JP2007258672A - 発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

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信幸 渡邊
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ゆかり 井ノ口
Taeko Chishiya
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Abstract

【課題】材料・面方位によらずいかなる場合にも粗面化手法を用いることができ、特性の不具合が発生するのを防止できる高輝度な発光ダイオード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発光ダイオードは、p型GaP基板12と、このp型GaP基板12上に積層されたp型GaPコンタクト層13、p型AlInP第2クラッド層14、p型AlGaInP活性層15、n型AlInP第1クラッド層16及びn型AlGaAs電流拡散層17とを備えている。p型GaP基板12の側面の全部がダイシングブレードで粗面状に加工されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば照明、表示装置、バックライト光源等に広く用いられている発光ダイオード及びその製造方法に関し、より詳しくは、透明層等を備えた高輝度発光ダイオード及びその製造方法に関する。
発光ダイオードには様々な種類があり広い波長域の発光が可能で可視光の表示用素子や紫外線、赤外線の発光素子として用いられている。また、発光ダイオードの利用分野は近年急速に広がり、蛍光灯に変わる光源やディスプレイのバックライト等が注目されてきており、より輝度の高い、より発光効率のよい発光ダイオードの要求が増えている。
こうした要求に対して現在までに、発光ダイオードの発光層の設計最適化や、発光ダイオードに反射層を追加するなどの手法が実施されている。
また、最近では、発光ダイオードの基板を透明基板にしたり、発光ダイオードの結晶面を粗面状に加工したりして、発光ダイオードの光取り出し効率を向上させて高輝度化を図る手法もとられている。
上記手法の中でも、結晶面の粗面化は比較的容易に実施できることから広く用いられている手法である。
図7に、従来の発光ダイオードの構造の模式図を示す。
上記発光ダイオードは、p型GaP基板32と、このp型GaP基板32上に形成されたp型AlInPクラッド層34、p型AlGaInP活性層35、n型AlInPクラッド層36、透明電極用n型コンタクト層37及び透明電極39とを備えている(例えば特開平04−354382号公報参照)。
上記p型GaP基板32はp型AlGaInP活性層35の出射光に対して透過性を有する。つまり、上記p型AlGaInP活性層35から出射された光はp型GaP基板32を透過するようになっている。
以下、上記発光ダイオードの製造方法について説明する。
まず、上記p型GaP基板32、p型AlInPクラッド層34、p型AlGaInP活性層35、n型AlInPクラッド層36、透明電極用n型コンタクト層37及び透明電極39を含むウエハを作製する。
次に、上記ウエハの一方の表面にp側ダイボンド用電極31を形成し、ウエハの他方の表面にn側ワイヤボンド用パッド電極38を形成して、スクライブ及びブレーキングを行うことにより、ウエハを複数のチップに分割する。
最後に、上記チップの側面(ウエハを分割することにより得られる表面)を化学処理で粗面化すると、発光ダイオードが出来上がる。ここでは、上記化学処理は塩酸などを用いて行われる。
このようにして作製された発光ダイオードは、活性層35をクラッド層34,36で挟むダブルヘテロ構造が採用されているので、活性層35の発光効率を向上させることができる。
また、上記p型GaP基板32は活性層35の出射光に対して透過性を有するので、GaP基板32から光を取り出すことができる。
さらに、上記発光ダイオードの側面には粗面化処理が施されているから、発光ダイオードの側面から光を取り出すことができる。
また、他の従来の発光ダイオードとしては、側面および天面が化学処理で粗面化されたものがある(例えば特開2004−356279号公報、特開2005−327979号公報及び特開2003−209283号公報参照)。
図14に、上記他の従来の発光ダイオードの構造の模式図を示す。
この発光ダイオードでは、図14に示すように、p型GaP基板232と、このp型GaP基板232下に形成されたp型AlInP第2クラッド層234、p型AlGaInP活性層235、n型AlInP第1クラッド層236、n型AlGaAs電流拡散層237を備えている。このp型GaP基板232の図中上側の表面が発光ダイオードの天面である。
なお、図14において、231はp側ワイヤボンド用パッド電極であり、238はn側ダイボンド用電極である。
ところで、上記従来の発光ダイオードの側面を粗面化する処理や、上記他の従来の発光ダイオードの側面及び天面を粗面化する処理は、化学処理であるが、この化学処理は、結晶のエッチングレートが面方位によって異なることを利用したり、エッチング面が意図的に荒れるような反応性の強い薬品を利用したりする。
しかしながら、上記結晶のエッチングレートが面方位によって異なることを利用する場合、粗面化できる結晶の種類や面方位が制限されてしまうという問題が発生する。
また、上記反応性の強い薬品を利用する場合、チップを構成する半導体層の一部が内部までエッチングされて、特性的に不具合を起こすなどの問題が発生する。
特に、上記p型GaP基板32のような透明層を備える発光ダイオードでは、光取り出し部となる透明層の表面が鏡面であると、発光層の出射光がその表面で反射され、多重反射するなかで光の損失が増加し、発光層の出射光を外部へ取り出す効果が低くなるため、粗面化する手法は高輝度化の為の重要な手法である。
特開平04−354382号公報 特開2004−356279号公報 特開2005−327979号公報 特開2003−209283号公報
そこで、本発明の課題は、材料・面方位によらずいかなる場合にも粗面化手法を用いることができ、特性の不具合が発生するのを防止できる高輝度な発光ダイオード及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の発光ダイオードは、
半導体層からなる発光層と、
この発光層上に設けた半導体層からなる中間層と、
上記中間層上に設けられると共に、上記発光層の出射光に対して透過性を有する透明層と
を備え、
上記透明層の表面の一部または全部はダイシングブレードで粗面状に加工されていることを特徴としている。
上記構成の発光ダイオードによれば、上記透明層の表面の一部または全部が粗面状に加工されているから、透明層の表面の一部または全部から、発光層の出射光を外部に効率よく取り出すことができ、高輝度化を達成できる。
また、上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
なお、上記透明層の形成方法、構成材料、面方位はどのようなものであってもよい。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記ダイシングブレードで粗面状に加工されている表面は、上記透明層の側面である。
上記実施形態の発光ダイオードによれば、上記透明層の側面の一部または全部が粗面状に加工されているから、透明層の側面の一部または全部から、発光層の出射光を外部に効率よく取り出すことができ、高輝度化を達成できる。
また、上記透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料や面方位はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
なお、上記透明層の形成方法、構成材料、面方位はどのようなものであってもよい。もちろん、上記発光層についても同様である。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記ダイシングブレードで粗面状に加工されている表面は、上記透明層の天面である。
ここで、上記透明層の天面とは、透明層において中間層側とは反対側の表面のことである。
上記実施形態の発光ダイオードによれば、上記透明層の天面の一部または全部が粗面状に加工されているから、透明層の天面の一部または全部から、発光層の出射光を外部に効率よく取り出すことができ、高輝度化を達成できる。
また、上記透明層の天面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の天面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
なお、上記透明層の形成方法、構成材料、面方位はどのようなものであってもよい。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記発光層の側面の一部または全部はダイシングブレードで粗面状に加工されている。
上記実施形態の発光ダイオードによれば、上記発光層の側面の一部または全部がダイシングブレードで粗面状に加工されているから、発光層の側面の一部または全部からも、発光層の出射光を外部に効率よく取り出すことができ、さらなる高輝度化を達成できる。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記透明層は、上記中間層に貼り付けられた基板である。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記透明層はエピタキシャル成長層またはエピタキシャル成長用基板である。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記発光層は、Al(アルミ)、Ga(ガリウム)、As(砒素)、In(インジウム)、P(リン)、Zn(亜鉛)、Se(セレン)、Te(テルル)、Sn(スズ)、Si(シリコン)、C(炭素)、Ti(チタン)、Mg(マグネシウム)、Cd(カドミウム)、B(ホウ素)、N(窒素)、O(酸素)及びS(硫黄)の中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなる。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記透明層は、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、C、Ti、Mg、Cd、B、N、O及びSの中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなる。
一実施形態の発光ダイオードでは、
上記発光層はAlGaInPからなり、
上記透明層はGaPからなる。
本発明の発光ダイオードの製造方法は、
半導体層からなる発光層と、この発光層上に設けた半導体層からなる中間層と、上記中間層上に設けられると共に、上記発光層の出射光に対して透過性を有する透明層とを含むウエハを作製する工程と、
上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工する工程と
を備えたことを特徴としている。
上記構成の発光ダイオードの製造方法によれば、上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状にするので、透明層の材料や面方位などを気にすることなく、透明層の表面の一部または全部を容易かつ低コストで粗面状にすることができる。
したがって、上記発光ダイオードの高輝度化を容易かつ低コストで実現することができる。
また、上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料や面方位はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
また、上記透明層の粗面化処理はダイシングブレードで行うから、化学薬品処理による粗面化処理で必要とされていた化学処理工程、保護膜形成などの工程を省略することができる。
上記ダイシングブレードは、半導体結晶のみならず、例えばガラス、石英およびサファイヤなどの非晶質なものに対しても粗面化処理を施すことができるし、薬品に対して耐性のある材料に対しても粗面化処理を施すことができる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、
上記ダイシングブレードで粗面状に加工する表面は、上記透明層の側面である。
上記実施形態の発光ダイオードの製造方法によれば、上記透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状にするので、透明層の材料や面方位などを気にすることなく、透明層の側面の一部または全部を容易かつ低コストで粗面状にすることができる。
したがって、上記発光ダイオードの高輝度化を容易かつ低コストで実現することとができる。
また、上記透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料や面方位はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
また、上記透明層の粗面化処理はダイシングブレードで行うから、化学薬品処理による粗面化処理で必要とされていた化学処理工程、保護膜形成などの工程を省略することができる。
上記ダイシングブレードは、半導体結晶のみならず、例えばガラス、石英およびサファイヤなどの非晶質なものに対しても粗面化処理を施すことができるし、薬品に対して耐性のある材料に対しても粗面化処理を施すことができる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、
上記ダイシングブレードで粗面状に加工する表面は、上記透明層の天面である。
ここで、上記透明層の天面とは、透明層において中間層側とは反対側の表面のことである。
上記実施形態の発光ダイオードの製造方法によれば、上記透明層の天面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状にするので、透明層の材料や面方位などを気にすることなく、透明層の天面の一部または全部を容易かつ低コストで粗面状にすることができる。
したがって、上記発光ダイオードの高輝度化を容易かつ低コストで実現することができる。
また、上記透明層の天面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層の材料や面方位はどのようなものでもよい。
また、上記透明層の天面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、透明層が反応性の強い薬品で過剰にエッチングされることもなく、特性の不具合が発生するのを防止できる。
また、上記透明層の粗面化処理はダイシングブレードで行うから、化学薬品処理による粗面化処理で必要とされていた化学処理工程、保護膜形成などの工程を省略することができる。
上記ダイシングブレードは、半導体結晶のみならず、例えばガラス、石英およびサファイヤなどの非晶質なものに対しても粗面化処理を施すことができるし、薬品に対して耐性のある材料に対しても粗面化処理を施すことができる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、
上記ウエハを素子形状に分割する前に、上記ダイシングブレードによるハーフダイシングまたはプレダイシングによって、上記透明層の側面の一部または全部を粗面状にする。
上記実施形態の発光ダイオードの製造方法によれば、上記ウエハを素子形状に分割する前に、ダイシングブレードによるハーフダイシングまたはプレダイシングによって、透明層の側面の一部または全部を粗面状にするので、ウエハに含まれた状態であって粗面化処理された発光ダイオードに対して電気的光学的測定検査を行える。つまり、素子形状に非常に近い状態の発光ダイオードの光学的な検査を行える。
なお、上記光学的な検査を行った後、発光ダイオードの粗面化処理を行うと、その検査で検出される輝度と、素子形状(完成状態)の発光ダイオードチップの輝度との相関が悪くなる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、
上記ウエハを素子形状に分割した後、上記透明層の側面の一部または全部を上記ダイシングブレードで粗面状に加工する。
上記実施形態の発光ダイオードの製造方法によれば、上記ウエハを素子形状に分割した後、透明層の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工するから、ウエハを素子形状に分割するときに、ダイシングブレードによる粗面化処理を行わなくてもよく、製造工程の自由度を大きくすることができる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法では、
上記ダイシングブレードの砥粒の粒径が2μm以上である。
上記実施形態の発光ダイオードの製造方法によれば、上記ダイシングブレードの砥粒の粒径とチップの出力との間に相関関係があり、その粒径を2μm以上とすることにより、発光層の出射光を外部へ取り出する効率が良好な粗面を確実に得ることができる。
また、上記ダイシングブレードによって形成される機械的ダメージ層を除去する場合、ダイシングブレードの砥粒の粒径が4μm以上であると、そのダメージ層を除去した後においても、上記ダメージ層を除去する前と同様の粗面状態を維持することができる。
一般に、ダイシングブレードの砥粒はダイヤモンドのような非常に硬度の高いものが使用されており、機械的に粗面状態を形成することになるため、粗面状態の可否、面方位依存性などの影響を受けることなくあらゆる材料に対して粗面状態を容易に形成することができる。
例えばGaP基板であってもダイシングブレードで粗面状態を形成することができる。このGaP基板を透明基板として用い、かつ、AlGaInP層を発光層として用いて、透明基板の側面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状にすると、高出力の赤色発光素子が得られる。
当然、上記ダイシングブレードを用いる手法は、AlGaInPからなる発光層にGaP基板を設置した場合に限るものではなく、あらゆる透明層を有する発光ダイオード、例えば、サファイア基板上にGaN/InGaN層を設置した場合、ガラス基板やSiC基板上に、AlGaInP層、GaN/InGaN層を設置した場合、GaAs基板上にAlGaAs層(赤色に対して透明な組成を有する)をエピタキシャル成長し、発光層を順次積層した場合等に適用することが可能である。
本発明の発光ダイオードは、光放出面を粗面化することで高輝度化を図ることができ、特に透明層が設置された発光ダイオードにおいては材料によらず粗面状態を形成できるため素子の高輝度化を図ることができる。
また、チップ分割後の化学処理を省略することができ、製造工程が簡略化される。
以下、本発明の発光ダイオードを図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態の発光ダイオードのチップの構造の模式図を示す。
上記発光ダイオードは、p型GaP基板12と、このp型GaP基板12上に積層されたp型GaPコンタクト層13、p型AlInP第2クラッド層14、p型AlGaInP活性層15、n型AlInP第1クラッド層16及びn型AlGaAs電流拡散層17とを備えている。なお、上記p型AlGaInP活性層15は発光層の一例である。また、上記p型GaP基板12は透明層の一例である。また、上記p型GaPコンタクト層13およびp型AlInP第2クラッド層14のそれぞれは中間層の一例である。
上記p型GaP基板12、p型GaPコンタクト層13、p型AlInP第2クラッド層14、p型AlGaInP活性層15、n型AlInP第1クラッド層16及びn型AlGaAs電流拡散層17の側面の全部は粗面状に加工されている。
上記n型AlGaAs電流拡散層17上には、図示しないが、AuSi/Auからなるオーミックコンタクト層が形成されており、そして、このオーミックコンタクト層上にはn側ワイヤボンド用パッド電極(n側電極)18が形成されている。ここでは、上記n側ワイヤボンド用パッド電極18は略円板形状に形成した。
一方、上記p型GaP基板12下には、AuBeからなるp側オーミックコンタクト層電極11が形成されている。ここでは、上記p側オーミックコンタクト電極11はp型GaP基板12の裏面(p型AlGaInP活性層15側の表面とは反対側の表面)にドット状に形成した。
上記構成の発光ダイオードは以下のようにして製造する。
まず、図2Aに示すように、n型GaAs基板19上に、n型GaAsバッファ層20、層厚3μmのn型AlGaAs電流拡散層17、層厚1μmのn型AlInP第1クラッド層16、層厚0.5μmのp型AlGaInP活性層15、層厚1μmのp型AlInP第2クラッド層14、層厚3μmのp型GaPコンタクト層13をMOCVD(有機金属気相成長)法により順次積層する。
次に、図2Bに示すように、別に用意したp型GaP基板12をp型GaPコンタクト層13に接触させて、p型GaP基板12に荷重をかけた後、その状態で、p型GaP基板12とp型GaPコンタクト層13を水素雰囲気、高温下に置き、接合する。
次に、上記n型GaAs基板19、n型GaAsバッファ層20をアンモニア系のエッチャントで除去する。
次に、図1に示すように、上記p型GaP基板12の裏面に、AuBeを蒸着法にて堆積して水玉状にパターニングした後、アロイを行う。これにより、上記AuBeからなるp側オーミック電極11が得られる。
次に、上記n型AlGaAs電流拡散層17の表面に、AuSi/Auと、n側ワイヤボンド用パッド電極18の材料とを蒸着法にて堆積する。このAuSi/Auおよび上記材料を略円板形状にパターニングした後、アロイを行う。これにより、上記オーミックコンタクト層及びn側ワイヤボント用電極18が得られる。
次に、上記p型GaP基板12、p型GaPコンタクト層13、p型AlInP第2クラッド層14、p型AlGaInP活性層15、n型AlInP第1クラッド層16及びn型AlGaAs電流拡散層17を含むウエハをダイシングで分割すると、発光ダイオードのチップが得られる。このダイシングは、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードを用いた。
次に、上記ダイシングによる機械的ダメージ層を除去するため、硫酸、過酸化水素、水の混合液でダイシング面をエッチングする。このとき、上記ダメージ層の除去は極薄い層をエッチング除去するだけで十分である。上記ダメージ層の一部である極薄い層をエッチング除去しても、粗面状態は無くならない。このような粗面状態を容易かつ確実に維持する場合は、砥粒の粒径が4μmよりも大きいダイシングブレードを用いて、ダイシングを行えばよい。この場合は、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードを用いるよりも、光取り出し効果を高くすることができる。
従来は、砥粒の粒径が1μm以下のダイシングブレードでダイシングを行うことにより、ダイシングブレードによる研削面を鏡面に近い状態にした後、HCl処理またはその希釈溶液によって粗面化処理をしていた。
ダイシングブレードは円板状の基台にダイヤモンド粒等の砥粒を電着等で付けたもので、これを高速回転させて半導体材料をダイシングする。ダイシングブレードの砥粒の粒径が小さいほど、研削面が滑らかに仕上がり材料の欠け(チッピング)が少ない。逆に、砥粒が大きいと、チッピングが起こって、ダイシングブレードで形成したチップの上面の辺部分が欠けてしまう。
図3Aに、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでp型GaP基板12をダイシングした場合の研削面の状態を示す。また、図3Bに、砥粒の粒径が1μmのダイシングブレードでp型GaP基板12をダイシングした場合の研削面の状態を示す。
図3A,図3Bから判るように、ダイシングブレードの粒径によってそのダイシング面(研削面)の状態は大きく変わる。
こうした粗面化処理は光の取り出し効率を向上するために行われるが、チップ側面に粗面化処理を施していない場合、図4Aに示すように、チップ内部の発光層からの発光の一部はチップ側面で反射されてチップ内部に閉じ込められ、多重反射を繰り返すうちに結晶内で吸収あるいは減衰するか、または、発光層に再び突入し、そこで吸収される。
一方、チップの側面を粗面化すると、図4Bに示すように、チップ内部の発光層からの発光のチップ側面に対する入射角度が変わり、その光はチップ内部へ反射されずにチップ外部へ出てくる割合が増加し、光の取り出し効率が向上する。
GaPにおいて(111)面と等価な面はHCl処理における反応速度が遅いため、その等価な面が表面に現れて巨視的に粗面状態になり、微視的には数nmの凹凸が処理面に形成される性質がある。しかも、上記反応速度は極めて遅く、HCl処理を長時間行う必要がある。また、発光層はHCl処理によりエッチングされるので、発光層を保護してからHCl処理を行う必要が生ずる。また、チップの面方位次第では良好な粗面状態を得ることができない。
本第1実施形態の場合、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードを使っているので、ダイシングブレードによる研削面に数μmの凹凸が形成され、その研削面は粗面状態となる。
砥粒の粒径が4μmより大きなダイシングブレードを使用した場合、チッピングは少し増加するが、HCl処理やチップ表面保護工程の簡略化ができ、生産効率を向上させることができる。
また、本第1実施形態の発光ダイオードの出力は、化学処理による粗面化チップと同等以上であり問題ない。具体的には、砥粒の粒径が小さいダイシングブレードでダイシングされた後、ダイシングによる機械的ダメージ層の除去が行われなかった発光ダイオードの出力は、6.5mWであった。また、砥粒の粒径が小さいダイシングブレードでダイシングされた後、ダイシングによる機械的ダメージ層の除去が行われた発光ダイオードの出力は、8.0mWであった。そして、本第1実施形態のように、砥粒の粒径が大きいダイシングブレードでダイシングされた後、ダイシングによる機械的ダメージ層の除去が行われなかった発光ダイオードの出力は、8.8mWであった。
図5Aに、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでダイシングが行われた発光ダイオードの配向特性のグラフを示す。また、図5Bに、砥粒の粒径が1μmのダイシングブレードでダイシングが行われた発光ダイオードの配向特性のグラフを示す。
図5A,図5Bから判るように、砥粒の粒径が1μmのダイシングブレードでダイシングが行われた発光ダイオードに比べて、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでダイシングが行われた発光ダイオードの方は、側面から出射される光の成分が増加している。
そこで、ダイシングブレードの砥粒の粒径と光出力の関係を確認するため、砥粒の粒径が0.5μm、3μm、5μm、7μmのダイシングブレードを用いて、各ダイシングブレードでダイシングされた発光ダイオードの光出力を確認する実験を行った。
図6に、上記実験の結果を示す。
図6から判るように、ダイシングブレードの砥粒の粒径と発光ダイオードの光出力とは相関があり、特に、砥粒の粒径が5μm、7μmのダイシングブレードでダイシングされた発光ダイオードの光出力が向上している。
以上より、砥粒の粒径がより大きなダイシングブレードを使用すると、発光ダイオードの光出力が向上することが判ったが、砥粒の粒径が8μm以上のダイシングブレードを使用した場合、ダイシングブレードの寿命が極端に縮む現象が確認されるため、コスト、生産性を含めると、発光ダイオードの製造時に使用するダイシングブレードの砥粒の粒径は望ましくは2μm以上8μm以下である。
上記第1実施形態では、発光ダイオードの側面の全部を粗面状に加工していたが、p型GaP基板12の一方の側面の一部だけを粗面状に加工してもよいし、p型GaP基板12の側面の一部だけを粗面状に加工してもよい。
上記第1実施形態では、p型AlGaInP活性層15を発光層の一例として用いていたが、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、炭素、Ti、Mg、Cd、ホウ素、窒素、酸素及び硫黄の中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなる発光層を用いてもよい。
上記第1実施形態では、透明層の一例としてp型GaP基板12を用いていたが、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、C、Ti、Mg、Cd、B、N、O及びSの中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物から透明層を用いてもよい。
上記第1実施形態の発光ダイオードは、AlGaInP発光層とGaP基板と有する構造であったが、本発明の発光ダイオードはその構造に限定されず、例えば、AlGaAs発光層とGaAs基板とを有する構造であってもよい。この構造であっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。なお、上記構造の場合、GaAs基板はAlGaAs発光層による発光を透過する。
上記第1実施形態では、ダイシングブレードのみでウエハを複数のチップ(発光ダイオード)に分割していたが、ウエハをダイシングブレードでハーフダイシングまたはプレダイシングした後、ウエハを複数のチップに分割してもよい。
上記第1実施形態では、ウエハを複数のチップに分割するダイシング工程においてチップの側面を粗面状に加工していたが、ダイシング工程ではチップの側面を粗面状に加工せずに、ダイシング工程後にチップの側面をダイシングブレードで粗面状に加工してもよい。
(第2実施形態)
図8に、本発明の第2実施形態の発光ダイオードのチップの構造の模式図を示す。
上記発光ダイオードは、p型GaP基板112、p型GaPコンタクト層113、p型AlInP第2クラッド層114、p型AlGaInP活性層115、n型AlInP第1クラッド層116及びn型AlGaAs電流拡散層117を備えている。なお、上記p型AlGaInP活性層115は発光層の一例である。また、上記p型GaP基板112は透明層の一例である。また、上記p型GaPコンタクト層113およびp型AlInP第2クラッド層114のそれぞれは中間層の一例である。
上記p型GaP基板112において、p型GaPコンタクト層113側とは反対側の表面の全部は、粗面状に加工されている。また、上記p型GaP基板112において、上記表面と略垂直な表面の全部も、粗面状に加工されている。すなわち、上記p型GaP基板112の天面及び側面の全部は粗面状に加工されている。
上記p型GaP基板112上にはp側ワイヤボンド用パッド電極(p側電極)111が形成されている。ここでは、上記p側ワイヤボンド用パッド電極111は略円板形状に形成した。また、上記p側ワイヤボンド用パッド電極111とp型GaP基板112との間には、図示しないが、AuBeからなるp側オーミックコンタクト層が形成されている。上記p側オーミックコンタクト層はp側ワイヤボンド用パッド電極111と略同形状となっている。つまり、上記p型GaP基板112の天面(p型GaP基板112においてp型GaPコンタクト層113側とは反対側の表面)の一部が、p側オーミックコンタクト層及びp側ワイヤボンド用パッド電極111で覆われていなくて露出している。
一方、上記n型AlGaAs電流拡散層117下には、AuSi/Auからなるn側ダイボンド用電極118が形成されている。ここでは、上記n側ダイボンド用電極118はn型AlGaAs電流拡散層117の裏面(n型AlGaAs電流拡散層117においてn型AlInP第1クラッド層116側とは反対側の表面)にドット状に形成した。
上記構成の発光ダイオードは以下のようにして製造する。
まず、図9Aに示すように、n型GaAs基板119上に、n型GaAsバッファ層120、層厚20μmのn型AlGaAs電流拡散層117、層厚1μmのn型AlInP第1クラッド層116、層厚0.5μmのp型AlGaInP活性層115、層厚1μmのp型AlInP第2クラッド層114、層厚3μmのp型GaPコンタクト層113をMOCVD(有機金属気相成長)法により順次積層する。
次に、図9Bに示すように、別に用意したp型GaP基板112をp型GaPコンタクト層113に接触させて荷重をかけた後、その状態で水素雰囲気、高温下に置き、p型GaP基板112とp型GaPコンタクト層113を接合する。
次に、上記n型GaAs基板119、n型GaAsバッファ層120をアンモニア系のエッチャントで除去する。
次に、上記p型GaP基板112の天面(p型GaP基板112においてp型GaPコンタクト層113側とは反対側の表面)から5μm程度の深さまでの部分を削るように、ダイシングブレードを走査する。これにより、上記p型GaP基板112の天面の全部を粗面化する。ここでは、ブレード幅が50μm、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードを用いた。
次に、図8に示すように、上記p型GaP基板112の粗面化された天面に、AuBeと、p側ワイヤボンド用パッド電極111の材料とを蒸着法にて堆積して、そのAuBeおよび上記材料を略円板形状にパターニングした後、アロイを行う。これにより、上記p側オーミックコンタクト層及びp側ワイヤボンド用パッド電極111が得られる。
次に、上記n型AlGaAs電流拡散層117の底面(n型AlGaAs電流拡散層117においてn型AlInP第1クラッド層116側とは反対側の表面)にAuSi/Auを蒸着法にて堆積する。このAuSi/Auを水玉状にパターニングした後、アロイを行う。これにより、上記n側ダイボンド用電極118が得られる。
次に、上記p型GaP基板112、p型GaPコンタクト層113、p型AlInP第2クラッド層114、p型AlGaInP活性層115、n型AlInP第1クラッド層116及びn型AlGaAs電流拡散層117を含むウエハをダイシングで分割すると、発光ダイオードのチップが得られる。
次に、上記ダイシングによる機械的ダメージ層を除去するため、硫酸、過酸化水素、水の混合液によって、発光ダイオードの天面及び側面のダイシング面をエッチングする。このとき、上記ダメージ層の除去は極薄い層をエッチング除去するだけで十分である。
上記ダイシングブレードは円板状の基台にダイヤモンド粒等の砥粒を電着等で付けたものである。このようなダイシングブレードを高速回転させて半導体材料をダイシングする。上記ダイシングブレードの砥粒の粒径が小さいほど、研削面が滑らかに仕上がり材料の欠け(チッピング)が少ない。逆に、上記ダイシングブレードの砥粒が大きいと、チッピングが起こってしまう。
図10Aに、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す。また、図10Bに、砥粒の粒径が1μmのダイシングブレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す。
図10A,図10Bから判るように、ダイシングブレードの粒径によってそのダイシング面(研削面)の状態は大きく変わる。
こうした粗面化処理は光の取り出し効率を向上するために行われるが、チップ天面に粗面化処理を施していない場合、図11Aに示すように、チップ内部の発光層からの発光の一部はチップ天面で反射されてチップ内部に閉じ込められ、多重反射を繰り返すうちに発光層に再び突入し、そこで減衰される。
一方、チップの天面を粗面化すると、図11Bに示すように、チップ内部の発光層からの発光のチップ天面に対する入射角度が変わり、その光はチップ内部へ反射されずにチップ外部へ出てくる割合が増加し、光の取り出し効率が向上する。
本第2実施形態の場合、砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードを使っているので、ダイシングブレードによる研削面に数μmの凹凸が形成され、その研削面は粗面状態となる。
また、本第2実施形態の発光ダイオードの出力は、粗面化を行わない場合と比べて向上している。具体的には、発光ダイオードの天面及び側面が鏡面の発光ダイオードの出力は、8.0mWであった。そして、本第2実施形態のように、砥粒の粒径が大きいダイシングブレードによって、天面及び側面が粗面化された発光ダイオードの出力は、8.5mWであった。
ダイシングブレードの砥粒の粒径と光出力の関係を確認するため、砥粒の粒径が0.5μm、3μm、5μm、7μmのダイシングブレードを用いて、各ダイシングブレードでダイシングされた発光ダイオードの光出力を確認する実験を行った。
図12に、上記実験の結果を示す。
図12から判るように、ダイシングブレードの砥粒の粒径と発光ダイオードの光出力とは相関があり、特に、砥粒の粒径が5μm、7μmのダイシングブレードでダイシングされた発光ダイオードの光出力が向上している。
以上より、砥粒の粒径がより大きなダイシングブレードを使用すると、発光ダイオードの光出力が向上することが判ったが、砥粒の粒径が8μm以上のダイシングブレードを使用した場合、ダイシングブレードの寿命が極端に縮む現象が確認されるため、コスト、生産性を含めると、発光ダイオードの製造時に使用するダイシングブレードの砥粒の粒径は望ましくは2μm以上8μm以下である。
上記第2実施形態では、発光ダイオードの天面の全部を粗面状に加工していたが、p型GaP基板112の天面の一部だけを粗面状に加工してもよい。具体的には、図13に示すように、p側ワイヤボンド用パッド電極111の形成領域を避けて、p型GaP基板の天面に粗面領域121をダイシングで形成してもよい。この粗面領域121を形成した場合、p側ワイヤボンド用パッド電極111の平坦性が向上して、良好なワイヤボンド強度を得ることができる。なお、図13の122は鏡面領域である。
上記第2実施形態では、発光ダイオードの側面及び天面を粗面状に加工していたが、発光ダイオードの天面のみを粗面状にしてもよい。この発光ダイオードの天面のみを粗面状にする場合も、天面の全部を粗面状にしてもよいし、または、天面の一部だけを粗面状してもよい。
上記第2実施形態では、p型AlGaInP活性層115を発光層の一例として用いていたが、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、炭素、Ti、Mg、Cd、ホウ素、窒素、酸素及び硫黄の中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなる発光層を用いてもよい。
上記第2実施形態では、透明層の一例としてp型GaP基板112を用いていたが、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、C、Ti、Mg、Cd、B、N、O及びSの中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物から透明層を用いてもよい。
上記第2実施形態の発光ダイオードは、AlGaInP発光層とGaP基板と有する構造であったが、本発明の発光ダイオードはその構造に限定されず、例えば、AlGaAs発光層とGaAs基板とを有する構造であってもよい。この構造であっても、上記第2実施形態と同様の効果を奏する。なお、上記構造の場合、GaAs基板はAlGaAs発光層による発光を透過する。
上記第2実施形態では、ダイシングブレードのみでウエハを複数のチップ(発光ダイオード)に分割していたが、ウエハをダイシングブレードでハーフダイシングまたはプレダイシングした後、ウエハを複数のチップに分割してもよい。
上記第2実施形態では、ウエハを複数のチップに分割するダイシング工程においてチップの側面を粗面状に加工していたが、ダイシング工程ではチップの側面を粗面状に加工せずに、ダイシング工程後にチップの側面をダイシングブレードで粗面状に加工してもよい。
本発明は、上記第1実施形態の記載事項と上記第2実施形態の記載事項とを適宜組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の発光ダイオードは、発光層の側面の一部または全部はダイシングブレードで粗面状に加工されたものであってもよい。
また、本発明の発光ダイオードは、ガラスやその他の光透過性基板を備えるものであってもよい。
また、本発明の発光ダイオードは、結晶成長させた光透過性層を備えてもよいし、サファイヤ基板上にエピタキシャル成長させたInGaNなどを備えてもよい。
つまり、本発明は、発光層と、この発光層が出射する光を透過する透明層とを備えるあらゆる構造の発光ダイオードに適用することができる。
図1は本発明の第1実施形態の発光ダイオードのチップの構造の模式図である。 図2Aは図1の発光ダイオードのMOCVD結晶成長を説明するための模式図である。 図2Bは図1の発光ダイオードのGaP接合構造の形成を説明するための模式図である。 図3Aは砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す図である。 図3Bは砥粒の粒径が1μmのブダイシングレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す図である。 図4Aは側面鏡面の発光ダイオード内の光路のイメージ図である。 図4Bは側面粗面の発光ダイオード内の光路のイメージ図である。 図5Aは側面粗面の発光ダイオードの配向特性のグラフである。 図5Bは側面鏡面の発光ダイオードの配向特性のグラフである。 図6はブレード砥粒の粒径の違いによる発光ダイオードの出力の違いを表すグラフである。 図7は従来の発光ダイオードの構造の模式図である。 図8は本発明の第2実施形態の発光ダイオードのチップの構造の模式図である。 図9Aは図8の発光ダイオードのMOCVD結晶成長を説明するための模式図である。 図9Bは図8の発光ダイオードのGaP接合構造の形成を説明するための模式図である。 図10Aは砥粒の粒径が4μmのダイシングブレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す図である。 図10Bは砥粒の粒径が1μmのダイシングブレードでp型GaP基板をダイシングした場合の研削面の状態を示す図である。 図11Aは天面鏡面の発光ダイオード内の光路のイメージ図である。 図11Bは天面粗面の発光ダイオード内の光路のイメージ図である。 図12はブレード砥粒の粒径の違いによる発光ダイオードの出力の違いを表すグラフである。 図13は天面の一部をダイシングする場合の一形態を示す模式図である。 図14は他の従来の発光ダイオードの構造の模式図である。
符号の説明
11,31 p側ダイボンド用電極
12,32 p型GaP基板
13 p型GaPコンタクト層
14,34 p型AlInP第2クラッド層
15,35 p型AlGaInP活性層
16,36 n型AlInP第1クラッド層
17 n型AlGaAs電流拡散層
19 n型GaAs基板
20 n型GaAsバッファ層
18,38 n側ワイヤボンド用パッド電極
37 透明電極用n型GaAsコンタクト層
39 透明電極
111,231 p側ワイヤボンド用パッド電極
112,232 p型GaP基板
113 p型GaPコンタクト層
114,234 p型AlInP第2クラッド層
115,235 p型AlGaInP活性層
116,236 n型AlInP第1クラッド層
117,237 n型AlGaAs電流拡散層
118,238 n側ダイボンド用電極
119 n型GaAs基板
120 n型GaAsバッファ層

Claims (15)

  1. 半導体層からなる発光層と、
    この発光層上に設けた半導体層からなる中間層と、
    上記中間層上に設けられると共に、上記発光層の出射光に対して透過性を有する透明層と
    を備え、
    上記透明層の表面の一部または全部はダイシングブレードで粗面状に加工されていることを特徴とする発光ダイオード。
  2. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記ダイシングブレードで粗面状に加工されている表面は、上記透明層の側面であることを特徴とする発光ダイオード。
  3. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記ダイシングブレードで粗面状に加工されている表面は、上記透明層の天面であることを特徴とする発光ダイオード。
  4. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記発光層の側面の一部または全部はダイシングブレードで粗面状に加工されていることを特徴とする発光ダイオード。
  5. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記透明層は、上記中間層に貼り付けられた基板であることを特徴とする発光ダイオード。
  6. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記透明層はエピタキシャル成長層またはエピタキシャル成長用基板であることを特徴とする発光ダイオード。
  7. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記発光層は、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、C、Ti、Mg、Cd、B、N、O及びSの中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなることを特徴とする発光ダイオード。
  8. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記透明層は、Al、Ga、As、In、P、Zn、Se、Te、Sn、Si、C、Ti、Mg、Cd、B、N、O及びSの中の少なくとも2つ以上の元素を含む化合物からなることを特徴とする発光ダイオード。
  9. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記発光層はAlGaInPからなり、
    上記透明層はGaPからなることを特徴とする発光ダイオード。
  10. 半導体層からなる発光層と、この発光層上に設けた半導体層からなる中間層と、上記中間層上に設けられると共に、上記発光層の出射光に対して透過性を有する透明層とを含むウエハを作製する工程と、
    上記透明層の表面の一部または全部をダイシングブレードで粗面状に加工する工程と
    を備えたことを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  11. 請求項10に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    上記ダイシングブレードで粗面状に加工する表面は、上記透明層の側面であることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  12. 請求項10に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    上記ダイシングブレードで粗面状に加工する表面は、上記透明層の天面であることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  13. 請求項11に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    上記ウエハを素子形状に分割する前に、上記ダイシングブレードによるハーフダイシングまたはプレダイシングによって、上記透明層の側面の一部または全部を粗面状にすることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  14. 請求項11に記載の発光ダイオードの製造方法であって、
    上記ウエハを素子形状に分割した後、上記透明層の側面の一部または全部を上記ダイシングブレードで粗面状に加工することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  15. 請求項10に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    上記ダイシングブレードの砥粒の粒径が2μm以上であることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
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