JP2007257898A - 発光装置の製造方法および電子機器の製造方法 - Google Patents

発光装置の製造方法および電子機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異なる色に発光する少なくとも2つの発光層を、バンクを設けることなく所望の形状に形成し得る発光装置の製造方法、かかる発光装置の製造方法を含み信頼性の高い電子機器の製造方法を提供すること。
【解決手段】発光装置110は、陽極(第1の電極)13と、陰極(第2の電極)18と、これらの間に設けられ、それぞれ、異なる色に発光する有機EL(発光)層15R、15G、15Bとを有する。かかる構成の発光装置110において、有機EL層15R、15G、15Bは、それぞれ、陽極13側に、発光性を有する発光部と重合性基とを備える発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と重合性基とを備えるキャリア輸送性化合物とを含む被膜を形成する工程と、この被膜に光照射することにより、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とを重合させ、被膜の光照射された光照射領域を硬化させる工程と、被膜の光照射領域以外の領域を除去する工程とにより光照射領域に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置の製造方法および電子機器の製造方法に関するものである。
有機EL素子(発光素子)は、陰極と陽極との間に少なくとも発光性有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス層(発光層)を挟んだ構成を有しており、この有機エレクトロルミネッセンス(EL)層に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
この有機EL素子は、10V以下の低電圧で、100〜100000cd/m2程度の高輝度の面発光が可能であること、また、発光材料の種類を選択することにより、青色から赤色までの発光が可能なこと等の特徴を有し、安価で大面積フルカラー表示を実現し得る表示装置(発光装置)が備える発光素子として注目を集めている。
このような有機EL素子を用いたフルカラー表示装置として、例えば、特許文献1では、赤色、緑色および青色の光を発光する有機EL素子を基板上に複数個設ける構成のものが提案されている。
かかる構成のフルカラー表示装置おいて、各色(赤色、緑色および青色)の光を発光する有機EL層は、電極を備える基板上に、有機EL層の形状に対応する開口部を備えるバンクを形成し、この開口部に各色に対応する発光材料を含有する液状材料(インク)をインクジェット法で供給した後、このインクを乾燥することにより形成することができる。
ところが、インクジェット法でインクを供給するには、インクの粘度および表面張力を好適な範囲内に設定(調整)する必要が有り、用いる発光材料および溶媒の選択の幅が狭くなるという問題がある。
また、インクの粘度および表面張力を調整することを目的に、インク内に各種調整剤を添加する方法も提案されているが、この場合、これらの調整剤により、発光材料が経時的に変質・劣化するとう問題がある。
特開平10−153967号公報
本発明は、異なる色に発光する少なくとも2つの発光層を、バンクを設けることなく所望の形状に形成し得る発光装置の製造方法、かかる発光装置の製造方法を含み信頼性の高い電子機器の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の発光装置の製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、これらの間に設けられ、第1の色に発光する第1の発光層と、前記第1の色と異なる第2の色に発光する第2の発光層とを有する発光装置を製造する方法であって、
第1の電極の一方の面側に、前記第1の色に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備えるキャリア輸送性化合物とを含む第1の被膜を形成する第1の工程と、
前記第1の被膜に光を照射することにより、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物とを重合させ、前記第1の被膜の光が照射された光照射領域を硬化させて、前記第1の発光層を得る第2の工程と、
前記第1の被膜の光照射領域以外の領域を除去する第3の工程と、
前記第1の電極の一方の面側に、前記第2の色に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備えるキャリア輸送性化合物とを含む第2の被膜を形成する第4の工程と、
前記第2の被膜に光を照射することにより、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物とを重合させ、前記第2の被膜の光が照射された光照射領域を硬化させて、前記第2の発光層を得る第5の工程と、
前記第2の被膜の光照射領域分以外の領域を除去する第6の工程と、
各前記発光層の前記第1の電極と反対側に、第2の電極を設ける第7の工程とを有することを特徴とする。
かかる構成の発光装置の製造方法によれば、異なる色を発光する少なくとも2つの発光層を、バンクを設けることなく所望の形状に形成することができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の工程において、前記第1の被膜は、液相プロセスにより形成されることが好ましい。
液相プロセスによれば、大掛かりな装置を用いることなく、発光性化合物と、キャリア輸送性化合物とを含む液状材料を一方の面側に供給するという比較的簡単な工程で第1の被膜を形成し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物との比は、重量比で1:100〜90:10であることが好ましい。
かかる範囲内に設定することにより、形成される第1の発光層中において、電極から注入されたキャリアを、キャリア輸送部を介して確実に発光部に供給することができ、発光部へのキャリアの注入効率の向上を図ることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物のうちの少なくとも一方の化合物が、その重合性基を複数有することが好ましい。
これにより、第1の発光層中に含まれるランダムコポリマーの形状が、線形すなわち直鎖状のものではなく、ネットワークを形成するように連結した構造を有するものすなわち3次元網目構造を有するものとなる。これにより、第1の発光層の耐熱性の向上、および、発光部へのキャリア注入効率の向上等を図ることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える前記重合性基は、カチオン重合性を有することが好ましい。
これにより、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物が備える重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化をより確実に行うことができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える前記重合性基は、ラジカル重合性を有することが好ましい。
これにより、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物が備える重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化をより確実に行うことができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の発光層に用いられるキャリア輸送性化合物は、正孔輸送性を有する正孔輸送部を備える正孔輸送性化合物および電子輸送性を有する電子輸送部を備える電子輸送性化合物を含むことが好ましい。
かかる構成とすることにより、正孔および電子の双方の発光部への注入効率を向上させることができ、発光部をより確実に発光させることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記正孔輸送部は、アリールアミン骨格を含むものであることが好ましい。
このものを含む正孔輸送部は、特に正孔輸送性に優れるとともに、重合性基を比較的容易な方法で正孔輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記電子輸送部は、オキサジアゾール骨格またはトリアゾール骨格を含むものであることが好ましい。
このものを含む電子輸送部は、特に電子輸送性に優れるとともに、重合性基を比較的容易な方法で電子輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の発光層に用いられる前記発光部は、フルオレン骨格またはカルバゾール骨格を含むものであることが好ましい。
これらのものを含む発光部は、特に高い発光性を有するとともに、重合性基を比較的容易な方法で発光部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の発光層に用いられる前記発光部は、イリジウム錯体またはアルミニウム錯体を含むものであることが好ましい。
これらのものを含む発光部は、特に高い発光性を有するとともに、重合性基を比較的容易な方法で発光部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第4の工程において、前記第2の被膜は、液相プロセスにより形成されることが好ましい。
液相プロセスによれば、大掛かりな装置を用いることなく、発光性化合物と、キャリア輸送性化合物とを含む液状材料を一方の面側に供給するという比較的簡単な工程で第2の被膜を形成し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物との比は、重量比で1:100〜90:10であることが好ましい。
かかる範囲内に設定することにより、形成される第2の発光層中において、電極から注入されたキャリアを、キャリア輸送部を介して確実に発光部に供給することができ、発光部へのキャリアの注入効率の向上を図ることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物のうちの少なくとも一方の化合物が、その重合性基を複数有することが好ましい。
これにより、第2の発光層中に含まれるランダムコポリマーの形状が、線形すなわち直鎖状のものではなく、ネットワークを形成するように連結した構造を有するものすなわち3次元網目構造を有するものとなる。これにより、第2の発光層の耐熱性の向上、および、発光部へのキャリア注入効率の向上等を図ることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える重合性基は、カチオン重合性を有することが好ましい。
これにより、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物が備える重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化をより確実に行うことができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える重合性基は、ラジカル重合性を有することが好ましい。
これにより、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物が備える重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化をより確実に行うことができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の発光層に用いられるキャリア輸送性化合物は、正孔輸送性を有する正孔輸送部を備える正孔輸送性化合物および電子輸送性を有する電子輸送部を備える電子輸送性化合物を含むことが好ましい。
かかる構成とすることにより、正孔および電子の双方の発光部への注入効率を向上させることができ、発光部をより確実に発光させることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記正孔輸送部は、アリールアミン骨格を含むものであることが好ましい。
このものを含む正孔輸送部は、特に正孔輸送性に優れるとともに、重合性基を比較的容易な方法で正孔輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記電子輸送部は、オキサジアゾール骨格またはトリアゾール骨格を含むものであることが好ましい。
このものを含む電子輸送部は、特に電子輸送性に優れるとともに、重合性基を比較的容易な方法で電子輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の発光層に用いられる前記発光部は、フルオレン骨格またはカルバゾール骨格を含むものであることが好ましい。
これらのものを含む発光部は、特に高い発光性を有するとともに、重合性基を比較的容易な方法で発光部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第2の発光層に用いられる前記発光部は、イリジウム錯体またはアルミニウム錯体を含むものであることが好ましい。
これらのものを含む発光部は、特に高い発光性を有するとともに、重合性基を比較的容易な方法で発光部に導入(連結)し得ることから好ましい。
本発明の発光装置の製造方法では、前記第1の被膜および前記第2の被膜の少なくとも一方は、前記発光部に励起エネルギーを供給するホスト部を備えるホスト性化合物を含むことが好ましい。
かかる構成とすることにより、形成される第1の発光層および第2の発光層の少なくとも一方において、正孔と電子が再結合する際に生じるホスト部におけるエネルギーの消失を確実に低減することができるため、発光部の発光効率の向上を図ることができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記ホスト性化合物は、重合性基を備えることが好ましい。
これにより、形成される第1の発光層および第2の発光層の少なくとも一方の層中において、発光性化合物、キャリア輸送性化合物およびホスト性化合物を重合反応させたランダムコポリマーを生成することができる。
本発明の発光装置の製造方法では、前記ホスト部は、アリールアミン骨格、カルバゾール骨格またはフルオレン骨格を含むものであることが好ましい。
これらのものを含むホスト部は、特に大きいバンドギャップを有することから好ましい。
本発明の電子機器の製造方法は、本発明の発光装置の製造方法を含むことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を製造することができる。
以下、本発明の発光装置の製造方法および電子機器の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態について説明する。
<発光装置>
まず、本発明の発光装置の製造方法により製造される発光装置(アクティブマトリクス型発光装置)について説明する。
図1は、本発明の発光装置の製造方法により製造されるアクティブマトリクス型発光装置の実施形態の縦断面図である。また、図2は、図1に示すアクティブマトリクス型発光装置の有機EL層の配置を示す平面図であり、図3は、有機EL層の他の配置を示す平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示すアクティブマトリクス型発光装置(以下、単に「発光装置」と言う。)10は、TFT回路基板20と、このTFT回路基板20上に設けられ、発光色が赤色(R)の発光素子11R、緑色(G)の発光素子11Gおよび青色(B)の発光素子11Bとを有している。
TFT回路基板20は、基板21と、この基板21上に形成された回路部22とを有している。
基板21は、発光装置110を構成する各部の支持体となるものである。
また、本実施形態の発光装置110は、基板21側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、基板21は、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)とされる。
基板21は、硬質基板または可撓性基板のいずれで構成されていてもよい。
硬質基板としては、例えば、各種ガラス基板、各種セラミックス基板、各種半導体基板や、各種高硬度の樹脂基板を好適に用いることもできる。
一方、可撓性基板としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォンのようなポリエーテル系樹脂等を主材料として構成される基板を用いることができる。中でも、ポリイミド系樹脂は、熱膨張率や熱収縮率が小さいため、ポリイミド系樹脂を主材料とする基板は、熱収縮率を低く抑えることができる。また、ポリエステル系樹脂を主材料として構成される基板は、寸法安定性が良いという利点がある。
さらに、このような樹脂材料に充填材、繊維を入れて積層したり、前熱処理や架橋度を調整することにより、可撓性基板の収縮率を低下させて、寸法安定性を向上させることもできる。
基板21の平均厚さは、特に限定されないが、1〜30mm程度であるのが好ましく、5〜20mm程度であるのがより好ましい。
回路部22は、基板21上に形成された下地保護層23と、下地保護層23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層25と、第2層間絶縁層26とを有している。
駆動用TFT24は、半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、それぞれ、発光素子11R、11G、11Bが設けられている。
本実施形態では、各発光素子11R、11G、11Bの陽極13は、個別電極(画素電極)を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線(導通部)27により電気的に接続されている。
また、隣接する発光素子11R、11G、11Bの有機EL層15R、15G、15B同士は、個別電極を構成する陽極13に対応するように区画形成され、平面視において、マトリクス状に配置されている(図2参照)。すなわち、各有機EL層15R、15G、15Bは、陽極13上および隔壁部131上の一部に亘って設けられ、それぞれが接触することなく個別に設けられている。
そして、図2中、2点鎖線で囲まれる部分(3つの発光素子11R、11G、11B)により1画素が構成されている。
なお、有機EL層15R、15G、15Bの配置は、図2に示すものに限定されず、例えば、図3(a)、(b)に示すようなものであってもよい。
また、各有機EL層15R、15G、15Bは、いずれも、そのサイズ(平面視での大きさ)がほぼ等しく設定されている。これにより、各有機EL層15R、15G、15Bの形成が容易となり、ひいては、発光装置110の製造工程の簡略化および製造コストの削減を図ることができる。
以下、発光素子11R、11G、11Bについて詳述する。
図1に示すように、発光素子11R、11G、11Bは、それぞれ、個別の陽極13と、共通の陰極18と、各陽極13と陰極18との間に、それぞれ、個別に設けられた有機EL層15R、15G、15Bとを有している。
なお、以下では、発光素子11R、11G、11Bを総称して発光素子11と、有機EL層15R、15G、15Bを総称して有機EL層15と言うことがある。
陽極13は、有機EL層15に正孔を注入する電極である。
この陽極13の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極13の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陽極13の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極13の厚さが薄すぎると、陽極13としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極13が厚過ぎると、陽極材料の種類等によっては、光の透過率が著しく低下し、発光素子11R、11G、11Bの構成がボトムエミッション型の場合、実用に適さなくなるおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
一方、陰極18は、有機EL層15に電子を注入する電極である。
この陰極18の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極18の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rb、Cr、Oy、Ndまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極18の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。これにより、陰極18の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
このような陰極18の平均厚さは、特に限定されないが、100〜10000nm程度であるのが好ましく、200〜500nm程度であるのがより好ましい。陰極18の厚さが薄すぎると、陰極18の機能が充分に発揮されなくなるおそれがある。
なお、本実施形態の発光素子11は、ボトムエミッション型であるため、陰極18に、光透過性は、特に要求されない。
陽極13と陰極18との間には、これらの双方に接触して、有機EL層(発光層)15が設けられている。
陽極13と陰極18との間に通電(電圧を印加)すると、陽極13から正孔が、陰極18から電子が、それぞれ有機EL層15に注入され、この有機EL層15において正孔と電子が再結合することにより発光する。
本発明の発光装置の製造方法では、各有機EL層15(15R、15G、15B)を個別に形成する工程に特徴を有する。以下では、後述する半発明の発光装置の製造方法により形成された有機EL層15の構成について説明する。
本実施形態では、赤色(第1の色)を発光する第1の有機EL層15Rと、緑色(第2の色)を発光する第2の有機EL層15Gと、青色(第3の色)を発光する第3の有機EL層15Bとがそれぞれ個別に設けられている。
第1の有機EL層15Rは、赤色(第1の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第1の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第1のキャリア輸送性化合物とを、それぞれが有する重合性基において重合反応させて得られたランダムコポリマーで構成される。
また、第2の有機EL層15Gは、緑色(第2の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第2の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第2のキャリア輸送性化合物とを、それぞれが有する重合性基において重合反応させて得られたランダムコポリマーで構成される。
さらに、第3の有機EL層15Bは、青色(第3の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第3の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第3のキャリア輸送性化合物とを、それぞれが有する重合性基において重合反応させて得られたランダムコポリマーで構成される。
換言すれば、各有機EL層15R、15G、15Bは、各色に発光する発光性を有する発光部とキャリア輸送性を有するキャリア輸送部とが、それぞれが有する重合性基が重合して得られた連結構造を介して任意の順序で結合した高分子で構成される。
以下、これらの第1〜第3の発光性化合物および第1〜第3のキャリア輸送性化合物について順次説明する。
第1〜第3の発光性化合物は、第1の色〜第3の色(赤色、緑色および青色)に発光する発光性を有する発光部と、これらの発光部に連結する光重合性を有する重合性基とを備えている。
第1の色〜第3の色を発光する発光部は、有機EL層15中に注入された正孔と電子とがこれらの発光部において再結合することにより、蛍光や燐光を発光する機能を有するものである。
すなわち、有機EL層15中に注入された正孔と電子とがそれぞれ発光部に供給され再結合する。そして、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際に、発光部において、エネルギー(蛍光や燐光)を放出(発光)する。
第1の色〜第3の色を発光する発光部としては、特に限定されないが、例えば、カルバゾール骨格、フルオレン骨格およびパラフェニレンビニレン骨格のうちの少なくとも1種を有する重合体を備えるものや、ペリレン、ルブレン、キナクリドン、クマリン、ナイルレッドのような色素、アルミニウム錯体、イリジウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体のような金属錯体等を備えるものが挙げられる。中でも、カルバゾール骨格を有する重合体、フルオレン骨格を有する重合体、アルミニウム錯体およびイリジウム錯体を備えるものであるのが好ましい。これらのものを備える発光部は、特に高い発光性を有するとともに、後述する重合性基を比較的容易な方法で発光部に導入(連結)し得ることから好ましい。
これらを含む第1の色〜第3の色を発光する発光部の具体例としては、例えば、下記化1−1〜化1−6に示す化合物を含むものが挙げられる。
Figure 2007257898
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ただし、2つのRは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
なお、これらの発光部には、発光性化合物溶媒への溶解性、または発光色等を調整するために、1または複数の置換基が導入されていてもよい。このような置換基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子のようなハロゲン原子や、炭素数6〜12の直鎖アルキル基等が挙げられる。
また、これらの発光部のうち前記化1−1〜化1−3で表されるものは、エキシトンが基底状態に戻る際に、燐光を発光するものであり、前記化1−4〜前記化1−6で表されるものは、蛍光を発光するものである。
これらの化合物を含むもののうち第1の色(赤色)を発光する発光部としては、前記化1−2および前記化1−3で表される化合物が挙げられる。
また、第2の色(緑色)を発光する発光部としては、前記化1−1および前記1−4で表される化合物が挙げられる。
さらに、第3の色(青色)を発光する発光部としては、下記化1−7および下記化1−8で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007257898
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第1〜第3の発光性化合物が備える光重合性を有する重合性基は、隣接する発光性物質が有する重合性基、または後述するキャリア輸送性化合物が有する重合性基と重合反応して、発光性化合物(発光部)同士、または発光性化合物(発光部)とキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)とを連結する機能を有するものである。
重合性基としては、後述する発光装置の製造方法において、光照射処理により重合反応し得るものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ基、オキセタン基のような環状エーテル基や、(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニルベンジルエーテル基、ビニル基、アリル基のようなアルケニル基を含むもの等をその末端に備える置換基が挙げられる。この重合性基の種類は、後述する重合開始剤の種類等に応じて適宜選択される。
なお、このような重合性基のうち、環状エーテル基をその末端に備える置換基は、ラジカル重合性を有するものであり、アルケニル基を含むものをその末端に備える置換基は、カチオン重合性を有するものである。
また、重合性基は、第1〜第3の発光性化合物において、それぞれ、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
重合性基は、第1〜第3の発光性化合物に少なくとも1つ導入されていればよいが、複数導入されているのが好ましい。すなわち、重合性基は、発光部に複数連結しているのが好ましい。これにより、発光性化合物(発光部)に連結する発光性化合物(発光部)およびキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)の数が増加し、発光部同士間、さらには発光部とキャリア輸送部間の離間距離が所定の距離に保持(規定)されることとなり、発光部へのキャリアの注入効率が向上する。さらに、ランダムコポリマーの形状が、線形すなわち直鎖状のものではなく、ネットワークを形成するように連結した構造を有するものすなわち3次元網目構造を有するものとなる。これにより、有機EL層15の耐熱性の向上、および、発光部へのキャリア注入効率の向上等を図ることができる。
なお、第1〜第3の発光性化合物がこれらの化合物内に重合性基を複数備える場合、重合性基は、上述したもののうち同種(または同一)のものであっても異なるものであってもよいが、同種(特に、同一)のものであるのが好ましい。これにより、各重合性基間の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化を確実に行うことができる。
上述したような第1〜第3の発光性化合物は、各有機EL層15R、15G、15B(各ランダムコポリマー)中に、それぞれ、1種含まれるものであってもよいし、発光部の構造が異なる2種以上が含まれるものであってもよい。かかる構成とすることにより、各有機EL層15R、15G、15Bの発光色を比較的容易に調整することができるという利点が得られる。
さらに、各有機EL層15R、15G、15B中には、ランダムコポリマーに連結しない発光性を有する化合物が含まれていてもよい。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、第1〜第3の発光性化合物から重合性基を除いた構成のもの、すなわち、発光部で挙げた化合物を好適に用いることができる。
第1〜第3のキャリア輸送性化合物は、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と、このキャリア輸送部に連結する重合性基とを備えている。
第1〜第3のキャリア輸送性化合物が有するキャリア輸送部は、電極(陽極13または陰極18)から注入されたキャリア(正孔または電子)を第1〜第3の発光性化合物が有する発光部に輸送する機能を有するものである。
このようなキャリア輸送部としては、陽極13から注入された正孔を発光部に輸送する正孔輸送部と、陰極18から注入された電子を発光部に輸送する電子輸送部とが挙げられる。
換言すれば、第1〜第3のキャリア輸送性化合物としては、正孔輸送性を有する正孔輸送部を備える正孔輸送性化合物と、電子輸送性を有する電子輸送部を備える電子輸送性化合物とが挙げられる。そして、各有機EL層15R、15G、15B中には、これらのうちの少なくとも一方が含まれていればよいが、双方が含まれているのが好ましい。かかる構成とすることにより、正孔および電子の双方の発光部への注入効率を向上させることができ、発光部をより確実に発光させることができる。
正孔輸送部としては、例えば、アリールアミン骨格、ジオキシチオフェン骨格、カルバゾール骨格、フタロシアニン骨格、ポリフィリン骨格を含むものが挙げられる。中でも、アリールアミン骨格を含むものであるのが好ましい。このものを含む正孔輸送部は、特に正孔輸送性に優れるとともに、後述する重合性基を比較的容易な方法で正孔輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
アリールアミン骨格を含む正孔輸送部の具体例としては、例えば、下記化2−1〜化2−6に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007257898
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なお、これらの正孔輸送部には、例えば、正孔輸送性化合物の溶媒への溶解性、または正孔輸送性等を調整するために、1または複数の置換基が導入されていてもよい。このような置換基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子のようなハロゲン原子や、炭素数6〜12の直鎖アルキル基等が挙げられる。
電子輸送部としては、例えば、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、トリアゾール骨格のようなアゾール系骨格、トリアジン骨格、ピリジン骨格を含むものが挙げられる。中でも、オキサジアゾール骨格またはトリアゾール骨格を含むものであるのが好ましい。このものを含む電子輸送部は、特に電子輸送性に優れるとともに、後述する重合性基を比較的容易な方法で電子輸送部に導入(連結)し得ることから好ましい。
オキサジアゾール骨格を含む電子輸送部の具体例としては、例えば、下記化3−1〜化3−4に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007257898
Figure 2007257898
Figure 2007257898
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トリアゾール骨格を含む電子輸送部の具体例としては、例えば、下記化4−1〜化4−2に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007257898
Figure 2007257898
なお、これらの電子輸送部には、例えば、電子輸送性化合物の溶媒への溶解性、または電子輸送性等を調整するために、1または複数の置換基が導入されていてもよい。このような置換基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子のようなハロゲン原子や、炭素数6〜12の直鎖アルキル基等が挙げられる。
第1〜第3のキャリア輸送性化合物が有する重合性基は、前述した第1〜第3の発光性化合物が有する重合性基と同様に、隣接する発光性化合物が有する重合性基、またはキャリア輸送性化合物が有する重合性基と重合反応して、発光性化合物(発光部)とキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)とを、またはキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)同士を連結する機能を有するものである。
第1〜第3のキャリア輸送性化合物が有する重合性基としては、前述した第1〜第3の発光性化合物が有する重合性基と同様の置換基が挙げられる。
この重合性基は、第1〜第3のキャリア輸送性化合物において、それぞれ、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、重合性基は、第1〜第3のキャリア輸送性化合物に少なくとも1つ導入されていればよいが、複数導入されているのが好ましい。すなわち、重合性基は、キャリア輸送部に複数連結しているのが好ましい。これにより、キャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)に連結する、発光性化合物(発光部)およびキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)の数が増加し、発光部とキャリア輸送部間、さらにはキャリア輸送部同士間の離間距離が所定の距離に保持(規定)されることとなり、キャリア輸送部から発光部へのキャリアの注入効率が向上する。さらに、ランダムコポリマーの構造(形状)が、線形のものではなく、ネットワークを形成するように連結した構造を有するものすなわち3次元網目構造を有するものとなる。これにより、有機EL層15の耐熱性の向上、および、キャリア輸送部から発光部へのキャリア注入効率の向上等を図ることができる。
なお、第1〜第3のキャリア輸送性化合物がこれらの化合物内に重合性基を複数備える場合、重合性基は、同種(または同一)のものであっても異なるものであってもよいが、同種(特に同一)のものであるのが好ましい。これにより、各重合性基間の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化を確実に行うことができる。
また、第1〜第3の発光性化合物が有する重合性基と第1〜第3のキャリア輸送性化合物が有する重合性基とは、同種(または同一)のものであっても異なるものであってもよいが、同種(特に同一)のものであるのが好ましい。これにより、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とが有する重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とのランダム化をより確実に行うことができる。
なお、上述したような正孔輸送性化合物は、各有機EL層15R、15G、15B(ランダムコポリマー)中に、1種含まれるものであってもよいし、正孔輸送部の構造が異なる2種以上が含まれるものであってもよい。また、電子輸送性化合物も同様に、各有機EL層15R、15G、15B(ランダムコポリマー)中に、1種含まれるものであってもよいし、電子輸送部の構造が異なる2種以上が含まれるものであってもよい。
さらに、各有機EL層15R、15G、15Bには、それぞれ、上述した第1〜第3の発光性化合物および第1〜第3のキャリア輸送性化合物の他に、第1〜第3の発光性化合物が有する発光部に励起エネルギーを供給するホスト部を備えるホスト性化合物が含まれていてもよい。
このようなホスト性化合物が各有機EL層15R、15G、15Bに含まれる構成とすることにより、正孔および電子の少なくとも一部が発光部に注入(供給)されることなくホスト性化合物が有するホスト部に注入され、このホスト部から励起エネルギ−が第1〜第3の発光性化合物が有する発光部(ゲスト)に移動されることとなる。
すなわち、ホスト部に、陽極13から注入された正孔と、陰極18から注入された電子とがそれぞれ供給され、このホスト部において再結合する。そして、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成され、このエキシトンが基底状態に戻る際に励起エネルギーを放出し、この励起エネルギーが発光(ゲスト)部に移動されることとなる。その結果、この励起エネルギーにより、エキシトンが生成され、基底状態に戻る際に蛍光や燐光を発光する。かかる構成とすることにより、ホスト部において正孔と電子が再結合する際に生じるエネルギーの消失を確実に低減することができるため、発光部の発光効率の向上を図ることができる。
ホスト部としては、各種の化合物が用いられるが、そのバンドギャップ(禁止帯幅)の大きさが3eV以上であるものが好適に用いられ、例えば、カルバゾール骨格、アリールアミン骨格、フルオレン骨格、フェナントロリン骨格のうちの少なくとも1種を有する重合体を含むものが挙げられる。中でも、カルバゾール骨格またはアリールアミン骨格を有する重合体を含むものであるのが好ましい。これらのものを含むホスト部は、特に大きいバンドギャップを有することから好ましい。
これらを含むホスト部の具体例としては、例えば、前記と同様の化合物が挙げられる。
なお、これらのホスト部には、1または複数の置換基が導入されていてもよい。このような置換基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子のようなハロゲン原子や、炭素数6〜12の直鎖アルキル基等が挙げられる。
なお、有機EL層15中に、このようなホスト性化合物が含まれる構成とするのは、特に、発光性化合物が有する発光部として、前記化1−1〜1−3で表される化合物のような燐光を発光する化合物を用いる場合に適応するのが有効である。
また、ホスト性化合物は、有機EL層15中において、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物を重合反応させて得られたランダムコポリマーに連結することなく含まれるものであってもよいが、発光性化合物、キャリア輸送性化合物およびこのホスト性化合物を重合反応させて得られたランダムコポリマーとして含まれるものであるのが好ましい。
そのため、ホスト性化合物は、ホスト部に連結する重合性基を備えるものであるのが好ましい。これにより、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とホスト性化合物とを、それぞれの化合物が有する重合性基において重合反応させたランダムコポリマーを得る(生成する)ことができる。
ホスト性化合物が有する重合性基は、前述した発光性化合物が有する重合性基と同様の置換基を用いることができる。
また、ホスト性化合物が有する重合性基は、この化合物中に少なくとも1つ導入されていればよいが、複数導入されているのが好ましい。すなわち、重合性基は、ホスト部に複数連結しているのが好ましい。これにより、ホスト性化合物(ホスト部)に連結する、発光性化合物(発光部)、キャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)およびホスト性化合物(ホスト部)の数が増加し、発光部、キャリア輸送部およびホスト部間の離間距離が所定の距離に保持(規定)されることとなり、キャリア輸送部からホスト部へのキャリアの注入効率さらにはホスト部から発光部への励起エネルギーの移動効率が向上する。さらに、ランダムコポリマーの構造(形状)が、線形のものではなく、ネットワークを形成するように連結した構造を有するものすなわち3次元網目構造を有するものとなる。これにより、有機EL層15の耐熱性の向上、および、キャリア輸送部からホスト部へのキャリアの注入効率の向上、ホスト部から発光部への励起エネルギーの移動効率の向上等を図ることができる。
なお、ホスト性化合物が重合性基を複数有する場合、これらの重合性基は、同種(または同一)のものであっても異なるものであってもよいが、同種(特に同一)のものであるのが好ましい。これにより、各重合性基間の反応性が均一なものとなり、発光性化合物、キャリア輸送性化合物およびホスト性化合物のランダム化を確実に行うことができる。
また、発光性化合物が有する重合性基、キャリア輸送性化合物が有する重合性基およびホスト性化合物が有する重合性基は、同種(または同一)のものであっても異なるものであってもよいが、同種(特に同一)のものであるのが好ましい。これにより、それぞれの化合物が有する重合性基の反応性が均一なものとなり、発光性化合物、キャリア輸送性化合物およびホスト性化合物のランダム化をより確実に行うことができる。
このようなランダムコポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜1000000程度であるのが好ましく、15000〜300000程度であるのがより好ましい。これにより、有機EL層15中において、ランダムコポリマー同士が高密度に絡み合うこととなり、キャリア輸送部から発光部へのキャリアの受け渡しをより円滑に行うことができる。
なお、有機EL層15は、発光部が優れた発光特性を発揮し得る範囲において、発光性化合物およびキャリア輸送性化合物の低分子(モノマーやオリゴマー)を含んでいてもよい。
なお、有機EL層15の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、10〜300nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
このようなランダムコポリマーは、1分子(高分子)中に、発光部とキャリア輸送部(正孔輸送部、電子輸送部)とを有しているので、1層で、発光層およびキャリア輸送層の機能を併せもつ有機EL層15とすることができる。
上述したような構成の発光装置110に対して、図示しない封止部材が、発光素子11全体を覆うように設けられ、これらを気密的に封止している。
この封止部材は、外気からの酸素や水分の浸入を抑制する機能を有し、発光素子11を構成する各部(各層)の変質・劣化を防止して、発光素子11の信頼性や耐久性の向上を図ることができる。
封止部材の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。
また、封止部材は、平板状として、TFT回路基板20と対向させ、これらの間を、例えば熱硬化性樹脂等のシール材で封止するようにしてもよい。
<発光装置の製造方法>
上述したような発光装置110は、本発明の発光装置の製造方法により、例えば、次のようにして製造することができる。
以下、発光装置110の製造方法(本発明の発光装置の製造方法)について説明する。
図4および図5は、本発明の発光装置の製造方法をアクティブマトリクス型発光装置の製造に適用した場合の実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図4および図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1] まず、基板21を用意し、基板21上に、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約200〜500nmの酸化シリコンを主材料として構成される下地保護層23を形成する。
[2] 次に、下地保護層23上に、駆動用TFT24を形成する。
まず、基板21を約350℃に加熱した状態で、下地保護層23上に、例えばプラズマCVD法等により、平均厚さが約30〜70nmのアモルファスシリコンを主材料として構成される半導体膜を形成する。
次いで、半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法等により結晶化処理を行い、アモルファスシリコンをポリシリコンに変化させる。
ここで、レーザアニール法では、例えば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm程度に設定される。また、ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次いで、半導体膜をパターニングして島状とし、各島状の半導体膜241を覆うように、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約60〜150nmの酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるゲート絶縁層242を形成する。
次いで、ゲート絶縁層上に、例えば、スパッタ法等により、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングし、ゲート電極243を形成する。
次いで、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極243に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
[3] 次に、駆動用TFT24に電気的に接続されるソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
まず、ゲート電極243を覆うように、第1層間絶縁層25を形成した後、コンタクトホールを形成する。
次いで、コンタクトホール内にソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[4] 次に、ドレイン電極245と陽極13とを電気的に接続する配線(中継電極)27を形成する。
まず、第1層間絶縁層25上に、第2層間絶縁層26を形成した後、コンタクトホールを形成する。
次いで、コンタクトホール内に配線27を形成する。
[5] 次に、第2層間絶縁層26上に、配線27に接触するように陽極(画素電極)3を形成する。
この陽極13は、ゲート電極243と同様にして形成することができる。
[6] 次に、図4(a)に示すように、第2層間絶縁層26上に、各陽極13を区画するように、隔壁部(バンク)131を形成する。
すなわち、得られる隔壁部131の開口部において、各陽極13が露出するように、隔壁部131を形成する。そして、この開口部において、次工程[7]で形成する有機EL層15と陽極13とが接触し、この開口部が有機EL層15が発光する発光領域となる。
なお、第1隔壁部31は、陽極13および第2層間絶縁膜26を覆うように絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
ここで、隔壁部131の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、下地層との密着性等を考慮して選択される。
具体的には、隔壁部131の構成材料としては、例えば、SiOのような無機材料が挙げられる他、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂のような有機材料が挙げられる。
また、隔壁部131の開口部の形状は、図2に示すように、正方形(四角形)の他、例えば、円形、楕円形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
なお、この隔壁部131は、陽極13の形状によっては、その形成を省略することもできる。
[7] 次に、図4(a)に示すような構成の陽極13上に、赤色(第1の色)に発光する有機EL層15Rと、緑色(第2の色)に発光する有機EL層15Gと、青色(第3の色)に発光する有機EL層15Bとを、図5(i)に示すように形成する。
さて、本発明の発光装置の製造方法では、これらの有機EL層15R、15G、15Bの形成方法に特徴を有する。
前述した背景技術で説明したように、基板上に開口部を備えるバンクを形成し、インクジェット法を用いてこの開口部に発光材料を含有する液状材料を供給して有機EL層を形成する方法では、液状材料の調製に用いる発光材料および溶媒の選択の幅が狭くなるという問題がある。
そこで、本発明者は、有機EL層(発光層)を、基板上にバンクを設けることなく所望の形状に形成し得る方法について鋭意検討した結果、以下のような方法を用いることにより所望の形状の有機EL層を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、I:まず、発光性を有するモノマー(発光性化合物)とキャリア輸送性を有するモノマー(キャリア輸送性化合物)とを含む被膜を基板上に形成する。II:次に、この被膜の所定の領域に光を照射することにより、この被膜中に存在する、発光性を有するモノマーとキャリア輸送性を有するモノマーとをランダム重合させた。すなわち、発光性化合物とキャリア輸送性化合物とで構成されるランダムコポリマーを光が照射された領域に存在する被膜中に形成した。III:次に、被膜の光が照射されていない領域、すなわちランダムコポリマーが形成されていない領域に存在する被膜を除去して、光が照射された領域のみにランダムコポリマーで構成される層を形成した。そして、このランダムコポリマーで構成される層に電圧を印加すると、この層(有機EL層)が発光性化合物とキャリア輸送性化合物とが1分子内で連結する構成となっていることから、この有機EL層に優れた発光特性を発揮させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、各有機EL層15R、15G、15Bの形成方法について説明する。
[7−1] まず、図4(b)に示すように、陽極(第1の電極)13上および隔壁部131上に、赤色(第1の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第1の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第1のキャリア輸送性化合物とを含む第1の被膜14Rを形成する(第1の工程)。
この第1の被膜14Rを形成する方法としては、液相プロセスや気相プロセスのような各種プロセスにより形成することができるが、液相プロセスにより形成するのが好ましい。
液相プロセスによれば、気相プロセスで用いられる真空装置のような大掛かりな装置を用いることなく、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物とを含む第1の液状材料を陽極13および隔壁部131上に供給するという比較的簡単な工程で前記第1の被膜を形成し得ることから好ましい。
以下では、液相プロセスにより陽極13および隔壁部131上に前記第1の被膜を形成する場合を一例に説明する。
まず、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物とを含有する第1の液状材料を陽極13および隔壁部131上に塗布法等を用いて供給して、第1の被膜14Rを形成する。
この第1の被膜14R中における第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物との比は、用いる第1の発光性化合物(発光部)および第1のキャリア輸送性化合物(キャリア輸送部)の種類によって大きく異なるが、重量比で1:100〜90:10であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、形成される有機EL層15R中において、電極から注入されたキャリアを、キャリア輸送部を介して確実に発光部に供給することができ、発光部へのキャリアの注入効率の向上を図ることができる。
塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法が挙げられ、これらの中でも、スピンコート法を用いるのが好ましい。スピンコート法によれば、第1の液状材料の粘度および表面張力の範囲を比較的広く設定することができることから、第1の液状材料に含まれる第1の発光性化合物、第1のキャリア輸送性化合物および溶媒の選択の幅が広がるという利点が得られる。
また、第1の液状材料の粘度および表面張力を調整する各種調整剤を添加する必要性も低いことから、次工程[7−2]で形成される有機EL層15R中においてランダムコポリマーが各種調整剤により変質・劣化するのを確実に防止することができる。
第1の液状材料の調製に用いる溶媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
また、第1の液状材料には、重合開始剤が含まれるのが好ましい。これにより、次工程[7−2]において、第1の被膜に光を照射する際に、第1の被膜中における第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物との重合反応を促進させることができる。
重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、光カチオン重合開始剤や光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
なお、第1の発光性化合物が有する重合性基および第1のキャリア輸送性化合物が有する重合性基としては、前述したように同種(特に同一)のものであるのが好ましく、これらの重合性基として、例えば、その末端に(メタ)アクリロイル基、ビニルベンジルエーテル基、またはアリル基を有するものを選択した場合、すなわち、ラジカル重合性を有するものを選択した場合、重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を用いるのが特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、各種の光ラジカル重合開始剤を用いることができるが、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンジケタ−ル系、ミヒラ−ズケトン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ケトクマリン系、キサンテン系およびチオキサントン系等の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
また、前記重合性基として、例えば、その末端にエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を有するものを選択した場合、すなわち、カチオン重合性を有するものを選択した場合、重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤を用いるのが特に好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、各種の光カチオン重合開始剤を用いることができるが、例えば、芳香族スルホニウム塩系、芳香族ヨードニウム塩系、芳香族ジアゾニウム塩系、ピリジウム塩系および芳香族ホスホニウム塩系等のオニウム塩系の光カチオン重合開始剤や、鉄アレーン錯体およびスルホン酸エステル等の非イオン系の光カチオン重合開始剤を用いることができる。
用いる重合性基の種類に応じて、上述したような重合開始剤を適宜選択することにより、次工程[7−2]において、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物との重合反応を比較的容易に進行させることができる。
なお、第1の液状材料中には、光重合開始剤に適した増感剤を添加するようにしてもよい。
[7−2] 次に、図4(c)に示すように、例えは、有機EL層15Rを形成する領域に開口部を有するマスクを用いて、第1の被膜14Rに光を照射することにより、第1の被膜14R中において、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物とを重合させ、この第1の被膜14Rの光が照射された領域を硬化させて、有機EL層(第1の発光層)15Rを得る(第2の工程)。
第1の被膜14Rに照射する光としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線およびX線等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、紫外線を用いるのが特に好ましい。これにより、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物との重合反応を容易かつ確実に進行させることができる。
光照射する紫外線の波長は、100〜420nm程度であるのが好ましく、150〜400nm程度であるのがより好ましい。
また、紫外線の照射強度は、1〜600mW/cm程度であるのが好ましく、1〜300mW/cm程度であるのがより好ましい。
さらに、紫外線の照射時間は、10〜900秒程度であるのが好ましく、10〜600秒程度であるのがより好ましい。
紫外線の波長、照射強度および照射時間をかかる範囲にすることにより、第1の被膜14R中における第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物との重合反応の進行を比較的容易に制御することができる。
[7−3] 次に、図4(d)に示すように、第1の被膜14Rの光照射領域以外の領域、すなわち有機EL層15Rが形成された領域以外の領域を除去する(第3の工程)。
この第1の被膜14Rを除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、第1の液状材料を調製する際に用いた溶媒を供給して第1の被膜14Rを溶解する方法が好適に用いられる。
かかる方法によれば、第1の被膜14Rを確実に除去し得るとともに、ランダムコポリマー(高分子)で構成される有機EL層15Rが溶媒中に溶解するのを確実に防止することができる。
[7−4] 次に、図5(f)に示すように、陽極(第1の電極)13上、隔壁部131上および有機EL層15R上に、緑色(第2の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第2の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第2のキャリア輸送性化合物とを含む第2の被膜14Gを形成する(第4の工程)。
この第2の被膜14Gを形成する方法としては、前記工程[7−1]で説明した第1の被膜14Rを形成する方法と同様のものを用いることができる。
なお、第2の被膜14G中における第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物との比は、用いる第2の発光性化合物(発光部)および第2のキャリア輸送性化合物(キャリや輸送部)の種類によって大きく異なるが、重量比で1:100〜90:10であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、形成される有機EL層15G中において、電極から注入されたキャリアを、キャリア輸送部を介して確実に発光部に供給することができ、発光部へのキャリアの注入効率の向上を図ることができる。
ここで、有機EL層15Rは、高分子(ランダムコポリマー)で構成されていることから、この有機EL層15Rの耐久性すなわち耐溶剤性が向上している。そのため、図5(f)に示すように、有機EL層15R上に第2の被膜14Gを形成する場合であっても、第2の被膜14Gを形成する際に用いられる第2の液状材料に含まれる溶媒により、有機EL層15Rに含まれるランダムコポリマーが膨潤または溶解されるのを的確に抑制または防止することができる。その結果、有機EL層15Rと第2の被膜14Gとの相溶解が確実に防止される。
[7−5] 次に、図5(g)に示すように、例えば、有機EL層15Gを形成する領域に開口部を有するマスクを用いて、第2の被膜14Gに光を照射することにより、第2の被膜14G中において、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物とを重合させ、この第2の被膜14Gの光が照射された領域を硬化させて、有機EL層(第2の発光層)15Gを得る(第5の工程)。
第2の被膜14Gに照射する光としては、前記工程[7−2]において第1の被膜14Rに照射する光として説明したのと同様のものを用いることができる。
[7−6] 次に、図5(h)に示すように、第2の被膜14Gの光照射領域以外の領域、すなわち有機EL層15Gが形成された領域以外の領域を除去する(第6の工程)。
この第2の被膜14Gを除去する方法としては、前記工程[7−3]において第1の被膜14Rを除去する方法として説明したのと同様の方法を用いることができる。
[7−7] 次に、陽極(第1の電極)13上、隔壁部131上および有機EL層15R、15G上に、青色(第3の色)に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える第3の発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備える第3のキャリア輸送性化合物とを含む第3の被膜を形成する。
この第3の被膜を形成する方法としては、前記工程[7−1]で説明した第1の被膜14Rを形成する方法と同様のものを用いることができる。
なお、第3の被膜中における第3の発光性化合物と第3のキャリア輸送性化合物との比は、用いる第3の発光性化合物(発光部)および第3のキャリア輸送性化合物(キャリや輸送部)の種類によって大きく異なるが、重量比で1:100〜90:10であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、形成される有機EL層15B中において、電極から注入されたキャリアを、キャリア輸送部を介して確実に発光部に供給することができ、発光部へのキャリアの注入効率の向上を図ることができる。
[7−8] 次に、例えば、有機EL層15Bを形成する領域に開口部を有するマスクを用いて、第3の被膜に光を照射することにより、第3の被膜中において、第3の発光性化合物と第3のキャリア輸送性化合物とを重合させ、この第3の被膜の光が照射された領域を硬化させて、有機EL層15Bを得る。
第3の被膜に照射する光としては、前記工程[7−2]において第1の被膜14Rに照射する光として説明したのと同様のものを用いることができる。
[7−9] 次に、第3の被膜の光照射領域以外の領域、すなわち有機EL層15Bが形成された領域以外の領域を除去する。
この第3の被膜を除去する方法としては、前記工程[7−3]において第1の被膜14Rを除去する方法として説明したのと同様の方法を用いることができる。
以上の工程を経て、図5(i)に示すように、陽極13上に、各有機EL層15R、15G、15Bが形成される。
[8] 次に、各有機EL層15R、15G、15Bおよび隔壁部131を覆うように陰極18を形成する。
すなわち、有機EL層15の陽極13と反対側に陰極(第2の電極)を設ける(第7の工程)。
陰極18は、真空蒸着法、スパッタリング法のような気相成膜法や、金属微粒子インクを用いた液相成膜法、導電性シート材(金属箔)の接合等を用いて形成することができる。
[9] 次に、各発光素子11を箱状の封止部材で覆い、TFT回路基板20に各種硬化性樹脂(接着剤)で接合する。これにより、各発光素子11を封止部材により封止し、発光装置110を完成する。
硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、反応性硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂のいずれも使用可能である。
以上のような工程を経て、発光装置110が製造される。
以上のような製造方法によれば、第2層間絶縁層26上にバンクを形成することなく、所望の形状の各有機EL層15R、15G、15Bを形成することができる。
また、有機EL層15がランダムコポリマー(高分子)で構成されることから、有機EL層15の構成材料が経時的に有機EL層15の外側に溶出するようになるのを確実に防止することができ、有機EL層15の変質・劣化を好適に防止または抑制することができる。
さらに、有機EL層15の形成や、金属微粒子インクを使用する場合は陰極の形成においても、真空装置等の大掛かりな設備を要しないため、発光素子11(発光装置110)の製造時間および製造コストの削減を図ることができる。
また、有機EL層15は、これを構成するランダムコポリマーが、発光機能およびキャリア輸送機能を有しているので、1層で、発光層およびキャリア輸送層の機能を発揮することができる。したがって、発光素子11を製造するための工程数を削減することができ、素子の生産性の向上を図ることができる。
なお、発光装置の駆動方式としては、本実施形態で説明したアクティブマトリックス方式のものに限定されず、パッシブマトリックス方式のものであってもよい。
<電子機器>
次に、上述した発光装置を備える電子機器について説明する。
図6は、発光装置を備えるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述の発光装置110で構成されている。
図7は、発光装置を備える携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述の発光装置110で構成されている。
図8は、発光装置を備えるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述の発光装置110で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、発光装置を備える電子機器は、図6のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図7の携帯電話機、図8のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
このような構成の電子機器の製造方法には、左記に説明した発光装置の製造方法が含まれていればよい。
以上、本発明の発光素子の製造方法、発光装置の製造方法および電子機器の製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.化合物の合成
まず、以下に示すような化合物をそれぞれ合成した。
・下記化5−1に示す重合性イリジウム錯体[A1]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性イリジウム錯体[A1]は、緑色に発光する化合物である。
まず、下記化5−2に示す合成経路を経て、2−(4−ビニルフェニル)ピリジン[A11]を合成した。
Figure 2007257898
まず、2−ヨードピリジン(10mmol)のキシレン溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1mmol)、および4−ビニルフェニルボロン酸(10mmol:東京化成社製)を加え、撹拌した。
次に、窒素雰囲気下、この混合溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、12時間加熱還流した。
次に、この反応混合物に、塩化メチレン/水を加え、水層を塩化メチレンで抽出した。
次に、回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮し、析出した固体をキシレンで再結晶を行って、2−(4−ビニルフェニル)ピリジン[A11](収率65%)を得た。
次に、下記化5−3に示す合成経路を経て、重合性イリジウム錯体(2−(4−ビニルフェニル)ピリジン・イリジウム錯体)[A1]を合成した。
Figure 2007257898
まず、三塩化イリジウム(III)水和物(300mg)、および前記合成した2−(4−ビニルフェニル)ピリジン[A11](4.5g,25mmol)を、エチレングリコール(40mL)に加え、この混合溶液に窒素バブリングを行った。
次に、この混合溶液を窒素気流下でマントルヒータを用いて6時間加熱還流した。
次に、この反応溶液を室温まで冷却した後、析出した固体を濾別し、水、キシレンの順で洗浄した後、減圧乾燥を行って、重合性イリジウム錯体[A1](収率48%)を得た。
なお、重合性イリジウム錯体[A1]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化6−1に示す重合性イリジウム錯体[A2]の合成
なお、この重合性イリジウム錯体[A2]は、緑色に発光する化合物である。
Figure 2007257898
まず、下記化6−2に示す合成経路を経て、ベンジルエーテルボロン酸誘導体[A23]を合成した。
Figure 2007257898
まず、4−ブロモベンジルアルコール(1mol)を、無水ジメチルホルムアミド中で、4−メトキシベンジルブロミドと水素化ナトリウムとで処理し、ヒドロキシル基を4−メトキシベンジルエーテル基に変換して、4−ブロモベンジルエーテル誘導体[A22]を得た。
次に、前記合成した4−ブロモベンジルエーテル誘導体[A22](15mmol)と、金属マグネシウム(20mmol)とを無水THFに溶解し、グリニャール試薬を調製した。
次に、窒素ガス雰囲気下、この反応混合液を−15℃に保ちながら、トリメトキシボロン酸(15mmol)の無水THF溶液をゆっくり滴下し、そのままの温度で1時間撹拌した。
次に、この反応混合液に、10%硫酸水溶液を10g加え、そのまま室温に戻しながら、24時間撹拌した。
次に、この反応混合液から、THFを減圧除去し、純水/エーテルを加え、エーテルで水層を抽出した。
次に、回収した有機層に無水硫酸マグネシウムを添加し乾燥させた後、溶媒を減圧濃縮して、析出した固体を取り出し、キシレンで再結晶を行って、ベンジルエーテルボロン酸誘導体[A23](収率60%)を得た。
なお、ベンジルエーテルボロン酸誘導体[A23]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IRにより確認した。
次に、下記化6−3に示す合成経路を経て、2−(4−(4−メトキシベンジルオキシ)メチルフェニル)ピリジン[A21]を合成した。
Figure 2007257898
まず、2−ヨードピリジン(10mmol)のキシレン溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1mmol)、前記合成したベンジルエーテルボロン酸誘導体[A23](10mmol)を加え、撹拌した。
次に、窒素雰囲気下、この混合溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、15時間加熱還流した。
次に、この反応混合物に、塩化メチレン/水を加え、水層を塩化メチレンで抽出した。
次に、回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮し、析出した固体をキシレンで再結晶を行って、2−(4−(4−メトキシベンジルオキシ)メチルフェニル)ピリジン[A21](収率58%)を得た。
次に、下記化6−4に示す合成経路を経て、イリジウム錯体[A24]を合成した。
Figure 2007257898
まず、三塩化イリジウム(III)水和物(300mg)、および前記合成したピリジン誘導体[A21](6.9g,25mmol)を、エチレングリコール(50mL)に加え、この混合溶液に窒素バブリングを行った。
次に、この混合溶液を窒素気流下でマントルヒータを用いて6時間加熱還流した。
次に、この反応溶液を室温まで冷却した後、析出した固体を濾別し、水、キシレンの順で洗浄した後、減圧乾燥して、イリジウム錯体[A24]を得た。
次に、下記化6−5に示す合成経路を経て、重合性イリジウム錯体(2−(4−(グリシジルオキシメチル)フェニル)ピリジン・イリジウム錯体)[A2]を合成した。
Figure 2007257898
まず、得られたイリジウム錯体[A24](10mmol)、およびパラジウム炭素0.5gを添加したキシレン/酢酸エチル混合液(150mL)を、窒素雰囲気下で水素還元し、ベンジル基の脱保護を行って、2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピリジン・イリジウム錯体[A25]を得た。
次に、この反応溶液を、エピクロルヒドリン(30g)、および少量のテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(相関移動触媒)を添加した50%水酸化ナトリウム水溶液に加え、室温下で12時間撹拌した。
次に、反応溶液中の固体を濾別し、キシレン/メタノールで数回精製して、重合性イリジウム錯体[A2]を得た。
なお、重合性イリジウム錯体[A2]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化7に示す重合性イリジウム錯体[A3]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性イリジウム錯体[A3]は、赤色に発光する化合物である。
この重合性イリジウム錯体(2−(4−ビニルフェニル)キノリン・イリジウム錯体)[A3]は、2−ヨードピリジンに代えて、2−クロロキノリンを用いた以外は、前記重合性イリジウム錯体[A1]と同様にして合成した。
なお、重合性イリジウム錯体[A3]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化8に示す重合性イリジウム錯体[A4]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性イリジウム錯体[A4]は、青色に発光する化合物である。
この重合性イリジウム錯体(2−(2−フルオロ−4−グリシジルオキシメチルフェニル)ピリジン・イリジウム錯体)[A4]は、4−ブロモベンジルアルコールに代えて、4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミドを用いた以外は、前記重合性イリジウム錯体[A2]と同様にして合成した。
なお、重合性イリジウム錯体[A3]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化9−1に示す重合性イリジウム錯体[A5]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性イリジウム錯体[A5]は、赤色に発光する化合物である。
まず、下記化9−2に示す合成経路を経て、2−(4−ベンジルオキシメチルフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール[A51]を合成した。
Figure 2007257898
まず、4−ヒドロキシメチル安息香酸(10mmol)と、2−アミノチオフェノール(10mmol)とを、ポリリン酸(50g)に添加し、激しく撹拌した。
次に、この混合液をゆっくりと250℃まで加熱し、そのままの温度で4時間撹拌した。
次に、100℃まで反応液を冷却し、液を撹拌しながら多量の純水を注いだ。
次に、析出した固体を濾別し、少量の純水で洗った後、その固体を10%炭酸ナトリウム水溶液中で再度撹拌して固体を濾別し、純水で濾液が中性になるまで洗った後、乾燥して、2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール[A52]を得た。
次に、水酸基をベンジル基で保護するために、無水ジメチルホルムアミド中で、ベンジルブロミドと水素化ナトリウムで処理し、水酸基をベンジルエーテル基に変換した2−(4−ベンジルオキシメチルフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール[A51]を得た。
次に、前記化6−4および化6−5と同様の合成経路により、重合性イリジウム錯体(2−(4−グリシジルオキシメチルフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール・イリジウム錯体)[A5]を合成した。
なお、重合性イリジウム錯体[A5]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化10−1に示す重合性イリジウム錯体[A6]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性イリジウム錯体[A6]は、緑色に発光する化合物である。
まず、前記化6−1〜8に示す合成経路を経て、2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピリジン・イリジウム錯体[A25]を合成した。
次に、下記化10−2に示す合成経路を経て、重合性イリジウム錯体2−[4−(2−オキセタニルブチルオキシメチル)フェニル] ピリジン・イリジウム錯体[A6]を合成した。
Figure 2007257898
まず、前記合成した2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピリジン・イリジウム錯体[A25]と、臭化チオニルとを混合し、この混合液を加熱して、2−(4−(ブロモメチル)フェニル)ピリジン・イリジウム錯体[A61]を得た。
次に、この反応溶液を、3−エチルー3−ヒドロキシメチルオキセタン、および少量のテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(相関移動触媒)を添加した50%水酸化ナトリウム水溶液に加え、室温下で12時間撹拌した。
次に、反応溶液中の固体を濾別し、キシレン/メタノールで数回精製して、重合性イリジウム錯体[A6]を得た。
なお、重合性イリジウム錯体[A6]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化11−1に示す重合性アルミニウム錯体[A7]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性アルミニウム錯体[A7]は、緑色に発光する化合物である。
まず、下記化11−2に示す合成経路を経て、5−ヒドロキシメチル−7−プロピルキノリノール[A71]を合成した。
Figure 2007257898
まず、7−プロピル−8−キノリノール(20mmol)と、パラホルムアルデヒド(0.75g)とを、1,2−ジメトキシエタン/キシレン混合溶液(100mL)に加え撹拌した。
次に、この混合液を135℃で12時間加熱還流した。
次に、室温まで冷却後、反応混合物にメタノールを加え、析出した固体を濾別し、少量のキシレンで洗った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=3:97)にて分離精製し、5−ヒドロキシメチル−7−プロピルキノリノール[A71](収率23%)を得た。
また、下記化11−3に示す合成経路を経て、アルミニウム錯体[A72]を合成した。
Figure 2007257898
まず、25wt%トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(20mL;36mmol)に、8−キノリノール(72mmol)のトルエン溶液(100mL)を室温で1時間かけて滴下した。
次に、室温下、そのまま12時間攪拌した後、沈殿している固体を濾別した後、その濾液を減圧濃縮し、析出した固体を少量のトルエンで洗浄し、アルミニウム錯体[A72](収率95%)を得た。
次に、下記化11−4に示す合成経路を経て、アルミニウム錯体のアルコール体[A73]を合成した。
Figure 2007257898
まず、前記合成したアルミニウム錯体[A72](3mmol)のキシレン溶液(30mL)に、前記合成した8−キノリノール誘導体[A71](3mmol)のキシレン溶液(15mL)を室温で1時間かけて滴下した。
次に、この反応混合物を室温で8時間攪拌した。
次に、この反応混合物を減圧濃縮し、析出した固体を少量のキシレンで洗浄した。
次に、得られた固体を塩化メチレンを用いて再結晶して、アルミニウム錯体のアルコール体[A73]を得た。
次に、前記化6−5と同様の合成経路によりエポキシ基を導入して、重合性アルミニウム錯体[A7]を得た。
なお、重合性アルミニウム錯体[A7]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化12に示す重合性アルミニウム錯体[A8]の合成
Figure 2007257898
なお、この重合性アルミニウム錯体[A8]は、緑色に発光する化合物である。
この重合性アルミニウム錯体[A8]は、エピクロルヒドリンに代えて、4−ビニルベンジルクロリドを用いた以外は、前記重合性アルミニウム錯体[A7]と同様にして合成した。
・下記化13−1に示す重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B1]の合成
Figure 2007257898
まず、下記化13−2に示す合成経路を経て、4−ビニルベンジルエーテル誘導体(スチレン誘導体)[B11]を合成した。
Figure 2007257898
なお、この重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B1]は、青色に発光する化合物である。
4−ビニルベンジルクロリド(アルドリッチ社製)と、ベンジルアルコールとから、4−ビニルベンジルエーテル誘導体[B11]を合成した。
次に、下記化13−3に示す合成経路を経て、ビニルカルバゾール・スチレン共重合体のエーテル誘導体[B12]を合成した。
Figure 2007257898
まず、4−ビニルベンジルエーテル誘導体(10mmol)と、N−ビニルカルバゾール(100mmol:東京化成社製)とのキシレン混合溶液(300mL)を用意し、アゾイソブチロニトリル(AIBN:1mmol)を添加した。
次に、窒素バブリングにより溶存酸素を除去した後、80℃で12時間加熱撹拌した。
次に、この反応混合液にメタノールを加え、析出した固体を取り出した。
次に、取り出した固体を再度キシレンに溶解させ、メタノールで析出させる操作を2回繰り返した後、溶剤を除去して、ビニルカルバゾール・スチレン共重合体のベンジルエーテル誘導体[B12]を得た。
次に、前記化6−5と同様の合成経路によりエポキシ基を導入して、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体(エポキシ基含有ビニルカルバゾール・スチレン共重合体)[B1]を得た。
なお、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B1]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化14に示す重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B2]の合成
Figure 2007257898
この重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B2]は、エピクロルヒドリンに代えて、4−ビニルベンジルクロリドを用いた以外は、前記ビニルカルバゾール・スチレン共重合体[B1]と同様にして合成した。
・下記化15−1に示す重合性オキサジアゾール誘導体[C1]の合成
Figure 2007257898
まず、下記化15−2に示す合成経路を経て、ビフェニルカルボン酸エチルエステル[C13]を合成した。
Figure 2007257898
まず、4−ブロモ安息香酸メチル(10mmol)のトルエン溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3mmol)、4−(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸(10mmol:アルドリッチ社製)を加え、撹拌した。
次に、この混合溶液に炭酸ナトリウム水溶液を添加し、24時間還流した。
次に、反応終了後、この反応混合物に、塩化メチレン/水を加え、水層を有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、余分な溶媒を減圧除去し、ビフェニルカルボン酸誘導体[C11](収率60%)を得た。
次に、このビフェニルカルボン酸誘導体[C11]に、硫酸酸性下、エタノールを作用させ、カルボキシル基をエチルエステル化(C12)した。次に、ベンジルブロミドを作用させ、水酸基をベンジル保護基に変換し、ビフェニルカルボン酸エチルエステル誘導体[C13]を得た。
次に、下記化15−3に示す合成経路を経て、ビフェニルカルボン酸ヒドラジド誘導体[C14]を合成した。
Figure 2007257898
前記合成したビフェニルカルボン酸エチルエステル誘導体[C13](10mmol)のエタノール懸濁液に、ヒドラジン水溶液を作用させ、ビフェニルカルボン酸ヒドラジド誘導体[C14]を得た。
次に、下記化15−4に示す合成経路を経て、ヒドラジン中間体[C15]を合成した。
Figure 2007257898
まず、十分に乾燥させたフラスコ内に、4−t−ブチル安息香酸(10mmol)と、塩化チオニル(25mL)とを入れ、窒素気流下で5時間穏やかに加熱還流して、塩化4−t−ブチルベンゾイル[C16]を得た。
次に、過剰の塩化チオニルを減圧下で除去した後、前記合成した塩化4−t−ブチルベンゾイル[C16]に、室温でピリジン100mLを加え、さらに前記合成したビフェニルカルボン酸ヒドラジド誘導体[C14](10mmol)を少量ずつ加えた。これにより、系が発熱し、懸濁状態から均一な溶液へと変わった。
次に、この混合溶液を窒素気流下に、室温で30分間攪拌した後、50℃の油浴で加熱しながらさらに3時間攪拌した。
次に、得られた反応液を多量の氷水に注ぎ入れることにより、粉末状の固体生成物を析出させ、この固体生成物を濾別し、水、メタノールの順で洗浄した後、乾燥を行って、ヒドラジン中間体[C15](収率75%)を得た。
次に、下記化15−5に示す合成経路を経て、オキサジアゾール誘導体[C17]を合成した。
Figure 2007257898
まず、前記合成したヒドラジン中間体[C15](10mmol)の無水キシレン溶液に、塩化ホスホリル10mLを加え、窒素気流下で6時間穏やかに加熱還流することにより、ヒドラジン中間体の脱水反応を行った。
次に、得られた反応液中のキシレンおよび塩化ホスホリルの大部分を減圧蒸留によって除去し、その後、氷冷しながら大量の水を注意深く加えて懸濁液を調製した。
次に、得られた懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、この懸濁液を濾過することにより、粉末状の生成物を得、この生成物を、水、メタノールの順で洗浄した後、乾燥を行って、オキサジアゾール誘導体[C17](収率65%)を得た。
次に、前記化6−5と同様の合成経路によりエポキシ基を導入して、重合性オキサジアゾール誘導体[C1]を得た。
なお、重合性オキサジアゾール誘導体[C1]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化16に示す重合性オキサジアゾール誘導体[C2]の合成
Figure 2007257898
この重合性オキサジアゾール誘導体[C2]は、エピクロルヒドリンに代えて、4−ビニルベンジルクロリドを用いた以外は、前記重合性オキサジアゾール誘導体[C1]と同様にして合成した。
・下記化17−1に示す重合性トリフェニルアミン誘導体[D1]の合成
Figure 2007257898
まず、下記化17−2に示す合成経路を経て、ベンジルエーテル誘導体[D11]を合成した。
Figure 2007257898
無水ジメチルホルムアミド中で、3−(p−ブロモフェニル)プロパノールを、ベンジルブロミドおよび水素化ナトリウムで処理し、ヒドロキシル基をベンジルエーテル基に変換したベンジルエーテル誘導体[D11]を得た。
一方、下記化17−3に示す合成経路を経て、3-メチルベンズアミド誘導体[D12]を合成した。
Figure 2007257898
まず、m‐トルイジン(1mol)を酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。
次に、反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥して3-メチルベンズアミド誘導体[D12]を得た。
次に、下記化17−4に示す合成経路を経て、ジフェニルアミン誘導体[D13]を合成した。
Figure 2007257898
まず、ベンジルエーテル誘導体[D11](0.5mol)、3-メチルベンズアミド誘導体[D12](0.6mol)、炭酸カリウム(1.1mol)、銅粉、およびヨウ素を混合し、200℃で加熱した。
次に、放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、および水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥して、ジフェニルアミン誘導体[D13]を得た。
次に、下記化17−5に示す合成経路を経て、トリフェニルアミン誘導体[D14]を合成した。
Figure 2007257898
まず、前記合成したジフェニルアミン誘導体[D13](200mmol)、トリス(4−ブロモフェニル)アミン(60mmol)、酢酸パラジウム(2.1mmol)、t−ブチルホスフィン(8.4mmol)、t−ブトキシナトリム(400mmol)、およびキシレン600mLを混合して、120℃で撹拌した。
次に、この反応液を、放冷し、析出した固体を濾別し、少量のキシレンで洗って、トリフェニルアミン誘導体[D14]を得た。
次に、前記化6−5と同様の合成経路によりエポキシ基を導入して、重合性トリフェニルアミン誘導体[D1]を得た。
なお、重合性トリフェニルアミン誘導体[D1]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化18に示す重合性トリフェニルアミン誘導体[D2]の合成
Figure 2007257898
この重合性トリフェニルアミン誘導体[D2]は、エピクロルヒドリンに代えて、4−ビニルベンジルクロリドを用いた以外は、前記重合性トリフェニルアミン誘導体[D1]と同様にして合成した。
・下記化19−1に示す重合性アリールアミン誘導体[E1]の合成
Figure 2007257898
まず、下記化19−2に示す合成経路を経て、ベンジルエーテル誘導体[E11]を合成した。
Figure 2007257898
無水ジメチルホルムアミド中で、1−(p−アミノフェニル)ブタノールを、ベンジルブロミドおよび水素化ナトリウムで処理し、ヒドロキシル基をベンジルエーテル基に変換したベンジルエーテル誘導体[E11]を得た。
次に、下記化19−3に示す合成経路を経て、ベンジルエーテル誘導体[E11]からベンズアミド誘導体[E12]を合成した。
Figure 2007257898
まず、ベンジルエーテル誘導体[E11](1mol)を酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。
次に、反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥してベンズアミド誘導体[E12]を得た。
次に、下記化19−4に示す合成経路を経て、ジフェニルアミン誘導体[E13]を合成した。
Figure 2007257898
まず、4−ブロモトルエン(0.5mol)、ベンズアミド誘導体[E12](0.6mol)、炭酸カリウム(1.1mol)、銅粉、およびヨウ素を混合し、200℃で加熱した。
次に、放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、および水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥して、ジフェニルアミン誘導体[E13]を得た。
次に、下記化19−5に示す合成経路を経て、アリールアミン誘導体[E14]を合成した。
Figure 2007257898
まず、前記合成したジフェニルアミン誘導体[E13](130mmol)、4,4’−ジヨードビフェニル(62mmol)、酢酸パラジウム(1.3mmol)、t−ブチルホスフィン(5.2mmol)、t−ブトキシナトリム(260mmol)、およびキシレン700mLを混合して、120℃で撹拌した。
次に、この反応液を、放冷し、析出した固体を濾別し、少量のキシレンで洗って、トリフェニルアミン誘導体[E14]を得た。
次に、前記化6−5と同様の合成経路によりエポキシ基を導入して、重合性トリフェニルアミン誘導体[E1]を得た。
なお、重合性トリフェニルアミン誘導体[E1]が得られたことは、H−NMRおよびFT−IR等により確認した。
・下記化20に示す重合性アリールアミン誘導体[E2]の合成
Figure 2007257898
この重合性アリールアミン誘導体[E2]は、エピクロルヒドリンに代えて、4−ビニルベンジルクロリドを用いた以外は、前記重合性アリールアミン誘導体[E1]と同様にして合成した。
2.液状材料の調製
2−1.赤色の液状材料の調製
[赤色の液状材料R1の調製]
赤色に発光する発光性を有する発光部を備える第1の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A3を、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部を備える第1のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D2(正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C2(電子輸送性化合物)を、発光部に励起エネルギーを供給するホスト部を備えるホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B2を、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤(長瀬産業社製、「イルガキュア 651」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の赤色の液状材料R1を調製した。
なお、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で6:30:70とした。また、第1の発光性化合物、第1のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光ラジカル重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
[赤色の液状材料R2の調製]
赤色に発光する第1の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A5を、第1のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D1、重合性アリールアミン誘導体E1(以上、正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、ホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B1を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の赤色の液状材料R2を調製した。
なお、第1の発光性化合物と第1のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で6:30:70とした。また、第1の発光性化合物、第1のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
2−2.緑色の液状材料の調製
[緑色の液状材料G1の調製]
緑色に発光する第2の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A1を、第2のキャリア輸送性化合物として、重合性アリールアミン誘導体E2(正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C2(電子輸送性化合物)を、ホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B2を、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤(長瀬産業社製、「イルガキュア 651」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の緑色の液状材料G1を調製した。
なお、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で6:30:70とした。また、第2の発光性化合物、第2のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光ラジカル重合開始剤の重量との比(重量比)を99.5:0.5とした。
[緑色の液状材料G2の調製]
緑色に発光する第2の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A2を、第2のキャリア輸送性化合物として、重合性アリールアミン誘導体E1(正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、ホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B1を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の緑色の液状材料G2を調製した。
なお、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で3:30:70とした。また、第2の発光性化合物、第2のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
[緑色の液状材料G3の調製]
緑色に発光する第2の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A6を、第2のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D1、重合性アリールアミン誘導体E1(以上、正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、ホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B1を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の緑色の液状材料G3を調製した。
なお、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で3:30:70とした。また、第2の発光性化合物、第2のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
[緑色の液状材料G4の調製]
緑色に発光する第2の発光性化合物として、重合性アルミニウム錯体A7を、第2のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D1、重合性アリールアミン誘導体E1(以上、正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の緑色の液状材料G4を調製した。
なお、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物との混合比を重量比で30:70とした。また、第2の発光性化合物および第2のキャリア輸送性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
[緑色の液状材料G5の調製]
緑色に発光する第2の発光性化合物として、重合性アルミニウム錯体A8を、第2のキャリア輸送性化合物として、重合性アリールアミン誘導体E2(正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C2(電子輸送性化合物)を、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤(長瀬産業社製、「イルガキュア 651」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の緑色の液状材料G%を調製した。
なお、第2の発光性化合物と第2のキャリア輸送性化合物との混合比を重量比で30:70とした。また、第2の発光性化合物および第2のキャリア輸送性化合物の合計重量と光ラジカル重合開始剤の重量との比(重量比)を99.5:0.5とした。
2−3.青色の液状材料の調製
[青色の液状材料B1の調製]
青色に発光する第3の発光性化合物として、重合性イリジウム錯体A4を、第3のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D1(正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、ホスト性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B1を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の青色の液状材料B1を調製した。
なお、第3の発光性化合物と第3のキャリア輸送性化合物とホスト性化合物との混合比を重量比で6:30:70とした。また、第3の発光性化合物、第3のキャリア輸送性化合物およびホスト性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
[青色の液状材料B2の調製]
青色に発光する第3の発光性化合物として、重合性ビニルカルバゾール・スチレン共重合体B1を、第3のキャリア輸送性化合物として、重合性トリフェニルアミン誘導体D1、重合性アリールアミン誘導体E1(以上、正孔輸送性化合物)および重合性オキサジアゾール誘導体C1(電子輸送性化合物)を、光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤(住友スリーエム社製、「FC−508」)をそれぞれ用い、これらのものをキシレンに溶解させて1.0wt%の青色の液状材料B2を調製した。
なお、第3の発光性化合物と第3のキャリア輸送性化合物との混合比を重量比で70:30とした。また、第3の発光性化合物および第3のキャリア輸送性化合物の合計重量と光カチオン重合開始剤の重量との比(重量比)を99:1とした。
3.有機EL発光装置の製造
(実施例1)
<1A> まず、平均厚さ5mmの透明なガラス基板を用意し、このガラス基板上に、前述したようにして回路部を形成した。
<2A> 次に、回路部上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO膜を形成した後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法により不要部分を除去して、陽極(画素電極)を得た。
<3A> 次に、陽極と後に形成する発光層とが接触する領域を区画するように、CVD法により、SiOで構成される膜を厚さ100nmの膜厚で形成し、エッチングすることにより、隔壁部を形成した。
<4A> 次に、赤色に発光する発光素子を形成する第1の領域に対応する位置に存在する陽極上に、第1(赤色)の発光層を形成した。
まず、各陽極を覆うように、赤色の液状材料R1を供給して乾燥することにより第1の被膜を形成した。
次いで、第1の領域に対応する位置に開口している厚さ0.1mmのステンレス板(マスク)を介して、第1の発光層を形成する領域に、水銀ランプ(ウシオ電機社製、「UM−452型式」)からの光にフィルターを介して、アルゴンガス雰囲気下で波長365nm、照射強度2mW/cmの紫外線を300秒間照射することにより、ランダムコポリマーで構成される第1の発光層を形成した。
次いで、第1の被膜にキシレンを供給することにより、紫外線を照射していない領域に存在する第1の被膜を除去した。
<5A> 次に、緑色に発光する発光素子を形成する第2の領域に対応する位置に存在する陽極上に、第2(緑色)の発光層を形成した。
まず、各陽極を覆うように、緑色の液状材料G1を供給して乾燥することにより第2の被膜を形成した。
次いで、第2の領域に対応する位置に開口している厚さ0.1mmのステンレス板(マスク)を介して、第2の発光層を形成する領域に、水銀ランプ(ウシオ電機社製、「UM−452型式」)からの光にフィルターを介して、アルゴン雰囲気下で波長365nm、照射強度2mW/cmの紫外線を300秒間照射することにより、ランダムコポリマーで構成される第2の発光層を形成した。
次いで、第2の被膜にキシレンを供給することにより、紫外線を照射していない領域に存在する第2の被膜を除去した。
<6A> 次に、青色に発光する発光素子を形成する第3の領域に対応する位置に存在する陽極上に、第3(青色)の発光層を形成した。
まず、各陽極を覆うように、青色の液状材料B1を供給して乾燥することにより第3の被膜を形成した。
次いで、第3の領域に対応する位置に開口している厚さ0.1mmのステンレス板(マスク)を介して、第3の発光層を形成する領域に、水銀ランプ(ウシオ電機社製、「UM−452型式」)からの光にフィルターを介して、アルゴン雰囲気下で波長365nm、照射強度500mW/cmの紫外線を15秒間照射後、110℃で60分間加熱することにより、ランダムコポリマーで構成される第3の発光層を形成した。
次いで、第3の被膜にキシレンを供給することにより、紫外線を照射していない領域に存在する第3の被膜を除去した。
<7A> 次に、第1〜第3の発光層上に、真空蒸着法により、CaおよびAlを順次供給して平均厚さ300nmのCaAl電極(陰極)を形成した。
<8A> 次に、形成した各発光素子を覆うように、ポリカーボネート製の保護カバーを被せ、紫外線硬化性樹脂により固定、封止して、発光装置を完成した。
(実施例2)
前記工程<5A>において、第2の被膜を形成するのに用いる液状材料として、緑色の液状材料G1に代えて、緑色の液状材料G5を用いた以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
(実施例3)
前記工程<5A>において、第2の被膜を形成するのに用いる液状材料として、緑色の液状材料G1に代えて、緑色の液状材料G2を用い、紫外線照射の条件を前記工程<6A>において第3の被膜に施したのと同様の条件とした以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
(実施例4)
前記工程<4A>において、第1の被膜を形成するのに用いる液状材料として、赤色の液状材料R1に代えて、赤色の液状材料R2を用い、紫外線照射の条件を前記工程<6A>において第3の被膜に施したのと同様の条件とし、前記工程<5A>において、第2の被膜を形成するのに用いる液状材料として、緑色の液状材料G1に代えて、緑色の液状材料G3を用い、紫外線照射の条件を前記工程<6A>において第3の被膜に施したのと同様の条件とし、前記工程<6A>において、第3の被膜を形成するのに用いる液状材料として、青色の液状材料B1に代えて青色の液状材料B2を用いた以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
(実施例5)
前記工程<4A>において、第1の被膜を形成するのに用いる液状材料として、赤色の液状材料R1に代えて、赤色の液状材料R2を用い、紫外線照射の条件を前記工程<6A>において第3の被膜に施したのと同様の条件とし、前記工程<5A>において、第2の被膜を形成するのに用いる液状材料として、緑色の液状材料G1に代えて、緑色の液状材料G4を用い、紫外線照射の条件を前記工程<6A>において第3の被膜に施したのと同様の条件とし、前記工程<6A>において、第3の被膜を形成するのに用いる液状材料として、青色の液状材料B1に代えて青色の液状材料B2を用いた以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
以上のような各実施例について、陽極と陰極との間に6Vの電圧を印加して、各色(赤色、緑色および青色)の発光素子の発光輝度(cd/m)、最大発光効率(lm/W)を測定するとともに、発光輝度が初期値の半分になる時間(半減期)を測定したが、各実施例の発光素子は、いずれも優れた結果を示し優れた発光特性を有していた。
本発明の発光装置の製造方法により製造されるアクティブマトリクス型発光装置の実施形態の縦断面図である。 図1に示すアクティブマトリクス型発光装置の有機EL層の配置を示す平面図である。 有機EL層の他の配置を示す平面図である。 本発明の発光装置の製造方法をアクティブマトリクス型発光装置の製造に適用した場合の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の発光装置の製造方法をアクティブマトリクス型発光装置の製造に適用した場合の実施形態を示す縦断面図である。 発光装置を備えるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 発光装置を備える携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 発光装置を備えるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
11、11R、11G、11B……発光素子 13……陽極 14R……第1の被膜 14G……第2の被膜 15、15R、15G、15B……有機EL層 18……陰極 131……隔壁部 110……発光装置 20……TFT回路基板 21……基板 22……回路部 23……下地保護層 24……駆動用TFT 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 25……第1層間絶縁層 26……第2層間絶縁層 27……配線 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306…………シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (25)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、これらの間に設けられ、第1の色に発光する第1の発光層と、前記第1の色と異なる第2の色に発光する第2の発光層とを有する発光装置を製造する方法であって、
    第1の電極の一方の面側に、前記第1の色に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備えるキャリア輸送性化合物とを含む第1の被膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の被膜に光を照射することにより、前記第1の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物とを重合させ、前記第1の被膜の光が照射された光照射領域を硬化させて、前記第1の発光層を得る第2の工程と、
    前記第1の被膜の光照射領域以外の領域を除去する第3の工程と、
    前記第1の電極の一方の面側に、前記第2の色に発光する発光性を有する発光部と光重合性を有する重合性基とを備える発光性化合物と、キャリア輸送性を有するキャリア輸送部と光重合性を有する重合性基とを備えるキャリア輸送性化合物とを含む第2の被膜を形成する第4の工程と、
    前記第2の被膜に光を照射することにより、前記第2の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物とを重合させ、前記第2の被膜の光が照射された光照射領域を硬化させて、前記第2の発光層を得る第5の工程と、
    前記第2の被膜の光照射領域分以外の領域を除去する第6の工程と、
    各前記発光層の前記第1の電極と反対側に、第2の電極を設ける第7の工程とを有することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記第1の被膜は、液相プロセスにより形成される請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記第1の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物との比は、重量比で1:100〜90:10である請求項1または2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物のうちの少なくとも一方の化合物が、その重合性基を複数有する請求項1ないし3のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える前記重合性基は、カチオン重合性を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記第1の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える前記重合性基は、ラジカル重合性を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記第1の発光層に用いられるキャリア輸送性化合物は、正孔輸送性を有する正孔輸送部を備える正孔輸送性化合物および電子輸送性を有する電子輸送部を備える電子輸送性化合物を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記正孔輸送部は、アリールアミン骨格を含むものである請求項7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記電子輸送部は、オキサジアゾール骨格またはトリアゾール骨格を含むものである請求項7または8に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記第1の発光層に用いられる前記発光部は、フルオレン骨格またはカルバゾール骨格を含むものである請求項1ないし9のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記第1の発光層に用いられる前記発光部は、イリジウム錯体またはアルミニウム錯体を含むものである請求項1ないし10のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記第4の工程において、前記第2の被膜は、液相プロセスにより形成される請求項1ないし11のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  13. 前記第2の被膜中において、前記発光性化合物と前記キャリア輸送性化合物との比は、重量比で1:100〜90:10である請求項1ないし12のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  14. 前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物のうちの少なくとも一方の化合物が、その重合性基を複数有する請求項1ないし13のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える重合性基は、カチオン重合性を有する請求項1ないし14のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  16. 前記第2の被膜中において、前記発光性化合物および前記キャリア輸送性化合物が備える重合性基は、ラジカル重合性を有する請求項1ないし14のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  17. 前記第2の発光層に用いられるキャリア輸送性化合物は、正孔輸送性を有する正孔輸送部を備える正孔輸送性化合物および電子輸送性を有する電子輸送部を備える電子輸送性化合物を含む請求項1ないし16のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  18. 前記正孔輸送部は、アリールアミン骨格を含むものである請求項17に記載の発光装置の製造方法。
  19. 前記電子輸送部は、オキサジアゾール骨格またはトリアゾール骨格を含むものである請求項17または18に記載の発光装置の製造方法。
  20. 前記第2の発光層に用いられる前記発光部は、フルオレン骨格またはカルバゾール骨格を含むものである請求項1ないし19のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  21. 前記第2の発光層に用いられる前記発光部は、イリジウム錯体またはアルミニウム錯体を含むものである請求項1ないし20のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  22. 前記第1の被膜および前記第2の被膜の少なくとも一方は、前記発光部に励起エネルギーを供給するホスト部を備えるホスト性化合物を含む請求項1ないし21のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  23. 前記ホスト性化合物は、重合性基を備える請求項22に記載の発光装置の製造方法。
  24. 前記ホスト部は、アリールアミン骨格、カルバゾール骨格またはフルオレン骨格を含むものである請求項22または23に記載の発光装置の製造方法。
  25. 請求項1ないし24のいずれかに記載の発光装置の製造方法を含むことを特徴とする電子機器の製造方法。
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