JP5507624B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
ところが、演出ボタンの操作に連動した演出は、演出ボタンが押下されたことに連動するだけであるため、面白みに欠ける。遊技者の様々な動きに連動して演出が行われれば、遊技の興趣性はより高まり、遊技者の遊技意欲の一層の向上が図れると考えられる。
特許文献1では、前枠の枠本体の右側縁部に3つの反射型のX方向フォトセンサが設置され、前枠の枠本体の上縁部に3つの反射型のY方向フォトセンサが設置され、遊技盤面上の表示装置にて行われる表示演出が、X方向フォトセンサおよびY方向フォトセンサによる検出に関連付けられている。
本発明は、物体の存在を検出する検出部が誤検知する事態の発生を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、枠部材150は、上皿153が遊技球でいっぱいになったときに、あふれた遊技球を一時的に溜めておくことが可能な下皿160を備えている。下皿160は上皿153よりも下側に位置する。本実施の形態では、上皿153と下皿160とを分離する構成を採用しており、上下皿一体とする構成を採用していない。このため、賞球としての遊技球をより多く溜めることが可能になる。
かかる上皿153および下皿160は、遊技者側に突出する皿ユニット167に形成されている。
なお、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
枠部材150は、遊技盤110を覆って遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。
なお、本実施の形態では、上述したモーションセンサ171〜176の位置はあくまで一例であり、その他の場所に設けてもよい。すなわち、より一般化して言えば、モーションセンサ171〜176は、パチンコ遊技機100の前方における物体の存在を検出可能ないかなる場所に設けてもよい。また、パチンコ遊技機100に設けるモーションセンサの数は6つには限らず、N個としてよい。ここで、Nは自然数である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)と、を備えている。なお、演出制御部300の回路構成については、後段(図27)で詳細に説明する。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161および演出キー162(以下、演出ボタン等と略記)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、画像/音響制御部310の回路構成については、後段(図27)で詳細に説明する。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROMには、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。画像/音響制御部310のCPUは、ROMに記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
また、画像/音響制御部310のROMには、演出に対する遊技者による動作入力が必要となるタイミングを示すデータが記憶されている。画像/音響制御部310のCPUは、ROMに記憶されたタイミングを示すデータに基づいて、モーションセンサ171〜176を制御するコマンドをランプ制御部320に送る。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、可動役物115の動作、およびモーションセンサ171〜176(図3ではモーションセンサ170と表記)の動作を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、ランプ制御部320の回路構成については、後段(図27)で詳細に説明する。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。さらに、モーションセンサ171〜176の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。ランプ制御部320のCPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。ランプ制御部320のCPUは、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図5を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このエンディングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAMに保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAMにセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、特別図柄抽選の抽選結果に応じて設定される動作モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この動作モードは、演出制御部300のRAMにセットされるモードフラグによって決定される。図20に示す例では、AモードからEモードまでの5種類のモードが設定され、各モードに対してモードフラグの値0〜4が割り当てられている。また、Bモードには確変図柄Aの大当たりが、Cモードには通常図柄Aの大当たりが、Dモードには確変図柄Bおよび通常図柄Bの大当たりが、Eモードには潜確図柄の大当たりおよび小当たりが、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。Aモードには何れの当たりも割り当てられていない。さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAMの設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAMに保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される動作モードに基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAMにセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAMの設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAMにセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、解析結果から得られたオープニング動作の内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAMにセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。この当たり演出を、オープニング演出とも呼ぶ。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、RAMの設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2402)。次に、演出制御部300は、エンディングコマンドの解析結果から得られたエンディング動作の内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2403)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAMにセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2404)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAMにおいて計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、RAMに保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等の操作があったか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
次に、図1に示したモーションセンサ171〜176から出力された検出信号に基づく処理について説明するが、まず、その前提として、演出制御ユニットのハードウェア構成とその動作、およびモーションセンサ171〜176の検知範囲とその検出信号のパターンに基づく領域の特定について説明しておく。
図27は、本実施形態の演出制御ユニットのハードウェア構成を示す図である。
図27に示す演出制御ユニット10は、図3に示した演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320に対応している。図示の例では、演出制御ユニット10は、演出制御基板10aとランプ制御基板10bとを接続して構成される。演出制御基板10aは、図3に示した演出制御部300および画像/音響制御部310の機能を実現する。ランプ制御基板10bは、図3に示したランプ制御部320の機能を実現する。
演出制御基板10aは、シスコンCPU11と接続され、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)32を備える。
次に、演出制御ユニット10の動作について説明する。
パチンコ遊技機100において遊技が行われると、主制御基板(遊技制御部200)から演出制御ユニット10の演出制御基板10aへ、遊技状態を示すコマンドが定期的に送信される。演出制御基板10aがこのコマンドを受信すると、まず、シスコンCPU11が、受信コマンドからパチンコ遊技機100の遊技状態の情報を取得し、大当たり遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態等の遊技状態に応じて、実行する演出を設定する。そして、シスコンCPU11(演出制御部300)は、設定した演出の実行を指示するコマンドを演出制御CPU13(画像/音響制御部310)およびランプ制御基板10bのランプ制御CPU24(ランプ制御部320)に送る。
VDP15は、演出制御CPU13の指示に基づいて、CGROM16から演出に用いる画像のデータを読み出す。そして、読み出したデータからビットマップ画像等の画像データを生成し、LCDI/F22を介してLCD28へ出力する。
音IC17は、演出制御CPU13の指示に基づいて、音データROM19から演出に用いる音声のデータを音データRAM18へ読み込む。そして、音データRAM18からデータを読み出し、音声駆動基板I/F23を介して音声駆動基板29へ出力する。音声駆動基板29は、演出制御基板10aから受信したデータをアナログ信号に変換してスピーカ156へ送信し、楽曲や効果音、音声等を出力させる。
また、ランプ制御CPU24は、演出制御CPU13からシスコンCPU11を介して受け取ったコマンドに基づいて、センサ基板31から電飾I/F26を介して送られたモーションセンサ171〜176からの検出信号を受信し、この検出信号から遊技盤110上の手が翳された座標を示す座標コマンドを生成し、シスコンCPU11を介して座標コマンドを演出制御CPU13に送信する。
図28は、図1に示したパチンコ遊技機100を正面から見たときのモーションセンサ171〜176の検知範囲を示した図である。
図28に示すように、本実施の形態では、遊技盤110上に3行3列の領域からなる仮想的な領域(以下、「仮想領域」という)を設定している。仮想領域では、左からX列目で上からY行目の領域の座標を(X,Y)とし、座標が(X,Y)である領域を領域(X,Y)と表記することとする(X=1、2、3、Y=1、2、3)。
また、以下では、モーションセンサ171〜176を、それぞれ、「センサS1」、「センサS2」、「センサS3」、「センサS4」、「センサS5」、「センサS6」とも表記するものとする。
そして、モーションセンサ171〜176から出力される検出信号の組み合わせに応じて、仮想領域における物体が存在する領域を特定する。すなわち、モーションセンサ171〜176のうちのある組み合わせからの検出信号がON信号であった場合に、その組み合わせに含まれるモーションセンサからの太い破線の全てが通過する領域を、仮想領域における物体が存在する領域として特定する。
また、センサS2、センサS3、センサS4およびセンサS6からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(2,1)を特定し、センサS1、センサS3およびセンサS5からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(2,2)を特定し、センサS3からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(2,3)を特定する。
さらに、センサS5およびセンサS6からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(3,1)を特定し、センサS2からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(3,2)を特定し、センサS1からの検出信号がON信号であり、他のセンサからの検出信号がON信号でなければ、仮想領域内の物体が存在する領域として領域(3,3)を特定する。
図示するように、この規則は、座標欄と、S1欄〜S6欄とを含む。座標欄には、各領域の座標が示されている。また、S1欄〜S6欄には、それぞれ、センサS1〜S6からの検出信号がON信号であることが「○」により、センサS1〜S6からの検出信号がON信号でないことが「×」により示されている。
次に、ランプ制御CPU24の動作を説明する。なお、この動作例では、モーションセンサ171〜176には常に電力が供給されており、物体がそれらの検知範囲内に存在すればいつでも検出信号が出力される状態にあるものとする。
図30は、ランプ制御CPU24によるセンサ処理の内容を示すフローチャートである。
ランプ制御CPU24は、予め設定された周期(10ミリ秒とする)にしたがって定期的にセンサ処理を実行する。また、ランプ制御CPU24は、演出に対する遊技者の動作入力が必要になった時点で演出制御CPU13が送信した座標検出開始コマンドを受信してから、演出に対する遊技者の動作入力が不要になった時点で演出制御CPU13が送信した座標検出終了コマンドを受信するまでの間、モーションセンサ171〜176から検出信号を受信する。そして、予め設定された周期(50ミリ秒とする)に従って定期的に、検出信号に基づいて物体が存在する領域の座標を示す座標コマンドを生成し、これをシスコンCPU11経由で演出制御CPU13に送信する処理を行う。さらに、ここでは、座標コマンドを送信するタイミングを計測するタイマを用意し、モーションセンサ171〜176のいずれかからの検出信号の受信を開始すると、タイマをスタートさせ、モーションセンサ171〜176のいずれかからの検出信号の受信を終了すると、タイマをリセットするものとする。
ステップ3002で座標検出フラグをONにした後、または座標検出開始コマンドを受信していない場合(ステップ3001でNo)、ランプ制御CPU24は、RAMに保持されている座標検出フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ3003)。座標検出フラグがOFFであれば(ステップ3003でNo)、座標検出が必要な演出中ではないので、そのまま処理を終了する。
一方、座標検出フラグがONである場合は(ステップ3003でYes)、座標検出が必要な演出中であるので、ランプ制御CPU24は、モーションセンサ171〜176のいずれかから検出信号を受信しているか否かを判断する(ステップ3004)。
ステップ3006でタイマをスタートさせた後、またはタイマ値Tが0より大きくなっている場合(ステップ3005でYes)、ランプ制御CPU24は、モーションセンサ171〜176のいずれかから受信した検出信号をRAMに記憶する(ステップ3007)。そして、RAMに記憶された検出信号に基づいて物体が存在する領域の座標を判定する座標判定処理を実行する(ステップ3008)。座標判定処理の詳細については後述する。
一方、座標検出終了コマンドを受信していない場合は(ステップ3011でNo)、座標検出が必要な演出が終了していないので、RAMに保持された座標検出フラグをOFFにすることなく、処理を終了する。
この座標判定処理において、ランプ制御CPU24は、まず、タイマ値Tを50で割った余りが0であるか否かを判断する(ステップ3101)。すなわち、タイマ値Tが50ミリ秒の倍数になっているか否かを判断する。これは、50ミリ秒ごとに、検出信号に基づいて座標コマンドを生成して送信するからである。なお、ここでは、ステップ3101を、タイマ値Tを50で割った余りが0であるか否かを判断するものとしたが、厳密には座標判定処理の実行中にタイマ値Tを50で割った余りが0に等しくなるようにするのは難しいので、タイマ値Tを50で割った余りが0になった直後であるか否かを判断するものとしてもよい。
一方、タイマ値Tを50で割った余りが0である場合(ステップ3101でYes)、ランプ制御CPU24は、図30のステップ3007でRAMに記憶しておいた検出信号に基づいて、物体が存在する領域の座標を決定する(ステップ3102)。具体的には、センサS1〜S6のうち、前回の座標コマンド送信からの50ミリ秒の間に検出信号としてON信号を出力したことがRAMに記憶されているセンサの組み合わせが、RAMに記憶された領域特定情報において、ある領域に対して定義されていれば、その領域の座標を、物体が存在する領域の座標に決定する。
この後、ランプ制御CPU24は、座標コマンドを、シスコンCPU11を介して演出制御CPU13に送信する(ステップ3104)。そして、RAMに保持された検出信号をクリアして(ステップ3105)、処理を終了する。
次に、モーションセンサ171〜176の取り付けに関して説明する。
図32は、枠部材150に取りつけられるモーションセンサユニット180の背面図である。
図32に示すように、モーションセンサ171〜176は、モーションセンサユニット180に取り付けられる。このモーションセンサユニット180は、枠部材150の正面側に取り付けられ、また、パチンコ遊技機100の正面視で上部位置に取り付けられる。
より詳細には、モーションセンサユニット180が枠部材150に取り付けられると、パチンコ遊技機100の正面視で、モーションセンサ171〜175が画像表示部114の上側に位置し、モーションセンサ176が画像表示部114の側方に位置する(図1参照)。なお、モーションセンサ171〜176はいずれも、遊技盤110を遊技者から隔離するための透明板159の外面側に位置する。
このように、モーションセンサ171〜176は、モーションセンサユニット180を介して枠部材150に取り付けられる。より具体的には、モーションセンサユニット180は、枠部材150の透明板保持枠91(図39参照)に取り付けられる。
付言すると、モーションセンサユニット180の本体部181には、後述するセンサ台座50と後述する保護カバー60とが取り付けられている。より詳細には、モーションセンサ171〜176の各々は、センサ台座50を介して取り付けられている。保護カバー60は、モーションセンサ171〜176およびセンサ台座50を覆っている。
センサ台座50の各々は、2本のねじで本体部181に個別に締結されている。ここにいう2本のねじは、皿ねじであり、本体部181の背面182から工具でねじ締結(ねじ止め)される。なお、図32に示す状態では、モーションセンサ171〜176は、センサ台座50の向こう側に位置しており、センサ台座50に隠れている。
モーションセンサユニット180において、モーションセンサ171〜176の中でモーションセンサ173が上下方向の最も上に位置し、モーションセンサ176が上下方向の最も下に位置する。そして、モーションセンサ173よりも下側であってモーションセンサ176よりも上側に、他のモーションセンサ171,172,174,175が位置する。
さらに説明すると、モーションセンサ173から赤外光が下向きに発光され、モーションセンサ171,172,174,175から赤外光が斜め下向きに発光され、モーションセンサ176から赤外光が横向きに発光されるように、モーションセンサ171〜176の各々がモーションセンサユニット180に位置決めされて取り付けられている。付言すると、モーションセンサ171,172から発光される赤外光の発光方向とモーションセンサ174,175から発光される赤外光の発光方向とは、左右方向の互いに反対向きである。
次に、モーションセンサ171〜176の概略構成について説明する。
図33は、モーションセンサ171〜176の外観を説明する図であり、(a)はモーションセンサ171〜176の斜視図であり、(b)はその背面図である。
図33の(a)および(b)に示すモーションセンサ171〜176は、上述したように、反射型のモーションセンサである。すなわち、モーションセンサ171〜176の各々は、樹脂製のハウジング41に保持されてモーションセンサ171〜176の正面側から赤外光を外部(図33の(a)での下方)に発する発光部42を備えている。また、モーションセンサ171〜176の各々は、ハウジング41に保持されて外部からの赤外光をモーションセンサ171〜176の正面側で受ける受光部43を備えている。発光部42および受光部43はそれぞれ、赤外光を屈折させるための凸レンズを持つ(図34参照)。
モーションセンサ171〜176において、発光部42と受光部43は、正面側に位置し、かつ、少しの離間距離をもって互いに近接して位置する。また、発光部42からの赤外光の光軸は、わずかに受光部43側に傾斜している。そして、受光部43は、発光部42により発せられた赤外光が反射面で反射して返ってきた反射光を受ける。付言すると、受光部43の受光面は、発光部42の発光面に比べて外形が大きく形成されている。
なお、ハウジング41における発光部42と受光部43との間に凹部44が形成されている。
この半導体チップ46は、発光部42の発光を制御すると共に受光部43の受光結果を基に、物体が存在するか否かの存在の有無および物体が存在する場合にはその位置の特定を所定の演算により判定する。コネクタ47は、センサ基板31(図27参照)と電気的な接続を行うためのものであり、外部からの供給電力を受けて半導体チップ46に対してセンサ信号の送受を行うためのものである。
次に、モーションセンサ171〜176の各々をモーションセンサユニット180に取り付けるためのセンサ台座50について説明する。
図34は、モーションセンサ172に用いられるセンサ台座50の外観を説明する図であり、(a)は、センサ台座50の斜視図であり、(b)はその平面図であり、(c)はその正面図である。
モーションセンサ171〜176は、センサ台座50と組み合わせて用いられる。図34では、モーションセンサ172と組み合わせて用いられるセンサ台座50を示している。すなわち、他のモーションセンサ171,173〜176は、以下説明するセンサ台座50の構成と同じ構成のセンサ台座50と組み合わせられるので、その図示や説明を省略することがある。なお、モーションセンサ173については、光学的な影響を考慮して他の構成のセンサ台座(不図示)を用いることも考えられる。
発光絞り部52および受光絞り部53は、板状部51と一体に形成されている。より詳細には、発光絞り部52および受光絞り部53は、板状部51と一体に構成されるブロック部54に形成されている。
すなわち、ブロック部54の突き当て壁54aは、モーションセンサ172の発光部42からの赤外光が発光絞り部52以外から外部に洩れないように作用し、また、モーションセンサ172の受光部43への赤外光が受光絞り部53以外から進入しないように作用する。
なお、2つの皿穴57の位置は、矢印Xの方向に関して互い違いに配設されている(図34の(b)参照)。すなわち、センサ台座50をモーションセンサユニット180の本体部181に取り付ける際の方向性を持たせ、これによって、取り付け作業誤りを防止している。
センサ台座50の発光絞り部52および受光絞り部53についてさらに説明する。
発光絞り部52は、ブロック部54を貫通する方向(貫通方向)に延びる管形状部により形成され、より具体的には、管形状部の連続する内周面で構成されている。そして、発光絞り部52を構成する内周面の横断形状は円形であり、かかる円形は貫通方向において略同一である。
また、受光絞り部53は、ブロック部54を貫通する方向(貫通方向)に延びる管形状部により形成され、より具体的には、管形状部の連続する内周面で構成されている。そして、受光絞り部53を構成する内周面の横断形状は、発光絞り部52と同じく、円形である。そして、受光絞り部53の横断形状の円形は、発光絞り部52と同じく、貫通方向において略同一である。
発光絞り部52の管形状部および受光絞り部53の管形状部はいずれも、補強リブにより補強保持されている。
付言すると、管形状の発光絞り部52は、発光部42からの赤外光の光軸方向に延び、また、管形状の受光絞り部53は、受光絞り部52が延びる方向と略平行になるように延びている。
発光絞り部52および受光絞り部53の機能については後述する。
より具体的に説明する。機種開発の段階で、モーションセンサユニット180にモーションセンサ171〜176を取り付ける位置を決定する場合には、その機能を十分に発揮させるべく、物体の存在を検出する領域(仮想領域)になるべく近づけたいと開発担当者は通常考える。しかしながら、パチンコ遊技機100を正面から見たときに、モーションセンサ171〜176ないしセンサ台座50がモーションセンサユニット180の下縁部183(図32参照)から飛び出ていると、例えば遊技者が遊技に集中することを妨げる等のおそれがあり、また、製品品質の観点でも好ましくない。
そのような事情があるほか、モーションセンサユニット180における本体部181の下縁部183の湾曲形状は、様々な曲面を組み合わせて構成されており、一定の曲率半径で形成されておらず、位置によって曲率半径が異なっているという事情がある。そのため、モーションセンサ171〜176をなるべくモーションセンサユニット180の下縁部183に近づけると共に、モーションセンサ171〜176と下縁部183との間にセンサ台座50のブロック部54を位置させることで、最適な設計を実現する。
センサ台座50を覆う保護カバー60(図35参照)が、下縁部183(図32参照)の湾曲形状に倣って形成されている。保護カバー60の詳細は後述する。
本実施の形態では、モーションセンサ171,172,174〜176は、下縁部183の湾曲形状において曲率半径が比較的小さくてきつい湾曲部分に位置する(図32参照)。他のモーションセンサ173は、下縁部183の湾曲形状において曲率半径が比較的大きくて緩やかな湾曲部分に位置する(図32参照)。また、モーションセンサ171〜176の各々から赤外光が発光される方向は、モーションセンサ171〜176ごとに異なるものである(図28参照)。
このため、モーションセンサ172と組み合わせて用いられる図34に示すセンサ台座50は、モーションセンサ171と組み合わせて用いられるセンサ台座50と構造が共通するものの、各部分の具体的な形状が異なるものである。同様に、モーションセンサ173〜176の各々と組み合わせて用いられるいずれの台座とも構造が共通するものの、各部分の具体的な形状が異なるものである(図32参照)。
次に、保護カバー60の構成について説明する。
図35は、保護カバー60の構成を説明する図であり、(a)は正面右斜め上方から見下ろした場合の斜視図であり、(b)は概略平面図である。
図35に示すように、保護カバー60は、板状部材で構成されており、正面視で矩形形状の本体部61と、本体部61の右端および左端のそれぞれから別々に後方に延びる一対の延在部64と、を備えている。また、保護カバー60は、一対の延在部64の各々において後端から互いに離間する方向(図35で左右方向)に延びる爪形状の突片部65と、を備えている。センサ台座50の受発光面54bが突き当て壁54aの壁面に対して傾斜することと同じ理由によって、延在部64が本体部61に対してなす角度は90度ではない。
なお、本体部61は、モーションセンサユニット180の下縁部183と同じ色であり、例えば黒色である。
また、保護カバー60がモーションセンサユニット180の本体部181に取り付けられると、保護カバー60の外面61bが下縁部183の湾曲形状と円滑に接続されるように形成されている。
また、凹部62,63は、正面視で円形状に形成されており、凹部62,63の大きさは、互いに同じである。さらに説明すると、凹部62の大きさは、発光絞り部52の光出口よりも大きく、また、凹部63の大きさは、受講絞り部53の光入り口よりも大きい。
また、凹部62,63の外面61bからの深さは、互いに同じであり、また、凹部62,63の底面が平たんに形成されている。
しかしながら、凹部62,63の形状や大きさ、深さは、これに限定されるものではない。すなわち、後述する凹部62,63を本体部61の外面61bに形成する作用を実現するものであればよく、凹部62と凹部63とを互いに異なる形状や大きさ、深さとする各種の変形例が考えられる。
なお、本実施の形態では、凹部62,63を別々に形成しているが、2つの凹部62,63を連続的に形成して一つの凹部とする変形例(不図示)も考えられる。
例えば、センサ台座50の発光絞り部52および受光絞り部53ないしモーションセンサ171〜176の発光部42および受光部43がモーションセンサユニット180から露出している状態で、ホール店にてパチンコ遊技機100を使用する態様が考えられる。
しかしながら、露出状態のままでは、塵や埃が発光絞り部52および受光絞り部53からモーションセンサ171〜176に進入して光学的に悪影響を受けるおそれがあり、また、遊技者に触られると例えば光軸がずれたり破損の原因になったりするおそれもある。
そこで、本実施の形態では、露出状態のセンサ台座50の受発光面54bを覆って保護するために、保護カバー60をモーションセンサユニット180の本体部181に取り付けている。
しかしながら、発光絞り部52および受光絞り部53に対応する外面61bの位置にキズが付くと、発光された赤外光や反射された赤外光の乱反射等が生じる原因になり、モーションセンサ171〜176の誤検知の原因になるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る保護カバー60は、発光絞り部52および受光絞り部53に対応する外面61bの位置に凹部62,63を形成している。これにより、外面61bに埃等が溜まるのを防止し、たとえホール店にてモーションセンサユニット180の下縁部183を布等で勢いよく拭かれたとしても、布等が凹部62,63の底面に接触し難くなってキズが発生し難くなる。
また、凹部62,63は、外面61bよりも奥まっており、しかも、保護カバー60の色は、モーションセンサユニット180の下縁部183と同じ色であることから、保護カバー60は目立たないものであり、遊技者が意識的に触ろうと思う可能性を低くさせることが可能である。こうして、モーションセンサ171〜176の誤検知の原因になるキズの発生を防止している。
図36は、上述したモーションセンサ172、センサ台座50および保護カバー60の相互の位置関係を説明する図であり、(a)は組み立て状態を示す平面図であり、(b)は分解斜視図である。なお、図36では、モーションセンサ171〜176の代表として、モーションセンサ172の場合を図示しており、他のモーションセンサ171,173〜176も同じ位置関係であり、その図示および説明を省略する。
図36に示すように、モーションセンサ172のハウジング41の端面が、センサ台座50の突き当て壁54aに突き当てられる。その際に、モーションセンサ172の凹部44にセンサ台座50のリブ55が係合し、これにより、概略的な位置決めが行われる。そして、センサ台座50の皿穴57を利用して、センサ台座50がモーションセンサユニット180の本体部181にねじ締結される。
付言すると、モーションセンサ172および保護カバー60は、モーションセンサユニット180の本体部181に形成された収容部71(図37参照)等に収容されることで位置決めされ、その後に、センサ台座50のねじ止めによってモーションセンサ172および保護カバー60が固定される。
図36の(a)に示すように、モーションセンサ172の発光部42からの赤外光は、発光部42よりも開口面積が小さいセンサ台座50の発光絞り部52により、光学的な絞りが行われる。すなわち、発光部42からの赤外光束を、奥行きのある発光絞り部52によって狭く絞った後に、保護カバー60から光を出力している。
これにより、出力される光の光量が少なくなるものの、赤外光束を狭くすることで、モーションセンサ172から出力される赤外光が他のモーションセンサ171,173〜176の受光状況に悪影響を及ぼすことが防止される。
そこで、モーションセンサ172の受光部43に届く赤外光を、予めセンサ台座50の受光絞り部53を通すことで狭く絞っている。すなわち、受光部43に届く赤外光束を、奥行きのある受光絞り部53によって狭く絞った後に、受光部43に入射している。やはり、光量が少なくなるものの、他のモーションセンサ171,173〜176からの赤外光の進入を抑制することができ、モーションセンサ172の受光状況に悪影響を与えることが防止される。
次に、モーションセンサユニット180の本体部181に、モーションセンサ171〜176、センサ台座50および保護カバー60を取り付けるための取り付け構造を説明する。
図37および図38は、モーションセンサユニット180が備える取り付け構造を説明する斜視図である。なお、図37では、モーションセンサ171〜176、センサ台座50および保護カバー60のいずれも取り付けられていない状態を示し、また、図38では、モーションセンサユニット180に保護カバー60のみが取り付けられている状態を示している。
図37に示すように、モーションセンサユニット180の本体部181は、モーションセンサ171〜176およびセンサ台座50を取り付けるための取り付け構造として、背面182をくり抜くことでモーションセンサ171〜176等を収容する空間を形成した収容部71を備えている。
付言すると、収容部71が形成されている部分には、モーションセンサユニット180の下縁部183が形成されていない。
また、本体部181は、モーションセンサ171〜176のコネクタ47(図33または図36参照)と接続される線材(不図示)を通すための切欠き部74を備えている。
そして、図38に示すように、保護カバー60の突片部65をモーションセンサユニット180の受け入れ部75に受け入れさせる。これにより、保護カバー60がモーションセンサユニット180の本体部181に対して位置決めされる。図38から明らかなように、保護カバー60の外面61bは、モーションセンサユニット180の下縁部183と連続するようになる。
次に、パチンコ遊技機100の枠部材150の構成について説明する。
図39は、枠部材150の構成を説明する斜視図であり、(a)は、遊技盤保持枠92を開けた状態を示す図であり、(b)は、透明板保持枠91を遊技盤保持枠92に対して回転させて開けた状態を示す図である。
図39に示すように、枠部材150は、縦長の所謂フレーム構造である枠部材本体としての外枠80と、外枠80に開閉自在に装着される前面枠(内枠)90と、を備えている。
外枠80は、4つの金属製の枠部材である右縦枠部材81、左縦枠部材82、上横枠部材83および下横枠部材84と、外枠80の四隅に位置し、隣り合う枠部材を相互に連結する角部材85とを有する。
そして、図39の(a)に示すように、閉めた状態の透明板保持枠91および遊技盤保持枠92を一体で外枠80に対して回転させて開けることが可能である。また、図39の(b)に示すように、透明板保持枠91および遊技盤保持枠92を閉めた状態において、遊技盤保持枠92を単独で外枠80および遊技盤保持枠92に対して回転させて開けることが可能である。
なお、前面枠90の遊技盤保持枠92には、外枠80の右縦枠部材81と係合して前面枠90が開かないように施錠するための施錠部材93,94,95が設けられている。この施錠部材93,94,95は、パチンコ遊技機100の正面側に配設されている鍵穴158(図1参照)に不図示の鍵を差し込んで所定の方向に回転することで、連動して施錠動作および開錠動作を行う。
付言すると、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400が構成された払出制御基板(不図示)と、払出制御基板により制御され、外部から補給された補給球を一時的に溜めておき、賞球の払い出しや貸し球の払い出しを行う払い出しユニット560と、が枠部材150の前面枠90に配設されている。
次に、モーションセンサ171〜176の各々をセンサ台座50で取り付けたモーションセンサユニット180を透明板保持枠91に固定した場合において、透明板159に対するモーションセンサ171〜176の姿勢について、図40および図41を用いて説明する。
上述したように、図40に示すモーションセンサユニット180には、センサ台座50を介してモーションセンサ171〜176および保護カバー60が後ろ側から背面182(図32参照)に取り付けられる(同図に示す破線を参照)。
なお、図40における線A−Aの位置は、モーションセンサ172が取り付けられた位置であり、その線が延びる方向は、モーションセンサ172から発光される光の光軸に沿う方向である。また、線B−Bの位置は、モーションセンサ173が取り付けられた位置であり、その線が延びる方向は、モーションセンサ173から発光される光の光軸に沿う方向である。
なお、モーションセンサ171,174〜176については、モーションセンサ172と同じ方向付けを行うことが考えられることから、ここでの説明を省略することがある。
ここにいう仮想線Vは、透明板159の外面159aと平行に延びるものである。そして、モーションセンサ172での仮想線Vは、外面159aから距離Z2だけ離間しており(図41の(a)参照)、また、モーションセンサ173での仮想線Vは、外面159aから距離Z3だけ離間している(図41の(b)参照)。距離Z2,Z3は、互いに異なる値を採用することも考えられるが、互いに同じ値を採用することも考えられる。本実施の形態では、後者の場合を採用しており、その値は例えば8mmである(Z2=Z3=8mm)。
また、ここにいう角度αの値としては、例えば1度を採用することができ、また、ここにいう角度βの値としては、例えば1度を採用することができる。すなわち、モーションセンサ172の光軸H2とモーションセンサ173の光軸H3は、仮想線Vに対する角度の値は同じであるが、互いに反対の方向である。
付言すると、パチンコ遊技機100の正面視において、モーションセンサ172は、斜め方向に発光していることから(図1および図28参照)、下方に発光するモーションセンサ173よりも長い有効検出範囲が必要となる。
そこで、モーションセンサ173は、上述したように、光軸H3が透明板159の外面159aから遠ざかっていく方向に傾くように、モーションセンサユニット180が取り付けられている。
このような観点から、モーションセンサ172の光軸H2を透明板159側に傾ける構成を採用し、検出の時間差がより多くなるようにして物体存在の検知精度をより高めている。
図42は、モーションセンサ171〜176の角度と出力電圧との関係を示すグラフであり、縦軸が出力電圧(V)で、横軸が角度(度)である。なお、横軸の角度は、透明板159の外面159aから離れる方向(図41の(b)の場合)を正とし、外面159aに近づく方向(図41の(a)の場合)を負としている。
図42に示す結果が得られた実験は、モーションセンサ171〜176の光軸角度を変えながら出力電圧を測定することで行った。すなわち、取り付け角度の変更は再現性に問題があることから、中心、上下限度品、更なる下ズレ品などの光軸のブレに固体差があることを利用し、光軸ズレ(上下)品により、擬似的に取り付け角度を変化させて評価した。なお、検出距離は、390mm(370mm調整時の長距離限度)である。
モーションセンサ171〜176およびセンサ台座50は、複数の検出部の一例であり、受発光面54bは、受発光面の一例である。
Claims (1)
- 遊技を行うための遊技領域を有する遊技盤と当該遊技盤の当該遊技領域を遊技者から隔てるための透明板とを持つ遊技機であって、
前記透明板および当該透明板よりも遊技機前方に位置する部材を保持する保持枠に取り付けられ、当該保持枠から当該透明板の外面に沿う方向に発光すると共に発光した光の反射光を受光する受発光面を持ち、受光結果により物体の存在を検出する複数の検出部を備え、
前記保持枠に保持される前記部材は、当該保持枠の周縁部よりも前記遊技機前方に突出し、
前記複数の検出部には、前記受発光面が前記部材に対向するように配置される特定検出部と、当該受発光面が当該部材に対向せず前記周縁部に対向するように配置される他の検出部と、が含まれ、
前記特定検出部の検出範囲は、前記他の検出部の検出範囲よりも短く、
前記特定検出部は、当該特定検出部の前記受発光面から発光する光が前記透明板の前記外面から遠ざかるように当該外面に対する当該受発光面の向きが決定されることを特徴とする遊技機。
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