JP2007261922A - 無水炭酸マグネシウム系粉体および樹脂組成物、成形体 - Google Patents

無水炭酸マグネシウム系粉体および樹脂組成物、成形体 Download PDF

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Abstract

【構成】 BET比表面積が0.1〜10m2/g、平均粒子径が1〜50μmの合成無水炭酸マグネシウム粒子に、Si化合物の被覆層を、SiO2換算で無水炭酸マグネシウム100質量%に対して、0.1〜10質量%の割合で形成する。
【効果】 エステル系樹脂に配合した際に、粉体表面がSi化合物で被覆されているため、樹脂を加水分解することがない。

Description

本発明は、エステル系樹脂等の難燃剤や熱伝導剤として使用する無水炭酸マグネシウム系粉体や、この粉体を配合した樹脂組成物、成形体に関する。
ノンハロゲン難燃剤には、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが使用されている。しかし、水酸化アルミニウムは約200℃付近から脱水分解を開始するため、例えば樹脂の高温加工時(約300℃)においては、脱水分解して組成物が発泡する問題があり、さらにpHが約8の弱アルカリ性を示すため、エステル系樹脂を加水分解してしまう。一方、水酸化マグネシウムは約300℃までの高温加工温度には耐えられるものの、pHが約10と水酸化アルミニウムよりも強いアルカリ性を示すため、エステル系樹脂をさらに加水分解させる。また水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム何れも、熱伝導率が低い。
アルカリ表面を有さないシリカやアルミナは、pHが約7の中性を示し、エステル系樹脂を加水分解させないが、難燃性が低い。アルミナはそこそこの熱伝導性を有する材料である一方、シリカは熱伝導性が低い。
酸化マグネシウムは熱伝導性がかなり高い材料ではあるが、pHが約11とかなりの強アルカリ性を示すため、エステル系樹脂を著しく加水分解させてしまう。また難燃性も低い。
無水炭酸マグネシウムは、分解開始温度が約500℃と高く、500℃弱の加工温度にも耐えられる。難燃性は水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムよりも若干低いが、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカと較べると十分に高い。また熱伝導率は酸化マグネシウムやアルミナよりも低いが、シリカ、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムに較べて高い。それ故、難燃剤および熱伝導剤として使用できるが、無水炭酸マグネシウムを表面処理しなかった場合、あるいは一般の表面処理剤で被覆しただけではpHは約8を示し、その弱アルカリ性によって、エステル系樹脂が加水分解する問題があった。
この発明の基本的課題は、無水炭酸マグネシウム系粉体をエステル系樹脂等に配合した際に、樹脂を加水分解することが無く、かつ樹脂中に粉体が均一に分散し、さらに樹脂組成物の外観を良好に保つことにある。
本発明の無水炭酸マグネシウム系粉体は、BET比表面積が0.1〜10m2/g、平均粒子径が1〜50μmの合成無水炭酸マグネシウム粒子に、Si化合物の被覆層を、SiO2換算で無水炭酸マグネシウム100質量%に対して、0.1〜10質量%の割合で形成したものである。
無水炭酸マグネシウムはBET比表面積が0.1〜10m2/gで、平均粒子径が1〜50μmである。BET比表面積が10m2/gよりも大きくなると粉体の活性度が高くなって、樹脂中で2次凝集を起こして成形品の外観が悪くなる。また平均粒子径が1μmよりも小さくなると、樹脂中への充填性が悪くなり、逆に50μmよりも大きくなると成形品の外観が悪くなる。
表面処理については、微粒子シリカからなる緻密な被覆層を粒子表面に施せば、アルカリ性表面が中性のシリカでマスキングされ、耐加水分解性が向上し、エステル系樹脂などに配合した際に、樹脂を加水分解することがない。Siの存在形態は主としてSiO2やその水酸化物である。
なおこの明細書で、無水炭酸マグネシウム系粉体に関する記載は、文脈に反しない限り、樹脂組成物やその成形体にもそのまま当てはまる。
好ましくは、前記Si化合物の被覆層を形成した無水炭酸マグネシウム粒子が、さらに硬化油、脂肪酸エステル、シランカップリング剤、シリコンオイル、リン酸エステル、界面活性剤、高分子凝集剤の少なくとも1種により、無水炭酸マグネシウム100質量%に対して0.1〜10質量%の割合で、表面処理されている。
また好ましくは、前記Si化合物はケイ酸ソーダ、コロイダルシリカおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物である。
加工性を向上させる目的で、微粒子シリカからなる緻密な被覆層の上に、硬化油、脂肪酸エステル、シランカップリング剤、シリコンオイル、リン酸エステル、界面活性剤、高分子凝集剤の少なくとも1種で表面処理してもよい。
硬化油としては、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油等がある。
脂肪酸エステルとしては、例えば多価アルコールの脂肪酸エステルや高級脂肪酸エステルがある。多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、グリセリン−モノステアレート、グリセリン−ジステアレート、グリセリン−モノオレート、グリセリン−ジオレート、が挙げられる。高級脂肪酸エステルとしてはステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、iso−プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、ラウリルエステル、ステアリルエステル、ベヘニルエステル等が挙げられる。
シリコンオイルとしては、未変性シリコンオイルと変性シリコンオイルがある。未変性シリコンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素原子であるメチルハイドロジェエンシロコンオイル等が挙げられる。また変性シリコンオイルとしてはとしては、アルコキシ変性、アミノ変性、カルボキシ変性、エポキシ変性、シラザン変性、フェノール変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フッ素変性、親水性特殊変性等が挙げられる。上記シリコンオイルは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ系、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等のビニル系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ系、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系がある。上記シランカップリング剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
リン酸エステルとしては、モノ及びジ−飽和アルコールのリン酸エステル、例えば、モノ−ステアリルアシッドホスフェイト、ジ−ステアリルアシッドホスフェイト、モノ−ラウリルアシッドホスフェイト、ジ−ラウリルアシッドホスフェイト、モノ−ミリスチルアシッドホスフェイト、ジ−ミリスチルアシッドホスフェイト、モノ−パルミチルアシッドホスフェイト、ジ−パルミチルアシッドホスフェイト、モノ−アラキルアシッドホスフェイト、ジ−アラキルアシッドホスフェイト、モノ−ベヘルアシッドホスフェイト、ジ−ベヘルアシッドホスフェイト、モノ−リグノセリルアシッドホスフェイト、ジ−リグノセリルアシッドホスフェイトやその金属塩(Na、K、Al、Ca、Mg、Zn、Ba)等があり、モノ及びジ−飽和アルコールのリン酸エステルの1種類もしくはそれらの混合物を使用しても良い。
界面活性剤 としては、例えば、アニオン系のステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリルスルホン酸塩等や、非イオン系のグリセリン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
高分子凝集剤は、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の3種類に大別される。ノニオン系高分子凝集剤は、例えばポリアクリルアミド等が挙げられる。アニオン系高分子凝集剤は、例えばアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物等が挙げられる。カチオン系高分子凝集剤は、例えばアクリルアミド・ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩の共重合物等が挙げられる。
この発明の樹脂組成物は、エステル結合を有する合成樹脂(以下エステル系樹脂)100質量部に対し、請求項1〜3のいずれかに記載の無水炭酸マグネシウム系粉体を100〜600質量部配合したものである。
またこの発明は上記の樹脂組成物よりなる成形体にある。
エステル結合を有する合成樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂。エステル結合を有する合成エラストマーも含まれる。
この発明の無水炭酸マグネシウム系粉体をエステル系樹脂等に配合すると、難燃性と熱伝導性とに優れ、500℃弱以下の温度で樹脂成形が可能で、かつ樹脂中に均一に分散し、また平均粒子径が50μm以下であることにより成形品の外観が良好である。さらに無水炭酸マグネシウム系粉体は表面をSi化合物で被覆されているので中性に近く、樹脂を加水分解しない。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
エステル結合を有する合成樹脂に配合するための無水炭酸マグネシウムの調製方法及び樹脂組成物について、実施例を説明する。樹脂組成物を、エステル結合を有する樹脂の一例としてポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて評価した。また無水炭酸マグネシウムを調製するための原料である中性炭酸マグネシウムは組成がMgCO・3HOで、平均粒子径は25μmであった。
無水炭酸マグネシウム粒子からなるサンプル粉末を製造した後、これをポリブチレンテレフタレート樹脂に配合して、この樹脂組成物を成形する場合の樹脂組成物のハンドリング性(耐加水分解性)を調べた。さらに、成形体の難燃性および熱伝導性を評価した。
サンプル粉末の調製
実施例1
容量100Lの攪拌機付きオートクレーブに1mol/Lの濃度に調製した中性炭酸マグネシウム懸濁液70Lを入れ、攪拌しながら180℃で5時間の水熱処理を行い無水炭酸マグネシウムの懸濁液を得た。得られた懸濁液をそのままボールミルに入れて5時間粉砕した後に懸濁液を取り出し、攪拌下に無水炭酸マグネシウムの固形分に対し、20質量%のSiO2を含有するコロイダルシリカ分散液をSiO2に換算して4質量%添加して1時間表面被覆処理を行った。その後、真空ろ過、水洗(固形分に対し10倍容量)、乾燥(120℃で10時間)、粉砕してサンプル粉末を得た。
難燃性および熱伝導性樹脂組成物および成形体の製造
ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、前記したサンプル粉末300質量部を配合して混合した後に、ラボプラストミル(東洋精機株式会社製)を用いて、300℃で5分間、回転数50rpmで混練した。混練物をシュレッダーでカットして径が約3mmの角型ペレットを作成した。成形は射出成形機を用い、射出圧力は10KN/cm2、金型温度は300℃で行い、酸素指数測定用試験体(A-1号形、長さ150mm、幅6.5mm、厚さ3mm)、および熱伝導率測定用試験体(長さ150mm、幅100mm、厚さ6mm)をそれぞれ得た。
分析・評価方法
サンプル粉末、樹脂組成物および成形体について、以下のようにして分析および評価を行った。実施例1および後述する実施例2〜8について、結果を表1に示す。また後述する比較例1〜7について、結果を表2に示す。
BET比表面積および平均粒子径の測定
サンプル粉末のBET比表面積は、試料粉末を窒素吸着法によって測定し、粒度分布は、試料粉末をエタノールに懸濁させ、超音波で3分間分散処理した後に、レーザー回折法により測定した。
pHの測定
サンプル粉末1.0gを、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(n=25)の0.1質量%水溶液100mL中に添加し、スターラーで5分間攪拌後、超音波で10分間分散処理して懸濁液を調製した。この懸濁液を恒温槽で25℃に保持し、N2ガスで10分間バブリングした後の懸濁液のpHを、pHメータで測定した。
樹脂組成物のハンドリング性
前記したポリブチレンテレフタレート樹脂とサンプル粉末を混練した樹脂組成物をラボプラストミルから取り出す際のハンドリング性を評価した。樹脂の加水分解が進行したものは、高温での樹脂組成物が液状となり、チキソ性が高く、ハンドリング性が悪化する。ハンドリング性については、良好か悪化かの2段階で評価した。
成形体の酸素指数
前記した成形体について、JIS K 7201に準拠して酸素指数を測定した。酸素指数が高いと難燃性が高いことを意味し、例えば、前記の配合において、UL-94規格の垂直燃焼試験(V-1)に合格できる酸素指数の目安としては、40.0以上であることが好ましい。
成形体の熱伝導率
前記した成形体について、ASTM-E1503に準拠して熱伝導率を測定した。熱伝導率が高いと成形体の放熱性が高いことを意味し、熱伝導率の値としては2.0W/mK以上であることが好ましい。
成形体の外観
前記した成形体の外観を目視により評価した。発泡が無いことが好ましい。
実施例2
容量100Lの攪拌機付きオートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調製した中性炭酸マグネシウム懸濁液70Lを入れ、攪拌しながら200℃で5時間の水熱処理を行った。得られた懸濁液を攪拌下に、無水炭酸マグネシウムの固形分に対し、20質量%のSiO2を含有するコロイダルシリカ分散液をSiO2に換算して1質量%添加して1時間表面被覆処理を行った以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例3
容量100Lの攪拌機付きオートクレーブに0.3mol/Lの濃度に調製した中性炭酸マグネシウム懸濁液70Lを入れ、攪拌しながら220℃で5時間の水熱処理を行った。得られた懸濁液を攪拌下に、無水炭酸マグネシウムの固形分に対し、36質量%のSiO2を含有する3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2に換算して0.5質量%添加し、6Nの塩酸200mLを10分かけてゆっくりと添加することで、粒子表面にSiO2からなる被覆層を析出させた。その後さらに1時間攪拌して表面被覆処理を行った以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例4
実施例1においてコロイダルシリカで表面被覆処理した懸濁液を80℃に加温後、さらに温度80℃で濃度1質量%の牛脂硬化油水懸濁液を用いて、牛脂硬化油を固形分に対して1質量%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例5
実施例1においてコロイダルシリカで表面被覆処理した懸濁液を80℃に加温後、さらに温度80℃で濃度1質量%のステアリン酸モノグリセライド水懸濁液を用いて、ステアリン酸モノグリセライドを固形分に対して1質量%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例6
実施例1においてコロイダルシリカで表面被覆処理した懸濁液を80℃に加温後、さらに温度80℃で濃度1質量%のモノステアリル燐酸ナトリウムとジステアリル燐酸ナトリウム混合物水溶液を用いて、モノステアリル燐酸ナトリウムとジステアリル燐酸ナトリウム混合物を固形分に対して1質量%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例7
実施例1においてコロイダルシリカで表面被覆処理した懸濁液に、さらに酢酸でpH=3に調製した濃度1質量%のγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン水溶液を用いて、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを固形分に対して1質量%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
実施例8
実施例1においてコロイダルシリカで表面被覆処理した懸濁液に、さらにメチルハイドロジェンシリコンオイルを用いて、メチルハイドロジェンシリコンオイルを固形分に対して1質量%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例1
表面被覆処理をしなかった以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例2
実施例4においてコロイダルシリカで表面被覆処理しなかった以外は(牛脂硬化油を固形分に対して1質量%のみ表面処理した)、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末および成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例3
市販のアルミナ(BET比表面積3m2/g、平均粒子径1.4μm)を使用して、実施例1と同様な成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例4
市販の酸化マグネシウム(BET比表面積8m2/g、平均粒子径3.5μm)を使用して、実施例1と同様な成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例5
市販のシリカ(BET比表面積7m2/g、平均粒子径1.4μm)を使用して、実施例1と同様な成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例6
市販の水酸化マグネシウム(BET比表面積7m2/g、平均粒子径1.1μm)を使用して、実施例1と同様な成形体を製造し、分析および評価を行った。
比較例7
市販の水酸化アルミニウム(BET比表面積4m2/g、平均粒子径1.5μm)を使用して、実施例1と同様な成形体を製造し、分析および評価を行った。なお成形体を製造する時に発泡したので酸素指数及び熱伝導率については測定できなかった。
表1より、無水炭酸マグネシウムをSi化合物で被覆することによりハンドリング性(耐加水分解性)、難燃性、熱伝導性、成形体の外観等、全ての要件を満足する粉体であることがわかる。また表2より、従来の粉体であるアルミナでは難燃性において所望の特性が得られず、酸化マグネシウムではハンドリング性(耐加水分解性)や難燃性において所望の特性が得られず、シリカでは難燃性や熱伝導性において所望の特性が得られず、水酸化マグネシウムではハンドリング性(耐加水分解性)や熱伝導性において所望の特性が得られず、水酸化アルミニウムではハンドリング性(耐加水分解性)や成形体の外観において所望の特性が得られないことがわかる。
以上のように、実施例の無水炭酸マグネシウム粉体は耐加水分解性、難燃性、熱伝導性、成形性の各項目においてバランスのとれた従来にない新規の粉体である。
Figure 2007261922
Figure 2007261922

Claims (5)

  1. BET比表面積が0.1〜10m2/g、平均粒子径が1〜50μmの合成無水炭酸マグネシウム粒子に、Si化合物の被覆層を、SiO2換算で無水炭酸マグネシウム100質量%に対して、0.1〜10質量%の割合で形成した無水炭酸マグネシウム系粉体。
  2. 前記Si化合物の被覆層を形成した無水炭酸マグネシウム粒子が、さらに硬化油、脂肪酸エステル、シランカップリング剤、シリコンオイル、リン酸エステル、界面活性剤、高分子凝集剤の少なくとも1種により、無水炭酸マグネシウム100質量%に対して0.1〜10質量%の割合で、表面処理されていることを特徴とする、請求項1に記載の無水炭酸マグネシウム系粉体。
  3. 前記Si化合物はケイ酸ソーダ、コロイダルシリカおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の無水炭酸マグネシウム系粉体。
  4. エステル結合を有する合成樹脂100質量部に対し、請求項1〜3のいずれかに記載の無水炭酸マグネシウム系粉体を100〜600質量部配合したことを特徴とする樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物よりなる成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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