JP2007258044A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】液式鉛蓄電池における減液量を抑制し、電池のメンテナンスフリー性能を飛躍的に高めること。また、セル間の電解液面レベルのばらつきを抑制すること。
【解決手段】鉛蓄電池101に、内部圧力に応じて開閉機能を有する弁106を設け、かつ極板面を電解液103に浸漬する。そして弁の開弁圧を7.0kPa以下とする。特に一列状態にセルが配列された電池においては、隔壁を介して互いに隣接するセルに設けられた弁の開弁圧の差を6.0kPa以下とする。これにより、電池の減液性能を顕著に改善しつつ、セル室間の電解液面103aのばらつきを顕著に低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池は、車両始動用をはじめ、様々な用途に用いられている。特に車両始動用の鉛蓄電池は、正・負の両極板面がすべて電解液(希硫酸)に浸漬された状態とし、かつ電池内と電池外とを連通する液口栓(排気栓)を液口に装着した、いわゆる液式の鉛蓄電池が主流である。また一部では、電解液から露出させた負極板に、電池内で発生した酸素ガスを吸収させる、負極吸収式の制御弁式鉛蓄電池も用いられている。
負極吸収式の制御弁式鉛蓄電池は、充電時に正極板から発生した酸素ガスを負極板上で吸収することにより、負極板上での水素発生が抑制されるため、電解液中の水分の電気分解と、これによる電解液中の水分減少が抑制される。
しかしながら、負極板を電解液から露出させることが必要となるため、液式鉛蓄電池に比較して、電解液量が制限され、結果として、放電容量が制限されるという問題がある。この点で、液式の鉛蓄電池は、極板周囲の電解液が制御弁式鉛蓄電池に比較して多く設定することができるため、放電容量の面で有利である。
このように、液式鉛蓄電池は、放電容量の面で、制御弁式鉛蓄電池に比較して有利であるが、電池内に滞留した酸素・水素ガスは、液口栓に設けられた排気孔を通して排出されるため、制御弁式鉛蓄電池に比較して、電解液中の水分減少(減液)量が多い。
液口栓を通しての水分減少は、上述したような、電解液水分の電気分解によるものの他、蒸発によっても進行する。特に自動車始動用の鉛蓄電池は、高温のエンジンルーム内に設置され、車両走行時の加減速や振動により発生する電解液面の揺動や、充電によって発生する酸素・水素ガスの電解液面からの脱泡によって発生する電解液ミストが、液口栓に設けられた排気孔を通して、電池外部に散逸することによっても減液が進行する。また、電池内の気体は電解液に隣接しているため、大気よりも多くの水分を含んでおり、このような水分を多く含んだ気体が、電池外に排出されることによっても減液が進行する。
このような、電解液ミストや蒸発水分を多く含んだ電池内の気体が、電池外に排出されることによって生じる電解液の減少を抑制するために、液口栓内の排気経路に圧力損出や孔径を制御した多孔体を配置することが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような多孔体を排気経路に配置することにより、電池内の電解液ミストや、蒸発水分を有した気体(空気および酸素・水素ガス)が、容易に外部の気体(空気)と置換されず、また、多孔体内で電解液ミストや蒸発水分を結露させ、電池内部に還流することにより、電池内の水分減少を抑制することができる。
排気経路に設けた多孔体により、電解液の水分減少をある程度まで抑制できるものの、電池内外は常に排気経路が形成されているために、特に40℃を超えるような雰囲気温度下での保存や使用に際して、依然として電解液の減液量は、制御弁式鉛蓄電池に比較して多く、鉛蓄電池を長期間使用する際には、補水作業が必要となっていた。
特開平7−220706号公報
本発明は、電解液を潤沢に有することによって、優れた電池容量を有する液式の鉛蓄電池の液特性を改善し、メンテナンスフリー性に優れた鉛蓄電池を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に内部圧力に応じて開閉機能を有する弁を有し、かつ極板面が電解液に浸漬され、前記弁の開弁圧を7.0kPa以下とした鉛蓄電池を示すものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の鉛蓄電池において、ポリプロピレン樹脂からなる電槽を有し、前記電槽は隔壁により複数のセル室に区画され、前記隔壁の厚みを2.2mm以下とし、かつ、前記複数のセル室毎に前記弁が設けられ、互いに隣接しあうセル室に設けた前記弁の開弁圧差を6.0kPa以下とした鉛蓄電池を示すものである。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2の鉛蓄電池において、前記隔壁の厚みを2.2mm以下とした鉛蓄電池を示す。
本発明によれば、液式鉛蓄電池における減液特性を飛躍的に高めるという、顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施形態による鉛蓄電池(以下、電池)の構成を説明する。
本発明の電池は、内部圧力に応じて開閉機能を有する弁を有している。電解液面は、正極板および負極板の極板面の上端以上に設定される。さらに本発明では、弁の開弁圧を7.0kPa以下、より好ましくは6.0kPa以下とする。
図1および図2は本発明の電池の具体的な構成例を示す図である。なお、各構成要素の具体的形状・寸法等の構造に係る要素は、以降で説明する本発明の作用効果が得られる範囲において、改変可能なことはいうまでもない。
図1に示したように、本発明の電池101は極板群102と電解液103とを収納する電槽104と、電槽104の開口部を閉じる蓋105を有する。なお、極板群102は正極板102a、負極板102bおよびこれらを隔離するセパレータ102cからなる。なお、一般的に、電池101は複数の極板群102を収納するため、隔壁104bにより、複数のセル室104cに区画されている。
本発明では、電解液103の液面103aを正極板102aおよび負極板102bのそれぞれの極板面の上端以上の高さに設定することにより、正極板102aおよび負極板102bの極板面全面が電解液103に浸漬された構成とする。
さらに、本発明の電池101は、内部圧力に応じて開閉する弁106を有している。本発明では、弁106の開弁圧を7.0kPa以下とする。なお、図1の例では、弁106を内蔵した液口栓107が蓋105に設けた液口105aに装着した例を示し、図2に液口栓107の詳細構造例を示す。
液口栓107は液口105aに装着される栓本体201に弁106が装着された構造を有する。弁106は下部にガスの入口202を有した弁収納体203に収納され、この入口202を覆う。弁収納体203内に収納された弁体204の上方には厚み方向に弾性変形する弾性体205が配置され、この弾性体205上に押さえ板206を配置し、押さえ板206の一部が弁収納体203に接合される。
なお、押さえ板206と弁収納体203との間には、開弁時の排気ガスの出口207が設けられており、出口207からの排気ガスは栓本体201に設けられた排気孔208を介して電池外部に排気される。
電池内圧が大気圧よりも上昇した場合、弁体204の入口202に面した部分は内圧によって押される。内圧が開弁圧に達すると、弁体204と弁収納体203との密着面203aに隙間が発生し、この隙間を通して電池内部のガスが出口207に排気され、排気孔208を通して電池外部に排出される。
ガスの排出により、電池内圧が低下すると、弾性体205によって、弁体204が再び入口202を覆うことにより、弁106が閉じられる。
なお、弁106を構成する各要素はすべて耐酸性を有した樹脂やゴムで構成する。例えば、弁収納体203および押さえ板206をポリプロピレン樹脂、弁体204をクロロプレンゴム、EPDM等の柔軟性を有した素材、弾性体205をEPDM等のスポンジ体を用いることができる。なお、弁106への電解液の付着を抑制し、安定した開弁圧を得るため、防沫体209を弁106の入口202に配置することがより好ましい。
また、密着面203aにシリコンオイル、フッ素樹脂オイル等の液体シール剤を塗布することも、開弁圧値を安定させる点で好ましい。
開弁圧値の設定は、弁体204の外径寸法と入口202の内径寸法や弾性体205による押圧力によって設定することができる。一般に弁体204の外径寸法と入口202の内径寸法が近接するに従い、開弁圧は低下し、これらの寸法差が大きくなると上昇する。また弾性体205の厚みを薄くして押圧力を低下させると、開弁圧は低下する。反対に弾性体205の厚みを増加させ、押圧力を増加させると開弁圧は上昇する。これらの関係から、各部の寸法を適宜設定し、開弁圧を7.0kPa以下に設定すればよい。
本発明では、極板面すべてが電解液に浸漬された液式の鉛蓄電池において、7.0kPa以下、より好ましくは6.0kPa以下の開弁圧を有した弁を設けることにより、従来の液式鉛蓄電池のように、常に開かれた排気経路を有していないため、電池使用中の減液を極めて低レベルまで抑制するという顕著な効果が得られる。
本発明の電池は、正・負の極板面がすべて電解液に浸漬した電池であり、正極板で発生した酸素ガスを負極板で吸収させる、いわゆる負極吸収式の制御弁式鉛蓄電池でないため、電池内の酸素ガス吸収反応を促進する目的での開弁圧設定は不用であり、あくまでも液式鉛蓄電池における減液抑制に最も適切な、7.0kPa以下、より好ましくは6.0kPa以下の開弁圧とする。
なお、開弁圧を7.0kPaを超えて高めた場合、電池の減液特性の向上は殆ど見込まれない。また、開弁圧を7.0kPaを超えて高く設定した場合、電槽104の側壁104aが内圧によって急激に変形し、電池101が幅方向に膨張するため、避けるべきである。
一般に液式鉛蓄電池に用いる電槽は、コスト低減を目的として、汎用のポリプロピレン樹脂が用いられ、また、電槽の肉厚も、制御弁式鉛蓄電池のそれと比較して極めて薄肉化されている。本発明では、開弁圧を7.0kPa以下とすることによって、従来の薄肉化されたポリプロピレン樹脂電槽が適用可能である。
弁106の閉弁圧に関しては、電池内外で常に排気経路が形成されないような構成とすればよいので、電池内圧と外部の圧力(大気圧)とが等しい場合には閉じてさえいれば良く、少なくとも、閉弁圧を0kPa以上とすればよい。また、閉弁圧の最大値は、当然のことながら、開弁圧未満となる。
本発明のさらに好ましい実施形態としては、前述の本発明の実施形態において、電槽104は、ポリプロピレン樹脂製であり、電槽104内が隔壁104bによって複数のセル室104cに区画された場合において、互いに隣接しあうセル室104cに配置された弁106の開弁圧差を6.0kPa以下、より好ましくは5.0kPa以下とする。
前述したような、始動用の鉛蓄電池では、軽量化や製造コスト低減、あるいは環境上の配慮から、電槽材料として使用するポリプロピレン樹脂量の削減のため、セル室104cを区画する隔壁104bは非常に薄い。特に、隔壁104bの厚み(図1における寸法t)を2.2mm以下とした場合、隣接するセル室104c間で開弁圧差が6.0kPaを超えると、隔壁104bは、開弁圧が低い方のセル室104c側に急激に撓む。
その結果、開弁圧の高いセル室104cの容積は増加し、開弁圧の低いセル室104cの容積は減少する。本発明の電池は、液式電池であるため、セル室104cの内容積の増減によって液面103aが上昇もしくは下降することとなる。
すなわち、開弁圧の高いセル室104cでは、液面103aが下降し、開弁圧の低いセル室104cでは、液面103aは上昇する。その結果、液面103aが下降したセル室104cでは、極板や極板同士を集合溶接するストラップ102dが液面103aから露出し、電池の放電容量が低下したり、ストラップ102dが腐食するという不具合を発生させる。
また、液面103が上昇したセル室104cでは、弁106の開弁時に、電解液103が電池101外に漏出するといった不具合を発生させる。
本発明では、隔壁104bを介して隣接しあうセル室104cの開弁圧を6.0kPa以下、特に好ましくは5.0kPa以下とすることにより、隔壁104bの変形と、これによって生じる液面103aのばらつきを抑制できる。これにより、電解液103の電池101外への漏出や、ストラップ102dの腐食を未然に防止することができるという、顕著な効果が得られる。
また特に、隔壁104bの厚みtを2.2mm以下とする場合には、このような電解液面のばらつきと、これに起因する、上述の不具合がより顕著に現れるため、隣接するセル室間での開弁圧差は6.0kPa以下とすることが好ましく、特に好ましくは5.0kPa以下とする。
本実施の形態では、液口栓107内に弁106を設けた例を示したが、弁の機能を有していればよいので、他の構成、例えば、蓋に弁筒を形成し、この弁筒にキャップ状弁体を装着した構成としてもよい。但し、弁筒を形成する場合、液口栓107に弁106を設けた場合に比較して、液口の径がより小さくならざるを得ないため、注液速度が極端に低下するという欠点がある。液口栓107内に弁106を設けることにより、従来の液式鉛蓄電池に使用していた蓋をそのまま転用でき、また、液口径も従来同様に確保できるため、注液工程での生産性を損なうことがなく、非常に好ましい。
(実施例1)
上述の本発明の実施形態による電池において、弁106の開弁圧を変化させることにより、本発明例の電池と比較例の電池を作成した。なお、比較例の電池として、図1および図2で示した本発明例の電池に用いた弁106を、ポリプロピレン樹脂粉体を焼結して得た、防爆フィルタを装着した電池も合わせて作成した。なお、電槽104、蓋105ともにポリプロピレン樹脂である。
これらの本発明例の電池および比較例の電池の構成を表1に示す。なお、各電池はJIS D5301(始動用鉛蓄電池)で規定する80D26形電池(12V55Ah)であり、6つのセル室が5つの隔壁を介して一列に配置された電槽を有している。各電池の隔壁の厚みは2.5mm、隔壁と平行な電槽側壁の厚みは3.0mmである。また、弁を有した電池に関しては、あらかじめ、弁の開弁圧を計測しておき、電池内での開弁圧のばらつきを0.1kPa未満となるよう、選別して電池を組み立てた。これらの本発明例の電池および比較例の電池の構成を表1に示す。
Figure 2007258044
表1に示した各電池を、タクシー車両に12ヵ月間搭載し、実際に走行試験を行った。12ヵ月間の搭載期間前後の電池質量減から、各電池の減液量と電槽変形量を測定した。なお、電槽変形量は、電池の短側面(図1における側壁104aに相当。)の電池幅寸法方向の変形量を測定した。なお、一対の側壁について、この変形量を個別に測定し、これらの合計を電槽変形量とした。
また、試験電池を搭載したタクシー車両は同一仕様の車両であり、同一地域内を走行するものである。タクシー車両間で、走行距離に若干のばらつきはあるものの、12ヵ月間の搭載期間で、122000〜126000kmの走行距離であった。表2に各電池の、走行試験での減液量と、電槽変形量の測定結果を示す。
Figure 2007258044
表1に示した結果から、弁を用いる場合、開弁圧値による減液特性への影響は大きくない。むしろ、弁を設けなかった電池Jと弁を設けた電池A〜Iの比較から、弁を設けることによって、電池内外に常に開かれた排気通路を設けないことが、減液特性改善に寄与していると考えられる。
一方、この試験結果から、開弁圧値と電槽短側面の膨れに関連性が有ることがわかる。特に、開弁圧が7.0kPaを超えて7.5kPa以上とした場合、電槽短側面の膨張量が急激に増加することがわかる。特に10.0mmを超えるレベルの寸法膨張は、電池幅寸法が、JIS規格で定められた寸法を超える場合があり、好ましくない。また、膨張量の増加とともに、電槽と蓋との溶着部にストレスがかかり、この部分が剥離し、電池破損にいたる場合がある。したがって開弁圧値は7.0kPa以下とすることが必要である。さらに、開弁圧を6.0kPa以下とすることにより、電槽側壁の膨張量を顕著に低減できるため、特に好ましい。
なお、本実施例においては、電槽側壁の厚みを3.0mmとした例について述べたが、この厚みを2.0mm、あるいは4.5mmとした場合においても、程度の差はあるものの、7.5kPa以上で電槽側壁の膨張量が急激に増加する傾向にあるため、通常用いられる、電槽側壁厚み2.0mm〜4.5mm程度の領域においては、開弁圧値を7.0kPa以下とする。また、特に開弁圧値を6.0kPa以下とすることにより、電槽側壁の変形量を顕著に抑制でき、特に好ましい。
閉弁圧値に関しては、その値を変化させても、減液特性および電槽側壁の膨張量に殆ど差はみられず、本発明においては特に限定するものではない。しかしながら、少なくとも電池内外を常に排気経路が形成されないような構成とするため、閉弁圧値は少なくとも0kPa以上とし、電池内圧と外部圧力(大気圧)が等しい場合には、弁106が閉じる構成とする。
(実施例2)
次に、実施例1と同様の、電槽・蓋ともにポリプロピレン樹脂を用いた、80D26形電池について、隣接するセル室で開弁圧値を変化させ、実施例1と同様のタクシー車両による走行試験を行った。なお、実施例2では、走行試験期間を1ヵ月とした。
試験電池の電槽側壁の厚みは3.0mmとし、電槽の隔壁の厚みtを1.5mm、2.2mmおよび3.0mmとした。開弁圧値は、電池のプラス端子側からマイナス端子方向にかけて、一列に配置されたセル室において、1番目、3番目および5番目の奇数番目のセル室については7.0kPaで一定とした。同様に、プラス端子側からマイナス端子方向に、2番目、4番目および6番目の偶数番目のセル室については、その開弁圧を0.2kPa、0.5kPa、1.0kPa、2.0kPaおよび4.0kPaと変化させた。その結果、互いに隣接するセル室の開弁圧値が6.8kPa、6.5kPa、6.0kPa、5.0kPaおよび3.0kPaとなるようにした。
また、比較のために、弁に代えて防爆フィルタを装着した、通常の弁機能のない、液口栓を装着した電池も作成した。これらの電池の構成を表3に示す。
Figure 2007258044
表3に示した各電池について、タクシー車両による走行試験を1ヵ月行い、走行試験後の電解液面高さを各電池の各セル毎に計測し、電池毎の電解液面位置の最高値と最低値を求めた。なお、電解液面高さは液面線(上限)を基準として計測した。電解液面高さが液面(上限)よりも上方にある場合は+(プラス)の値、電解液面高さが液面(上限)よりも下方にある場合は−(マイナス)の値とした。
なお、試験開始時の電解液面は液面線(上限)に調整している。なお、液面線(上限)より30mm下に液面線(下限)が設けられ、電解液面がこの下限を下回ると、電解液からストラップが露出した状態となる。表3に示した各電池の、走行試験終了後の電解液面位置の平均値、最高値、最低値および最高値と最低値の差を表4に示す。
Figure 2007258044
表4に示した結果から、隣接しあうセル室間の開弁圧値の差を6.0kPa、特に好ましくは5.0kPa以下とすることにより、隔壁の変形は顕著に抑制され、電解液面高さのばらつきが顕著に抑制される。特に、隔壁厚みtが2.2mm以下の場合、開弁圧値の差が電解液面に与える影響が、隔壁厚みtが3.0mmの場合と比較して極めて顕著に現れるため、特に隔壁厚みtが2.2mm以下の場合に、開弁圧差を6.0kPa以下とする。また、特に開弁圧値を5.0kPa以下とすることにより、電解液面のばらつきをさらに顕著に抑制することができる。
このような開弁圧値の差による隔壁変形は、当初は弾性的な変形であり、開弁とともに、隔壁変形はある程度まで解消される。しかしながら、電池を40℃を超えるような高温雰囲気下で長期間使用すると、隔壁変形は塑性的な変形となり、開弁が行われても隔壁変形は解消されず、変形が固定した状態となる。これにより液面103a高さのばらつきが固定化されてしまう。
電解液面が顕著にばらついた場合、電解液が弁より電池外側に滲出したり、あるいは、極板やストラップが電解液より露出し、電池容量が低下したり、ストラップが腐食する場合がある。本発明において、特に、開弁圧値差を6.0kPa以下、特に好ましくは5.0kPa以下とすることにより、これらの電解液面のばらつきによる不具合の発生を未然に防止できるという顕著な効果を奏する。
このような、本発明の効果は、特に電池製造コストを考慮して、隔壁を薄型化した鉛蓄電池においても顕著に得られるため、鉛蓄電池の製造コスト削減と信頼性とを両立でき、最も好ましいものである。
なお、本実施例において、電解液面の平均値により、減液量を評価することができる。弁を有さない、比較例の電池N1〜N3では電解液面は平均6mm低下しているが、本発明例の電池では、0.2mm〜0.3mmの極めて低レベルの低下に留まっており、実施例1と同様、減液が顕著に抑制されていることがわかる。
以上、説明してきたように、本発明によれば、液式鉛蓄電池の減液量が顕著に抑制される。さらに本発明の好ましい形態によれば、セル室間の電解液面ばらつきが抑制され、電解液面ばらつきに起因する電解液の漏出や、電池容量の低下、さらにはストラップの腐食を未然に防止することができる。また、従来の制御弁式鉛蓄電池において必要であった高剛性の電槽は不要であり、従来の液式鉛蓄電池で用いられてきた、肉薄の電槽が使用可能となり、製造コストの面で極めて有利である。
本発明の鉛蓄電池は、液式電池においても減液量が顕著に抑制され、優れたメンテナンスフリー性能を有していることから、始動用鉛蓄電池をはじめとする、様々な鉛蓄電池に好適である。
本発明の鉛蓄電池の一部の断面を示す図 本発明の鉛蓄電池の液口栓の断面を示す図
符号の説明
101 電池
102 極板群
102a 正極板
102b 負極板
102c セパレータ
102d ストラップ
103 電解液
103a 液面
104 電槽
104a 側壁
104b 隔壁
104c セル室
105 蓋
105a 液口
106 弁
107 液口栓
201 栓本体
202 入口
203 弁収納体
203a 密着面
204 弁体
205 弾性体
206 押さえ板
207 出口
208 排気孔
209 防沫体

Claims (3)

  1. 内部圧力に応じて開閉機能を有する弁を有し、かつ極板面が電解液に浸漬され、前記弁の開弁圧を7.0kPa以下とした鉛蓄電池。
  2. ポリプロピレン樹脂からなる電槽を有し、前記電槽は隔壁により複数のセル室に区画され、前記複数のセル室毎に前記弁が設けられ、互いに隣接しあうセル室に設けた前記弁の開弁圧差を6.0kPa以下とした請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記隔壁の厚みを2.2mm以下とした請求項2に記載の鉛蓄電池。
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