JP2006190995A - 有機化合物と無機化合物とを含む複合材料、前記複合材料を用いた発光素子および発光装置、並びに前記発光素子の作製方法 - Google Patents

有機化合物と無機化合物とを含む複合材料、前記複合材料を用いた発光素子および発光装置、並びに前記発光素子の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性に優れた複合材料、および複合材料を用いた発光素子、並びに発光装置を提供する。また、大量生産に適した発光素子の作製方法を提供する。
【解決手段】本発明の発光素子は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、発光物質を含む層は、有機化合物と、有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料を含んでいることを特徴とする。本発明の発光素子は、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含んでいるため、キャリア注入性、キャリア輸送性、導電性に優れ、駆動電圧を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機化合物と無機化合物とを含む複合材料に関する。また、一対の電極間に、発光物質を含む層を有する発光素子およびその作製方法に関する。また、発光素子を有する発光装置に関する。
発光材料を用いた発光素子は、薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特徴を有しており、次世代のフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。また、発光素子をマトリクス状に配置した発光装置は、従来の液晶表示装置と比較して、視野角が広く視認性が優れる点に優位性があると言われている。
発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子およびホールがそれぞれ発光層に輸送され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子およびホール)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。
なお、有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。
このような発光素子は通常1μm以下、例えば0.1μm程度の薄膜で形成されるため、薄型軽量に作製できることが大きな利点である。また、キャリアが注入されてから発光に至るまでの時間はマイクロ秒程度あるいはそれ以下であるため、非常に応答速度が速いことも特長の一つである。また、数ボルト〜数十ボルト程度の直流電圧で十分な発光が得られるため、消費電力も比較的少ない。これらの利点から、発光素子は次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。特に、薄型軽量の特徴を生かし、携帯機器などへの応用が期待されている。
例えば、携帯機器などへの応用を考えた場合、低消費電力であることが要求されるので、更なる駆動電圧の低減が重要となってくる。そのため、電子注入層やホール注入層に様々な工夫がなされてきた。
例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ金属酸化物と有機化合物とを共蒸着により混合した層を電子注入層として適用し、駆動電圧を低減した報告がある(特許文献1参照)。
また、アリールアミン骨格を有する高分子と電子受容性化合物とを混合した層を、ホール注入層として適用し、駆動電圧を低減した報告がある(特許文献2参照)。アリールアミン骨格を有する高分子に電子受容性化合物を混合することにより電荷移動が起こり、その結果駆動電圧が低減すると考えられている。
さらに、特許文献2と同様の概念のホール注入層を用い、650nmという厚膜でも低い電圧で動作する発光素子を達成している(非特許文献1参照)。これらの材料は導電性に優れていると報告されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている電子注入層は、真空蒸着法でしか作製することができない。真空蒸着法は、基板の大型化が困難であるため、大量生産には適さない。
また、特許文献2や非特許文献1で開示されているホール注入層は、湿式成膜であるため、基板の大型化にも対応しやすいが、電子受容性化合物として、酸性の高い化合物を用いており、電極の腐食等の問題がある。また、特許文献2や非特許文献1で用いされているアンチモン化合物は毒性が高く、環境や人体への悪影響を与えてしまう恐れがあり、工業的には適さない。
特開平10−270172号公報 特開2000−150169号公報 アスカ ヤマモリ、他3名、アプライド フィジクス レターズ、vol.72、No.17、2147−2149(1998)
上記問題を鑑み、本発明は、導電性に優れた複合材料、および複合材料を用いた発光素子、並びに発光装置を提供する。また、大量生産に適した発光素子の作製方法を提供する。
本発明者らは、有機化合物と、前記有機化合物に対して電子受容性を有する無機化合物とを含む複合材料を、湿式法により形成することで、課題を解決できることを見出した。
本発明においては、湿式法により成膜する時の膜質を考慮し、前記有機化合物が低分子化合物の場合、本発明の複合材料はバインダーとなる材料(以下、バインダー物質)をさらに含む。また、前記有機化合物が高分子化合物(本明細書中においては、ポリマーだけでなく、オリゴマーやデンドリマー等の中程度の分子量の化合物も含む)の場合、本発明の複合材料はバインダー物質をさらに含んでいても良いが、必ずしも必要ではない。
すなわち本発明の構成は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料である。
また、本発明の他の構成は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料である。
なお、本発明の複合材料において、前記バインダー物質は、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、フェノール樹脂のいずれかであることが好ましい。また、前記有機化合物は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一または複数を有することが好ましい。また、無機化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物であることが好ましく、特にリチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種が好適である。
なお、上述したアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
また、上述した本発明の複合材料を用いた発光素子も、本発明の一態様である。なお、本発明の複合材料を含む層を、発光素子の電極に接する位置に設けることで、発光素子の駆動電圧を低減することができる。あるいはまた、本発明の複合材料を含む層と、ホールを発生する層とを積層した構造を、発光素子の電極に接する位置に設けることで、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
すなわち本発明の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層のうち、前記一対の電極の一方の電極に接する層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、発光性の物質を含み、前記第2の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含み、前記第3の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層のうち、前記一対の電極の一方の電極に接する層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、発光性の物質を含み、前記第2の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含み、前記第3の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子である。
なお、上述した本発明の発光素子において、前記バインダー物質は、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、フェノール樹脂のいずれかであることが好ましい。また、前記有機化合物は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することが好ましい。また、前記無機化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物であることが好ましく、特にリチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種が好適である。
さらに、上述したような発光素子を有する発光装置に関しても、本発明の一態様として含むものとする。なお、本発明における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光体も含む。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置の範疇に含むものとする。
ところで、本発明の発光素子を形成する作製方法も新規な概念に基づいており、本発明の一態様である。本発明では、上述した本発明の発光素子を作製する際に、有機化合物と、前記有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む層を、湿式法にて形成することを特徴としている。また、第1の電極から形成する手法と、第2の電極から形成する手法が考えられる。
したがって本発明の構成は、第1の電極上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、前記第2の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、前記第2の層上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第1の電極上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、前記第2の層上に、ホールを発生する第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、ホールを発生する第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、前記第2の層上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
なお、上述した発光素子の作製方法において、第2の層は、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む溶液を塗布、焼成することにより形成することができる。この時、水分による加水分解を行うと好ましいため、焼成する前に塗布膜を水蒸気にさらしてもよい。
したがって本発明の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第2の層を形成する工程が、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
なお、上述したような金属のアルコキシドを用いる手法の場合、前記溶液は、沈殿を防ぐための安定化剤をさらに含んでいてもよい。安定化剤としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトンが好適である。また、上述した溶液は、水分による金属のアルコキシドの加水分解を促進させるため、水をさらに含んでいてもよい。また、上述した溶液は、バインダー物質をさらに含んでいてもよく、バインダー物質としては、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂が好適である。
さらに、上述した本発明の発光素子の作製方法において、前記有機化合物は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数が好ましい。
また、本発明の発光素子の作製方法により、前記金属のアルコキシドを原料として、電子供与性の高い金属酸化物が形成される。したがって、前記金属は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が好ましい。中でも特に、リチウム、カルシウム、バリウムが好適である。
また、本発明者らは、有機化合物と、前記有機化合物に対して電子受容性を有する無機化合物とを含む複合材料を、発光素子に適用することで、課題を解決できることを見出した。特に、発光素子を作製する際に、前記複合材料を湿式法で形成することで、課題を解決できることを見出した。なお、前記複合材料を含む層を、発光素子の電極に接する位置に設けることで、発光素子の駆動電圧を低減することができる。あるいはまた、電子を発生する材料を含む層と、本発明の複合材料を含む層とを積層した構造を、発光素子の電極に接する位置に設けることで、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
また、本発明においては、湿式法により成膜する時の膜質を考慮し、前記有機化合物が低分子化合物の場合は、前記複合材料はバインダーとなる材料(以下、バインダー物質)をさらに含む。また、前記有機化合物が高分子化合物(本明細書中においては、ポリマーだけでなく、オリゴマーやデンドリマー等の中程度の分子量の化合物も含む)の場合は、前記複合材料はバインダー物質をさらに含んでいても良いが、必ずしも必要ではない。
したがって本発明の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層のうち、前記一対の電極の一方の電極に接する層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、前記第1の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、前記第4の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子である。なお、この時、第4の層は、本発明の複合材料を用いて形成することもできる。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、前記第1の層は、ホールを発生する材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、前記第4の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含んでいる発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層のうち、前記一対の電極の一方の電極に接する層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、前記第1の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、前記第4の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子である。なお、この時、第4の層は、本発明の複合材料を用いて形成することもできる。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、前記第1の層は、ホールを発生する材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、前記第4の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含んでいる発光素子である。
なお、上述した本発明の発光素子において、前記バインダー物質は、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂のいずれかが好ましい。
また、前記有機化合物としては、アリールアミン骨格を有することが好ましい。あるいはまた、下記に示す一般式(1)〜(10)のいずれかの高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
さらに、上述した発光素子において、前記無機化合物は、遷移金属を含む酸化物であることが好ましく、中でも特に、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物が好適である。
なお、上述したような発光素子を有する発光装置に関しても、本発明の一態様として含むものとする。なお、本発明における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光体を含む。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置の範疇に含むものとする。
ところで、本発明の発光素子を形成する作製方法も新規な概念に基づいており、本発明の一態様である。本発明では、上述したような有機化合物と、前記有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を、湿式法にて形成することを特徴としている。また、第1の電極から形成する手法と、第2の電極から形成する手法が考えられる。
すなわち本発明の構成は、第1の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第1の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、ホールを発生する材料を含む第4の層を形成する工程と、前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。なお、第4の層は第1の層と同様に湿式法によって形成されていてもよいし、蒸着法などの他の方法により形成されていてもよい。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、ホールを発生する材料を含む第4の層を形成する工程と、前記第4の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。なお、第4の層は第1の層と同様に湿式法によって形成されていてもよいし、蒸着法などの他の方法により形成されていてもよい。
また、本発明の他の構成は、第1の電極上に、ホールを発生する材料を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。なお、第1の層は第4の層と同様に湿式法によって形成されていてもよいし、蒸着法などの他の方法により形成されていてもよい。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物を含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、前記第4の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、ホールを発生する材料を含む第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。なお、第1の層は第4の層と同様に湿式法によって形成されていてもよいし、蒸着法などの他の方法により形成されていてもよい。
なお、上述した発光素子の作製方法において、第1の層、及び第4の層は、それぞれ、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む溶液を塗布、焼成することにより形成することができる。この時、水分による加水分解を行うと好ましいため、焼成する前に塗布膜を水蒸気にさらしてもよい。
したがって、本発明の構成は、上述した発光素子の作製方法において、第1の層を形成する工程が、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第4の層を形成する工程が、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
なお、上述したような金属のアルコキシドを用いる手法の場合、前記溶液は、沈殿を防ぐための安定化剤をさらに含んでいてもよい。安定化剤としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトンが好適である。また、金属のアルコキシドの加水分解を促進させるため、上述した溶液は水をさらに含んでいてもよい。
さらに、第1の層および第4の層は、上述したような金属のアルコキシドを用いる手法だけでなく、金属の水酸化物を原料として形成することもできる。この場合、沈殿が生じにくいというメリットや、加水分解を行わなくても酸化物を形成する反応が起きやすいというメリットがある。
したがって本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第1の層を形成する工程が、金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第4の層を形成する工程が、金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
なお、以上で述べた発光素子の作製方法において、前記溶液は、バインダー物質をさらに含んでいてもよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂が好適である。
また、上述した発光素子の作製方法において、前記有機化合物は、アリールアミン骨格を有することが好ましい。あるいはまた、先に述べた一般式(1)〜(10)のいずれかで表される高分子化合物であることが好ましい。
また、本発明の発光素子の作製方法により、第1の金属のアルコキシドや、解膠により得られる第1の金属の水酸化物を原料として、電子受容性の高い金属酸化物が形成される。したがって、上述した発光素子の作製方法において、前記金属は遷移金属であることが好ましい。中でも特に、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムが好適である。
また、本発明者らは、第1の有機化合物および第1の有機化合物に対して電子受容性を有する第1の無機化合物を含む第1の複合材料と、第2の有機化合物および第2の有機化合物に対して電子供与性を有する第2の無機化合物を含む第2の複合材料とで、発光性の物質を含む層を挟んだ構成の発光素子を作製することで、課題を解決できることを見出した。特に、発光素子を作製する際に、第1の複合材料および第2の複合材料の双方を湿式法で形成することで、課題を解決できることを見出した。
本発明においては、湿式法により成膜する時の膜質を考慮し、第1の有機化合物や第2の有機化合物が低分子化合物の場合は、第1の複合材料や第2の複合材料はバインダーとなる材料(以下、バインダー物質)をさらに含む。また、第1の有機化合物や第2の有機化合物が高分子化合物(本明細書中においては、ポリマーだけでなく、オリゴマーやデンドリマー等の中程度の分子量の化合物も含む)の場合は、第1の複合材料や第2の複合材料はバインダー物質をさらに含んでいても良いが、必ずしも必要ではない。
したがって本発明の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、第1の有機化合物と、第1のバインダー物質と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、第2の有機化合物と、第2のバインダー物質と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、高分子化合物である第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、第2の有機化合物と、バインダー物質と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、第1の有機化合物と、バインダー物質と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、高分子化合物である第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子である。
また、本発明の他の構成は、一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、前記第1の層は、高分子化合物である第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、前記第2の層は、発光性の物質を含み、前記第3の層は、高分子化合物である第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子である。
ここで、上述したバインダー物質としては、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることが好ましい。また、第1の有機化合物は、アリールアミン骨格を有する化合物であることが好ましい。また、第2の有機化合物は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することが好ましい。
また、第1の無機化合物は電子受容性が高いことが求められるため、遷移金属を含む酸化物であることが好ましい。中でも特に、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、は好適である。
一方、第2の無機化合物は電子供与性が高いことが求められ、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物が好ましい。中でも特に、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物は好適である。
なお、上述した遷移金属を含む酸化物や、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
また、上述した本発明の発光素子において、前記発光物質を含む層が、さらに前記第3の層と接する第4の層を有し、前記第4の層は、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第3の複合材料を含んでいる発光素子も、本発明の構成の一つである。
この時、前記第3の有機化合物は、アリールアミン骨格を有することが好ましい。また、前記第3の無機化合物は、遷移金属を含む酸化物であることが好ましく、例えばチタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物が好適である。
さらに、上述したような発光素子を有する発光装置に関しても、本発明の一態様として含むものとする。なお、本発明における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光体を含む。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置の範疇に含むものとする。
ところで、本発明の発光素子を形成する作製方法も新規な概念に基づいており、本発明の一態様である。本発明では、上述した第1の層、及び第3の層をそれぞれ湿式法にて形成することを特徴としている。また、第1の電極から形成する手法と、第2の電極から形成する手法が考えられる。
すなわち本発明の構成は、第1の電極上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、発光性の物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、前記第3の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、前記第3の層上に、発光性の物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第1の電極上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、前記第3の層上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を形成する工程と、前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、第2の電極上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を形成する工程と、前記第4の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法である。
なお、第4の層は第1の層と同様に、湿式法によって形成されていてもよいし、蒸着法などの他の方法により形成されていてもよい。
なお、上述した発光素子の作製方法において、第1の層、及び第3の層は、それぞれ、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む溶液を塗布、焼成することにより形成することができる。この時、水分による加水分解を行うと好ましいため、焼成する前に塗布膜を水蒸気にさらしてもよい。また、第4の層も湿式法により形成する場合、第1の層と同様に形成することができる。
したがって、本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第1の層を形成する工程が、第1の金属のアルコキシドと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、第1の金属のアルコキシドと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第3の層を形成する工程が、第2の金属のアルコキシドと、第2の有機化合物とを含む第2の溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、第2の金属のアルコキシドと、第2の有機化合物とを含む第2の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第4の層を形成する工程が、第3の金属のアルコキシドと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を、塗布、焼成する工程であるか、または、第3の金属のアルコキシドと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
なお、上述したような金属のアルコキシドを用いる手法の場合、第1の溶液、第2の溶液、第3の溶液は、沈殿を防ぐための安定化剤をさらに含んでいてもよい。安定化剤としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトンが好適である。また、上述した第1の溶液、第2の溶液、第3の溶液は、金属のアルコキシドの加水分解を促進させるため、水をさらに含んでいてもよい。
さらに、第1の層および第4の層は、上述したような金属のアルコキシドを用いる手法だけでなく、金属の水酸化物を原料として形成することもできる。この場合、沈殿が生じにくいというメリットや、加水分解を行わなくても酸化物を形成する反応が起きやすいというメリットがある。
したがって本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第1の層を形成する工程が、第1の金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
また、本発明の他の構成は、上述した発光素子の作製方法において、前記第4の層を形成する工程が、第3の金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法である。
以上で述べたように、金属のアルコキシドや水酸化物を用いることで、上述した第1の層、第3の層、及び第4の層を、それぞれ湿式法にて形成することができる。
なお、以上で述べた発光素子の作製方法において、第1の溶液、第2の溶液、第3の溶液は、バインダー物質をさらに含んでいてもよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂が好適である。
また、第1の有機化合物は、アリールアミン骨格を有する化合物であることが好ましい。また、第2の有機化合物は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することが好ましい。
また、本発明の発光素子の作製方法により、第1の金属のアルコキシドや、解膠により得られる第1の金属の水酸化物を原料として、電子受容性の高い金属酸化物が形成される。したがって、第1の金属は遷移金属であることが好ましい。中でも特に、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムが好適である。
一方、本発明の発光素子の作製方法により、第2の金属のアルコキシドを原料として、電子供与性の高い金属酸化物が形成される。したがって、第2の金属はアルカリ金属またはアルカリ土類金属が好ましい。中でも特に、リチウム、カルシウム、バリウムが好適である。
本発明の有機化合物と無機化合物とを含む複合材料は、導電性が高い。また、本発明の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れている。
本発明の発光素子は、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含んでいるため、キャリア注入性、キャリア輸送性、導電性に優れ、駆動電圧を低減することができる。
また、本発明の発光素子を有する発光装置は、低駆動電圧の発光素子を有しているため、消費電力を低減することが可能となる。
また、本発明の発光素子は、湿式法により作製することが可能であるため、基板の大型化に対応することができ、大量生産に適している。
また、本発明の発光素子は、腐食性や有害性の低い材料を用いているため、環境や人体に対する影響が低く、工業的に適している。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本発明において発光素子の一対の電極のうち、一方の電極の電位が高くなるように電圧をかけた際、発光が得られる。その際電位が高い電極を陽極として機能する電極と言い、電位が低い他方の電極を陰極として機能する電極と言う。
また、本明細書において、湿式法とは液体を塗布して膜を形成する方法を表す。
(実施の形態1)
本発明の複合材料について説明する。複合材料とは、有機化合物と、無機化合物とを複合してなる材料である。
本発明の複合材料は、有機化合物と、無機化合物との間に相互作用を持たせ、キャリアを発生させることにより、導電性を高めている。本実施の形態では、キャリアとして電子を発生させる場合について説明する。
電子を発生させる複合材料は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料である。この組み合わせとすることにより、無機化合物から有機化合物へと電子が移動し、キャリアである電子が発生する。電子が発生することにより、高い導電性を得ることができる。
本発明の電子を発生する複合材料に用いる有機化合物としては、発生した電子の輸送性に優れた材料であることが好ましく、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格を有する有機化合物を用いることが好ましい。より具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBI)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、ポリ(4−ビニルピリジン)(略称:PVPy)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
電子を発生する複合材料に含まれる無機化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物を用いることが好ましい。より具体的には、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることが好ましい。また、これら酸化物の骨格を含む複合酸化物であってもよい。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物を用いることにより、それら金属酸化物とピリジン骨格等との間で電子の授受が行われ、キャリアとしての電子を発生することができる。内在的に電子が発生しているので、電界をかけた場合、高い導電性を得ることができる。
なお、本発明の複合材料としては、有機化合物がマトリクスとなり無機化合物が分散している状態、無機化合物がマトリクスとなり有機化合物が分散している状態、有機化合物と無機化合物がほぼ等量含まれており互いがバインダー的状態、等の様々な状態を取りうるが、どの状態であっても、有機化合物と無機化合物との間で電子の授受が行われるので、優れた電子注入性、電子輸送性、高い導電性を得ることができる。
また、電子を発生する複合材料を用いて膜を形成する場合、膜質を向上させるため、バインダーとなる材料(バインダー物質)を添加してもよい。特に、有機化合物として分子量の低い化合物(具体的には、分子量が500以下の化合物)を用いる場合は、膜質を考慮し、バインダー物質が必要となる。無論、有機化合物として高分子化合物を用いる場合も、バインダー物質が添加されていてよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)、ポリカーボネート(略称:PC)、フェノール樹脂等が挙げられる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した電子を発生する複合材料の作製方法について説明する。
まず、無機化合物を形成するための成分として、金属アルコキシドを用いる。無機化合物は、実施の形態1で述べたようにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物が好ましいため、金属としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が好ましく、特にリチウム、カルシウム、バリウムが好適である。なお、無機化合物として複合酸化物を適用する場合は、さらに他の金属アルコキシドを添加すればよい。つまり、例えば酸化アルミニウム骨格を含む複合酸化物を適用するのであれば、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドをさらに添加しておけばよい。
金属アルコキシドを適当な溶媒に溶かした溶液に、安定化剤としてβ―ジケトンなどのキレート剤、および水を加えたゾルを調整する。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、テトラヒドロフラン(略称:THF)、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。
安定化剤に用いることのできる化合物としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等のβ―ジケトンが挙げられる。ただし、安定化剤はゾルにおける沈殿を防ぐためのものであり、必ずしも必要ではない。また、水はアルコキシドの反応の進行を制御するためのものであり、必ずしも必要ではない。
次に、有機化合物(あるいは有機化合物の溶液)と調整したゾルとを混合し、撹拌することで、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む第1の溶液が得られる。その後、その溶液を塗布、焼成することにより、本発明の電子を発生する複合材料を成膜することができる。塗布する方法としては、溶液キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
なお、バインダー物質を添加する場合には、第1の溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質については、実施の形態1で述べたものを用いればよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2で示した作製方法とは異なる方法によって電子を発生する複合材料を成膜する方法について説明する。
まず、無機化合物を形成するための成分として、金属アルコキシドを用いる。無機化合物は、実施の形態1で述べたようにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物が好ましいため、金属としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が好ましく、特にリチウム、カルシウム、バリウムが好適である。なお、無機化合物として複合酸化物を適用する場合は、さらに他の金属アルコキシドを添加すればよい。つまり、例えば酸化アルミニウム骨格を含む複合酸化物を適用するのであれば、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドをさらに添加しておけばよい。
この金属アルコキシドと有機化合物とを適当な溶媒に溶かし、撹拌することで、金属アルコキシドと有機化合物とを含む第1の溶液が得られる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、THF、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。
その後、塗布し、水蒸気にさらし、その後焼成することにより、本発明の複合材料を成膜できる。塗布する方法としては、溶液キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
塗布後に水蒸気にさらすことにより、金属のアルコキシドの加水分解反応が起こり、その後焼成することにより、重合または架橋反応が進行する。なお、焼成の代わりにマイクロ波を照射し、重合または架橋反応を進行させてもよい。また、焼成とマイクロ波照射を併用し、重合または架橋反応を進行させてもよい。
なお、バインダー物質を添加する場合には、第1の溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質については、実施の形態1で述べたものを用いればよい。
また、本実施の形態において、金属のアルコキシドおよび有機化合物を含む第1の溶液に、実施の形態2で述べたようなβ―ジケトン等の安定化剤を添加してもよい。安定化剤を添加することにより、大気中等の水分によって金属の水酸化物の多核沈殿が生じることを抑制することができる。なお、水蒸気にさらすまで、水分のない環境で作業するならば、安定化剤は必ずしも必要ではない。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の複合材料を用いて作製された発光素子について説明する。
図1に本発明の発光素子を示す。第1の電極101と、第2の電極102との間に、発光物質を含む層103は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層は、第1の層111、第2の層112が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極101が陽極として機能し、第2の電極102が陰極として機能する場合について説明する。
第2の層112について説明する。第2の層112は第1の層111に電子を輸送する機能を担う層であり、実施の形態1で示した電子を発生する複合材料を用いることが好適である。電子を発生する複合材料は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とが複合してなり、有機化合物と無機化合物との間に電子の授受が行われることにより、キャリアとしての多くの電子が発生する。そのため、優れた電子注入性、電子輸送性を示す。よって、本発明の電子を発生する複合材料を用いることにより、発光素子の駆動電圧を低減することができる。なお、電子を発生する複合材料を含む第2の層112は電子輸送性、電子注入性に優れているため、発光層よりも陰極側に設けることが好ましい。本実施の形態では、陰極として機能する第2の電極102に接するように第2の層112を設けた場合について説明する。
また、本発明の複合材料は、導電性が高いため、駆動電圧の上昇を招くことなく第2の層112を厚くすることができるため、ゴミ等に起因する素子の短絡も抑制することができる。
また、上記の複合材料は、無機化合物を含んでいるため、発光素子の耐熱性を向上させることができる。
第1の層111は、発光機能を担う層である。第1の層111は、単層で構成されていてもよいし、複数の層から構成されていてもよい。例えば、発光層以外に、電子注入層、電子輸送層、ホールブロッキング層、ホール輸送層、ホール注入層等の機能性の各層を自由に組み合わせて設けてもよい。また、第1の層111には、公知の材料を用いることができ、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。なお、第1の層111を形成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。第1の層111にも無機化合物を含む構成とすることより、より耐熱性が向上するという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、第2の層112が電子注入層としての機能を担うため、第1の層111に電子注入層を設けなくてもよい。
ホール注入層を形成するホール注入性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などが良い。あるいは、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:H−Pc)、銅フタロシアニン(略称:Cu−Pc)等を用いることができる。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポリアニリン(略称:PAni)などを用いることができる。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス(N−{4−[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の芳香族アミン骨格を有する有機化合物と、それら有機化合物に対して電子受容性を示す化合物とを混合した複合材料を用いてもよい。この時、電子受容性を示す化合物としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物等の遷移金属酸化物が好適である。
ホール輸送層を形成するホール輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。好ましい材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物である。広く用いられている材料として、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD),その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:NPB)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
発光層は発光性の物質を含んでおり、ここで、発光性の物質とは、光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質である。発光層について特に限定はないが、発光性の物質が、発光性の物質が有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、分散して含まれた層であることが好ましい。これによって、発光性の物質からの発光が、濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。なお、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップを言う。
発光層を形成する発光性の物質について特に限定はなく、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光性の物質として用いることができる。
また、発光性の物質を分散状態にするために用いる物質について特に限定はなく、例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等の金属錯体等を用いることができる。
電子輸送層を形成する電子輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの典型金属錯体が挙げられる。あるいは9,10−ジフェニルアントラセンや4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)ビフェニルなどの炭化水素系化合物なども好適である。あるいは、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリンやバソキュプロインなどのフェナントロリン誘導体を用いても良い。
電子注入層を形成する電子注入性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、フッ化カルシウムやフッ化リチウム、酸化リチウムや塩化リチウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが好適である。あるいは、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)やバソキュプロイン(略称:BCP)などの、いわゆる電子輸送性の材料にリチウムなどのドナー性化合物を添加した層も用いることができる。
なお、本発明の形態では、発光層のみに発光に預かるドーパントが添加され、このドーパントからの発光だけが観測されるが、他の層、例えば電子輸送層やホール輸送層に異なる発光を示すドーパントを添加しても構わない。発光層から得られる発光と、他の層に添加されたドーパントの発光が互いに補色の関係にある場合、白色の発光が得られる。
なお、第1の電極101や第2の電極102の種類を変えることで、本実施の形態の発光素子は様々なバリエーションを有する。その模式図を図3および図4に示す。なお、図3および図4では、図1の符号を引用する。また、100は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図3は、発光物質を含む層103が、基板100側から第1の層111、第2の層112の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極101を光透過性とし、第2の電極102を遮光性(特に反射性)とすることで、図3(a)のように基板100側から光を射出する構成となる。また、第1の電極101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極102を光透過性とすることで、図3(b)のように基板100側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極101、第2の電極102の両方を光透過性とすることで、図3(c)に示すように、基板100側と基板100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図4は、発光物質を含む層103が、基板100側から第2の層112、第1の層111の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極102を光透過性とすることで、図4(a)のように基板100側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極101を光透過性とし、第2の電極102を遮光性(特に反射性)とすることで、図4(b)のように基板100側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極101、第2の電極102の両方を光透過性とすることで、図4(c)に示すように、基板100側と基板100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
本実施の形態の発光素子において、第2の層112は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含んでいるため、極めて高い電子注入性、電子輸送性を示す。したがって、第2の層112を厚くしても駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を抑制し、かつ、発光素子の短絡を防止することができる。また、マイクロキャビティ効果や干渉効果を利用した光学設計を行うために、第2の層112の膜厚を自由に設定することが可能となる。よって、色純度が良く、見る角度に依存する色の変化などが小さい発光素子を作製することができる。
また、図3の構成のように、第1の電極101を形成し、第1の層111、第2の層112を順次形成し、第2の電極102をスパッタリングにより成膜する場合などは、発光性の物質が存在する第1の層111へのダメージを低減することもできる。
(実施の形態5)
実施の形態4では、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む層を陰極と接する層としたが、本実施の形態では、実施の形態4とは異なり、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む層を、陰極と発光層の間で、かつ、陰極と接しないように設ける場合について説明する。
図2に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極301と、第2の電極302との間に、発光物質を含む層303は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層303は、第1の層311、第2の層312、第3の層313が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極301が陽極として機能し、第2の電極302が陰極として機能する場合について説明する。
第1の層311は、発光機能を担う層であり、実施の形態4で示した第1の層111と同様の構成を適用することができる。
第2の層312は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む層である。実施の形態4で示した第2の層112と同様の構成を適用することができる。
第3の層313は電子を注入する機能を有する層である。電子注入層を形成する電子注入性材料としては公知の材料を用いることができる。具体的には、実施の形態4で示した電子注入性材料を用いることができる。
上記のような構成とすることにより、第2の層312を厚膜化した場合でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を抑制し、かつ、素子の短絡防止、光学調整による色純度の向上を実現することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態4および実施の形態5に示した構成とは異なる構成を有する発光素子について、図5を用いて説明する。
図5に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極201と、第2の電極202との間に、発光物質を含む層203は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層203は、第1の層211、第2の層212、第3の層213が順次積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極201が陽極として機能し、第2の電極202が陰極として機能する場合について説明する。
本実施の形態の発光素子は、次の様に動作する。まず、第2の電極202よりも第1の電極201の電位の方が高くなるように電圧を印加すると、第3の層213から第2の電極202へはホールが注入され、第2の層212から第1の層211へは、電子が注入される。また、第1の電極201側から第1の層211へはホールが注入される。第1の電極201側から注入されたホールと、第2の層212から注入された電子とは、第1の層211において再結合し、発光性の物質を励起状態にする。そして、励起状態の発光性の物質は基底状態に戻るときに発光する。
第1の電極201、第2の電極202、第1の層211、第2の層212は、実施の形態1における第1の電極101、第2の電極102、第1の層111、第2の層112とそれぞれと同じ構成を適用することができる。つまり、第1の電極は公知の材料を用いることができ、第1の層211は、発光性の物質を含み、第2の層212は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含んでいる。
第3の層213は、ホールを発生する層であり、ホールを発生する材料を含んでいる。ホールを発生する材料としては、例えば、芳香族アミン化合物と、その化合物に対して電子受容性を示す物質とを含む材料であることが好ましい。ここで、芳香族アミン化合物とは、アリールアミン骨格を有する物質である。芳香族アミン化合物の中でも特に、トリフェニルアミンを骨格に含み、400以上の分子量を有するものが好ましい。また、トリフェニルアミンを骨格に有する芳香族アミン化合物の中でも特にナフチル基のような縮合芳香環を骨格に含むものが好ましい。トリフェニルアミンと縮合芳香環とを骨格に含む芳香族アミン化合物を用いることによって、発光素子の耐熱性が良くなる。芳香族アミン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−{4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル}−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,2’,3,3’−テトラキス(4−ジフェニルアミノフェニル)−6,6’−ビスキノキサリン(略称:D−TriPhAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。また、芳香族アミン化合物に対して電子受容性を示す物質について特に限定はなく、例えば、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:F4−TCNQ)等を用いることができる。ここで、芳香族アミン化合物に対して電子受容性を示す物質は、芳香族アミン化合物に対して、モル比の値が0.5〜2(=芳香族アミン化合物に対して電子受容性を示す物質/芳香族アミン化合物)と成るように含まれていることが好ましい。
このような構成とすることにより、図5に示した通り、電圧を印加することにより第2の層212および第3の層213の界面近傍にて電子の授受が行われ、電子とホールが発生し、第2の層212は電子を第1の層211に輸送すると同時に、第3の層213はホールを第2の電極202に輸送する。すなわち、第2の層212と第3の層213を合わせて、キャリア発生層としての役割を果たしている。また、第3の層213は、ホールを第2の電極202に輸送する機能を担っていると言える。なお、第3の層213と第2の電極202との間に、さらに第1の層および第2の層を再び積層することで、マルチフォトン型の発光素子とすることも可能である。
また、第2の層212は、有機化合物と、有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含んでいるため、極めて高い電子注入性、電子輸送性を示す。したがって、第2の層212を厚くしても駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、本実施の形態の発光素子は、第2の層212を厚くすることにより、発光素子の短絡を効果的に防止できる。また、マイクロキャビティ効果や干渉効果を利用した光学設計を行うために、第2の層212の膜厚を自由に設定することが可能となる。よって、色純度が良く、見る角度に依存する色の変化などが小さい発光素子を作製することができる。
なお、本実施の形態の発光素子においても、第1の電極201や第2の電極202の種類を変えることで、様々なバリエーションを有する。その模式図を図6および図7に示す。なお、図6および図7では、図5の符号を引用する。また、200は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図6は、発光物質を含む層203が、基板200側から第1の層211、第2の層212、第3の層213の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極201を光透過性とし、第2の電極202を遮光性(特に反射性)とすることで、図6(a)のように基板200側から光を射出する構成となる。また、第1の電極201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極202を光透過性とすることで、図6(b)のように基板200側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極201、第2の電極202の両方を光透過性とすることで、図6(c)に示すように、基板200側と基板200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図7は、発光物質を含む層203が、基板200側から第3の層213、第2の層212、第1の層211の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極202を光透過性とすることで、図7(a)のように基板200側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極201を光透過性とし、第2の電極202を遮光性(特に反射性)とすることで、図7(b)のように基板200側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極201、第2の電極202の両方を光透過性とすることで、図7(c)に示すように、基板200側と基板200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態4で示した発光素子の作製方法について説明する。
まず第1の電極101を形成する。第1の電極101は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。
次に、第1の層111を形成する。第1の層111は、公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。なお、基板の大型化に対応可能な湿式法で形成した場合、発光物質を含む層103全てが湿式法で形成することができるので、大量生産に適している。例えば、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレンビニレン)(略称:MEH−PPV)のような発光物質は、湿式法で形成することができる。
次に、第2の層112を形成する。第2の層112は、実施の形態2〜3に示したいずれの方法を用いても作製することができる。実施の形態2〜実施の形態3に示した方法はいずれも湿式法であるので、基板の大型化にも対応することができる。
第2の電極102は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。
上記の方法に従い、本発明の発光素子を作製することができる。本発明の発光素子の作製方法は、湿式法により、第2の層112を形成することが可能であるので、基板の大型化に対応可能であり、大量生産に適している。特に、公知のポリマー発光材料等を用いて第1の層111も湿式法により形成した場合、発光物質を含む層103全てを湿式法により形成することができるので、より基板の大型化に対応しやすく、大量生産に適している。
なお、本実施の形態では、第1の電極101から形成する方法について説明したが、第2の電極102から順次形成して発光素子を作製してもよい。
(実施の形態8)
本発明の発光素子について説明する。本発明の発光素子は、一対の電極間に発光物質と複合材料とを含んでいる。なお、複合材料とは、有機化合物と、無機化合物とを複合してなる材料である。
図8に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極1101と、第2の電極1102との間に、発光物質を含む層1103は狭持されている構成となっている。本実施の形態では、第1の電極1101は陽極として機能する電極であり、第2の電極1102は陰極として機能する電極である場合について説明する。
発光物質を含む層1103は、第1の層1111、第2の層1112が積層された構成となっている。
第1の層1111は、第2の層1112にホールを輸送する機能を担う層であり、ホールを発生する複合材料を含む。ホールを発生する複合材料は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とが複合してなり、有機化合物と無機化合物との間に電子の授受が行われることにより、多くのホールが発生する。そのため、優れたホール注入性、ホール輸送性を示す。よって、ホールを発生する複合材料を用いることにより、発光素子の駆動電圧を低減することができる。なお、ホールを発生する複合材料を含む第1の層1111はホール輸送性、ホール注入性に優れているため、発光層よりも陽極側に設けることが好ましい。本実施の形態では、陽極として機能する第1の電極1101に接するように第1の層1111を設けた場合について説明する。
ホールを発生する複合材料に含まれる有機化合物としては、発生したホールの輸送性に優れた化合物であることが好ましく、アリールアミン骨格を有する有機化合物を用いることが好ましい。より具体的には、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス(N−{4−[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
ホールを発生する複合材料に含まれる無機化合物としては、遷移金属を含む酸化物を用いることが好ましい。より具体的には、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることが好ましい。また、これら酸化物の骨格を含む複合酸化物であってもよい。また、遷移金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
遷移金属を含む酸化物を用いることにより、遷移金属を含む酸化物とアリールアミン骨格の窒素との間で電子の授受が行われ、ホールを発生させることができる。内在的にホールが発生しているので、電界をかけた場合、高い導電性を得ることができる。
また、上記の複合材料は、導電性が高いため、厚膜化した場合でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を招くことなく第1の層1111を厚くすることができるため、ゴミ等に起因する素子の短絡を抑制することができる。
また、上記の複合材料は、無機化合物を含んでいるため、発光素子の耐熱性を向上させることができる。
なお、第1の層1111は、有機化合物がマトリクスとなり無機化合物が分散している状態、無機化合物がマトリクスとなり有機化合物が分散している状態、有機化合物と無機化合物がほぼ等量含まれており互いがバインダー的状態、等の様々な状態を取りうるが、どの状態であっても、有機化合物と無機化合物との間で電子の授受が行われるので、優れたホール注入性、ホール輸送性、高い導電性を得ることができる。
また、ホールを発生する複合材料を用いて膜を形成する場合、膜質を向上させるため、バインダーとなる材料(バインダー物質)を添加していてもよい。特に、有機化合物として分子量の低い化合物(具体的には、分子量が500以下の化合物)を用いる場合は、膜質を考慮し、バインダー物質が必要となる。無論、高分子化合物を用いる場合も、バインダー物質が添加されていてよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)、ポリカーボネート(略称:PC)、フェノール樹脂等が挙げられる。
第2の層1112は、発光機能を担う層である。第2の層1112は、単層で構成されていてもよいし、複数の層から構成されていてもよい。例えば、発光層以外に、電子注入層、電子輸送層、ホールブロッキング層、ホール輸送層、ホール注入層等の機能性の各層を自由に組み合わせて設けてもよい。また、第2の層1112には、公知の材料を用いることができ、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。なお、第2の層1112を形成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。第2の層1112にも無機化合物を含む構成とすることより、より耐熱性が向上するという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、第1の層1111がホール注入層としての機能を担うため、第2の層1112にホール注入層を設けなくてもよい。
ホール注入層を形成するホール注入性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などが良い。あるいは、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:H−Pc)、銅フタロシアニン(略称:Cu−Pc)等を用いることができる。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポリアニリン(略称:PAni)などを用いることができる。
ホール輸送層を形成するホール輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。好ましい材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物である。広く用いられている材料として、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD),その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:NPB)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
発光層は発光性の物質を含んでおり、ここで、発光性の物質とは、光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質である。発光層について特に限定はないが、発光性の物質が、発光性の物質が有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、分散して含まれた層であることが好ましい。これによって、発光性の物質からの発光が、濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。なお、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップを言う。
発光層を形成する発光性の物質について特に限定はなく、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光性の物質として用いることができる。
また、発光性の物質を分散状態にするために用いる物質について特に限定はなく、例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等の金属錯体等を用いることができる。
電子輸送層を形成する電子輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの典型金属錯体が挙げられる。あるいは9,10−ジフェニルアントラセンや4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)ビフェニルなどの炭化水素系化合物なども好適である。あるいは、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリンやバソキュプロインなどのフェナントロリン誘導体を用いても良い。
電子注入層を形成する電子注入性材料としては、公知の材料を用いることができる。具体的には、フッ化カルシウムやフッ化リチウム、酸化リチウムや塩化リチウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが好適である。あるいは、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)やバソキュプロイン(略称:BCP)などの、いわゆる電子輸送性の材料にリチウムなどのドナー性化合物を添加した層も用いることができる。
なお、本発明の形態では、発光層のみに発光に預かるドーパントが添加され、このドーパントからの発光だけが観測されるが、他の層、例えば電子輸送層やホール輸送層に異なる発光を示すドーパントを添加しても構わない。発光層から得られる発光と、他の層に添加されたドーパントの発光が互いに補色の関係にある場合、白色の発光が得られる。
なお、第1の電極1101や第2の電極1102の種類を変えることで、本実施の形態の発光素子は様々なバリエーションを有する。その模式図を図10および図11に示す。なお、図10および図11では、図8の符号を引用する。また、1100は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図10は、発光物質を含む層1103が、基板1100側から第1の層1111、第2の層1112の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極1101を光透過性とし、第2の電極1102を遮光性(特に反射性)とすることで、図10(a)のように基板1100側から光を射出する構成となる。また、第1の電極1101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極1102を光透過性とすることで、図10(b)のように基板1100側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極1101、第2の電極1102の両方を光透過性とすることで、図10(c)に示すように、基板1100側と基板1100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図11は、発光物質を含む層1103が、基板1100側から第2の層1112、第1の層1111の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極1101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極1102を光透過性とすることで、図11(a)のように基板1100側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極1101を光透過性とし、第2の電極1102を遮光性(特に反射性)とすることで、図11(b)のように基板1100側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極1101、第2の電極1102の両方を光透過性とすることで、図11(c)に示すように、基板1100側と基板1100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
本実施の形態の発光素子において、第1の層1111は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含んでいるため、極めて高いホール注入性、ホール輸送性を示す。したがって、第1の層1111を厚くしても駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を抑制し、かつ、発光素子の短絡を防止することができる。また、マイクロキャビティ効果や干渉効果を利用した光学設計を行うために、第1の層1111の膜厚を自由に設定することが可能となる。よって、色純度が良く、見る角度に依存する色の変化などが小さい発光素子を作製することができる。
また、図11の構成のように、第2の電極1102を形成し、第2の層1112、第1の層1111を順次形成し、第1の電極1101をスパッタリングにより成膜する場合などは、発光性の物質が存在する第2の層1112へのダメージを低減することもできる。
また、本発明の発光素子は、腐食性や有害性の低い材料により構成されているため、環境や人体に対する影響を低減することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態8で示したホールを発生する複合材料の成膜方法について説明する。
まず、無機化合物を形成するための成分として、金属のアルコキシドを用いる。無機化合物は、実施の形態8で述べたように遷移金属を含む酸化物が好ましいため、前記金属としては遷移金属が好ましく、特にチタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムが好適である。なお、無機化合物として複合酸化物を適用する場合は、さらに他の金属アルコキシドを添加すればよい。つまり、例えば酸化アルミニウム骨格を含む複合酸化物を適用するのであれば、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドをさらに添加しておけばよい。
この金属のアルコキシドを適当な溶媒に溶かした溶液に、安定化剤としてβ―ジケトンなどのキレート剤、および水を加えたゾルを調整する。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、THF、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。
安定化剤に用いることのできる化合物としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等のβ―ジケトンが挙げられる。ただし、安定化剤はゾルにおける沈殿を防ぐためのものであり、必ずしも必要ではない。
水の添加量としては、アルコキシドの金属が通常2価〜6価であるため、金属のアルコキシドに対して2当量以上6当量以下が好ましい。ただし、水は金属アルコキシドの反応の進行を制御するために用いるものであり、必ずしも必要ではない。
次に、有機化合物の溶液と調整したゾルを混合し、撹拌することで、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む溶液が得られる。その後、塗布、焼成することにより、本発明の複合材料を成膜することができる。塗布する方法としては、溶液キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
なお、バインダー物質を添加する場合には、前記溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質については、実施の形態8で述べたものを用いればよい。
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態9で示した作製方法とは異なる方法によってホールを発生する複合材料を成膜する方法について説明する。
まず、無機化合物を形成する成分として、金属のアルコキシドを用いる。無機化合物は、実施の形態8で述べたように遷移金属を含む酸化物が好ましいため、前記金属としては遷移金属が好ましく、特にチタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムが好適である。なお、無機化合物として複合酸化物を適用する場合は、さらに他の金属アルコキシドを添加すればよい。つまり、例えば酸化アルミニウム骨格を含む複合酸化物を適用するのであれば、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドをさらに添加しておけばよい。
この金属のアルコキシドと有機化合物とを適当な溶媒に溶かし、撹拌することで、金属のアルコキシドと有機化合物とを含む第1の溶液が得られる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、THF、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。
その後、塗布し、水蒸気にさらし、その後焼成することにより、本発明の複合材料を得る。塗布する方法としては、溶液キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
塗布後に水蒸気にさらすことにより、金属のアルコキシドの加水分解反応が起こり、その後焼成することにより、重合または架橋反応が進行する。なお、焼成の代わりにマイクロ波を照射し、重合または架橋反応を進行させてもよい。また、焼成とマイクロ波照射を併用し、重合または架橋反応を進行させてもよい。
なお、バインダー物質を添加する場合には、前記溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質については、実施の形態8で述べたものを用いればよい。
また、本実施の形態において、金属のアルコキシドおよび有機化合物を含む溶液に、実施の形態9で述べたようなβ―ジケトン等の安定化剤を添加してもよい。安定化剤を添加することにより、大気中等の水分によって金属の水酸化物の多核沈殿が生じることを抑制することができる。なお、水蒸気にさらすまで、水分のない環境で作業するならば、安定化剤は必ずしも必要ではない。
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態9および実施の形態10で示した方法とは異なる方法によってホールを発生する複合材料を成膜する方法について説明する。
まず、無機化合物を形成するための成分として、金属を含む酸性塩の水溶液にアンモニア水溶液を滴下し、金属の水酸化物の多核沈殿を得る。なお、無機化合物として複合酸化物を適用する場合は、さらに他の金属塩を添加すればよい。つまり、例えば酸化アルミニウム骨格を含む複合酸化物を適用するのであれば、塩化アルミニウム等のアルミニウム塩をさらに添加しておけばよい。
得られた沈殿に酢酸等の酸を加えて還流することにより、解膠し、ゾルを得る。得られたゾルに、有機化合物の溶液(または有機化合物)を添加し、撹拌することで、金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、有機化合物とを含む第1の溶液を得ることができる。その後、その溶液を塗布、焼成することにより、本発明の第1の複合材料を成膜する。塗布する方法としては、溶液キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
なお、バインダー物質を添加する場合には、前記溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質については、実施の形態8で述べたものを用いればよい。
(実施の形態12)
本実施の形態では、実施の形態8で示した発光素子の作製方法について説明する。
まず第1の電極1101を形成する。第1の電極1101は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。具体的には、インジウム錫酸化物(ITO)、珪素を含有したインジウム錫酸化物(ITSO)、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IZO)、窒化チタンのような金属化合物や、Cr、W、Zn、Pt、Al、Ag等の金属あるいはそれらの合金等を用いることが好ましい。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム−酸化スズ(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。
次に、第1の層1111を形成する。第1の層1111は、実施の形態9〜実施の形態11に示したいずれの方法を用いても作製することができる。実施の形態9〜実施の形態11に示した方法はいずれも湿式法であるので、基板の大型化にも対応することができる。
次に、第2の層1112を形成する。第2の層1112は、公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。なお、第2の層1112を湿式法で形成する場合、発光物質を含む層1103全てが湿式法で形成することができるので、基板の大型化に対応することができ、湿式法を用いた作製方法は大量生産に適している。例えば、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレンビニレン)(略称:MEH−PPV)のような発光物質は、湿式法で形成することができる。
第2の電極1102は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。具体的には、第1の電極1101において列挙した材料を用いることができ、第1の電極1101および第2の電極1102のいずれか一方、もしくは両方が透光性を有していればよい。
上記の方法に従い、本発明の発光素子を作製することができる。本発明の発光素子の作製方法は、湿式法により、第1の層1111を形成することが可能であるので、基板の大型化に対応可能であり、大量生産に適している。特に、公知のポリマー発光材料等を用いて第2の層1112も湿式法により形成した場合、発光物質を含む層1103全てを湿式法により形成することができるので、より基板の大型化に対応しやすく、湿式法を用いた作製方法は大量生産に適している。
なお、本実施の形態では、第1の電極1101から形成する方法について説明したが、第2の電極1102から順次形成して発光素子を作製してもよい。
(実施の形態13)
実施の形態8では、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む層を陽極と接する層としたが、本実施の形態では、実施の形態8とは異なり、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む層を、陽極と発光層の間で、かつ、陽極と接しないように設ける場合について説明する。
図9に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極1301と、第2の電極1302との間に、発光物質を含む層1303は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層1303は、第1の層1311、第2の層1312、第3の層1313が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極1301が陽極として機能し、第2の電極1302が陰極として機能する場合について説明する。
第1の層1311はホールを注入する機能を有する層である。ホール注入層を形成するホール注入性材料としては公知の材料を用いることができる。具体的には、実施の形態8で示したホール注入性材料を用いることができる。
第2の層1312は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む層である。実施の形態8で示した第1の層1111と同様の構成を適用することができる。
第3の層1313は、発光機能を担う層であり、実施の形態8で示した第2の層1112と同様の構成を適用することができる。
上記のような構成とすることにより、第2の層1312を厚膜化した場合でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を抑制し、かつ、素子の短絡防止、光学調整による色純度の向上を実現することができる。
(実施の形態14)
本実施の形態では、実施の形態8に示した構成とは異なる構成を有する発光素子について、図12を用いて説明する。
図12に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極1201と、第2の電極1202との間に、発光物質を含む層1203は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層1203は、第1の層1211、第2の層1212、第3の層1213、第4の層1214が順次積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極1201が陽極として機能し、第2の電極1202が陰極として機能する場合について説明する。
本実施の形態の発光素子は、次の様に動作する。まず、第2の電極1202よりも第1の電極1201の電位の方が高くなるように電圧を印加すると、第4の層1214から第2の電極1202へはホールが注入され、第3の層1213から第2の層1212へは、電子が注入される。また、第1の電極1201から第1の層1211へはホールが注入され、第1の層1211から第2の層1212へホールが注入される。第1の層1211から注入されたホールと、第3の層1213から注入された電子とは、第2の層1212において再結合し、発光性の物質を励起状態にする。そして、励起状態の発光性の物質は基底状態に戻るときに発光する。
第1の電極1201、第2の電極1202、第1の層1211、第2の層1212は、実施の形態8における第1の電極1101、第2の電極1102、第1の層1111、第2の層1112とそれぞれと同じ構成を適用することができる。つまり、第1の電極は公知の材料を用いることができ、第1の層1211は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含み、第2の層1212は発光性の物質を含んでいる。
第3の層1213は、電子を発生するドナー準位を有する材料を含む層である。このような層としては、例えば、電子輸送性物質と、その物質に対して電子供与性を示す物質とを含む層が挙げられる。ここで、電子輸送性物質とは、ホールよりも電子の輸送性が高い物質である。電子輸送性物質について特に限定はなく、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。また、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質について特に限定はなく、例えば、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、エルビウム、イッテルビウム等の希土類金属等を用いることができる。また、リチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)等、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の中から選ばれた物質を、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質として用いても構わない。なお、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物等は、反応性が低く、取り扱いが容易である。また、第2の層312は、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンのようなn型の半導体から成る層であってもよい。
第4の層1214は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む構成である。したがって、第4の層に含まれる無機化合物としては実施の形態8にて列挙した無機化合物と同様のものを用いることができる。ただし、第4の層1214に含まれる無機化合物は、第1の層1211に含まれる無機化合物と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
このような構成とすることにより、図12に示した通り、電圧を印加することにより第3の層1213および第4の層1214の界面近傍にて電子の授受が行われ、電子とホールが発生し、第3の層1213は電子を第2の層1112に輸送すると同時に、第4の層1214はホールを第2の電極1102に輸送する。すなわち、第3の層1213と第4の層1214とを合わせて、キャリア発生層としての役割を果たしている。また、第4の層1214は、ホールを第2の電極1102に輸送する機能を担っていると言える。なお、第4の層1214と第2の電極1202との間に、さらに第2の層および第3の層を再び積層することで、マルチフォトン型の発光素子とすることも可能である。
また、第1の層1211や第4の層1214は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含んでいるため、極めて高いホール注入性、ホール輸送性を示す。したがって、第1の層1211を厚くしても駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、本実施の形態の発光素子は、発光機能を担う第2の層1212の第1の電極側および第2の電極側の両方を非常に厚くすることが可能となる。つまり、第1の電極と第2の電極との距離を大きくすることが可能となり、さらに発光素子の短絡を効果的に防止できる。また、光学設計により色純度等を向上させるため、第2の層1212の第1の電極側および第2の電極側の両方の膜厚を自由に設定することが可能となる。また、発光物質を含む層1203を形成した後に、第1の電極1201または第2の電極1202をスパッタリングにより成膜する場合などは、発光性の物質が存在する第2の層1212へのダメージを低減することもできる。さらに、第1の層1211と第4の層1214を同じ材料で構成することにより、発光物質を含む層1203の第1の電極側および第2の電極側の両方に、同じ材料で構成された層が存在することになるため、応力歪みを抑制する効果も期待できる。
なお、本実施の形態の発光素子においても、第1の電極1201や第2の電極1202の種類を変えることで、様々なバリエーションを有する。その模式図を図13および図14に示す。なお、図13および図14では、図12の符号を引用する。また、1200は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図13は、発光物質を含む層1203が、基板1200側から第1の層1211、第2の層1212、第3の層1213、第4の層1214の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極1201を光透過性とし、第2の電極1202を遮光性(特に反射性)とすることで、図13(a)のように基板1200側から光を射出する構成となる。また、第1の電極1201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極1202を光透過性とすることで、図13(b)のように基板1200側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極1201、第2の電極1202の両方を光透過性とすることで、図13(c)に示すように、基板1200側と基板1200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図14は、発光物質を含む層1203が、基板1200側から第4の層1214、第3の層1213、第2の層1212、第1の層1211の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極1201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極1202を光透過性とすることで、図14(a)のように基板1200側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極1201を光透過性とし、第2の電極1202を遮光性(特に反射性)とすることで、図14(b)のように基板1200側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極1201、第2の電極1202の両方を光透過性とすることで、図14(c)に示すように、基板1200側と基板1200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
なお、本実施の形態における発光素子を作製する場合には、実施の形態12に示した方法に準じて作製することが可能である。つまり、第1の電極1201、第2の電極1202、第2の層1212、第3の層1213は公知の方法により形成することができ、第1の層1211、第4の層1214は、それぞれ実施の形態9〜12に示した方法を適宜選択して形成することができる。なお、第4の層は1214は、蒸着法などの他の方法により形成してもよい。
また、第4の層1214を本発明における複合材料を用いて湿式法で形成する場合、第1の層1211は蒸着法などの公知の方法により形成してもよい。また第4の層1214を湿式法により形成した場合、第1の層1211は必ずしも必要ではない。
また、第1の電極1201を形成した後、第1の層1211、第2の層1212、第3の層1213、第4の層1214を順次積層し、第2の電極1202を形成してもよいし、第2の電極1202を形成した後、第4の層1214、第3の層1213、第2の層1212、第1の層1211を順次積層し、第1の電極を形成してもよい。
なお、第1の層1211は電子を発生するドナー準位を有する材料を含み、第3の層1213は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含み、第4の層1214は電子を発生するドナー準位を有する材料を含む構成にすることも可能である。この場合、第3の層1213は、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含んでいるため、ホール輸送性に優れている。したがって、発光素子の駆動電圧を低減することができる。また、マイクロキャビティ効果や干渉効果を利用した光学設計を行うために、第3の層1213の膜厚を自由に設定することが可能となる。よって、色純度が良く、見る角度に依存する色の変化などが小さい発光素子を作製することができる。
(実施の形態15)
本実施の形態では、本発明のホールを発生する複合材料に含まれる有機化合物について、より詳しく説明する。
本発明のホールを発生する複合材料に含まれる有機化合物としては、アリールアミン骨格を有する有機化合物であれば、低分子化合物、中分子化合物、高分子化合物のいずれを用いることができる。本実施の形態では、本発明のホールを発生する複合材料に含まれる有機化合物である高分子化合物について説明する。
高分子化合物としては、下記一般式または構造式(11)〜(15)で示されるビニル単量体を用いた高分子化合物を用いることができる。
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、式中Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
Figure 2006190995
具体的には、下記一般式または構造式(1)〜(5)で示される重合体である高分子化合物を用いることができる。
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、nは2以上の整数である。)
また、一般式または構造式(6)〜(10)で表される共重合体である高分子化合物を用いることができる。
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
Figure 2006190995
(式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
上記一般式または構造式(11)〜(15)で表されるビニル単量体において、重合に預かるビニル基は、チオフェンやフラン骨格などの芳香族置換基と共役しているため、重合活性を示す。また、チオフェン環やフラン骨格、ピロール環は電子過剰型へテロ芳香環であるため、ビニル基の電子密度は向上している。このため、上記一般式または構造式(11)〜(15)で表されるビニル単量体はラジカル重合やカチオン重合によって容易に重合体を与える。また、上記一般式(11)〜(14)で表されるビニル単量体において、式中Yを水素原子以外の置換基、例えばアルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基とすることにより、溶解性が増す。
また、一般式または構造式(1)〜(5)で表される重合体において、耐熱性の向上という観点から、nは好ましくは10以上の整数である。さらに、一般式または構造式(6)〜(10)で表される共重合体において、耐熱性の向上という観点から、nとmの和は好ましくは10以上の整数である(但しnは1以上の整数である)。
なお、構造式(10)で表される共重合体においては、ビニルカルバゾール以外のアリールアミンを側鎖にもつ物質を用いることができる。例えば、一般式(8)で表される共重合体であって、Rを水素原子とし、Rは下記構造式(16)、(17)、(18)、(19)のいずれかひとつで表される物質が挙げられる。
Figure 2006190995
Figure 2006190995
Figure 2006190995
Figure 2006190995
(実施の形態16)
本発明の発光素子について説明する。本発明の発光素子は、一対の電極間に発光物質と複合材料とを含んでいる。なお、複合材料とは、有機化合物と、無機化合物とを複合してなる材料である。
図15に本発明の発光素子の構造の一例を示す。図15において、第1の電極2101と、第2の電極2102との間に、発光物質を含む層2103は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層2103は、第1の層2111、第2の層2112、第3の層2113が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極2101が陽極として機能し、第2の電極2102が陰極として機能する場合について説明する。
第1の層2111は、第2の層2112にホールを輸送する機能を担う層であり、ホールを発生する第1の複合材料を含む。ホールを発生する第1の複合材料は、第1の有機化合物と、第1の有機化合物に対して電子受容性を示す第1の無機化合物とが複合してなり、第1の有機化合物と第1の無機化合物と間に電子の授受が行われることにより、多くのホールが発生する。そのため、優れたホール注入性、ホール輸送性を示す。よって、ホールを発生する第1の複合材料を用いることにより、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
ホールを発生する第1の複合材料に含まれる第1の有機化合物としては、発生したホールの輸送性に優れた化合物であることが好ましく、アリールアミン骨格を有する有機化合物を用いることが好ましい。より具体的には、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス(N−{4−[N,N−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
ホールを発生する第1の複合材料に含まれる第1の無機化合物としては、遷移金属を含む酸化物を用いることが好ましい。より具体的には、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることが好ましい。また、これら酸化物の骨格を含む複合酸化物であってもよい。また、遷移金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
遷移金属を含む酸化物を用いることにより、遷移金属を含む酸化物とアリールアミン骨格の窒素との間で電子の授受が行われ、ホールを発生させることができる。内在的にホールが発生しているので、電界をかけた場合、高い導電性を得ることができる。
また、上記第1の複合材料は、導電性が高いため、厚膜化した場合でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を招くことなく第1の層2111を厚くすることができるため、ゴミ、不要物等に起因する発光素子の短絡を抑制することができる。
また、上記第1の複合材料は、無機化合物を含んでいるため、発光素子の耐熱性を向上させることができる。
なお、第1の層2111は、第1の有機化合物がマトリクスとなり第1の無機化合物が分散している状態、第1の無機化合物がマトリクスとなり第1の有機化合物が分散している状態、第1の有機化合物と第1の無機化合物がほぼ等量含まれており互いがバインダー的状態、等の様々な状態を取りうるが、どの状態であっても、第1の有機化合物と第1の無機化合物との間で電子の授受が行われるので、優れたホール注入性、ホール輸送性、高い導電性を得ることができる。
また、ホールを発生する第1の複合材料を用いて膜を形成する場合、膜質を向上させるため、バインダーとなる材料(バインダー物質)を添加していてもよい。特に、第1の有機化合物として分子量の低い化合物(具体的には、分子量が500以下の化合物)を用いる場合は、膜質を考慮し、バインダー物質が必要となる。無論、高分子化合物を用いる場合も、バインダー物質が添加されていてよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)、ポリカーボネート(略称:PC)、フェノール樹脂等が挙げられる。
次に、第3の層2113について説明する。第3の層2113は第2の層2112に電子を輸送する機能を担う層であり、電子を発生する第2の複合材料を含む。電子を発生する第2の複合材料は、第2の有機化合物と、第2の有機化合物に対して電子供与性を示す第2の無機化合物とが複合してなり、第2の有機化合物と第2の無機化合物との間に電子の授受が行われることにより、多くの電子が発生する。そのため、優れた電子注入性、電子輸送性を示す。よって、電子を発生する第2の複合材料を用いることにより、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
電子を発生する第2の複合材料に含まれる第2の有機化合物としては、発生した電子の輸送性に優れた材料であることが好ましく、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格を有する有機化合物を用いることが好ましい。より具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBI)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、ポリ(4−ビニルピリジン)(略称:PVPy)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
電子を発生する第2の複合材料に含まれる第2の無機化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物を用いることが好ましい。より具体的には、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることが好ましい。また、これら酸化物の骨格を含む複合酸化物であってもよい。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物は、水酸基を有していてもよい。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物を用いることにより、それら金属酸化物とピリジン骨格等との間で電子の授受が行われ、電子を発生することができる。内在的に電子が発生しているので、電界をかけた場合、高い導電性を得ることができる。
また、上記第2の複合材料は、導電性が高いため、厚膜化した場合でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を招くことなく第3の層2113を厚くすることができるため、ゴミ等に起因する素子の短絡を抑制することができる。
また、上記第2の複合材料は、無機化合物を含んでいるため、発光素子の耐熱性を向上させることができる。
なお、第3の層2113は、第2の有機化合物がマトリクスとなり第2の無機化合物が分散している状態、第2の無機化合物がマトリクスとなり第2の有機化合物が分散している状態、第2の有機化合物と第2の無機化合物がほぼ等量含まれており互いがバインダー的状態、等の様々な状態を取りうるが、どの状態であっても、第2の有機化合物と第2の無機化合物との間で電子の授受が行われるので、優れた電子注入性、電子輸送性、高い導電性を得ることができる。
また、電子を発生する第2の複合材料を用いて膜を形成する場合、膜質を向上させるため、バインダーとなる材料(バインダー物質)を添加してもよい。特に、第2の有機化合物として分子量の低い化合物(具体的には、分子量が500以下の化合物)を用いる場合は、膜質を考慮し、バインダー物質が必要となる。無論、第2の有機化合物として高分子化合物を用いる場合も、バインダー物質が添加されていてよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)、ポリカーボネート(略称:PC)、フェノール樹脂等が挙げられる。
第2の層2112は、発光機能を担う層であり、少なくとも発光性の物質を含んでいればよい。発光性の物質としては、公知の材料を用いることができる。また、発光性の物質以外に、他の材料を含んでいてもよい。例えば、第1の層2111や第3の層2113と同様に、発光性の有機化合物とだけでなく無機化合物を含んでいてもよい。第2の層にも無機化合物を含む構成とすることより、より耐熱性が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態で示した発光素子において、第1の層2111や第3の層2113は、極めて高いキャリア注入性、キャリア輸送性を示す。また、導電性も高い。したがって、本実施の形態の発光素子は、駆動電圧の上昇を抑制し、かつ、発光機能を担う第2の層と第1の電極の間にある層と、発光機能を担う第2の層と第2の電極の間にある層の両方を非常に厚くすることが可能となる。つまり、第1の電極と第2の電極との距離を大きくすることが可能となり、発光素子の短絡を防止することができる。
また、発光物質を含む層2103を形成した後、第1の電極2101または第2の電極2102をスパッタリングにより成膜する場合に、発光性の物質が存在する第2の層2112へのダメージを低減することもできる。
また、第1の層2111や第3の層2113を厚膜化しても、駆動電圧の上昇を抑制することができるため、第1の層2111および第3の層2113の膜厚の自由に設定でき、第2の層2112からの発光の取り出し効率を向上させることができる。また、第2の層2112からの発光の色純度が向上するように、第1の層2111および第3の層2113の膜厚を設定することも可能である。
また、本発明の発光素子は、腐食性や有害性の低い材料により構成されているため、環境や人体に対する影響を低減することができる。
なお、第1の電極2101や第2の電極2102の種類を変えることで、本実施の形態の発光素子は様々なバリエーションを有する。その模式図を図17および図18に示す。なお、図17および図18では、図15の符号を引用する。また、2100は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図17は、発光物質を含む層2103が、基板2100側から第1の層2111、第2の層2112、第3の層2113の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極2101を光透過性とし、第2の電極2102を遮光性(特に反射性)とすることで、図17(a)のように基板2100側から光を射出する構成となる。また、第1の電極2101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極2102を光透過性とすることで、図17(b)のように基板2100側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極2101、第2の電極2102の両方を光透過性とすることで、図17(c)に示すように、基板2100側と基板2100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図18は、発光物質を含む層2103が、基板2100側から第3の層2113、第2の層2112、第1の層2111の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極2101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極2102を光透過性とすることで、図18(a)のように基板2100側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極2101を光透過性とし、第2の電極2102を遮光性(特に反射性)とすることで、図18(b)のように基板2100側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極2101、第2の電極2102の両方を光透過性とすることで、図18(c)に示すように、基板2100側と基板2100側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
(実施の形態17)
本実施の形態では、実施の形態16で示した発光素子の作製方法について説明する。
まず第1の電極2101を形成する。第1の電極2101は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。具体的には、インジウム錫酸化物(ITO)、珪素を含有したインジウム錫酸化物(ITSO)、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IZO)、窒化チタンのような金属化合物や、Cr、W、Zn、Pt、Al、Ag等の金属あるいはそれらの合金等を用いることが好ましい。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム−酸化スズ(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。
次に、第1の層2111を形成する。第1の層2111は、実施の形態9〜11に示したいずれの方法を用いても作製することができる。実施の形態9〜11に示した方法はいずれも湿式法であるので、基板の大型化にも対応することができる。
次に、第2の層2112を形成する。第2の層2112は、公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。なお、基板の大型化に対応可能な湿式法で形成した場合、発光物質を含む層2103全てが湿式法で形成することができるので、湿式法を用いた作製方法は大量生産に適している。例えば、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレンビニレン)(略称:MEH−PPV)のような発光物質は、湿式法で形成することができる。
次に、第3の層2113を形成する。第3の層2113は、実施の形態2〜3に示したいずれの方法を用いても作製することができる。実施の形態2〜3に示した方法はいずれも湿式法であるので、基板の大型化にも対応することができる。
第2の電極2102は公知の材料を用いることができ、公知の方法により形成することができる。具体的には、第1の電極2101において列挙した材料を用いることができ、第1の電極2101および第2の電極2102のいずれか一方、もしくは両方が透光性を有していればよい。
上記の方法に従い、本発明の発光素子を作製することができる。本発明の発光素子の作製方法は、湿式法により、第1の層2111および第3の層2113を形成することが可能であるので、基板の大型化に対応可能であり、大量生産に適している。特に、第2の層2112も公知のポリマー発光材料等を用いて湿式法により形成した場合、発光物質を含む層2103に含まれる全ての層を湿式法により形成することができるので、より基板の大型化に対応しやすく、大量生産に適している。
なお、本実施の形態では、第1の電極2101から形成する場合について説明したが、第2の電極2102から形成することも可能である。つまり、第2の電極2102を形成し、第3の層2113、第2の層2112、第1の層2111を順次積層し、第1の電極2101を形成することにより、本発明の発光素子を作製することも可能である。
(実施の形態18)
本実施の形態では、実施の形態16に示した構成とは異なる構成を有する発光素子について、図16を用いて説明する。
図16に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極2201と、第2の電極2202との間に、発光物質を含む層2203は狭持されている構成となっている。発光物質を含む層2203は、第1の層2211、第2の層2212、第3の層2213、第4の層2214が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極2201が陽極として機能し、第2の電極2202が陰極として機能する場合について説明する。
第1の電極2201、第2の電極2202、第1の層2211、第2の層2212、第3の層2113は、実施の形態16(すなわち図15)における各層と同じ構成を適用することができる。つまり、第1の電極は公知の材料を用いることができ、第1の層2211は、第1の有機化合物と第1の有機化合物に対して電子受容性を示す第1の無機化合物とを複合してなる複合材料を含み、第2の層2212は発光性の物質を含み、第3の層2213は、第2の有機化合物と第2の有機化合物に対して電子供与性を示す第2の無機化合物とを複合してなる複合材料を含んでいる。実施の形態16と異なる点は、第3の層2213と第2の電極2202との間に、第4の層2214を設けている点である。
第4の層2214は、少なくとも第3の有機化合物と、第3の有機化合物に対して電子受容性を示す第3の無機化合物と複合してなる第3の複合材料を含む構成である。したがって、第3の有機化合物としては、実施の形態1にて列挙した第1の有機化合物と同様のものを、第3の無機化合物としては、実施の形態1にて列挙した第1の無機化合物と同様のものを用いることができる。ただし、第3の有機化合物は第1の有機化合物と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。また、第3の無機化合物は、第1の無機化合物と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
このような構成とすることにより、図16に示した通り、電圧を印加することにより第3の層2213および第4の層2214の界面近傍にて電子の授受が行われ、電子とホールが発生し、第3の層2213は電子を第2の層2112に輸送すると同時に、第4の層2214はホールを第2の電極2102に輸送する。すなわち、第3の層2213と第4の層2214とを合わせて、キャリア発生層としての役割を果たしている。また、第4の層2214は、ホールを第2の電極2102に輸送する機能を担っていると言える。なお、第4の層2214と第2の電極2202との間に、さらに第2の層および第3の層を再び積層することで、マルチフォトン型の発光素子とすることも可能である。
また、第1の層2211や第4の層2214は、極めて高いホール注入性、ホール輸送性を示す。したがって、本実施の形態の発光素子は、発光機能を担う第2の層の第1の電極側および第2の電極側の両方を非常に厚くすることが可能となる。つまり、第1の電極と第2の電極との距離を大きくすることが可能となり、さらに発光素子の短絡を効果的に防止できる。また、図16を例に取ると、第2の電極2202をスパッタリングにより成膜する場合などは、発光性の物質が存在する第2の層2212へのダメージを低減することもできる。さらに、第1の層2211と第4の層2214を同じ材料で構成することにより、発光物質を含む層2203の第1の電極側および第2の電極側の両方に同じ材料で構成された層が存在することになるため、応力歪みを抑制する効果も期待できる。
なお、本実施の形態の発光素子においても、第1の電極2201や第2の電極2202の種類を変えることで、様々なバリエーションを有する。その模式図を図19および図20に示す。なお、図19および図20では、図16の符号を引用する。また、2200は、本発明の発光素子を担持する基板である。
図19は、発光物質を含む層2203が、基板2200側から第1の層2211、第2の層2212、第3の層2213、第4の層2214の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極2201を光透過性とし、第2の電極2202を遮光性(特に反射性)とすることで、図19(a)のように基板2200側から光を射出する構成となる。また、第1の電極2201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極2202を光透過性とすることで、図19(b)のように基板2200側とは逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極2201、第2の電極2202の両方を光透過性とすることで、図19(c)に示すように、基板2200側と基板2200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
図20は、発光物質を含む層2203が、基板2200側から第4の層2214、第3の層2213、第2の層2212、第1の層2211の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極2201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極2202を光透過性とすることで、図20(a)のように基板2200側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極2201を光透過性とし、第2の電極2202を遮光性(特に反射性)とすることで、図20(b)のように基板2200側とは逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極2201、第2の電極2202の両方を光透過性とすることで、図20(c)に示すように、発光素子の両側、つまり基板2200側と基板2200側とは逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
なお、第1の層2211が、第2の有機化合物と第2の有機化合物に対して電子供与性を示す第2の無機化合物とを複合してなる複合材料を含み、第2の層2212は発光性の物質を含み、第3の層2213が、第1の有機化合物と第1の有機化合物に対して電子受容性を示す第1の無機化合物とを複合してなる複合材料を含み、第4の層2214が、第2の有機化合物と第2の有機化合物に対して電子供与性を示す第2の無機化合物とを複合してなる複合材料を含む構成にした場合でも、同様の効果を得ることができる。つまりこの場合、第1の層2211や第4の層2214は、極めて高い電子注入性、電子輸送性を示すため、発光機能を担う第2の層と第1の電極の間にある層と発光機能を担う第2の層と第2の電極の間にある層の両方を非常に厚くすることが可能となり、発光素子の短絡を効果的に防止できる。また、第2の層へのダメージを低減することもできる。また、応力歪みを抑制する効果を得ることもできる。
なお、本実施の形態における発光素子を作製する場合には、実施の形態7に示した方法に準じて作製することが可能である。つまり、第1の電極2201、第2の電極2202、第2の層2212は公知の方法により形成することができ、第1の層2211、第3の層2213、第4の層2214は、それぞれ実施の形態9〜11、実施の形態2〜3に示した方法を適宜選択して形成することができる。なお、第4の層2214は、蒸着法などの他の方法により形成してもよい。
また、第1の電極2201を形成した後、第1の層2211、第2の層2212、第3の層2213、第4の層2214を順次積層し、第2の電極2202を形成してもよいし、第2の電極2202を形成した後、第4の層2214、第3の層2213、第2の層2212、第1の層2211を順次積層し、第1の電極を形成してもよい。
(実施の形態19)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置について説明する。
本実施例では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図22を用いて説明する。なお、図22(A)は、発光装置を示す上面図、図22(B)は図22(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。点線で示された601は駆動回路部(ソース側駆動回路)、602は画素部、603は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図22(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、発光物質を含む層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、本実施の形態において陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、または珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれる。
また、発光物質を含む層616は、実施の形態8で示したキャリアを発生する複合材料を含んでいる。具体的には、第1の有機化合物と、第1の有機化合物に対して電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料と、第2の有機化合物と、第2の有機化合物に対して電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料とを含んでいる。これらのキャリアを発生する複合材料は、実施の形態2〜3および実施の形態9〜11に示した方法により成膜することが可能である。これらの成膜方法はいずれも湿式法であるため、基板の大型化への対応が容易である。また、キャリアを発生する複合材料の層だけでなく、発光物質を含む層616に含まれる他の層を湿式法で形成した場合、発光物質を含む層616全てが湿式法で形成できるため、より大量生産に適している。
また、キャリアを発生する複合材料と組み合わせて用いる材料としては、公知の材料を用いることができ、低分子系材料、中分子材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)、または高分子系材料であっても良い。
なお、実施の形態1で示したキャリアを発生する複合材料は、有機化合物と無機化合物とが電子の授受を行うことにより、優れたキャリア注入性、キャリア輸送性を有している。そのため、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
さらに、発光物質を含む層616上に形成される第2の電極(陰極)617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi、LiF、CaF、窒化カルシウム等)を用いることが好ましい。なお、発光物質を含む層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極(陰極)617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、珪素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
本発明の発光装置は、有機化合物と有機化合物に対して電子の授受を行うことができる無機化合物を用いているため、導電性に優れ、駆動電圧を低減することができる。よって、消費電力を低減することが可能である。
また、本発明の発光素子に含まれる複合材料は、導電性が高いため、駆動電圧の上昇を招くことなく発光物質を含む層616を厚くすることができる。そのため、ゴミ等に起因する素子の短絡も抑制することができる。よって、より欠陥の少ない発光装置を提供することが可能となる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブ型の発光装置について説明したが、この他、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の発光装置であってもよい。図21には本発明を適用して作製したパッシブ型の発光装置の斜視図を示す。図21において、基板951上には、電極952と電極956との間には発光物質を含む層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブ型の発光装置においても、低駆動電圧で動作する本発明の発光素子を含むことによって、低消費電力で駆動させることができる。
(実施の形態20)
本実施の形態では、本発明の発光素子を用いて作製された発光装置をその一部に含む様々な電気機器について説明する。
本発明の発光素子を有する発光装置を用いて作製された電気機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電気機器の具体例を図23に示す。
図23(A)はテレビ受像機であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部9103に用いることにより作製される。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない表示部を有するテレビ受像機を得ることができる。なお、テレビ受像機は、コンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。
図23(B)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングマウス9206等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部9203に用いることにより作製される。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない表示部を有するコンピュータを得ることができる。
図23(C)はゴーグル型ディスプレイ、本体9301、表示部9302、アーム部9303を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部9302に用いることにより作製される。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない表示部を有するゴーグル型ディスプレイを得ることができる。
図23(D)は携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部9403に用いることにより作製される。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない表示部を有する携帯電話を得ることができる。なお、表示部9403は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
図23(E)はカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部9502に用いることにより作製される。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない表示部を有するカメラを得ることができる。
以上の様に、本発明の発光素子を有する発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電気機器に適用することが可能である。本発明の発光素子を有する発光装置を用いることにより、低消費電力で、欠陥の少ない電気機器を提供することが可能となる。
(合成例1)
本合成例では、構造式(15)で示される化合物、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンの合成について述べる。合成スキーム(a)を次に示す。
Figure 2006190995
窒素雰囲下、3、4−エチレンジオキシチオフェン(13.8g、0.1mol)の乾燥テトラヒドロフラン(130mL)溶液に−78℃で1.58Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(158mL、0.1mol)を滴下した。滴下終了後、−78℃にて45分間攪拌した。この懸濁液に乾燥DMF(7.3g、0.1mol)を加えたのち、反応混合物を45℃で2時間加熱した。反応混合物に1NのHClを約100mL加え、さらに10分間攪拌を続けた。反応溶液をエーテルで抽出し、エーテルを溜去した。残渣をヘキサンによって再結晶することによって、2−ホルミル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物A、13.21g、収率84%)を得た。
窒素雰囲気下、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム塩(78mmol)の乾燥THF溶液に、1.58Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(49mL、78mmol)を−40℃で滴下した。滴下終了後−78℃に冷却し、これに2−ホルミル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物A)の乾燥THF溶液(70mL)を加えた。この後反応混合物を室温に戻し、24時間攪拌した。反応混合物をエーテルで抽出し、エーテルを溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製することによって、構造式(15)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物B、6.93g、58%)を得た。化合物BのNMRデータを以下に示す。H NMR(300MHz、CDCl)δ 6.70(dd、J=11、18Hz、1H)、6.18(s、1H)、5.48(q、J=18Hz、1H)、5.06(d、J=11Hz、1H)、4.18−4.25(m、4H)。
(合成例2)
本合成例では、構造式(15)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンの単独重合例について説明する。合成スキーム(b)を以下に示す。
Figure 2006190995
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(1.3g)をトルエン1mLに溶解し、トルエン1mLに溶解したアゾビスイソブチロニトリル(32.8mg)を加えた。反応溶液を60℃で24時間放置した。反応溶液を過剰のエタノールへ投入し、生成した沈殿をろ過、乾燥することにより、対応する重合体、ポリ(2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)を得た。収量50mg(収率36%)。なお、この化合物の窒素雰囲気下における分解温度は340℃、ガラス転移温度は158℃であった。イオン化ポテンシャルは5.60eVであった。
(合成例3)
本合成例では、構造式(15)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンとN−ビニルカルバゾールとの溶液中における共重合例について説明する。合成スキーム(c)を以下に示す。
Figure 2006190995
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(0.4mmol)とN−ビニルカルバゾール(3.6mmol)をトルエン1mLに溶解し、トルエン1mLに溶解したアゾビスイソブチロニトリル(0.2mmol)を加えた。反応溶液を60℃で24時間放置した。反応溶液を過剰のメタノールへ投入し、生成した沈殿をろ過、乾燥することにより、一般式(10)で示されるポリマー、ポリ(2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン−co−N−ビニルカルバゾール)を得た。収量79mg(収率32%)。なお、この共重合体の窒素雰囲気下における5%重量減少温度は190℃であった。また、示差走査熱量測定(DSC測定)では、この温度以下においてガラス転移点を示さなかった。
(合成例4)
本合成例では、構造式(15)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンとN−ビニルカルバゾールとのバルク共重合例について説明する。合成スキーム(d)を以下に示す。
Figure 2006190995
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(0.57mmol)とN−ビニルカルバゾール(5.24mmol)にアゾビスイソブチルニトリル(0.29mmol)を加え、80℃にて48時間反応を行った。生成したポリマーをメタノールによって再沈殿することにより、一般式(10)で示される共重合体を単離した。収量230mg(収率21%)。
本実施例2では、本発明の発光素子を具体的に例示する。素子構造について、図8を用いながら説明する。
まず、110nmの膜厚で珪素を含有したインジウム錫酸化物が成膜されたガラス基板を用意した。成膜された珪素を含有したインジウム錫酸化物は、本実施例において第1の電極1101として作用する。
次に、25mLのトルエンに、0.125gのPVK、0.125gのTPD、および0.02gのチタン(IV)テトライソプロポキシドを溶解させた溶液を調製した。この溶液を用意した基板に滴下し、800rpmで5秒間、ついで1200rpmで60秒間スピンコートした。さらに、50℃で大気中にて焼成を行い、さらに50℃で30分間真空中で焼成を行うことにより複合材料を形成させ、第1の層1111を得た。
次に、第2の層1112を形成した。第2の層1112は、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層により構成した。
まず、上述のようにして第1の層1111が形成された基板を、第1の層が形成された面が下方になるように真空蒸着装置内の基板ホルダーに固定した。そして、NPBを抵抗加熱による真空蒸着法により10nm形成し、ホール輸送層とした。次に、Alqにクマリン6が添加された発光層を形成した。この時、Alqを抵抗加熱により蒸発させると同時に、クマリン6も抵抗加熱により蒸発させる共蒸着法を用い、Alqとクマリン6の割合が質量比で1:0.003となるように調節した。膜厚は37.5nmとした。さらに、電子輸送層としてAlqを37.5nmの膜厚で成膜し、次いで電子注入層としてCaF2を1nm成膜した。いずれも抵抗加熱による真空蒸着法により形成した。
以上のようにして第2の層1112を形成したあと、第2の電極1102としてAlを200nm蒸着し、本発明の発光素子を得た。
本発明の発光素子の電圧−輝度特性を図24に示す。図24に示す通り、1000cd/mの輝度を得るのに必要な電圧は、10.6Vであった。また、この時の電流効率は、13.0cd/Aであった。
[比較例1]
上述した発光素子の第1の層1111に換えて、従来のホール注入層を用いた比較例を具体的に例示する。比較例1におけるホール注入層は、実施例2で述べた溶液からチタン(IV)テトライソプロポキシドを除いた溶液を調製し、同様にして塗布・焼成することにより得た。また、第1の電極1101、第2の電極1102、第2の層1112は実施例2と同様とした。
図24中に、比較例1の発光素子の電圧−輝度特性を示した。図24に示す通り、1000cd/mを得るのに必要な電圧は、11.8Vであり、実施例2よりも1V電圧が高かった。なお、この時の電流効率は13.6cd/Aであり、電流効率には変化がなかった。したがって本発明を適用することにより、電流効率は変化することなく、駆動電圧が下がることがわかった。
本実施例では、ホールの輸送性に優れた有機化合物として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を、バインダー物質としてポリ(メタクリル酸メチル)(略称:PMMA)を、前記有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物として酸化チタン(TiO)を用いたホールを発生する複合材料に関し、電気特性の測定例を例示する。また比較例として、上記構成からTiOxを除いた材料の電気特性を測定した例も、合わせて例示する。
まず、クロロホルムとトルエンの1:1混合溶媒25mLに、PMMA(Mw=996000)を0.125g、NPBを0.125g(0.21mmol)、TiOの原料であるチタン(IV)テトライソプロポキシドを0.060g(0.21mmol)溶解させ、塗布用の溶液を調製した。
また、電極として2mm角の透明電極(インジウム錫珪素酸化物、略称:ITSO)が形成された基板を用意し、アセトン、純水、エタノールの順に超音波洗浄を行った後、エタノールで煮沸洗浄を行い、最後にUVオゾン処理を370秒行った。
次に、先に調製した溶液を0.45μmのフィルターに通しながら、基板上に滴下し、1000rpm・60秒の条件でスピンコートした。スピンコートされた基板と純水を入れたビーカーとを電気炉内に入れ、40℃で2時間加熱することで、水蒸気により加水分解処理を行った。さらに、純水が入っているビーカーを炉内から取り出した後、ロータリーポンプで炉内を真空に引きながら120℃で1.5時間焼成することにより、NPB、PMMA、および酸化チタンからなるホールを発生する複合材料を得た。膜厚は100nmであった。
最後に、形成した複合材料上に、電極としてAlを真空蒸着法により100nm成膜し、以下の素子構造を有する電気特性測定用の単層素子を作製した。
つまり、透明電極(ITSO)を形成し、NPBとPMMAと酸化チタンからなるホールを発生する複合材料(100nm)を形成し、Al(100nm)を形成することで本実施例の素子を作製した。
上記のように作製した素子に対して、ITSO側をプラスにバイアスして電圧−電流特性の測定を行った。測定結果を図25に示す。図25において、横軸は電圧(単位:V)、縦軸は電流(単位:mA)を表す。図25のように、本発明のホールを発生する複合材料は良好な電圧−電流特性を示した。具体的には、5.8Vで0.1mA(すなわち、2.5mA/cmの電流密度)の電流が流れており、発光素子を駆動するのに十分な電流を流している。
[比較例2]
比較のため、上記実施例3から無機化合物(酸化チタン)を除いた材料、すなわち、有機化合物(NPB)とバインダー物質(PMMA)のみからなる材料を、上記実施例3と同様の基板上に形成し、比較素子を作製した。
以下に、比較素子の作製方法を述べる。まず、クロロホルムとトルエンの1:1混合溶媒25mLに、PMMA(Mw=996000)を0.125g、NPBを0.125g(0.21mmol)溶解させ、塗布用の溶液を調製した。
次に、調製した溶液を0.45μmのフィルターに通しながら、上記実施例3と同様の基板上に滴下し、620rpm・60秒の条件でスピンコートした。次いで、スピンコートされた基板を電気炉内に入れ、ロータリーポンプで炉内を真空に引きながら120℃で1.5時間焼成した。膜厚は100nmであった。
最後に、電極としてAlを真空蒸着法により100nm成膜し、以下の素子構造を有する比較素子を作製した。
つまり、透明電極(ITSO)を形成し、NPBとPMMAからなる材料(100nm)を形成し、Al(100nm)を形成することで比較例の素子を作製した。
この比較素子に対して、ITSO側をプラスにバイアスして電圧−電流特性の測定を行った。測定結果を、図25中の比較例2として図示した。図25から、比較例2の比較素子は2.4Vまでほとんど電流を流さず、2.4Vから電圧−電流特性が立ち上がる通常の有機化合物の膜と同様の電気特性であった。また図25に示す通り、膜厚が実施例3で作製した素子とほぼ同様にもかかわらず、ある電圧を印加した際に流れる電流量は実施例3で作製した素子に比べて3〜5桁ほど劣っていた。
本実施例では、ホールの輸送性に優れた有機化合物として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を、バインダー物質としてポリ(メタクリル酸メチル)(略称:PMMA)を、前記有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物として酸化バナジウム(VO)を用いたホールを発生する複合材料に関し、電気特性の測定例を例示する。
まず、クロロホルム25mLとトルエン25mLを混合した計50mLの混合溶媒に、PMMA(Mw=996000)を0.25g、NPBを0.243g(0.41mmol)溶解させた。この溶液を25mLずつに等分し、一方にはVOの原料であるバナジウム(V)トリイソプロポキシドオキシドを0.051g(0.21mmol)、安定化剤であるアセト酢酸エチルを0.025g(0.19mmol)混合し、溶液Iを調製した。なお、もう一方の25mLの溶液は、溶液IIとした(溶液IIは実施例5にて使用)。
また、電極として2mm角の透明電極(インジウム錫珪素酸化物、略称:ITSO)が形成された基板を用意し、アセトン、純水、エタノールの順に超音波洗浄を行った後、エタノールで煮沸洗浄を行い、最後にUVオゾン処理を370秒行った。
次に、先に調製した溶液Iを0.45μmのフィルターに通しながら、基板上に滴下し、1100rpmで60秒、基板を回転させることによりスピンコートした。スピンコートされた基板と純水を入れたビーカーとを電気炉内に入れ、40℃で2時間加熱することで、水蒸気により加水分解処理を行った。さらに、純水が入っているビーカーを炉内から取り出した後、ロータリーポンプで炉内を真空に引きながら120℃で1.5時間焼成することにより、NPB、PMMA、および酸化バナジウムからなるホールを発生する複合材料を得た。膜厚は100nmであった。
最後に、形成した複合材料上に、電極としてAlを真空蒸着法により100nm成膜し、以下の素子構造を有する電気特性測定用の単層素子を作製した。
つまり、透明電極(ITSO)を形成し、NPBとPMMAと酸化バナジウムからなるホールを発生する複合材料(100nm)を形成し、Al(100nm)を形成することで本実施例の素子を作製した。
上記のように作製した素子の電圧−電流特性に関し、測定を行った。ITSO側をプラスバイアスになるように電圧を印加した場合を順バイアス、ITSO側をマイナスバイアスになるように電圧を印加した場合を逆バイアスとして、順バイアス時の電圧−電流特性を図26(a)に、逆バイアス時の電圧−電流特性を図26(b)に、それぞれ示す。図26において、横軸は電圧(単位:V)、縦軸は電流(単位:mA)を表す。図26のように、本実施例のホールを発生する複合材料は、極めて良好な電圧−電流特性を示した。具体的には、順バイアス時において、わずか0.6Vで0.1mA(すなわち、2.5mA/cmの電流密度)の電流が流れており、発光素子を駆動するのに十分な電流を流している。
また、順バイアス、逆バイアスの双方において、ほぼ同等の電圧−電流特性を示した。このことは、本発明のホールを発生する複合材料が、ITSOおよびAlのどちらともオーム接触できることを示唆している。
上記実施例4で作製した複合材料(NPB、PMMA、および酸化バナジウムからなる複合材料)が極めて良好な電気特性を有している要因を探るため、本実施例では、その吸収スペクトルを測定した。また比較として、上記構成から酸化バナジウムを除いた材料(NPB、およびPMMAからなる材料)の吸収スペクトルも測定した。
実施例4で調製した溶液Iを0.45μmのフィルターに通しながら、石英基板上に滴下し、200rpmで2秒、次いで2000rpmで60秒、次いで3000rpmで10秒、基板を回転させることによりスピンコートした。スピンコートされた基板と純水を入れたビーカーとを電気炉内に入れ、40℃で2時間加熱することで、水蒸気により加水分解処理を行った。さらに、純水が入っているビーカーを炉内から取り出した後、ロータリーポンプで炉内を真空に引きながら120℃で1.5時間焼成することにより、NPB、PMMA、および酸化バナジウムからなるホールを発生する複合材料を石英基板上に得た。
[比較例3]
実施例4で調製した溶液IIを0.45μmのフィルターに通しながら、石英基板上に滴下し、200rpmで2秒、次いで2000rpmで60秒、次いで3000rpmで10秒、基板を回転させることによりスピンコートした。次いで、スピンコートされた基板を電気炉内に入れ、ロータリーポンプで炉内を真空に引きながら120℃で1.5時間焼成することにより、NPBおよびPMMAからなる材料を石英基板上に得た。
以上により得られた実施例5で作製したサンプルおよび比較例3で作製したサンプルに関し、吸収スペクトルを測定した。結果を図27(a)に示す。また、図27(a)の拡大図を図27(b)に示す。図27(b)から、本発明のホールを発生する複合材料は比較サンプルに比べ、500nm付近(図中の破線A)および1400nm付近(図中の破線B)に新たな吸収ピークが明瞭に発生していることがわかる。このことから、本発明のホールを発生する複合材料内において、酸化バナジウムがNPBから電子を引き抜き、一種の電荷移動錯体が形成されていることが示唆される。すなわち、NPBにホールが発生しており、このことが複合材料の導電性の高さに寄与しているものと考えられる。
本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 本発明の発光素子について説明する図。 発光装置について説明する図。 発光装置について説明する図。 電気機器について説明する図。 実施例2および比較例1の発光素子の電圧―輝度特性を示す図。 実施例3および比較例2の発光素子の電圧−電流特性を示す図。 実施例4および比較例3の発光素子の電圧−電流特性を示す図。 実施例5および比較例4の発光素子の吸収スペクトルを示す図。
符号の説明
100 基板
101 第1の電極
102 第2の電極
103 発光物質を含む層
111 第1の層
112 第2の層
200 基板
201 第1の電極
202 第2の電極
203 発光物質を含む層
211 第1の層
212 第2の層
213 第3の層
301 第1の電極
302 第2の電極
303 発光物質を含む層
311 第1の層
312 第2の層
313 第3の層
601 ソース側駆動回路
602 画素部
603 ゲート側駆動回路
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 発光物質を含む層
617 第2の電極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 発光物質を含む層
956 電極
1100 基板
1101 第1の電極
1102 第2の電極
1103 発光物質を含む層
1111 第1の層
1112 第2の層
1200 基板
1201 第1の電極
1202 第2の電極
1203 発光物質を含む層
1211 第1の層
1212 第2の層
1213 第3の層
1214 第4の層
1301 第1の電極
1302 第2の電極
1303 発光物質を含む層
1311 第1の層
1312 第2の層
1313 第3の層
2100 基板
2101 第1の電極
2102 第2の電極
2103 発光物質を含む層
2111 第1の層
2112 第2の層
2113 第3の層
2200 基板
2201 第1の電極
2202 第2の電極
2203 発光物質を含む層
2211 第1の層
2212 第2の層
2213 第3の層
2214 第4の層
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングマウス
9301 本体
9302 表示部
9303 アーム部
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

Claims (136)

  1. 有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料。
  2. 高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対して電子供与性を示す無機化合物とを含む複合材料。
  3. 請求項1において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする複合材料。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記有機化合物はピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一または複数を有することを特徴とする複合材料。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記無機化合物はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物であることを特徴とする複合材料。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記無機化合物は、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする複合材料。
  7. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子。
  8. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層のうち、一方の電極に接する層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子。
  9. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、発光性の物質を含み、
    前記第2の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含み、
    前記第3の層は、ホールを発生する材料を含むことを特徴とする発光素子。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか一項において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする発光素子。
  11. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子。
  12. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層のうち、一方の電極に接する層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子。
  13. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、発光性の物質を含み、
    前記第2の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含み、
    前記第3の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子。
  14. 請求項7乃至請求項13のいずれか一項において、前記有機化合物が、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することを特徴とする発光素子。
  15. 請求項7乃至請求項14のいずれか一項において、前記無機化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物であることを特徴とする発光素子。
  16. 請求項7乃至請求項14のいずれか一項において、前記無機化合物は、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
  17. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子。
  18. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層のうち、一方の電極に接する層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子。
  19. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、
    前記第1の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、
    前記第4の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子。
  20. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、
    前記第1の層は、ホールを発生する材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、
    前記第4の層は、有機化合物と、バインダー物質と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含んでいる発光素子。
  21. 請求項17乃至請求項20のいずれか一において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする発光素子。
  22. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む層を有していることを特徴とする発光素子。
  23. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層のうち、一方の電極に接する層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含むことを特徴とする発光素子。
  24. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、
    前記第1の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、
    前記第4の層は、ホールを発生する材料を含んでいる発光素子。
  25. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層、第4の層で構成され、
    前記第1の層は、ホールを発生する材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、電子を発生する材料を含み、
    前記第4の層は、高分子化合物である有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料を含んでいる発光素子。
  26. 請求項17乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子。
  27. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(1)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  28. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(2)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  29. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(3)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  30. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(4)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  31. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(5)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、nは2以上の整数である。)
  32. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(6)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  33. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(7)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  34. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(8)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  35. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(9)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  36. 請求項22乃至請求項25のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(10)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子。
    Figure 2006190995
    (式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  37. 請求項17乃至請求項36のいずれか一において、前記無機化合物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする発光素子。
  38. 請求項17乃至請求項36のいずれか一において、前記無機化合物は、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
  39. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と、第1のバインダー物質と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、第2の有機化合物と、第2のバインダー物質と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子。
  40. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、高分子化合物である第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、第2の有機化合物と、バインダー物質と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子。
  41. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と、バインダー物質と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、高分子化合物である第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子。
  42. 一対の電極間に、発光物質を含む層を有し、
    前記発光物質を含む層は、順次積層された第1の層、第2の層、第3の層で構成され、
    前記第1の層は、高分子化合物である第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の複合材料を含み、
    前記第2の層は、発光性の物質を含み、
    前記第3の層は、高分子化合物である第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第2の複合材料を含んでいる発光素子。
  43. 請求項39乃至請求項42のいずれか一において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子。
  44. 請求項39乃至請求項43のいずれか一において、前記第1の有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子。
  45. 請求項39乃至請求項44のいずれか一において、前記第2の有機化合物が、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することを特徴とする発光素子。
  46. 請求項39乃至請求項45のいずれか一において、前記第1の無機化合物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする発光素子。
  47. 請求項39乃至請求項45のいずれか一において、前記第1の無機化合物は、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
  48. 請求項39乃至請求項45のいずれか一において、前記第2の無機化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む酸化物であることを特徴とする発光素子。
  49. 請求項39乃至請求項45のいずれか一において、前記第2の無機化合物は、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
  50. 請求項39乃至請求項49のいずれか一において、
    前記発光物質を含む層は、さらに前記第3の層と接する第4の層を有し、
    前記第4の層は、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第3の複合材料を含んでいる発光素子。
  51. 請求項50において、前記第3の有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子。
  52. 請求項50または請求項51において、前記第3の無機化合物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする発光素子。
  53. 請求項50または請求項51において、前記第3の無機化合物は、チタン酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
  54. 請求項1乃至請求項53のいずれか一項に記載の発光素子を有する発光装置。
  55. 第1の電極上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第2の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  56. 第2の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第2の層上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  57. 第1の電極上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第2の層上に、ホールを発生する第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  58. 第2の電極上に、ホールを発生する第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第2の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第2の層上に、発光物質を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  59. 請求項55乃至請求項58のいずれか一項において、前記第2の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  60. 請求項55乃至請求項58のいずれか一項において、前記第2の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  61. 請求項59または請求項60において、前記溶液が、安定化剤をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  62. 請求項61において、前記安定化剤が、β−ジケトンであることを特徴とする発光素子の作製方法。
  63. 請求項59乃至請求項62のいずれか一項において、前記溶液が、水をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  64. 請求項59乃至請求項63のいずれか一項において、前記溶液が、バインダー物質をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  65. 請求項64において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  66. 請求項55乃至請求項65のいずれか一項において、前記有機化合物が、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することを特徴とする発光素子の作製方法。
  67. 請求項55乃至請求項66のいずれか一項において、前記金属が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  68. 請求項55乃至請求項66のいずれか一において、前記金属が、リチウム、カルシウム、バリウムのいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  69. 第1の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  70. 第2の電極上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  71. 第1の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、ホールを発生する材料を含む第4の層を形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  72. 第2の電極上に、ホールを発生する材料を含む第4の層を形成する工程と、
    前記第4の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  73. 第1の電極上に、ホールを発生する材料を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物とを含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  74. 第2の電極上に、有機化合物と、前記有機化合物に対し電子供与性を示す無機化合物とを含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第4の層上に、電子を発生する材料を含む第3の層を形成する工程と、
    前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、ホールを発生する材料を含む第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  75. 請求項69乃至請求項74のいずれか一において、第1の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  76. 請求項69乃至請求項74のいずれか一において、前記第1の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  77. 請求項75または請求項76において、前記第4の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  78. 請求項75または請求項76において、前記第4の層を形成する工程は、金属のアルコキシドと、有機化合物とを含む溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  79. 請求項75乃至請求項78のいずれか一項において、前記溶液が、安定化剤をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  80. 請求項79において、前記安定化剤が、β−ジケトンであることを特徴とする発光素子の作製方法。
  81. 請求項75乃至請求項80のいずれか一において、前記溶液が、水をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  82. 請求項69乃至請求項74のいずれか一において、前記第1の層を形成する工程は、金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  83. 請求項75または請求項76において、前記第4の層を形成する工程は、第2の金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、有機化合物とを含む溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  84. 請求項75乃至請求項83のいずれか一において、前記溶液が、バインダー物質をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  85. 請求項84において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  86. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子の作製方法。
  87. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(1)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  88. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(2)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  89. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(3)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  90. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、、前記有機化合物は、一般式(4)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
  91. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(5)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、nは2以上の整数である。)
  92. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(6)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  93. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(7)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  94. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(8)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  95. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(9)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  96. 請求項69乃至請求項85のいずれか一において、前記有機化合物は、一般式(10)で示される高分子化合物であることを特徴とする発光素子の作製方法。
    Figure 2006190995
    (式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
  97. 請求項69乃至請求項96のいずれか一において、前記金属が、遷移金属であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  98. 請求項69乃至請求項96のいずれか一項において、前記金属が、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムのいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  99. 第1の電極上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  100. 第2の電極上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子供与性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  101. 第1の電極上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  102. 第2の電極上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子供与性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  103. 第1の電極上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子受容性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  104. 第2の電極上に、第3の有機化合物と、前記第3の有機化合物に対し電子受容性を示す第3の無機化合物とを含む第4の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第4の層上に、第2の有機化合物と、前記第2の有機化合物に対し電子供与性を示す第2の無機化合物とを含む第3の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第3の層上に、発光物質を含む第2の層を形成する工程と、
    前記第2の層上に、第1の有機化合物と、前記第1の有機化合物に対し電子供与性を示す第1の無機化合物とを含む第1の層を、湿式法により形成する工程と、
    前記第1の層上に、第1の電極を形成する工程とを有する発光素子の作製方法。
  105. 請求項103または請求項104において、前記第4の層を形成する工程は、第3の金属のアルコキシドと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  106. 請求項103または請求項104において、前記第4の層を形成する工程は、第3の金属のアルコキシドと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  107. 請求項105または請求項106において、前記第3の溶液が、安定化剤をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  108. 請求項107において、前記安定化剤が、β−ジケトンであることを特徴とする発光素子の作製方法。
  109. 請求項105乃至請求項108のいずれか一において、前記第3の溶液が、水をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  110. 請求項103または請求項104において、前記第4の層を形成する工程は、第3の金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、第3の有機化合物とを含む第3の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  111. 請求項105乃至請求項110のいずれか一において、前記第3の溶液が、バインダー物質をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  112. 請求項111において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  113. 請求項99乃至請求項112のいずれか一において、前記第3の有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子の作製方法。
  114. 請求項99乃至請求項112のいずれか一において、前記第3の金属が、遷移金属であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  115. 請求項99乃至請求項112のいずれか一において、前記第3の金属が、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムのいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  116. 請求項99乃至請求項115のいずれか一において、前記第1の層を形成する工程は、第1の金属のアルコキシドと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  117. 請求項99乃至請求項115のいずれか一において、前記第1の層を形成する工程は、第1の金属のアルコキシドと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  118. 請求項116または請求項117のいずれか一において、前記第1の溶液が、安定化剤をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  119. 請求項118において、前記安定化剤が、β−ジケトンであることを特徴とする発光素子の作製方法。
  120. 請求項116乃至請求項119のいずれか一において、前記第1の溶液が、水をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  121. 請求項99乃至請求項115のいずれか一において、前記第1の層を形成する工程は、第1の金属の水酸化物を解膠することにより得られたゾルと、第1の有機化合物とを含む第1の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  122. 請求項116乃至請求項121のいずれか一において、前記第1の溶液が、バインダー物質をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  123. 請求項122において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  124. 請求項116乃至請求項123のいずれか一において、前記第1の金属が、遷移金属であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  125. 請求項116乃至請求項123のいずれか一において、前記第1の金属が、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウムのいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  126. 請求項99乃至請求項125のいずれか一において、前記第3の層を形成する工程は、第2の金属のアルコキシドと、第2の有機化合物とを含む第2の溶液を、塗布、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  127. 請求項99乃至請求項125のいずれか一において、前記第3の層を形成する工程は、第2の金属のアルコキシドと、第2の有機化合物とを含む第2の溶液を塗布し、水蒸気にさらした後、焼成する工程であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  128. 請求項126または請求項127のいずれか一において、前記第2の溶液が、安定化剤をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  129. 請求項128において、前記安定化剤が、β−ジケトンであることを特徴とする発光素子の作製方法。
  130. 請求項126乃至請求項129のいずれか一において、前記第2の溶液が、水をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  131. 請求項126乃至請求項130のいずれか一において、前記第2の溶液が、バインダー物質をさらに含むことを特徴とする発光素子の作製方法。
  132. 請求項131において、前記バインダー物質が、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、またはフェノール樹脂であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  133. 請求項126乃至請求項132のいずれか一において、前記第2の金属が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  134. 請求項126乃至請求項132のいずれか一において、前記第2の金属が、リチウム、カルシウム、バリウムのいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子の作製方法。
  135. 請求項99乃至請求項134のいずれか一において、前記第1の有機化合物が、アリールアミン骨格を有することを特徴とする発光素子の作製方法。
  136. 請求項99乃至請求項135のいずれか一において、前記第2の有機化合物が、ピリジン骨格、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサゾール骨格、チアゾール骨格のいずれか一若しくは複数を有することを特徴とする発光素子の作製方法。
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