JP2007255666A - ガス供給装置およびガス供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジュール・トムソン効果の高い高圧ガスをガス容器から安定的かつ長時間にわたりユーザに供給可能なガス供給方法およびガス供給装置を提供する。
【解決手段】ガス容器11と、ガスを流通させる配管12と、該配管12に設けられ前記流通するガスを一次側から導入し、さらに圧力調整可能に減圧して二次側から排出する並列オリフィス装置20と、その二次側に設けられ流通するガスを減圧する減圧弁30と、並列オリフィス装置20の一次側のガスの温度と圧力および減圧弁30の二次側のガスの圧力のデータをそれぞれ取得するガスデータ取得手段、前記取得したガスのデータに基づいて並列オリフィス装置20の二次側圧力の目標値を決定する目標圧設定手段、ならびに前記目標値に応じてガス流路を並列オリフィス装置20の備える複数の減圧ラインのいずれかに切り換える圧力調整手段を備える制御器40と、を有するガス供給装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス容器に充填された高圧のガスを多段階に減圧してユーザに供給するに際し、ガスの温度降下を抑制し、安定的かつ長時間にわたる供給を可能とするガス供給方法およびこれを実現するためのガス供給装置に関する。
半導体や化学製品等の製造工程においては、様々なプロセスガスやエッチングガスが高圧のガス容器より配管を通じてこれらの製造装置に連続的に供給される。供給されるガスは数kgf/cm2(0.1〜1MPa)程度の圧力(本発明において、ガスの圧力とは断りなき場合、全圧を意味する。)であることが一般的であるのに対し、ガス容器の中では数MPa〜数十MPa程度の圧力で圧縮され、高圧気体または液体の状態で貯留されている。このため、減圧弁によってかかる高圧のガスを減圧調整し、ユーザに供給している。
減圧弁の高圧側(一次側)と低圧側(二次側)とでは、上記のように数倍から数十倍の圧力差があるため、これを通過するガスには激しい断熱膨張(断熱可逆膨張)および/またはジュール・トムソン膨張(断熱不可逆膨張)が発生する。断熱膨張は等エントロピー変化であり、理想気体を含むすべてのガスについて必ず温度の低下をもたらす現象であり、減圧弁を通過するガスの流速が速い場合は断熱膨張に近い膨張現象がおこる。一方、減圧弁を通過する流速が遅い場合は、ジュール・トムソン膨張に近い膨張現象となる。ジュール・トムソン膨張は等エンタルピー変化であり、理想気体ではガスの温度は変化しないが、実在ガスでは温度が上昇または降下する。これをジュール・トムソン効果という。
ここで、ジュール・トムソン効果が生じるときの、圧力降下に対する温度変化の割合をジュール・トムソン係数といい、下式(1)で定義される。Tはガスの温度、pは圧力、hは比エンタルピーである。
Figure 2007255666
式(1)より、ジュール・トムソン係数が正であるとき、ガスの圧力が降下すると温度が下がることがわかる。また、式(1)を変形すると下式(2)が導かれる。なお、Vはガスの体積、Cpは定圧熱容量である。
Figure 2007255666
式(2)で、理想気体はpV=RTが常に成り立つため、右辺の[ ]内はゼロになり、ジュール・トムソン効果は生じない。しかし、実在ガスでは右辺の[ ]内がゼロにならず、温度Tが高い場合はこれが正になり、逆に温度Tが低い場合はこれが負になる。
正負の境となる温度を逆転温度といい、これが常温以上であれば式(1)のジュール・トムソン係数は正となり、すなわち常温の高圧ガスを減圧弁にて等エンタルピー膨張させたときにガスの温度は降下する。逆に、逆転温度が常温以下のガスについては、減圧時に生じるジュール・トムソン効果はガスの温度を上昇させる方向に働くため、減圧弁を介したガスの減圧供給が行われた場合、断熱膨張による温度降下が一部または全部相殺され、ガスや減圧弁の温度変化は小さいものとなる。
なお、ジュール・トムソン係数はガスの種別のほか、ガスの温度または圧力によっても変化する。
ここで、半導体製造工程におけるプロセスガスとして代表的なシラン(SiH4),三フッ化窒素(NF3),フッ化珪素(SiF4)もしくはフロン116(C26)、または空気の主成分である窒素(N2),酸素(O2)もしくはアルゴン(Ar)などのガスは、いずれも逆転温度が常温以上であるため、常温の高圧ガス容器から減圧してガスを取り出す際に生じるジュール・トムソン効果はガスの温度を低下させる方向に働く。
ガス容器に充填された高圧ガスを減圧弁によって減圧して供給する場合、断熱膨張とジュール・トムソン膨張の中間的な状態が発生するが、常温におけるジュール・トムソン係数が大きいガスについては、ジュール・トムソン膨張による温度降下の影響が支配的となる。本発明は、減圧されるガスの断熱膨張の影響については無視し、ジュール・トムソン膨張によるガスの温度降下によってもたらされる課題を解決するものである。
一方、減圧弁には種々の作動原理に基づくものが存在するが、一般的には調圧用とシール用の二つのスプリングにてシートおよびダイヤフラムと呼ばれる可動部をバランスして保持し、一次側からの高圧ガスの流入をスプリングの付勢力により抑制しながら、所望の二次側圧力を維持する構造を有している。このため、減圧弁が上記した断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張により冷却され、周辺空気中の水蒸気の結露や、最悪の場合凍結が生じると、シートやダイヤフラムの可動性が損なわれ、供給されるガス圧やガス流量の精度よい制御が困難となる。また、一般に金属製の減圧弁およびその周辺の配管表面が結露した状態で長期間放置されると、腐食により該金属の強度が低下し、応力による割れや亀裂が生じる危険性がある。
このため、従来の減圧弁においては、これを電気ヒータや温水によって常時加温して所定の温度を維持することが一般に行われていた。しかし、ガスの種類によってはジュール・トムソン効果による温度降下の影響は著しく、減圧弁に供給すべき熱量は甚大であった。そこで、例えば特許文献1に記載の圧力調整器のように、減圧弁を二段階に構成することで各段階におけるガスの減圧比を低く抑え、断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張による温度降下を抑制する試みがなされている。
特開平10−020939号公報
しかし、上記二段階式の圧力調整器を用いた場合であっても、特にジュール・トムソン係数の高い高圧ガスを減圧して大流量にてユーザに供給する場合は、二段階の減圧弁のうち、特に一段目においてガスの激しい温度降下が発生し、雰囲気中の水蒸気が容易に結露または凍結してしまい、その機構の正常な稼動が阻害されるとともに、安定的なガスの供給を長時間にわたって継続することが困難であった。
減圧弁のかかる冷却の原理について図面を用いて説明する。図6は、三フッ化窒素(NF3)ガスの圧力−比エンタルピー線図(P−h線図)、および充填圧10.8MPaのNF3ガスが0.45MPaまで二段階に減圧される様子(以下、減圧プロファイルという。)を示すものである。
状態a1’はガス容器に高圧で充填されたガスの初期状態であり、雰囲気温度は30℃(T1’)、初期圧力は容器内圧力に基づき10.8MPa(P1’)である。一段目の減圧弁の二次側圧力である中間段階圧力を2.0MPa(P2’)に設定し、ガス容器からガスを導出してこれを等エンタルピー(ジュール・トムソン)膨張により減圧したものが状態a2’である。かかる状態では、ジュール・トムソン効果によりガスは−25℃(T2’)程度まで冷却されている。かかる状態a2’から、ヒータ等による加温により、ガスが等圧(P3’=P2’)のまま30℃(T3’=T1’)まで達した状態が、状態a3’である。
さらに、二段目の減圧弁の二次側圧力を、ユーザへの供給圧力である0.45MPa(P4’)に設定し、状態a3’のガスを等エンタルピー膨張させて減圧したものが状態a4’である。
しかし、上記の減圧プロファイルに従って高圧ガスの二段階減圧を図った場合、状態a2’におけるガスの冷却が過剰であるため、常温雰囲気下に置かれた一段目の減圧弁の熱平衡温度は0℃程度またはこれを下回る温度となり、雰囲気中の水蒸気が結露または凍結して減圧弁の駆動が阻害され、実際には同図に破線で示した部分では減圧プロファイルに従ったガスの状態変化が行われなくなるという問題がある。すなわち、二段階減圧弁の一段目においてジュール・トムソン効果によりガスが−25℃程度まで激しく温度降下することによって一段目の駆動部が間もなく凍結し、これ以降に減圧弁に導入されるガスは一段目の減圧弁ではほとんど減圧されることなく二段目の弁にて状態a1’(初期圧力P1’)から状態a4”(ユーザ供給圧力P4’)まで急激に減圧されることとなるからである。二段目の減圧弁によるかかる急激な減圧が行われる場合、図6に実線にて減圧プロファイルを示すようにガスの温度は−40℃にまで到達し、すなわち二段目の減圧弁の駆動部もまた間もなく凍結し、ガス供給装置全体の制御が不能となる。
減圧弁の駆動が阻害されるという上記の問題を解消するためには、一段目の減圧弁そのものにヒータ等の加温装置を設け、弁の駆動部が結露または凍結しないよう継続的かつ大量の熱量をこれに供給する必要がある。
なお、かかる問題は一段目の減圧レベルを高めに設定することである程度緩和することができる。すなわち、一段目の減圧弁の二次側圧力(P2’)を上記設定(例えば2.0MPa)よりも高くする(例えばP2’を6.0MPaとする)ことにより、一段目の減圧弁で発生するジュール・トムソン効果を抑制し、かかる弁で生じる温度降下をある程度緩和することが可能である。しかしこの場合も、今度は二段目の減圧において激しい温度降下が生じることとなるため、ヒータ等による二段目の減圧弁の継続的かつ大量の加温が必要になるという同様の問題が生じる。
かかる課題を踏まえ、本発明は、ガス容器に充填された高圧ガスを多段階に減圧してユーザに供給するに際して、ジュール・トムソン効果によるガスの温度降下を緩和し、安定的かつ長時間にわたるガス供給を可能とするとともにヒータ電力や温水などによる熱の供給を極力削減可能とするガス供給方法、および該方法を実現するガス供給装置を提供することを目的とする。また、ガス容器内の充填圧力が低くなってもかかるガス供給を長時間継続することのできるガス供給方法およびガス供給装置を提供することを他の目的とする。
本発明においては、ガス容器に充填された高圧ガスを多段階に減圧するに際し、ガスの減圧前の状態量と、減圧後の状態量とから途中段階の理想的な減圧状態を決定し、かかる減圧プロファイルに従ってガスを減圧することでその温度降下を抑制し、長時間にわたるガス供給が可能となることに着目した。
すなわち本発明にかかるガス供給装置は、
(1)ガスが加圧充填されたガス容器と、
該ガス容器から導出されたガスを流通させる配管と、
該配管に設けられ、前記流通するガスを一次側から導入し、さらに圧力調整可能に減圧して二次側から排出する調圧装置と、
前記調圧装置の二次側に設けられ、前記流通するガスを減圧する減圧弁と、
前記調圧装置の一次側のガスの状態量および前記減圧弁の二次側のガスの状態量のデータをそれぞれ取得するガスデータ取得手段、前記取得したガスの状態量のデータに基づいて前記調圧装置の二次側圧力の目標値を決定する目標圧設定手段、ならびに前記目標値に応じて前記調圧装置の二次側圧力を調整する圧力調整手段を備える制御器と、
を有するガス供給装置;
(2)前記調圧装置の一次側のガスの状態量が、ガス供給装置に設けられた圧力センサーにより測定された該ガスの圧力、および前記制御器の備えるガスデータ入力手段により入力された雰囲気温度であり、かつ、
前記減圧弁の二次側のガスの状態量が、前記ガスデータ入力手段により入力されたユーザ供給圧力である上記(1)に記載のガス供給装置;
(3)調圧装置が、それぞれ口径の異なるオリフィスが並列に設けられた複数の減圧ラインと、前記圧力調整手段に駆動されてガスの流路を該複数の減圧ラインのいずれか一以上に切り換える切換手段と、を有する上記(1)または(2)に記載のガス供給装置;
(4)調圧装置が、前記流通するガスの流路にニードルを挿入するニードル弁であって、かつ、
前記圧力調整手段によって前記ニードルの挿入深さが連続的に調整可能である上記(1)または(2)に記載のガス供給装置;
(5)ニードル弁の温度を測定する温度センサーを備える上記(4)に記載のガス供給装置;
(6)調圧装置の二次側のガスの温度を測定する温度センサー、または該ガスの圧力を測定する圧力センサーを備える上記(1)から(5)のいずれかに記載のガス供給装置;
を要旨とする。
また本発明にかかるガス供給方法は、
(7)ガス容器に加圧充填されたガスを多段階に減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
前記ガス容器に加圧充填されたガスの状態量と、前記多段階に減圧されたガスの状態量とに基づいて、途中段階におけるガスの目標減圧レベルを設定し、かかる目標減圧レベルに応じてガスの減圧を行うことを特徴とするガス供給方法;
(8)前記ガス容器に加圧充填されたガスの状態量が、該ガスの温度および圧力であり、
前記多段階に減圧されたガスの状態量が、該ガスの圧力である上記(7)に記載のガス供給方法;
(9)ガスの目標減圧レベルが、
前記多段階に減圧されたガスの温度と、前記途中段階におけるガスの温度とをいずれも所定の温度以上とするものである上記(7)または(8)に記載のガス供給方法;
(10)ガスの目標減圧レベルが、
前記多段階に減圧されたガスの温度と、前記途中段階におけるガスの温度とを等しくするものである上記(7)から(9)のいずれかに記載のガス供給方法;
(11)ガス容器内の充填圧力が低下した場合には、前記途中段階におけるガスの目標減圧レベルを再設定し、かかる再設定された目標減圧レベルに応じてガスの減圧を行うことを特徴とする上記(7)から(10)のいずれかに記載のガス供給方法;
(12)一段階または多段階に減圧されたガスの温度または圧力を測定し、該温度または圧力が所定値に達した場合には、前記途中段階におけるガスの目標減圧レベルを再設定し、かかる再設定された目標減圧レベルに応じて途中段階におけるガスの減圧を行うことを特徴とする上記(7)から(11)のいずれかに記載のガス供給方法;
を要旨とする。
さらに、
(13)制御器が、
ガス容器に充填されたガスの残量データを取得するガス残量検知手段と、前記ガスの残量データに基づいて該充填されたガスの残量の減少率を取得するガス減少率取得手段とを備える上記(1)から(6)のいずれかに記載のガス供給装置;
(14)調圧装置の二次側と減圧弁の一次側との間にバッファータンクを備える上記(1)から(6)または(13)のいずれかに記載のガス供給装置;
(15)温度センサーを備える上記(5)または(6)に記載のガス供給装置であって、
前記ガス容器、配管、調圧装置、および前記温度センサーをそれぞれ備える二つ以上のガスラインと、該ガスラインを閉止または開放する切換装置とを有し、かつ、
前記制御器が、前記温度センサーから温度データを取得する温度データ取得手段と、該温度データが所定値以下である場合に前記切換装置を駆動してガスの流路を前記ガスラインのいずれか一以上に切り換えるライン切換手段とを備えるガス供給装置;
(16)調圧装置が、
オリフィスと、前記圧力調整手段によって開閉駆動される開閉弁とをそれぞれ備える複数の減圧ラインが並列に設けられてなり、
前記オリフィスの口径が、減圧ラインごとにそれぞれ異なる上記(1)から(3)のいずれかに記載のガス供給装置;
(17)調圧装置の二次側と減圧弁の一次側との間に前記流通するガスを加温する加温手段を備える上記(1)から(6)または(13)から(16)のいずれかに記載のガス供給装置;
(18)調圧装置の一次側に自動閉止弁を備える上記(1)から(6)、または(13)から(17)のいずれかに記載のガス供給装置;
(19)ガス容器内に充填されたガスの圧縮係数が0.7以下である上記(7)から(10)のいずれかに記載のガス供給方法;
(20)ガスの減圧を、ガスの流路の断面積の拡大または縮小により行う上記(7)から(11)のいずれかに記載のガス供給方法;
(21)ユーザに供給されるガスの流量が所定値以上となった場合には、前記途中段階におけるガスの目標減圧レベルを再設定し、かかる再設定された目標減圧レベルに応じてガスの減圧を行うことを特徴とする上記(7)から(12)、(19)または(20)のいずれかに記載のガス供給方法;
(22)ガスの流量を、ガス容器に充填されたガスの残量の変化率により算出する上記(21)に記載のガス供給方法;
(23)ガス容器に加圧充填されたガスを多段階に減圧してユーザに供給するガスラインを二つ以上用意し、
一のガスラインにおいて上記(7)から(12)または(19)から(22)のいずれかに記載のガス供給方法により前記ガスをユーザに供給し、該ガスラインにおいて、多段階に減圧されたガスの温度または途中段階において減圧されたガスの温度が所定値以下となった場合に、ガスの流路を他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法;
(24)途中段階におけるガスを加温手段により加温することを特徴とする上記(7)から(12)または(19)から(23)のいずれかに記載のガス供給方法;
によっても本発明の目的を達成することができる。
本発明にかかるガス供給装置およびガス供給方法によれば、ガス容器に充填された高圧ガスを多段階に減圧してユーザに供給するに際し、途中段階において調圧装置により理想的な目標減圧レベルの減圧を実現することで、各段階における減圧後のガスの温度をそれぞれバランスさせることが可能となる。これにより、特に一段目の減圧においてジュール・トムソン効果によりガスが突出して温度降下する従来の課題が回避される。このため、ジュール・トムソン係数の高いガスを連続的にユーザに供給する場合も、ヒータ電力や温水などによる熱の供給量を大幅に削減しつつ、ガスの温度降下とそれに伴う減圧弁等の結露や凍結を防止し、安定的かつ長時間にわたりこれを継続することができる。
また本発明にかかるガス供給装置およびガス供給方法では、調圧装置の一次側のガスの状態量に応じて各段階におけるガスの減圧レベルの目標値を調整することが可能であるため、ガスの連続供給によりガス容器内の充填圧力や温度が低下した場合も、これに追随して目標値を再設定することができる。これにより、従来の二段減圧弁よりも温度低下が少なく、安定的かつ持続的なガスの減圧供給が可能となる。
以下、本発明の第一の実施の形態につき、図面を用いて具体的に説明する。図1は本実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。10はガス供給装置、11はガス容器、12は配管、20は調圧装置の例としての並列オリフィス装置、30は減圧弁、40は制御器、43はガス残量検知手段の例としての重量計、41aおよび41bは温度センサー、42aおよび42bは圧力センサーである。図中、実線はガスの流路を表わし、破線は制御器40の処理する制御信号の伝達経路を表わす。
ガス供給装置10は、その使用により本発明にかかるガス供給方法を実現する装置であり、ガス容器11から高圧ガスを取り出し、これを減圧してユーザに安定的かつ長時間にわたり供給することを可能とするものである。ユーザは、例えば半導体製造装置や化学装置などのガス使用設備であるが、このほか実験設備や燃焼装置などを挙げることもできる。ガス供給装置10は、ガス容器11とガス使用設備とをつなぐ配管12と、配管を流通するガスを圧力調整可能に減圧する調圧装置と、調圧装置の下流側(二次側)でガスをさらに減圧する減圧弁30と、調圧装置における減圧レベルを制御する制御器40とを備える。
本発明は、高圧のガスを多段階に減圧してユーザに供給するに際し、調圧装置によるガスの減圧レベルとして理想的な目標減圧レベルを設定し、かかるレベルを実現するよう調圧装置の二次側圧力を調整することにより、多段階のうちのいずれかの減圧段階においてジュール・トムソン効果によりガスが突出して温度降下することを防止するものである。調圧装置の具体例として、本実施の形態では口径の異なるオリフィスを備える複数の減圧ラインを開閉弁によって適宜切り換える方式を挙げる。
なお、本実施の形態では、調圧装置を一式設け、その二次側に設けられた減圧弁30とあわせて、高圧ガスに対して二段階の減圧を行う方式を例示する。ただし、ガスラインに調圧装置を二式直列に設ければ、減圧弁30とあわせて三段階の減圧が行われるため、各段階におけるガスのジュール・トムソン効果の影響をより緩和することができる。調圧装置を三式以上直列に配設する場合も同様である。以下、本発明においては調圧装置を一式設け、減圧弁30とあわせて二段階の減圧を行う場合を例にとり説明する。
二次側圧力を調整可能にガスを減圧することのできる調圧装置の具体例である並列オリフィス装置20は、複数の減圧ライン21a乃至21cを並列に設けて構成されている。減圧ライン21a(21b,21c)は、口径の異なるオリフィス23a(23b,23c)と、ガスの流路を減圧ライン21a乃至21cのいずれか一以上に切り換えるための開閉弁22a(22b,22c)とを有している。本実施の形態においては、便宜上、オリフィスの口径を23a<23b<23cとする。なお、減圧ラインの本数は二本以上であれば特に限定されないが、後述するガスの目標減圧レベルがきめ細かく制御でき、ガスの安定的な供給を長時間実現可能とする観点と、装置の簡略化の観点とから、三本以上、好ましくは三本乃至五本とするとよい。なお、最大口径のオリフィス(23c)の断面積を配管12の断面積と同等とし、すなわち減圧ラインの一本においてはその一次側の圧力(=ガス容器内の充填圧力)を減圧することなくそのまま通過可能としてもよい。
また、ガスの流路を減圧ライン21a乃至21cのいずれか一以上に切り換える切換手段の具体例としては、図1に示すように、各ライン上に設けた開閉弁22a乃至22cの開閉によるもののほか、減圧ラインの分岐部に切換弁を設けてこれを切り換える方式としてもよい。各減圧ラインにそれぞれ開閉弁を設ける場合、同時に複数の開閉弁を開とすることで、複数の減圧ラインをガスが流通可能とすることができる。これにより、例えば減圧ラインを4本設けた場合、最大15通りの組み合わせの中からガスラインを選択でき、並列オリフィス装置20においてよりきめの細かい減圧レベルの設定が可能となる。また切換弁によって、ガスラインをいずれかの減圧ラインから選択する方式とした場合、減圧ラインごとの開閉弁は不要となるため、部品点数を削減し、装置を簡略化することができる。
なお、各減圧ラインの一次側と二次側との間で所定の減圧レベルが実現される限りにおいて、減圧ライン21a乃至21cのそれぞれには同一または異なる口径をもつオリフィスを直列に複数本設けてもよい。
図3に示すP−h線図を用いて、本実施の形態にかかる減圧プロファイル(状態a1乃至a4)を白丸および実線で示す。すなわち、一段目の減圧レベルとして5.1MPa(P2)を設定することで、一段目の減圧後のガスの温度(T2)と二段目の減圧後のガスの温度(T4)とを等しくすることができる。これにより、減圧後のガスの温度(T2,T4)はいずれも約2℃となり、調圧装置および減圧弁が冷却される程度をバランスさせた上で、水蒸気の結露や凍結を回避可能としている。これにより、図6に示した従来の二段減圧弁における減圧プロファイル(a1’乃至a4’)では一段目の減圧後のガスの温度がマイナス25℃程度まで達していたことに起因する問題を解決することができる。
ガス容器内の充填圧力(P1)および雰囲気温度(T1)によって決まる減圧前のガスの状態a1と、二段階に減圧されてユーザに供給されるガス(状態a4)の圧力(P4)とが予め決定された系においては、一段目の減圧後のガス(状態a2)の温度(T2)および圧力(P2)と、これが温度回復して二段目の減圧が行われる直前のガス(状態a3)の温度(T3)および圧力(P3)と、二段目の減圧後のガス(状態a4)の温度(T4)の、合計5つの状態量が未定である。
これに対し、
一段目および二段目の減圧をそれぞれ等エンタルピー的に行うこと、すなわち(1)h1=h2,(2)h3=h4(ただし、h1乃至h4はそれぞれ状態a1乃至a4における比エンタルピーである。);
状態a2から状態a3への温度回復が定圧で行われること、すなわち(3)P2=P3;
状態a3において雰囲気温度まで回復すること、すなわち(4)T3=T1;
さらに、各減圧後のガスの温度を等しくすること、すなわち(5)T2=T4;
の5つの条件を付加することにより減圧プロファイルは一意に決まり、目標減圧レベルである一段目の減圧後の圧力(P2)を決定することができる。
なお、本発明においては、上記(5)の条件に替えて、T2とT4とが所定の温度(例えば0℃、または雰囲気の結露温度)以上であることを条件としてもよい。この場合は、減圧プロファイルは必ずしも一意ではなく、圧力P2を所定のレンジの中から適宜選択可能となる。このほか、T2とT4とが所定の温度差(例えば±2℃)以内であることを条件としてもよく、また調圧装置と減圧弁の熱容量の違い等の条件に基づいてそれぞれの許容温度を求め、T2やT4として設定してもよい。
また、状態a2から状態a3に至る間にガスが雰囲気温度まで回復しない場合は、上記(4)の条件に替えて、一段目の減圧後の温度(T2)やガスの流量等のパラメータから所定の計算式に基づいて温度T3を決定してもよい。
制御器40における、これらのパラメータの入力方法および目標減圧レベルの設定方法については後述する。
各減圧後のガスの温度を等しくする本実施の形態にかかるガス供給方法においては、ガスの流路の断面積を拡大または縮小させることにより、設定した目標減圧レベルを実現することができる。具体的には、複数の減圧ラインのうち、所定の口径のオリフィスを有する一以上のガスラインを流路として選択することによりこれが実現される。
すなわち、例えば並列オリフィス装置20(一段目)におけるガスの減圧が不十分であって、減圧弁30(二段目)におけるガスのジュール・トムソン効果が過剰となる虞のある場合は、より口径が小さくガスの流量を絞ることのできるオリフィス23bまたは23aを備えるガスラインを選択することで、一段目の減圧比を高くすることができる。これにより減圧プロファイルにおける状態a2と状態a4のガスの温度をバランスさせることができる。
また逆に、一段目のガスの減圧が過剰であって並列オリフィス装置20の冷却が激しくなる場合は、口径の大きいオリフィス23cまたは23bを備える減圧ライン21cまたは21bを用いることで、一段目の減圧の程度を目標減圧レベルに近づけることができる。
本発明において、調圧装置では目標減圧レベルに応じた減圧を行う。ただし、調圧装置における供給ガスの実際の減圧レベルは、目標減圧レベルと厳密に一致している必要はなく、減圧後のガスの温度が目標値から数℃程度以内の誤差範囲に収まる限り、所定の許容幅を有する。
具体的には、並列オリフィス装置20に設けられる減圧ラインの本数は有限であるため、目標減圧レベルの設定値によってはこれを厳密に実現することが困難な場合も生じ得るが、本発明においては、複数の減圧ラインの中から最適の口径を有するオリフィスを備えるものをガス流路として選択することで、本発明の目的を十分に達成することができる。かかる場合において、例えば並列オリフィス装置20の二次側におけるガスの温度または圧力を温度センサー41bや圧力センサー42bによってモニターし、これらの測定値が、設定された目標減圧レベルにおける状態量(T2またはP2)に一致または近接するよう、例えば制御器40によるオープンループ制御により開閉弁22a乃至22cを適宜開閉して減圧ラインを切り換えることも好適である。
本発明にかかる調圧装置の機能を実現するその他の例として、ガスの流路にニードルを挿入して該流路の断面積を連続的に増減させるニードル弁25を挙げる。図2は、調圧装置としてニードル弁25を用いた本発明の第二の形態にかかるガス供給装置10の系統図である。ガス容器11、配管12、減圧弁30、制御器40、ニードル弁25の一次側のガスの状態量を測定する温度センサー41aおよび圧力センサー42a、減圧弁30の二次側のガスの圧力を測定する圧力センサー42bは第一の実施の形態と共通する。
ニードル弁25は、ニードルの挿入深さが制御器40の制御によって連続的に調整可能である。
第一の実施の形態では有限の本数だけ設けられた減圧ラインから一以上を選択して一段目の減圧を行う並列オリフィス装置20によって目標減圧レベルに応じた減圧を行っていたのに対し、本実施の形態ではガスの流路の断面積を連続的に調整可能なニードル弁25を用いることから、目標減圧レベルをより高い精度にて実現可能である。これにより、図3に示す減圧プロファイルに従って高圧ガスの二段階の減圧を行う場合、一段目と二段目の減圧後のガスの温度(T2,T4)をより精度よく一致させ、ニードル弁25または減圧弁30の過剰な冷却を回避することができる。
なお、調圧装置にはニードル弁のほか、調圧レベルを制御可能である限り、スプリングとダイヤフラムを備える減圧弁や、ボール弁を用いてもよい。
また、ガスを減圧するための調整機構をもたないオリフィスと異なり、ニードル弁25はニードルの昇降深さを調整する駆動機構を有するため、その滑らかな駆動を阻害しないよう水蒸気の結露や凍結を回避することが好ましい。そこで、本実施の形態にかかるガス供給装置10では、温度センサー41bによりニードル弁25の温度を測定するとよい。温度センサー41bにより温度を測定するニードル弁25の部位は特に限定されないが、例えば上記駆動機構の温度を測定することにより、ニードル弁の機能が損なわれる虞のある部位の温度を直接精度よくモニターすることができる。また、二次側の出口近傍の温度を測定することにより、ニードル弁のうち最も冷却されやすい部位をモニターすることができる。また、減圧弁の表面温度を測定することにより、最も結露が発生しやすい部位である雰囲気空気との境界の温度をモニターすることができる。上記のいずれかの箇所の温度、またはいずれか複数箇所の温度の単純もしくは加重平均をもってニードル弁の温度としてもよい。
本実施の形態においては、ニードル弁25の一次側のガスの温度および圧力と、減圧弁30の二次側の圧力とから一段目の目標減圧レベルを決定するに際し、一段目および二段目の減圧後のガスの温度(T2,T4)を近接または一致させるという条件に加え、温度センサー41bでモニターしたニードル弁25の温度が、例えば雰囲気の結露温度を下回ることがないよう条件を付加するとよい。すなわち、ニードル弁25の温度が所定値(例えば雰囲気の結露温度)を下回った場合は一段目の減圧後のガスの温度T2の設定値を上方修正し、ニードル弁25における減圧レベルを緩和させるとよい。
以下、制御器40の機能および制御器40における目標減圧レベルの具体的な設定方法について説明する。
制御器40は中央処理装置(CPU)を備え、調圧装置の一次側のガスの状態量および減圧弁の二次側のガスの状態量に基づいて調圧装置の二次側圧力の目標値を設定し、ガスの減圧プロファイルを決定する目標圧設定手段と、かかる減圧プロファイルに応じて調圧装置の二次側圧力を調整する圧力調整手段とを実現する。また制御器40は上記ガスの状態量のデータを取得するガスデータ取得手段を備える。
調圧装置の一次側のガスの状態量としては温度および圧力を用い、また減圧弁の二次側のガスの状態量としては圧力を用いるとよい。これらの状態量は、ガスの加圧充填状態(初期状態)と、ユーザへの供給圧力(減圧後状態)に相当し、いずれもガス供給の開始時点において使用者により設定可能なパラメータである。なお、この他、比エンタルピーや密度などに基づいて調圧装置の二次側圧力の目標値を決定することもできる。
調圧装置の一次側のガスの状態量と減圧弁の二次側のガスの状態量とを制御器40に入力する方法は、大別して二通りある。一つは使用者が予めまたはガス供給中にこれらを入力する方法であり、もう一つはセンサーなどの検知手段により取得したデータを信号線を介して制御器40に取り込む方法である。前者の場合は制御器40には制御盤等のガスデータ入力手段(図示せず)を設け、後者の場合は温度センサーや圧力センサーをガス容器11、配管12または調圧装置の入口等に設けてこれらの信号線を制御器40と接続するとよい。また本発明においてはガスデータ入力手段とセンサーなどの検知手段とを両方備えることにより、使用者がガスの状態量を予め入力可能であり、かつガスの供給中に温度センサーや圧力センサーの測定値に応じてこれを自動的に更新することができる。
図1および図2に示す本発明の第一および第二の実施の形態にかかるガス供給装置10においては、温度センサー41aおよび圧力センサー42aにより、調圧装置の一次側のガスの状態量(温度および圧力)を測定している。また、減圧弁の二次側のガスの状態量についてはユーザ供給圧力を用いるものとし、使用者がガスデータ入力手段を介してこれを制御器40に入力するものとする。
調圧装置の一次側のガスの圧力を測定する圧力センサー42aは、図1および図2に図示されるように調圧装置の一次側の配管内部のガス圧を測定するよう設置しても、ガス容器11の開閉バルブ(図示せず)に直接取り付けてもよい。なお、一般に調圧装置の一次側の配管の容積は十分に小さく、該配管内の圧力とガス容器11内の圧力とは同等であるとともに互いに換算可能である。
一方、ガス容器11に充填された高圧ガスの温度を測定する温度センサー41aは、図1および図2に図示されるように調圧装置の一次側の配管内部の温度を測定するよう設置しても、雰囲気温度を測定してもよい。一般に、ガス容器11から導出されて調圧装置に至るまでのガスの温度はガス容器11の雰囲気温度と同視しうる。
このほか、ガス容器11に重量計43を設け、充填されているガスの残量を取得することで、ガス容器の充填圧力を所定の換算式に基づいて算出し、調圧装置の一次側のガスの圧力データとしてガスデータ取得手段に送信することもできる。
すなわち本発明にて用いるガスの状態量のデータは、使用者が決定した設定値でも、検知手段により直接測定されたものでも、他のパラメータからの換算により算出されたものでもよい。
また、調圧装置の二次側のガスの温度を温度センサー41bで、同ガスの圧力を圧力センサー42bでそれぞれ測定し、調圧装置における目標の減圧プロファイルが達成されているか否かをモニターすることも好適である。例えば、目標圧設定手段によって決定された減圧プロファイルが調圧装置の二次側圧力の調整により精度よく実現されていない場合は、圧力センサー42bの測定値に基づいて該二次側圧力の調整を修正するとよい。
なお、温度センサー41a,41b、および圧力センサー42a,42bはいずれも市販のものを使用可能である。
制御器40には、ユーザに供給されるガスのP−h線図に基づく温度、比エンタルピーおよび圧力の特性が予め記憶されている。この状態から、温度センサー41aおよび圧力センサー42aによる測定値、ならびにユーザ供給圧力を制御器40に入力し、さらに目標減圧レベルを決定するための条件として、例えば図3に示すように『一段目および二段目の減圧後のガスの温度(T2,T4)を等しくすること』などを設定することにより、制御器40のCPUは調圧装置における減圧レベルの目標値を算出し、減圧プロファイルを決定する。なお、かかる目標値の算出に際しては、ガスのP−h線図を用いるほか、ガスの状態量や物理量の関係式に基づいて演算をする方式としてもよい。
制御器40は、圧力調整手段により、上記目標値を実現するよう調圧装置の二次側圧力を調整する。具体的には、調圧装置が並列オリフィス装置20である場合、かかる減圧レベルにもっとも近接する減圧レベルの得られる一の減圧ライン、または複数の減圧ラインの組み合わせを選択し、制御器40からの開閉信号により開閉弁22a乃至22cを閉止または開放する。また、調圧装置がニードル弁25である場合は、制御器40は上記目標値を実現するガス流路の断面積を求め、ニードルの挿入深さを調整する。
上記のように、制御器40においては調圧装置の一次側のガスの状態量(例えば温度および圧力)ならびに減圧弁の二次側のガスの状態量(例えば圧力)に基づいて調圧装置における目標減圧レベルを設定する。ガスの連続供給により調圧装置の一次側のガスの状態量が変化した場合、またはガスの供給中にユーザへの供給圧力を変更する場合は、所定の時間間隔ごとにまたは連続的に、制御器40のCPUにて目標減圧レベルを再計算し、常に各段階における減圧後のガスの温度を等しくするなどの所定の条件を満たすよう、これを再設定することができる。
従来の二段減圧弁では、一段目の減圧弁の二次側圧力をガス供給中に調整し、再設定することが困難であったため、これを高い圧力に設定している場合は二段目の減圧弁におけるガスのジュール・トムソン効果が過剰となり、逆にこれを低い圧力に設定している場合は一段目の減圧弁においてこれが過剰になるという問題を生じていた。
これに対し本発明にかかるガス供給装置10では、ガス容器内の充填圧が低下した場合はこれに追随して調圧装置の二次側の目標減圧レベルを下げていくことにより、一段目と二段目の減圧弁を通過するガスの温度を常に所定の範囲に収めつつガスの供給を継続することが可能となる。
また本発明にかかるガス供給装置10は、ガスの供給初期においてはジュール・トムソン効果により調圧装置や減圧弁が一時的に激しく冷却されたとしても、ガス供給の進行とともに各段階における減圧後のガスの温度バランスを図りつつこれを上昇させていくことができ、調圧装置や減圧弁におけるクリティカルな結露または凍結を回避することができる。
以下、本発明に関連するその他の要素について説明する。
本発明に用いられるガスは特に限定されるものではないが、半導体製造装置や化学装置にて使用される頻度が高く、かつジュール・トムソン効果による降下温度の大きいものを用いた場合に特に有益であり、本発明の効果を顕著に発揮することができる。具体的には、ガス容器に充填された状態が高圧気体である圧縮ガスの例としてシラン(SiH4),三フッ化窒素(NF3),フッ化珪素(SiF4),フロン14(CF4)またはフロン116(C26)、およびガス容器に充填された状態が液体である液化ガスの例として二酸化炭素(CO2),六フッ化硫黄(SF6)または亜酸化窒素(N2O)などが例示される。
本発明において圧縮ガスを用いる場合、ガス容器内の充填状態におけるガスの圧縮係数(z)が1.0未満、特に0.7以下である場合に本発明の効果が顕著に発揮される。
ここで、物質の臨界状態とは、気体と液体とが共存できる限界の温度および圧力の状態をいう。臨界状態の温度を臨界温度(Tc[K])、臨界状態の圧力を臨界圧力(Pc[MPa])といい、これは物質に固有の値である。臨界温度とは、その温度を超えると圧縮の程度によらずガスが液化されなくなる温度を意味する。これに対し、対臨界温度Trとは、ある状態におけるガスの温度[K]を臨界温度Tc[K]で除したものをいい、同じく対臨界圧力Prとは、ある状態におけるガスの圧力[MPa]を臨界圧力Pc[MPa]で除したものをいう。
圧縮係数zが上記数値範囲にあることが好ましい理由を以下に説明する。
一般に、Lee and Keslerの修正Benedict-Webb-Rubin(BWR)状態方程式によれば、ガスの分子形状から決まる偏心因子ωと、対臨界温度Trおよび対臨界圧力Prとから、ガスの圧縮係数z(=PV/RT)が求められることが知られており、また工業的にはガスの種類によらず対臨界温度Trと対臨界圧力Prとからz線図を用いて圧縮係数zを決定することができる。
圧縮係数zは、同温同圧において同じモル数の実在気体と理想気体との体積比であり、これが小さい場合は高圧に圧縮された状態において、ガスの体積がより小さくなることを意味する無次元量である。
理想気体では圧縮係数zは常に1であり、ガス容器内のガス残量とガスの充填圧力とは比例関係にあるが、実在気体では圧縮係数zは対臨界圧力Prとともに変化する。ガス容器に高圧で充填された圧縮ガスは、対臨界温度Trが1.0〜1.5、対臨界圧力Prが1.0〜3.0程度であるところ、かかる状態では圧縮係数zが1未満となる。またかかる状態から、ガス容器よりガスを導出するにしたがって、圧縮係数zは1.0に漸近していく。
したがって、理想気体をガス容器からユーザに連続供給する場合はガス容器中の充填重量が減少するとこれに比例して減圧弁に導入されるガスの圧力が低下するが、実在ガスを供給するにあたり、対臨界圧力Prの低下に伴って圧縮係数zが大きくなるガス状態を経る場合は、ガスの充填重量の減少に抗してガスの体積がより大きくなろうとするため、減圧弁に導入されるガスの圧力はなかなか低下しない。すなわち高圧で充填された実在ガスを連続供給する場合、一段目の減圧弁には長時間にわたり高圧のガスが流入しつづけ、ジュール・トムソン効果による減圧弁の冷却が長時間にわたって継続することとなる。
したがって、ガス供給の開始時または供給中にガス容器に充填されたガスの圧縮係数zが1.0未満、特に0.7以下である場合、ガス充填量が減少するにしたがって圧縮係数zは1.0に漸近するよう上昇することから減圧弁の温度降下が顕著となる。よってかかる場合、多段階減圧弁の各段における目標減圧レベルを設定して温度降下をバランスさせるという本発明の効果を十分に享受することができる。またガスの圧縮係数zが0.7以下であってさらに対臨界温度Trが1.3以下であるガスの充填状態の場合、ガス充填量の減少に伴う圧縮係数zの増大がさらに顕著となり本発明の効果がもっとも好適に享受される。なお、圧縮係数zとジュール・トムソン係数μとは、いずれも実在気体効果の程度を表すパラメータであり、圧縮係数zが理想気体を表す1.0から大きく乖離して0.7以下となる場合、一般にジュール・トムソン係数μもまた大きな絶対値をとることとなるため、圧縮ガスの減圧供給に際しては減圧弁の温度降下が顕著となる。
また本発明は、ガスのジュール・トムソン効果により冷却される調圧装置や減圧弁の温度をバランスさせ、雰囲気中の水蒸気の結露や凍結を防止することを目的とするものであるため、ガス容器に充填されたガスのジュール・トムソン係数μが+4[K/MPa]以上である場合に、特に本発明の効果を十分に享受できる。なお、ガスのジュール・トムソン係数は、P−h線図の等温度線の間隔および勾配や、既知の換算式から求めることができる。
本発明に好適に用いられる代表的な圧縮ガスについて、ガス容器内における一般的な充填状態、および臨界状態における圧力と温度を表1に示す。なお、ガス容器内における所定の充填状態において、ガスの圧縮係数zはz線図より、またジュール・トムソン係数μはP−h線図より、それぞれ当業者であれば当然に求めることができる。
Figure 2007255666
上記表1に示すガスの充填状態における圧縮係数zはいずれも0.7以下であり、さらに対臨界温度Trが1.3以下であるため、本発明にかかるガス供給方法による安定的かつ継続的なガス供給の高い効果が発揮される。
以下、本発明に用いることのできる他の構成要素について説明する。
ガス容器11には市販のガスボンベを用いることができる。数MPa乃至数十MPa程度の内圧に耐え、また貯留するガスにより腐食しないものが好ましい。
配管12は、ガス容器11とガス使用設備とをつなぎ、高圧ガスを多段階に減圧してユーザに供給可能である限り特に限定されるものではない。耐腐食性と、雰囲気との熱伝達効率のよさから金属管が好適に用いられる。
減圧弁30は、一次側を高圧の調圧装置に連結し、二次側を低圧のユーザ側に連結する。一次側の高圧ガスを減圧して二次側に排出する機能を有するものであれば、可動性のシートやダイヤフラムをスプリングでバランスして保持するタイプのほか、特に作動原理は限定されるものではない。また、上記実施の形態のように、ユーザへのガスの供給圧が一定(P4=0.45MPa)の場合は減圧弁30の二次側圧力を該供給圧に固定すればよい。この他、ガスの供給中にユーザへの供給圧を増減させる場合は、第二の実施の形態にて調圧装置として用いるニードル弁25等の圧力調整弁を減圧弁30として用い、制御器40によりその二次側圧力を経時的に調整してもよい。
配管12のうち、調圧装置と減圧弁30との間には、図2に示すようにバッファータンク13を設けるとよい。調圧装置により減圧されたガスをバッファータンク13に一旦蓄えてから減圧弁30に送ることにより、ユーザに供給されるガスの圧力変動を抑えることができるとともに、調圧装置にて減圧されて温度降下したガスを常温雰囲気により十分に温度回復させることができる。バッファータンク13は、配管12と連通する容器を用いることができるほか、配管12を部分的に拡径して設けてもよい。
また、かかる温度回復をさらに十分に行うことを目的として、調圧装置と減圧弁30との間には加温手段として、リボンヒータや温水チューブなどのヒータ14を補助的に設けてもよい。この場合、電力や温水などの外部ユーティリティを用いる必要はあるものの、例えば雰囲気温度が低い場合や、ガスの供給量が多く調圧装置や減圧弁30の冷却速度が極めて速い場合に、限定的かつ補助的にガスを加温することで、さらに安定的かつ長時間にわたりガス供給を行うことが可能となる。本発明によれば、仮に加温手段を用いるとしても、従来のガス供給装置に比べ、電力や温水などにより与えるべき熱エネルギーを大幅にセーブできるという利点が得られる。ヒータ14は、バッファータンク13に取り付けてもよく、また配管12のうち調圧装置と減圧弁30との間の部分に取り付けてもよい。
ガス容器11に設けた重量計43は、ガスの残量の大小に関する重量データを制御器40に所定の時間間隔ごとに送信する。すなわち重量計43は、ガス容器に充填されたガスの残量データを取得するガス残量検知手段として機能する。また、特にシラン(SiH4)や三フッ化窒素(NF3)など圧縮性の高いガスについては、ガス容器内の圧力とガスの残量とは所定の対応関係にあることから、調圧装置の一次側に設けた圧力センサー42aをガス残量検知手段として用い、その読み取り値からガス残量を測定することができる。調圧装置の一次側圧力とガス残量(重量)との対応関係は、あらかじめ換算値を制御器40に入力しておくとよい。なお、重量計43には、データロガー機能を有する市販のデジタル重量計を使用可能である。
また制御器40では、ガス残量検知手段である重量計43a乃至43cまたは圧力センサー42a1乃至42a3の、測定値の単位時間あたりの変動量に従ってガスラインを流通するガスの供給量を推定し、これが所定値を超えた場合には調圧装置における目標減圧レベルを再設定してもよい。特に、調圧装置の熱容量や雰囲気との熱伝達効率と、減圧弁30のそれらが互いに大きく相違する場合、供給ガスの流量の変動によって両者の冷却速度が変化することとなるため、目標減圧レベルを再設定することが好ましい。
本発明にかかるガス供給装置を用いたガス供給方法について、実施例によりさらに具体的に説明する。ガス供給装置10の系統図は第二の実施の形態(図2)に従うものとし、調圧装置にはニードル弁25を用いた。図4は、NF3ガスのP−h線図と、該ガスを用いた本実施例にかかる減圧プロファイルとを示したものである。本実施例においては、ガス容器のフル充填状態(P1=10.8MPa)における減圧(状態a1乃至a4:実線)、ガス容器に充填されたガスの残量が70%程度となった状態(P1’=7.02MPa)を初期条件とする減圧(状態b1乃至b4:破線)、充填されたガスの残量が37%程度となった状態(P1”=4.0MPa)を初期条件とする減圧(状態c1乃至c2:一点鎖線)をそれぞれ行っている。なお、本実施例における雰囲気温度は30℃とし、ニードル弁25により減圧されたガスは雰囲気温度まで回復してから減圧弁30にいたるものとする。
フル充填状態における減圧プロファイルは図3に示すものと同一であり、一段目の目標減圧レベルは5.4MPa(=P2)である。ニードル弁25のニードル深さを調整して二次側圧力をかかる減圧レベルに調整することで、一段目の減圧後のガス温度(T2)と二段目の減圧後のガス温度(T4)とを等しくすることができる。すなわち、かかる減圧プロファイルを採る場合が、ガスの温度降下幅をもっとも抑制した状態となる。
NF3ガスを用いた本実施例では、各段における減圧後のガスの温度は約2℃となっている。常温雰囲気下に置かれた一般的な熱伝導性や熱容量をもつニードル弁や減圧弁を2℃のガスが流通する場合、その表面の熱平衡温度が11℃(20℃、相対湿度50%の空気が結露しない温度)となるガス流量は4.5[L/min]である。これに対し、図6に減圧プロファイルを示す従来の二段減圧弁による減圧の場合、一段目の減圧後のガスの温度は−25℃であることから、同様に弁表面の熱平衡温度が11℃を維持するためにはガス流量を1.3[L/min]以下に抑える必要がある。
すなわち本実施例にかかるガス供給方法およびこれを実現するガス供給装置によれば、実に従来の3倍もの流量のガスを継続的に供給することができる。
また、ユーザ供給ガスにシラン(SiH4)を用い、同様に各段における減圧後のガスの温度を等しくする減圧プロファイルにより二段階減圧を行った場合、減圧後のガスの温度は約0.8℃となる。この場合、約10.0[L/min]程度のガス流量であれば、常温雰囲気下のニードル弁や減圧弁の表面の熱平衡温度を11℃に維持することが可能である。
また同様に、ユーザ供給ガスにアルゴンガスを用いる場合、減圧後のガスの温度は15℃となるため、流量によらず弁表面の熱平衡温度を11℃に維持することができる。
なお、初期圧力をP1’とする減圧プロファイルb1乃至b4において、一段目の減圧後のガス温度(T2’)と二段目の減圧後の減圧後のガス温度(T4’)とを等しくするためには、P−h線図より、一段目の目標減圧レベルを3.9MPa(=P2’)とすればよいことがわかる。
さらに、初期圧力をP”とする減圧プロファイルc1乃至c2においては、ニードル弁25による一段目の減圧を行うことなく、すなわちニードルにより流路を絞ることなく、減圧弁30のみによってガスを減圧している。この場合も、初期圧力が4.0MPaと低いことから減圧後のガス温度(T2”)においても約16℃と十分な温度を維持している。
以降のガス供給においては、初期圧力が4.0MPaからさらに低下することから、ニードル弁25による減圧を行うことなく、減圧弁30のみによって所定の供給圧力(P3)に減圧してユーザに供給することができる。かかるガス供給は、減圧弁30の一次側の圧力が二次側の圧力を上回る限り、すなわちガス容器11の充填圧が0.5MPa(=P3)に達するまで継続して行うことができる。
図2に系統図を示すガスラインを三式並列に設け、各ガスラインに設けた開閉弁44a乃至44cを制御器40にて開閉することでガスの流路を切り換えるガス供給装置10の系統図を図5に示す。ガスライン1乃至3には、それぞれガス容器11a乃至11c、その重量計43a乃至43c、ニードル弁25a乃至25c、減圧弁30a乃至30c、ガス容器に充填されたガスの圧力を測定する圧力センサー42a1乃至42a3、同温度を測定する温度センサー41a1乃至41a3、ニードル弁の二次側圧力を測定する圧力センサー42b1乃至42b3、ニードル弁の表面温度を測定する温度センサー41b1乃至41b3を備える。
また、ガスライン1乃至3の合流部の下流にはユーザ供給ガス調圧弁50が設けられている。すなわちガス容器11a乃至11cから導出されたガスは三段階に減圧されてユーザに供給される。これにより、各段階における減圧をより緩やかに行うことができ、ジュール・トムソン効果によるガスの温度降下を低減することができる。なお、ユーザ供給ガス調圧弁50は、ガスライン1乃至3の合流部の下流に二つ以上を直列に設けてもよく、またガスライン1乃至3において減圧弁30a乃至30cの二次側に一つまたは直列に二つ以上を設けてもよく、さらにかかる合流部の上流側と下流側にそれぞれ一つまたは二つ以上を設けてもよい。
制御器40では、各ガスラインにおけるガスの減圧が、ニードル弁25a乃至25cによる一段目の減圧後のガスの温度と、減圧弁30a乃至30cによる二段目の減圧後のガスの温度とが等しくなるよう、ニードル弁25a乃至25cの二次側圧力を調整する。さらに制御器40では、ガスを供給中のガスラインにおけるニードル弁の表面温度、減圧弁の表面温度、または一段目の減圧後のガスの温度などに例示される箇所の温度が所定値(例えば雰囲気の結露温度)に至った場合に、開閉弁44a乃至44cを閉止または開放してガスの流路を切り換える制御を行う。なお、制御器40と接続する開閉弁44a乃至44cは自動閉止弁としての機能を有し、制御器40からの停止信号を受けていずれかまたはすべてのガスラインを閉止することができる。これにより、例えば供給ガスの流量が所定値を超えたためにガス供給装置10を緊急停止する場合も、素早く安全にこれを停止することができる。
また制御器40では、ガス残量検知手段である重量計43a乃至43cまたは圧力センサー42a1乃至42a3の、測定値の単位時間あたりの変動量に従ってガスラインを流通するガスの供給量を推定し、これが所定値を超えた場合にも開閉弁44a乃至44cを適宜開閉してガスの流路を切り換える制御を行う。
ガスを供給中のガスラインを閉止して、供給を停止していたガスラインのいずれかを選択して開放するにあたり、選択するガスラインは所定の条件に基づいて決定することができる。たとえば、ニードル弁または減圧弁の温度がもっとも高いガスライン、ガス容器内のガスの充填量のもっとも高いガスラインもしくはもっとも低いガスライン、またはガス供給装置に設置された時期のもっとも古いガス容器を備えるガスライン等を優先的に選択するとよい。
かかる制御を行うことにより、本実施例にかかるガス供給装置10においては、雰囲気温度によりニードル弁25a乃至25cおよび減圧弁30a乃至30cの温度を十分に高く維持しながら、ジュール・トムソン係数の高いガスを大流量にて安定的に連続供給することが可能となる。また、ガス容器を複数式設けることにより、いずれかのガス容器が空になりこれを交換する必要がある場合もユーザへのガス供給を停止することがない。
本発明にかかるガス供給方法およびガス供給装置によって好適に減圧して供給されるガスは、上記の半導体製造装置や化学装置のプロセスガスやエッチングガスのほか、様々な製造装置や実験装置に対する材料ガス、反応ガスまたはパージガスなどを対象とすることができ、広範囲での利用が可能である。
本発明の第一の実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。 本発明の第二の実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。 NF3ガスのP−h線図と、本発明の実施の形態にかかる減圧プロファイルである。 本発明の第一の実施例にかかる減圧プロファイルである。 本発明の第二の実施例にかかるガス供給装置の系統図である。 従来の二段減圧弁における減圧プロファイルである。
符号の説明
1,2,3 ガスライン
10 ガス供給装置
11 ガス容器
12 配管
13 バッファータンク
14 ヒータ
20 並列オリフィス装置
21a,21b,21c 減圧ライン
22a,22b,22c 開閉弁
23a,23b,23c オリフィス
25 ニードル弁
30 減圧弁
40 制御器
41a,41b 温度センサー
42a,42b 圧力センサー
43 重量計
44a,44b,44c 開閉弁
50 ユーザ供給ガス調圧弁

Claims (12)

  1. ガスが加圧充填されたガス容器と、
    該ガス容器から導出されたガスを流通させる配管と、
    該配管に設けられ、前記流通するガスを一次側から導入し、さらに圧力調整可能に減圧して二次側から排出する調圧装置と、
    前記調圧装置の二次側に設けられ、前記流通するガスを減圧する減圧弁と、
    前記調圧装置の一次側のガスの状態量および前記減圧弁の二次側のガスの状態量のデータをそれぞれ取得するガスデータ取得手段、前記取得したガスの状態量のデータに基づいて前記調圧装置の二次側圧力の目標値を決定する目標圧設定手段、ならびに前記目標値に応じて前記調圧装置の二次側圧力を調整する圧力調整手段を備える制御器と、
    を有するガス供給装置。
  2. 前記調圧装置の一次側のガスの状態量が、ガス供給装置に設けられた圧力センサーにより測定された該ガスの圧力、および前記制御器の備えるガスデータ入力手段により入力された雰囲気温度であり、かつ、
    前記減圧弁の二次側のガスの状態量が、前記ガスデータ入力手段により入力されたユーザ供給圧力である請求項1に記載のガス供給装置。
  3. 調圧装置が、それぞれ口径の異なるオリフィスが並列に設けられた複数の減圧ラインと、前記圧力調整手段に駆動されてガスの流路を該複数の減圧ラインのいずれか一以上に切り換える切換手段と、を有する請求項1または2に記載のガス供給装置。
  4. 調圧装置が、前記流通するガスの流路にニードルを挿入するニードル弁であって、かつ、
    前記圧力調整手段によって前記ニードルの挿入深さが連続的に調整可能である請求項1または2に記載のガス供給装置。
  5. ニードル弁の温度を測定する温度センサーを備える請求項4に記載のガス供給装置。
  6. 調圧装置の二次側のガスの温度を測定する温度センサー、または該ガスの圧力を測定する圧力センサーを備える請求項1から5のいずれかに記載のガス供給装置。
  7. ガス容器に加圧充填されたガスを多段階に減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
    前記ガス容器に加圧充填されたガスの状態量と、前記多段階に減圧されたガスの状態量とに基づいて、途中段階におけるガスの目標減圧レベルを設定し、かかる目標減圧レベルに応じてガスの減圧を行うことを特徴とするガス供給方法。
  8. 前記ガス容器に加圧充填されたガスの状態量が、該ガスの温度および圧力であり、
    前記多段階に減圧されたガスの状態量が、該ガスの圧力である請求項7に記載のガス供給方法。
  9. ガスの目標減圧レベルが、
    前記多段階に減圧されたガスの温度と、前記途中段階におけるガスの温度とをいずれも所定の温度以上とするものである請求項7または8に記載のガス供給方法。
  10. ガスの目標減圧レベルが、
    前記多段階に減圧されたガスの温度と、前記途中段階におけるガスの温度とを等しくするものである請求項7から9のいずれかに記載のガス供給方法。
  11. ガス容器内の充填圧力が低下した場合には、前記途中段階におけるガスの目標減圧レベルを再設定し、かかる再設定された目標減圧レベルに応じてガスの減圧を行うことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載のガス供給方法。
  12. 一段階または多段階に減圧されたガスの温度または圧力を測定し、該温度または圧力が所定値に達した場合には、前記途中段階におけるガスの目標減圧レベルを再設定し、かかる再設定された目標減圧レベルに応じて途中段階におけるガスの減圧を行うことを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載のガス供給方法。

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