JP2007258350A - 真空駆動軸の真空シール機構 - Google Patents

真空駆動軸の真空シール機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2007258350A
JP2007258350A JP2006078953A JP2006078953A JP2007258350A JP 2007258350 A JP2007258350 A JP 2007258350A JP 2006078953 A JP2006078953 A JP 2006078953A JP 2006078953 A JP2006078953 A JP 2006078953A JP 2007258350 A JP2007258350 A JP 2007258350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum
seal
processing chamber
drive shaft
seal mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006078953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5042515B2 (ja
Inventor
Kazuya Yoshida
和也 吉田
Eiji Isobe
英二 磯部
Masateru Sato
正輝 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co Ltd
SEN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co Ltd, SEN Corp filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co Ltd
Priority to JP2006078953A priority Critical patent/JP5042515B2/ja
Priority to TW096109498A priority patent/TWI479546B/zh
Publication of JP2007258350A publication Critical patent/JP2007258350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5042515B2 publication Critical patent/JP5042515B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

【課題】 高速かつ長スキャンの基板スキャンであっても、真空シール性能の向上を実現可能な真空シール機構を提供する。
【解決手段】 真空処理室1内で被処理部材を保持している保持部をスキャンシャフト(真空駆動軸)7によって往復動するように駆動し、このスキャンシャフトを真空処理室の壁6に設けた連絡口6aを貫通させて外部に導出して真空処理室外に配置された駆動機構により駆動する。スキャンシャフトの当該真空処理室外の導出部に、スキャンシャフトの大気側における周囲に設けられたシールハウジング2を備えた真空シール機構が配設される。シールハウジングを複数の差動排気部および複数のシール部材により構成するとともに、スキャンシャフト上で、前記導出部とシールハウジングとを、弾性部分を有する揺動可能な接続部材5を介して連結した。
【選択図】 図1

Description

本発明はシール機構に関し、特に、真空処理室内で被処理部材を保持している保持部を真空駆動軸によって往復動するように駆動し、この真空駆動軸を真空処理室の壁に設けた連絡口を貫通させて外部に導出して真空処理室外に配置された駆動機構により駆動する場合に、真空駆動軸の導出部に適用するのに適した真空シール機構に関する。
この種の真空シール機構は、例えばFPD(Flat Panel Display)製造用のリボンビームタイプのドーピング装置に適用されており、図7を参照して簡単に説明する。
図7において、この種のドーピング装置においては、真空処理室100内で大型長方形形状(300mm以上×400mm以上)のガラス基板110全域をドープするために、ガラス基板110をその全長に亘りリボンビーム120中をスキャンさせることが必要である。ドーピング中は、ガラス基板110は基板保持器130によって真空処理室100内で保持されスキャンが行われるが、スキャン動作のための駆動は直動式の真空駆動軸であるスキャンシャフト140を介して大気側、つまり真空処理室100外で行われる。スキャンシャフト140は、真空処理室100の壁101を往復動(上下動)可能に貫通しており、スキャンシャフト140の導出部には真空側と大気側とを分離するシールパッキン式の真空シール機構150が設けられている。スキャンシャフト140の大気側の端部は、スキャンモータ161を駆動源とするボールスクリュ機構160における移動部162に固定されている。
基板保持器130は、モータハウジング170内に配置された駆動モータによる駆動機構によって水平、傾転動作が可能になっている。モータハウジング170は真空処理室100の壁101に添設されたリニアベアリング171によりガイドされて往復動(上下動)可能となっている。
スキャンシャフト140は中空であって、その真空側の端部とモータハウジング170とがケーブルハウジング180を介して接続されている。スキャンシャフト140内には、モータハウジング170内の駆動モータヘの動力ケーブルや真空差動排気ライン等が収容されているためその内径は大きくならざるを得ない。
また、かなり大型クラスのガラス基板になるとスキャン長も1000mmを超え、真空側と大気側を往復するスキャンシャフト140の表面積が大きくなる。すると、スキャン中の大気暴露時にスキャンシャフト140の表面に付着した水分等が真空処理室100内で遊離して真空度を悪化させ、特にスキャンスピードの早い低ドーズドーピングの再現性が得られなかった。
一方、スキャンシャフト表面に付着した水分に起因する真空処理室内の真空度悪化を改善する手段として、ガス置換機構を備えた装置が提供されている。この装置においては、スキャンシャフトの周囲を囲む1段以上の排気室を有する軸受装置の少なくとも真空処理室とは反対側の端部とそこを通るスキャンシャフトとの間のギャップの大気側の入口部付近にガス置換機構を備えるようにしている。このガス置換機構は、上記軸受装置の外部から、少なくとも周りの大気よりも湿度が低くかつ正圧の乾燥ガスを供給して上記入口部付近の雰囲気を当該乾燥ガスで置換する(特許文献1参照)。
このガス置換機構によれば、軸受装置の初段の排気室への大気の流入ひいては大気中の水分の流入を防ぐことができるとされている。
しかしながら、特許文献1に開示されている装置は、被処理部材である基板サイズがせいぜい8インチあるいは12インチ程度を対象としており、スキャン長も300mmあるいは400mm程度にすぎず、スキャン長が1000mmを超えるような大型の基板を対象とした装置には適していない。
特許第3077605号公報
本発明の目的は、高速かつ長スキャンの基板スキャンであっても、シールパッキン式の真空シール機構において真空シール性能の向上を実現可能な真空駆動軸の真空シール機構を提供することにある。
本発明による真空シール機構は、真空処理室内で被処理部材を保持している保持部を真空駆動軸によって往復動するように駆動し、この真空駆動軸を当該真空処理室の壁に設けた連絡口を貫通させて外部に導出して当該真空処理室外に配置された駆動機構により駆動するよう構成するとともに、当該真空駆動軸の真空処理室の壁に設けた連絡口の当該真空処理室外の導出部に、当該真空駆動軸の大気側における周囲に設けられたシールハウジングを備えた真空シール機構を配設した真空駆動軸の真空シール機構において、前記シールハウジングを複数の差動排気部および複数のシール部材により構成するとともに、前記真空駆動軸上で、前記導出部と前記シールハウジングとを、弾性部分を有する揺動可能な接続部材を介して連結したことを特徴とする。
本発明による真空シール機構においては、前記弾性部分を有する接続部材は、前記シールハウジングを揺動自在に支持する中間接続部材を有することが好ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記複数のシール部材は、真空処理室側から大気側に向けて順に第1、第2、第3のシール部材からなり、前記差動排気部は、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間の前記シールハウジングに設けられた第1の差動排気部と前記第2のシール部材と前記第3のシール部材との間の前記シールハウジングに設けられた第2の差動排気部とからなることが好ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記第2の差動排気部における排気空間は、前記第1の差動排気部の排気空間より排気部の容積を大きくすることが好ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記第1の差動排気部には精密真空ポンプを接続し、前記第2の差動排気部には粗引き真空ポンプを接続するが好ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記シール部材は、断面略U字形状を持つリング体と該リング体の略U字形状内に収容されて該略U字形状を拡げる方向に付勢しているリング状のばね体とを有し、略U字形状の一方の辺が前記真空駆動軸に密着するように前記シールハウジングに収容されていることが望ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記シールハウジングは、前記複数のシール部材のうち軸方向に関して最も大気側に近いシール部材の大気側の近傍に、乾燥不活性ガスあるいは乾燥空気を前記駆動軸の周囲に吹付けるパージ部を設けることが望ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記パージ部は、前記シールハウジングの大気側の端部に入れ子構造にて嵌着されるパージリングを含み、該パージリング内のパージ空間は、シール空間を介して前記各差動排気部の排気空間と連通していることが望ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記弾性部分を有する接続部材は、前記シールハウジングの真空処理室側の端部に組み付けられた前記中間接続部材と、前記真空処理室における前記連絡口の前記導出部と前記中間接続部材との間であって前記真空駆動軸の周囲の空間を密封するように設けられたベローズと、前記真空処理室と前記中間接続部材との間に設けられて前記中間接続部材と協働して前記シールハウジングをその揺動を許容しつつ軸方向の動きと回転とを制限する複数のサポートロッドとを含むことが望ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記複数のサポートロッドは前記ベローズの外側にあって一端側が前記真空処理室側に固定される一方、他端側が前記中間接続部材に固定され、少なくとも2本のサポートロッドの他端側に対応する箇所において前記中間接続部材と前記シールハウジングとが球面あるいは球関節による軸受を介して結合されていることが望ましい。
本発明による真空シール機構においては、前記第1のシール部材及び前記第1の差動排気部は前記軸受の位置に関して真空処理室側に設けられ、前記第2のシール部材は前記軸受の位置に関してわずかに大気側にずらした位置に設けられ、前記第2の差動排気部及び前記第3のシール部材は、前記軸受の位置に関して大気側に設けられることが好ましい。
本発明によれは、上記のいずれかによる真空駆動軸の真空シール機構を備えた真空処理装置が提供される。
本発明によれば、真空処理室内への大気の侵入は勿論のこと、大気中の水分の流入をも防ぐことができ、真空処理室内の真空度が時間経過とともに劣化することを防止できる。
図1、図2を参照して、本発明を、真空処理装置としてFPD製造用のドーピング装置における真空処理室に適用した真空シール機構の実施形態について説明する。真空シール機構以外の部分については、図7に示されたものと同じ構成としても良い。
図1(a)は、本発明による真空シール機構を、図7で説明した真空処理室における同じような部位に設置した状態を側面図で示し、図1(b)は図1(a)の真空シール機構を下方から見た図である。図2は図1(a)の真空シール機構の縦断面図である。
本実施形態による真空シール機構は、概略的に、シールハウジング2と、パージ部4と、弾性部分を有する接続部材5とに大別され、これらの各部及び真空処理室1の壁6に設けた連絡口6aを真空駆動軸であるスキャンシャフト7が往復動作(上下動作)可能な状態で貫通している。
シールハウジング2はリング状あるいは筒状であり、その上端側にはシールハウジング2を揺動自在に支持するためのフランジリング(中間接続部材)53が組み付けられている。シールハウジング2は、ここでは軸方向に間隔をおいた3箇所の内壁にそれぞれ環状の溝を有し、これらの溝にシールリング23−1、23−2、23−3を収容している。シールリング23−1、23−2、23−3はそれぞれ、真空処理室1側から順に第1、第2、第3のシールリングと呼ばれる。シールハウジング2の内壁にはまた、第1のシールリング23−1と第2のシールリング23−2との間、及び第2のシールリング23−2と第3のシールリング23−3との間にそれぞれ環状の凹部を有し、これらの環状の凹部は真空処理室1側から順に第1、第2の差動排気部24−1、24−2として用いられる。つまり、第1の差動排気部24−1の排気空間からシールハウジング2の外部へ至る通路24−1aが形成され、この通路24−1aにはコネクタを介して精密真空ポンプが接続される。これにより、第1の差動排気部24−1は高真空度での真空引きが行われる。一方、第2の差動排気部24−2の排気空間は、排気コンダクタンスを大きくするために第1の差動排気部24−1の排気空間より排気部の容積が大きくなるようにされる。第2の差動排気部24−2の排気空間からシールハウジング2の外部へ至る通路24−2aが形成され、この通路24−2aにはコネクタを介して粗引き真空ポンプが接続される。つまり、第2の差動排気部24−2では、第1の差動排気部24−1に比べれば低い真空度ではあるが短時間で粗引きが行われる。フランジリング53は、シールハウジング2の上部が挿入される筒状部を有し、スキャンシャフト7に対してシールハウジング2ともにスライド可能に組み付けられている。シールハウジング2の外壁とフランジリング53の筒状部の内壁との間にはシール用のOリング25が設けられる。
ここで、図3を参照して、シールリングの一例をシールリング23−1の場合について説明する。シールリング23−1は、断面略U字形状を持つ樹脂製のリング体23−11と、このリング体23−11の略U字形状の内部に収容されてこれを拡げる方向に付勢しているリング状かつ断面略U字形状の金属製のばね体23−12とから成る。特に、リング体23−11は先端の両外側部分にリップ23−11aを有する。シールリング23−1は、断面略U字形状の開放側を大気側に向け、両側のリップ23−11aの一方がスキャンシャフト7の外周に密着するようにシールハウジング2の溝に収容される。シールリング23−2、23−3についてもまったく同様である。
ところで、各シールリングは、スキャンシャフト7の摺動作用によりリップの部分が磨耗してゆくが、この磨耗高さは面圧と摺動距離に比例する。3段のシールリング23−1、23−2、23−3について考えると、最も大気側に近いシールリング23−3はばね体の反力に加えて大気圧を受けるので最も大きい面圧を受け、磨耗が早い。
また、3段のシールリングによる3重シールと、2段のシールリングによる2重シールとの間では真空特性にはあまり差の無いことが確認されている。しかしながら、試験結果によれば、3重シールとした場合、試験開始後、ある一定の期間の摺動距離で大気側に最も近い3段目のシールリング23−3が磨耗限界に達し、その後、シールリング23−1、23−2からなる2重シールによるシールが始まり、更なる期間の摺動距離まで所定の真空特性を維持し、更なる摺動期間が確保できることが確認されている。つまり、3重シールによれば、所望の同じ真空特性を長期間にわたって維持することができる。
次に、図1、図2に戻ってパージ部4について説明する。パージ部4は、内壁にパージ空間を形成するための凹部を有するパージリング41を有する。ここでは、パージ空間は第2の差動排気部24−2の排気空間よりも大きくしている。パージリング41の上端には、外径を細くした絞り部42を有し、この絞り部42がシールハウジング2の下端(大気側端部)内壁における凹部に入り込む入れ子構造としている。パージ部4のパージ空間からパージリング41の外部へ至る通路41aが形成され、この通路41aにはコネクタを介してガスパージ用のポンプが接続される。パージリング41はボルト等によりシールハウジング2に固着される。特に、パージ部4のパージ空間はスキャンシャフト7の外周とパージリング41の絞り部42の内壁との間のシール空間を介して第2の差動排気部24−2の排気空間と連通するようにしている。
パージ部4では窒素等の乾燥した不活性ガスあるいは乾燥した空気がパージされる。パージされたガスの一部はスキャンシャフト7の外周と絞り部42の内壁との間のシール空間を通して第2の差動排気部24−2の排気空間に流入し排気される。パージされたガスの残りは、スキャンシャフト7の外周とパージリング41の内壁との間のクリアランス空間を通して大気側に排出される。
大気側で露出状態にあることにより大気中の水分が付着している可能性のあるスキャンシャフト7が上昇してパージ部4内に進入してきても、パージ部4からのガスパージによりスキャンシャフト7の外周に付着している水分は十分に除去される。
図4をも参照して弾性部分を有する接続部材5について説明する。弾性部分を有する接続部材5は揺動可能であり、弾性部分としてのベローズ51と、フランジリング53と、複数、ここでは4本のサポートロッド55とを含む。ベローズ51は、その上端側(真空処理室側)が真空処理室1の壁6における連絡口6aの外側開口周縁に固定されたフランジ52に固着される。壁6とフランジ52との間にはシール用のOリング54が介在させられている。一方、ベローズ51の下端側(大気側)はシールハウジング2の上部に組み付けられたフランジリング53の上端に固定されている。これにより、ベローズ51は開口6aとフランジリング53との間のスキャンシャフト7の周囲を密封する。
サポートロッド55は、スキャンシャフト7が傾動した場合でもシールハウジング2及びベローズ51の揺動を許容する一方、シールハウジング2の軸方向の動きと回転とを制限するためのものである。このために、サポートロッド55は、上端側がフランジ52に固定され、下端側はフランジリング53に固定される。一方、本実施形態では、シールハウジング2が、フランジリング53に取り付けられた球面あるいは球関節による軸受を介してフランジリング53に結合されている。フランジリング53は、内側に円筒空間を持つが、外側はサポートロッド55の固定部を形成するために平面形状が略四角形にされている。本実施形態では、シールハウジング2の揺動自在構造を実現するために球面軸受を採用しており、そのために2本のサポートロッド55の下端部には、その2本のサポートロッド55とフランジリング53とを固定するネジをも兼用したネジ軸55−1が設けられ、その下端部にクランプ球(球状体)55−2が設けられている。
図1(b)に示すように、4本のサポートロッドのうちの2本というのは、四角形の対角線上に位置する2本である。残りの2本のサポートロッドは、ネジ55−3によってフランジリング53に固定されている。二箇所のみを球面軸受で支持するようにしているのは、軸受支持構造の設置スペース上の問題によるものである。3本分以上の設置スペースを確保できるのであれば、3本以上を軸受で支持するようにしても良い。また、サポートロッドそのものを5本以上としても良い。
図4は、シールハウジング2におけるクランプ球55−2の軸受支持部周辺の断面構造を示す。シールハウジング2は円筒状であるが、クランプ球55−2の軸受支持部周辺ではその軸受支持部のスペースを確保するために平面形状が略四角形の部分を持つ。この四角形のコーナー部のうち対角線上に位置する2つのコーナー部にはクランプ球55−2を受けるための球面21aを持つ台座が形成されている。これにより、例えばスキャンシャフト7がわずかに傾くと、球面軸受の作用によりシールハウジング2も追従してシール機能を損なうことなくわずかに傾くことができる。この場合、ベローズ51もシールハウジング2と共にわずかに傾動する。
なお、球面21aを持つ台座は、クランプ球55−2を着脱可能とするために、図4に示すように、クランプ部28を蝶番等(図示せず)を介してシールハウジング2から分離可能にしている。クランプ部28は、球面21aのほぼ1/2の部分を持つ。これにより、クランプ球55−2を球面21aに収容する際にはクランプ部28をシールハウジング2から分離させ、クランプ球55−2をシールハウジング2側の所定位置にセットしたらクランプ部28を元に戻し、クランプ部28を固定金具(図示せず)でシールハウジング2に固定する。球関節による軸受の場合には、シールハウジング2側の台座に半球状の突部を設け、クランプ球55−2側にはこれを受ける球面を持つ受部が設けられる。
シールハウジング2における中間シール位置、つまり第2のシールリング23−2の配置位置は、球面軸受における揺動中心位置よりもわずかに大気側とされ、これにより中間シール位置の揺動が極力小さくなるようにしている。これにより、第1の差動排気部24−1及び第1のシールリング23−1の配置場所は球面軸受における揺動中心位置よりも真空処理室側となり、第2の差動排気部24−2及び第3のシールリング23−3の配置場所は球面軸受における揺動中心位置よりも大気側となる。
FPD製造用のドーピング装置における真空処理室の場合、図7で説明したように、直動駆動機構によりリボンビームの照射域を通過するようにガラス基板をスキャンさせる。このスキャンに伴ってスキャンシャフト7がシールハウジング2及びベローズ5内を上下動する。シールハウジング2内では3箇所でスキャンシャフト7の周囲にシールリング23−1〜23−3が密着している一方、第1の差動排気部24−1では精密真空ポンプによる高真空度での真空引き、第2の差動排気部24−2では粗引き真空ポンプによる粗引きがそれぞれ行われる。加えて、シールハウジング2と真空処理室1の壁6との間のスキャンシャフト7の周囲はベローズ51でシールされる。更に、シールハウジング2の入口付近ではパージ部4において乾燥ガスがパージされてスキャンシャフト7の周囲に付着した水分が除去される。
以上のように、本実施形態による真空シール機構によれば、真空処理室内への大気の侵入は勿論のこと、大気中の水分の流入をも防ぐことができ、真空処理室内の真空度が時間経過とともに劣化することを防止できる。
図5は、本実施形態のような乾燥ガスパージを行わずにスキャンシャフトを駆動した場合の真空処理室の真空度変化の測定結果を時間経過とともに示す。図5から明らかなように、真空処理室の真空度は時間の経過とともに劣化する傾向にある。
一方、図6は、乾燥ガスを導入しない場合(黒の四角)と、乾燥ガスとしてNをパージ部4から導入した場合(黒の三角)のスキャン中の真空処理室の真空度変化の測定結果をスキャンスピードを横軸にして示す。Nガスを導入した場合には、スキャンスピードが早くなるほど真空度低下を低減する効果があり、真空処理室の真空度低下は乾燥ガス導入が無い場合に比べて6割程度に抑制することができる。
以上の構成により、特にスキャンスピードの早い、低ドーズ注入の再現性が良く保たれる。
本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。以下に、本発明の変更例を列挙する。
1.差動排気部
1−1.第2の差動排気部24−2を、球面軸受の揺動中心位置より真空室側寄りに設置する。
1−2.第1の差動排気部24−1に中間室又は排気ポートを設ける。
2.第1、第2の差動排気部、パージ部4の関係
2−1.第1の差動排気部と第2の差動排気部の排気空間を同じ大きさとする。
2−2.第1の差動排気部の排気空間を、第2の差動排気部の排気空間よりも大きくする。
2−3.パージ部のパージ空間を、第2の差動排気部の排気空間と同じ大きさとする。
2−4.パージ部のパージ空間は、第2の差動差動排気部の排気空間よりも小さくする。
2−5.パージ部のパージ空間は、第1の差動排気部の排気空間よりも大きくする。
2−6.パージ部のパージ空間と第1の差動排気部の排気空間を、同じ大きさとする。
2−7.パージ部のパージ空間を、第1の差動排気部の排気空間よりも小さくする。
3.第1、第2の差動排気部、パージ部と排気ラインの関係
3−1.第1、第2の差動排気部の排気ラインはスキャンシャフトに対してほぼ垂直に接続する。
3−2.第1、第2の差動排気部の排気ラインの一方を、スキャンシャフトに対してほぼ垂直に接続し、他方を、スキャンシャフトに対して斜めに接続する。
3−3.パージ部の給気ラインはスキャンシャフトに対して斜めに接続する。
3−4.パージ部の給気ラインはスキャンシャフトに対してほぼ垂直に接続する。
4.真空シール機構の構成
4−1.スキャンシャフトの真空シール機構を、シールハウジング、パージ部とで構成する。
4−2.真空処理室側から大気側へ向けて、弾性部分を有する接続部材、シールハウジングの順に接続し、パージ部はシールハウジングに接続せずに分離して配置する。
本発明によるシール機構は、FPD製造用のドーピング装置における真空処理室に限らず、真空駆動軸による直動機構を備え、減圧状態にて何らかの処理を行う必要のある減圧処理室にも適用できる。
図1(a)は、本発明による真空シール機構を、図7で説明した真空処理室における同じような部位に設置した状態を側面図で示し、図1(b)は図1(a)に示された真空シール機構を下方から見た図である。 図2は、図1に示された真空シール機構の縦断面図である。 図3は、本発明において使用されるシールリングの一例を説明するための断面図である。 図4は、本発明に適用される弾性部分を有する接続部材におけるサポートロッドの支持構造を説明するための断面図である。 図5は、乾燥ガスパージを行わずにスキャンシャフトを駆動した場合の真空処理室の真空度変化の測定結果を時間経過とともに示した図である。 図6は、乾燥ガスとしてNをパージ部から導入した場合のスキャン中の真空処理室の真空度変化の測定結果を示した図である。 図7は、FPD製造用のリボンビームタイプのドーピング装置の一部を、ガラス基板の直動駆動機構について示した図である。
符号の説明
1 真空処理室
2 シールハウジング
4 パージ部
5 弾性部分を有する接続部材
6 真空処理室の壁
7 スキャンシャフト(真空駆動軸)
23−1〜23−3 第1〜第3のシールリング
24−1、24−2 第1、第2の差動排気部
51 ベローズ
53 フランジリング(中間接続部材)
55 サポートロッド

Claims (12)

  1. 真空処理室内で被処理部材を保持している保持部を真空駆動軸によって往復動するように駆動し、この真空駆動軸を当該真空処理室の壁に設けた連絡口を貫通させて外部に導出して当該真空処理室外に配置された駆動機構により駆動するよう構成するとともに、当該真空駆動軸の真空処理室の壁に設けた連絡口の当該真空処理室外の導出部に、当該真空駆動軸の大気側における周囲に設けられたシールハウジングを備えた真空シール機構を配設した真空駆動軸の真空シール機構において、
    前記シールハウジングを複数の差動排気部および複数のシール部材により構成するとともに、前記真空駆動軸上で、前記導出部と前記シールハウジングとを、弾性部分を有する揺動可能な接続部材を介して連結したことを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  2. 請求項1に記載の真空シール機構において、前記弾性部分を有する接続部材は、前記シールハウジングを揺動自在に支持する中間接続部材を有することを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  3. 請求項1又は2に記載の真空シール機構において、前記複数のシール部材は、真空処理室側から大気側に向けて順に第1、第2、第3のシール部材からなり、前記差動排気部は、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間の前記シールハウジングに設けられた第1の差動排気部と前記第2のシール部材と前記第3のシール部材との間の前記シールハウジングに設けられた第2の差動排気部とからなることを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  4. 請求項3に記載の真空シール機構において、前記第2の差動排気部における排気空間は、前記第1の差動排気部の排気空間より排気部の容積を大きくしたことを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  5. 請求項3又は4に記載の真空シール機構において、前記第1の差動排気部には精密真空ポンプを接続し、前記第2の差動排気部には粗引き真空ポンプを接続することを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空シール機構において、前記シール部材は、断面略U字形状を持つリング体と該リング体の略U字形状内に収容されて該略U字形状を拡げる方向に付勢しているリング状のばね体とを有し、略U字形状の一方の辺が前記真空駆動軸に密着するように前記シールハウジングに収容されていることを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  7. 請求項1に記載の真空シール機構において、前記シールハウジングは、前記複数のシール部材のうち軸方向に関して最も大気側に近いシール部材の大気側の近傍に、乾燥不活性ガスあるいは乾燥空気を前記駆動軸の周囲に吹付けるパージ部を設けたことを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  8. 請求項7に記載の真空シール機構において、前記パージ部は、前記シールハウジングの大気側の端部に入れ子構造にて嵌着されるパージリングを含み、該パージリング内のパージ空間は、シール空間を介して前記各差動排気部の排気空間と連通していることを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  9. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の真空シール機構において、前記弾性部分を有する接続部材は、前記シールハウジングの真空処理室側の端部に組み付けられた前記中間接続部材と、前記真空処理室における前記連絡口の前記導出部と前記中間接続部材との間であって前記真空駆動軸の周囲の空間を密封するように設けられたベローズと、前記真空処理室と前記中間接続部材との間に設けられて前記中間接続部材と協働して前記シールハウジングをその揺動を許容しつつ軸方向の動きと回転とを制限する複数のサポートロッドとを含むことを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  10. 請求項9に記載の真空シール機構において、前記複数のサポートロッドは前記ベローズの外側にあって一端側が前記真空処理室側に固定される一方、他端側が前記中間接続部材に固定され、少なくとも2本のサポートロッドの他端側に対応する箇所において前記中間接続部材と前記シールハウジングとが球面あるいは球関節による軸受を介して結合されていることを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  11. 請求項10に記載の真空シール機構において、前記第1のシール部材及び前記第1の差動排気部は前記軸受の位置に関して真空処理室側に設けられ、前記第2のシール部材は前記軸受の位置に関してわずかに大気側にずらした位置に設けられ、前記第2の差動排気部及び前記第3のシール部材は、前記軸受の位置に関して大気側に設けられることを特徴とする真空駆動軸の真空シール機構。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の真空駆動軸の真空シール機構を備えた真空処理装置。
JP2006078953A 2006-03-22 2006-03-22 真空駆動軸の真空シール機構 Expired - Fee Related JP5042515B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006078953A JP5042515B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 真空駆動軸の真空シール機構
TW096109498A TWI479546B (zh) 2006-03-22 2007-03-20 真空驅動軸之真空密封機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006078953A JP5042515B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 真空駆動軸の真空シール機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007258350A true JP2007258350A (ja) 2007-10-04
JP5042515B2 JP5042515B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=38632297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006078953A Expired - Fee Related JP5042515B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 真空駆動軸の真空シール機構

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5042515B2 (ja)
TW (1) TWI479546B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112198180A (zh) * 2020-08-03 2021-01-08 北京工业大学 一种电镜真空转移台
CN112198179A (zh) * 2020-08-03 2021-01-08 北京工业大学 一种电镜单电机驱动密封结构
CN112713070A (zh) * 2019-10-25 2021-04-27 中国电子科技集团公司第四十八研究所 一种真空机械扫描装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03153970A (ja) * 1989-11-10 1991-07-01 Hitachi Ltd スライドシール機構
JPH10125613A (ja) * 1996-10-18 1998-05-15 Nissin Electric Co Ltd ホルダ駆動装置
JP2002276821A (ja) * 2001-02-20 2002-09-25 Varian Semiconductor Equipment Associates Inc 圧力差シール装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002228010A (ja) * 2000-10-25 2002-08-14 Teijin Seiki Co Ltd 真空シール機構および真空シール装置
US7036794B2 (en) * 2004-08-13 2006-05-02 Vat Holding Ag Method for control of a vacuum valve arranged between two vacuum chambers

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03153970A (ja) * 1989-11-10 1991-07-01 Hitachi Ltd スライドシール機構
JPH10125613A (ja) * 1996-10-18 1998-05-15 Nissin Electric Co Ltd ホルダ駆動装置
JP2002276821A (ja) * 2001-02-20 2002-09-25 Varian Semiconductor Equipment Associates Inc 圧力差シール装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112713070A (zh) * 2019-10-25 2021-04-27 中国电子科技集团公司第四十八研究所 一种真空机械扫描装置
CN112198180A (zh) * 2020-08-03 2021-01-08 北京工业大学 一种电镜真空转移台
CN112198179A (zh) * 2020-08-03 2021-01-08 北京工业大学 一种电镜单电机驱动密封结构
CN112198180B (zh) * 2020-08-03 2023-11-24 北京工业大学 一种电镜真空转移台
CN112198179B (zh) * 2020-08-03 2023-12-15 北京工业大学 一种电镜单电机驱动密封结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP5042515B2 (ja) 2012-10-03
TWI479546B (zh) 2015-04-01
TW200811929A (en) 2008-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5042515B2 (ja) 真空駆動軸の真空シール機構
KR20160032196A (ko) 로봇
JPWO2019017250A1 (ja) 軸封装置
JP3077605B2 (ja) ホルダ駆動装置
JP2023526957A (ja) スクロールポンプ
JP2007009939A (ja) 位置決め装置
US20100122603A1 (en) Aerostatically Guided Table System for Vacuum Application
JPH08216071A (ja) ロボット
US20090229688A1 (en) Vacuum processing apparatus, method of controlling vacuum processing apparatus, device manufacturing method, and storage medium
JP5364727B2 (ja) コンタミ用シール装置
JP6271852B2 (ja) 電子線応用装置の鏡筒部へ真空ポンプを接続する真空ポンプ用接続装置、及び該接続装置の設置方法
JPH0727235A (ja) 無摺動ゲートバルブ
JP2005161409A (ja) 搬送ロボットのシール構造
JP2005249079A (ja) シールユニット
JP2002323149A (ja) ゲートバルブ
JP2002106563A (ja) 駆動装置
JP4016418B2 (ja) 位置決め装置
JP2003188237A (ja) 位置決め装置
CN1512087A (zh) 振动隔离台
JP2006250310A (ja) 回転軸支持装置
JP2003229472A (ja) 駆動装置
JP2708581B2 (ja) 真空ポンプ
JP7382150B2 (ja) 真空ポンプ、及び、真空ポンプに用いられるシール部材
JP2003045941A (ja) 位置決め装置
JP2001041330A (ja) ゲートバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120620

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5042515

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees