなわち、まず、50μmのPETフィルムに25μmの厚さで粘着剤層を設けた粘着シートを得る。この粘着シートを幅25mmに切断したものを、23℃相対湿度65%雰囲気にて、厚さ1.5mmのステンレス鋼板(SUS304(JIS))に貼着する。ついで、JIS Z 0237(1991年)に準じて2kgのゴムロールを用いて圧着する。そして、30分後にJIS B 7721に規定する引張試験機にて粘着力(180度ピール、引張速度300mm/分)を測定する。
第2のポリイソシアネート化合物は、被着体に該粘着剤を塗工する直前にウレタン樹脂に添加し、反応させることが好ましい。
このような樹脂類や添加剤は、ウレタン樹脂からなる主剤に添加することが好ましい。また、上記粘着剤は、市販のアクリル系粘着剤およびゴム系の粘着剤等と併用してもよい。
本発明の粘着剤は、微粘着領域の粘着剤(微粘着型粘着剤)とした場合には、たとえば、液晶ディスプレイにて偏光板、位相差板または拡散板等の光学フィルムの表面保護のためのプロテクトテープとして利用可能である。光学フィルム表面保護用のプロテクトテープとしては、貼り合わせおよび剥離が容易であること、ならびに、表面が汚染されにくいことが求められることから、微粘着の粘着性と再剥離性とを両立できる本発明の粘着剤は特に好適である
また、低粘着領域〜中粘着領域の粘着剤とした場合には、液晶ディスプレイ等で使用される様々なフィルムを貼り合わせるための粘着剤として使用できる。シリコンウエハ切断時の固定用ダイシングテープに用いられる粘着剤としても使用できる。これらの用途では、容易に剥離せずかつフィルムのゆがみに追従する性能が求められるから、低〜中程度の粘着力と再剥離性とを両立できる本発明の粘着剤は特に好適である。
また、強粘着領域の粘着剤とした場合には、広告用看板または自動車の内外装や家電の化粧鋼板等、環境変化の大きな場所で使用される粘着剤、および、風圧、接触等への耐性が求められる分野で用いられる粘着剤として使用できる。前記分野はこれまで接着剤が使用されてきた分野であり、外力に対する追従性、貼りなおしが求められ、特に強固に接着した後に、リサイクルの観点から糊残りせずに剥離することが求められる。したがって、本発明の強粘着型であっても再剥離性に優れる粘着剤は有効である。
以下の実施例においてポリオールとして以下のものを用いた。
ポリオール(P1):プロピレングリコールを開始剤とし、KOH触媒を用いてプロピレンオキシドを反応させて製造した、水酸基価56.1mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール。
以下の実施例において鎖延長剤として以下のものを用いた。
化合物(C1):N−(2−ヒドロキシプロピル)エタノールアミン(鎖延長剤(A))。
化合物(C2):1,4−ブタンジオール(鎖延長剤(B))。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにポリオール(P1)187.0g、2,4−TDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートT−100)24.2g、ウレタン化触媒としてDBTDLをポリオール(P1)、2,4−TDIの合計量に対して20ppmに相当する量を仕込んだ。ついで、80℃まで徐々に昇温し、プレポリマー生成反応を2時間行ってイソシアネート基末端プレポリマーを得た(NCO%は1.80質量%)。その後、60℃まで冷却し、酢酸エチルの142.0g、MEKの142.0gを添加した後、鎖延長剤(A)として、N−(2−ヒドロキシプロピル)エタノールアミン(化合物(C1))の2.54g、鎖延長剤(B)として1,4−ブタンジオール(化合物(C2))の1.90gを添加して反応させた。60℃で反応を続け、NCO%が0.10質量%以下になった時点で、末端停止剤であるモノイソプロパノールアミン(MIPA)の0.49gを添加して反応を終了した。得られたポリウレタン樹脂溶液は無色透明で固形分が43質量%であった。
また、該ポリウレタン樹脂溶液の粘度を25℃でB型粘度計により測定したところ、5800mPa・s/25℃であり、ポリウレタン溶液中の樹脂の数平均分子量(Mn)をゲルパーミエーショングラフィー法によりポリスチレン換算で測定したところ、76000であった。
表1に示す配合に変更した以外は製造例1と同様にしてウレタン樹脂系粘着剤溶液U2を得た。得られたウレタン樹脂系粘着剤溶液の固形分(質量%)、粘度(mPa・s/25℃)、数平均分子量(Mn)を表1に示す。
得られたウレタン樹脂系粘着剤溶液U1の100gに対し、架橋剤(第2のポリイソシアネート化合物)として、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製、トリメチロールプロパンアダクト型TDI、イソシアネート基含有量;13.5質量%、固形分;75質量%)を1.4g添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、ウレタン樹脂系粘着剤を得た。
表2に示すように、ウレタン樹脂系粘着剤溶液に架橋剤(第2のポリイソシアネート化合物)として、コロネートL、または、コロネート2031(日本ポリウレタン社製、イソシアヌレート型TDI、イソシアネート基含有量:7.5質量%、固形分:50質量%)をそれぞれ添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、ウレタン樹脂系粘着剤を得た。
実施例1〜4のウレタン樹脂系粘着剤について、初期粘着力、経時粘着力、ボールタック、保持力、再剥離性について評価した。評価結果を表2に示す。
評価においては、実施例1〜4のウレタン樹脂系粘着剤をPETフィルム上に塗工した粘着シートを用いた。粘着シートの作製方法では、まず、各実施例のウレタン樹脂系粘着剤をそれぞれ厚み25μmのPETフィルム上に、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗工し、循環式オーブンにおいて100℃で1分乾燥した。ついで、23℃で一週間養生した後、23℃かつ相対湿度65%の環境下に2時間放置して、評価用の粘着シートを得た。
また、初期剥離力に対する経時剥離力である粘着力上昇率(倍)を求めた。
また、本発明では、ポリイソシアネート化合物として無黄変イソシアネートを用いることにより、無色透明で中粘着領域のウレタン樹脂系粘着剤を製造できる。無色透明で中粘着領域のウレタン樹脂系粘着剤は、ディスプレイ用の偏光フィルム・保護フィルム貼りつけ用途等に適用できる。
Claims (6)
- ポリオールとポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰の割合で反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得た後、該イソシアネート基末端プレポリマーに鎖延長剤を反応させ、さらに必要に応じて末端停止剤を反応させるウレタン樹脂の製造方法であって、
鎖延長剤が鎖延長剤(A)および鎖延長剤(B)を含み、
鎖延長剤(A)は、下記(a1)の化合物および(a2)の化合物からなる群から選ばれる1種または2種の化合物であり、鎖延長剤(B)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量が62〜500である化合物であることを特徴とするウレタン樹脂の製造方法。
(a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基である化合物。
(a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうち2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。 - 鎖延長剤(B)のイソシアネート基と反応可能な官能基が、アミノ基または水酸基である、請求項1に記載のウレタン樹脂の製造方法。
- 鎖延長剤(B)が、脂肪族ジオール、脂肪族ジアミン、アルカノールアミン、芳香族ジアミンおよびビスフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1または2に記載のウレタン樹脂の製造方法。
- 鎖延長剤(A)と鎖延長剤(B)とのモル比(A/B)が50/50〜95/5である請求項1〜3のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法で得られたウレタン樹脂を含有する粘着剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のウレタン樹脂の製造方法で得られたウレタン樹脂と第2のポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる架橋ウレタン樹脂を含有する粘着剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006087106A JP4893058B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | ウレタン樹脂の製造方法および粘着剤 |
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