JP2014170617A - 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器 - Google Patents

色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】封止材のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供する。
【解決手段】DSC200は、第1基板20と、第1基板20上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層12と、多孔質半導体層12と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液と、電解液に接する触媒層19と、触媒層19上に配置された第2電極18と、第2電極18上に配置された第2基板22と、第1基板20と第2基板22との間に配置され、電解液を封止する封止材16A・16Bとを備える。封止材16A・16Bを超音波振動により溶融させることで第1基板20と第2基板22とを貼り合わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池(DSC:Dye-sensitized Solar Cells)およびその製造方法、および電子機器に係り、特に、封止材のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器に関する。
近年、安価で高性能の太陽電池としてDSCが注目されている。DSCは、スイス・ローザンヌ工科大学のグレツェルが開発したもので、増感色素を表面に担持した酸化チタンを用いることで、光電変換効率が高く、製造コストが安いなどの利点を有することから、次世代の太陽電池として期待されている。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから、湿式太陽電池とも呼ばれる。
DSCは、ITOやFTOなどの透明電極を形成したガラス基板上に、レッドダイ(N719)やブラックダイ(N749)などの色素を吸着させた厚さ数十μmの酸化チタンと、アセトニトリルなどの有機溶剤にヨウ素などの電解質を添加した電解液を、ITOやFTOなどの透明電極を形成したガラス基板上にPtを積層した基板で挟み込んだ構造を有する。
そして、色素を吸着させた酸化チタンおよび電解液を保持し、保護するために、対向する2枚の基板の縁部は樹脂によって覆われて封止されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−277722号公報
現在、色素増感太陽電池の封止構造は、作用極と対極とを接着することにより形成される。その接着方法は、(1)熱硬化性または熱可塑性の樹脂やガラスの熱による接着方法と、(2)UV硬化樹脂などの光による接着方法とに大別される。
このうち、(1)の接着方法によると、接着を行なう温度によっては、プラスチックなどの低融点基板が使用できないという問題がある。また、発電に寄与する色素が熱により劣化する可能性があるため、プロセスが制限されるという問題もある。
一方、(2)の接着方法では、UV光などエネルギーの高い光で接着を行なうため、光を受けた色素が劣化する可能性があり、これを回避するためには、遮光マスクをセットするなどの過程が必要となる。また、硬化前の樹脂は液状であるため、接着前に電解液を注入することができない。そのため、接着後に電解液を注入するための構造が必要となり、デザインの面での制限や素子寿命低下が起こる可能性がある。
このように、現在の接着方法(1)(2)には種々の問題がある。これら問題は、いずれも、封止材のみにエネルギーを与えられないことが原因となっている。
本発明の目的は、封止材のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、第1基板と、前記第1基板上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液と、前記電解液に接する触媒層と、前記触媒層上に配置された第2電極と、前記第2電極上に配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記電解液を封止する封止材とを備え、前記封止材を超音波振動により溶融させることで前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせた色素増感太陽電池が提供される。
本発明の他の態様によれば、第1基板上に第1電極を形成する工程と、前記第1電極上に半導体微粒子を有する多孔質半導体層を形成する工程と、前記多孔質半導体層を色素溶液に浸漬させて色素分子を吸着させる工程と、第2基板上に第2電極を形成する工程と、前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、前記第1基板および前記第2基板のうちの少なくとも一方の基板上に封止材を形成する工程と、前記第1基板と前記第2基板とを酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液中で対向させる工程と、前記封止材を超音波振動により溶融させることで前記第1基板と前記第2基板とを前記電解液中で貼り合わせる工程とを有する色素増感太陽電池の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の色素増感太陽電池を搭載した電子機器が提供される。
本発明によれば、封止材のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供することができる。
第1の実施の形態に係るDSCの模式的構成図であって、(a)模式的平面パターン構成図、(b)図1(a)のI−I線に沿う模式的断面構造図。 図1に示されるP部分の拡大された模式的構成図であって、(a)模式的平面パターン構成図、(b)図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法であって、(a)第1土台部および第2土台部を形成する工程図、(b)超音波振動を印加する工程図、(c)第1基板と第2基板とを貼り合わせた後の工程図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法であって、第1基板と第2基板とを電解液中で貼り合わせる工程図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法であって、第1基板と第2基板とを電解液中で貼り合わせる工程図。 第1の実施の形態に係るDSCの変形例1の封止材の模式的断面構成図であって、(a)第1基板と第2基板とを対向させた状態を示す図、(b)凸部の先端が凹部に挿入された状態を示す図、(c)熱可塑性樹脂が溶融した状態を示す図。 第1の実施の形態に係るDSCの変形例2の封止材の模式的断面構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの変形例3の封止材の模式的断面構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの変形例4の封止材の模式的断面構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの変形例5の封止材の模式的断面構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの具体例1の模式的平面パターン構成図。 図11のIII−III線に沿う模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係るDSCの具体例2の模式的平面パターン構成図。 図13のIV−IV線に沿う模式的断面構造図。 図13のV−V線に沿う模式的断面構造図。 図13のVI−VI線に沿う模式的断面構造図。 図13のA部分の拡大された模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの多孔質半導体層の半導体微粒子の模式的構造図。 第1の実施の形態に係るDSCの動作原理説明図。 第1の実施の形態に係るDSCの電解液における電荷交換反応に基づく動作原理説明図。 第1の実施の形態に係るDSCにおいて、多孔質半導体層(13)/色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラム。 第1の実施の形態に係るDSCにおいて、色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図21のJ部分の拡大図。 第1の実施の形態に係るDSCの各構成材料のエネルギーレベルと発電サイクルを示す説明図。 第1の実施の形態に係るDSCに用いられる色素を示す化学構造式であって、(a)indoline系色素(D149)を示す化学構造式、(b)N719を示す化学構造式、(c)D131を示す化学構造式。 第1の実施の形態に係るDSCに用いられる別の色素を示す化学構造式であって、(a)紫色を呈するD205の化学構造式、(b)緑色を呈するポルフィリン系色素を示す化学構造式。 (a)第1の実施の形態に係るDSCにおいて、基本セルを4個直列構成に配置した模式的断面構造図、(b)図26(a)の模式的回路表現。 (a)第1の実施の形態に係るDSCにおいて、基本セルを4個並列構成に配置した模式的断面構造図、(b)図27(a)の模式的回路表現。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法であって、(a)第2基板を前処理する工程図、(b)第2基板上に第2電極を形成する工程図、(c)第2電極上に触媒層を形成する工程図、(d)第1基板を前処理後、第1基板上に第1電極を形成する工程図、(e)第1電極上に多孔質半導体層を形成後、多孔質半導体層に色素を浸漬する工程図、(f)図28(c)の工程後の第2基板と図28(e)の工程後の第1基板とを互いに対向させ、封止材を用いて貼り合わせる工程図、(g)封止材を超音波振動により溶融させてDSCセルを形成する工程図。 第1の実施の形態に係るDSCのサンプル(テストセル)の基板内配置例とカットラインを示す模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係るDSCのサンプル(テストセル)の別の基板内配置例とカットラインを示す模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係るDSCのサンプル(テストセル)の更に別の基板内配置例とカットラインを示す模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板上に複数の内部第1電極が形成された状態を示す平面図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第2基板上に複数の内部第2電極が形成された状態を示す平面図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板と第2基板を封止材を介して貼り合わせた状態を示す平面図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、図34のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、横方向のスクライブラインを形成した状態を示す平面図。 第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、縦方向のスクライブラインをさらに形成した状態を示す平面図。 (a)第1の実施の形態に係るDSCのセルを3個形成した構成を示す平面図、(b)3個のセルを直列接続した状態を示す説明図。 (a)第1の実施の形態に係るDSCのセルを5個、直列接続した状態を示す模式図、(b)図39(a)の説明図、(c)図39(a)の構成例を示す平面図。 (a)第1の実施の形態に係るDSCのセルをn個、タンデム構成に積層させた状態を示す模式図、(b)図40(a)の説明図。 (a)第1の実施の形態に係るDSCのセルをn個、タンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を示す模式図、(b)図41(a)の説明図。 光線L1、L2、L3の波長を示すグラフ。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の構成例を示す平面図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の側面図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の他の構成例を示す側面図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載した卓上デジタル時計の構成例を示す鳥瞰図。 (a)第1の実施の形態に係るDSCを搭載した電子手帳を開いた状態を示す鳥瞰図、(b)閉じた状態を示す鳥瞰図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載した電子辞書を開いた状態を示す鳥瞰図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載したDSC駆動センサモジュールの模式的ブロック構成図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載した別のDSC駆動センサモジュールの模式的ブロック構成図。 第1の実施の形態に係るDSCを搭載したDSC駆動センサモジュールを適用したホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS:Home Energy Management System)の構成例。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
以下の実施の形態に係るDSCにおいて、「透明」とは、透過率が約50%以上であるものと定義する。また「透明」とは、実施の形態に係るDSCにおいて、可視光線に対して、無色透明という意味でも使用する。可視光線は波長約360nm〜830nm程度、エネルギー約3.45eV〜1.49eV程度に相当し、この領域で透過率が50%以上あれば透明である。
[第1の実施の形態]
(DSC)
第1の実施の形態に係るDSC200の模式的平面パターン構成は、図1(a)に示すように表され、図1(a)のI−I線に沿う模式的断面構造は、図1(b)に示すように表される。また、図1に示されるP部分の拡大された模式的平面パターン構成は、図2(a)に示すように表され、図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、図2(b)に示すように表される。
図1〜図2に示すように、第1の実施の形態に係るDSC200は、第1基板20と、第1基板20上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層12と、多孔質半導体層12と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液14(図示せず)と、電解液14に接する触媒層19と、触媒層19上に配置された第2電極18と、第2電極18上に配置された第2基板22と、第1基板20と第2基板22との間に配置され、電解液14を封止する封止材16A・16Bとを備える。封止材16A・16Bを超音波振動により溶融させることで第1基板20と第2基板22とを貼り合わせる。
ここで、封止材16A・16Bは、電解液14を注入するための開口部を備えない閉じた構造である。例えば、平面視においては、図1(a)に示すように、多孔質半導体層12を囲う矩形状に封止材16Aが形成され、触媒層19を囲う矩形状に封止材16Bが形成される。
具体的には、図1(b)に示すように、封止材16A・16Bは、第1基板20上に形成される所定高さの第1土台部16Aと、第2基板22上に形成される所定高さの第2土台部16Bとを備える。第1土台部16Aおよび第2土台部16Bの高さは、例えば10μm程度である。
また、第1土台部16Aおよび第2土台部16Bのうちの一方は、その端面に凸部16Tを備え、第1土台部16Aおよび第2土台部16Bのうちの他方は、凸部16Tと対向する領域に凹部16Uを備えても良い。ここでは、第1土台部16Aが凸部16Tを備え、第2土台部16Bが凹部16Uを備える場合を例示する。
また、凸部16Tは、図2に示すように、第1土台部16Aの端面の略中央領域の全体に形成され、断面視においては、例えば半円状に突出した形状である。凹部16Uについても同様、第2土台部16Bの端面の略中央領域の全体に形成され、断面視においては、例えば半円状に窪んだ形状である。もちろん、凸部16Tや凹部16Uの形状はこれに限定されるものではない。例えば、凸部16Tは、第1土台部16Aから離れるに従って断面積が小さくなるテーパー状に形成されても良い。
また、封止材16A・16Bとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を適用することができる。
また、第1基板20または第2基板22は、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、透明電極が全面に形成された透明電極付きのガラス基板またはプラスチック基板などで形成することができる。光を照射するため、第1基板20・第2基板22は、照射光(白色光)に対して、透明であることが望ましい。なお、第1基板20・第2基板22の光が入射する側に反射防止膜などをコーティングしても良い。
また、第1電極10および第2電極18は、例えば、ITO、FTO、ZnO、SnOなどの透明電極で形成される。第1基板10・第2電極18上に電極加工し、FTO付き基板、金属などのグリッド付き基板、或いは上記の複合基板としても良い。
また、多孔質半導体層12は、TiO2、ZnO、WO3、InO3、Nb23、SnO2などの材料を用いて形成されていても良い。特に、効率面から安価なTiO2(アナターゼ型、ルチル型)が主に用いられる。多孔質半導体層12は、例えば、スクリーン印刷技術、スピンコート技術、ディッピング、スプレーコート技術などを用いて形成することができる。なお、色素Dyeを吸着させた後の多孔質半導体層12を「多孔質半導体層13」と呼ぶことにする。
また、触媒層19は、例えば、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子などで構成されていても良い。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
また、電解液14としては、γブチロラクトン、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどを用いることができる。また、場合によっては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどを用いても良い。
色素Dyeは、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、D205、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素などを適用することができる。
(製造方法)
第1の実施の形態に係るDSC200の製造方法は、図3〜図5に示すように表される。図3〜図5に示すように、第1の実施の形態に係るDSC200の製造方法は、第1基板20上に第1電極10を形成する工程と、第1電極10上に半導体微粒子を有する多孔質半導体層12を形成する工程と、多孔質半導体層12を色素溶液に浸漬させて色素分子を吸着させる工程と、第2基板22上に第2電極18を形成する工程と、第2電極18上に触媒層19を形成する工程と、第1基板20および第2基板22のうちの少なくとも一方の基板上に封止材16(16A・16B)を形成する工程と、第1基板20と第2基板22とを電解液14中で対向させる工程と、封止材16(16A・16B)を超音波振動により溶融させることで第1基板20と第2基板22とを電解液14中で貼り合わせる工程とを有する。具体的には、第1基板20および第2基板22のうちの少なくとも一方の基板に超音波ホーン26を押し付けて圧力を掛けながら、超音波ホーン26から超音波振動を印加する。以下、このように第1基板20と第2基板22とを貼り合わせる工程を更に詳しく説明する。
まず、図3(a)に示すように、第1基板20および第2基板22に熱可塑性樹脂を塗布またはフィルムを貼り付けることにより、所望のパターンの第1土台部16Aおよび第2土台部16Bを形成する。このとき、第1土台部16Aの端面(第2土台部16B側の面)に熱可塑性樹脂を塗布またはフィルムを貼り付けることにより、所望のパターンの凸部16Tを形成する。ここでは、断面視において半円状の凸部16Tが形成されている場合を例示している。このような凸部16Tは、金型などを用いて作製することも可能である。一方、第2土台部16Bの端面(第1土台部16A側の面)のうち凸部16Tと対向する領域を削り、凸部16Tが嵌り込む凹部16Uを形成する。ここでは、断面視において半円状の凹部16Uが形成されている場合を例示している。
次に、図3(b)に示すように、第1基板20と第2基板22とを対向させる。第1土台部16Aの端面には凸部16Tが形成され、第2土台部16Bの端面には凹部16Uが形成されているため、位置合わせが容易である。また、凹部16Uに凸部16Tが嵌り込むため、位置ズレを防ぐことができる。
このように凹部16Uに凸部16Tが嵌り込んだ状態で、第2基板22に超音波ホーン26を押し付けて圧力を掛けながら、超音波ホーン26から超音波振動を印加する。超音波ホーン26は、例えば、周波数が10〜30kHz程度、振幅が10〜30μm程度の縦振幅超音波を供給可能な装置である。1つのDSCセル当たり例えば1秒程度超音波ホーン26を押し付けて複数のDSCセルを走査していく。これにより、合計20〜40J程度のエネルギーを超音波供給面に供給することができる。
超音波振動を印加すると、第1土台部16Aと第2土台部16Bとの接触面Iにおいて熱可塑性樹脂が溶融する。このとき、第1土台部16Aには凸部16Tが形成されているため、凸部16Tに超音波振動のエネルギーが集中する。熱可塑性樹脂が溶融すると、図3(c)に示すように、第1土台部16Aと第2土台部16Bとが一体となって封止材16が封止され、第1基板20と第2基板22とを貼り合わせることができる。
このように第1基板20と第2基板22とを貼り合わせる工程は、電解液14中で行うのが望ましい。すなわち、図4に示すように、電解液14を収容した容器23の中で第1基板20と第2基板22とを対向させ、第2基板22に超音波ホーン26を押し付けて圧力を掛けながら、超音波ホーン26から超音波振動を印加する。これにより、図5に示すように、DSCセル内部に電解液14を注入した状態で封止材16(16A・16B)が封止される。そのため、電解液14を注入するための開口部を備えない閉じた構造で電解液14をDSCセル内部に封入することが可能である。
なお、ここでは、第1基板20と第2基板22とを電解液14中で貼り合わせることとしているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。すなわち、封止材16(16A・16B)を超音波振動により溶融させることで、いかなる雰囲気下(例えば真空など)でも、第1基板20と第2基板22とを貼り合わせることができる。
また、多孔質半導体層12に色素Dyeを吸着させる方法については特に限定されるものではなく、様々な方法を採用することができる。例えば、色素Dyeを混合した有機溶媒の中にDSC200を収容し、加熱装置600を用いて有機溶媒を50℃〜60℃程度に加熱すると、色素Dyeの吸着速度を上げることができる。このような有機溶媒は、電解液14を製造するときに使用される有機溶媒に色素Dyeを溶解することによって形成されても良い。
(変形例)
第1の実施の形態に係るDSC200の変形例1の封止材16A・16Bの模式的断面構成は、図6に示すように表される。図6(a)に示すように、凸部16Tは、第2土台部16Bから離れるに従って断面積が小さくなるテーパー状に形成されても良い。一方、第1土台部16Aには矩形状の凹部16Uが形成されている。この場合は、図6(b)に示すように、テーパー状の凸部16Tの先端に超音波振動のエネルギーが集中する。そのため、図6(c)に示すように、テーパー状の凸部16Tの先端が矩形状の凹部16Uに接触すると、その接触部分16Sの熱可塑性樹脂が溶融する。その結果、溶融した熱可塑性樹脂で凹部16Uが埋まり、第1基板20と第2基板22とを貼り合わせることができる。このように凸部16Tをテーパー状に形成した場合は、半円状に形成した場合に比べて、より超音波振動のエネルギーを凸部16Tに集中させることができる。
第1の実施の形態に係るDSC200の変形例2の封止材16A・16Bの模式的断面構成は、図7に示すように表される。図7に示すように、凸部16Tを第1土台部16Aに形成し、凹部16Uを第2土台部16Bに形成しても良い。また、凹部16Uの形状は、断面視において三角形状に形成しても良い。このように凹部16Uを三角形状に形成した場合は、矩形状に形成した場合に比べて、テーパー状の凸部16Tを嵌め込んだときに位置ズレが生じにくいという効果がある。
第1の実施の形態に係るDSC200の変形例3の封止材16A・16Bの模式的断面構成は、図8に示すように表される。図8に示すように、複数の凹凸部16TUが第1土台部16Aの端面に形成されるとともに、同様の凹凸部16TUが第2土台部16Bの端面に形成されても良い。第1土台部16A側の凹凸部16TUと第2土台部16B側の凹凸部16TUとが接触すると、その接触部分の熱可塑性樹脂が溶融し、第1基板20と第2基板22とを貼り合わせることができる。このような凹凸部16TUを形成した場合は、熱可塑性樹脂の接触部分の面積が広がるため、より密着性を向上させることが可能である。
第1の実施の形態に係るDSC200の変形例4の封止材16Aの模式的断面構成は、図9に示すように表される。図9に示すように、第1基板20および第2基板22の一方だけに封止材16を形成しても良い。ここでは、第1基板20側だけに封止材16(第1土台部16A)が形成され、この第1土台部16Aの端面16Vに粗面化処理を施している。また、第1土台部16Aと対向する第1基板20および第2基板22上の領域にも粗面化処理を施している。これにより、第1土台部16Aと第1基板20および第2基板22との密着性を向上させることができる。第1土台部16Aの材料と第1基板20および第2基板22の材料とが同種の材料であれば、より密着性を向上させることが可能である。
第1の実施の形態に係るDSC200の変形例5の封止材16Bの模式的断面構成は、図10に示すように表される。この変形例5は、第2基板22側だけに封止材16(第2土台部16B)が形成されている点を除けば、変形例4と同様である。すなわち、図10に示すように、第2基板22側だけに封止材16(第2土台部16B)が形成され、この第2土台部16Bの端面16Vに粗面化処理を施している。また、第2土台部16Bと対向する第1基板20および第2基板22上の領域にも粗面化処理を施している。これにより、第2土台部16Bと第1基板20および第2基板22との密着性を向上させることができる。第2土台部16Bの材料と第1基板20および第2基板22の材料とが同種の材料であれば、より密着性を向上させることが可能である。
以上のように、第1の実施の形態によれば、封止材16(16A・16B)のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる。すなわち、熱可塑性樹脂を封止剤16(16A・16B)とし、その封止材16(16A・16B)を超音波振動により溶融させるようにしている。これにより、超音波振動のエネルギーの大部分を熱可塑性樹脂に与えることができるため、DSC200の発電部のダメージを低減することが可能である。また、基板全体が高温になることを回避できるため、使用できる基板の種類に制限が無くなる。例えば、プラスチックを用いたフレキシブルなDSC200の作製が可能となる。更に、電解液14中で封止することが可能となるため、電解液14を注入するための構造を形成する必要が無くなる。その結果、デザインの面での制限や素子寿命低下が起こる可能性を低減することが可能である。
なお、ここでは、超音波ホーン26を第2基板22に押し付けることとしているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。すなわち、超音波ホーン26を第1基板20に押し付けても、封止材16(16A・16B)を超音波振動により溶融させることが可能である。
〔具体例〕
以下、第1の実施の形態に係るDSC200の具体例を詳細に説明する。もちろん、以下に例示するDSC200においても、封止材16(16A・16B)のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することが可能である。
(DSCの具体例1)
第1の実施の形態に係るDSC200の具体例1の模式的平面パターン構成は、図11に示すように表され、図11のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図12に示すように表される。
第1の実施の形態に係るDSC200は、図11〜図12に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層13と、多孔質半導体層13と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液14と、電解液14に接する第2電極(対極)18と、第2電極18上に配置された第2基板22と、電解液14に接して第2電極18の表面上に配置される触媒層19と、第1電極10・第2電極18間に配置され、電解液14を封止する封止材16とを備える。このDSC200において、封止材16は、第1電極10・第2電極18に接触している。
(DSCの具体例2)
第1の実施の形態に係るDSC200の具体例2の模式的平面パターン構成は、図13に示すように表され、図13のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、図14に示すように表され、図13のV−V線に沿う模式的断面構造は、図15に示すように表され、図13のVI−VI線に沿う模式的断面構造は、図16に示すように表され、図13のA部分の拡大された模式的平面パターン構成は、図17に示すように表される。
第1の実施の形態に係るDSC200は、図13〜図17に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された内部第1電極10Aと、内部第1電極10A上に配置された多孔質半導体層13と、多孔質半導体層13と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液14と、電解液14に接する内部第2電極(対極)18Aと、内部第2電極18上に配置された第2基板22と、第1基板20と第2基板22との間に配置され、電解液14を封止する封止材16とを備える。
また、第1の実施の形態に係るDSC200は、図13〜図17に示すように、封止材16の外部の第1基板20上に配置された外部第1電極10Bと、封止材16の外部の第2基板22上に配置された外部第2電極18Bとを備えていても良い。封止材16は、第1基板20・第2基板22に接触している。内部第1電極10A・外部第1電極10Bは電気的に接続され、内部第2電極18A・外部第2電極18Bも電気的に接続されている。また、封止材16は、内部第1電極10A・内部第2電極18Aとは接触していない。一方、封止材16は、外部第1電極10B・外部第2電極18Bとは接触している。
第1の実施の形態に係るDSC200の多孔質半導体層12の半導体微粒子2の模式的構造は、図18に示すように表される。図18に示すように、多孔質半導体層12は、TiO2などからなる半導体微粒子2が互いに結合して複雑なネットワークを形成している。色素分子4は、半導体微粒子2の表面に吸着される。多孔質半導体層12内には、大きさ約100nm以下の細孔が多数存在する。
(動作原理)
第1の実施の形態に係るDSC200の動作原理は、図19に示すように表される。
下記の(a)〜(d)の反応が継続して起こることで、起電力が発生し、負荷24に電流が導通する。
(a)色素分子32が光子(hν)を吸収し、電子(e)を放出し、色素分子32は酸化体DOになる。
(b)Reで表される還元体の酸化還元電解質26が多孔質半導体層13中を拡散して、DOで表される酸化体の色素分子32に接近する。
(c)酸化還元電解質26から色素分子32に電子(e)が供給される。酸化還元電解質26は、Oxで表される酸化体の酸化還元電解質28になり、色素分子32はDRで表される還元された色素分子30になる。
(d)酸化還元電解質28は、触媒層19方向に拡散し、触媒層19より電子を供給されて、Reで表される還元体の酸化還元電解質26になる。
酸化還元電解質26は、多孔質半導体層13中の入り組んだ空間を拡散しながら色素分子32の近傍に接近する必要がある。
また、第1の実施の形態に係るDSC200の電解液14における電荷交換反応に基づく動作原理は、図20に示すように表される。
まず、外部から光照射されると光子(hν)が色素分子32と反応して、色素分子32は基底状態から励起状態へと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiO2からなる多孔質半導体層13の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。第2電極18Aから電解液14中に注入された電子(e)は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質(I/I3 )と電荷交換される。ヨウ素酸化還元電解質(I/I3 )が電解液14内を拡散し、色素分子32と再反応する。ここで、電荷交換反応は、色素分子表面において、3I→I3 +2eに従って進行し、第2電極18Aにおいて、I3 +2e→3Iに従って進行する。
電解液14は、溶媒として、例えば、アセトニトリルを使用し、この場合の電解質として、例えば、ヨウ素は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質I3 として存在する。また、電解質として、例えば、ヨウ化物塩(ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなど)は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質Iとして存在する。また、電解液14中には、逆電子移動抑制溶液として添加剤(例えば、TBP:ターシャルブチルピリジン)を適用しても良い。
上記の溶質、添加剤を溶媒(アセトニトリル)に溶解させることによって、電解液14を構成することができる。なお、上記の材料は湿式DSCなどに適用可能なものであって、常温溶融塩(イオン性液体)や固体電解質を用いる場合には、構成材料が異なる。
第1の実施の形態に係るDSC200において、多孔質半導体層(13)/色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムは、図21に示すように表される。また、色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図21のJ部分の拡大図は、図22に示すように表される。
外部から光照射されると光子(hν)により、色素分子32は基底状態HOMOから励起状態LUMOへと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiO2からなる多孔質半導体層13の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。触媒層19から電解液14中に注入された電子(e)は、電解液14中の酸化還元電解質と電荷交換される。酸化還元電解質が電解液14内を拡散し、色素分子32を還元する。
電解液14の酸化還元準位EROと多孔質半導体層13のフェルミ準位Ef間の電位差が最大起電力VMAXである。最大起電力VMAXの値は、電解液14の酸化還元電解質により変化する。酸化還元電解質単独系(ヨウ素酸化還元電解質)の場合には、例えば、0.9V(I,N719)である。電解液14がヨウ素・臭素の混合系酸化還元電解質を含む場合には、図22に示すように、混合比率を調整することで混合系酸化還元電解質の酸化還元電位を、ヨウ素酸化還元電解質の酸化還元電位と臭素酸化還元電解質の酸化還元電位の間の任意の値に調整することができる。
第1の実施の形態に係るDSC200の各構成材料のエネルギーレベルと発電サイクルは図23に示すように表される。図23においては、外部から光照射されると光子(hν)により、色素(Dye)の充満帯S0/S+に存在する電子は、導電帯S*に励起され、多孔質半導体層13の伝導帯ECへ電子注入(electron injection)される。伝導帯ECへ電子注入された電子の一部は、再結合(recombination)されて、Dyeの充満帯S0/S+に遷移する。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。触媒層19から電解液14中に注入された電子(e)は、電解液14中の酸化還元電解質と電荷交換される。酸化還元電解質が電解液14内を拡散し、電子注入により、Dyeの充満帯S0/S+において、色素分子32を還元する。電解液14の酸化還元準位EROと多孔質半導体層13のフェルミ準位Ef間の電位差VOCが最大起電力VMAXである。
第1の実施の形態に係るDSCに用いられる色素を示す化学構造式であって、indoline系色素(D149)を示す化学構造式は、図24(a)に示すように表され、N719を示す化学構造式は、図24(b)に示すように表され、D131を示す化学構造式は、図24(c)に示すように表される。
第1の実施の形態に係るDSC200に用いられる別の色素を示す化学構造式であって、紫色を呈するD205の化学構造式は、図25(a)に示すように表され、緑色を呈するポルフィリン系色素を示す化学構造式は、図25(b)に示すように表される。また、一般的な青色色素としてフタロシアニン系色素が知られている。もちろん、第1の実施の形態に係るDSC200に用いられる色素Dyeはこれらに限定されるものではなく、種々の色素Dyeを適宜選択することが可能である。
―直列構成―
第1の実施の形態に係るDSC200において、基本セルを4個直列構成に配置した模式的断面構造は、図26(a)に示すように表される。また、図26(a)の模式的回路表現は、図26(b)に示すように表される。
基本セルは、図26(a)に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された内部第1電極101A・102A・103A・104Aと、内部第1電極101A・102A・103A・104A上に配置された多孔質半導体層131・132・133・134と、多孔質半導体層131・132・133・134と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液141・142・143・144と、電解液141・142・143・144に接する内部第2電極(対極)181A・182A・183A・184Aと、内部第2電極181A・182A・183A・184A上に配置された第2基板22と、第1基板20・第2基板22間に配置され、電解液141・142・143・144を封止する封止材16とを備える。
また、基本セルは、図26(a)に示すように、封止材16の外部の第1基板20上に配置された外部第1電極101B・102B・103B・104Bと、封止材16の外部の第2基板22上に配置された外部第2電極181B・182B・183B・184Bとを備えていても良い。
さらに、外部第1電極102Bと外部第2電極181Bは、図26(a)に示すように、封止材16の外部の側壁に沿って第1基板20・第2基板22間に配置された接続電極13Aを介して接続される。同様に、外部第1電極103B・外部第2電極182B、外部第1電極104B・外部第2電極183Bも接続電極13Aを介して接続される。結果として、図26(b)に示すように、基本セル4個は、直列構成に配置される。
また、図26に示される各基本セルにおいても、内部第1電極101A・102A・103A・104Aと外部第1電極101B・102B・103B・104Bは、第1基板20上においてパターン形成されると共に、互いに接続されている。同様に、内部第2電極181A・182A・183A・184Aと外部第2電極181B・182B・183B・184Bは、第2基板22上においてパターン形成されると共に、互いに接続されている。
また、図26に示される各基本セルにおいても、内部第2電極181A・182A・183A・184Aの表面には、電解液141・142・143・144に接して、触媒層191・192・193・194を備えていても良い。その他の構成は、図13〜図17に示す第1の実施の形態に係るDSC200と同様である。
―並列構成―
第1の実施の形態に係るDSC200において、基本セルを4個並列構成に配置した模式的断面構造は、図27(a)に示すように表される。また、図27(a)の模式的回路表現は、図27(b)に示すように表される。
外部第1電極102Bと外部第2電極181Bは、図27(a)に示すように、封止材16の外部の側壁に沿って第1基板20・第2基板22間に配置された絶縁層13Bを介して絶縁される。同様に、外部第1電極103B・外部第2電極182B、外部第1電極104B・外部第2電極183Bも絶縁層13Bを介して絶縁される。結果として、図27(b)に示すように、基本セル4個は、並列構成に配置される。その他の構成は、図13〜図17に示す第1の実施の形態に係るDSC200と同様である。
(製造方法)
第1の実施の形態に係るDSCの製造方法は、図28(a)〜図28(g)に示すように表される。
(a)まず、図28(a)に示すように、第2基板22を、洗浄工程によって前処理する。ここで、第2基板22は、ガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板等で構成可能であり、また透明電極が全面に形成された透明電極付きのガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板を用いることもできる。
(b)次に、図28(b)に示すように、第2基板22上に内部第2電極18Aをパターン形成する。外部第2電極18Bも、第2基板22上に同時に形成される。ここで、内部第2電極18A・外部第2電極18Bは、スクリーン印刷で塗布されるITO微粒子含有膜を大気焼結およびN雰囲気下の熱処理を行なって形成可能であり、透明電極付きのガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板であれば各種エッチング法によりパターン形成することが可能である。
(c)次に、図28(c)に示すように、内部第2電極18A上に触媒層19を形成する。触媒層19は、スクリーン印刷等によって形成することができる。
(d)次に、図28(d)に示すように、第2基板22と同様に、第1基板20を前処理後、第1基板20上に内部第1電極10Aをパターン形成する。外部第1電極10Bも、第1基板20上に同時に形成される。ここで、第1基板20は、ガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板等で構成可能である。ここで、内部第1電極10A・外部第1電極10Bは、スクリーン印刷で塗布されるITO微粒子含有膜を大気焼結およびN雰囲気下の熱処理を行なって形成可能である。
(e)次に、図28(e)に示すように、内部第1電極10A上に多孔質半導体層12を形成後、多孔質半導体層12に色素Dyeを浸漬する。多孔質半導体層12は、スクリーン印刷等を応用して形成することができる。なお、ここまでの工程においては、第2基板22に対する処理工程を第1基板20に対する処理工程に対して先に実施しているが、第1基板20に対する処理工程を第2基板22に対する処理工程に対して先に実施しても良い。
(f)次に、図28(f)に示すように、図28(c)の工程後の第2基板22と図28(e)の工程後の第1基板20とを互いに対向させる。そして、電解液14を収容した容器23の中で第2基板22に超音波ホーン26を押し付けて圧力を掛けながら、超音波ホーン26から超音波振動を印加する。これにより、DSCセル内部に電解液14を注入した状態で封止材16が封止される。
(DSCテストセルの基板内配置例とカットライン)
第1の実施の形態に係るDSCのサンプル(テストセル)20011・20012・…・2001n・…・200m1・200m2・…・200mnの第1基板20内の配置例とカットラインSL1・SL2の模式的平面パターン構成は、図29に示すように表される。また、別の基板内配置例とカットラインの模式的平面パターン構成は、図30に示すように表される。更に別の基板内配置例とカットラインを示す模式的平面パターン構成は、図31に示すように表される。
第1基板20上には、内部第1電極10A上に配置された多孔質半導体層13および外部第1電極10Bがマトリックス状に配置されている。第1基板20と対向する第2基板22上においても内部第2電極18A上に配置された触媒層19および外部第2電極18Bがマトリックス状に配置される(図示省略)。図29に示される外部第1電極10Bのパターン形状は、図13に示された例に対応している。
図30・図31に示された外部第1電極10Bのパターン形状は、図29に示された外部第1電極10Bのパターン形状の変形例である。図28に示された製造工程を経た後、カットラインSL1・SL2において、カットすることによって、個別のDSCセルを複数同時形成可能である。また、図26に示された直列構成若しくは図27に示された並列構成も複数同時形成可能である。
図30・図31に示された外部第1電極10Bのパターン形状を適用する場合においても、図28に示された製造工程を経た後、カットラインSL1・SL2において、カットすることによって、個別のDSCセルを複数同時形成可能である。また、図26に示された直列構成若しくは図27に示された並列構成も複数同時形成可能である。
(複数のDSCの製造方法)
実施の形態に係るDSCにおいて、複数のDSCセルの製造方法は、複数個(m×n:但し、mおよびnは整数)のセルを作り込み、分離して複数個のDSC200を得る製造方法である。
第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板20上に複数の内部第1電極1011A・1012A・…・101nA・…・10m1A・10m2A・…・10mnAが形成された状態を示す平面図は、図32に示すように表される。ここで、外部第1電極1011B・1012B・…・101nB・…・10m1B・10m2B・…・10mnBについては、簡単化のため、図示を省略する。
第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第2基板22上に複数の第2電極1811A・1812A・…・181nA・…・18m1A・18m2A・…・18mnAが形成された状態を示す平面図は、図33に示すように表される。ここで、外部第2電極1811B・1812B・…・181nB・…・18m1B・18m2B・…・18mnBについては、簡単化のため、図示を省略する。
第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板(作用極側)20と第2基板(対極側)22を封止材16を介して貼り合わせた状態を示す平面図は、図34に示すように表され、図34のVII−VII線に沿う模式的断面構造は、図35に示すように表される。図34および図35では、第1基板(作用極側)20を上方向、第2基板(対極側)を下方向に配置している。
第1の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、横方向のスクライブラインSL1を形成した状態を示す平面図は、図36に示すように表され、さらに縦方向のスクライブラインSL2を形成した状態を示す平面図は、図37に示すように表される。
既に説明した通り、第1基板20に超音波ホーン26を押し付けて圧力を掛けながら、超音波ホーン26から超音波振動を印加する。具体的には、図34に示すように、1つのテストセル当たり例えば1秒程度超音波ホーン26を押し付けて、m×n個のテストセル20011・20012・…・2001n・…・200m1・200m2・…・200mnを走査していく。図34において、符号SCANVは縦方向の走査経路を示し、符号SCANHは横方向の走査経路を示している。このように超音波振動を印加すると、熱可塑性樹脂が溶融して封止材16が封止され、図35に示すように、m×n個のテストセル20011・20012・…・2001n・…・200m1・200m2・…・200mnのそれぞれに電解液1411・1412・…・141n・…・14m1・14m2・…・14mnが封入される。
なお、図35に示すように、封止材16の間に基板のみ残る箇所があるが、そこがスクライブラインSL2となり、打撃等のブレークにより各素子に分離される。
次いで、図35のように計m×n個のDSCが貼り合わされた状態で、図36に示すように横方向のスクライブラインSL1を形成する。
具体的には、封止材16が設けられた位置に、スクライビング装置のスクライビングホイールを高精度に位置合わせして各スクライブラインSL1を形成する。
続いて、図37に示すように縦方向のスクライブラインSL2を形成する。
そして、スクライブラインSL1およびスクライブラインSL2に沿って打撃を与えるなどすると、ガラス材が有する壁開性によりスクライブラインSL1およびスクライブラインSL2に沿って割れて各素子に分離される。
第1の実施の形態によれば、シール密着力を改善し、封止性能の良好な色素増感太陽電池およびその製造方法を提供することができる。
(適用例)
―バッテリーセル―
次に、図38〜図41を参照して、第1の実施の形態に係るDSC200で構成されるバッテリーセル(以下、単に「セル」と呼ぶ)の適用例について説明する。
図38の(a)は、3個のセルB1〜B3を形成した状態を示す。図38の(a)の例では、面積の等しい3つのセルB1、B2、B3が同一基板内に設けられている。
この3個のセルB1〜B3は図示しない配線によって、図38の(b)に示すように直列接続される。セルB1〜B3の総電圧Vは、V=V1+V2+V3となり、総電流量Iは、I=I1=I2=I3となる。
図39は、5個のセルB1〜B5を並設した状態を示す。
この5個のセルB1〜B5は配線によって、図39の(b)に示すように直列接続される。セルB1〜B5の総電圧Vは、各セルB1〜B5の電圧の総和5Eとなる。
図40は、n個のセルをタンデム構成に積層させた状態を模式的に示す。このn個のセルは、図40の(b)に示すように直列接続される。セルの総電圧Vは、各セルの電圧の総和nEとなる。
図41は、n個のセルをタンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を模式的に示す。セルの総電圧Vは、直列接続されたセルの電圧の総和nEとなる。
図42には、紫外線L1の波長領域(波長10〜400nm)、白色光L2の波長領域(波長400〜800nm)、赤外線L3の波長領域(波長600〜1000nm)を示す。第1の実施の形態に係るDSC200は、L1〜L3の少なくとも1つの領域の光線によって発電機能を発揮させることができる。
―電子機器―
第1の実施の形態に係るDSCは、様々な電子機器に搭載可能である。例えば、リモコン装置、卓上デジタル時計、電子手帳、電子辞書、DSC駆動センサモジュールなどに適用可能である。
図43〜図45を参照して、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載したリモコン装置330の構成例について説明する。
図43および図44に示すように、リモコン装置330は、プラスチック等で構成される筐体38において表裏に貫通する開口部41が形成され、この開口部41からDSC200が臨むように設けられて、太陽電池部39が構成されている。
また、リモコン装置330には、太陽電池部39を電源として駆動され、例えば日付や時刻、テレビのチャンネル番号等を表示する液晶部34と、テレビのチャンネルの選択等の操作を行う操作ボタン36が設けられている。
DSC200は、リモコン装置330の厚み方向の略中央部に水平状態で設けられている。なお、DSC200の第1基板20側、第2基板22側の何れをリモコン装置330の表側または裏側とするかは任意でよい。
図44に示す構成例では、開口部41に、筐体38の表面および裏面と面一となるように、DSC200を保護する透明部材40が嵌め込まれている。これにより、DSC200の表面や裏面にホコリが付着したり、傷つくことが防止される。
また、開口部41の側面にも透明部材を設けると良い。
これにより、透明部材40を介して、リモコン装置330の表面側、裏面側および側面側から太陽光や室内光等の外部光が入射するので、DSC200の第1基板20側からの入射光および第2基板22側からの入射光の何れもが、多孔質半導体層13に到達することとなる。したがって、DSC200により、外部光を効率的に利用した発電を行ってリモコン装置330に電力を安定的に供給することができる。
特に、テレビやビデオ装置等のリモコン装置330は、置き方によっては、操作ボタン36等が設けられた表側が例えばテーブルの天板等に面するような状態(裏返しの状態)となることがある。
第1の実施の形態に係るDSC200を搭載したリモコン装置330では、透明部材40を介して、リモコン装置330の表面側、裏面側および側面側から太陽光や室内光等の外部光が入射するので、装置の表面または裏面から光線が入射すればDSC200は発電機能を発揮する。したがって、裏返しの状態でリモコン装置330が置かれた場合であっても、安定して電力を供給することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
なお、DSC200で発電された電力は、液晶部34に直接供給されるのではなく、バッテリーなどに蓄電された後、このバッテリーなどから供給可能である。
図45に示すリモコン装置330の変形例では、透明部材40を省き、支持部38a、38bによってDSC200を支持する構成としている。なお、太陽電池部39の側部は筐体38の一部によって覆われている。
図45に示すリモコン装置330では、太陽電池部39の表裏から入射する光線(hνf)、(hνr)によってDSC200は発電機能を発揮する。なお、2枚以上のDSC200を重ね合わせ、配線によって直列接続等するようにしてもよい。
図46を参照して、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した卓上デジタル時計50の構成例について説明する。
卓上デジタル時計50は、透明なアクリル板等で構成される側面形状が三角形の筐体54の一平面に、デジタル式の時計表示を行う時計部52と、DSC200が設けられている。
DSC200は、筐体54に2ヶ所の開口部43が形成され、この各開口部43からDSC200が臨むように設けられている。
図46に示す構成例では、各開口部43に取付けられるDSC200は、フレーム56を介して2つのセルが並設されている。特には限定されないが、DSC200の各セルは配線によって直列接続として、電圧および電流を稼ぐようにできる。
卓上デジタル時計50が備えるDSC200は、図46に示すように、正面側から入射する光線(hνf)および透明な筐体54を介して裏面側から入射する光線(hνr)の何れによっても発電機能を発揮することができる。
したがって、卓上デジタル時計50を置く場所の自由度が高まると共に、外部光を有効に利用して時計部52に安定して電力を供給することができる。
図47を参照して、実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80の構成例について説明する。
電子手帳80は、各種入力を行う操作ボタン36や各種情報を表示する液晶部34を備える本体部80bと、本体部80bと蝶番部80cを介して開閉自在に取付けられるDSC200を備えた蓋部80aとから構成されている。
蓋部80aには、蓋部80a自体を表裏に貫通する開口部45が形成され、この開口部45からDSC200が臨むように設けられている。DSC200は、複数のセルを接続した構成とすることもできる。
電子手帳80が備えるDSC200は、図47(a)に示すように蓋部80aを開いた状態においては、表裏両面から入射する光線の何れによっても発電機能を発揮し、本体部80bに安定した電力を供給することができる。
一方、図47(b)に示すように蓋部80aを閉じた状態においても、DSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮し、例えば本体部80b側が備えるリチウムイオン電池等の二次電池を充電することができる。
このように、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80によれば、外部光を効率的に利用することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
また、例えば、蓋部の両面に従来の太陽電池を配置する場合に比して、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80は大型化することがなく、また一つのDSC200で足りるため製造コストを低減することができる。
図48を参照して、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90の構成例について説明する。
電子辞書90は、各種入力を行う操作ボタン36aおよびDSC200を備える本体部90bと、本体部90bと蝶番部90cを介して開閉自在に取付けられる各種情報を表示する液晶部34およびDSC200を備えた蓋部90aとから構成されている。
蓋部90aおよび本体部90bには、表裏に貫通する開口部46が形成され、この各開口部46からDSC200が臨むように設けられている。DSC200は、複数のセルを接続した構成とすることもできる。
図48に示すように蓋部90aを開いた状態においては、蓋部90a側のDSC200は表裏両面から入射する光線の何れによっても発電機能を発揮し、また本体部90b側のDSC200は表面側から入射する光線によって発電機能を発揮する。したがって、液晶部34や本体部90bが備える演算装置等に安定した電力を供給することができる。
一方、蓋部90aを閉じた状態においても、蓋部90a側のDSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮し、例えば本体部90b側が備える二次電池を充電することができる。
また、例えば、蓋部90a側が下となるように電子辞書90が置かれた場合であっても、本体部90bのDSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮するので、例えば本体部90b側が備える二次電池を充電することができる。
このように、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90によれば、外部光を効率的に利用することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
また、例えば、蓋部や本体の両面に従来の太陽電池を配置する場合に比して、第6の実施の形態に係る電子辞書90は大型化することがなく、また一つのDSC200で足りるため製造コストを低減することができる。
なお、第1の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90のDSC200の配置の仕方は、同様の構造を備えるゲーム機器やノート型パソコン等の各種電子機器に適用することが可能である。
(センサネットワークへの応用)
無線通信モジュールやDSC、センサなどを組み合わせたセンサネットワークを構築することができる。30m程度の範囲の通信距離であれば、波長帯域としては、例えば、315MHzや868MHzを適用可能である。さらに、100m程度の範囲の通信距離であれば、波長帯域としては、例えば、920MHzを適用可能である。
第1の実施の形態に係るDSCを搭載したDSC駆動センサモジュール800は、図49に示すように、DSCモジュール801と、無線通信モジュール805とを備える。DSCモジュール801は、室内光で発電可能なDSC直列若しくは並列セルDSC1・DSC2を備え、センサ駆動電源として機能する。無線通信モジュール805は、無線センサノード804を搭載し、センシングと無線通信を行うことができる。
第1の実施の形態に係るDSCを搭載した別のDSC駆動センサモジュール807の模式的ブロック構成は、図50に示すように、DSCモジュール801と、無線通信モジュール805と、蓄電部806とを備える。DSCモジュール801は、室内光で発電可能なDSC直列若しくは並列セルDSC1・DSC2・DSC3・DSC4を備え、センサ駆動電源として機能する。蓄電部806には、電気二重層キャパシタ(EDLC:Electrical Double Layer Capacitor)808および制御IC809が搭載される。DSCモジュール801において発電された電力を蓄電部806に蓄積することで、安定的に無線通信モジュール805に電力を供給可能である。
第1の実施の形態に係るDSCを搭載したDSC駆動センサモジュール800を適用したホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS:Home Energy Management System)900の構成例は、図51に示すように表される。
各DSC駆動センサモジュール800では、温度/湿度センサ、照度センサなどのセンシング情報、PC930・TV901・エアコン940(エアコンコントローラ903)・太陽電池902などの利用状況が収集され、無線通信によって、センサ情報受信器920にデータ送信される。センサ情報受信器920においては、データ受信、エネルギーの利用状況の把握などのための信号処理が実施される。
第1の実施の形態に係るDSCを搭載したDSC駆動センサモジュール800を適用したホームエネルギーマネージメントシステム900によれば、建物910全体の屋内環境に合わせて電力供給をコントロールすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、封止材のみにエネルギーを与えて封止構造を形成することができる色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の色素増感太陽電池は、小型軽量高効率の電源として適用することによって、リモコン、時計、携帯電話、センサネットワークのセンサノードなどの様々な電子機器の電源または補助電源に適用することが可能である。また、建物の壁や雨よけなどの建材に使用する発電素子に応用することも可能である。
2…半導体微粒子
4・30・32…色素分子
10…第1電極
12・13・131・132・133・134…多孔質半導体層
14・141・142・143・144…電解液
16・16A・16B…封止材
16A…第1土台部
16B…第2土台部
16T…凸部
16U…凹部
18…第2電極
19・191・192・193・194…触媒層
20…第1基板
22…第2基板
26…超音波ホーン
200…色素増感太陽電池(DSC)

Claims (30)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板上に配置された第1電極と、
    前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、
    前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液と、
    前記電解液に接する触媒層と、
    前記触媒層上に配置された第2電極と、
    前記第2電極上に配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記電解液を封止する封止材と
    を備え、
    前記封止材を超音波振動により溶融させることで前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせたことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記第1基板と前記第2基板とを前記電解液中で貼り合わせたことを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記封止材は、前記電解液を注入するための開口部を備えない閉じた構造であることを特徴とする請求項2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記第1基板および前記第2基板のうちの少なくとも一方の基板に超音波ホーンを押し付けて圧力を掛けながら、前記超音波ホーンから超音波振動を印加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記封止材は、前記第1基板上に形成される所定高さの第1土台部と、前記第2基板上に形成される所定高さの第2土台部とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記第1土台部および前記第2土台部のうちの一方は、その端面に凸部を備え、
    前記第1土台部および前記第2土台部のうちの他方は、前記凸部と対向する領域に凹部を備えることを特徴とする請求項5に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記凸部は、前記第1土台部または前記第2土台部から離れるに従って断面積が小さくなるテーパー状に形成されることを特徴とする請求項6に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記封止材は、熱可塑性樹脂を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 前記封止材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル若しくはこれらの組み合わせを備えることを特徴とする請求項8に記載の色素増感太陽電池。
  10. 前記第1基板および前記第2基板は、ガラス基板、プラスチック基板、透明電極が全面に形成された透明電極付きのガラス基板またはプラスチック基板で形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  11. 前記第1電極および前記第2電極は、ITO、FTO、ZnO、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  12. 前記多孔質半導体層は、TiO2、ZnO、WO3、InO3、Nb23、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  13. 前記触媒層は、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  14. 前記電解液は、γブチロラクトン、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルのいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  15. 前記色素は、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、D205、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  16. 第1基板上に第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上に半導体微粒子を有する多孔質半導体層を形成する工程と、
    前記多孔質半導体層を色素溶液に浸漬させて色素分子を吸着させる工程と、
    第2基板上に第2電極を形成する工程と、
    前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、
    前記第1基板および前記第2基板のうちの少なくとも一方の基板上に封止材を形成する工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液中で対向させる工程と、
    前記封止材を超音波振動により溶融させることで前記第1基板と前記第2基板とを前記電解液中で貼り合わせる工程と
    を有することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  17. 前記封止材は、前記電解液を注入するための開口部を備えない閉じた構造であることを特徴とする請求項16に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  18. 前記第1基板および前記第2基板のうちの少なくとも一方の基板に超音波ホーンを押し付けて圧力を掛けながら、前記超音波ホーンから超音波振動を印加することを特徴とする請求項16または17に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  19. 前記封止材は、前記第1基板上に形成される所定高さの第1土台部と、前記第2基板上に形成される所定高さの第2土台部とを備えることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  20. 前記第1土台部および前記第2土台部のうちの一方は、その端面に凸部を備え、
    前記第1土台部および前記第2土台部のうちの他方は、前記凸部と対向する領域に凹部を備えることを特徴とする請求項19に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  21. 前記凸部は、前記第1土台部または前記第2土台部から離れるに従って断面積が小さくなるテーパー状に形成されることを特徴とする請求項20に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  22. 前記封止材は、熱可塑性樹脂を備えることを特徴とする請求項16〜21のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  23. 前記封止材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル若しくはこれらの組み合わせを備えることを特徴とする請求項22に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  24. 前記第1基板および前記第2基板は、ガラス基板、プラスチック基板、透明電極が全面に形成された透明電極付きのガラス基板またはプラスチック基板で形成されることを特徴とする請求項16〜23のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  25. 前記第1電極および前記第2電極は、ITO、FTO、ZnO、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項16〜24のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  26. 前記多孔質半導体層は、TiO2、ZnO、WO3、InO3、Nb23、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項16〜25のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  27. 前記触媒層は、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子のいずれかで形成されることを特徴とする請求項16〜26のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  28. 前記電解液は、γブチロラクトン、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルのいずれかで形成されることを特徴とする請求項16〜27のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  29. 前記色素は、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、D205、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素のいずれかで形成されることを特徴とする請求項16〜28のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  30. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池を搭載したことを特徴とする電子機器。
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