JP5304933B1 - ゴムロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯金の塑性変形を抑制する。
【解決手段】芯金の内部から金型内の液状のゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、を含む。
【選択図】図7
【解決手段】芯金の内部から金型内の液状のゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、を含む。
【選択図】図7
Description
本発明は、ゴムロールの製造方法に関する。
特許文献1には、製造装置のスリーブ内に円筒状コアを挿入し、該コア外周と該スリーブ内周との間に形成されるゴム層成形空間に液状ゴム原料を注入し加熱して該液状ゴム原料を硬化せしめ、該コアの周りにゴム層を形成してゴムロールを製造する場合、該コアの内部に電熱式パイプヒーターを挿入して加熱するゴムロールの製造方法が開示されている。
本発明は、芯金の塑性変形を抑制することを課題とする。
請求項1の発明は、円筒形状の芯金を同軸状に包囲する円筒形状の第1金型と、前記第1金型の軸方向両端部に装着され前記芯金を保持する一対の第2金型と、を備え、前記第1金型及び前記第2金型と前記芯金との間の空間又は前記第1金型と前記芯金との間の空間における前記芯金の径方向に沿った寸法が前記芯金の軸方向において部分的に異なる金型に対して、前記芯金を装着する装着工程と、前記一対の第2金型の少なくとも一方に設けた注入口により、前記空間へ液状のゴムを注入する注入工程と、前記芯金の内部から前記金型内の液状の前記ゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、を含み、前記注入工程は、前記芯金の軸方向中央側に配置され、製造されるゴムロールのロール部分を形成するための第1空間と、前記第1空間に対する前記軸方向の一端側及び他端側の少なくとも一方に配置されると共にOリングが装着され、前記軸方向に沿った長さが前記第1空間よりも短く且つ前記寸法が前記第1空間よりも大きい第2空間と、で構成された前記空間へ前記ゴムを注入し、前記固形化工程は、前記第2空間内の前記ゴムの膨張圧による前記芯金の塑性変形が生じない範囲で前記第2空間内の前記ゴムが膨張するように設定された前記第1の温度に、前記金型内の前記ゴムを加熱して固形状態にするゴムロールの製造方法である。
請求項2の発明は、円筒形状の芯金を同軸状に包囲しかつ円筒形状の被膜部材が内壁に装着される円筒形状の第1金型と、前記第1金型の軸方向両端部に装着され前記芯金及び前記皮膜部材を保持する一対の第2金型と、を備え、前記皮膜部材及び前記第2金型と前記芯金との間の空間又は前記皮膜部材と前記芯金との間の空間における前記芯金の径方向に沿った寸法が前記芯金の軸方向において部分的に異なる金型に対して、前記芯金を装着する装着工程と、前記一対の第2金型の少なくとも一方に設けた注入口により、前記空間へ液状のゴムを注入する注入工程と、前記芯金の内部から前記金型内の液状の前記ゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、を含み、前記注入工程は、前記芯金の軸方向中央側に配置され、製造されるゴムロールのロール部分を形成するための第1空間と、前記第1空間に対する前記軸方向の一端側及び他端側の少なくとも一方に配置されると共にOリングが装着され、前記軸方向に沿った長さが前記第1空間よりも短く且つ前記寸法が前記第1空間よりも大きい第2空間と、で構成された前記空間へ前記ゴムを注入し、前記固形化工程は、前記第2空間内の前記ゴムの膨張圧による前記芯金の塑性変形が生じない範囲で前記第2空間内の前記ゴムが膨張するように設定された前記第1の温度に、前記金型内の前記ゴムを加熱して固形状態にするゴムロールの製造方法である。
本発明の請求項1の製造方法によれば、本製造方法における固形化工程を含まない場合に比べ、芯金の塑性変形を抑制できる。
本発明の請求項2の製造方法によれば、本製造方法における固形化工程を含まない場合に比べ、芯金の塑性変形を抑制できる。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(ゴムロールの製造装置)
本実施形態に係るゴムロールの製造装置100は、図1〜図3に示されるように、芯金20が装着される金型10と、芯金20に接触して芯金20を加熱する加熱器50と、を備えている。金型10は、円筒形状の芯金20を同軸状に包囲する第1金型の一例としての円筒形金型12と、円筒形金型12の軸方向両端部に装着され芯金20を保持する第2金型(端部金型)の一例としての上金型14A及び下金型14B(以下、これらをまとめて上下金型14と称する)と、を備えている。
本実施形態に係るゴムロールの製造装置100は、図1〜図3に示されるように、芯金20が装着される金型10と、芯金20に接触して芯金20を加熱する加熱器50と、を備えている。金型10は、円筒形状の芯金20を同軸状に包囲する第1金型の一例としての円筒形金型12と、円筒形金型12の軸方向両端部に装着され芯金20を保持する第2金型(端部金型)の一例としての上金型14A及び下金型14B(以下、これらをまとめて上下金型14と称する)と、を備えている。
なお、上金型14A及び下金型14Bは、「上」、「下」を付した名称となっているが、金型10の使用方法としては、上金型14Aを上方に向けて金型10を使用する場合に限られるものではない。
芯金20は、その軸方向長さが円筒形金型12の軸方向長さもより長く、その外径が円筒形金型12の内径よりも小さくされた円筒形状とされている。芯金20は、金型10(下金型14B)に対して下方側から挿入されるようになっており、芯金20の肉厚は、0.2mm以上0.6mm以下とされている。
芯金20が金型10に対して装着された状態において、芯金20の軸方向両端部は、円筒形金型12の両端部から突出している。また、芯金20が金型10に対して装着された状態において、芯金20の外壁(外周面)20Aと円筒形金型12の内壁(内周面)12Aとの間に円筒状(環状)の空間S1(図3参照)が形成されている。この空間S1は、未加硫ゴム(熱硬化性の液状ゴム)が充填される充填空間となっている。
上金型14Aは、円柱状の上金型本体部15と、上金型本体部15の軸方向一端(上端)から軸方向外側(上方)へ向けて同軸に突出する円柱状の突出部16と、を有している。
上金型本体部15の径方向中央部には、円筒形金型12の軸方向一端部(上端部)が嵌め込まれる嵌込孔15Aが形成されている。すなわち、上金型本体部15は、嵌込孔15Aを内部に有する円筒形状に構成されている。
突出部16の径方向中央部には、芯金20の軸方向一端部(上端部)が嵌め込まれる嵌込孔16Aが形成されている。すなわち、突出部16は、嵌込孔16Aを内部に有する円筒形状に構成されている。嵌込孔16Aの孔径は、嵌込孔15Aの孔径よりも小さくなっている。また、嵌込孔16Aと嵌込孔15Aは連続して繋がっている。
上金型本体部15の嵌込孔15Aに対して円筒形金型12の軸方向一端部が嵌め込まれることにより、上金型14Aが円筒形金型12の軸方向一端部に装着されるようになっている。また、突出部16の嵌込孔16Aに対して芯金20の軸方向一端部が嵌め込まれることにより、上金型14Aが芯金20の軸方向一端部を保持するようになっている。
上金型本体部15は、嵌込孔15Aに対して円筒形金型12の軸方向一端部が嵌め込まれた状態において、一部が円筒形金型12の軸方向一端側の端面12Bに対向する(一部が端面12Bに突き当たる)対向面15Cを有している。この対向面15Cの内縁には、空間S1に充填した未加硫ゴムが外部に漏れ出さないようにするための上金型14Aと芯金20との間を封止する封止部材としてのOリング19が装着される溝部15D(図2参照)が形成されている。Oリング19は、円筒形金型12の上端と上金型14Aとの間を封止する封止部材としての機能も有している。
Oリング19が装着される溝部15Dが上金型14Aに形成されることによって、図4(A)に示されるように、芯金20の外壁20Aと上金型14Aの内壁(内周面)14AAとの間には、円筒状(環状)の空間S2が形成されている。この空間S2におけるOリング19が占有していない空間の一部が、空間S1と通じており、当該空間の一部に対して、空間S1に充填された未加硫ゴムの一部が入り込むことになる。また、空間S2における芯金20の径方向に沿った寸法L2(例えば、3mm以上4mm以下)は、空間S1における芯金20の径方向に沿った寸法L1(例えば、0.5mm以上0.7mm以下)よりも長くされている。したがって、空間S2におけるOリング19が占有していない空間に入り込んだ未加硫ゴムは、芯金20の径方向に沿った厚みが、空間S1に充填された未加硫ゴムの厚みよりも厚くなる。
下金型14Bは、図2及び図3に示されるように、円柱状の下金型本体部17を有している。下金型本体部17の径方向中央部における軸方向一端側(上端側)には、円筒形金型12の軸方向他端部(下端部)が嵌め込まれる嵌込孔17Aが形成されている。また、下金型本体部17の径方向中央部における軸方向他端側(下端側)には、芯金20の軸方向他端部(下端部)が嵌め込まれる嵌込孔17Bが形成されている。そして、嵌込孔17Aと嵌込孔17Bは、貫通孔により繋がっている。すなわち、下金型本体部17は、嵌込孔17A及び嵌込孔17Bを内部に有する円筒形状に構成されている。
下金型本体部17の嵌込孔17Aに対して円筒形金型12の軸方向他端部が嵌め込まれることにより、下金型14Bが円筒形金型12の軸方向他端部に装着されるようになっている。また、下金型本体部17の嵌込孔17Bに対して芯金20の軸方向他端部が嵌め込まれることにより、下金型14Bが芯金20の軸方向他端部を保持するようになっている。
また、下金型本体部17は、嵌込孔17Aに対して円筒形金型12の軸方向他端部が嵌め込まれた状態において、円筒形金型12の軸方向他端側の端面12Cに対向する(後述の板部材27を端面12Cとで挟み込む)対向面17Cを有している。この対向面17Cの内縁には、下金型14Bと芯金20との間を封止する封止部材としてのOリング21が装着される溝部17D(図2参照)が形成されている。
Oリング21が装着される溝部17Dが下金型14Bに形成されることによって、図4(B)に示されるように、芯金20の外壁20Aと下金型14Bの内壁(内周面)14BAとの間に空間S3が形成されている。この空間S3におけるOリング21が占有していない空間の一部が、空間S1と通じており、当該空間の一部に対して、空間S1に充填された未加硫ゴムの一部が入り込むことになる。また、空間S3における芯金20の径方向に沿った寸法L3(例えば、3mm以上4mm以下)は、空間S1における芯金20の径方向に沿った寸法L1(例えば、0.5mm以上0.7mm以下)よりも長くされている。したがって、空間S3におけるOリング21が占有していない空間に入り込んだ未加硫ゴムは、径方向に沿った厚みが、空間S1に充填された未加硫ゴムの厚みよりも厚くなる。すなわち、金型10内に充填された未加硫ゴムは、空間S1、空間S2及び空間S3によって、芯金20の径方向に沿った厚みが芯金20の軸方向において部分的に異なることになる。なお、請求項1における「前記第1金型及び前記第2金型と前記芯金との間の空間」とは、本実施形態では、空間S2及び空間S3の少なくとも一方と、空間S1とによって構成される空間である。
さらに、下金型14Bの嵌込孔17Bにおける径方向外側には、未加硫ゴムを注入するための注入口18が形成されている。この注入口18は、上下金型14の円筒形金型12に対する装着状態において、芯金20の外壁20Aと円筒形金型12の内壁12Aとの間の空間(充填空間)S1内と通じるようになっている。また、下金型14Bには、注入口18を開閉可能な開閉部としてのシャッタ28が設けられている。
なお、金型10では、下金型本体部17の対向面17Cと、円筒形金型12の軸方向他端側の端面12Cとの間には、環状(リング状)の板部材27が挿入されている。板部材27は、注入口18から注入された未加硫ゴムを空間S1へ通過させる図示しない隙(溝)を有している。
加熱器50は、例えば、棒状の電熱式パイプヒーターで構成されている。加熱器50内には電熱線(図示せず)が挿入されており、電熱線には加熱器50の上端において電線50Aが結線されている。また、加熱器50には、加熱器50の温度を測定するための熱電対50Bが取付けられている。加熱器50では、熱電対50Bによって加熱器50の温度を測定し、未加硫ゴムの加熱温度を調整するようになっている。
(第1のゴムロールの製造方法)
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第1のゴムロールの製造方法について説明する。このゴムロールの製造方法では、まず、ゴムロールの製造装置100を準備する(準備工程)。
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第1のゴムロールの製造方法について説明する。このゴムロールの製造方法では、まず、ゴムロールの製造装置100を準備する(準備工程)。
次に、円筒形金型12及び上下金型14を有する金型10に対して、芯金20を装着する(装着工程)。具体的には、例えば、下金型14Bの嵌込孔17B側(下方)から芯金20を挿入して、芯金20を下金型14Bに対して装着し、その後、芯金20の上方から円筒形金型12及び上金型14Aをこの順で芯金20に対して被せて装着する。
次に、シャッタ28が開けられた状態において、注入口18から未加硫ゴム(液状ゴム)を予め決められた圧力で注入する(注入工程)。すると、未加硫ゴムは、芯金20と円筒形金型12との間の空間(充填空間)S1内に充填される。空間S1に充填された未加硫ゴムは、芯金20と上金型14Aとの間の空間S2におけるOリング19が占有していない空間及び、芯金20と下金型14Bとの間の空間S3におけるOリング21が占有していない空間にも入り込む。金型10への未加硫ゴムの注入が完了したら、シャッタ28を閉じる。
次に、芯金20の内部空間に加熱器50を挿入し、芯金20の内壁(内周面)20Cに加熱器50を接触させて芯金20をその内部から加熱する(加熱工程)。
加熱工程は、具体的には、未加硫ゴムを第1の温度(例えば、100℃〜160℃)に加熱して固形状態にする固形化工程と、当該固形化工程によって固形状態となった未加硫ゴムを第1の温度よりも高い第2の温度(例えば、190℃)で加熱して加硫する加硫工程と、を含んでいる。なお、本発明において、固形状態とは、未加硫ゴムが、液だれしない程度に固化している状態をいう。
このように、未加硫ゴムが加熱されることにより、未加硫ゴムが硬化する。未加硫ゴムが硬化され、加硫ゴム(弾性ゴム)となったら、上下金型14を円筒形金型12から取り外し、加硫ゴム(弾性ゴム)が形成された芯金20を金型10から取り出す。これにより、芯金20付きのゴムロールが製造される。なお、芯金20の軸方向一端部には、ギヤ(図示省略)を装着するための切欠23(図2参照)が形成されている。この切欠23にギヤ(図示省略)が装着されたゴムロールは、当該ギヤを通じて駆動モータから駆動力を受けて回転する駆動ロールとして用いられる。本ゴムロールを駆動ロールとして用いない場合は、切欠23(図2参照)は不要である。
(第2のゴムロールの製造方法)
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第2のゴムロールの製造方法について説明する。第1のゴムロールの製造方法では、被膜部材の一例としての円筒状の樹脂チューブ13が、円筒形金型12の内壁12Aに装着されていなかったが、第2のゴムロールの製造方法では、円筒形金型12の内壁12Aに樹脂チューブ13を装着する工程を含んでいる。
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第2のゴムロールの製造方法について説明する。第1のゴムロールの製造方法では、被膜部材の一例としての円筒状の樹脂チューブ13が、円筒形金型12の内壁12Aに装着されていなかったが、第2のゴムロールの製造方法では、円筒形金型12の内壁12Aに樹脂チューブ13を装着する工程を含んでいる。
具体的には、第2のゴムロールの製造方法では、まず、ゴムロールの製造装置100を準備する(準備工程)。
次に、円筒形金型12に対して樹脂チューブ13を装着する(チューブ装着工程)。チューブ装着工程では、例えば、まず、樹脂チューブ13の両端部が円筒形金型12の両端から突出するように、樹脂チューブ13を円筒形金型12に挿入する。そして、樹脂チューブ13の両端部における円筒形金型12の両端から突出した突出部分を円筒形金型12の両端の外壁(外周面)12Dに折り返すことにより、円筒形金型12に対して樹脂チューブ13が装着される。
次に、樹脂チューブ13が装着された円筒形金型12及び上下金型14を有する金型10に対して、芯金20を装着する(装着工程)。具体的には、例えば、下金型14Bの嵌込孔17B側(下方)から芯金20を挿入して、芯金20を下金型14Bに対して装着し、その後、樹脂チューブ13が装着された円筒形金型12及び上金型14Aを、この順で、芯金20の上方から芯金20に対して被せて装着する。
なお、本製造方法では、円筒形金型12に樹脂チューブ13が装着されることにより、未加硫ゴムが充填される空間(充填空間)S1は、芯金20の外壁20Aと樹脂チューブ13の内壁(内周面)13Aとの間に形成されることになる。
次に、シャッタ28が開けられた状態において、注入口18から未加硫ゴム(液状ゴム)を予め決められた圧力で注入する(注入工程)。すると、未加硫ゴムは、芯金20と樹脂チューブ13との間の空間(充填空間)S1内に充填される。空間S1に充填された未加硫ゴムは、芯金20と上金型14Aとの間の空間S2におけるOリング19が占有していない空間及び、芯金20と下金型14Bとの間の空間S3におけるOリング21が占有していない空間にも入り込む。金型10への未加硫ゴムの注入が完了したら、シャッタ28を閉じる。
次に、芯金20の内部空間に加熱器50を挿入し、芯金20の内壁(内周面)20Cに加熱器50を接触させて芯金20をその内部から加熱する(加熱工程)。
加熱工程は、具体的には、未加硫ゴムを第1の温度(例えば、100℃〜160℃)に加熱して固形状態にする固形化工程と、当該固形化工程によって固形状態となった未加硫ゴムを第1の温度よりも高い第2の温度(例えば、190℃)で加熱して加硫する加硫工程と、を含んでいる。
このように、未加硫ゴムが加熱されることにより、未加硫ゴムが硬化する。未加硫ゴムが硬化され、加硫ゴム(弾性ゴム)となったら、上下金型14を円筒形金型12から取り外し、加硫ゴム(弾性ゴム)が形成された芯金20を金型10から取り出す。このように、樹脂チューブ13が被覆された、芯金20付きのゴムロール(樹脂チューブ被覆ロール)が製造される。
(第1及び第2のゴムロールの製造方法の作用)
ゴムロールの製造装置100では、芯金20の肉厚を0.2mm以上とすることで芯金20の強度(剛性)を保ちつつ、芯金20の肉厚を0.6mm以下とすることで、未加硫ゴムに熱を伝わりやすくして未加硫ゴムの加熱効率を向上させている。
ゴムロールの製造装置100では、芯金20の肉厚を0.2mm以上とすることで芯金20の強度(剛性)を保ちつつ、芯金20の肉厚を0.6mm以下とすることで、未加硫ゴムに熱を伝わりやすくして未加硫ゴムの加熱効率を向上させている。
ここで、未加硫ゴムは、液状状態のほうが、固形状態よりも熱膨張係数が大きい。したがって、金型10内に充填された未加硫ゴムにおける芯金20の径方向に沿った厚みが芯金20の軸方向において部分的に厚い構成において、液状状態の未加硫ゴムを一気に高温(例えば、第2の温度(加硫温度))で加熱した比較例の場合では、未加硫ゴムが大きく膨張し、当該厚い部分において、芯金20の外壁20Aが大きく膨張した未加硫ゴムに押されて凹状に塑性変形する。特に、芯金20の肉厚が0.2mm以上0.6mm以下と薄いため、芯金20の外壁20Aが凹状に塑性変形しやすい。
これに対して、第1及び第2のゴムロールの製造方法に係る加熱工程では、未加硫ゴムを第1の温度(例えば、100℃〜160℃)に加熱して固形状態にし、当該固形状態となった未加硫ゴムを第1の温度よりも高い第2の温度(例えば、190℃)で加熱して加硫する。つまり、第2の温度での加硫工程において、未加硫ゴムは、液状状態よりも熱膨張係数が小さい固形状態になっているため、膨張は小さい。
このため、本実施形態における固形化工程を含まない場合に比べ(例えば、第2の温度のみで芯金20を加熱する場合に比べ)、芯金20の塑性変形が抑制される。これにより、製造された芯金20付きのゴムロールにおける芯金20が、良好に軸受で支持され、ゴムロールの回転不良が抑制される。
また、芯金20が塑性変形しないように第1の温度のみで芯金20を加熱する場合に比べ、芯金20の加熱時間が短縮される。これにより、ゴムロールの製造時間の短縮、省エネルギーが図れる。
<実施例>
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第1のゴムロールの製造方法における実施例及び比較例について、図7に示す表を参照して説明する。以下の実施例では、芯金20の厚み及び芯金20の加熱温度を替えて、評価を行った。評価は、具体的には、(1)芯金20に塑性変形が発生するか否か、(2)製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下であるか否かによって行った。当該(1)及び(2)の両方を満たすものは、「○」とし、当該(1)及び(2)の一方でも満たさないものを「×」とした。また、図7に示す表において、「ステップ加熱」とは、固形化工程および加硫工程によって加熱することをいう。
次に、前述のゴムロールの製造装置100を用いた第1のゴムロールの製造方法における実施例及び比較例について、図7に示す表を参照して説明する。以下の実施例では、芯金20の厚み及び芯金20の加熱温度を替えて、評価を行った。評価は、具体的には、(1)芯金20に塑性変形が発生するか否か、(2)製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下であるか否かによって行った。当該(1)及び(2)の両方を満たすものは、「○」とし、当該(1)及び(2)の一方でも満たさないものを「×」とした。また、図7に示す表において、「ステップ加熱」とは、固形化工程および加硫工程によって加熱することをいう。
なお、以下の実施例により、本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、厚さ0.5mm、外径25.0mmの鉄製(機械構造用炭素鋼鋼管STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。また、実施例1では、内径26.2mmの鉄製(材質:S55C)の円筒形金型12と、鉄製(材質:S55C)上下金型14と、を有する金型10を用いた。さらに、実施例1では、未加硫ゴムとして、液状のゴム(材質:東レ・ダウコーニング社製:CF9378、CF9379)を用いた。また、空間S1の寸法L1は0.6mm、空間S2の寸法L2は、3.5mm、空間S3の寸法L3は、3.5mmである。
実施例1では、厚さ0.5mm、外径25.0mmの鉄製(機械構造用炭素鋼鋼管STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。また、実施例1では、内径26.2mmの鉄製(材質:S55C)の円筒形金型12と、鉄製(材質:S55C)上下金型14と、を有する金型10を用いた。さらに、実施例1では、未加硫ゴムとして、液状のゴム(材質:東レ・ダウコーニング社製:CF9378、CF9379)を用いた。また、空間S1の寸法L1は0.6mm、空間S2の寸法L2は、3.5mm、空間S3の寸法L3は、3.5mmである。
実施例1では、当該金型10に対して芯金20を装着する(装着工程)。次に、下金型14Bの注入口18から空間S1(空間S2、S3)に未加硫ゴムを注入した(注入工程)。
次に、芯金20に加熱器50を挿入して、円筒形金型12の表面温度が120℃(未加硫ゴムの温度が140℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して固形状態にした(固形化工程)。
次に、加熱器50によって、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫し(加硫工程)、ゴムロールを得た。このときの加熱時間は10分(600秒)、加熱に要したエネルギーは53Wであった。
実施例1によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(実施例2)
実施例2では、厚さ0.4mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例2では、厚さ0.4mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例2における固形化工程では、円筒形金型12の表面温度が100℃(未加硫ゴムの温度が120℃)となるように未加硫ゴムを6分加熱して固形状態にした。
実施例2における加硫工程では、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫した。このときの加熱時間は11分(660秒)、加熱に要したエネルギーは57Wであった。その他は、実施例1と同様である。
実施例2によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(実施例3)
実施例3では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例3では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例3における固形化工程では、円筒形金型12の表面温度が80℃(未加硫ゴムの温度が100℃)となるように未加硫ゴムを7分加熱して固形状態にした。
実施例3における加硫工程では、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫した。このときの加熱時間は12分(720秒)、加熱に要したエネルギーは64Wであった。その他は、実施例1と同様である。
実施例3によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(実施例4)
実施例4では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(ハイテンション鋼HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例4では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(ハイテンション鋼HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例4における固形化工程では、円筒形金型12の表面温度が120℃(未加硫ゴムの温度が140℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して固形状態にした。
実施例4における加硫工程では、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫した。このときの加熱時間は10分(600秒)、加熱に要したエネルギーは53Wであった。その他は、実施例1と同様である。
実施例4によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(実施例5)
実施例5では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例5では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例5における固形化工程では、円筒形金型12の表面温度が100℃(未加硫ゴムの温度が120℃)となるように未加硫ゴムを6分加熱して固形状態にした。
実施例5における加硫工程では、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫した。このときの加熱時間は11分(660秒)、加熱に要したエネルギーは57Wであった。その他は、実施例1と同様である。
実施例5によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(実施例6)
実施例6では、厚さ0.6mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例6では、厚さ0.6mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
実施例6における固形化工程では、円筒形金型12の表面温度が140℃(未加硫ゴムの温度が160℃)となるように未加硫ゴムを4分加熱して固形状態にした。
実施例6における加硫工程では、円筒形金型12の表面温度が170℃(未加硫ゴムの温度が190℃)となるように未加硫ゴムを5分加熱して加硫した。このときの加熱時間は9分(540秒)、加熱に要したエネルギーは50Wであった。その他は、実施例1と同様である。
実施例6によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)以下となった。従って、評価は、「○」である。
(比較例1)
比較例1では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例1では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例1では、円筒形金型12の表面温度が80℃(未加硫ゴムの温度が100℃)となるように未加硫ゴムを75分加熱して加硫し、ゴムロールを得た。このときの加熱時間は75分(4500秒)、加熱に要したエネルギーは319Wであった。その他は、実施例1と同様である。
比較例1によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。しかしながら、製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)を超えている。従って、評価は、「×」である。
(比較例2)
比較例2では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例2では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(STKM11A)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例2では、円筒形金型12の表面温度が60℃(未加硫ゴムの温度が80℃)となるように未加硫ゴムを250分加熱して加硫し、ゴムロールを得た。このときの加熱時間は250分(15000秒)、加熱に要したエネルギーは532Wであった。その他は、実施例1と同様である。
比較例2によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生しなかった。しかしながら、製造ライン上、加熱時間として許容できる時間(720秒)を超えている。従って、評価は、「×」である。
(比較例3)
比較例3では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例3では、厚さ0.3mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例3では、円筒形金型12の表面温度が140℃(未加硫ゴムの温度が160℃)となるように未加硫ゴムを10分加熱して加硫し、ゴムロールを得た。このときの加熱時間は10分(600秒)、加熱に要したエネルギーは51Wであった。その他は、実施例1と同様である。
比較例3によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生した。従って、評価は、「×」である。
(比較例4)
比較例4では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例4では、厚さ0.2mm、外径25.0mmの鉄製(HT590)であって、残留応力を除去するための熱処理を行った芯金20を用いた。
比較例4では、円筒形金型12の表面温度が140℃(未加硫ゴムの温度が160℃)となるように未加硫ゴムを8分加熱して加硫し、ゴムロールを得た。このときの加熱時間は8分(480秒)、加熱に要したエネルギーは41Wであった。その他は、実施例1と同様である。
比較例4によって得られたゴムロールでは、芯金20に塑性変形が発生した。従って、評価は、「×」である。
なお、上記の実施例1〜6及び比較例1〜4では、円筒形金型12に対して樹脂チューブ13を装着していない第1のゴムロールの製造方法における実施例及び比較例であったが、上記の実施例及び比較例を樹脂チューブ13が装着された円筒形金型12に対して適用したでも、同様の結果が得られるものである。
尚、芯金を中心に回転するゴムロールとして機能し得る肉厚0.1mmの鉄(STKM11A、HT590)製の芯金は、製造することができなかった。また、肉厚0.7mm以上の鉄(STKM11A、HT590)製の芯金は、ステップ加硫の有無にかかわらず、塑性変形は生じないが、加熱時間が増大するという問題がある。
(変形例に係る金型110)
次に、変形例に係る金型110の構成を説明する。ここでは、上記の金型10と異なる部分を説明し、金型10と同一機能を有する部分については、同一符号を付して、説明を適宜省略する。
次に、変形例に係る金型110の構成を説明する。ここでは、上記の金型10と異なる部分を説明し、金型10と同一機能を有する部分については、同一符号を付して、説明を適宜省略する。
上記の金型10は、芯金20の内周側に金型を有さない構成であった。これに対して、金型110は、図8及び図9に示されるように、円筒形金型12及び上下金型14に加えて、芯金20の内周側に配置される円筒形状の内周側金型112と、内周側金型112の上端部に取り付けられるナット114と、を備えている。
上金型14Aにおける嵌込孔15Aの上側部分には、芯金20の軸方向一端部(上端部)が嵌め込まれる嵌込孔16Aが、嵌込孔15Aと同軸に形成されている。上金型14Aにおける嵌込孔16Aの上側部分には、内周側金型112の軸方向一端部(上端部)が挿し通される通し孔116Aが、嵌込孔16Aと同軸に形成されている。
通し孔116A、嵌込孔16A及び嵌込孔15Aは、連続して繋がっており、上金型14Aを上下方向に貫通する貫通孔を構成している。嵌込孔16Aの孔径は、嵌込孔15Aの孔径よりも小さく、通し孔116Aの孔径は、嵌込孔16Aの孔径よりも小さくなっている。なお、嵌込孔16Aに嵌め込まれた状態の芯金20の内壁と通し孔116Aの内壁が同一面を構成するようになっている。
下金型14Bにおける嵌込孔17Aの下側部分には、芯金20の軸方向他端部(下端部)が嵌め込まれる嵌込孔17Bが、嵌込孔17Aと同軸に形成されている。下金型14Bにおける嵌込孔17Bの下側部分には、内周側金型112の軸方向他端部(下端部)が挿し通される通し孔117Aが、嵌込孔17Bと同軸に形成されている。下金型14Bにおける通し孔117Aの下側部分には、内周側金型112の後述のフランジ部112Aに対応して、下側に行くにつれて徐々に拡径された拡径孔117Bが、通し孔117Aと同軸に形成されている。
嵌込孔17A、嵌込孔17B、通し孔117A及び拡径孔117Bは、連続して繋がっており、下金型14Bを上下方向に貫通する貫通孔を構成している。嵌込孔17Bの孔径は、嵌込孔17Aの孔径よりも小さく、通し孔117Aの孔径は、嵌込孔17Bの孔径よりも小さくなっている。なお、嵌込孔17Bに嵌め込まれた状態の芯金20の内壁と通し孔117Aの内壁が同一面を構成するようになっている。
内周側金型112の軸方向長さは、円筒形金型12の軸方向両端部を上下金型14に嵌めこんだ状態における円筒形金型12及び上下金型14を合わせた軸方向長さよりも長くされている。内周側金型112の肉厚は、芯金20の肉厚より厚く、例えば、1mm以上4mm以下とされている。
内周側金型112の軸方向一端部(下端部)には、径方向外側へ張り出したフランジ部112Aが形成されている。フランジ部112Aは、内周側金型112の軸方向一端(下端)にいくにつれて徐々に拡径されている。フランジ部112Aは、拡径孔117Bの内壁に突き当たるようになっている。内周側金型112の軸方向他端部(上端部)には、ナット114がねじ込まれるネジ部112Bが形成されている。
次に、金型10に替えて金型110を有するゴムロールの製造装置100を用いた場合の前述の第2のゴムロールの製造方法について、説明する。なお、前述の第2のゴムロールの製造方法と同一部分については、適宜説明を省略する。
本第2のゴムロールの製造方法では、まず、金型110を有するゴムロールの製造装置100を準備する(準備工程)。次に、円筒形金型12に対して樹脂チューブ13を装着する(チューブ装着工程)。
次に、樹脂チューブ13が装着された円筒形金型12を有する金型110に対して、芯金20を装着する(装着工程)本装着工程は、具体的には、例えば、以下のように行われる。
まず、樹脂チューブ13が装着された円筒形金型12に対して、芯金20の軸方向両端部が円筒形金型12の両端部から突出するように、芯金20を挿入する。次に、円筒形金型12及び芯金20の軸方向両端部に対して、上下金型14を装着する。次に、下金型14Bから内周側金型112を挿入し、内周側金型112のフランジ部112Aを下金型14Bの拡径孔117Bの内壁に突き当てた状態において、内周側金型112のネジ部112Bに対してナット114をねじ込む。これにより、円筒形金型12及び上下金型14が、内周側金型112のフランジ部112Aとナット114とによって、上下に締め付けられる。このように、金型110における型締めがなされる。また、内周側金型112は、芯金20をその内周側から支持し、芯金20の変形を抑制する機能も有している。
次に、シャッタ28が開けられた状態において、注入口18から未加硫ゴム(液状ゴム)を予め決められた圧力で注入する(注入工程)次に、内周側金型112の内部空間に加熱器50を挿入し、内周側金型112の内壁(内周面)112Cに加熱器50を接触させて芯金20をその内部から加熱する(加熱工程)。
加熱工程は、具体的には、未加硫ゴムを第1の温度(例えば、100℃〜160℃)に加熱して固形状態にする固形化工程と、当該固形化工程によって固形状態となった未加硫ゴムを第1の温度よりも高い第2の温度(例えば、190℃)で加熱して加硫する加硫工程と、を含んでいる。
このように、未加硫ゴムが加熱されることにより、未加硫ゴムが硬化して、加硫ゴム(弾性ゴム)となる。加硫ゴム(弾性ゴム)が形成された芯金20を金型110から取り出すことで、樹脂チューブ13が被覆された、芯金20付きのゴムロール(樹脂チューブ被覆ロール)が製造される。なお、金型110を有するゴムロールの製造装置100は、前述の第1のゴムロールの製造方法に用いても良い。
(他の変形例)
本実施形態では、芯金20と上下金型14との間の空間S2、S3と、芯金20と円筒形金型12との間の空間S1とによって、未加硫ゴムが充填される充填空間における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なるようになっていたが、芯金20と円筒形金型12との間の空間S1自体における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なることで、未加硫ゴムが充填される充填空間における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なる構成であってもよい。
本実施形態では、芯金20と上下金型14との間の空間S2、S3と、芯金20と円筒形金型12との間の空間S1とによって、未加硫ゴムが充填される充填空間における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なるようになっていたが、芯金20と円筒形金型12との間の空間S1自体における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なることで、未加硫ゴムが充填される充填空間における芯金20の径方向に沿った寸法が芯金20の軸方向において部分的に異なる構成であってもよい。
空間S2、S3は、Oリング19、21を配置するための空間となっていたが、他の目的に形成される空間であってもよい。例えば、製造されたゴムロールが金型10から脱落しないようにするための抜け止めを目的に空間を形成する場合であってもよい。
本実施形態では、下金型14Bに注入口18が形成されていたが、下金型14Bの注入口18に替えて又は加えて、上金型14Aに注入口が形成される構成であってもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
12 円筒形金型(第1金型の一例)
13 樹脂チューブ(皮膜部材の一例)
14A 上金型(第2金型の一例)
14B 下金型(第2金型の一例)
18 注入口
20 芯金
50 加熱器
13 樹脂チューブ(皮膜部材の一例)
14A 上金型(第2金型の一例)
14B 下金型(第2金型の一例)
18 注入口
20 芯金
50 加熱器
Claims (2)
- 円筒形状の芯金を同軸状に包囲する円筒形状の第1金型と、前記第1金型の軸方向両端部に装着され前記芯金を保持する一対の第2金型と、を備え、前記第1金型及び前記第2金型と前記芯金との間の空間又は前記第1金型と前記芯金との間の空間における前記芯金の径方向に沿った寸法が前記芯金の軸方向において部分的に異なる金型に対して、前記芯金を装着する装着工程と、
前記一対の第2金型の少なくとも一方に設けた注入口により、前記空間へ液状のゴムを注入する注入工程と、
前記芯金の内部から前記金型内の液状の前記ゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、
前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、
を含み、
前記注入工程は、
前記芯金の軸方向中央側に配置され、製造されるゴムロールのロール部分を形成するための第1空間と、
前記第1空間に対する前記軸方向の一端側及び他端側の少なくとも一方に配置されると共にOリングが装着され、前記軸方向に沿った長さが前記第1空間よりも短く且つ前記寸法が前記第1空間よりも大きい第2空間と、
で構成された前記空間へ前記ゴムを注入し、
前記固形化工程は、
前記第2空間内の前記ゴムの膨張圧による前記芯金の塑性変形が生じない範囲で前記第2空間内の前記ゴムが膨張するように設定された前記第1の温度に、前記金型内の前記ゴムを加熱して固形状態にする
ゴムロールの製造方法。 - 円筒形状の芯金を同軸状に包囲しかつ円筒形状の被膜部材が内壁に装着される円筒形状の第1金型と、前記第1金型の軸方向両端部に装着され前記芯金及び前記皮膜部材を保持する一対の第2金型と、を備え、前記皮膜部材及び前記第2金型と前記芯金との間の空間又は前記皮膜部材と前記芯金との間の空間における前記芯金の径方向に沿った寸法が前記芯金の軸方向において部分的に異なる金型に対して、前記芯金を装着する装着工程と、
前記一対の第2金型の少なくとも一方に設けた注入口により、前記空間へ液状のゴムを注入する注入工程と、
前記芯金の内部から前記金型内の液状の前記ゴムを第1の温度に加熱して固形状態にする固形化工程と、
前記芯金の内部から固形状態になった前記ゴムを前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して加硫する加硫工程と、
を含み、
前記注入工程は、
前記芯金の軸方向中央側に配置され、製造されるゴムロールのロール部分を形成するための第1空間と、
前記第1空間に対する前記軸方向の一端側及び他端側の少なくとも一方に配置されると共にOリングが装着され、前記軸方向に沿った長さが前記第1空間よりも短く且つ前記寸法が前記第1空間よりも大きい第2空間と、
で構成された前記空間へ前記ゴムを注入し、
前記固形化工程は、
前記第2空間内の前記ゴムの膨張圧による前記芯金の塑性変形が生じない範囲で前記第2空間内の前記ゴムが膨張するように設定された前記第1の温度に、前記金型内の前記ゴムを加熱して固形状態にする
ゴムロールの製造方法。
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