JP2014165060A - 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器 - Google Patents

色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014165060A
JP2014165060A JP2013035900A JP2013035900A JP2014165060A JP 2014165060 A JP2014165060 A JP 2014165060A JP 2013035900 A JP2013035900 A JP 2013035900A JP 2013035900 A JP2013035900 A JP 2013035900A JP 2014165060 A JP2014165060 A JP 2014165060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
substrate
electrode
solar cell
dsc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013035900A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Kimura
俊博 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP2013035900A priority Critical patent/JP2014165060A/ja
Publication of JP2014165060A publication Critical patent/JP2014165060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】色素の脱離を抑制し、意匠性を維持出来る色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供する。
【解決手段】第1基板20と、第1基板上に配置された第1電極10と、第1電極上に配置され、半導体微粒子12と色素分子Dyeを備える多孔質半導体層13と、多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質28と所定の色素分子Dyeを溶媒に所定の濃度で溶解した電解液15と、電解液に接する第2電極18と、第2電極上に配置された第2基板22と、第1基板と第2基板との間に配置され、電解液を封止する封止材16とを備える色素増感太陽電池200およびその製造方法、および色素増感太陽電池200を搭載した電子機器。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池(DSC:Dye-sensitized Solar Cells)に係り、特に、色素の脱離を抑制し、意匠性を維持出来る色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器に関する。
近年、安価で高性能の太陽電池としてDSCが注目されている。DSCは、スイス・ローザンヌ工科大学のグレツェルが開発したもので、増感色素を表面に担持した酸化チタンを用いることで、光電変換効率が高く、製造コストが安いなどの利点を有することから、次世代の太陽電池として期待されている。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから、湿式太陽電池とも呼ばれる。
DSCは、増感色素を表面に担持した多孔質の酸化チタン層を備えた作用極と、作用極の酸化チタン層に対向して配置された対極と、作用極と対極との間に充填された電解質溶液とを備える(例えば、特許文献1参照。)。
DSCの作用極は、表面に担持された増感色素により、所定の色彩を呈する。そのため、DSCは、各種電子機器等に組み込まれた際に、発電機能に加えて、その色彩により電子機器等の美観を向上させる役割も果たしている。
特開平11−135817号
ところが、DSCの作用極に担持されている増感色素は、経時的に脱離して電解液に溶け出してしまう。
これにより、発電効率が低下すると共に、作用極の当初の色彩が徐々に失われるという不都合があった。また、増感色素の溶出により電解液が徐々に着色され、ひいては電子機器等の美観が損なわれてしまうという問題もある。
本発明の目的は、色素の脱離を抑制し、意匠性を維持出来る色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、第1基板と、前記第1基板上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質と所定の色素分子を溶媒に所定の濃度で溶解した電解液と、前記電解液に接する第2電極と、前記第2電極上に配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記電解液を封止する封止材とを備える色素増感太陽電池が提供される。
本発明の他の態様によれば、第1基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第1基板上に第1電極をパターン形成する工程と、前記第1電極上に多孔質半導体層を形成後、前記多孔質半導体層に色素を浸漬する工程と、第2基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第2基板上に第2電極をパターン形成する工程と、前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに対向させ、封止材を用いて張り合わせる工程と、開口部よりDSCセル内部に、所定の色素が所定の濃度で溶解されている電解液を封入し、開口部を封止する工程とを有する色素増感太陽電池の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、第1基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第1基板上に第1電極をパターン形成する工程と、前記第1電極上に多孔質半導体層を形成する工程と、第2基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第2基板上に第2電極をパターン形成する工程と、前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに対向させ、封止材を用いて張り合わせる工程と、開口部よりDSCセル内部に、色素が所定の濃度で溶解されている電解液を封入し、前記多孔質半導体層に前記色素を浸漬する工程と、前記開口部を封止する工程とを有する色素増感太陽電池の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の色素増感太陽電池を搭載した電子機器が提供される。
本発明によれば、色素の脱離を抑制し、意匠性を維持出来る色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器を提供することができる。
(a)第1の実施の形態に係るDSCの模式的平面パターン構成図および(b)I−I線に沿う模式的断面構造図。 色素を溶解した電解液の調製状態を示す説明図。 比較例に係るDSCの模式的断面構造図。 電解液における色素の溶解度曲線を示すグラフ。 第1の実施の形態に係るDSCの模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係るDSCの作成工程を示す説明図であって、(a)DSCの構成を示す側面図、(b)色素とヨウ素を混合した電解液を示す側面図。 比較例に係るDSCの作成工程を示す説明図であって、(a)DSCの構成を示す側面図、(b)通常の電解液を示す側面図。 比較例に係るDSCにおいて色素が溶け出した状態を示す側面図。 第2の実施の形態に係るDSCにおける色素分子の動きを示す説明図。 比較例に係るDSCの作成工程を示す図であって、セルに電解液を注入する前の状態を示す説明図。 比較例に係るDSCの作成工程を示す図であって、セルを封止した状態を示す説明図。 比較例に係るDSCにおいて、色素が脱離して電解液に溶出した状態を示す説明図。 比較例に係る当初状態のDSCについての概略構成図。 比較例に係る経時状態のDSCについての概略構成図。 実施例に係るDSCの作成工程を示す図であって、セルに電解液を注入する前の状態を示す説明図。 実施例に係るDSCの作成工程を示す図であって、セルを封止した状態を示す説明図。 実施例に係る当初状態のDSCについての概略構成図。 第3の実施の形態に係るDSCの模式的平面パターン構成図。 図18のII−II線に沿う模式的断面構造図。 図18のIII−III線に沿う模式的断面構造図。 図18のIV−IV線に沿う模式的断面構造図。 図18のA部分の拡大された模式的平面パターン構成図。 第3の実施の形態に係るDSCの多孔質半導体層の半導体微粒子の模式的構造図。 第3の実施の形態に係るDSCの動作原理説明図。 第3の実施の形態に係るDSCの電解液における電荷交換反応に基づく動作原理説明図。 第3の実施の形態に係るDSCにおいて、多孔質半導体層(13)/色素分子(32)/電解液(15)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラム。 第3の実施の形態に係るDSCにおいて、色素分子(32)/電解液(15)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図26のJ部分の拡大図。 第3の実施の形態に係るDSCの各構成材料のエネルギーレベルと発電サイクルを示す説明図。 第3の実施の形態に係るDSCに用いられる色素を示す化学構造式であって、(a)D149を示す化学構造式、(b)N719を示す化学構造式、(c)D131を示す化学構造式。 第3の実施の形態に係るDSCに用いられる色素を示す化学構造式であって、(a)紫色を呈する色素の化学構造式、(b)緑色を呈するYD2−o−C8を示す化学構造式。 (a)第3の実施の形態に係るDSCにおいて、基本セルを4個直列構成に配置した模式的断面構造図、(b)図31(a)の模式的回路表現。 (a)第3の実施の形態に係るDSCにおいて、基本セルを4個並列構成に配置した模式的断面構造図、(b)図32(a)の模式的回路表現。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法であって、(a)第2基板を前処理する工程図、(b)第2基板上に第2電極を形成する工程図、(c)第2電極上に触媒層を形成する工程図、(d)第1基板を前処理後、第1基板上に第1電極を形成する工程図、(e)第1電極上に多孔質半導体層を形成後、多孔質半導体層に色素を浸漬する工程図、(f)図33(c)の工程後の第2基板と図33(e)の工程後の第1基板とを互いに対向させ、封止材を用いて張り合わせる工程図、(g)開口部より内部に電解液を封入し、開口部を封止し、DSCセルを形成する工程図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板上に複数の内部第1電極が形成された状態を示す平面図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第2基板上に複数の内部第2電極が形成された状態を示す平面図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板と第2基板を封止材を介して貼り合わせた状態を示す平面図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、図36のV−V線に沿う模式的断面構造図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、横方向のスクライブラインを形成した状態を示す平面図。 第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、縦方向のスクライブラインをさらに形成した状態を示す平面図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを用いたIDカードを示す平面図。 (a)第1〜第3の実施の形態に係るDSCのセルを3個形成した構成を示す平面図、(b)3個のセルを直列接続した状態を示す説明図。 (a)第1〜第3の実施の形態に係るDSCのセルを5個、直列接続した状態を示す模式図、(b)図42(a)の説明図、(c)図42(a)の構成例を示す平面図。 (a)第1〜第3の実施の形態に係るDSCのセルをn個、タンデム構成に積層させた状態を示す模式図、(b)図43(a)の説明図。 (a)第1〜第3の実施の形態に係るDSCのセルをn個、タンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を示す模式図、(b)図44(a)の説明図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の構成例を示す平面図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の側面図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載したリモコン装置の他の構成例を示す側面図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載した卓上デジタル時計の構成例を示す鳥瞰図。 (a)第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載した電子手帳を開いた状態を示す鳥瞰図、(b)閉じた状態を示す鳥瞰図。 第1〜第3の実施の形態に係るDSCを搭載した電子辞書を開いた状態を示す鳥瞰図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
以下の実施の形態に係るDSCにおいて、「透明」とは、透過率が約50%以上であるものと定義する。また「透明」とは、実施の形態に係るDSCにおいて、可視光線に対して、無色透明という意味でも使用する。可視光線は波長約360nm〜830nm程度、エネルギー約3.45eV〜1.49eV程度に相当し、この領域で透過率が50%以上あれば透明である。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係るDSC200の模式的平面パターン構成は、図1(a)に示すように表され、そのI−I線に沿う模式的断面構造は、図1(b)に示すように表される。
本実施の形態に係るDSC200は、図1および図2に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置され、半導体微粒子12と色素分子Dyeを備える多孔質半導体層13と、多孔質半導体層13と接し、酸化還元電解質と色素分子Dyeを溶媒14に所定の濃度で溶解した電解液15と、電解液15に接する第2電極(対極)18と、第2電極18上に配置された第2基板22と、電解液15に接して第2電極18の表面上に配置される触媒層19と、第1基板10と第2基板22との間に配置され、電解液15を封止する封止材16とを備える。
ここで、電解液15に溶解されている所定の色素分子Dyeは、多孔質半導体層13に吸着されている色素分子Dyeと同じ組成とすることができる。これにより、多孔質半導体層13に吸着されている色素分子Dyeの脱離を抑制することができ、発電効率の低下を防ぐとともに、色素分子Dyeの脱離による美観の劣化を予防することができる。
特に、電解液15に溶解されている所定の色素分子Dyeを、多孔質半導体層13に吸着されている色素分子Dyeと同じ組成とすることにより、多孔質半導体層13と電解液15との色が略同じ色合いとなるため、電解液15により多孔質半導体層13の色味が悪くなることを解消できる。
また、電解液15に溶解されている所定の色素分子Dyeは、多孔質半導体層13に吸着されている色素分子Dyeと異なる組成のものとするようにしても良い。この場合には、色素分子Dyeの脱離を抑制すると共に、多孔質半導体層13と電解液15との色彩を代えて、DSC200の色のカラフル性を高め、美観を向上させることができる。
また、電解液15における色素分子Dyeの所定の濃度は、飽和濃度とすることができる。これにより、多孔質半導体層13からの色素分子Dyeの脱離をより有効に抑制することができる。
(電解液の調製)
図2は、色素Dyeを溶解した電解液15の調製状態を示す。
図2に示す例では、ヒータ600上に載置される加熱用容器620に加熱用媒体(例えば、水)640を入れて、所定の温度(例えば、50〜60℃)まで加熱する。
そして、予め酸化還元電解質を溶解した溶媒14をビーカ23に入れて、そのビーカ23を加熱用容器620内の加熱用媒体640に浸す。
次いで、色素Dyeを所定の濃度(例えば、飽和濃度)に達するまでビーカ23内の溶媒14に投入する。
なお、色素Dyeを溶媒14中に効率的に分散させるために、超音波振動装置を適用しても良い。すなわち、ビーカ23内の溶媒14に所定周波数の超音波振動エネルギーを供給することによって、色素Dyeを溶媒14中に効率的に分散させることができる。
ここで、溶媒14は、電解質、添加剤を溶解する液体であり、高沸点、化学的安定性が高く、高誘電率(電解質が良く溶解する)、低粘度であること望ましい。例えば、溶媒14は、炭酸プロピレン、γブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどで構成されていても良い。また、場合によっては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどで構成されていても良い。
色素Dyeとしては、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、フタロシアニン系色素、ポルフィリン色素などを適用することができる。これにより、赤、黒、青、緑、紫等の色彩を有する電解液15を調製することができる。
図4は、電解液15における色素Dyeの溶解度曲線を示すグラフである。
このグラフを見ると分かるように、色素濃度(色素量/電解液:%)は、所定の濃度D0までの溶解度I0は線形で遷移し、徐々に溶解度が下がった後、飽和溶解度ISで限界に達し、飽和濃度DSとなる。
ここで、図3は、比較例に係るDSC200Aの模式的断面構造図である。なお、本実施の形態に係るDSC200と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
本実施の形態に係るDSC200と比較例に係るDSC200Aとの相違点は、予め酸化還元電解質のみを溶解した溶媒14を電解液14aとして用いている点である。
そのため、比較例に係るDSC200Aでは、多孔質半導体層(作用極)13に担持されている色素Dyeは、経時的に脱離して電解液14aに溶け出してしまう。
これにより、発電効率が低下すると共に、多孔質半導体層13の当初の色彩が徐々に失われてしまう。また、色素Dyeの溶出により電解液14aが徐々に着色され、ひいてはDSC200Aを搭載する電子機器等の美観が損なわれてしまう。
一方、図5は、本実施の形態に係るDSC200の模式的断面構造図である。
本実施の形態に係るDSC200では、酸化還元電解質と色素分子Dyeを溶媒14に所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解した電解液15を用いている。
これにより、多孔質半導体層13に担持されている色素分子Dyeの脱離を抑制することができ、発電効率の低下を防ぐとともに、色素分子Dyeの脱離による美観の劣化を予防することができる。
[第2の実施の形態]
図6は、第2の実施の形態に係るDSC200の作成工程を示す説明図であり、図6(a)はDSC200の構成を示す側面図、図6(b)は色素Dyeとヨウ素を混合した電解液15を示す側面図である。
なお、上述の第1の実施の形態に係るDSC200と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第2の実施の形態に係るDSC200においては、溶媒14に色素Dyeとヨウ素Iを混合して溶解させて電解液15を調製している点が異なる。
なお、色素Dyeは、第1の実施の形態に挙げたものを用いることができる。
これにより、多孔質半導体層(作用極)13と電解液15の働きにより効率的に発電することができると共に、色素Dyeとヨウ素Iの混合によりバリエーションに富む色彩を呈することができ、美観が向上される。
また、多孔質半導体層13に担持させる色素Dyeと、電解液15に溶解させる色素Dyeとを同一組成のものとする場合には、多孔質半導体層13に予め色素Dyeを浸漬させることなく、電解液15を注入するだけで、多孔質半導体層13に色素Dyeを吸着させて担持させることができる。この場合には、製造工程の簡略化により、製造コストの低廉化を図ることができる。
一方、図7は、比較例に係るDSC200Aの作成工程を示す説明図であって、図7(a)はDSC200Aの構成を示す側面図、図7(b)は通常の電解液14aを示す側面図である。
比較例に係るDSC200Aでは、多孔質半導体層13に予め色素Dyeを浸漬させて吸着させる工程が必要であり、第2の実施の形態に係るDSC200に比して工程数が多くなり、製造コストが嵩む。また、次に説明するように、電解液14aに色素が溶出してしまう。
図8は、比較例に係るDSC200Aにおいて色素Dyeが溶け出した状態を示す側面図である。
図8に示すように、多孔質半導体層(作用極)13に担持されている色素Dyeは、経時的に脱離して電解液14aに溶け出してしまう。これにより、発電効率が低下すると共に、多孔質半導体層13の当初の色彩が徐々に失われてしまう。また、色素Dyeの溶出により電解液14aが徐々に着色され、ひいてはDSC200Aを搭載する電子機器等の美観が損なわれてしまう。
図9は、実施の形態に係るDSC200における色素分子の動きを示す説明図である。
図9に示すように、本実施の形態に係るDSC200においては、多孔質半導体層(作用極)13に担持されている色素Dyeが経時的に脱離して電解液15に溶け出したとしても、電解液15において色素Dyeは所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解されているため、再び多孔質半導体層13に侵入して吸着される。
したがって、多孔質半導体層13に担持されている色素Dyeが継続的に電解液15に溶け出すことが抑制され、発電効率の低下が防がれるとともに、色素分子Dyeの脱離による美観の劣化も予防される。
(比較例に係るDSC)
図10〜14を参照して、比較例に係るDSC200Aについて説明する。
図10は比較例に係るDSC200Aの作成工程を示す図であって、セルに電解液を注入する前の状態を示す説明図、図11は比較例に係るDSC200Aの作成工程を示す図であって、セルを封止した状態を示す説明図、図12は比較例に係るDSC200Aにおいて、色素Dyeが脱離して電解液に溶出した状態を示す説明図である。
また、図13は、比較例に係る当初状態のDSC200Aについての概略構成図、図14は、比較例に係る経時状態のDSC200Aについての概略構成図である。
図10に示すように、ヨウ素のみを溶解した電解液14aは、セルの上部に開口された開口部からセル内に注入される。
多孔質半導体層13は、半導体微粒子12と色素分子Dyeを備える。この多孔質半導体層13の色素分子Dyeは、予め色素溶液に浸漬させて吸着されている。
次いで、図11に示すように、紫外線硬化樹脂等からなる封止材によって開口部が封止されてDSC200Aが作成される(図13)。
この作成時においては、多孔質半導体層13は色素Dyeが呈する色彩となり、電解液14aはヨウ素が呈する色彩(例えば、茶色等)となる。
しかし、時間が経過するに従って、多孔質半導体層13に担持されている色素Dyeは徐々に電解液14aに溶出していき、図12、図14に示すように、色が薄くなった多孔質半導体層13Dに変化していく。なお、色彩の変化と共に、色素Dyeによる増感機能が低下して発電効率も低下する。
一方、電解液14aの色は、多孔質半導体層13からの色素Dyeの溶出により、ヨウ素の色と色素Dyeの色が混濁した色となり、DSC200A全体の色が作成当初とは変化し、美観を損なってしまう。
また、電解液14aにはヨウ素が溶解されているため、例えばくすんだ茶色を呈する。その影響で、色素Dyeが吸着された多孔質半導体層13の色もくすんで発色が悪く、美観を損なっていた。
(実施例に係るDSC)
図15〜17を参照して、実施例に係るDSC200について説明する。
図15は、実施例に係るDSC200の作成工程を示す図であって、セルに電解液15を注入する前の状態を示す説明図、図16は、実施例に係るDSC200の作成工程を示す図であって、セルを封止した状態を示す説明図、図17は、実施例に係る当初状態のDSC200についての概略構成図である。
図15に示すように、所定の色素Dyeを溶媒14に所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解した電解液15は、セルの上部に開口された開口部からセル内に注入される。
多孔質半導体層13は、半導体微粒子12と色素分子Dyeを備える。この多孔質半導体層13の色素分子Dyeは、予め色素溶液に浸漬させて吸着されるようにできる。
なお、電解液15に溶解されている所定の色素Dyeと、多孔質半導体層13に担持させる色素分子Dyeとが同一組成の場合には、電解液15に浸漬させることによって多孔質半導体層13に色素Dyeを吸着させて担持させることもできる。
次いで、図16に示すように、紫外線硬化樹脂等からなる封止材によって開口部が封止されてDSC200が作成される(図17)。
この作成時においては、多孔質半導体層13および電解液15は色素Dyeが呈する色彩となる。
また、電解液15には所定の濃度で色素Dyeが溶解されているので、時間が経過しても多孔質半導体層13に担持されている色素Dyeが継続的に電解液15に溶け出すことが抑制され、発電効率の低下が防がれる。また、色素分子Dyeの脱離による美観の劣化も予防される。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係るDSC200の模式的平面パターン構成は、図18に示すように表され、図18のII−II線に沿う模式的断面構造は、図19に示すように表され、図18のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図20に示すように表され、図18のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、図21に示すように表され、図18のA部分の拡大された模式的平面パターン構成は、図22に示すように表される。
第3の実施の形態に係るDSC200は、図18〜図22に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された内部第1電極10Aと、内部第1電極10A上に配置された多孔質半導体層13と、多孔質半導体層13と接し、酸化還元電解質と色素Dyeを所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶媒14に溶解した電解液15と、電解液15に接する内部第2電極(対極)18Aと、内部第2電極18A上に配置された第2基板22と、第1基板20と第2基板22との間に配置され、電解液15を封止する封止材16とを備える。
また、第3の実施の形態に係るDSC200は、図18〜図22に示すように、封止材16の外部の第1基板20上に配置された外部第1電極10Bと、封止材16の外部の第2基板22上に配置された外部第2電極18Bとを備えていても良い。
また、第3の実施の形態に係るDSC200は、図18〜図22に示すように、第1基板20と第2基板22に挟まれ、かつ封止材16に囲まれたセル領域に電解液15を注入する開口部を備え、内部第1電極10Aと外部第1電極10Bは、第1基板20上においてパターン形成されると共に、開口部において互いに接続されていても良い。
また、内部第2電極18Aと外部第2電極18Bは、第2基板22上においてパターン形成されると共に、開口部において互いに接続されていても良い。
また、開口部を封止する開口部封止材3bと、開口部に配置され、封止材16と開口部封止材3bとを結合するキャップ封止材3aとを備えていても良い。
第3の実施の形態に係るDSC200において、封止材16は、図18〜図22に示すように、第1基板20・第2基板22に接触している。
内部第1電極10A・外部第1電極10Bは、図18、図20〜図22に示すように、電解液15の注入用の開口部近傍において、電気的に接続されている。
内部第2電極18A・外部第2電極18Bは、図18、図20〜図22に示すように、電解液15の注入用の開口部近傍において、電気的に接続されている。
また、封止材16は、図18〜図22に示すように、内部第1電極10A・内部第2電極18Aとは接触していない。一方、封止材16は、図18〜図22に示すように、外部第1電極10B・外部第2電極18Bとは電解液15の注入用の開口部近傍において接触している。
また、キャップ封止材3a・開口部封止材3bは、図18、図20〜図22に示すように、電解液14aの注入用の開口部において、第1電極10B・第2電極18Bと接触し、第1電極10A・第2電極18Aと接触していても良い。
また、第3の実施の形態に係るDSC200においては、図18〜図22に示すように、内部第2電極18Aの表面には、電解液15に接して、触媒層19を備えていても良い。
封止材16・キャップ封止材3a・開口部封止材3bは、ガラスフリット、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂若しくはこれらを構造的に組み合わせて構成可能である。
紫外線硬化樹脂を硬化するための紫外線(UV)は波長10〜400nmの範囲の波長の短い電磁波である。また、紫外線(UV)は波長によってUV−A(長波長紫外線:波長315〜400nm)、UV−B(中波長紫外線:波長280〜315nm)、UV−C(短波長紫外線:波長10nm前後〜280nm)の3つに区分される。紫外線(UV)の照射源としては、UVランプ(水銀ランプ、メタルハライドランプ)等が用いられる。ここで、紫外線硬化樹脂としては、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられる。なお、耐電解液性、封止性の点ではアクリル系紫外線硬化樹脂がより好ましい。
第1基板20および第2基板22は、例えば、ガラス基板などで形成することができる。また、フレキシブルなプラスチック基板を用いることもできる。この場合、多孔質半導体層を構成するTiO2ペーストとしては、200℃以下で焼成可能なものを用いる。
また、光を照射するため、第1基板20・第2基板22は、照射光(白色光)に対して、透明であることが望ましい。なお、第1基板20・第2基板22の光が入射する側に反射防止膜などをコーティングしても良い。
第1電極10A・10Bは、例えば、ITO、FTO、ZnO、SnOなどの透明電極で形成される。第1基板20上に電極加工し、FTO付き基板、金属などのグリッド付き基板、或いは上記の複合基板としても良い。
同様に、第2電極18A・18Bは、例えば、ITO、FTO、ZnO、SnOなどの透明電極で形成される。第2基板22上に電極加工し、FTO付き基板、金属などのグリッド付き基板、或いは上記の複合基板としても良い。
多孔質半導体層13は、TiO2、ZnO、WO3、InO3、Nb23、SnO2などの材料を用いて形成されていても良い。特に、効率面から安価なTiO2(アナターゼ型、ルチル型)が主に用いられる。
多孔質半導体層13は、例えば、スクリーン印刷技術、スピンコート技術、ディッピング、スプレーコート技術などを用いて形成することができる。
触媒層19は、例えば、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子などで構成されていても良い。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
第3の実施の形態に係るDSC200において、溶媒14は、電解質、添加剤を溶解する液体であり、高沸点、化学的安定性が高く、高誘電率(電解質が良く溶解する)、低粘度であること望ましい。例えば、溶媒14は、炭酸プロピレン、γブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどで構成されていても良い。また、場合によっては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどで構成されていても良い。
色素Dyeは、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、フタロシアニン系色素、ポルフィリン色素などを適用することができる。
第3の実施の形態に係るDSC200の多孔質半導体層13の半導体微粒子2の模式的構造は、図23に示すように表される。図23に示すように、多孔質半導体層13は、TiO2などからなる半導体微粒子2が互いに結合して複雑なネットワークを形成している。色素分子4は、半導体微粒子2の表面に吸着される。多孔質半導体層13内には、大きさ約100nm以下の細孔が多数存在する。
(動作原理)
第3の実施の形態に係るDSC200の動作原理は、図24に示すように表される。
下記の(a)〜(d)の反応が継続して起こることで、起電力が発生し、負荷24に電流が導通する。
(a)色素分子32が光子(hν)を吸収し、電子(e)を放出し、色素分子32は酸化体DOになる。
(b)Reで表される還元体の酸化還元電解質26が多孔質半導体層13中を拡散して、DOで表される酸化体の色素分子32に接近する。
(c)酸化還元電解質26から色素分子32に電子(e)が供給される。酸化還元電解質26は、Oxで表される酸化体の酸化還元電解質28になり、色素分子32はDRで表される還元された色素分子30になる。
(d)酸化還元電解質28は、触媒層19方向に拡散し、触媒層19より電子を供給されて、Reで表される還元体の酸化還元電解質26になる。
酸化還元電解質26は、多孔質半導体層13中の入り組んだ空間を拡散しながら色素分子32の近傍に接近する必要がある。
また、第3の実施の形態に係るDSC200の電解液15における電荷交換反応に基づく動作原理は、図25に示すように表される。
まず、外部から光照射されると光子(hν)が色素分子32と反応して、色素分子32は基底状態から励起状態へと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiO2からなる多孔質半導体層13の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。第2電極18Aから電解液14a中に注入された電子(e)は、電解液15中のヨウ素酸化還元電解質(I/I3 )と電荷交換される。ヨウ素酸化還元電解質(I/I3 )が電解液15内を拡散し、色素分子32と再反応する。ここで、電荷交換反応は、色素分子表面において、3I→I3 +2eに従って進行し、第2電極18Aにおいて、I3 +2e→3Iに従って進行する。
電解液15は、溶媒14として、例えば、アセトニトリルを使用し、この場合の電解質として、例えば、ヨウ素は、電解液15中のヨウ素酸化還元電解質I3 として存在する。また、電解質として、例えば、ヨウ化物塩(ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなど)は、電解液14a中のヨウ素酸化還元電解質Iとして存在する。また、電解液15中には、逆電子移動抑制溶液として添加剤(例えば、TBP:ターシャルブチルピリジン)を適用しても良い。
上記の溶質、添加剤を溶媒(アセトニトリル)に溶解させることによって、電解液15を構成することができる。なお、上記の材料は湿式DSCなどに適用可能なものであって、常温溶融塩(イオン性液体)や固体電解質を用いる場合には、構成材料が異なる。
第3の実施の形態に係るDSC200において、多孔質半導体層(13)/色素分子(32)/電解液(15)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムは、図26に示すように表される。また、色素分子(32)/電解液(15)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図26のJ部分の拡大図は、図27に示すように表される。
外部から光照射されると光子(hν)により、色素分子32は基底状態HOMOから励起状態LUMOへと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiO2からなる多孔質半導体層13の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。触媒層19から電解液15中に注入された電子(e)は、電解液15中の酸化還元電解質と電荷交換される。酸化還元電解質が電解液15内を拡散し、色素分子32を還元する。
電解液15の酸化還元準位EROと多孔質半導体層13のフェルミ準位Ef間の電位差が最大起電力VMAXである。最大起電力VMAXの値は、電解液15の酸化還元電解質により変化する。酸化還元電解質単独系(ヨウ素酸化還元電解質)の場合には、例えば、0.9V(I,N719)である。電解液15がヨウ素・臭素の混合系酸化還元電解質を含む場合には、図27に示すように、混合比率を調整することで混合系酸化還元電解質の酸化還元電位を、ヨウ素酸化還元電解質の酸化還元電位と臭素酸化還元電解質の酸化還元電位の間の任意の値に調整することができる。
第3の実施の形態に係るDSC200の各構成材料のエネルギーレベルと発電サイクルは図28に示すように表される。図28においては、外部から光照射されると光子(hν)により、色素(Dye)の充満帯S0/S+に存在する電子は、導電帯S*に励起され、多孔質半導体層13の伝導帯ECへ電子注入(electron injection)される。伝導帯ECへ電子注入された電子の一部は、再結合(recombination)されて、Dyeの充満帯S0/S+に遷移する。多孔質半導体層13中を導通した電子(e)は、第1電極10Aから外部回路の負荷24を導通し、第2電極18Aへ移動する。触媒層19から電解液14a中に注入された電子(e)は、電解液15中の酸化還元電解質と電荷交換される。酸化還元電解質が電解液15内を拡散し、電子注入により、Dyeの充満帯S0/S+において、色素分子32を還元する。電解液15の酸化還元準位EROと多孔質半導体層13のフェルミ準位Ef間の電位差VOCが最大起電力VMAXである。
第3の実施の形態に係るDSC200に用いられる色素を示す化学構造式であって、D149を示す化学構造式は、図29(a)に示すように表され、N719を示す化学構造式は、図29(b)に示すように表され、D131を示す化学構造式は、図29(c)に示すように表される。
また、紫色を呈する色素の化学構造式は図30(a)に示すように表され、緑色を呈するYD2−o−C8を示す化学構造式は図30(b)に示すように表される。
―直列構成―
第3の実施の形態に係るDSC200において、基本セルを4個直列構成に配置した模式的断面構造は、図31(a)に示すように表される。また、図31(a)の模式的回路表現は、図31(b)に示すように表される。
基本セルは、図31(a)に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された内部第1電極101A・102A・103A・104Aと、内部第1電極101A・102A・103A・104A上に配置された多孔質半導体層131・132・133・134と、多孔質半導体層131・132・133・134と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液151・152・153・154と、電解液151・152・153・154に接する内部第2電極(対極)181A・182A・183A・184Aと、内部第2電極181A・182A・183A・184A上に配置された第2基板22と、第1基板20・第2基板22間に配置され、電解液151・152・153・154を封止する封止材16とを備える。
また、基本セルは、図31(a)に示すように、封止材16の外部の第1基板20上に配置された外部第1電極101B・102B・103B・104Bと、封止材16の外部の第2基板22上に配置された外部第2電極181B・182B・183B・184Bとを備えていても良い。
さらに、外部第1電極102Bと外部第2電極181Bは、図31(a)に示すように、封止材16の外部の側壁に沿って第1基板20・第2基板22間に配置された接続電極3Aを介して接続される。同様に、外部第1電極103B・外部第2電極182B、外部第1電極104B・外部第2電極183Bも接続電極3Aを介して接続される。
結果として、図31(b)に示すように、基本セル4個は、直列構成に配置される。
また、図31に示される各基本セルにおいても、第1基板20と第2基板22に挟まれ、かつ封止材16に囲まれたセル領域に電解液151・152・153・154を注入する開口部を備え、内部第1電極101A・102A・103A・104Aと外部第1電極101B・102B・103B・104Bは、第1基板20上においてパターン形成されると共に、開口部において互いに接続されている。
また、内部第2電極181A・182A・183A・184Aと外部第2電極181B・182B・183B・184Bは、第2基板22上においてパターン形成されると共に、開口部において互いに接続されている。
また、図31に示される各基本セルにおいても、内部第2電極181A・182A・183A・184Aの表面には、電解液151・152・153・154に接して、触媒層191・192・193・194を備えていても良い。その他の構成は、図18〜図22に示す第3の実施の形態に係るDSC200と同様である。
―並列構成―
第3の実施の形態に係るDSC200において、基本セルを4個並列構成に配置した模式的断面構造は、図32(a)に示すように表される。また、図32(a)の模式的回路表現は、図32(b)に示すように表される。
外部第1電極102Bと外部第2電極181Bは、図32(a)に示すように、封止材16の外部の側壁に沿って第1基板20・第2基板22間に配置された絶縁層3Bを介して絶縁される。同様に、外部第1電極103B・外部第2電極182B、外部第1電極104B・外部第2電極183Bも絶縁層3Bを介して絶縁される。結果として、図32(b)に示すように、基本セル4個は、並列構成に配置される。その他の構成は、図18〜図22に示す第3の実施の形態に係るDSC200と同様である。
(製造方法)
第3の実施の形態に係るDSC200の製造方法は、図33(a)〜図33(g)に示すように表される。
(a)まず、図33(a)に示すように、第2基板22を、洗浄工程によって前処理する。ここで、第2基板22は、ガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板等で構成可能であり、また透明電極が全面に形成された透明電極付きのガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板を用いることもできる。
(b)次に、図33(b)に示すように、第2基板22上に内部第2電極18Aをパターン形成する。外部第2電極18Bも、第2基板22上に同時に形成される。ここで、内部第2電極18A・外部第2電極18Bは、スクリーン印刷で塗布されるITO微粒子含有膜を大気焼結およびN雰囲気下の熱処理を行なって形成可能であり、透明電極付きのガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板であれば各種エッチング法によりパターン形成することが可能である。
(c)次に、図33(c)に示すように、内部第2電極18A上に触媒層19を形成する。触媒層19は、スクリーン印刷等によって形成することができる。
(d)次に、図33(d)に示すように、第2基板22と同様に、第1基板20を前処理後、第1基板20上に内部第1電極10Aをパターン形成する。外部第1電極10Bも、第1基板20上に同時に形成される。ここで、第1基板20は、ガラス基板またはフレキシブルなプラスチック基板等で構成可能である。ここで、内部第1電極10A・外部第1電極10Bは、スクリーン印刷で塗布されるITO微粒子含有膜を大気焼結およびN雰囲気下の熱処理を行なって形成可能である。
(e)次に、図33(e)に示すように、内部第1電極10A上に多孔質半導体層13を形成後、多孔質半導体層13に色素Dyeを浸漬する。多孔質半導体層13は、スクリーン印刷等を応用して形成することができる。なお、ここまでの工程においては、第2基板22に対する処理工程を第1基板20に対する処理工程に対して先に実施しているが、第1基板20に対する処理工程を第2基板22に対する処理工程に対して先に実施しても良い。
(f)次に、図33(f)に示すように、図33(c)の工程後の第2基板22と図24(e)の工程後の第1基板20とを互いに対向させ、封止材16を用いて張り合わせる。
(g)次に、図33(g)に示すように、開口部より内部に電解液15を封入し、開口部を封止し、DSCセルを形成する。
(複数のDSCの製造方法)
実施の形態に係るDSCにおいて、複数のDSCセルの製造方法は、複数個(m×n:但し、mおよびnは整数)のセルを作り込み、分離して複数個のDSC200を得る製造方法である。
第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板20上に複数の内部第1電極1011A・1012A・…・101nA・…・10m1A・10m2A・…・10mnAが形成された状態を示す平面図は、図34に示すように表される。ここで、外部第1電極1011B・1012B・…・101nB・…・10m1B・10m2B・…・10mnBについては、簡単化のため、図示を省略する。
第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第2基板22上に複数の第2電極1811A・1812A・…・181nA・…・18m1A・18m2A・…・18mnAが形成された状態を示す平面図は、図35に示すように表される。ここで、外部第2電極1811B・1812B・…・181nB・…・18m1B・18m2B・…・18mnBについては、簡単化のため、図示を省略する。
第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、第1基板(作用極側)20と第2基板(対極側)22を封止材16を介して貼り合わせた状態を示す平面図は、図36に示すように表され、図36のV−V線に沿う模式的断面構造は、図37に示すように表される。図36および図37では、第1基板(作用極側)20を上方向、第2基板(対極側)を下方向に配置している。
第3の実施の形態に係るDSCの製造方法の一工程であって、横方向のスクライブラインSL1を形成した状態を示す平面図は、図38に示すように表され、さらに縦方向のスクライブラインSL2を形成した状態を示す平面図は、図39に示すように表される。
なお、図37に示すように、封止材16の間に基板のみ残る箇所があるが、そこがスクライブラインSL2となり、打撃等のブレークにより各素子に分離される。
次いで、図37のように計m×n個のDSCが貼り合わされた状態で、図38に示すように横方向のスクライブラインSL1を形成する。
具体的には、封止材16が設けられた位置に、スクライビング装置のスクライビングホイールを高精度に位置合わせして各スクライブラインSL1を形成する。
続いて、図39に示すように縦方向のスクライブラインSL2を形成する。
そして、スクライブラインSL1およびスクライブラインSL2に沿って打撃を与えるなどすると、ガラス材が有する劈開性によりスクライブラインSL1およびスクライブラインSL2に沿って割れて各素子に分離される。
なお、図示は省略するが、各素子に分離された後、電解液が注入され、ガラス板の接着や、樹脂の充填等によって封止し、電解液が漏れ出さないよう処置することでDSCが作り込まれる。
第3の実施の形態によれば、シール密着力を改善し、封止性能の良好な色素増感太陽電池およびその製造方法を提供することができる。
(適用例)
―IDカード―
図40を参照して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を用いたIDカードの適用例について説明する。
図40に示す名刺サイズのIDカード500では、左上側のセルB1、その下方側の部署名等を表示する部位のセルB2、氏名等を表示する部位のセルB3、写真を貼付する部位のセルB4に第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を配置している。
これにより、DSC200は、例えば、IDカード500に充電池を搭載する場合にはその充電用電源、GPS装置を搭載する場合にはその駆動電源、LED等のライトを搭載する場合にはその駆動電源等として機能する。
ここで、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200は、用いる色素Dyeによって種々の色彩を呈するようにすることができ、IDカード500のデザイン性を高めて美観を向上させることができる。
特に、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200は、電解液に色素を所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解させているため、時間が経過しても多孔質半導体層に担持されている色素が継続的に電解液に溶け出すことが抑制され、発電効率の低下が防がれる。また、色素分子の脱離によるIDカード500の美観の劣化も予防される。
―バッテリーセル―
次に、図41〜図44を参照して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200で構成されるバッテリーセル(以下、単に「セル」と呼ぶ)の適用例について説明する。
図41の(a)は、3個のセルB1〜B3を形成した状態を示す。図41の(a)の例では、面積の等しい3つのセルB1、B2、B3が同一基板内に設けられている。
この3個のセルB1〜B3は図示しない配線によって、図41の(b)に示すように直列接続される。セルB1〜B3の総電圧Vは、V=V1+V2+V3となり、総電流量Iは、I=I1=I2=I3となる。
図42は、5個のセルB1〜B5を並設した状態を示す。
この5個のセルB1〜B5は配線によって、図42の(b)に示すように直列接続される。セルB1〜B5の総電圧Vは、各セルB1〜B5の電圧の総和5Eとなる。
図43は、n個のセルをタンデム構成に積層させた状態を模式的に示す。このn個のセルは、図43の(b)に示すように直列接続される。セルの総電圧Vは、各セルの電圧の総和nEとなる。
図44は、n個のセルをタンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を模式的に示す。セルの総電圧Vは、直列接続されたセルの電圧の総和nEとなる。
特に、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200は、電解液に色素を所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解させているため、時間が経過しても多孔質半導体層に担持されている色素が継続的に電解液に溶け出すことが抑制され、バッテリーセルの発電効率の低下が防がれる。また、色素分子の脱離によるバッテリーセルの美観の劣化も予防される。
―電子機器―
第1〜第3の実施の形態に係るDSC200は、様々な電子機器に搭載可能である。例えば、リモコン装置、卓上デジタル時計、電子手帳、電子辞書などの適用可能である。
図45〜図47を参照して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載したリモコン装置330の構成例について説明する。
図45および図46に示すように、リモコン装置330は、プラスチック等で構成される筐体38において表裏に貫通する開口部41が形成され、この開口部41からDSC200が臨むように設けられて、太陽電池部39が構成されている。
また、リモコン装置330には、太陽電池部39を電源として駆動され、例えば日付や時刻、テレビのチャンネル番号等を表示する液晶部34と、テレビのチャンネルの選択等の操作を行う操作ボタン36が設けられている。
DSC200は、リモコン装置330の厚み方向の略中央部に水平状態で設けられている。なお、DSC200の第1基板20側、第2基板22側の何れをリモコン装置330の表側または裏側とするかは任意でよい。
図48に示す構成例では、開口部41に、筐体38の表面および裏面と面一となるように、DSC200を保護する透明部材40が嵌め込まれている。これにより、DSC200の表面や裏面にホコリが付着したり、傷つくことが防止される。
また、開口部41の側面にも透明部材を設けると良い。
これにより、透明部材40を介して、リモコン装置330の表面側、裏面側および側面側から太陽光や室内光等の外部光が入射するので、DSC200の第1基板20側からの入射光および第2基板22側からの入射光の何れもが、多孔質半導体層13に到達することとなる。したがって、DSC200により、外部光を効率的に利用した発電を行ってリモコン装置330に電力を安定的に供給することができる。
特に、テレビやビデオ装置等のリモコン装置330は、置き方によっては、操作ボタン36等が設けられた表側が例えばテーブルの天板等に面するような状態(裏返しの状態)となることがある。
第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載したリモコン装置330では、透明部材40を介して、リモコン装置330の表面側、裏面側および側面側から太陽光や室内光等の外部光が入射するので、装置の表面または裏面から光線が入射すればDSC200は発電機能を発揮する。したがって、裏返しの状態でリモコン装置330が置かれた場合であっても、安定して電力を供給することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
なお、DSC200で発電された電力は、液晶部34に直接供給されるのではなく、バッテリーなどに蓄電された後、このバッテリーなどから供給可能である。
図47に示すリモコン装置330の変形例では、透明部材40を省き、支持部38a、38bによってDSC200を支持する構成としている。なお、太陽電池部39の側部は筐体38の一部によって覆われている。
図47に示すリモコン装置330では、太陽電池部39の表裏から入射する光線(hνf)、(hνr)によってDSC200は発電機能を発揮する。なお、2枚以上のDSC200を重ね合わせ、配線によって直列接続等するようにしてもよい。
図48を参照して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した卓上デジタル時計50の構成例について説明する。
卓上デジタル時計50は、透明なアクリル板等で構成される側面形状が三角形の筐体54の一平面に、デジタル式の時計表示を行う時計部52と、DSC200が設けられている。
DSC200は、筐体54に2ヶ所の開口部43が形成され、この各開口部43からDSC200が臨むように設けられている。
図48に示す構成例では、各開口部43に取付けられるDSC200は、フレーム56を介して2つのセルが並設されている。特には限定されないが、DSC200の各セルは配線によって直列接続として、電圧および電流を稼ぐようにできる。
卓上デジタル時計50が備えるDSC200は、図46に示すように、正面側から入射する光線(hνf)および透明な筐体54を介して裏面側から入射する光線(hνr)の何れによっても発電機能を発揮することができる。
したがって、卓上デジタル時計50を置く場所の自由度が高まると共に、外部光を有効に利用して時計部52に安定して電力を供給することができる。
図47を参照して、実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80の構成例について説明する。
電子手帳80は、各種入力を行う操作ボタン36や各種情報を表示する液晶部34を備える本体部80bと、本体部80bと蝶番部80cを介して開閉自在に取付けられるDSC200を備えた蓋部80aとから構成されている。
蓋部80aには、蓋部80a自体を表裏に貫通する開口部45が形成され、この開口部45からDSC200が臨むように設けられている。DSC200は、複数のセルを接続した構成とすることもできる。
電子手帳80が備えるDSC200は、図49(a)に示すように蓋部80aを開いた状態においては、表裏両面から入射する光線の何れによっても発電機能を発揮し、本体部80bに安定した電力を供給することができる。
一方、図49(b)に示すように蓋部80aを閉じた状態においても、DSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮し、例えば本体部80b側が備えるリチウムイオン電池等の二次電池を充電することができる。
このように、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80によれば、外部光を効率的に利用することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
また、例えば、蓋部の両面に従来の太陽電池を配置する場合に比して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子手帳80は大型化することがなく、また一つのDSC200で足りるため製造コストを低減することができる。
図50を参照して、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90の構成例について説明する。
電子辞書90は、各種入力を行う操作ボタン36aおよびDSC200を備える本体部90bと、本体部90bと蝶番部90cを介して開閉自在に取付けられる各種情報を表示する液晶部34およびDSC200を備えた蓋部90aとから構成されている。
蓋部90aおよび本体部90bには、表裏に貫通する開口部46が形成され、この各開口部46からDSC200が臨むように設けられている。DSC200は、複数のセルを接続した構成とすることもできる。
図50に示すように蓋部90aを開いた状態においては、蓋部90a側のDSC200は表裏両面から入射する光線の何れによっても発電機能を発揮し、また本体部90b側のDSC200は表面側から入射する光線によって発電機能を発揮する。したがって、液晶部34や本体部90bが備える演算装置等に安定した電力を供給することができる。
一方、蓋部90aを閉じた状態においても、蓋部90a側のDSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮し、例えば本体部90b側が備える二次電池を充電することができる。
また、例えば、蓋部90a側が下となるように電子辞書90が置かれた場合であっても、本体部90bのDSC200は、表面側からの入射光によって発電機能を発揮するので、例えば本体部90b側が備える二次電池を充電することができる。
このように、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90によれば、外部光を効率的に利用することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
また、例えば、蓋部や本体の両面に従来の太陽電池を配置する場合に比して、電子辞書90は大型化することがなく、また一つのDSC200で足りるため製造コストを低減することができる。
なお、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200を搭載した電子辞書90のDSC200の配置の仕方は、同様の構造を備えるゲーム機器やノート型パソコン等の各種電子機器に適用することが可能である。
特に、第1〜第3の実施の形態に係るDSC200は、電解液に色素を所定の濃度(例えば、飽和濃度)で溶解させているため、時間が経過しても多孔質半導体層に担持されている色素が継続的に電解液に溶け出すことが抑制され、発電効率の低下が防がれる。また、色素分子の脱離による電子辞書90等の美観の劣化も予防される。
以上説明したように、本発明によれば、色素の脱離を抑制し、意匠性を維持出来る色素増感太陽電池およびその製造方法および電子機器を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の色素増感太陽電池は、カラフル性に富む色彩を呈し、小型軽量高効率の電源として適用することによって、様々な電子機器、ワイヤレスセンサネットワークシステムなどに適用可能である。
2、12…半導体微粒子
3a…キャップ封止材
3b…開口部封止材
3A…接続電極
3B…絶縁層
4、30、32…色素分子
10…第1電極
10A・101A・102A・103A・104A…内部第1電極
10B・101B・102B・103B・104B…外部第1電極
13・131・132・133・134、13D…多孔質半導体層
14…溶媒
14a、15…電解液(電荷輸送層)
16、16A…封止材
18…第2電極
18A・181A・182A・183A・184A…内部第2電極
18B・181B・182B・183B・184B…外部第2電極
19・191・192・193・194…触媒層
20…第1基板
22…第2基板
23…ビーカ
24…負荷
28…酸化還元電解質
26、28…酸化還元電解質
30、32…色素分子
200、200A、200B…色素増感太陽電池(DSC)
600…ヒータ
620…加熱用容器
640…加熱用媒体
Dye…色素

Claims (16)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板上に配置された第1電極と、
    前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、
    前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質と所定の色素分子を溶媒に所定の濃度で溶解した電解液と、
    前記電解液に接する第2電極と、
    前記第2電極上に配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記電解液を封止する封止材と
    を備えることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記電解液に溶解されている前記所定の色素分子は、前記多孔質半導体層に吸着されている前記色素分子と同じ組成であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記電解液に溶解されている前記所定の色素分子は、前記多孔質半導体層に吸着されている前記色素分子と異なる組成であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記所定の濃度は、前記電解液における前記所定の色素分子の飽和濃度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記溶媒は、炭酸プロピレン、γブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルのいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記色素は、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)、D131、フタロシアニン系色素、ポルフィリン色素のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記第1電極および前記第2電極は、ITO、FTO、ZnO、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記多孔質半導体層は、TiO2、ZnO、WO3、InO3、Nb23、SnO2のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 前記触媒層は、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  10. 前記封止材の外部の前記第1基板上に配置された外部第1電極と、
    前記封止材の外部の前記第2基板上に配置された外部第2電極と
    を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  11. 前記外部第1電極と前記外部第2電極とを前記封止材の外部の側壁に沿って前記第1基板および前記第2基板間に配置された接続電極を備え、
    前記色素増感太陽電池の複数のセルを、前記接続電極を介して直列接続したことを特徴とする請求項10に記載の色素増感太陽電池。
  12. 前記外部第1電極と前記外部第2電極とを前記封止材の外部の側壁に沿って前記第1基板および前記第2基板間に配置された絶縁層を備え、
    前記色素増感太陽電池の複数のセルを、前記絶縁層を介して並列接続したことを特徴とする請求項10に記載の色素増感太陽電池。
  13. 第1基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第1基板上に第1電極をパターン形成する工程と、
    前記第1電極上に多孔質半導体層を形成後、前記多孔質半導体層に色素を浸漬する工程と、
    第2基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第2基板上に第2電極をパターン形成する工程と、
    前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを互いに対向させ、封止材を用いて張り合わせる工程と、
    開口部よりDSCセル内部に、所定の色素が所定の濃度で溶解されている電解液を封入し、開口部を封止する工程と
    を有することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  14. 第1基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第1基板上に第1電極をパターン形成する工程と、
    前記第1電極上に多孔質半導体層を形成する工程と、
    第2基板を、洗浄工程によって前処理後、前記第2基板上に第2電極をパターン形成する工程と、
    前記第2電極上に触媒層を形成する工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを互いに対向させ、封止材を用いて張り合わせる工程と、
    開口部よりDSCセル内部に、色素が所定の濃度で溶解されている電解液を封入し、前記多孔質半導体層に前記色素を浸漬する工程と、
    前記開口部を封止する工程と
    を有することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  15. 前記所定の濃度は、前記電解液における前記色素の飽和濃度であることを特徴とする請求項13または14に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池を搭載したことを特徴とする電子機器。
JP2013035900A 2013-02-26 2013-02-26 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器 Pending JP2014165060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035900A JP2014165060A (ja) 2013-02-26 2013-02-26 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035900A JP2014165060A (ja) 2013-02-26 2013-02-26 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014165060A true JP2014165060A (ja) 2014-09-08

Family

ID=51615489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013035900A Pending JP2014165060A (ja) 2013-02-26 2013-02-26 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014165060A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019125764A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 アイシン精機株式会社 色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池。

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000331720A (ja) * 1999-05-20 2000-11-30 Idemitsu Kosan Co Ltd 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2002313445A (ja) * 2001-04-18 2002-10-25 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子
JP2002324590A (ja) * 2001-04-09 2002-11-08 Korea Electronics Telecommun ナノ粒子酸化物太陽電池及びその製造方法とそれを利用した太陽電池モジュール及び透明電池ウィンドウ
JP2004119082A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子モジュール
JP2007134328A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Samsung Sdi Co Ltd 太陽電池及びその製造方法
US20100307571A1 (en) * 2009-06-03 2010-12-09 Hardin Brian E Using energy relay dyes to increase light absorption in dye-sensitized solar cells
JP2011048938A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sony Corp 色素増感型太陽電池モジュールの製造方法及びリンス装置
JP2011096642A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極およびその製造方法、透明導電基材およびその製造方法、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール
JP2013105667A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Peccell Technologies Inc 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP2013157224A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池の製造方法
JP2013235787A (ja) * 2012-05-11 2013-11-21 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池およびその製造方法
JP2014067650A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池の製造方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000331720A (ja) * 1999-05-20 2000-11-30 Idemitsu Kosan Co Ltd 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2002324590A (ja) * 2001-04-09 2002-11-08 Korea Electronics Telecommun ナノ粒子酸化物太陽電池及びその製造方法とそれを利用した太陽電池モジュール及び透明電池ウィンドウ
JP2002313445A (ja) * 2001-04-18 2002-10-25 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子
JP2004119082A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子モジュール
JP2007134328A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Samsung Sdi Co Ltd 太陽電池及びその製造方法
US20100307571A1 (en) * 2009-06-03 2010-12-09 Hardin Brian E Using energy relay dyes to increase light absorption in dye-sensitized solar cells
JP2011048938A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sony Corp 色素増感型太陽電池モジュールの製造方法及びリンス装置
JP2011096642A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極およびその製造方法、透明導電基材およびその製造方法、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール
JP2013105667A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Peccell Technologies Inc 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP2013157224A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池の製造方法
JP2013235787A (ja) * 2012-05-11 2013-11-21 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池およびその製造方法
JP2014067650A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019125764A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 アイシン精機株式会社 色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池。

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102754273B (zh) 色素增感型太阳能电池及其制造方法
CN101965662A (zh) 功能性器件及功能性器件制造方法
WO2009154233A1 (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法
TW200828607A (en) Photoelectric conversion element
JP2010092762A (ja) 機能性デバイス及びその製造方法
US20100132784A1 (en) Dye sensitized solar cell with separation membrane and method thereof
KR100943173B1 (ko) 다공성 전도층을 사용하는 전극을 포함하는 염료감응태양전지
JP4606777B2 (ja) 湿式太陽電池
JP2014165064A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器
Nonomura et al. Blocking the charge recombination with diiodide radicals by TiO2 compact layer in dye-sensitized solar cells
JP2014165049A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器
JP2014170617A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器
CN103137338B (zh) 染料敏化太阳能电池模块及其制造方法
US20130213475A1 (en) Dye-sensitized photovoltaic device and fabrication method for the same
JP2014165060A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器
KR101507300B1 (ko) 태양전지-전기변색부 일체형 소자 및 이의 제조방법
JP5160045B2 (ja) 光電変換素子
KR101078369B1 (ko) 염료감응 태양전지용 천연염료, 이를 포함하는 염료감응 태양전지, 및 이의 제조방법
JP2014165061A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器
TW201421714A (zh) 色素增感太陽電池之製造方法及色素增感太陽電池
JP4864716B2 (ja) 色素増感太陽電池及びその製造方法
JP2014143077A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法および電子機器
JP2013089527A (ja) 色素増感太陽電池およびこれを搭載した電子機器、入力装置
KR101199658B1 (ko) 전해질의 누설 방지 효과가 우수한 염료감응 태양전지
JP2014175195A (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法、および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170606