JP2007258121A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いの小さい色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】透明基板11に外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部13が設けられ、対向基板12が該枠縁部13の内側に配置されると共に、対向基板12の側縁部と前記枠縁部13の内面との間に封止材2が設けられていることで、封止材2を基板間に挟着する必要がなく、対向基板12の側縁部と枠縁部13の内面との小さい隙間に封止材2を設けるのみで封止することができ、平面において視認される場合において封止材2が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質層を封止材にて封止している色素増感型太陽電池に関するものである。
液状の電解質層を用いた色素増感型太陽電池は、電解液を封止するために封止材が必須であるが、かかる封止材としては、例えば作用極をなす第1の基板と対極をなす第2の基板とを重ね合わせ、その周縁部において封止して、光電変換素子を製造する際に、いずれか一方もしくは両方の基板の周縁部にガラスフリット層を配し、いずれかの基板を透過して該ガラスフリット層にレーザ光を照射し、ガラスフリット層を溶融して第1および第2の基板を接合、封止する光電変換素子の製法におけるガラスフリット層を封止材として用いるものが開示されている(例えば特許文献1)。
特開2004−172048号公報
しかしながら、封止材は未硬化の状態で基板間に充填し、基板間に挟着してから硬化させる必要があることから、基板に形成された透明電極や対向電極上に覆い被さって硬化される場合が多く、かかる部位が正面から視認されるため封止材が目立って外観が見苦しくなる恐れがあった。また未硬化の封止材を挟着を基板間で挟着させると、封止材が拡がって平面において視認される封止材の面積が大きくなり、こちらも封止材が目立って外観が見苦しくなる恐れがあった。
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いの小さい色素増感型太陽電池を提供せんとするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる色素増感型太陽電池は、透明電極が形成された透明基板と、対向電極が形成された対向基板と、透明電極上に形成され多孔質の半導体材料に増感色素を担持させて形成された光電極層と、前記光電極層と対向電極との間に液状又は擬液状の電解質からなる電解質層が設けられた色素増感型太陽電池であって、前記透明基板又は対向基板の一方の基板に外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部が設けられ、他方の基板が該枠縁部の内側に配置されると共に、他方の基板の側縁部と前記枠縁部の内面との間に封止材が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係わる色素増感型太陽電池によれば、透明基板又は対向基板の一方の基板に外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部が設けられ、他方の基板が該枠縁部の内側に配置されると共に、他方の基板の側縁部と前記枠縁部の内面との間に封止材が設けられていることで、封止材を基板間に挟着する必要がなく、他方の基板の側縁部と枠縁部の内面との小さい隙間に封止材を設けるのみで封止することができ、平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
また本発明に係わる色素増感型太陽電池は、透明電極が形成された透明基板と、対向電極が形成された対向基板と、透明電極上に形成され多孔質の半導体材料に増感色素を担持させて形成された光電極層と、前記光電極層と対向電極との間に液状又は擬液状の電解質からなる電解質層が設けられた色素増感型太陽電池であって、前記透明電極の角部がR状に面取りされていることを特徴とするものである。
本発明に係わる色素増感型太陽電池によれば、透明電極の角部がR状に面取りされていることで、基板間に未硬化の封止材が挟着されて封止材が拡がった場合に、とりわけ内側に拡がりやすい角部付近の透明電極上に封止材が覆い被さりにくくして、平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
本発明に係わる色素増感型太陽電池によれば、透明基板又は対向基板の一方の基板に外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部が設けられ、他方の基板が該枠縁部の内側に配置されると共に、他方の基板の側縁部と前記枠縁部の内面との間に封止材が設けられていることで、封止材を基板間に挟着する必要がなく、他方の基板の側縁部と枠縁部の内面との小さい隙間に封止材を設けるのみで封止することができ、平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
また本発明に係わる色素増感型太陽電池によれば、透明電極の角部がR状に面取りされていることで、基板間に未硬化の封止材が挟着されて封止材が拡がった場合に、とりわけ内側に拡がりやすい角部付近の透明電極上に封止材が覆い被さりにくくして、平面において視認される場合において封止材が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第一の実施形態を示すもので、まず図1は色素増感型太陽電池の概要を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面を示す縦断面図である。色素増感型太陽電池10は、透明基板11と対向基板12とが縦方向の位置をずらして配置され、透明基板11及び対向基板12の基板間には発電部Eが設けられている。発電部Eは封止材2により基板間に封止されており、発電部Eの縦方向の両端は未硬化の封止材2が基板間に挟着されて硬化されることで形成された封止材2が用いられている。
図2は、(a)のA−A断面を示すもので、発電部Eの横方向の端部の詳細を示す縦断面図である。色素増感型太陽電池10は、光入射側αから透明基板11、透明電極41、光電極層5、電解質層3、対向電極42及び対向電極12が積層されて形成されたものであり、透明電極41、光電極層5、電解質層3及び対向電極42により発電部Eが形成されたものである。平面視における発電部Eの色調は、殆どが光電極層5に担持された増感色素に由来するものである。透明基板11は外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部13が設けられている。枠縁部13により透明基板11は函型に形成され、対向基板12の幅は枠縁部13間の間隔より小さくなされることで枠縁部13間に配置可能となされている。対向基板12が枠縁部13の内側に配置されると共に、対向基板12の側縁部と枠縁部13の内面との間に封止材2が設けられることで電解質層3が封止されるようになされている。
ここで、枠縁部13の側縁部と対向基板42の内面の間に封止材2が設けられることで、封止材2を基板間に挟着する必要がなく隙間に注入するのみで済むことから、挟着時の如く封止材2が拡がって平面において大きな面積を占めるようにする必要がなく、また枠縁部13もある程度の強度が確保できればよくそれ程大きな厚みを必要としないことから、平面において視認されるのは封止材2が充填された隙間と枠縁部13の厚みを合わせた部分のみとできることから、従来の色素増感型太陽電池に用いられる封止材2が占める面積より平面において視認される面積を遙かに小さいものとでき、封止材2が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
図3は、本発明に係わる色素増感型太陽電池の、図1の(a)におけるB−B断面における変形の一例を示す縦断面図である。透明電極41及び対向電極42は、発電部Eの縦方向の両端部分において電力を取り出すために各々その連続した一部を露出させて陰極411及び陽極421を形成する必要があるが、かかる縦方向の端部について枠縁部13を形成して封止材2が平面において視認される面積を小さくすることができる。具体的には、陰極411の形成については、枠縁部13を更に外側に突出させて陰極形成部131を設けておき、透明基板11、枠縁部13の内面及び陰極形成部131に導電体を連続して形成することで、透明電極41及びそれと電気的に連続した陰極411を形成する。この枠縁部13の内面と、枠縁部13の内側に配置された対向基板12との隙間に封止材2を充填する。
また陽極421の形成については、対向基板12の縦方向の端部の厚みを一部小さいものとして陽極形性部121を形成し、対向基板12及び陰極形性部121に導電体を連続して形成することで、対向電極42及びそれと電気的に連続した陽極421を形成する。透明基板13には予め枠縁部13が形成されており、この枠縁部13と陽極形性部121との隙間に封止材2を充填することで、電力を取り出す陰極411及び陽極421が形成され、且つ電解質層4が封止された色素増感型太陽電池10が形成される。かかる構成においても、平面において視認される場合には、枠縁部13と、封止材2が充填された枠縁部13の内面と対向基板12との隙間のみが視認されるのみであり、封止材2が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができる。
図4及び図5は、本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第二の実施形態を示すもので、まず図4は色素増感型太陽電池の形成に用いられる透明電極41が形成された透明基板11を示す平面図である。矩形の透明基板11には、周辺の封止材が配置される部分を除いて略矩形に透明な導電体からなる透明電極41が形成され、透明電極41と連続して電力を出力するための陰極411が形成されている。透明電極41は、矩形をなす四隅がR状に面取りされて面取り部412となされているものである。
図5は、本発明に係わる色素増感型太陽電池と、従来の色素増感型太陽電池とを平面において視認した状態を示す平面図である。図4に示した透明基板11を用いて形成した色素増感型太陽電池は(a)に示すものであるが、発電部Eの周囲に電解質層を封止する封止材2が全周に亘って設けられている。色素増感型太陽電池10は、第一の実施形態の縦方向の両端部分の如き構成を四囲に設けたものであり、封止材2は透明基板11及び対向基板12との間に未硬化の状態で挟着されてから硬化されたものである。封止材2が未硬化の状態で挟着されると、封止材2は平面方向に拡大するが、角部については内側への拡大が不可避であることから、従来の面取りされていない透明電極41が形成された透明基板11を用いた場合、(b)に示す如く透明電極41と封止材2とが重複する部分が生じ、発電部E及び封止材2と異なる色調の部分が生じることで美観が損なわれた状態となる。透明電極41に面取り部412が設けられていることで、内側に拡がりやすい角部付近の透明電極41上に封止材2が覆い被さりにくくなり、平面において視認される場合において封止材2が目立つ度合いを小さくして美観を高めることができるようになされる。
透明基板11の形成に用いられる材料としては、透明性の高いガラス、強化ガラスや、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル等の透明性の高い合成樹脂等を用いることができる。対向基板12の形成に用いられる材料としては、透明性が必要とされない場合には適宜の材料を用いて形成することができるが、透明性が必要とされる場合には透明基板11に挙げた材料を好適に用いることができる。また電解質層3に対する耐久性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂に加え、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂といったポリエステル合成樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン樹脂といったポリオレフィン系合成樹脂等も好適に用いることができる。
封止材2は、電解質層3の漏洩を防止できるものであれば特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂等のシーリング材を好適に用いることができる。またゴム、エラストマー等の弾性を有する合成樹脂をリング状にしたものを挟着して用いてもよい。
また透明電極41については、透明性に優れると共に高い導電性を備えるスズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、金、白金等やそれらを複数組み合わせたものを真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、泳動電着法等の適宜の方法により基材11上に形成したり、またはそれらの薄膜が形成されたフィルムを基材11に貼着したりする等して形成することができる。
更にまた対向電極42としては、白金、カーボン、導電性ポリマーや、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の金属酸化物と前記物質との複合材料等を用いて、真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、泳動電着法等の適宜の方法により基材11上に形成したり、またそれらの薄膜が形成されたフィルムを基材11に貼着したりする等して形成することができる。
光電極層5は、Fe、CuO、In、WO、FeTiO、PbO、V、FeTiO、Bi、Nb、SrTiO、ZnO、BaTiO、CaTiO、KTaO、SnO、ZrOなどの半導体材料を用いて形成された薄膜に増感色素を担持させることで形成でき、半導体材料としてはこれらの内、コストや作業性等から酸化チタン(TiO)、又は透明性の薄層の形成性に優れ且つ電析が可能である酸化亜鉛(ZnO)が好適であるが、それに限定されるものではなく適宜のものを用いることができる。光電極層5に担持される色素は、発電部Eに発現させるための所望の色調のものを選択したり、また発電効率を高めるための増感色素を適宜選択して用いることができる。
また電解質層42としては、アセトニトリルとエチレンカーボネートの混合溶液や、メトキシプロピオニトリル等の溶媒に、ヨウ化リチウム、金属ヨウ素等の電解質を加えたもの等の液体電解質や、高分子ゲル電解液等の擬固体化電解質といった液体電解質系、p型半導体、ホール輸送剤等の固体電解質系などを用いることができる。
本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第一の実施形態を示す説明図である。 図1のB−B断面図である。 本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第一の実施形態の変形の一例を示す縦断面図である。 本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第二の実施形態に用いられる透明電極の平面図である。 本発明に係わる色素増感型太陽電池の、第二の実施形態と、従来の色素増感型太陽電池を比較した平面図である。
符号の説明
11 透明基板
12 対向基板
13 枠縁部
2 封止材
3 電解質層
41 透明電極
412 面取り部
42 対向電極
5 光電極層
10 色素増感型太陽電池
E 発電部

Claims (2)

  1. 透明電極が形成された透明基板と、対向電極が形成された対向基板と、透明電極上に形成され多孔質の半導体材料に増感色素を担持させて形成された光電極層と、前記光電極層と対向電極との間に液状又は擬液状の電解質からなる電解質層が設けられた色素増感型太陽電池であって、前記透明基板又は対向基板の一方の基板に外側縁から厚み方向に立ち上げられた枠縁部が設けられ、他方の基板が該枠縁部の内側に配置されると共に、他方の基板の側縁部と前記枠縁部の内面との間に封止材が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 透明電極が形成された透明基板と、対向電極が形成された対向基板と、透明電極上に形成され多孔質の半導体材料に増感色素を担持させて形成された光電極層と、前記光電極層と対向電極との間に液状又は擬液状の電解質からなる電解質層が設けられた色素増感型太陽電池であって、前記透明電極の角部がR状に面取りされていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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