JP2007261000A - ゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビティー面の温度を均一にして繰り返し使用することができ、真円度の形成への悪影響や外径フレを抑制した製造が可能となるゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法を提供する。
【解決手段】芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティーを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型をつぎのように構成する。
すなわち、前記金型本体が、キャビティを形成する内部金型と、該内部金型を外包する外部金型からなり、該外部金型が該内部金型の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有する構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティーを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型をつぎのように構成する。
すなわち、前記金型本体が、キャビティを形成する内部金型と、該内部金型を外包する外部金型からなり、該外部金型が該内部金型の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有する構成とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法に関する。
具体的には、ゴム材料を型内に注入または配置し、加熱硬化させることで芯金の周りにゴムローラを一体的に成形する軸付ゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法に関する。
具体的には、ゴム材料を型内に注入または配置し、加熱硬化させることで芯金の周りにゴムローラを一体的に成形する軸付ゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法に関する。
従来、軸状の芯金の周囲にゴム材料を円筒状に一体的に成形した軸付ゴムローラが、円柱状のキャビティを有する成型金型を用い、つぎのように製造されていた。
すなわち、上記成型金型内に、キャビティと同心に軸状の芯金を保持するためにキャビティの両端開口部に駒を配するような金型を使用すると共に、上記成形金型の軸方向に平行に分割される熱盤で挟んで加熱する。あるいは熱盤に上記成形金型の外形に合わせた穴をあけてその穴に成形金型を入れて加熱する。
このような手法によって、上記軸付ゴムローラが製造されていた。
すなわち、上記成型金型内に、キャビティと同心に軸状の芯金を保持するためにキャビティの両端開口部に駒を配するような金型を使用すると共に、上記成形金型の軸方向に平行に分割される熱盤で挟んで加熱する。あるいは熱盤に上記成形金型の外形に合わせた穴をあけてその穴に成形金型を入れて加熱する。
このような手法によって、上記軸付ゴムローラが製造されていた。
従来においては、上記のような軸付ゴムローラの製造に際して、成形金型と熱盤は、金型接触面の強度および熱伝導性の良さから、金属材料で製作されていたが、その構造上どうしても成型金型のキャビティ面の温度上昇や温度分布に差が出る。
そのため、例えば、特許文献1では、熱盤と成形金型との間に弾性部材を配することによって、熱盤と接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇の差を抑制して厚みムラのないローラの製造方法が提案されている。
ここでは、図5(a)に示すように、成形金型110が軸方向に平行に分割した熱盤140で挟んで加熱するようにした構成において、熱盤140と成形金型110との間に弾性部材141が配された構成が採られている。
また、図5(b)に示すように、熱盤に上記成形金型の外形に合わせて穴をあけたその穴あき熱盤142に成形金型を入れて加熱するようにした構成において、熱盤142と成形金型との間に弾性部材141が配された構成が採られている。
特開平9−314571号公報
そのため、例えば、特許文献1では、熱盤と成形金型との間に弾性部材を配することによって、熱盤と接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇の差を抑制して厚みムラのないローラの製造方法が提案されている。
ここでは、図5(a)に示すように、成形金型110が軸方向に平行に分割した熱盤140で挟んで加熱するようにした構成において、熱盤140と成形金型110との間に弾性部材141が配された構成が採られている。
また、図5(b)に示すように、熱盤に上記成形金型の外形に合わせて穴をあけたその穴あき熱盤142に成形金型を入れて加熱するようにした構成において、熱盤142と成形金型との間に弾性部材141が配された構成が採られている。
前述したように、成形金型を熱盤で挟んで加熱し、あるいは熱盤に成形金型の外形に合わせた穴をあけてその穴に成形金型を入れて加熱する場合には、その構造上成型金型のキャビティ面の温度上昇や温度分布に差が出る。
すなわち、上記したように成形金型の軸方向に平行に分割される熱盤で前記成形金型を挟むと、熱盤の接触面の形状を該円筒状の成形金型外形に合わせても、その構造上どうしても接触部分は線状になってしまうことになる。
また、熱盤の穴に成形金型を入れる場合も、接触部分は線状または点状になってしまうことになる。
つまり、これらにより熱伝達の効率は低下し、また接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇や温度分布に差が出ることとなる。
成型金型の温度分布の差は、軸付ゴムローラの真円度の形成に悪影響を与え、あるいは外径フレを生じることとなる。
上記した従来例の特許文献1の方法によれば、熱盤と接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇の差を抑制することが可能となるが、熱盤と成形金型との間に弾性部材を配することが必要となる。
その際、上記従来例では、繰り返し使用する際等において、この弾性部材の耐久性に問題を有していた。
すなわち、上記したように成形金型の軸方向に平行に分割される熱盤で前記成形金型を挟むと、熱盤の接触面の形状を該円筒状の成形金型外形に合わせても、その構造上どうしても接触部分は線状になってしまうことになる。
また、熱盤の穴に成形金型を入れる場合も、接触部分は線状または点状になってしまうことになる。
つまり、これらにより熱伝達の効率は低下し、また接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇や温度分布に差が出ることとなる。
成型金型の温度分布の差は、軸付ゴムローラの真円度の形成に悪影響を与え、あるいは外径フレを生じることとなる。
上記した従来例の特許文献1の方法によれば、熱盤と接触部分と非接触部分とで成型金型のキャビティ面の温度上昇の差を抑制することが可能となるが、熱盤と成形金型との間に弾性部材を配することが必要となる。
その際、上記従来例では、繰り返し使用する際等において、この弾性部材の耐久性に問題を有していた。
本発明は、上記課題に鑑み、キャビティ面の温度を均一にして繰り返し使用することができ、真円度の形成への悪影響や外径フレを抑制した製造が可能となるゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法の提供を目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、つぎのように構成したゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法を提供するものである。
本発明のゴムローラの成形金型は、芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型において、
前記金型本体が、キャビティを形成する内部金型と、該内部金型を外包する外部金型からなり、該外部金型が該内部金型の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有することを特徴としている。
また、本発明のゴムローラの成形金型は、前記内部金型の熱伝導率をλaとし、前記外部金型の熱伝導率をλbとするとき、つぎの関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴としている。
1<λa<100(W/mK)………(1)
100(W/mK)≦λb ………(2)
また、本発明のゴムローラの成形金型は、前記内部金型と前記外部金型とは、中間バメまたは締りバメによって結合されていることを特徴としている。
また、本発明のゴムローラの製造方法は、芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型を用い、
前記芯材の外周に円柱状のゴムローラを製造するゴムローラの製造方法であって、
前記ゴムローラ成型金型として、上記いずれかに記載のゴムローラ成型金型を用いて前記ゴムローラを製造することを特徴としている。
本発明のゴムローラの成形金型は、芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型において、
前記金型本体が、キャビティを形成する内部金型と、該内部金型を外包する外部金型からなり、該外部金型が該内部金型の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有することを特徴としている。
また、本発明のゴムローラの成形金型は、前記内部金型の熱伝導率をλaとし、前記外部金型の熱伝導率をλbとするとき、つぎの関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴としている。
1<λa<100(W/mK)………(1)
100(W/mK)≦λb ………(2)
また、本発明のゴムローラの成形金型は、前記内部金型と前記外部金型とは、中間バメまたは締りバメによって結合されていることを特徴としている。
また、本発明のゴムローラの製造方法は、芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型を用い、
前記芯材の外周に円柱状のゴムローラを製造するゴムローラの製造方法であって、
前記ゴムローラ成型金型として、上記いずれかに記載のゴムローラ成型金型を用いて前記ゴムローラを製造することを特徴としている。
本発明によれば、キャビティ面の温度を均一にして繰り返し使用することができ、真円度の形成への悪影響や外径フレを抑制し、安定した高精度な製造が可能となるゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法を実現することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本実施形態における軸付ゴムローラの構成を示す。
図1において、10は軸付発泡ゴムローラ、11は芯金、12はゴムローラである。なお、以下の説明では、液状のゴム材料としてシリコンゴム材料を用いた構成例について説明する。
図1に、本実施形態における軸付ゴムローラの構成を示す。
図1において、10は軸付発泡ゴムローラ、11は芯金、12はゴムローラである。なお、以下の説明では、液状のゴム材料としてシリコンゴム材料を用いた構成例について説明する。
軸付ゴムローラ10は、回転軸となる芯金11と、その周りに形成された円筒状のゴムローラ12とを有している。
芯金11は、断面円形の棒状部材からなり、その両端がゴムローラ12の両端から延出している。
ゴムローラ12は、シリコンゴムであり、芯金11の周りに所定の厚さに形成されている。
詳細には図示しないが、ゴムローラ12は、ゴムローラ12自体も所定の柔軟性を備えている。
芯金11は、断面円形の棒状部材からなり、その両端がゴムローラ12の両端から延出している。
ゴムローラ12は、シリコンゴムであり、芯金11の周りに所定の厚さに形成されている。
詳細には図示しないが、ゴムローラ12は、ゴムローラ12自体も所定の柔軟性を備えている。
つぎに、上記軸付ゴムローラの製造方法について説明する。
図2に、本実施形態における成形金型の構成を説明する図を示す。
図2において、20は成形金型、21は上駒、22は下駒、22aは貫通孔、23はキャビティである。
図2に示すように、成形金型20は、上駒21、下駒22、金型本体30を有している。
さらに、金型本体30は内部金型31と外部金型32の2部材から構成されている。
ここで、該内部金型の熱伝導率をλaとし、該外部金型の熱伝導率をλbとするとき、λa<λbの関係式を満たすようにしてこれら金型を構成する。
これらにおいて、内部金型の熱伝導率λaは1<λa<100(W/mK)、外部金型の熱伝導率λbは100(W/mK)≦λbが使用可能である。
さらに、詳しくは、1<λa<30(W/mK)、100(W/mK)≦λb<500(W/mK)とすることが望ましい。
また、内部金型31と外部金型32とが密着するように、中間バメまたは締りバメとし、熱伝導の効率を損なわないようにすることが望ましい。
図2に、本実施形態における成形金型の構成を説明する図を示す。
図2において、20は成形金型、21は上駒、22は下駒、22aは貫通孔、23はキャビティである。
図2に示すように、成形金型20は、上駒21、下駒22、金型本体30を有している。
さらに、金型本体30は内部金型31と外部金型32の2部材から構成されている。
ここで、該内部金型の熱伝導率をλaとし、該外部金型の熱伝導率をλbとするとき、λa<λbの関係式を満たすようにしてこれら金型を構成する。
これらにおいて、内部金型の熱伝導率λaは1<λa<100(W/mK)、外部金型の熱伝導率λbは100(W/mK)≦λbが使用可能である。
さらに、詳しくは、1<λa<30(W/mK)、100(W/mK)≦λb<500(W/mK)とすることが望ましい。
また、内部金型31と外部金型32とが密着するように、中間バメまたは締りバメとし、熱伝導の効率を損なわないようにすることが望ましい。
成形金型20は、ゴムローラ12を成形するために円柱状に形成されたキャビティ23を有しており、このキャビティ23は、上駒21、下駒22、および金型本体30のそれぞれの内側面によって構成されている。
すなわち、上駒21および下駒22がキャビティ23の上面および下面を構成し、金型本体30の内側面がキャビティ23の側周面を構成している。
なお、キャビティ23は、その長手軸が鉛直方向となるように配置されている。金型本体30は、パイプ型であり、その内側面はホーニング仕上げが施されている。このようにホーニング仕上げを施す主たる理由は、軸付ゴムローラの外面の精度を確保するためである。
すなわち、上駒21および下駒22がキャビティ23の上面および下面を構成し、金型本体30の内側面がキャビティ23の側周面を構成している。
なお、キャビティ23は、その長手軸が鉛直方向となるように配置されている。金型本体30は、パイプ型であり、その内側面はホーニング仕上げが施されている。このようにホーニング仕上げを施す主たる理由は、軸付ゴムローラの外面の精度を確保するためである。
上駒21および下駒22は、いずれもその中央部に凹状部が形成されており、この凹状部によって芯金11の両端を保持できるように構成されている。
なお、芯金11は、キャビティ23と同軸に配置されるようになっている。
下駒22には、下駒22をその厚さ方向に貫通する貫通孔22aが形成されており、貫通孔22aは、キャビティ23内を外部に開口している。
この貫通孔22aは、ゴム材料液をキャビティ23内に移送するための通路である。
なお、金型装置1は上記構成要素の他にも、図示しないが、下駒22内にゴム材料液を投入するための投入ノズルを有している。
なお、芯金11は、キャビティ23と同軸に配置されるようになっている。
下駒22には、下駒22をその厚さ方向に貫通する貫通孔22aが形成されており、貫通孔22aは、キャビティ23内を外部に開口している。
この貫通孔22aは、ゴム材料液をキャビティ23内に移送するための通路である。
なお、金型装置1は上記構成要素の他にも、図示しないが、下駒22内にゴム材料液を投入するための投入ノズルを有している。
次に、上記金型本体を備えた金型装置を用いて軸付ゴムローラを製造する方法の一例について説明する。
図3に、本実施形態における金型装置の構成を説明する図を示す。
図3において、1は金型装置、30は金型本体、31は内部金型、32は外部金型、40は熱盤である。
図3に、本実施形態における金型装置の構成を説明する図を示す。
図3において、1は金型装置、30は金型本体、31は内部金型、32は外部金型、40は熱盤である。
軸付ゴムローラの製造に際し、まず、予め用意した芯金11に、上駒21および下駒22を取付ける。
これにより、芯金11は、キャビティ23と同軸であって、かつキャビティ23を鉛直方向に貫通した状態となる。
次いで、注入ノズルを下駒に設置した状態で、ゴム材料液を下駒の貫通孔をキャビティ内に、圧入により注入する。
注入されたゴム材料液は貫通孔22aを通過してキャビティ23内に注入される。
次いで、熱盤40により成形金型20を加熱する。すると、キャビティ23内のゴム材料液は加熱加硫されて硬化する。これにより、芯金11の周りにゴム材料からなるゴムローラ12が成形され、図1に示した軸付ゴムローラ10が得られる。
なお、製造された軸付ゴムローラ10の型抜きは、例えば、成形金型を冷却してゴム材料が収縮後に、金型本体30から上駒21を外し、その後、軸付ゴムローラ10を鉛直上方に抜くことによって実施可能である。
これにより、芯金11は、キャビティ23と同軸であって、かつキャビティ23を鉛直方向に貫通した状態となる。
次いで、注入ノズルを下駒に設置した状態で、ゴム材料液を下駒の貫通孔をキャビティ内に、圧入により注入する。
注入されたゴム材料液は貫通孔22aを通過してキャビティ23内に注入される。
次いで、熱盤40により成形金型20を加熱する。すると、キャビティ23内のゴム材料液は加熱加硫されて硬化する。これにより、芯金11の周りにゴム材料からなるゴムローラ12が成形され、図1に示した軸付ゴムローラ10が得られる。
なお、製造された軸付ゴムローラ10の型抜きは、例えば、成形金型を冷却してゴム材料が収縮後に、金型本体30から上駒21を外し、その後、軸付ゴムローラ10を鉛直上方に抜くことによって実施可能である。
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、ゴム材料を加熱硬化する工程において、金型本体30は内部金型31と外部金型32から構成される。
その際、外部金型の熱伝導率を内部金型の熱伝導率より大きくすることで、キャビティ面の温度の均一化を図ることが可能となる。
したがって、最終的に形成された軸付ゴムローラの真円度の形成への悪影響や外径フレを抑制し、安定した高精度な製造が可能となる。
なお、以上の実施形態によって、本発明は何ら限定されるものではない。
例えば、成形金型への材料の注入は、圧入だけでなく、真空引きでもよい。
また、金型本体も内部金型と外部金型を隙間バメとする場合は、内部金型と外部金型の間に熱伝導グリースを塗布することで熱伝導の効率を保つようにしてもよい。
また、内部金型と外部金型も金属材料以外にも、セラミックスや樹脂材料によって形成してもよい。
またゴム材料についても、液状シリコンゴムだけでなく、ポリウレタンなどを用いてもよい。
また、図2に示した形態では、キャビティ23が上駒21、下駒22、および金型本体30の3つの部材で構成されたものであったが、金型本体30と下駒22とを一部材として構成することもできる。
その際、外部金型の熱伝導率を内部金型の熱伝導率より大きくすることで、キャビティ面の温度の均一化を図ることが可能となる。
したがって、最終的に形成された軸付ゴムローラの真円度の形成への悪影響や外径フレを抑制し、安定した高精度な製造が可能となる。
なお、以上の実施形態によって、本発明は何ら限定されるものではない。
例えば、成形金型への材料の注入は、圧入だけでなく、真空引きでもよい。
また、金型本体も内部金型と外部金型を隙間バメとする場合は、内部金型と外部金型の間に熱伝導グリースを塗布することで熱伝導の効率を保つようにしてもよい。
また、内部金型と外部金型も金属材料以外にも、セラミックスや樹脂材料によって形成してもよい。
またゴム材料についても、液状シリコンゴムだけでなく、ポリウレタンなどを用いてもよい。
また、図2に示した形態では、キャビティ23が上駒21、下駒22、および金型本体30の3つの部材で構成されたものであったが、金型本体30と下駒22とを一部材として構成することもできる。
次に、本発明の実施例におけるゴムローラの製造方法について説明する。
本実施例においては、ゴムローラの製造に、上記実施例で説明した図2に示す成形金型及び図3に示す金型装置と、基本的に同じ構成のものを用い、肉厚3mmのシリコンゴムローラを成型した。
本実施例では、内部金型31がステンレス鋼で作製され、外部金型32を上記内部金型31よりも熱伝導率が大きいクロム銅で作製されたものを用いた。
また、内部金型31の外周と該外部金型32の内周は中間バメとして、十分に密着させて、熱伝達の効率を保つようにした。
また、本実施例では、内部金型と外部金型はパイプ型として、その厚みは等しくした。
本実施例においては、ゴムローラの製造に、上記実施例で説明した図2に示す成形金型及び図3に示す金型装置と、基本的に同じ構成のものを用い、肉厚3mmのシリコンゴムローラを成型した。
本実施例では、内部金型31がステンレス鋼で作製され、外部金型32を上記内部金型31よりも熱伝導率が大きいクロム銅で作製されたものを用いた。
また、内部金型31の外周と該外部金型32の内周は中間バメとして、十分に密着させて、熱伝達の効率を保つようにした。
また、本実施例では、内部金型と外部金型はパイプ型として、その厚みは等しくした。
本実施例では、つぎのような手順で上記シリコンゴムローラを成型した。
まず、円柱状の該キャビティの中央に、予め周囲に接着剤が塗布された芯金11を配置するように、金型本体30の両端開口部に設置する下駒22と上駒21で保持する。
これにより、該キャビティ23は密閉空間となる。次に、成形金型20を、該キャビティ23の軸方向に平行に分割される熱盤40にはさみ、固定する。
上記の状態で、上記キャビティ23の密閉空間へ下駒22に設けられた貫通孔22aを通過して、液状のシリコンゴムを注入する。
この際、ゴム材料は、注入前に十分混合されているものを用いた。注入圧は100kgf/cm2とした。
次に、上記成形金型20を熱盤40に入れた状態で加熱硬化させる。
本実施例では、120℃にて10分間加熱した。上記ゴム材料の硬化後に、成形金型20を熱盤40から取り出し、最後に成形金型20から軸方同にローラを抜き出して、軸付ゴムローラを得た。
このような成形金型20を用い上記方法で成形することにより、真円度が5μm以下のものを得ることができた。また外径フレのない高精度のゴムローラを安定して成形することができた。
まず、円柱状の該キャビティの中央に、予め周囲に接着剤が塗布された芯金11を配置するように、金型本体30の両端開口部に設置する下駒22と上駒21で保持する。
これにより、該キャビティ23は密閉空間となる。次に、成形金型20を、該キャビティ23の軸方向に平行に分割される熱盤40にはさみ、固定する。
上記の状態で、上記キャビティ23の密閉空間へ下駒22に設けられた貫通孔22aを通過して、液状のシリコンゴムを注入する。
この際、ゴム材料は、注入前に十分混合されているものを用いた。注入圧は100kgf/cm2とした。
次に、上記成形金型20を熱盤40に入れた状態で加熱硬化させる。
本実施例では、120℃にて10分間加熱した。上記ゴム材料の硬化後に、成形金型20を熱盤40から取り出し、最後に成形金型20から軸方同にローラを抜き出して、軸付ゴムローラを得た。
このような成形金型20を用い上記方法で成形することにより、真円度が5μm以下のものを得ることができた。また外径フレのない高精度のゴムローラを安定して成形することができた。
つぎに、上記実施例に対する比較例のゴムローラの製造方法ついて説明する。図4に、比較例における金型装置の構成を説明する図を示す。
図4において、50は比較例における金型本体である。
実施例で金型本体は内部金型31と外部金型32の2部材から構成されているのに対し、比較例では図4に示されるように1部材で構成されている。
本比較例では、この金型本体を実施例の内部金型と同じステンレス鋼で製作した。
上記以外の軸付ゴムローラの成形の方法等は、実施例と同様の方法で成形した。上記比較例のゴムローラの製造方法では、真円度が5μm以下のゴムローラを得ることができなかった。
図4において、50は比較例における金型本体である。
実施例で金型本体は内部金型31と外部金型32の2部材から構成されているのに対し、比較例では図4に示されるように1部材で構成されている。
本比較例では、この金型本体を実施例の内部金型と同じステンレス鋼で製作した。
上記以外の軸付ゴムローラの成形の方法等は、実施例と同様の方法で成形した。上記比較例のゴムローラの製造方法では、真円度が5μm以下のゴムローラを得ることができなかった。
1:金型装置
10:軸付発泡ゴムローラ
11:芯金
12:ゴムローラ
20:成形金型
21:上駒
22:下駒
22a:貫通孔
23:キャビティ
30:金型本体
31:内部金型
32:外部金型
40:熱盤
λa:内部金型の熱伝導率
λb:外部金型の熱伝導率
10:軸付発泡ゴムローラ
11:芯金
12:ゴムローラ
20:成形金型
21:上駒
22:下駒
22a:貫通孔
23:キャビティ
30:金型本体
31:内部金型
32:外部金型
40:熱盤
λa:内部金型の熱伝導率
λb:外部金型の熱伝導率
Claims (4)
- 芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型において、
前記金型本体が、キャビティを形成する内部金型と、該内部金型を外包する外部金型からなり、該外部金型が該内部金型の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有することを特徴とするゴムローラ成型金型。 - 前記内部金型の熱伝導率をλaとし、前記外部金型の熱伝導率をλbとするとき、つぎの関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴムローラ成型金型。
1<λa<100(W/mK)………(1)
100(W/mK)≦λb ………(2) - 前記内部金型と前記外部金型とは、中間バメまたは締りバメによって結合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴムローラ成型金型。
- 芯材と、該芯材の外周に円柱状のキャビティを有する金型本体と、該金型本体の両端部に設けられる金型本体内で前記芯材を保持する駒と、を有するゴムローラ成型金型を用い、前記芯材の外周に円柱状のゴムローラを製造するゴムローラの製造方法であって、
前記ゴムローラ成型金型として、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムローラ成型金型を用いて前記ゴムローラを製造することを特徴とするゴムローラの製造方法。
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JP2006087102A JP2007261000A (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | ゴムローラの成形金型、ゴムローラの製造方法 |
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Cited By (2)
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CN102939194A (zh) * | 2010-06-11 | 2013-02-20 | 东洋橡胶工业株式会社 | 橡胶成形体的制造方法和传递成形用模具 |
CN113524524A (zh) * | 2021-07-28 | 2021-10-22 | 佛山市南海区景辉金属制品有限公司 | 封堵气囊硫化设备 |
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2006
- 2006-03-28 JP JP2006087102A patent/JP2007261000A/ja active Pending
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