JP2008146895A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベント式の鉛蓄電池において、電解液の減液を抑制するとともに、電解液面のばらつきを抑制すること。
【解決手段】電池内のガスを電池外に排出するガス排出経路上に、小室を設け、小室とセル室とを連通する第1の排気経路の小室側の開口部を覆う覆体を小室内に載置する。但し、この開口部の周囲の少なくとも一部において、開口部と覆体との間に間隙が設けられる。そして、覆体の小室からの脱落を防止し、かつ前記小室内のガスを電池外部に排出するための第2の排気経路を形成した脱落防止部材を備え、覆体と脱落防止部材との間に、覆体の上方への移動を許容する空間を配置した鉛蓄電池を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
自動車用の始動用鉛蓄電池は、正極と負極の両極板面をすべで希硫酸電解液に浸漬した状態とし、かつ、電池内で発生した酸素や水素ガスを電池外に排出するための排気口を有した液口栓を、電池蓋に装着した、いわゆるベント式の鉛蓄電池が主流である。
一方、自動車用においても、一部では、電解液から露出させた負極板に電池内で発生した酸素ガスを吸収させる、負極吸収式の制御弁式鉛蓄電池も用いられている。このような制御弁式鉛蓄電池では、充電時に正極板から発生した酸素ガスを負極板上で吸収することにより、負極板上からの水素発生が抑制され、水の電気分解による電解液中の水分減少が抑制される。したがって、制御弁式鉛蓄電池では、基本的に電解液への水分補給が不要であり、メンテナンス性に優れている。
しかしながら、負極板を電解液から露出した構造とするため、前記したようなベント式の鉛蓄電池に比較して、電解液量が制限され、結果として、電池容量が低下せざるをえなかった。
このような観点で、ベント式の鉛蓄電池では、正極と負極の両極板が電解液に浸漬されることにより、極板周囲の電解液量が、制御弁式鉛蓄電池に比較して多くなるため、電池容量の面で有利である。
一方、ベント式の鉛蓄電池は、その構造上、制御弁式鉛蓄電池のような、酸素ガスの負極吸収反応が行われないため、負極板上で発生した水素ガスが、正極板上で発生した酸素ガスとともに、排気口を介して電池外に排出される。
液口栓に設けた排気口を通しての水分減少は、このような電気分解によるものの他、蒸発によっても進行する。特に自動車用の始動用鉛蓄電池は、通常、高温のエンジンルーム内に設置されるため、水分蒸発による電解液の減液がより進行しやすい。
また、水分蒸発による減液に加え、車両走行時の加速度や振動による電解液面の揺動や、充電時に発生する酸素および水素ガスの電解液面からの脱泡によって生じる電解液ミストが、排気口を通して電池外部に放出することによっても減液が進行する。
このような電解液中の水分の蒸発や、電解液ミストの放出による減液を抑制するために、例えば、特許文献1では、電池内部と液口栓の排気口の間に多孔体を配置し、かつこの多孔体による圧力損失値や、多孔体の孔径分布を規定することが示されている。
特許文献1において、多孔体によって、電池内の蒸発水分を多く含む気体と、電池外部の大気との置換が抑制され、また、電解液ミストは、多孔体内で結露し、電池内に還流されるため、減液を抑制することができる。しかしながら、電池内外で、常に排気経路が形成されているため、特に40℃を超えるような雰囲気温度での保存や使用に際し、ベント式鉛蓄電池の減液量は、制御弁式鉛蓄電池の減液量に比較して多いものである。
さらに、特許文献2には、正極および負極の両極板を電解液に全て浸漬した状態とし、かつ、それぞれのセルは、弁によって閉じられた構成が示されている。特許文献2で示された鉛蓄電池では、電池内部で発生した酸素ガスと水素ガスによって、電池内圧が上昇し、所定圧で弁が開くことによって、電池内に滞留したこれらのガスが電池外に放出され、再び弁が閉じられる。
特許文献2で示された鉛蓄電池では、水の電気分解による電解液の減少は、通常のベント式鉛蓄電池とほぼ同等量となるが、常時、弁が開いているわけではない。弁が閉じている間は、電解液中の水分蒸発や電解ミストの電池外への放出が、閉じられた弁によって抑制されるため、これらによる電解液の減液を抑制することができる。
特開平7−220706号公報 特開2003−142148号公報
しかしながら、特許文献2の構成では、電池内圧の上昇に応じて弁が開くため、電池内圧は少なくとも開弁圧まで上昇する。そのために、各セルで、弁の開弁圧が均一に設定できない限り、隣接するセルとの内圧差により、セル室を仕切る隔壁が変形し、これによって電解液面位置がセル間で大きくばらつくという課題があった。このばらつきによって、電解液面が上昇したセル室では、電解液が電池外に溢液しやすくなる。また、電解液面が低下したセルでは、ストラップが電解液面より露出し、腐食する場合があった。
制御弁式鉛蓄電池のように、セルに群圧が加えられ、圧縮された状態でセル室に収納された電池においては、セル室間を区画する隔壁は、両側に位置するセルから群圧を受けるため、どちらか一方に変形するということはない。この点で、ベント式の鉛蓄電池は、セルに殆ど群圧を加えないがために、内圧差によって隔壁が大きく変形する。また、制御弁式鉛蓄電池では、隔壁が、変形したとしても、セル室内にはセルから遊離した電解液が殆ど存在しないために、電解液面位置がセル間でばらつくという現象自体、生じ得ないものであった。
本発明は、正極と負極の両極板が電解液に浸漬され、かつ電池内で発生したガスを電池外に排出する、ベント式の鉛蓄電池において、電解液の減液が抑制され、かつ、前記したような電解液面がセル間で均一に保持されることにより、溢液やストラップ腐食といった電解液面位置のばらつきに起因する不具合を抑制した鉛蓄電池を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、正極板および負極板を有したセルが、前記正極板および前記負極板の極板面が電解液に浸漬された状態でセル室に収納され、前記正極板および前記負極板上で発生したガスを排出するガス排出手段を有したベント式の鉛蓄電池であり、前記ガス排出手段は、前記セル室に一端が開口した第1の排気経路と、前記第1の排気経路の他の一端に連通した小室を有し、 前記小室の底壁に設けられた前記第1の排気経路の開口部を覆う覆体を、前記小室内に載置し、 前記開口部の周囲の少なくとも一部において、前記開口部と前記覆体との間に間隙が設けられ、 前記覆体の前記小室からの脱落を防止し、かつ前記小室内のガスを電池外部に排出するための第2の排気経路を形成した脱落防止部材を有し、前記覆体と前記脱落防止部材との間に、前記覆体の上方への移動を許容する空間を有した鉛蓄電池を示すものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の構成を有した鉛蓄電池において、前記底壁の、前記開口部の周囲の一部もしくは、前記覆体の周縁部の一部の少なくともいずれか一方に第1の突起部を設け、前記第1の突起部において、前記底壁と前記覆体とが接することにより、前記第1の突起部を設けない部分で前記底壁と前記開口部との間に前記間隙を形成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1の構成を有した鉛蓄電池において、前記間隙として、前記底壁の、前記開口部の周囲の一部もしくは、前記覆体の周縁部の一部の少なくともいずれか一方に溝部を設けたことを特徴とする。
さらに、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかの構成を有した鉛蓄電池において、前記覆体と前記脱落防止部材の少なくともいずれか一方の、他方に対向する面に第2の突起部を設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかの構成を有した鉛蓄電池において、前記ガス排出手段を電池蓋に設けた液口に装着する液口栓内に設けたことを特徴とする。
さらにに、本発明の請求項6に係る発明は、請求項5の構成を有した鉛蓄電池において、前記液口栓は、液口栓本体筒と、前記液口栓本体筒とは別体で設けられ、かつ前記液口栓本体筒内に装着された前記ガス排出手段とからなり、前記ガス排出手段は、前記小室を有した小室体を備え、前記小室体は、前記第1の排気経路を有した前記底壁と、前記底壁の周囲から立設した側壁と、前記側壁上部で、前記側壁と前記脱落抑制部材とが接合されたことを特徴とする。
そして、本発明の請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかの構成を有した鉛蓄電池において、前記脱落抑制部材を多孔質体で構成したことを特徴とする。
本発明によれば、ベント式の鉛蓄電池においても、電解液の減液が抑制され、かつ弁を有したベント式鉛蓄電池で生じていたような、開弁圧のばらつきによる隔壁変形と、これによって生じる電解液面ばらつが抑制され、ひいては、電解液面ばらつきによって生じる、電解液の溢液や、ストラップ腐食といった品質上の問題を未然に防止できるという、顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施形態による鉛蓄電池の構成を、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池1の断面を示す図である。本発明の鉛蓄電池1は、従来のベント式の鉛蓄電池と同様、正極板2、セパレータ3および負極板4とからなるセル5が、電槽6の隔壁7によって区画されたセル室8に、電解液9とともに収納され、電槽6の上部が蓋10によって閉じられている。
電解液9の液面は、通常、正極板2および負極板4のそれぞれ同極性の極板同士を接続するストラップ11の上面よりも上部に設定される。ストラップ11は、Pb−Sb合金やPb−Sn合金といったPb合金で構成されるが、いずれにせよ、ストラップ11が電解液9から露出した場合、ストラップ11は電解液9中の硫酸分と、空気中の酸素ガスと同時に接触することによって、ストラップ11表面で硫酸分が消費され、ストラップ11表面が中性からアルカリ性となり、Pb合金の腐食が促進される。したがって、電解液9の液面は、ストラップ11が電解液9に浸漬された状態とする。また、当然、正極板2と負極板4の極板面全面は、電解液9内に浸漬されている。
本発明の鉛蓄電池1では、セル室8内に滞留する酸素ガスおよび水素ガスを電池外部に排出するためのガス排出手段12を有する。本発明におけるガス排出手段12は、図1および図2に示したように、セル室8に一端が開口した第1の排気経路13と、この第1の排気経路13のもう一方の一端に連通する小室14と、小室14の底壁15に設けられた第1の排気経路13の開口部13aを覆うよう載置した覆体16と、この覆体16の小室14からの脱落を防止し、かつ小室14内を電池外と連通する第2の排気経路17を有した脱落防止部材19を有する。
本発明では、特に、開口部13aと覆体16との間に間隙18を有するとともに、覆体16と脱落防止部材19との間に、小室14内における覆体16の上方への移動を許容する空間を有する。なお、この空間は小室14内において、図2、3、5、6及び8に示された、高さ寸法xを有した第2の突起部21(第2の突起部21を有しない場合は覆体16の上面)と脱落防止部材19の覆体16に対向する面との間の空間に相当する。
なお、開口部13aと覆体16との間に間隙18を形成するために、覆体16の開口部13aに対向する面に第1の突起部20を設ける。但し、第1の突起部20は、間隙18を形成する目的において、底壁15の開口部13a周縁に対応する部分に設けてもよい。また、間隙18を設ける目的においては、第1の突起部20に替えて、図3に示したように、小室14の底壁15の開口部13aの周囲に溝部15aを設けることができる。また、図示しないが、この溝部15aを覆体16に設けてもよい。
但し、本発明の効果を顕著に得るために、間隙18は、屈曲したガス通路を提供するものとする。第1の突起部20あるいは溝部15aのいずれを形成するにせよ、セル室8内のガスは、電池外に排出される過程で、覆体16と衝突し、その流れが屈曲した後、小室14に導出される。その際、ガス中に含まれる電解液ミストや水蒸気分が覆体16表面で結露し、液滴となってセル室8に落下するため、従来発生していたような、セル室8内の電解液ミストや、水蒸気分の放出が抑制され、これらによる電解液量の減少が抑制される。
電池を高温雰囲気下で大電流充電した際、セル室8内にはガス発生に伴って大量の電解液ミストが生じ、この電解液ミストは、覆体16表面で結露し、電解液滴として成長し、この電解液滴が、界面張力によって、間隙18を一時的に閉塞する場合があるが、その際は、セル室8内の内圧上昇によって、覆体16が、一時的に上方に移動するため、内圧が大気圧まで復元し、電解液滴は、開口部13aよりセル室8内に還流される。
間隙18の寸法は、覆体16が底壁15に張り付いた場合においても、セル室8内のガスが放出できる程度の微小なものとすればよい。例えば、溝部15aを形成する場合、溝部15aの幅寸法を0.5mm、深さ寸法を0.2mm程度のものとすればよい。但し、これらの寸法に限定されるものではなく、間隙18が確保され、かつ減液抑制効果が得られる範囲内に設定すればよいことは明らかである。また、開口部13aの開口面積については、電解液の界面張力によって、電解液の還流が妨げされない程度の面積を確保すればよく、一例として、開口部13aを直径5mm程度の円形とすればよい。
脱落防止部材19は、本実施形態においては、小室14を覆う蓋状の部材としたが、内圧によって上方に移動する覆体16の小室14からの脱落が防止できる機能を有していればよく、図2に例示した形状に限定されるものではない。
また、覆体16には電解液が付着するため、上方に移動した覆体16と脱落防止部材19が、電解液によって密着し、一時的に開口部13a上に覆体16が存在しない状態となり、この間、覆体16の減液抑制効果が損なわれるため、図2に示したように、覆体16の脱落防止部材19に対向する面に、第2の突起部21を設けることが好ましい。但し、電解液による密着は、電解液の乾燥によって解消するため、第2の突起部21を必ずしも設ける必要はない。
なお、この第2の突起部21は、覆体16と脱落防止部材19とが面接触して密着することを避けるためであるので、第2の突起部21を脱落防止部材19側に設けてもよい。また、この第2の突起部21は、覆体16と脱落防止部材19との面接触が回避されればよいので、径1.5mm、高さ0.5mm程度の比較的小さい突起で十分である。
また、覆体16と脱落防止部材19間の距離xは、覆体16の上方への移動が可能となればよいので、このような移動を成立させることが可能な範囲で任意に設定できる。また、覆体16の外径は、少なくとも小室14の内径未満であり、かつ小室14内で、覆体16が一方に偏った位置にある場合において、開口部13aを覆うに十分な外径を有しておれば良い事から、各部の寸法が弁圧に大きく影響する従来のキャップ弁に比較しても低い寸法精度で十分であり、覆体16の形成も、寸法精度に比較的優れるが、高価な樹脂成型品とする必要がなく、ポリプロピレン樹脂のシート材をプレス型等で打ち抜き加工したものを用いることができる。
本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池1では、充電時や、自己放電によって発生する酸素および水素等のガスによる電池内圧の上昇によって、セル室8内のガスは、第1の排気経路13を経由し、覆体16と開口部13aとの間に設けた間隙18を通して、小室14内に放出され、さらに第2の排気経路17を通して最終的に電池外に放出される。
電池の自己放電等、ガス発生量が微量である場合は、主に間隙18によってガスが電池外に放出される。
電池充電時のように、ガス発生量が多くなると、覆体16は内圧によって開口部13aから容易に浮き上がった状態になり、ガスが小室14を通して電池外に速やかに放出される。
前記した特許文献2のような、制御弁は、弁体とこれを装着する弁筒の寸法精度ばらつき、および弁体の弾性係数の不均一性等によって、開弁圧と閉弁圧に大きなばらつきが生じ、いずれもセル室8間に内圧差を生じる要因となる。その為に隔壁7が、内圧の低いセル室8側に変形し、セル室8に電解液面のばらつきが生じてしまう。
具体的には、想定されるばらつきの範囲内で、開弁圧が高いセルと隣合わせに開弁圧が低いセルが存在した自動車用の電池を、例えば車両に搭載して一定時間走行した場合、充放電により発生したガスが、セル室8内に滞留する。このガスは、それぞれのセル室8での開弁圧に到達した段階で、開いた弁から電池外に放出され、内圧が閉弁圧まで低下した時点で、弁が閉じられる。
例えば、前記したような部品材料のばらつきによって、開弁圧に差が生じると、隣接しあうセル室8間において、開弁圧の低い側のセル室8内圧が、開弁圧の高い側のセル室8内圧よりも、より低い状態で開弁するため、隣接しあうセル室8間で内圧差が生じ、この内圧差によって、隔壁7が内圧の低いセル室8側に大きく膨らむ現象が生じる。このような状態で、電池の使用が停止し、電池を放置した場合、隔壁7が塑性変形し、セル室8間の内圧差が解消しても、隔壁7の変形は復元しない。
このような、隔壁7の変形に影響で、セル室8の容積が大きくばらつき、電解液面位置がセル室8間で大きくばらつく結果となる。つまり、開弁圧が高い側であり、内圧差によって大きく膨らんだセル室8では、容積が大きくなるため、その液面高さは大幅に低下する。逆に、開弁圧が低い側であり、すでに開弁が行われ、内圧が低下したセル室8では、隔壁7の変形により、容積が小さくなり、電解液面は上昇する。
電解液面が上昇した場合、振動等による電池からの溢液が発生しやすくなる。また、電解液面が低下し、特に、ストラップ11が電解液9から露出した場合には、ストラップ11の腐食断線が発生しやすくなる。
本発明の鉛蓄電池1では、開閉動作が行われる制御弁とは異なり、開口部13a上に覆体16が載置されたのみの状態であり、かつ、この状態においても間隙18によって、セル室8と電池外との間にガスの排気経路が確保されているため、セル室8の内圧差が抑制される。したがって、電解液面のばらつきと、これによる不具合を発生させることがない。
電池を大電流で充電した際には、間隙18を通してのガス排出によっても内圧が上昇するものの、その場合には、僅かな内圧上昇で、覆体16が上方にずれるため、開口部13aからのガス排出が急速に行われる。従来のゴムのキャップ状弁を弁筒に装着した等、ゴムの弾性を活用した弁では、前記したような部品・素材のばらつきが、開弁圧のばらつきの要因となる。また、開弁圧のばらつきが当初は低く抑制されていても、電池を充放電したり、放置する間に開弁圧のばらつきが拡大していく。
本発明では、覆体16が、その自重によって底壁15に接触したのみの状態であり、従来の制御弁のような、開弁圧を大きくばらつかせる要素が少なく、各セル室8の内圧差を抑制することができる。
また、大電流充電によって一時的に、セル室8間で内圧差が生じても、充電を終了させ、ガス発生量が低下すると、間隙18からのガス放出により、すべてのセル室8の内圧は大気圧で一定となり、セル室8間の内圧差が解消される。これにより、隔壁7の変形は弾性変形領域から塑性変形領域に移行することなく、隔壁7の変形が復元され、電解液面のばらつきも顕著に抑制され、電解液面のばらつきによる、溢液やストラップ腐食といった不具合を未然に防止することができる。
さらに、本発明の構成は、従来の特許文献2で示されたような従来の制御弁では得られない、以下のような、作用効果を有している。
従来の制御弁において、隔壁を介して互いに隣接するセル室間に開弁圧のばらつきが存在し、低い開弁圧の制御弁が開弁し、内圧が低下して閉弁圧で閉じた状態であり、かつ、高い開弁圧の制御弁が開弁せず、セル間に内圧差が生じている場合を想定する。
始動用の鉛蓄電池では、鉛蓄電池は80℃といった高温雰囲気で使用されることも稀ではない。このような場合、鉛蓄電池の使用を停止した時点より、鉛蓄電池の温度は低下し、最終的には外気温度と同一となる。鉛蓄電池の温度低下に伴い、セル室内のガスは温度低下によって体積がさらに低下することとなり、セル室の内圧低下がさらに進行することとなる。このような内圧低下は、電槽と蓋との接合部や、隔壁と蓋との接合部に応力を生じさせ、これらの接合部にクラックや剥離が生じる場合がある。
一方、本発明の構成では、覆体16と底壁15との間に設けた間隙18によって、外気がセル室8に導入されるため、最終的には、すべてのセル室8の内圧が大気圧となるため、従来の制御弁のような、温度変化による内圧変化の影響を受けず、電槽と蓋、蓋と隔壁の接合部への応力集中が抑制される。
本発明において、さらに好ましくは、脱落防止部材19を、連続した空孔を有した多孔質体で構成することができる。この場合、多孔質体はアルミナといったセラミックスや、ポリプロピレン樹脂粒子といった耐酸性樹脂の焼結体を用いることができる。脱落防止部材19を、多孔質体で構成した場合、多孔質体内の空孔が第2の排気経路17として作用し、小室14内のガスを電池外部に放出するための排気経路を提供する。したがって、第2の排気経路17を貫通孔として別途設ける必要はない。
脱落防止部材19として多孔質体を用いることにより、小室14内への埃や砂粒等の異物の混入が抑制され、電池外部で発生したスパークとセル室8内に滞留した酸素・水素ガスへの引火を抑制できる。
なお、多孔質体の孔径として、前記したような、埃や砂粒等の異物による目詰まりや、スパークの透過抑制効果および酸素・水素ガスの透過速度を勘案して決定すればよく、例えば、平均径が数十〜数百μmのものを用いることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態による鉛蓄電池22は、前記した本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池1におけるガス排出手段12を、図4および図5に示したように、蓋10に設けた注液用の液口10aに装着した液口栓23内に配置したものである。鉛蓄電池22における、正極板2、セパレータ3、負極板4、セル5、電槽6、隔壁7、セル室8、電解液9、蓋10およびストラップ11といった、各構成要素は、第1の実施形態による鉛蓄電池1で対応する各構成要素と変わるところはない。
液口栓23の頂部23aには、第2の排気経路17が貫通孔として形成されている。液口栓23の筒部23bには、筒部23b内で小室14を区画形成するための小室体24が装着されている。小室体24は、底壁15と、底壁15から立設した側壁25からなり、側壁25外周が筒部23bの内壁に装着された状態とすることができる。
この底壁15は、第1の実施形態による鉛蓄電池1と同様、第1の排気経路13を貫通孔として有し、底壁15における第1の排気経路13の開口部13aを覆う覆体16が配置されている。
底壁15と側壁25および頂部23aによって小室14が液口栓23に形成された構成を有し、頂部23aは、第1の実施形態における、脱落防止部材19として作用する。これらの、ガス排出手段12を構成する、第1の排気経路13、小室14、小室14の底壁15に設けられた第1の排気経路13の開口部13aを覆う覆体16と、この覆体16の小室14からの脱落を抑制するための脱落防止部材19として作用する頂部23aは、第1の実施形態のガス排出手段12に対応する各構成要素と全く同一の構成と作用効果を有する。
なお、図6に示したように、頂部23aと、側壁25との間に、第1の実施形態で示したような多孔質体からなるフィルタ26を配置することができる。この場合、多孔質体で形成されたフィルタ26内の空孔も第2の排気経路17を提供する。多孔質体のフィルタ26を第2の経路排気経路17上に配置することにより、小室14内への、埃、砂粒等の異物の侵入が抑制され、覆体16の動作が安定するとともに、電池外で発生したスパークの、セル室8内に滞留した酸素・水素ガスへの引火を抑制することができる。
さらに、第1の排気経路13のセル室8側の筒部23b内に、電解液飛沫の小室14内への侵入を防止する防沫体27を配置することができる。小室14に侵入した電解液は、その底壁15に開口する第1の排気経路13からセル室8内に還流されるが、一時的に多量の電解液飛沫が小室14内に侵入した場合、小室14の電解液が第2の排気経路17を介して、電池外部に溢液する場合もある。したがって、第1の排気経路13のセル室8側の開口部13bを覆うよう、防沫体27を配置することが好ましい。
第2の実施形態による鉛蓄電池22は、第1の実施形態による鉛蓄電池1と同様、電解液の減液が抑制されるとともに、セル室8間で内圧差が生じないために、従来、この内圧差に起因して生じていた、隔壁7の変形と、これによる電解液9の液面高さばらつきが抑制される。その結果、液面高さがばらついて生じる、電解液の溢液や、ストラップ11の腐食が抑制された、信頼性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
第2の実施形態では、液口栓23内に、ガス排出手段12を設けるため、鉛蓄電池22への注液時には、液口栓23を脱着し、液口10aを介して注液作業を行うことができる。一方、第1の実施形態では、第1の排気経路13を介して注液作業を行うこととなる。第2の実施形態では、第1の排気経路13よりもその内径が大きく確保できる液口10aで注液作業を行うため、小内径の第1の排気経路13で注液作業を行う場合に比較して作業性に優れるという有利な効果を有する。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、前記した第2の実施形態において、液口栓23内に備えられたガス排出手段12を、液口栓23本体とは別体として設けたガス排出手段12´に置換したものである。
すなわち、図7および図8に示したように、予め小室体24内に覆体16を配置し、小室体24の側壁25上に脱落防止部材19としての作用を有する多孔質のフィルタ26を接合することによってガス排出手段12´を組立て、液口栓23の筒部23bに、ガス排出手段12´を装着するものである。なお、小室体24とフィルタ26をポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン樹脂といった、圧入固定に適した弾性を有した材質で構成することによって、小室体24内にフィルタ26を圧入固定すればよい。
なお、これまでにも述べているように、脱落防止部材19として多孔質のフィルタ26とすることにより、脱落防止部材19に、覆体16の脱落防止用の機能とともに、フィルタ機能を付与することができる。ガス排出手段12´を筒部23bに装着することにより、図6で示した第2の実施形態による鉛蓄電池22と同様の鉛蓄電池を得ることができる。
このような第3の実施形態によれば、第1の実施形態および第2の実施形態で得られる作用効果に加えて、以下の作用効果を得ることができる。
すなわち、図7および図8に示したガス排出手段12´を液口栓本体と別体に設けた場合、従来の鉛蓄電池に使用していた既存の液口栓本体にガス排出手段12´を装着することにより、容易に本発明の鉛蓄電池を得ることができる。したがって、既存の液口栓と、本発明の鉛蓄電池に用いる液口栓23とは液口栓本体が共通化されるため、部品の共通化による製品コスト削減効果を得ることができる。
なお、第3の実施形態では、小室体24の外径を、筒部23bの内径よりも若干大きく設定し、かつ、前記したように、小室体24をポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン樹脂といった、圧入固定に適した弾性を有した樹脂で構成することができる。これによれば、ガス排出手段12´を液口栓23の筒部23b内に圧入固定できるため、熱溶着や接着等、他の接合方式に比較して、極めて簡便に、かつ生産性よく、本発明の鉛蓄電池を生産できる。
なお、ガス排出手段12´を構成する各部材については、既に述べたような、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂、あるいはこれらの共重合体といった、鉛蓄電池の電槽や蓋に一般的に使用されている合成樹脂を用いることができる。
特に、覆体16と底壁15をこれらの合成樹脂で構成することにより、覆体16と底壁15との張り付きが防止されるため、覆体16の動作が安定して行われ、好ましい。この点、ゴムのキャップ状弁を弁筒に装着した弁といった、ゴムを使用した弁では、ゴム中に含まれる可塑剤によって、キャップ状弁と弁筒とが固着し、弁圧が不安定となること、また、このような可塑剤の影響を最小限にとどめるために、キャップ状弁と弁筒との間に、シリコンオイル等の不活性なオイルを塗布することが必要であったが、本発明では、このような、覆体16と底壁15との固着が生じない。また、もとより、シリコンオイル塗布といった工程を要さず、この点においても従来の弁を用いたベント式鉛蓄電池よりも優れた生産性を有している。
本発明による効果は、極板面が電解液に浸漬された、ベント式の鉛蓄電池における電解液の減液量の抑制と、セル室間の内圧差の抑制による、電解液面高さのばらつき抑制、および特に、第3の実施形態においては、液口栓本体として既存部品を共用できることによる、製品コスト削減効果にある。
本実施例では、これらの本発明の効果の中で、特に、減液量の抑制効果と、電解液面高さのばらつき抑制効果について述べる。
以下に示す本発明例及び比較例の鉛蓄電池(JIS D5301始動用鉛蓄電池における、55B24形電池)を作成し、自動車に搭載使用した場合を想定し、各電池に振動を加えながら充放電を行ったときの減液量を評価した。
(本発明例の電池A)
本発明例の電池Aは、本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池1である。電池Aにおけるガス排出手段の構成は、図3に示した構成を有する。なお、脱落防止部材19として、ポリエチレン樹脂粒体を焼結した多孔質体を使用している。また、底壁15の開口部13a周縁に幅0.5mm、深さ0.2mmの溝部15aを2本形成している。なお、溝部15aを、開口部13aの中心を通過する直線上に2本配置している。
(本発明例の電池B)
本発明例の電池Bは、本発明の第3の実施形態による鉛蓄電池である。電池Bは、図8に示したガス排出手段12´を液口栓23内に備え、脱落防止部材19としても作用する多孔質体で形成したフィルタ26を備える。フィルタ26は電池Aで用いた脱落防止部材19と同材料であり、平均孔径は200μmである。また、底壁15の開口部13a周縁に幅0.5mm、深さ0.2mmの溝部15aを2本形成している。なお、溝部15aの2本は、開口部13aの中心を通過する直線上に配置している。さらに、本発明例の電池Bでは、液口栓23内に、防沫体27を備える。
(本発明例の電池C)
本発明例の電池Cは、本発明例の電池Bより防沫体27を取り除いた電池である。
(比較例の電池D)
比較例の電池Dは、図9に示したように、電槽(図示せず)を覆う蓋28内に、弁筒29を形成し、この弁筒29に、ゴム製のキャップ状弁体30が装着した制御弁を有している。キャップ状弁体30の弁筒29からの脱落を防止するための、弁押え板31が蓋28に固定されている。比較例の電池Dでは、弁筒29とキャップ状弁体30との間にシリコンオイルが塗布されている。
さらに、弁筒29の下部には、電池A〜Bと同様の防沫体27が配置されている。比較例の電池Dにおける弁の開弁圧の設計値は10.0kPa、閉弁圧の設計値は、2.0kPaである。その他の、セル5、電槽6、隔壁7、セル室8および電解液9といった構成は、電池A〜Cと同一である。
(比較例の電池E)
比較例の電池Eは、図10に示したように、電槽(図示せず)を覆う蓋32に設けた液口32aに、フィルタ26と防沫体27を備えた液口栓33を装着した電池である。その他の、セル5、電槽6、隔壁7、セル室8および電解液9といった構成は、電池A〜Cと同一である。
(比較例の電池F)
比較例の電池Fは、比較例の電池Eより防沫体を取り除いた電池である。
上記の各電池A〜Fについて、以下に示す試験条件で、減液量および電解液面ばらつきの評価を行った。なお、上記の各電池A〜Fの試験n数は6とし、初期の電解液面位置はストラップ(図1におけるストラップ11に相当)の上面から20mm上方の位置とした。
各電池A〜Fを75℃雰囲気中で、上下方向の振動(加速度1G、周波数を5〜40Hz/5分掃引)を連続して加える間、放電(放電電流25A、放電1分)と充電(14.8V定電圧充電、最大充電電流25A、充電時間25分)で構成される放電−充電サイクルを4320サイクル行った。
但し、上記の放電−充電サイクルの480サイクル毎に電解液面を確認し、補水を行うことにより、電解液面を初期の電解液面位置、すなわちストラップ上面より20mm上方の位置とした。各電池毎に、4320サイクル中の全補水質量を減液量とした。
次に、各電池において、6個中の3個については、電解液面位置が初期位置の状態とし、残りの3個については、電解液面位置をストラップ上面より3mm上方の位置に調整した。これらの電池を25℃雰囲気中で前記した放電−充電サイクルの40サイクルを行った後、同じく25℃雰囲気中で13日間放置したときの、同一電池内での電解液面位置のばらつきの最大値を測定した。電解液面位置ばらつきの最大値は、各電池を構成する6個のセルにおいて、最高液面高さと最低液面高さの差を示す。
上記の試験による、各電池の減液量を表1に、電解液面位置のばらつきの最大値を表2に示す。
Figure 2008146895
Figure 2008146895
表1に示した結果から、本発明例の電池A〜Cは、比較例の電池E〜Fに比較して、減液量を抑制する効果が顕著に得られていることがわかる。また、各セルに開閉する弁を設けた電池Dと比較しても、本発明例の電池A〜Cは、減液量において殆ど遜色のない結果となった。
電解液面位置のばらつきに関しても、表2に示した結果から、本発明例の電池A〜Cは、弁を有した比較例の電池Dに比較して、ばらつきが顕著に抑制されていた。本発明例の電池A〜Cは、電解液面位置を高くしたもの(ストラップ上面より上方20mmとしたもの)においても、電解液の溢液は見られなかった。また、電池A〜Cの電解液面位置を低くしたもの(ストラップ上面より上方に3mmとしたもの)についても電解液面位置のばらつきが顕著に抑制されていた。
本発明の電池A〜Cについては、電解液面位置を高くしたものでも電解液の電池外への溢液は生じなかった。また、電解液面位置を低くしたものでも、ストラップが電解液から露出することはなかった。
本発明の電池A〜Cのなかでも、特に防沫体を用いた電池Bは、特に減液量抑制効果がより顕著に得られていた。防沫体により、小室への電解液ミストの侵入が抑制されたと推測される。
弁を設けた電池Dについては、減液量が顕著に抑制されているものの、電解液面位置のばらつきは非常に大きくなった。減液量を測定した電池について、前記したように、電解液面を所定位置に調整後、さらに充放電と放置を行うことにより、電解液面位置のばらつきが生じていた。
このような電解液面位置のばらつきは、弁の開閉弁圧のばらつきに起因するものであり、開弁圧の高いセルが、開弁圧の低いセルを圧迫して生じるものである。開弁圧の低いセルは、セル容積が減少するため、電解液面位置が高くなり、開弁圧の高いセルは、膨張してセル容積が増加し、電解液面位置が低くなる。比較例の電池Dにおいて、電解液面位置を、ストラップ上面より上方20mmの高い位置に設定した場合、一部のセルでは、電解液面位置がさらに上昇することによって、開弁と同時に弁筒より、電解液が排出され、弁筒の基部に排出された電解液が滞留し、一部が電池外に滲出していた。
一方、電解液面位置を、ストラップ上面より上方3mmの低い位置に設定した電池でも、充放電と放置によって電解液面位置がばらつき、電解液面位置が低くばらついたセルでは、ストラップが電解液面より露出していた。特に、負極側のストラップが電解液面から露出すると、ストラップが腐食するため、好ましくない。
以上のように、本発明によれば、ベント式鉛蓄電池において、減液抑制効果が顕著に得られるとともに、電解液面位置のばらつきが顕著に抑制された信頼性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
本発明は、始動用鉛蓄電池や電動車用鉛蓄電池といった、各種のベント式鉛蓄電池に好適である。
本発明の第1の実施形態の鉛蓄電池の要部断面を示す図 本発明の第1の実施形態の鉛蓄電池の要部断面を示す拡大図 本発明の第1の実施形態の他の鉛蓄電池の要部断面を示す拡大図 本発明の第2の実施形態の鉛蓄電池の要部断面を示す図 本発明の第2の実施形態の鉛蓄電池の要部断面を示す拡大図 本発明の第2の実施形態の他の鉛蓄電池の要部断面を示す拡大図 ガス排出手段の構成を示す分解図 ガス排出手段を示す断面図 比較例の電池の要部断面を示す図 他の比較例の電池の要部断面を示す図
符号の説明
1 鉛蓄電池
2 正極板
3 セパレータ
4 負極板
5 セル
6 電槽
7 隔壁
8 セル室
9 電解液
10 蓋
10a 液口
11 ストラップ
12 ガス排出手段
12´ ガス排出手段
13 第1の排気経路
13a 開口部
13b 開口部
14 小室
15 底壁
15a 溝部
16 覆体
17 第2の排気経路
18 間隙
19 脱落防止部材
20 第1の突起部
21 第2の突起部
22 鉛蓄電池
23 液口栓
23a 頂部
23b 筒部
24 小室体
25 側壁
26 フィルタ
27 防沫体
28 蓋
29 弁筒
30 キャップ状弁体
31 弁押え板
32 蓋
32a 液口
33 液口栓

Claims (7)

  1. 正極板および負極板を有したセルが、前記正極板および前記負極板の極板面が電解液に浸漬された状態でセル室に収納され、前記正極板および前記負極板上で発生したガスを排出するガス排出手段を有したベント式の鉛蓄電池であり、
    前記ガス排出手段は、
    前記セル室に一端が開口した第1の排気経路と、
    前記第1の排気経路の他の一端に連通した小室を有し、
    前記小室の底壁に設けられた前記第1の排気経路の開口部を覆う覆体を前記小室内に載置し、
    前記開口部の周囲の少なくとも一部において、前記開口部と前記覆体との間に間隙が設けられ、
    前記覆体の前記小室からの脱落を防止し、かつ前記小室内のガスを電池外部に排出するための第2の排気経路を形成した脱落防止部材を有し、
    前記覆体と前記脱落防止部材との間に、前記覆体の上方への移動を許容する空間を有した鉛蓄電池。
  2. 前記底壁の、前記開口部の周囲の一部もしくは、前記覆体の周縁部の一部の少なくともいずれか一方に第1の突起部を設け、前記第1の突起部において、前記底壁と前記覆体とが接することにより、前記第1の突起部を設けない部分で前記底壁と前記開口部との間に前記間隙を形成した請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記間隙として、前記底壁の、前記開口部の周囲の一部もしくは、前記覆体の周縁部の一部の少なくともいずれか一方に溝部を設けた請求項1に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記覆体と前記脱落防止部材の少なくともいずれか一方の、他方に対向する面に第2の突起部を設けた請求項1〜3に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記ガス排出手段を電池蓋に設けた液口に装着する液口栓内に設けた請求項1〜4に記載の鉛蓄電池。
  6. 前記液口栓は、液口栓本体筒と、前記液口栓本体筒とは別体で設けられ、かつ前記液口栓本体筒内に装着された前記ガス排出手段とからなり、
    前記ガス排出手段は、前記小室を有した小室体を備え、
    前記小室体は、前記第1の排気経路を有した前記底壁と、前記底壁の周囲から立設した側壁と、前記側壁上部で、前記側壁と前記脱落抑制部材とが接合された請求項5に記載の鉛蓄電池。
  7. 前記脱落抑制部材を多孔質体で構成した請求項1〜6に記載の鉛蓄電池。
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