JP2007255960A - 可燃性ガスの干渉を無くすガス検知方法及びガス検知センサ - Google Patents

可燃性ガスの干渉を無くすガス検知方法及びガス検知センサ Download PDF

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Abstract

【課題】可燃性ガスの干渉を無くすガス検知方法及びガス検知センサを提供する。
【解決手段】混合ガス系の可燃性ガスの濃度を検出するガス検知方法において、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差の変化を熱電変換原理を利用して電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、複数の異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用して混合ガス系における特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出することを特徴とするガス検知方法、及び混合ガス系の可燃性ガスの濃度を選択的に検出するガス検出センサであって、複数の異なる触媒材を設置した基板と、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換部とを配設したことを特徴とするガス検知センサ。
【選択図】図3

Description

本発明は、混合系の可燃性ガス中の特定ガス成分を選択的に検出するガス検知方法及びガス検知センサに関するものであり、更に詳しくは、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する局部的な温度差の変化を電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、可燃性ガスの混合ガス中における特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出、計測することを可能とする混合系の可燃性ガス中の特定ガス成分の高選択的ガス検知方法及びガス検知センサに関するものである。
可燃性ガスの検出及び計測においては、センサからの情報に基づく判定などを迅速、確実に行うために、特定のガス濃度を正確に知ることが必要である。従来、可燃性ガスの検知方法として、接触燃焼式のガス検知方法が知られている。しかし、接触燃焼式の問題点としては、異なる複数の可燃性ガスが混在する場合、触媒に選択性を持たせることが難しいことである。
そこで、各々のガスに対する触媒を持たせたセンサを多数設置することで、選択性を高める方法も考えられているが、この種の方法では、多数の素子の実装、素子の互いの干渉などの問題があり、それらの問題解決のための更なる研究開発の必要があり、上述の問題点を根本的に解決するには至っていなかった。
本発明者が提案した微細パターン形成方法(特許文献1)を利用してセンサを作製すると、例えば、セラミックス触媒を用いた熱電式水素センサの場合、触媒の性能が向上するが、その代わり、100℃程度の動作温度でも一部の一酸化炭素ガスを燃焼させるため、混合ガスとして水素と一酸化炭素が混在する場合、水素濃度を正確に計測することが難しくなるという問題があった。
また、本発明者が提案した可燃性ガスセンサ及びガス検知方法(特許文献2)として、熱電式ガスセンサの素子の上に1種類以上の触媒材料を組み合わせて形成し、それらからの検出信号の組み合わせからガス種の識別・検知を行う方法もあるが、この種の方法では、混合ガスの場合、特定のガスのみに選択的に高効率で燃焼反応を起こす触媒材の作製が必要となるが、そのような触媒材の開発はきわめて難しく、触媒材の選択性の問題を解決できなければ、根本的な解決にはならない。
特開2006−047276号公報 特開2004−163192号公報
このような状況の中で、本発明者は、上記従来技術に鑑みて、混合系の可燃性ガスの特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出することが可能な新しいガス検出技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、複数の異なる触媒材を配設した基板と、複数の異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用した熱電変換部とを配設したセンサを構築することで所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、混合ガス系の可燃性ガス中の特定ガスの濃度を高選択的に検出することを可能とする可燃性ガス混合系における特定ガスの検知方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、複数の異なる触媒材を配設した基板と、複数の触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用した熱電変換部を配設した新しいガス検知センサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)混合ガス系の可燃性ガスの濃度を検出するガス検知方法において、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差の変化を熱電変換原理を利用して電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、複数の異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用して混合ガス系における特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出することを特徴とするガス検知方法。
(2)複数の異なる触媒材を配設した基板、ガスと触媒材の触媒反応による発熱による温度差を電圧信号に変換する熱電変換部を構成要素として含むセンサ素子を用いる、前記(1)に記載のガス検知方法。
(3)触媒材として、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材を用いる、前記(1)に記載のガス検知方法。
(4)可燃性ガスの中の水素ガス濃度及び一酸化炭素ガス濃度を測定する、前記(1)に記載のガス検知方法。
(5)混合ガス系の可燃性ガスの濃度を選択的に検出するガス検知センサであって、複数の異なる触媒材を配設した基板と、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換部とを具備していることを特徴とするガス検知センサ。
(6)触媒材が、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材である、前記(5)に記載のガス検知センサ。
(7)水素及び一酸化炭素に応答する触媒材と、一酸化炭素に応答する触媒材を配設した、前記(5)に記載のガス検知センサ。
(8)Pd系触媒と、Au系触媒を配設した、前記(7)に記載のガス検知センサ。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、混合ガス系の可燃性ガスの濃度を検出するガス検知方法において、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差の変化を熱電変換原理を利用して電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、複数の異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用して混合ガス系における特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出することを特徴とするものである。
本発明では、複数の異なる触媒材を配設した基板、及びガスと触媒材の触媒反応による発熱による温度差を電圧信号に変換する熱電変換部を構成要素として含むセンサ素子を用いること、触媒材として、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材を用いること、可燃性ガスの中の水素ガス濃度及び一酸化炭素ガス濃度を測定すること、を好ましい実施態様としている。
本発明は、混合ガス系の可燃性ガスの濃度を選択的に検出するガス検知センサであって、複数の異なる触媒材を配設した基板と、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換部とを具備していることを特徴とするものである。本発明では、触媒材が、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材であること、水素及び一酸化炭素に応答する触媒材と、一酸化炭素に応答する触媒材を配設したこと、Pd系触媒と、Au系触媒を配設したこと、を好ましい実施態様としている。
次に、本発明で用いる触媒材及びその形成方法について説明する。
可燃性ガスと触媒材の触媒反応による発熱によって発生する局部的な温度差を、熱電変換材料を利用して電気エネルギーに変えることができるが、本発明では、触媒の形成において、例えば、ディスペンサを使用することが好適であり、それにより、高性能のガスセンサを構築することが可能となる。本発明では、好適には、例えば、安定した触媒反応による温度差発生を促すため、シリコン基板上に厚さ1μm以下のメンブレンに乗せた構造とし、それにより、素子の熱容量を低減するとともに、基板への熱伝達を極限まで低減し、素子の応答性を向上させることが可能である。
本発明では、この燃焼反応の発熱によって発生する局部的な温度差を、熱電変換材料を利用して電気エネルギーに変えて、これを動力源として利用するためのシステムである熱電式ガスセンサを構築することができる。近年、ガスセンサの場合、ドリフトが少なく、簡単な電気回路で、高性能のガス検出が可能である、熱電式ガスセンサの実用化が望まれている。本発明では、ペースト状に素子表面に形成してから加熱処理して焼成することで、最終的な触媒の構造が、酸化物のナノ粒子と、更に、その表面に数ナノメートル大きさの貴金属が分散された複合体となるように、原料のペーストを調製する。
即ち、触媒は、ペースト状の材料を素子表面に形成してから加熱処理して焼成することで、最終的な触媒の構造が、酸化物のナノ粒子と、更に、その表面に数ナノメートルの大きさの貴金属とが分散された複合体となるように、予め原料配合及びそれらの微細構造を設計し、原料のペーストを調製する。酸化物のナノ粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化スズ、貴金属としては、例えば、Pt、Pd、Au、微細構造としては、例えば、酸化物の表面に金属のナノ粒子が所定の分散状態で分散されている構造が例示されるが、これらに制限されるものではない。
本発明では、触媒からの発熱エネルギーが周辺に伝わらないように、例えば、熱伝導の低いメンブレインの上に触媒が形成される。本発明において、ディスペンサを用いる利点としては、種々のニードル径の選択が可能であり、格子状など複雑な形状の触媒パターンを容易に作製できること、また、機械的強度に劣る薄い膜上にも塗布することができ、基板形状に捕らわれず幅広い応用が可能であること、このような触媒を用いることで、デバイスの室温作動が可能となること、等が挙げられる。
本発明において、触媒用粉末及びペースト材料の調製は、例えば、市販の塩化白金、塩化パラジウムの水溶液を作り、直接、酸化物の粉末と混ぜて、これを加熱乾燥することで出発原料の触媒用粉末を調製し、この粉末を、テルピネオールとエチルセルロースで作ったビークルと混合し、ペースト状の機能性材料を調製する。粘度が高い場合、例えば、粉末:ビークル=1:4の比で10000cPs程度、エタノールを添加して粘度調整を行う。およそ、5%エタノール添加で、粘度は3000cpsまで減少し、10%のエタノール添加で、粘度は1000cps程度まで減少する。
本発明では、例えば、ディスペンサにより微細パターン形成を行うことができるが、この場合は、素子の所定の位置に、ディスペンサを用いて触媒を塗布し、例えば、300℃で1時間加熱して触媒を作製する。触媒の大きさは、例えば、直径約0.5〜2.0mmの円形、又は幅0.5〜1.5mmの正方形のパターンとして形成することができるが、これらに制限されるものではない。
パターンの大きさは、吐出ノズルの内径で制限されるが、よりきれいで細い線を塗布するためには、例えば、粘度が約3000cPのペースト原料を用いた場合、0.05MPa以下の空気圧でペーストの勢いをある程度抑えるとともに、塗布する基板と注入針の先端の間隔は0.03mm以下でペーストを塗布することで微細パターンを形成することができる。
本発明により、マイクロセンサー素子を構築できる。例えば、熱電式ガスセンサ素子において、触媒からの発熱エネルギーが周辺に伝わらないように、熱伝導の低いメンブレンの上にディスペンサを用いて触媒の微細パターンを形成してマイクロ素子が作製される。マイクロ熱電式ガスセンサ素子の作製プロセスは、本発明者らによる先の特許出願に係るマイクロ素子化された熱電式ガスセンサ(特開2005−024115号公報)に詳細に示されているように、基本的には、基板に熱遮蔽のためのメンブレンを形成する工程、このメンブレン上に熱伝変換材料膜パターン、ヒータパターン、配線パターン、及び触媒材料パターンを形成する工程から構成される。
従来報告されている発電素子では、ヒータで触媒を暖めて触媒反応を起こしていた(例えば、Schaevitz, S. B., et. al., “A MEMS Thermoelectric Generator”, in Proc. 11th International Conference on Solid State Sensors and Actuators Transducers ‘01/Eurosensors XV Vol. 1 30-33, edited by Obermeier, E., Springer, Munich, Germany, 2001)。本発明では、例えば、最適化された触媒性能を持つ触媒材料を直接マイクロ素子に集積化できるディスペンサによるパターン形成技術を活用することで、室温でも十分に触媒反応が起きる、加熱機構を必要としないマイクロ発電素子を作ることができる。
図1に、白金系セラミックス触媒を用いた接触燃焼式ガスセンサの場合の、触媒温度と特定ガスに対する燃焼反応による素子温度変化のイメージ図を示す。この白金系触媒は、触媒活性が高く、比較的低い温度、例えば、室温近くでも殆どの水素を燃焼する能力を示す。更に、比較的燃えにくい一酸化炭素も燃焼する能力があるため、一酸化炭素による触媒劣化も回避することができる。
しかし、一酸化炭素を燃焼する能力は、水素が混在すると、更に高くなり、図1のイメージ図に示されるように、ある温度以上では、殆どの一酸化炭素を燃焼する能力を示す。この場合、問題は、水素を高い信頼性で計測するために、動作温度を上げた場合、このような状態になり、一酸化炭素が混在しても、見掛け上は、水素の濃度値が上昇した計測結果となることである。
この白金系触媒を用いた熱電式水素センサの可燃性ガスに対する応答の実測結果を図2に示す。この図より、COの燃焼による発熱がそのままプラスされた信号出力となっていることが分かる。COの発熱は、同じ量の水素の約72%の発熱に相当していた。
以上のような問題を解決するために、本発明では、選択的触媒発熱を利用する可燃性ガス検出方法を構築した。本発明では、混合系の可燃性ガスの検出をガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する局部的な温度差の変化を熱電変換原理を利用して電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、少なくとも2つの異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用して、混合ガスにおける特定ガスの濃度を高い選択性を以て計測することが可能である。
具体的には、例えば、図3に示したように、センサデバイスの温度差が発生する構成部分に、2つの触媒材を直接集積することで、これらの触媒材の特定ガスに対する選択性の違いだけを信号として検知することが可能となる。図3は、水素+COによる発熱(Q+Q)に応答するPt系触媒と、COによる発熱(Q)に応答するCO触媒を集積した事例であり、温度差ΔTA−Bは、Hだけの発熱量によるものになる。
このような構造は、例えば、触媒材の特定ガスに対する選択性が多少不完全でも、その差分だけを利用するができる利点がある。もちろん、選択性が優れた触媒材を利用することも可能であり、この場合は、より優れた選択性を効率よく実現できる利点が得られる。
本発明では、上記の方法において、異なる2種類の触媒材を組み合わせて集積した基板、各々の触媒材の発熱による温度差を電圧信号に変換する熱電変換部を構成要素として含むセンサ素子を用いることで、温度差を高効率で信号に変換できるようにしたことが最大の特徴的部分である。
本発明では、例えば、上記の方法において、触媒材として、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材を用いて、可燃性ガスの中の水素ガス濃度及び一酸化炭素ガス濃度を選択的に測定する方法を提供することができる。
本発明では、上記触媒材の種類、組み合わせる触媒材の組み合わせ方法等を対象とするガス種に応じて任意に変更、設定することが可能であり、それにより、可燃性ガス中の特定のガス成分の選択的な検出が可能となる。本発明では、可燃性ガス中の特定ガス成分として、例えば、H、CO、メタン、エタン等が例示されるが、これらに制限されるものではない。触媒材に関するそれらの具体的な構成は、既存の触媒材、新しい触媒材の中から適宜選択して任意に設計することができる。
従来技術では、混合系の可燃性ガスの検出方法として、例えば、触媒の特定ガスに対する選択性を高めること、多数の素子を実装して選択性を高める方法、及び単一の素子の上に異なる触媒を形成し、その信号の組み合わせからガス種の識別を行う方法等が知られていたが、特定のガスのみに高選択的に高効率で燃焼反応を起こす触媒材の開発は困難であり、また、多数の素子間の干渉による誤作動の問題等により、正確に、高選択的に特定ガス成分の濃度を計測することはできなかった。
これに対し、本発明は、複数の異なる触媒材を集積した基板を利用して、触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差の変化を熱伝変換原理を用いて電圧信号として検出することにより、正確に、高選択的に混合系の可燃性ガス中の特定ガス成分の計測を可能にしたものであり、それにより、多数の素子を実装することなしに、また、必ずしも高い選択性の触媒材を使用しないで、混合ガス中のHガス、COガス等の高選択的な計測を実現可能にしたものである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)混合系の可燃性ガス中の特定ガスの濃度を高選択的に計測することができる。
(2)一酸化炭素及び水素の混合ガスから、これらのガス成分の濃度を正確に計測することができる。
(3)上記特定ガスの計測を可能とするガス検出方法を提供することができる。
(4)上記計測を可能とするガス検出センサを構築し、提供することができる。
(5)混在するCOガスの影響を排除してHガスを正確に、選択的に計測することが可能な新しいガス検出デバイスを提供することができる。
(6)混合系のガス成分中の特定ガスを正確に計測することを可能とする新しいガス検出方法及びそのガス検出センサを提供することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されることはない。
(1)CO触媒
一酸化炭素を酸化させる触媒としては、金のナノ粒子が挙げられる。ナノサイズの金を適切な酸化物に担持させることにより、一酸化炭素に優れた触媒活性を示すことが春田らによって近年報告された。金の粒子径を5nm以下にして、酸化チタンや酸化鉄等に担持させることで、COの酸化活性が現れ、マイナス数十℃でも反応が進行することが報告されている(M. Haruta 他、Journal of Catalyst, 115, p.301、1989年、及びS. Tsubota 他、ACS Symposium Series, 552, p.420、1994年)。
(2)触媒の製造
このAu/TiO触媒として、触媒組成が3wt.%Au/TiOで、金粒子径が2.8nm(TEM 標準偏差0.8nm)の超微粒子の触媒材を用いた。この触媒は、金属酸化物担体を浸漬した塩化物金酸水溶液をpH6〜10の範囲内で一定に保持し、熟成することにより、水酸化金を担体上にだけ析出・沈殿させた後、水洗・乾燥後、空気中で25℃、30分焼成することで作製された。上記触媒の作製法は、上記文献に詳細に報告されている。
これを本発明者による微細パターン形成方法(特開2006−047276号公報)のペースト作製法を利用して素子上に塗布・集積化した。具体的には、この触媒をビヒクルに重量比1:4で添加して、デバイス上に塗布後、更に、300℃で、2時間焼成を行った。
図4に、Au/TiO触媒を用いた熱電式ガスセンサの可燃性ガスに対する応答を触媒温度を変えて計測した結果を示す。Pt系の触媒と比較すると、COに対して高い応答を示す。水素にも応答するが、CO燃焼能力がPt系触媒よりも優れているため、本発明のガス検知方法の効果を実証するために使用した。
このCO燃焼触媒と、水素燃焼触媒(Pt系触媒)を、熱電式水素センサ上に塗布・集積化することで、図3に示したような素子を作製し、その応答特性を評価した。水素燃焼のためのPt系触媒は、Pt/Al触媒を用いた。
図5に、Au/TiO触媒とPt/Al触媒を用いて、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度の差を熱電変換した素子からの電圧信号と温度の関係を示す。COに対する応答が大幅に低減すること、及びHの混合ガスの場合でもその影響を減らすことができること、が分かった。
以上詳述したように、本発明は、可燃性ガスの干渉を無くすガス検知方法及びガス検知センサに係るものであり、本発明により、混合系の可燃性ガス中の特定のガス成分を高選択的に検出することを可能にする新しいガス検知方法及びガス検知センサを提供することができる。本発明は、混合系の可燃性ガス中の特定ガスを、他のガス成分の影響を排除して、正確に、高選択的に、高感度で検出することを、低コスト、簡便な装置、簡便な操作で可能とする新しいガス検知デバイスを提供するものとして有用である。
白金系セラミックス触媒を用いた接触燃焼式ガスセンサの場合の、CO、Hの応答のイメージを示す。 白金系セラミックス触媒を用いた接触燃焼式ガスセンサの場合の、水素1%、CO1%、水素1%+CO1%の場合の応答の触媒温度依存性を示す。 本発明のガス検知センサの模式図を示す。 Au/TiO触媒を用いた熱電式ガスセンサの応答を触媒温度を変えて計測した結果を示す。Pt系の触媒と比較すると、COに対して高い応答を示した。水素にも応答するが、CO燃焼能力がPt系触媒より優れているため、本発明の効果を実証するために使用した。 Au/TiO触媒とPt/Al触媒を用いて、その発熱の差を熱電変換した素子からの電圧信号と温度の関係を示す。COに対する応答が大幅に低減した。Hの混合ガスの場合でもその影響を減らすことができることが分かった。

Claims (8)

  1. 混合ガス系の可燃性ガスの濃度を検出するガス検知方法において、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差の変化を熱電変換原理を利用して電圧信号として検出するセンサ素子を用いて、複数の異なる触媒材が有するガス選択的な燃焼特性の差を利用して混合ガス系における特定ガスの濃度を高い選択性を以て検出することを特徴とするガス検知方法。
  2. 複数の異なる触媒材を配設した基板、ガスと触媒材の触媒反応による発熱による温度差を電圧信号に変換する熱電変換部を構成要素として含むセンサ素子を用いる、請求項1に記載のガス検知方法。
  3. 触媒材として、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材を用いる、請求項1に記載のガス検知方法。
  4. 可燃性ガスの中の水素ガス濃度及び一酸化炭素ガス濃度を測定する、請求項1に記載のガス検知方法。
  5. 混合ガス系の可燃性ガスの濃度を選択的に検出するガス検知センサであって、複数の異なる触媒材を配設した基板と、ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換部とを具備していることを特徴とするガス検知センサ。
  6. 触媒材が、金系の貴金属合金、金と酸化物の複合体又は金系の貴金属合金と酸化物の複合体からなる複合触媒部材である、請求項5に記載のガス検知センサ。
  7. 水素及び一酸化炭素に応答する触媒材と、一酸化炭素に応答する触媒材を配設した、請求項5に記載のガス検知センサ。
  8. Pd系触媒と、Au系触媒を配設した、請求項7に記載のガス検知センサ。
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