JP2009120820A - 電子部品用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品に貼着した際の電子部品の視認性が高く、粘着剤層の基材フィルムへの密着性が高く、電子部品から剥離した後の剥離帯電を抑制でき、しかも糊残りが防止された電子部品用粘着シートを提供する。
【解決手段】基材フィルムと、該基材フィルムの片面または両面に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層を構成する粘着剤が、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、特定の鎖延長剤により鎖延長させて得られたウレタン樹脂を含む電子部品用粘着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品用の粘着シートに関する。
半導体素子等の電子部品を生産する際のダイシング工程やグラインド工程において、それらの保護を目的として、基材フィルムの片面に粘着剤層を設けた粘着フィルムを、一時的に電子部品に貼着することがある。
電子部品に貼着された粘着シートは、通常、その役割を果たした後に剥離される。ところが、粘着シートを電子部品から剥離する際には、粘着シートと電子部品との間に静電気(いわゆる剥離帯電)を生じさせて、電子部品の回路に悪影響を与えたり、塵やゴミを付着させたりすることがあった。
そこで、粘着シートに帯電防止性を付与する方法として、たとえば、以下の3種の方法が提案されている。
(1)粘着シートを構成する基材フィルムに帯電防止性を付与する方法。
具体的には、基材フィルムの原料であるポリエステルやポリエチレン等の熱可塑性樹脂に有機スルホン酸等のアニオン性化合物、金属粉、カーボンブラック等の導電性フィラーを練り込む方法である。
(2)粘着シートを構成する基材フィルムと粘着剤層との間に、または基材フィルムの粘着剤層が積層されていない側の面に、帯電防止性を有する層を設ける方法。
具体的には、特許文献1に、基材フィルムと、該基材フィルムの片面に形成され、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などの導電性フィラーおよび有機系バインダーからなる帯電防止層と、該帯電防止層の表面に形成された粘着剤層とを有する帯電防止粘着シートが開示されている。
(3)粘着シートを構成する粘着剤層に帯電防止性を付与する方法。
具体的には、静電気の発生する剥離界面に帯電防止性を付与する方法であり、帯電防止性を有する樹脂を粘着剤として用いる方法、粘着剤層に界面活性剤を含有させる方法、粘着剤層にカーボンブラック等の帯電防止剤を含有させる方法(特許文献2参照)などが開示されている。
しかしながら、(1)の方法では、基材フィルムの透明性が低下したり、フィルムが着色したりするため、電子部品に粘着シートを貼着した際に電子部品の視認性が低下した。
また、基材フィルムの価格が高くなる問題も生じた。
(2)の方法では、基材フィルムと粘着剤層との密着力を充分に確保することが困難であった。
(3)の方法のうち、帯電防止性を有する樹脂を粘着剤として用いる方法では、帯電防止性が不充分であった。界面活性剤を粘着剤層に含有させる方法では、界面活性剤が粘着剤層表面、すなわち電子部品との貼着界面に偏在する傾向にあり、粘着性が湿度に依存しやすかった。そのため、湿度が高いと、粘着剤層の凝集力が低下して、粘着シートを剥離した際に電子部品に粘着剤層の一部が残る「糊残り」と称される現象を起こすことがあった。カーボンブラック等の導電性粉末を粘着剤層に含有させる方法では、粘着剤層の透明性が低下する上に着色するため、電子部品を貼着した際の電子部品の視認性が低下した。
特開平8−245932号公報 特開平1−253482号公報
本発明の目的は、電子部品に貼着した際の電子部品の視認性が高く、粘着剤層の基材フィルムへの密着性が高く、電子部品から剥離した後の剥離帯電を抑制でき、しかも糊残りが防止された電子部品用粘着シートを提供することにある。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 基材フィルムと、該基材フィルムの片面または両面に設けられた粘着剤層とを有する電子部品用粘着シートにおいて、
粘着剤層を構成する粘着剤が、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、鎖延長剤により鎖延長させて得られたウレタン樹脂を含み、
前記鎖延長剤として、下記(a1)および(a2)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いることを特徴とする電子部品用粘着シート。
(a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基である化合物。
(a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。
[2] 粘着剤層が帯電防止剤を実質的に含有しない、[1]に記載の電子部品用粘着シート。
[3] 前記(a1)の化合物が、(HOCN(CHCH(OH)CH)、(HC)NH(CHCH(OH)CHOH)、(HOC)NH(CHCH(OH)CH)、(HNCHCH)N(CHCHOH)(CHCH(CH)OH)、HNCHCH(OH)CHOH、(HNCHCH)NH(CHCH(CH)OH)、HN−CCH−NH(CHCH(OH)CH)およびHNCH−C−CHNH(CHCH(OH)CH)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である、[1]または[2]に記載の電子部品用粘着シート。
[4] 前記(a2)の化合物が、(HNCHCH)NH(CHCHOH)、HN−CCH−NH(CHCHOH)およびHNCH−C−CHNH(CHCHOH)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である、[1]または[2]に記載の電子部品用粘着シート。
[5] 前記鎖延長剤として、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量が62〜500である鎖延長剤(a3)を併用する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
[6] 前記ポリオールが、平均水酸基数が2以上であり、水酸基価が5.6〜600mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
[7] 前記ウレタン樹脂が、イソシアネート基を2〜5個有する架橋剤により架橋されている、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
本発明の電子部品用粘着シートは、電子部品に貼着した際の電子部品の視認性が高く、粘着剤層の基材フィルムへの密着性が高く、電子部品から剥離した後の剥離帯電を抑制でき、しかも糊残りが防止されている。
本発明の電子部品用粘着シート(以下、粘着シートと略す。)は、基材フィルムと、該基材フィルムの片面または両面に設けられた粘着剤層とを有する。
<基材フィルム>
基材フィルムとしては、たとえば、樹脂製のフィルムが用いられる。基材フィルムを構成する樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリカーボネート等が挙げられる。
基材フィルムの厚みは用途に応じて適宜選択されるが、5〜500μmであることが好ましい。基材フィルムの厚みが5μm以上であれば、充分な破断強度を確保でき、500μm以下であれば、充分な可撓性を確保できる。
<粘着剤層>
(ウレタン樹脂)
粘着剤層を構成する粘着剤は、ポリオールとポリイソシアネート化合物(以下、第1のポリイソシアネート化合物という。)とを反応させて得たイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、鎖延長剤により鎖延長させて得たウレタン樹脂を含む。
以下、ウレタン樹脂について詳述する。
[イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー]
・ポリオール
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを形成するためのポリオールとしては、たとえば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリオールのうちでも、高い柔軟性が得られる点では、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールは、アルカリ金属化合物触媒(たとえば、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)等の開環重合触媒および;多価アルコール等の多価開始剤の存在下に;エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを開環付加させて製造できる。
多価開始剤の価数(活性水素原子の数)としては、反応性の点から、2〜6価が好ましく、2〜3価がより好ましく、2価が最も好ましい。2価の開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロビレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAが挙げられる。多価開始剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリオキシアルキレンポリオールは、平均水酸基数が2以上であることが好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が特に好ましく、2が最も好ましい。ポリオキシアルキレンポリオールの平均水酸基数が2未満では、ウレタン樹脂を形成できないことがある。
ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は5.6〜600mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が5.6mgKOH/g未満では分子量が大きいため、ポリイソシアネート化合物と反応し難くなり、また得られるプレポリマーが鎖延長剤と反応しにくくなる傾向にある。一方、水酸基価が600mgKOH/gを超えると、得られるプレポリマー中のイソシアネート化合物の比率が相対的に高くなり、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖延長剤と反応させる際にゲル化しやすくなる。
また、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は最終的に得ようとする粘着剤の粘着力の大きさによって、前記範囲の中から適宜選択できる。粘着力が5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤を得る場合には、水酸基価が5.6〜450mgKOH/gが好ましく、11〜280mgKOH/gがより好ましく、18〜160mgKOH/gが最も好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、公知のポリエステルポリオールを用いることができ、たとえば、低分子量ジオール成分と二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールが挙げられる。低分子量ジオールとして、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を低分子量ジオールと併用してもよい。また、ビスフェノールAなどのフェノール類を使用してもよい。また、二塩基酸成分としては、たとえば、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸等の脂肪族二塩基酸または芳香族二塩基酸が挙げられる。
また、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物を開環重合したポリエステルポリオール等も使用できる。
ポリエステルポリオールは、水酸基価が20〜600mgKOH/gであることが好ましく、30〜300mgKOH/gであることがより好ましい。ポリエステルポリオールの水酸基価が20mgKOH/g未満では、ポリイソシアネート化合物と反応し難くなり、600mgKOH/gを超えると、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖延長剤と反応させる際にゲル化しやすくなる。
ポリエステルポリオールは2種以上の混合物であってもよく、その場合においては平均の水酸基価が前記の範囲内にあることが好ましい。
ポリオールとして、ポリオキシアルキレンポリオールとポリエステルポリオールとを併用する場合、それらは反応性が異なり、ゲル化や反応溶液の濁りが生じやすいため、一方を両者の合計100質量%に対して10質量%以下にすることが好ましく、5質量%以下にすることがより好ましい。さらには、ポリオキシアルキレンルポリオールとポリエステルポリオールとは併用しないことが好ましい。なお、反応溶液に濁りが生ずると無色透明な樹脂が得られなくなる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、ジオール化合物とを反応させることにより製造されるものが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの製造に用いるジオール化合物としては、エチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、デカンジオール、およびドデカンジオール等が挙げられる。該ジオール成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの水酸基価は20〜600mgKOH/gであることが好ましい。ポリカーボネートポリオールの水酸基価が20mgKOH/g未満では、ポリイソシアネート化合物と反応し難くなり、600mgKOH/gを超えると、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖延長剤と反応させる際にゲル化しやすくなる。
ポリオキシテトラメチレンポリオールとしては、市販のポリオキシテトラメチレングリコールが使用できる。ポリオキシテトラメチレンポリオールの水酸基価は20〜600mgKOH/gであることが好ましい。ポリオキシテトラメチレンポリオールの水酸基価が20mgKOH/g未満では、ポリイソシアネート化合物と反応し難くなり、600mgKOH/gを超えると、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖延長剤と反応させる際にゲル化しやすくなる。
・第1のポリイソシアネート化合物
第1のポリイソシアネート化合物としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等を用いることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、芳香環を有し、該芳香環に直接結合するイソシアネート基を有するポリイソシアネートが挙げられる。たとえば、1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと記載する。)等が挙げられる。また、芳香環を有し、該芳香環に直接結合しないイソシアネート基を有するポリイソシアネートが挙げられる。たとえば、p−またはm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(C[C(CHNCO])(以下、TMXDIと記載する。)、p−またはm−キシリレンジイソシアネート(以下、XDIと記載する。)等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと記載する。)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、たとえば、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと記載する。)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。
また、第1のポリイソシアネート化合物は、上述したポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含有させたイソシアヌレート型変性体であってもよい。
上述したポリイソシアネートのうち、反応性、得られるウレタン樹脂の粘着剤としての性能に優れることから、HDI、IPDI、TDI、TMXDI、XDIおよびそれらの変性体から選ばれる1種以上が好ましい。
[プレポリマー生成反応]
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得るためのポリオールと第1のポリイソシアネート化合物との反応(以下、プレポリマー生成反応という。)では、ポリオールと第1のポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基過剰の割合で反応器に仕込み、必要に応じてウレタン化触媒と溶剤とを添加して行う。
ポリオールと第1のポリイソシアネート化合物の配合比(反応させる割合)は、末端にイソシアネート基が残るようにするために、インデックス((NCOのモル数)/(OHのモル数)×100)が110〜300となるように反応させることが好ましく、130〜250となるように反応させることがより好ましい。上記インデックスが110未満ではゲル化して増粘しやすくなる傾向にあり、300を超えるとプレポリマー中の未反応イソシアネート化合物濃度が高くなり過ぎて次の鎖延長反応が困難になる傾向にある。
また、使用する化合物の反応性や、後述の鎖延長剤の配合量によって異なるが、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量(NCO%)は0.5〜12質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。NCO%が0.5質量%未満では充分な量の鎖延長剤を反応させることができず、12質量%を超えると鎖延長反応の制御が難しくなる傾向にある。
プレポリマー生成反応において使用されるウレタン化触媒としては、たとえば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の3級アミン系化合物や、ジブチル錫ジラウレート(以下、DBTDLと記載する。)、2−エチルヘキサン酸錫等の有機金属系化合物等の公知のものが挙げられる。
また、溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルエチルケトン(以下、MEKと記載する。)等のケトン類、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等が挙げられる。
反応温度は120℃以下が好ましく、70〜100℃がより好ましい。反応温度が120℃以下であれば、アロハネート反応の進行を抑制して所定の分子量と構造を有するイソシアネート基末端プレポリマーを容易に合成できる上に、反応速度の制御が容易になる。
[鎖延長反応]
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、鎖延長剤により鎖延長させる反応のことを、鎖延長反応という。
・鎖延長剤
鎖延長剤としては、下記(a1)および(a2)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いる。
(a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基である化合物。ここで、(a1)の鎖延長剤における1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基は、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシ基より反応性が高い活性水素含有基である。
(a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。ここで、(a2)の鎖延長剤における1級アミノ基および2級アミノ基は、1級水酸基より反応性が高い活性水素含有基である。
(a1)の鎖延長剤としては、1級水酸基を2個、2級水酸基および/または3級水酸基を1個以上有する化合物(a1−1)、1級アミノ基または2級アミノ基を1個、1級水酸基を1個、2級および/または3級水酸基を1個以上有するアミン化合物(a1−2)、1級アミノ基および/または2級アミノ基を2個、2級水酸基を1個以上有する化合物(a1−3)が挙げられる。
化合物(a1−1)、化合物(a1−2)、化合物(a1−3)のうちでも、下記化合物が好ましい。下記化合物(a1−1)、化合物(a1−2)、化合物(a1−3)は、入手が比較的容易である上に、鎖延長反応を制御しやすく、得られる粘着剤の品質を容易に安定化できる。
好ましい化合物(a1−1):N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミン[(HOCN(CHCH(OH)CH)、ジエタノールアミンにプロピレンオキシドを付加させた化合物]、グリセリン等。
好ましい化合物(a1−2):3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール[HCNH(CHCH(OH)CHOH)]、N−(2−ヒドロキシプロピル)エタノールアミン[(HOC)NH(CHCH(OH)CH)、モノエタノールアミンにプロピレンオキシドを付加させた化合物]、(HNCHCH)N(CHCHOH)(CHCH(CH)OH)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール[HNCHCH(OH)CHOH]等。
好ましい化合物(a1−3):(HNCHCH)NH(CHCH(CH)OH)[エチレンジアミンにプロピレンオキシドを付加させた化合物]、HN−CCH−NH(CHCH(OH)CH)[トリレンジアミンにプロピレンオキシドを付加させた化合物]、N−(2−ヒドロキシルプロピル)メタキシリレンジアミン[(HNCH−C−CHNH(CHCH(OH)CH)、キシリレンジアミンにプロピレンオキシドを付加させた化合物)]等。
化合物(a1−1)、化合物(a1−2)、化合物(a1−3)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a2)の鎖延長剤の具体例としては、(HNCHCH)NH(CHCHOH)[エチレンジアミンにエチレンオキシドを付加させた化合物]、HN−CCH−NH(CHCHOH)[トリレンジアミンにエチレンオキシドを付加させた化合物]、HNCH−C−CHNH(CHCHOH)[キシリレンジアミンにエチレンオキシドを付加させた化合物]、(CHNHCHCH)NH(CHCH(CH)OH)、(CHNHCHCH)NH(CHCHOH)、(HNCHCHN(CHCH(CH)OH)、(HNCHCHN(CHCHOH)等が挙げられる。
(a2)の鎖延長剤のうちでも、(HNCHCH)NH(CHCHOH)、HN−CCH−NH(CHCHOH)およびHNCH−C−CHNH(CHCHOH)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。該化合物は、入手が比較的容易である上に、鎖延長反応を制御しやすく、得られる粘着剤の品質を容易に安定化できる。
また、鎖延長剤としては、(a1)、(a2)以外の化合物を併用することができ、経時的な粘着性の上昇を防止できる点では、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量が62〜500である鎖延長剤(a3)を併用することが好ましい。
鎖延長剤(a3)の分子量が62未満であると、凝集性が高くなりすぎて、粘着力が低くなる傾向にあり、分子量が500を超えると、凝集性が向上せず、再剥離性が低くなる傾向にある。
鎖延長剤(a3)におけるイソシアネート基と反応可能な官能基としては、たとえば、アミノ基、水酸基、カルボキシ基等が挙げられる。該官能基のうちでも、イソシアネート基との反応性が比較的高いことから、アミノ基または水酸基が好ましい。
鎖延長剤(a3)の具体例としては、イソホロンジアミン、エチレンジアミン等のジアミン化合物、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール等のジオール化合物、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
鎖延長剤(a3)の含有量は鎖延長剤全体を100モル%とした際の50モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。鎖延長剤(a3)の含有量が鎖延長剤全体を100モル%とした際の50モル%以下であれば、得られる粘着剤の再剥離性が高くなる。
・反応方法
本発明において鎖延長反応の方法は特に制限されず、たとえば、1)イソシアネート基末端プレポリマー溶液を反応容器に仕込み、その反応容器に鎖延長剤を滴下して反応させる方法、2)鎖延長剤を反応容器に仕込み、イソシアネート基末端プレポリマー溶液を滴下して反応させる方法、3)イソシアネート基末端プレポリマー溶液を溶剤で希釈した後、その反応容器に鎖延長剤を所定量一括投入して反応させる方法が挙げられる。1)〜3)のうち、イソシアネート基が徐々に減少して均一な樹脂を得やすいことから、1)または3)の方法が好ましい。
鎖延長反応ではイソシアネート基末端プレポリマーと鎖延長剤とを反応させて、所定の分子量のウレタン樹脂を得る。この鎖延長反応で分子量を大きくしようとするとゲル化する可能性が大きくなるが、鎖延長反応でゲル化すると塗工不良が生じやすい。一方、最終的な粘着剤においては、分子量が大きい程、安定した物性が得られやすい。そのため、粘着剤を基材などに塗工する際にゲル化を進行させることが好ましい。
これらの理由から、鎖延長反応において得られるウレタン樹脂の数平均分子量は1万〜10万が好ましく、2万〜5万がより好ましい。このような分子量に調整するためには、イソシアネート基末端プレポリマーと鎖延長剤を反応させて、少量のイソシアネート基を残す反応工程を採用することが好ましい。具体的には、鎖延長反応の後に停止反応を行い、ゲル化が発生していない所定の分子量のウレタン樹脂を得ることが好ましい。
鎖延長反応の後に停止反応を行う場合の鎖延長剤の添加量は、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量(NCO%:質量%)により異なるが、鎖延長後であって停止反応前のイソシアネート基が残存したウレタン樹脂のNCO%が0.01〜1.0%となる量であることが好ましく、0.05〜0.2%となる量であることがより好ましい。鎖延長剤の添加量が、鎖延長後であって停止反応前のイソシアネート基が残存したウレタン樹脂のNCO%が、0.01%以上になる量であれば、鎖延長反応時に急激に増粘してゲル化することをより防止できる。鎖延長後であって停止反応前のイソシアネート基が残存したウレタン樹脂のNCO%が1.0%以下になる量であれば、鎖延長反応が充分に進み、所望の分子量を得やすくする。
また、本発明で使用される上記鎖延長剤を用いると、ゲル化が起きにくいため、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対して過剰の鎖延長剤をあらかじめ添加することもできる。この場合に停止反応は省略できる。鎖延長剤の添加量がイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対して過剰であれば、得られるウレタン樹脂の架橋剤と反応しうる官能基として水酸基を導入できる。
鎖延長反応における反応温度は80℃以下が好ましい。反応温度が80℃を超えると反応速度が速くなりすぎて反応の制御が困難になるため、所望の分子量および構造を有するウレタン樹脂を得るのが困難になる傾向にある。溶剤存在下で鎖延長反応を行う場合には、溶媒の沸点以下が好ましく、特にMEK、酢酸エチルの存在下では40〜60℃が好ましい。
[停止反応]
上述のウレタン樹脂を得る際には、その分子量等を調整するため、末端停止剤で停止反応を行うことができる。
末端停止剤としては、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって、当該官能基を1個のみ有する化合物、または、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって、1個の反応性の高い官能基と、当該官能基よりも反応性の低い官能基を1個有する化合物を使用できる。
官能基を1個のみ有する化合物としては、たとえば、1級アミノ基、2級アミノ基、1級水酸基または2級水酸基を1個のみ有する化合物が使用できる。たとえば、ジエチルアミン、モルホリン等のモノアミン化合物およびメタノール等のモノオール化合物が挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であって、1個の反応性の高い官能基と、当該官能基よりも反応性の低い官能基を1個有する化合物としては、たとえば1個の1級アミノ基または2級アミノ基とともに、1個の水酸基を有する化合物が挙げられる。具体的には、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノイソプロパノールアミン(以下、MIPAと記載する。)、アミノプロパノール等の水酸基を有するモノアミン化合物等が使用できる。
停止反応は溶剤中で実施できる。溶剤としては、プレポリマー生成反応の際に使用できる溶剤と同様のものが挙げられる。
末端停止剤の添加量は、鎖延長反応後に残存する末端イソシアネート基の1モルに対して、末端停止剤が1〜2モルとなる割合であることが好ましい。末端停止剤の添加量が、鎖延長反応後に残存する末端イソシアネート基の1モルに対して、1モル未満では、停止反応後にイソシアネート基が残るので、得られるウレタン樹脂が不安定になる傾向にある。一方、末端停止剤の添加量が、鎖延長反応後に残存する末端イソシアネート基の1モルに対して、2モルを超えると低分子量化合物が増加する傾向にある。
鎖延長反応によって得たウレタン樹脂の末端が水酸基である場合には、末端停止剤を使用する必要はない。ただし、残存イソシアネート基を確実に残存させないために使用してもよい。
このようにして得られたウレタン樹脂の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の分子量で1万以上であることが好ましい。ウレタン樹脂の数平均分子量が1万以上であれば、充分な粘着性を得ることができる。上限は特に制限されないが、数平均分子量が30万を超えるとゲル化の可能性があるので、30万以下が好ましい。
[架橋剤]
前記製造方法により得たウレタン樹脂はそれ自体で粘着性能を有しているため、そのまま粘着剤として使用できるが、架橋剤により架橋されていてもよい。ウレタン樹脂が架橋されている場合には、粘着剤層の再剥離性が高くなる。
架橋剤は、イソシアネート基を分子中に2〜5個有する化合物である。前記製造方法では、架橋剤と反応可能な官能基としてウレタン樹脂には水酸基が残存している。この水酸基と架橋剤のイソシアネート基とが反応することによって架橋剤がウレタン樹脂と反応する。すなわち、架橋剤としてはポリイソシアネート化合物(以下、第2のポリイソシアネート化合物という。)が用いられる。
架橋剤として機能する第2のポリイソシアネート化合物としては、前記の第1のポリイソシアネート化合物およびそれらのトリメチロールプロパンアダクト型変性体、ビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート型変性体等の多官能ポリイソシアネートが用いられる。前記架橋剤のうちでも、平均官能基数が2を超える変性体が好ましい。たとえばデュラネートP301−75E(旭化成社製、トリメチロールプロパンアダクト型HDI、イソシアネート基含有量:12.9質量%、固形分濃度:75質量%)、コロネートL(日本ポリウレタン社製、トリメチロールプロパンアダクト型TDI、イソシアネート基含有量:13.5質量%、固形分濃度:75質量%)等が挙げられる。
架橋剤におけるウレタン樹脂と反応可能な官能基の数が2個以上であれば、ウレタン樹脂を架橋させることができ、5個以下であれば、過剰な架橋を抑制できる。
第2のポリイソシアネート化合物のうちでも、粘着剤層の耐候性および耐光性が向上することから、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよび、芳香環を有し、該芳香環に直接結合しないイソシアネート基を有するポリイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上のポリイソシアネートが好ましい。
第2のポリイソシアネート化合物は、NCO%(溶液の場合には溶剤を除く)10〜30質量%のものをウレタン樹脂100質量部に対して20質量部以下の範囲で反応させることが好ましい。より良好な再剥離性が発揮することから、第2のポリイソシアネート化合物の反応量は0.01〜10質量部であることがより好ましい。これに対し、第2のポリイソシアネート化合物を使用しない場合には凝集力が低下して凝集破壊しやすくなり、20質量部を超えると凝集が強すぎて粘着力が低下する傾向にある。
架橋剤とウレタン樹脂とを反応させる際には、ウレタン化触媒を用いることができる。
ウレタン化触媒としては、プレポリマー生成反応の際に用いるウレタン化触媒を用いることができる。
(ウレタン樹脂以外の他の成分)
粘着剤層には、ウレタン樹脂以外の他の樹脂が含まれてもよい。他の樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、粘着剤層には、添加剤が含まれてもよい。添加剤としては、たとえば、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、粘着付与剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定剤等が挙げられる。
粘着剤層は帯電防止剤を実質的に含まない。ここで、実質的に含まないとは、帯電防止剤の含有量が、粘着剤層全体を100質量%とした際の1質量%以下のことである。好ましくは、0.1質量%以下であり、特に好ましくは0質量%である。
ここで、帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩等の界面活性剤、カーボンブラック等の炭素材料、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性フィラー等が挙げられる。
(粘着剤層の厚さ)
粘着剤層の厚さは3〜200μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さが3μm以上であれば、該粘着剤層を容易に形成でき、200μm以下であれば、粘着シートを薄くできる。
<セパレータ>
粘着剤層には離型性を有するセパレータを積層することができる。
セパレータとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、およびその紙ラミネートフィルム、シリコーンを含む離型層を有するセパレータ等が挙げられる。
<粘着シートの製造方法>
本発明の粘着シートの製造方法としては、たとえば、基材フィルムの片面または両面に、粘着剤を含む溶液を直接塗工し、乾燥させる方法、セパレータの片面に、粘着剤を含む溶液を塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成し、その粘着剤層を基材フィルムの片面または両面に貼り合わせる方法等が挙げられる。作業性の点からは、後者の方法が好ましい。
粘着剤を含む溶液の塗工方法としては、たとえば、バーコート、ダイコート、グラビアコート、ロールコート、スプレーコート、ディップコート、アプリケータによる塗工等が挙げられる。
乾燥方法としては、加熱乾燥が好ましい。具体的には、熱風により乾燥する方法、赤外線の照射により乾燥する方法等が挙げられる。
<作用効果>
上記粘着シートの粘着剤層に含まれるウレタン樹脂はそれ自体で帯電防止性を有するため、該粘着シートを電子部品から剥離した際の剥離帯電を防止できる。
しかも、ウレタン樹脂を含む粘着剤層は帯電防止剤として界面活性剤を含有しなくてもよいため、糊残りが起こりにくい。また、カーボンブラック等の導電性粉末を含有しなくてもよいため、粘着剤層の透明性が高く、着色が防止されており、電子部品に貼着した際の電子部品の視認性に優れる。また、粘着剤層は導電性フィラーを含有しなくてもよいため、基材フィルムに対する密着性が高い。
<用途>
本発明の粘着シートは、例えば、半導体素子等の電子部品を収納するためのキャリアテープ用シート、キャリアテープに貼着されるカバーテープ用シート、電子部品を一時的に被覆して保護する保護用シート等として使用できる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
<原料>
ポリオール:プロピレングリコールを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いてプロピレンオキシドを反応させて製造した、水酸基価56.1mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール。
鎖延長剤A:N−(2−ヒドロキシプロピル)エタノールアミン。
鎖延長剤B:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミン。
鎖延長剤C:鎖延長剤Aと1,4−ブタンジオールの1/1(モル比)混合物。
鎖延長剤D:鎖延長剤Aと1,4−ブタンジオールの8/2(モル比)混合物。
<ウレタン樹脂の製造>
(製造例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ポリオールの107g、2,4−TDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートT−100)の18.6g、ウレタン化触媒としてDBTDLをポリオールおよび2,4−TDIの合計量に対して25ppmに相当する量を仕込み、80℃まで徐々に昇温し、プレポリマー生成反応を3時間行ってイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
その後、60℃まで冷却し、酢酸エチルの66g、MEKの66gを添加した後、鎖延長剤Aの6gを添加して反応させた。60℃で反応を続け、NCO%が0.1質量%以下になった時点で末端停止剤であるMIPAの0.4gを添加して反応を終了させた。得られたポリウレタン溶液Aは無色透明で固形分濃度が50質量%であった。また、ポリウレタン溶液Aの粘度を測定したところ、4000mPa・s/25℃であり、ウレタン樹脂の数平均分子量を測定したところ、90,000であった。ここで、ポリウレタン溶液の25℃における粘度はB型粘度計で測定し、ウレタン樹脂分の数平均分子量はゲルパーミエーショングラフィー法によりポリスチレン換算で測定した。
次いで、得られたポリウレタン溶液Aの100gに対し、架橋剤としてトリメチロールプロパンアダクト型TDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL、イソシアネート基含有量:13.5質量%、固形分濃度:75質量%)を1.6g添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、架橋したウレタン樹脂系粘着剤APを得た。
(製造例2〜4)
表1に示す配合とし、その他の条件は製造例1と同様にしてポリウレタン溶液B、C、Dおよびウレタン樹脂系粘着剤BP、CP、DPを得た。
(比較製造例1)
アクリル系粘着剤XA(日本カーバイド社製、PE−123、固形分濃度:34質量%)100gに、架橋剤(日本カーバイド社製CK−101、固形分濃度:45質量%)3gを添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、架橋したアクリル樹脂系粘着剤XAPを得た。
(比較製造例2)
アクリル系粘着剤XB(日本カーバイド社製、KP−977L、固形分濃度:34質量%)100gに、架橋剤(日本カーバイド社製CK−101、固形分濃度:45質量%)3gを添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、架橋したアクリル樹脂系粘着剤XBPを得た。
(比較製造例3)
アクリル系粘着剤XAの100gに対しカーボンブラック2.5g加え、架橋剤としてトリメチロールプロパンアダクト型TDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)を1.6g添加し、毎分40回転で1分間、撹拌混合して、架橋したウレタン樹脂系粘着剤XCPを得た。
Figure 2009120820
<実施例1〜4、比較例1〜3>
ウレタン樹脂系粘着剤AP〜DPまたはアクリル樹脂系粘着剤XAP〜XCPを、各々、厚さが75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥後の膜厚が25μmになるようにアプリケータにより塗工し、循環式オーブンにおいて100℃で1分乾燥して、粘着シートを得た。
得られた粘着シートを23℃、相対湿度50〜65%の環境下で7日間養生した。養生後の粘着シートについて下記の物性を測定した。測定結果を表1に示す。
[粘着力]
JIS−Z−0237に準拠し、粘着シートを厚さ1.5mmのステンレス鋼板(SUS304(JIS))に室温にて貼着し、2kgのゴムロールで圧着し、30分後、引張り試験機を用いて、剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分)を測定した。測定された剥離強度を粘着力とした。
[ボールタック]
JIS−Z−0237に規定するボールタック法により、23℃かつ相対湿度65%の環境下で測定した。
[再剥離性]
粘着シートをステンレス鋼板(SUS304(JIS))に貼着した後、23℃かつ相対湿度65%の環境下に放置した後、剥離し、糊残り性を目視で評価した。目視評価では、ステンレス板への糊移行が全くないものを○、部分的にあるものを△、完全に移行しているものを×とした。
[剥離帯電量]
メチルエチルケトンで洗浄し、乾燥させた厚み3mmのガラス板に、粘着シートを室温で貼着し、2kgのゴムロールで圧着し、30分後、高速剥離試験機(TE−701型 テスター産業社製)を用い、180度ピール、引張り速度30000mm/分の条件で粘着シートを剥離した。剥離直後の粘着シートの表面に静電気測定装置(春日電機社製静電気測定装置KSD−0303)のセンサーを配置して、剥離帯電量を測定した。
[表面抵抗値]
粘着シートの粘着剤層の表面にて、三菱化学社製ハイレスターUP(MCP−HT450)を使用し、温度23℃、相対湿度65%の環境下、表面抵抗モードで測定した。
[体積固有抵抗値]
粘着シートの粘着剤層の表面にて、三菱化学社製ハイレスターUP(MCP−HT450)を使用し、温度23℃、相対湿度65%の環境下、体積固有抵抗モードで測定した。
[視認性]
粘着シートを透明なガラス板に貼着し、目視で無色透明で視認良好(シートの向こう側にある文字が判読可能)なものを○、透明性に欠け視認が劣るものを△、透明性がなく視認できない(シートの向こう側にある文字が判読不能)ものを×として評価した。
粘着剤層がイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを鎖延長剤A〜Dにより鎖延長させて得たウレタン樹脂を含む実施例1〜4の粘着シートでは、充分な粘着力を有しており、かつ、粘着剤層の体積固有抵抗値が小さかった。したがって、実施例1〜4の粘着シートの粘着剤層は帯電防止性に優れていた。
特に、実施例1、3、4では、剥離帯電量および表面抵抗値が小さく、帯電防止性により優れていた。
このような実施例1〜4では、粘着剤層が帯電防止剤を含有しないため、電子部品に貼着した際の電子部品の視認性に優れ、粘着剤層の基材フィルムに対する密着性が高く(基材フィルムからの剥がれもなく)、糊残りも発生しなかった。
これに対し、アクリル系粘着剤により粘着剤層を形成した比較例1、2の粘着シートでは、剥離帯電量、表面抵抗値、体積固有抵抗値のいずれもが大きかった。したがって、比較例1、2の粘着シートの粘着剤層は帯電防止性が低かった。また、帯電防止剤としてカーボンブラックを添加した比較例3では、帯電防止性能は良かったものの視認性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 基材フィルムと、該基材フィルムの片面または両面に設けられた粘着剤層とを有する電子部品用粘着シートにおいて、
    粘着剤層を構成する粘着剤が、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、鎖延長剤により鎖延長させて得られたウレタン樹脂を含み、
    前記鎖延長剤として、下記(a1)および(a2)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いることを特徴とする電子部品用粘着シート。
    (a1)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基、2級アミノ基および1級水酸基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が、2級水酸基、3級水酸基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基である化合物。
    (a2)イソシアネート基と反応可能な官能基を3つ以上有し、それら官能基のうちの2つが、1級アミノ基および2級アミノ基からなる群から選ばれる1種または2種の官能基であり、残りの官能基が1級水酸基である化合物。
  2. 粘着剤層が帯電防止剤を実質的に含有しない、請求項1に記載の電子部品用粘着シート。
  3. 前記(a1)の化合物が、(HOCN(CHCH(OH)CH)、(HC)NH(CHCH(OH)CHOH)、(HOC)NH(CHCH(OH)CH)、(HNCHCH)N(CHCHOH)(CHCH(CH)OH)、HNCHCH(OH)CHOH、(HNCHCH)NH(CHCH(CH)OH)、HN−CCH−NH(CHCH(OH)CH)およびHNCH−C−CHNH(CHCH(OH)CH)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1または2に記載の電子部品用粘着シート。
  4. 前記(a2)の化合物が、(HNCHCH)NH(CHCHOH)、HN−CCH−NH(CHCHOH)およびHNCH−C−CHNH(CHCHOH)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1または2に記載の電子部品用粘着シート。
  5. 前記鎖延長剤として、イソシアネート基と反応可能な官能基を2つ有し、分子量が62〜500である鎖延長剤(a3)を併用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
  6. 前記ポリオールが、平均水酸基数が2以上であり、水酸基価が5.6〜600mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
  7. 前記ウレタン樹脂が、イソシアネート基を2〜5個有する架橋剤により架橋されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品用粘着シート。
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