JP2003142148A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 使用初期は液式鉛蓄電池と同様の初期特性、
耐熱特性を有し、使用途中からはリテーナ式制御弁式鉛
蓄電池と同様に密閉反応が起こって電解液の減少を抑制
することのできる、長寿命な鉛蓄電池を提供する。 【解決手段】 セパレータを介して積層された正負極板
と、液面が前記極板上端以上である電解液と、制御弁と
を備えたことを特徴とする鉛蓄電池。
耐熱特性を有し、使用途中からはリテーナ式制御弁式鉛
蓄電池と同様に密閉反応が起こって電解液の減少を抑制
することのできる、長寿命な鉛蓄電池を提供する。 【解決手段】 セパレータを介して積層された正負極板
と、液面が前記極板上端以上である電解液と、制御弁と
を備えたことを特徴とする鉛蓄電池。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】鉛蓄電池は、補水などの保守が必要な開
放型液式鉛蓄電池と、補水不要である制御弁式鉛蓄電池
とに大別することができる。鉛蓄電池は充電時に、電解
液の電気分解によって正負極板から酸素ガスと水素ガス
とが発生し、液口栓や制御弁などを通って鉛蓄電池外に
放出されるために、鉛蓄電池の使用期間が長くなると電
解液が減少する。 【0003】液式鉛蓄電池では、電解液が減少した場
合、その注液口から電解液減少分に相当する量の精製水
を加えることによって電解液量を所定範囲に保つことが
できるのに対し、制御弁式鉛蓄電池では注液口が制御弁
によって塞がれているために、電解液が減少しても精製
水を加えることができない。しかし、制御弁式鉛蓄電池
では、密閉反応よって電解液の減少が、液式鉛蓄電池の
電解液減少に比べて少ないために、補水をしなくても液
式鉛蓄電池とほぼ同等の期間、使用することができる。 【0004】制御弁式鉛蓄電池は、リテーナ式と称され
る、正負極板をガラス繊維または合成繊維からなり、電
解液を保持することのできるセパレータ(以下リテーナ
マット)を介して積層し、正負極板とリテーナマットと
に電解液を保持させ、基本的に遊離の電解液を有さない
形式と、ゲル式と称される、極板群の周囲の電解液をゲ
ル状に固化させる形式、顆粒シリカ式と称される、極板
群の周囲に顆粒状のシリカを充填し、極板群と顆粒状の
シリカとに電解液を保持させる形式が周知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】制御弁式鉛蓄電池、特
にリテーナ式制御弁式鉛蓄電池は、前述のように基本的
に電解液が正負極板とリテーナマットとにしか保持され
ないので、他の形式の鉛蓄電池に比べて電解液量が少な
い。但し、特開昭60−7071のように遊離液を有す
る場合もある。鉛蓄電池においては、電解液も充放電反
応に関与するので、電解液量が少ないと、放電容量が少
なくなってしまう。そこで、リテーナ式制御弁式鉛蓄電
池においては、電解液の反応物質である硫酸の量を増や
す、すなわち、電解液比重を高くすることによって液式
鉛蓄電池に近い放電容量を確保するのが常法である。 【0006】しかし、リテーナ式制御弁式鉛蓄電池は、
電解液量が液式鉛蓄電池に比べて電解液量が少ないため
に鉛蓄電池自身の熱容量が小さいこと、制御弁を取り付
けているために電解液の補水ができないこと、電解液が
減少すると水の表面張力のためにリテーナマットが収縮
し、リテーナマットと正負極板の接触が悪くなって放電
容量が少なくなることなどの問題点がある。 【0007】特に、リテーナ式制御弁式鉛蓄電池が自動
車のエンジンルームなどの高温環境下に置かれると、そ
の熱容量が液式電池に比べて小さいため、リテーナ式制
御弁式鉛蓄電池自身の温度が高くなりやすい。そうする
と、電解液の水蒸気圧が上がり、制御弁や材質によって
は電槽を通過して水蒸気が鉛蓄電池外に出て行くため、
電解液の減少が起こりやすい。また、リテーナ式制御弁
式鉛蓄電池自身が高温になってしまうと、その正極集電
体の腐食反応も促進されて、リテーナ式制御弁式鉛蓄電
池の寿命が短くなってしまう。 【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、使用初期は液式鉛蓄電池と同様の初期特
性、耐熱特性を有し、使用途中からはリテーナ式制御弁
式鉛蓄電池と同様に密閉反応が起こって電解液の減少を
抑制することのできる、長寿命な鉛蓄電池を提供するも
のである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になした発明は、セパレータを介して積層された正負極
板と、液面が前記極板上端以上である電解液と、制御弁
とを備えたことを特徴とする鉛蓄電池である。 【0010】本発明における制御弁とは、リテーナ式制
御弁式鉛蓄電池等に用いられる弁のことをいう。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明によれば、リテーナ式制御
弁式鉛蓄電池と同等の比重を有する電解液を、液式鉛蓄
電池と同様、極板上端以上まで有するために、鉛蓄電池
の放電容量が多くなる一方、放電電圧も高くなる。ま
た、電解液量が多いために鉛蓄電池の熱容量も大きくな
り、高温環境下においても鉛蓄電池自身の温度が高くな
りにくい。そのため、正極格子の腐食も抑制されやす
い。 【0012】但しここで、電解液は極板上端以上であれ
ばいくら多くてもよいわけではなく、電池の設計に応じ
て、鉛蓄電池が傾いたときや、鉛蓄電池が振動を受けた
とき、鉛蓄電池を充電したときに電解液が制御弁からあ
ふれ出ることのない量に止めるべきである。 【0013】本発明による鉛蓄電池は、注液口に制御弁
を取り付けているために、容易に補液することができな
い構造となっている。鉛蓄電池が充電されると、水が電
気分解して水素と酸素とになり、制御弁から大気中に放
出されても、補水することはできない。このために電解
液は徐々に減少するが、電解液の減少によって負極板の
一部が電槽内の気相中に露出すると、露出した部分で密
閉反応が起こるようになる。この状態になると電解液の
減少の割合が小さくなる。 【0014】このような構成とすることによって、通常
の使用において、電解液の減少による鉛蓄電池の劣化、
いわゆる液枯れがほとんど生じなくなる。また、電解液
が従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池に比べて多量に存
在するため、鉛蓄電池の熱容量が大きく、鉛蓄電池自身
の温度が上昇しにくくなって、正極格子の腐食も抑制さ
れる。 【0015】 【実施例】常法で作成した未化成の正極板4枚と、常法
で作成した未化成の負極板5枚とを、平均繊維径0.7
μmのガラス繊維からなるリテーナマット(平均孔径7
μm)を介して積層し、同極性の極板同士を鉛合金によ
って接続して極板群とした。この極板群を6つの極板群
を収納できる電槽に収納し、各極板群が直列に接続され
るように、電槽の隔壁を介して接続してから電槽に蓋を
取り付けた後、20℃における電解液比重が1.220
の電解液を、1セル当たり360mL注液し、25〜3
0℃に調温された室内で、16Aで18時間電槽化成を
実施した。電槽化成終了後、約1時間放置後に注液口か
ら目視によって、流動する電解液の上面がすべての極板
より上にあることを確認し、確認されない場合は、20
℃における電解液比重が1.320の電解液を所定量追
加して、流動する電解液の上面がすべての極板よりも上
になるようにしてから、キャップ状のゴム製制御弁を取
り付け、さらに制御弁が外れないように、制御弁を押さ
えるための板状上蓋を蓄電池蓋に嵌合によって取り付け
た。なおここで、流動する電解液の上面は、電解液の漏
れを防止するために、極板の上端より10mmを上回ら
ないようにした。このようにして製造した、JISに規
定される36B20サイズの鉛蓄電池を以下の試験に供
した。 【0016】まず最初に、初期放電容量を調査した。放
電容量は25℃において、1.75Aで放電し、放電電
圧が1セル当たり1.75Vに達するまでの時間を測定
して求めた。本発明によって製造した鉛蓄電池と、従来
のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池および従来の液式鉛蓄電
池とを比較した。本発明品の放電容量は約36Ahであ
り、従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池および従来の液
式鉛蓄電池の放電容量は約30Ahであった。これは、
本発明品の電解液比重が従来の液式鉛蓄電池よりも高い
こと、そして本発明品の電解液量が従来のリテーナ式制
御弁式鉛蓄電池よりも多いことに起因するものである。 【0017】次にJISに規定される75℃軽負荷寿命
試験を実施した。比較した鉛蓄電池は上述と同様、本発
明によって製造した鉛蓄電池と、従来のリテーナ式制御
弁式鉛蓄電池および従来の液式鉛蓄電池とである。図1
に試験結果を示す。従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池
は約1000サイクル目で寿命に達し、従来の液式鉛蓄
電池は約1800サイクルで寿命に達した。これに対
し、本発明によって製造した鉛蓄電池の寿命は約200
0サイクルであった。 【0018】従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池の主な
寿命原因は、75℃という高温に起因する正極格子腐食
であった。また、この鉛蓄電池では極板とセパレータと
がやや乾いていた。従来の液式鉛蓄電池と本発明によっ
て製造した鉛蓄電池の寿命原因も正極格子腐食であった
が、これらの電池は寿命に達した状態でも遊離の電解液
を有したままであった。 【0019】そして、本発明によって製造した鉛蓄電池
と従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池とをタクシーに搭
載して実車試験をおこなった。従来のリテーナ式制御弁
式鉛蓄電池は使用後1年で寿命に達したのに対し、本発
明によって製造した鉛蓄電池は使用後2年を経ても寿命
に達することはなかった。従来のリテーナ式制御弁式鉛
蓄電池は電解液の減少(いわゆる液枯れ)によって寿命
に達したが、本発明によって製造した鉛蓄電池は2年を
経ても流動する電解液を有していた。このときの電解液
比重は20℃において約1.34であった。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、使用初期は液式鉛蓄電
池と同様の初期特性、耐熱特性を有し、使用途中からは
リテーナ式制御弁式鉛蓄電池と同様に密閉反応が起こっ
て電解液の減少を抑制することのできる、長寿命な鉛蓄
電池を提供できる。 【0021】
のである。 【0002】 【従来の技術】鉛蓄電池は、補水などの保守が必要な開
放型液式鉛蓄電池と、補水不要である制御弁式鉛蓄電池
とに大別することができる。鉛蓄電池は充電時に、電解
液の電気分解によって正負極板から酸素ガスと水素ガス
とが発生し、液口栓や制御弁などを通って鉛蓄電池外に
放出されるために、鉛蓄電池の使用期間が長くなると電
解液が減少する。 【0003】液式鉛蓄電池では、電解液が減少した場
合、その注液口から電解液減少分に相当する量の精製水
を加えることによって電解液量を所定範囲に保つことが
できるのに対し、制御弁式鉛蓄電池では注液口が制御弁
によって塞がれているために、電解液が減少しても精製
水を加えることができない。しかし、制御弁式鉛蓄電池
では、密閉反応よって電解液の減少が、液式鉛蓄電池の
電解液減少に比べて少ないために、補水をしなくても液
式鉛蓄電池とほぼ同等の期間、使用することができる。 【0004】制御弁式鉛蓄電池は、リテーナ式と称され
る、正負極板をガラス繊維または合成繊維からなり、電
解液を保持することのできるセパレータ(以下リテーナ
マット)を介して積層し、正負極板とリテーナマットと
に電解液を保持させ、基本的に遊離の電解液を有さない
形式と、ゲル式と称される、極板群の周囲の電解液をゲ
ル状に固化させる形式、顆粒シリカ式と称される、極板
群の周囲に顆粒状のシリカを充填し、極板群と顆粒状の
シリカとに電解液を保持させる形式が周知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】制御弁式鉛蓄電池、特
にリテーナ式制御弁式鉛蓄電池は、前述のように基本的
に電解液が正負極板とリテーナマットとにしか保持され
ないので、他の形式の鉛蓄電池に比べて電解液量が少な
い。但し、特開昭60−7071のように遊離液を有す
る場合もある。鉛蓄電池においては、電解液も充放電反
応に関与するので、電解液量が少ないと、放電容量が少
なくなってしまう。そこで、リテーナ式制御弁式鉛蓄電
池においては、電解液の反応物質である硫酸の量を増や
す、すなわち、電解液比重を高くすることによって液式
鉛蓄電池に近い放電容量を確保するのが常法である。 【0006】しかし、リテーナ式制御弁式鉛蓄電池は、
電解液量が液式鉛蓄電池に比べて電解液量が少ないため
に鉛蓄電池自身の熱容量が小さいこと、制御弁を取り付
けているために電解液の補水ができないこと、電解液が
減少すると水の表面張力のためにリテーナマットが収縮
し、リテーナマットと正負極板の接触が悪くなって放電
容量が少なくなることなどの問題点がある。 【0007】特に、リテーナ式制御弁式鉛蓄電池が自動
車のエンジンルームなどの高温環境下に置かれると、そ
の熱容量が液式電池に比べて小さいため、リテーナ式制
御弁式鉛蓄電池自身の温度が高くなりやすい。そうする
と、電解液の水蒸気圧が上がり、制御弁や材質によって
は電槽を通過して水蒸気が鉛蓄電池外に出て行くため、
電解液の減少が起こりやすい。また、リテーナ式制御弁
式鉛蓄電池自身が高温になってしまうと、その正極集電
体の腐食反応も促進されて、リテーナ式制御弁式鉛蓄電
池の寿命が短くなってしまう。 【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、使用初期は液式鉛蓄電池と同様の初期特
性、耐熱特性を有し、使用途中からはリテーナ式制御弁
式鉛蓄電池と同様に密閉反応が起こって電解液の減少を
抑制することのできる、長寿命な鉛蓄電池を提供するも
のである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になした発明は、セパレータを介して積層された正負極
板と、液面が前記極板上端以上である電解液と、制御弁
とを備えたことを特徴とする鉛蓄電池である。 【0010】本発明における制御弁とは、リテーナ式制
御弁式鉛蓄電池等に用いられる弁のことをいう。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明によれば、リテーナ式制御
弁式鉛蓄電池と同等の比重を有する電解液を、液式鉛蓄
電池と同様、極板上端以上まで有するために、鉛蓄電池
の放電容量が多くなる一方、放電電圧も高くなる。ま
た、電解液量が多いために鉛蓄電池の熱容量も大きくな
り、高温環境下においても鉛蓄電池自身の温度が高くな
りにくい。そのため、正極格子の腐食も抑制されやす
い。 【0012】但しここで、電解液は極板上端以上であれ
ばいくら多くてもよいわけではなく、電池の設計に応じ
て、鉛蓄電池が傾いたときや、鉛蓄電池が振動を受けた
とき、鉛蓄電池を充電したときに電解液が制御弁からあ
ふれ出ることのない量に止めるべきである。 【0013】本発明による鉛蓄電池は、注液口に制御弁
を取り付けているために、容易に補液することができな
い構造となっている。鉛蓄電池が充電されると、水が電
気分解して水素と酸素とになり、制御弁から大気中に放
出されても、補水することはできない。このために電解
液は徐々に減少するが、電解液の減少によって負極板の
一部が電槽内の気相中に露出すると、露出した部分で密
閉反応が起こるようになる。この状態になると電解液の
減少の割合が小さくなる。 【0014】このような構成とすることによって、通常
の使用において、電解液の減少による鉛蓄電池の劣化、
いわゆる液枯れがほとんど生じなくなる。また、電解液
が従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池に比べて多量に存
在するため、鉛蓄電池の熱容量が大きく、鉛蓄電池自身
の温度が上昇しにくくなって、正極格子の腐食も抑制さ
れる。 【0015】 【実施例】常法で作成した未化成の正極板4枚と、常法
で作成した未化成の負極板5枚とを、平均繊維径0.7
μmのガラス繊維からなるリテーナマット(平均孔径7
μm)を介して積層し、同極性の極板同士を鉛合金によ
って接続して極板群とした。この極板群を6つの極板群
を収納できる電槽に収納し、各極板群が直列に接続され
るように、電槽の隔壁を介して接続してから電槽に蓋を
取り付けた後、20℃における電解液比重が1.220
の電解液を、1セル当たり360mL注液し、25〜3
0℃に調温された室内で、16Aで18時間電槽化成を
実施した。電槽化成終了後、約1時間放置後に注液口か
ら目視によって、流動する電解液の上面がすべての極板
より上にあることを確認し、確認されない場合は、20
℃における電解液比重が1.320の電解液を所定量追
加して、流動する電解液の上面がすべての極板よりも上
になるようにしてから、キャップ状のゴム製制御弁を取
り付け、さらに制御弁が外れないように、制御弁を押さ
えるための板状上蓋を蓄電池蓋に嵌合によって取り付け
た。なおここで、流動する電解液の上面は、電解液の漏
れを防止するために、極板の上端より10mmを上回ら
ないようにした。このようにして製造した、JISに規
定される36B20サイズの鉛蓄電池を以下の試験に供
した。 【0016】まず最初に、初期放電容量を調査した。放
電容量は25℃において、1.75Aで放電し、放電電
圧が1セル当たり1.75Vに達するまでの時間を測定
して求めた。本発明によって製造した鉛蓄電池と、従来
のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池および従来の液式鉛蓄電
池とを比較した。本発明品の放電容量は約36Ahであ
り、従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池および従来の液
式鉛蓄電池の放電容量は約30Ahであった。これは、
本発明品の電解液比重が従来の液式鉛蓄電池よりも高い
こと、そして本発明品の電解液量が従来のリテーナ式制
御弁式鉛蓄電池よりも多いことに起因するものである。 【0017】次にJISに規定される75℃軽負荷寿命
試験を実施した。比較した鉛蓄電池は上述と同様、本発
明によって製造した鉛蓄電池と、従来のリテーナ式制御
弁式鉛蓄電池および従来の液式鉛蓄電池とである。図1
に試験結果を示す。従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池
は約1000サイクル目で寿命に達し、従来の液式鉛蓄
電池は約1800サイクルで寿命に達した。これに対
し、本発明によって製造した鉛蓄電池の寿命は約200
0サイクルであった。 【0018】従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池の主な
寿命原因は、75℃という高温に起因する正極格子腐食
であった。また、この鉛蓄電池では極板とセパレータと
がやや乾いていた。従来の液式鉛蓄電池と本発明によっ
て製造した鉛蓄電池の寿命原因も正極格子腐食であった
が、これらの電池は寿命に達した状態でも遊離の電解液
を有したままであった。 【0019】そして、本発明によって製造した鉛蓄電池
と従来のリテーナ式制御弁式鉛蓄電池とをタクシーに搭
載して実車試験をおこなった。従来のリテーナ式制御弁
式鉛蓄電池は使用後1年で寿命に達したのに対し、本発
明によって製造した鉛蓄電池は使用後2年を経ても寿命
に達することはなかった。従来のリテーナ式制御弁式鉛
蓄電池は電解液の減少(いわゆる液枯れ)によって寿命
に達したが、本発明によって製造した鉛蓄電池は2年を
経ても流動する電解液を有していた。このときの電解液
比重は20℃において約1.34であった。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、使用初期は液式鉛蓄電
池と同様の初期特性、耐熱特性を有し、使用途中からは
リテーナ式制御弁式鉛蓄電池と同様に密閉反応が起こっ
て電解液の減少を抑制することのできる、長寿命な鉛蓄
電池を提供できる。 【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】75℃軽負荷寿命試験結果
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 セパレータを介して積層された正負極板
と、液面が前記極板上端以上である電解液と、制御弁と
を備えたことを特徴とする鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341181A JP2003142148A (ja) | 2001-11-06 | 2001-11-06 | 鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341181A JP2003142148A (ja) | 2001-11-06 | 2001-11-06 | 鉛蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003142148A true JP2003142148A (ja) | 2003-05-16 |
Family
ID=19155254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001341181A Pending JP2003142148A (ja) | 2001-11-06 | 2001-11-06 | 鉛蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003142148A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007258044A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP2008186654A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
WO2009130740A1 (ja) | 2008-04-25 | 2009-10-29 | パナソニック株式会社 | 鉛蓄電池 |
EP2262046A1 (en) | 2005-04-06 | 2010-12-15 | Panasonic Corporation | Lead-Acid Rechargeable Battery |
-
2001
- 2001-11-06 JP JP2001341181A patent/JP2003142148A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2262046A1 (en) | 2005-04-06 | 2010-12-15 | Panasonic Corporation | Lead-Acid Rechargeable Battery |
JP2007258044A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP2008186654A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
WO2009130740A1 (ja) | 2008-04-25 | 2009-10-29 | パナソニック株式会社 | 鉛蓄電池 |
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