以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明の複数の実施形態それぞれにおいては、本発明を遊技台の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明している。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「スイカ」等:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110乃至112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110乃至112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せが表示されることになる。なお、本実施形態および他の実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように、5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは、さらに2本の斜めの入賞ラインを加えた5つの入賞ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。
メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダルを投入できるように構成されているため、メダル投入枚数表示ランプ125として、3つの表示ランプが縦に並んで配置されており、メダルが1枚投入される毎に例えば下側から順次点灯されるようになっている。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示してもよい。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の通常ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン131および132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132(いわゆるワンベットボタン)とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより、遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有している。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクター(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合には、メダルキャンセルスイッチ134aを操作することにより、メダルの詰まりを解消させることができる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110乃至112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン(左・中・右)が設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110乃至112を停止させるボタン型のスイッチである。各ストップボタンの内部には後述の図4に示すランプ(発光体652)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になった際に、全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは、各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。ストップボタンユニット136は、本実施形態の特徴的な構成要素であるので、詳しい構成は後述する。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。タイトルパネル140は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。受皿160は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下、受皿ランプ160と呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、及び下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
上部ランプ150の近傍の左右にスピーカの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカからの効果音を出力するための音孔が設けられている。この背面スピーカの音孔には、装飾が施されたスピーカカバー173が装着され、スピーカ音孔からカバー173を介して遊技の効果音が出力される。
液晶表示装置(LCD)180は、遊技に関する各種の情報を表示することができる(例えば、ゲームを盛り上げるためのキャラクタ等を登場させたり、リーチ目等を表示させたり、スロットマシンの内部で異常が発生したときのエラーの内容を表示させたりする)。もちろん、液晶表示装置180のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いてもよい。
<主制御部>
次に、スロットマシン100の制御部の構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御情報(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部
と、から構成されているが、以下においては、ストップボタンユニット136の制御に関連する主制御部300について説明する。
図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、この主制御部300全体を制御するための演算処理装置であるCPU310と、このCPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスとを備えており、その他、以下に述べる構成を有している。
水晶発振器311は、所定周波数(例えば、12MHz)のクロックを発振する装置である。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzである場合に、分周後のクロックは例えば6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時問を決定、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310.のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよい。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入カインタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入カインタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口133の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、ストップボタンユニット136の各々のストップボタン(左・中・右)に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン131及び132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を、例えば電気信号レベル変化(Hレベル/Lレベル)として検出する。例えば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。
精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310のアドレスバスには、入カインタフェース361、出カインタフェース370及び371がアドレスデコード回路350を介して接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入カインタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールの回転を、例えば電気信号レベル変化(Hレベル/Lレベル)として検出する。例えば、各リールには遮光片が設けられており、各リールの回転に応じて遮光片がインデックスセンサ325を通過するたびに、インデックスセンサ325の出力はHレベルになる。CPU310は、このHレベルの出力信号を検出すると、各リールが1回転したものと判断し、各リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出カインタフェース370には、各リールを回転駆動させるためのリールモータ駆動部330、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル排出口165から払出すための装置。図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124、ストップボタンユニット136のランプ等)、および7セグメント表示器341(払出枚数表示器126、遊技回数表示器127、貯留枚数表示器128等)がそれぞれ接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタとを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部にコマンドを送信するための出カインタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部へコマンドを送信するが、副制御部から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<遊技の基本的制御>
図3は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS10では、メダル投入に関する処理を行い、メダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入の規定枚数を設定する。
ステップS20では、遊技のスタート操作受付に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行う。
ステップS30では、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS40では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS50では、ステップS40の処理により取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。ここで、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナスゲームに移行する絵柄として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる絵柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本実施形態における「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスヘの入賞が含まれる。
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)毎に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理(演出抽選など)でも採用される。
ステップS60では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS70では、ストップボタンユニット136に設けられた左・中・右ストップボタンの受け付けが可能になり、何れかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させる。リールの停止制御は、ストップボタンの操作タイミングに基づき、ステップS50の内部抽選結果に応じて実行され、例えば、ROM312に内部抽選結果に応じた複数種類のリール停止制御テーブルを格納しておき、これを参照することで停止制御を行う。なお、副制御部にはストップボタンの停止位置を示す停止位置コマンドを送信する。
ステップS80では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。なお、副制御部には入賞判定結果の情報が含まれる入賞コマンドが送信される。
ステップS90では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS100では遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BBやRBのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するBBやRBを開始できるよう準備し、ボーナスゲーム(BB,RB)の最終遊技においては、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後、ステップS10へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<ストップボタンユニット>
次に、図4乃至図8を用いて、ストップボタンユニット136の構成を説明する。ここで、図4は、ストップボタンユニット136の分解斜視図であり、図5(a)は、図4におけるA−A断面図、図5(b)は、ストップボタンを遊技者の方向(図5(a)のB方向)から見たときの明るさを示す図である。また、図6は、ストップボタンユニット136を構成するボタンヘッド610の外観図、図7は、ボタンヘッド610のレンズカットを示す図、図8は、ストップボタンユニット136を構成するボタンベース620の外観図である。
ストップボタンユニット136は、図4に示すように、ボタンヘッド610、ボタンベース620、戻りバネ630、本体ケース640、ストップボタン基板650、及び基板ケース660から構成されている。なお、ストップボタンユニット136は、3つのストップボタンを収容可能としているので、ボタンヘッド610、ボタンベース620、及び戻りバネ630は、それぞれ3つ存在する。
ボタンヘッド610は、透光性のある樹脂で構成されており、ボタンベース620と嵌合可能に形成され、一体化してストップボタン600を構成している。詳しくは、図6に示すように、ボタンヘッド610は、スロットマシン100の前面に表出し、遊技者によりスイッチ操作される部位である底面部611(以下、遊技者に操作される表面を底面部611a、裏面を底面部611bといい、両面を指し示すときには底面部611という。)と、ボタンベース620と嵌合する部位である側面部612から蓋状に構成されている。側面部612の対向する位置に設けられた2つの嵌合孔613は、角が丸くなった細長い矩形状に形成され、ボタンヘッド610とボタンベース620を一体化させ、圧入するときに嵌合孔613にかかる力を和らげるようになっている。また、リールの停止操作によりボタンヘッド610は頻繁に衝撃を受けるが、嵌合孔613を角が丸くなった細長い矩形状に形成しているため、耐久性にも優れることとなる。
従来においては、図6(e)に示すような角張った矩形状の嵌合孔が一般的であったため、ストップボタン組立(ボタンヘッドとボタンベースの組立)の際、又はストップボタン押下時には、嵌合孔の角から亀裂が入るといった問題が生じていたが、本実施形態においては、角が丸い形状をしているため、このような生産性及び耐久性の問題はクリアされるものである。ここで、本実施形態では、嵌合孔613の形状を角を丸くした細長い矩形状としているが、角がR形状で構成されていれば、上記形状には限定されず、例えば、円形や楕円形の嵌合孔613であってもよい。なお、嵌合孔613は、後述するボタンベース620の結合リブ623と嵌合するようになっている。
また、ボタンヘッド610の側面部612の内側には、非等間隔に3つの嵌合溝614が設けられており、ボタンベース620と嵌合する際の回転止め機能を有している。本実施形態では、ボタンヘッド610には上下の区別があるので、非等間隔に嵌合溝614を形成したものであるが(嵌合溝614の位置から上下が判別でき、上下を間違えずに組立することができる)、数は3つに限定されるものではない(数が多いほど回転止めする力が強くなる)。なお、嵌合溝614は、後述するボタンベース620の回転止めリブ624と嵌合するようになっている。
本実施形態では、底面部611b(図6(c)参照)にレンズカットが施されている。このため、遊技者からストップボタン600を見たときには(図5(a)のB方向)、このレンズカットが透けて見えるようになっている(図6(a)参照)。これは、従来においては、ストップボタンと光拡散フィルムの2つで構成されていた部位を一体成形したものであり、このような構成の採用により、コストダウンが図れるとともに、従来、光拡散フィルムとバネの接触により生じていた粉等が発光体を覆い、発光体の明るさを減少させていた原因を取り除くことができるものである。つまり、本実施形態では、図5(a)に示すように、戻りバネ630は、発光体652が設けられている筒の外側に配置されているので、たとえ、戻りバネ630と、ボタンベース620や本体ケース640が当接して粉等が生じたとしても、発光体652には降りかかるおそれはなく、明るさに影響はないものである。また、粉等はボタンヘッド610のレンズカットにも付着しない。
ここで、底面部611bに施されたレンズカットについて説明する。底面部611bに施されたレンズカットは、発光体652から発光された光を発散させて、光学的に明るくする機能と、発光体652からの光をレンズカットを透過させて遊技者に出力することで、光源とは異なる発光態様を遊技者に観察させ、視覚的に楽しませる機能との双方を有している。図7は、図6(c)の底面図を拡大して、レンズカットの形状を詳しく示したものである(図5(a)のC方向、すなわち発光体652の方向から観察したレンズカットの形状を示している)。なお、図7に示すレンズカットの形状は一例であり、上述した機能を有するのであれば、この形状に限定されるものではない。
レンズカットは、底面部611bの表面に凹凸形状を形成し、略扇形で形成されたA部と、A部とA部との間に形成された細長い三角形状のB部と、中心部に設けられた五角錐のC部とを備えている。A部は、断面図に示すように、断面が略三角形状のレンズを複数並列に配置して構成され、レンズの稜線は5つの区画毎に異なる方向に配置されている。B部は、底面図及び断面図に示すように、同一の四角錐を隙間なく複数配置して構成されている。なお、A部及びB部のいずれも凹凸のある形状をしているが、C部の五角錐の高さに比して、A部及びB部の高さは低く統一されているため、A部及びB部は、全体的には略平坦状を形成している。
ボタンベース620は、中空体を形成し(図5(a)参照)、詳しくは、図8に示すように、鍔部620aより上(ボタンヘッド610側)に形成されたボタンベース上部621と、鍔部620aより下(ストップボタン基板650側)に形成されたボタンベース下部622とで構成されている。ボタンベース上部621は、外側面から突出した結合リブ623及び回転止めリブ624を具備し、結合リブ623は、ボタンヘッド610の嵌合孔613と嵌合し、回転止めリブ624は、ボタンヘッド610の嵌合溝614と嵌合するようになっている。なお、ボタンベース上部621の側壁は厚さが薄く形成されているので(例えば、0.4mm程度)、ボタンヘッド610とボタンベース620の嵌合時には、ボタンベース上部621の側壁が撓みやすく、嵌合孔613の負荷を軽減でき、一体化が容易であるとともに、遊技者から見て(図5(a)のB方向)、ボタンヘッド610の底面部611側に透ける面積Sを少なくでき、美観が損なわれない。
ボタンベース上部621及びボタンベース下部622の内側面は、図5(a)に示すように、下方に細くなる漏斗状を形成するとともに、材料の色が白く、光が跳ね返りやすい形状をしているので、ボタンヘッド610の底面部611bで反射された光を再度ボタンヘッド610側に反射しやすくなっている。
ボタンベース下部622の外側面には、本体ケース部640の凹部643に係止するための係止フック625が設けられており、ボタンベース下部622の内側面には、検知片626が下方(図5(a)のB方向)に突出して設けられている。このため、ストップボタン600は、本体ケース640の凹部643内を操作方向(図5(a)のB方向及びC方向)に所定の範囲内で移動可能となっている。そして、ストップボタン600が押下されたときには、検知片626が後述する検知センサ653に検知される位置まで下方に移動するようになっている。
また、ボタンベース下部622の側面の内側には、円筒627が側面に固定されて設けられており、円筒627の外側には戻りバネ630が配置される(図5(a)参照)。
戻りバネ630は、ストップボタン600とも本体ケース640の凹部643に収容される。ストップボタン610を押下した後、手を離すと、戻りバネ620の弾性力によって、ストップボタン610を再び非操作位置に戻すことができるようになっている。
本体ケース640は、前面扉101に位置決めされ、外部に表出する鍔部641と、筐体内部に装着されるホルダー部642とで構成され、ストップボタン600を収容できる形状に形成された凹部643を3つ備えている。
ストップボタン基板650は、本体ケース640のホルダー部642下方(ボタンヘッド610が位置する側とは反対の側)に装着されており、基板651上に、LEDなどの発光体652、検知センサ653、基板ハーネスコネクタ654の他、図示しない必要な抵抗、コンデンサ等の電子部品を実装している。
発光体652は、各ストップボタン610の位置に合わせて3つ配置され、図5(a)に示すように、ボタンヘッド610の底面部611の中心延長上で発光するようになっている。本実施形態においては、図4及び図5(a)に示すように、発光体652の発光部(発光ダイオードの発光部)を基板651に隣接させて設置している。これは、従来においては、光拡散フィルムに光源を近づけるため、治具を用いて発光ダイオードの足を長くした状態で発光体を基板に取り付けたので(発光ダイオードの足の長さ分、基板から浮いて固定されている)、この発光ダイオードの足の長さのため、停止操作による衝撃に弱く、基板から発光体652が離れ、接触不良になるという不具合が生じる場合があったが、本実施形態においては、発光体652の発光部を基板651に隣接させているので、このような問題は解消され、耐久性に優れた構造となっている。また、本実施形態においては、治具も必要なく、発光体652を容易に基板651に取り付けることができるため、生産性が高いという効果も有している。
図5(a)に示すように、ストップボタンユニット136内の発光体652から発光された光は、ボタンヘッド610の底面部611を透過して遊技者の目に届くようになっているが、底面部611bには上述したようなレンズカットが施されているので、光源とは異なる発光態様で遊技者を楽しませることができる。すなわち、単一の光源を用いても、複数の光源が所定の態様で発光しているように見せることができる。
図5(b)は、ストップボタン600を遊技者の方向(図5(a)のB方向)から見たとき、底面部610のうち、明るく見える部分P1を示している。図5(b)に示すように、レンズカットは、光を外側に発散させて底面部611に照射するので、明るく見える部分P1の直径は、発光体652が配置された本体ケース640の筒径dよりも大きくなっている。
なお、発光体652近傍の基板651上には、白く塗られた反射板655を設けているので、発光体652の光を反射して、ヘッドボタン610の底面部611により多くの光を照射するようになっている。
検知センサ653は、発光素子と受光素子からなり、ストップボタン610押下時に後方に移動する検知片626が、検知センサ653の発光素子と受光素子のあいだG1に挿入されることにより、遮光を検知するようになっている。これにより、ストップボタン600の停止操作が検知される。基板ハーネスコネクタ654には、ハーネス(接続ケーブル)656が接続され、ハーネスの他端は、主制御部300の基板に接続されている。この結果、検知センサ653の検知信号は主制御部300に出力されるようになっている。尚、基板651には、取付ネジ661が貫通する貫通孔657が設けられている。
基板ケース660は、本体ケース640とともに、ストップボタン基板650をストップボタンユニット136内に収納して、保護するようになっている。基板ケース660には、取付ネジ661を貫通させる貫通孔662が設けられ、本体ケース640と基板ケース660は、取付ネジ661により固定される。
以上述べたように、本実施形態のストップボタンユニット136によれば、ボタンヘッド610とボタンベース620を嵌合させる嵌合孔613の形状を角が丸くなった細長い矩形状としているので、ボタンヘッド610とボタンベース620を一体化させるときの圧入するときに嵌合孔613にかかる力を和らげることができ、生産性に優れるとともに、リールの停止操作によりボタンヘッド610が頻繁に衝撃を受けるが、嵌合孔613を角が丸くなった細長い矩形状に形成しているため、耐久性にも優れることとなる。
また、ボタンヘッド610の底面部611bにレンズカットを施しているので、ストップボタンと光拡散フィルムを一体化することができ、コストダウンを図ることができるとともに、興趣ある発光態様で遊技者を視覚的に楽しませることができる。また、発光体652の発光部を基板651に隣接して設置しているので、衝撃に強く、発光体652が基板651から離れ難いとともに、生産性を高くすることができる。
さらには、戻りバネ630は、底面部610のレンズカットと当接することもなく、また、発光体652が配置された筒の外側に配置されているので、発光体652の明るさに悪影響を及ぼすことはないという効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、ボタンヘッド610側に嵌合孔を設け、ボタンベース620側に結合リブを設ける構成としたが、ストップボタン600はボタンヘッド610とボタンベース620が嵌合可能であればよいので、この逆の構成、すなわち、ボタンヘッド610側に結合リブを設け、ボタンベース620側に嵌合孔を設ける構成としてもよい。
(第2実施形態)
図9(a)は、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンにおけるストップボタンユニット136Aの断面図である。図9(a)は、第1実施形態における図5(a)の断面図に相当する図である。本実施形態においては、第1実施形態のストップボタンユニット136にレンズ670を追加した構成であり、その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、同一部位には同一符号を付して、その説明を省略する。
レンズ670は、ボタンヘッド610と発光体652の間に設置されており、発光体652から発光された光はレンズ670を介して、ボタンヘッド610の底面611に照射されるようになっている。ここで、レンズ670は、図9(b)に示すように、例えば、凹レンズのように、光を発散させるレンズとなっている。すなわち、本実施形態においては、レンズ670を透過させることによって、光がより広範にボタンヘッド610の底面611に届くようになっている。図9(c)は、遊技者の方向(図9(a)のB方向)からストップボタン600を見たときの明るさを示す図であるが、第1実施形態よりも光が広範にボタンヘッド610に照射されることを示している(図5(b)参照)。
なお、本実施形態においては、ボタンヘッド610には第1実施形態と同様に、レンズカットが施されているが、ボタンヘッド610にレンズカットを施さない構成を採用してもよい。また、第2実施形態の変形例としては、ボタンヘッド610に加えて、レンズ670にもレンズカットを施すようにしてもよい。例えば、図10(a)に示すように、ボタンヘッド610Aの底面部611bに図示するようなレンズカットを施すとともに、レンズ670Aの上面(ボタンヘッド610側の面)又は下面(発光体652側の面)に図示するようなレンズカットを施すと、ボタンヘッド610の底面部611bに施されたレンズカットとレンズ670Aに施されたレンズカットの稜線が直交するように配置されるので、複数の格子状に配置された点を明るく見ることができる。これはボタンヘッド610Aの底面部611bに施されたレンズカットと、レンズ670Aに施されたレンズカットの光学的作用により起こる現象であり、レンズの組合せにより、この他種々の異なる光学的作用を起こすことも可能である。勿論、レンズカットの形状は図10(a)に示す形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、断面が三角形のレンズを同心円状に配置したレンズカット(フレンネルレンズ)や三角錐や四角錐のレンズを隙間なく複数配置したレンズカット等を用いてもよい。
また、本実施形態では、ボタンヘッド610の底面部611bにレンズカットを施したが、レンズカットの代わりに、図10(b)に示すような、複数の丸みを帯びた突起物を設けてもよい。この場合にも、レンズカットと同様に、光源とは異なる発光態様で遊技者を楽しませることができる。なお、ボタンヘッド610の底面部611bに設けられる突起物の形状は、図10(b)に示すような円形に限定されず、他の形状であってもよく、また、複数の突起物の配置も図10(b)に示すような十字形に限定されず、他の配置であってもよい。
以上述べたように、本実施形態のストップボタンユニット136A及び本実施形態の変形例によれば、第1実施形態のストップボタンユニット136の構成に加えて、光を発散させるレンズ670を配置しているので、第1実施形態よりもボタンヘッド610全体を明るく照らすことができる。また、ボタンヘッド610又はレンズ670に様々なバリエーションのレンズカットを施すことが可能なので、その組合せにより、光源とは異なる様々な発光態様で遊技者を楽しませることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態においては、スロットマシン100のストップボタンユニットに対して本発明を適用したが、スロットマシンに設けられた他のスイッチ操作ユニット(例えば、ベットボタンなど)にも適用してもよいのは勿論である。
また、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、遊技球を用いるパチンコ遊技機や遊技球を用いたスロットマシン(パチロット若しくはパロットなどと呼ばれることがある)にも適用できるものである。
例えば、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を発射するための操作を受け付ける発射ハンドル装置(操作ノブ)と、発射ハンドル装置で受け付けた操作に基づいて、遊技球を遊技領域に向けて弾発する発射装置と、を備えるパチンコ遊技機が、上記実施形態で述べたスイッチ操作ユニットを具備してもよい。図11は、本発明が適用されるパチンコ遊技機700の外観斜視図である。
パチンコ遊技機700は、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備えており、始動入賞口(図示せず)に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置は、図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようになっている。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組み合わせ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。
また、パチンコ遊技機700は、図11に示すようなプッシュボタン710を備えており、遊技者が所定のタイミング時にプッシュボタン710を操作することで、遊技に関連した期待感演出が実行されるようになっている。ここで、プッシュボタン710は、上記実施形態で説明したスイッチ操作ユニットで構成されているので、パチンコ遊技機700においても本発明を適用することが可能である。