JP2007261170A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノズル材料とHBとの密着向上。
【解決手段】 HBの上部保護膜(Taなど)の上にSiO、SiN、SiCなどの膜を形成することにより、ヘッドが長尺化した場合でもノズル構成部材と良好な密着性を長期に渡り確保する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いる記録液小滴を発生するためのインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インクの小滴を発生させ、それを紙等の被プリント媒体に付着せしめてプリントを行うインクジェットプリント方式は、プリント時の騒音が極めて少なく、かつ高速プリントが可能であり、しかもインクジェットヘッドを極めて小型化できるため、カラー化及びコンパクト化が容易であるプリント方式である。該インクジェットプリント方式のひとつに発熱素子によってインクを発泡せしめ、この気泡の成長を利用してインクを吐出するタイプがある。
近年記録技術の進展に伴い、インクジェット記録技術にもより高密度高精度な記録が求められている。この要求を満たすインクジェットヘッドとして、特開平6―286149に示されるようなフォトリソ技術を用いて溶解可能な樹脂でインク液流路をパターニングし、該パターンをエポキシ樹脂等で被覆、硬化し、基板を切断した後に、その後溶解可能な樹脂を溶出除去する方法が提案されている。
特開平6−286149号公報
前述した製造方法において、高密度かつ高精度のインクジェットヘッドを得ることをできるものの、近年、プリントスピードの高速化を達成するために、該ヘッドに搭載される吐出エレメントを長尺化する必要がある。
また、インク組成を大幅に変更し、印字物の耐光性や耐ガス性を向上させる必要もあり、該新規インクを吐出するため吐出エレメントの構成材料も該新規インクに耐えうるものでなくてはならない。吐出エレメントの長尺化(特に0.5インチ以上)やインク組成の変更は、該構成部材の線膨張率の違い、液流路壁や吐出孔を形成する樹脂層の応力等にひずみを生じ、また新規インクによっても界面に影響を与え、液流路壁や吐出孔を形成する被覆樹脂層とヒーター基板上の上部保護層との間で剥離が発生してしまう。また、該上部保護層上に有機密着向上層を設けても、該密着向上層と前記上部保護層の界面付近で剥離が発生し、インクが基板上に浸透し、配線の腐食を引き起こしてしまい、その結果、良好な印字が得られなかったり、長期に渡る品質信頼性を確保することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、前記吐出エレメントを長尺化しても、液流路壁や吐出孔を形成する被覆樹脂層5がヒーターボード基板と良好に密着することにより、良好な印字状態と長期に渡る信頼性を確保することである。さらに、インク組成が大幅に変更となっても高い品質信頼性を確保することである。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、発熱抵抗体を有する基板面に対して垂直方向にインク液滴が吐出されるインクジェットヘッドにおいて、前記基板上に感光性樹脂層からなるインク流路パターンを有し、前記発熱抵抗体と、該発熱抵抗体上に絶縁層を介して設けられたインクとの接触面を有する上部保護層とを有するインクジェットヘッドであって、前記上部保護層の上に密着向上層として珪素酸化物を設けることを特徴とする。
以上、説明したように、本発明によれば、ヒーター基板上の上部保護膜上に珪素酸化物または珪素窒化物もしくは珪素炭化物の層を形成することにより、特に0.5インチ以上の長尺化されたインクジェットヘッドの吐出エレメントを形成する際に、剥れのない吐出性能の安定した長期に渡って信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することができる。さらに、本発明の形態を用いることにより、高いインク選択自由度を有することとなり、耐光性や耐ガス性に優れた新規インク組成に対しても高い信頼性を有したインクジェットヘッドを提供することができる。
以下、本発明のインクジェットヘッドの製造方法の一例を、図1を参照しつつ説明する。
まず、ヒーターボード基板200は、詳細には図1のような膜構成となっている。201は、シリコン基板。202は、熱酸化膜からなる蓄熱層を示すものであり、203は、蓄熱を兼ねる珪素酸化膜、珪素窒化膜等からなる層間膜、204は発熱抵抗体層、205はAl、Al-Si、Al-Cuなどの金属材料からなる配線としての電極層。206は珪素酸化膜、珪素窒化膜などからなる絶縁層としても機能する保護層を示す。207は発熱抵抗体の発熱に伴う化学的、物理的衝撃から守るための上部保護層である。該上部保護層は、耐熱性、機械的特性、化学安定性、耐酸化性、耐インク性などに優れた膜特性が要求され、従来より貴金属やタンタル(Ta)が用いられている。本実施形態では、Taをスパッタリング法にて形成した。続いて本実施例に後述するように密着向上膜を設けたのち、図4、図5のように吐出エレメントを形成する。
前記ヒーター基板200上にスピンコート法にて、最終的にインク液流路となるべく溶解可能な固体層3として、レジストを塗布する。該レジスト材料は、ポリメチルイソプロペニルケトンから成り、ネガ型のレジストとして作用し、インク液流路の形状にフォトリソ技術によりパターニングされる。
続いて、液流路壁や吐出孔を形成すべく被覆樹脂層5を形成する。該被覆樹脂層を形成する前に、密着向上のためシランカップリング処理などを適宜行うことができる。前記被覆樹脂層5は、従来より知られているコーティング法を適宜選択することができ、インク液流路パターンが形成されたヒーター基板上に塗布することができる。塗布された被膜樹脂層5は、フォトリソ技術にてパターニングされる。その後、ヒーター基板裏面よりインク液供給孔7として、異方性エッチング法、サンドブラスト法、異方性プラズマエッチング法などにより、ヒーター基板裏面からインク供給孔を形成する。最も好ましくは、テトラメチルヒドロキシアミン(TMAH)、NaOHやKOH等を用いた化学的シリコン異方性エッチング法により、インク液供給孔7を形成した。
続いて、溶解可能な固体層3,4を除去すべく、Deep−UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行った。
以上の工程によりノズル部が作成された基板を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドが完成する。
以下、本発明の実施例を具体的に示す。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素酸化物を用いた場合を示す。該珪素酸化物膜は、スパッタ法やCVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素酸化物膜を120nm形成した(図1)。該珪素酸化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。
溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素窒化物を用いた場合を示す。該珪素窒化物膜は、CVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素窒化物膜を120nm形成した(図1)。該珪素窒化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。
溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素炭化物を用いた場合を示す。該珪素炭化物膜は、CVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素炭化物膜を120nm形成した(図1)。
該珪素炭化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。
溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素酸化物を用い、かつノズル構成部材と珪素酸化物の間に有機密着向上膜を用いた場合を示す。該珪素酸化物膜は、スパッタ法やCVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素酸化物膜を120nm形成した(図1)。該珪素酸化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。有機密着向上層の材料としては、ポリエーテルアミド樹脂を選択でき、該樹脂はアルカリエッチング耐性に優れ、且つ、シリコン等の無機膜との密着性も良好であり、さらには、インクジェット記録ヘッドの保護膜としても用いることができる等の利点があり、特に好ましいものである。その後フォトリソグラフィー技術により、例えば図5(a)に示すような形状にパターニングを行う。このパターニングは、通常の有機膜のドライエッチングと同様の方法で行うことができる。すなわち、ポジ型のレジストをマスクとして、酸素ガスプラズマによりエッチングを行うことができる。その後、該基板上に溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、有機密着向上層2や被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素窒化物を用い、かつノズル構成部材と珪素窒化物の間に有機密着向上膜を用いた場合を示す。該珪素窒化物膜は、スパッタ法やCVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素窒化物膜を120nm形成した(図1)。該珪素窒化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。有機密着向上層の材料としては、ポリエーテルアミド樹脂を選択でき、該樹脂はアルカリエッチング耐性に優れ、且つ、シリコン等の無機膜との密着性も良好であり、さらには、インクジェット記録ヘッドの保護膜としても用いることができる等の利点があり、特に好ましいものである。その後フォトリソグラフィー技術により、例えば図5(a)に示すような形状にパターニングを行う。このパターニングは、通常の有機膜のドライエッチングと同様の方法で行うことができる。すなわち、ポジ型のレジストをマスクとして、酸素ガスプラズマによりエッチングを行うことができる。その後、該基板上に溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、有機密着向上層2や被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
上部保護膜上に形成される密着向上層として、珪素炭化物を用い、かつノズル構成部材と珪素炭化物の間に有機密着向上膜を用いた場合を示す。該珪素炭化物膜は、スパッタ法やCVD法などによって形成することができる。本実施例では、プラズマCVD法を用いて前記珪素炭化物膜を120nm形成した(図1)。該珪素炭化物膜は、発熱抵抗体層の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部208上に存在したままでも(図1)、パターニングして除去しても(図2)本発明の効果に影響はない。有機密着向上層の材料としては、ポリエーテルアミド樹脂を選択でき、該樹脂はアルカリエッチング耐性に優れ、且つ、シリコン等の無機膜との密着性も良好であり、さらには、インクジェット記録ヘッドの保護膜としても用いることができる等の利点があり、特に好ましいものである。その後フォトリソグラフィー技術により、例えば図5(a)に示すような形状にパターニングを行う。このパターニングは、通常の有機膜のドライエッチングと同様の方法で行うことができる。すなわち、ポジ型のレジストをマスクとして、酸素ガスプラズマによりエッチングを行うことができる。その後、該基板上に溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層3、4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
前記インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。また、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、良好な印字を得ることができたとともに、有機密着向上層2や被覆樹脂層5の剥離は確認されなかった。
(比較例1)
図3に示す例としては、上部保護膜上であるTa上にノズル部材を形成する場合を示す。
上部保護膜を形成した基板上に溶解可能な樹脂層3をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
該インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。しかしながら、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、不吐出の部分が観察され良好な印字を得ることはできなかった。インクジェットヘッドを観察したところ、被覆樹脂層5の剥離が観察され各々インク流路の連結が確認された。
(比較例2)
上部保護膜上であるTa上とノズル部材の間に有機密着向上層を形成する場合を示す。有機密着向上層の材料としては、ポリエーテルアミド樹脂は、アルカリエッチング耐性に優れ、且つ、シリコンの無機膜との密着性も良好であり、さらには、インクジェット記録ヘッドの保護膜としても用いることができる等の利点があり、特に好ましいものである。その後フォトリソグラフィー技術により、例えば図5(a)に示すような形状にパターニングを行う。このパターニングは、通常の有機膜のドライエッチングと同様の方法で行うことができる。すなわち、ポジ型のレジストをマスクとして、酸素ガスプラズマによりエッチングを行うことができる。その後、該基板上に溶解可能な樹脂層4をスピンコート法により塗布し、露光することにより、インク流路となるべき形状を作成した。インク流路の形状は、通常のマスクとDeep-UV光を用いて得ることができた(キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー290使用)。その後、被覆樹脂層5を積層し、キヤノン製MPA−600sを用いて露光後、現像することで吐出孔6を形成した。続いて、TMAHにて、化学的シリコン異方性エッチング法により、インク供給孔7を形成した後、Deep−UV光を全面照射し、現像、乾燥することにより、溶解可能な樹脂層4を除去した。以上の工程により、ノズル部が形成された基板をダイシングソーなどにより分離切断、チップ化し、発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合とインク供給部材の接合を行い、インクジェットヘッドを完成させた。
該インクジェットヘッドを用いてpH10のアルカリインクを吐出評価したところ、良好な印字を得ることができた。しかしながら、前記インクにインクジェットヘッドを、60℃、3ヶ月浸漬させた後、印字評価を行ったところ、不吐出の部分が観察され良好な印字を得ることはできなかった。インクジェットヘッドを観察したところ、有機密着向上層2と被覆樹脂層5の剥離が観察され各々インク流路の連結が確認された。
本発明におけるヒーター基板の基本的な断面模式図。 本発明におけるヒーター基板の断面模式図の一例。 従来のヒーター基板の断面模式図。 本発明における吐出エレメントの基本的な製造工程の一例を示す断面模式図。 ヒーター基板上に有機密着向上膜を形成した場合の吐出エレメントの製造工程の一例を示す断面模式図。
符号の説明
2 有機密着向上層
3 溶解可能な樹脂層(インク流路部)
4 溶解可能な樹脂層(土台部)
5 被覆樹脂層
6 インク吐出孔
7 インク供給孔
8 溶解可能な固体層除去のための貫通口
200 ヒーター基板
201 シリコン基板
202 蓄熱層
203 層間膜
204 発熱抵抗体層
205 電極層
206 絶縁層
207 上部保護層
208 熱作用部
209 密着向上層

Claims (3)

  1. 発熱抵抗体を有する基板面に対して垂直方向にインク液滴が吐出されるインクジェットヘッドにおいて、前記基板上に感光性樹脂層からなるインク流路パターンを有し、前記発熱抵抗体と、該発熱抵抗体上に絶縁層を介して設けられたインクとの接触面を有する上部保護層とを有するインクジェットヘッドであって、
    前記上部保護層の上に密着向上層として珪素酸化物を設けることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記密着向上層として珪素窒化物を設けることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記密着向上層として珪素炭化物を設けることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
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