JP2007255106A - 掘削工具および掘削工法 - Google Patents

掘削工具および掘削工法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007255106A
JP2007255106A JP2006082425A JP2006082425A JP2007255106A JP 2007255106 A JP2007255106 A JP 2007255106A JP 2006082425 A JP2006082425 A JP 2006082425A JP 2006082425 A JP2006082425 A JP 2006082425A JP 2007255106 A JP2007255106 A JP 2007255106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bit
casing pipe
ring bit
axial direction
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006082425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4887857B2 (ja
JP2007255106A5 (ja
Inventor
Kazuyoshi Nakamura
和由 中村
Kimiya Hisada
仁也 久田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2006082425A priority Critical patent/JP4887857B2/ja
Priority to TW095115760A priority patent/TW200736489A/zh
Priority to AT07005240T priority patent/ATE447091T1/de
Priority to EP07005240A priority patent/EP1837481B1/en
Priority to DE602007002936T priority patent/DE602007002936D1/de
Priority to KR1020070028529A priority patent/KR101413405B1/ko
Publication of JP2007255106A publication Critical patent/JP2007255106A/ja
Publication of JP2007255106A5 publication Critical patent/JP2007255106A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4887857B2 publication Critical patent/JP4887857B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B7/00Special methods or apparatus for drilling
    • E21B7/20Driving or forcing casings or pipes into boreholes, e.g. sinking; Simultaneously drilling and casing boreholes
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B10/00Drill bits
    • E21B10/64Drill bits characterised by the whole or part thereof being insertable into or removable from the borehole without withdrawing the drilling pipe
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B4/00Drives for drilling, used in the borehole
    • E21B4/06Down-hole impacting means, e.g. hammers
    • E21B4/10Down-hole impacting means, e.g. hammers continuous unidirectional rotary motion of shaft or drilling pipe effecting consecutive impacts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)
  • Drilling And Boring (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)

Abstract

【課題】ケーシングパイプを伴う掘削に続いて同径の第2の掘削孔をケーシングパイプを伴わずに行うことができ、同じ外径の建て込み部材を挿入する場合にはケーシングパイプやリングビットの径を小さくでき、リングビットの脱落を生じない掘削工具および掘削工法を提供する。
【解決手段】ケーシングパイプ1の先端部にリングビット4が、軸線O回りに回転自在に挿入されるとともに、係止手段7によって軸線O方向先端側に係止されつつ軸線O方向に進退可能に取り付けられ、ケーシングパイプ1内にはインナービット5が挿入されてケーシングパイプ1とリングビット4に先端側に向けて当接可能、リングビット4に対しては係合手段によって軸線O回りに係合可能とされ、係止手段7には、リングビット4をケーシングパイプ1に対して先端側に抜脱する抜脱機構8が備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーシングパイプの先端部にリングビットが取り付けられるとともに、このケーシングパイプ内に挿入されるインナーロッド等の打撃、回転、推力を伝える伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられた、いわゆる二重管式ビットの掘削工具、および該掘削工具を用いた掘削工法に関するものである。
この種の二重管式ビットを有する掘削工具としては、例えば特許文献1に、ケーシングパイプ先端部のケーシングシューとリングビットの接続部分に、相対回転可能で且つ互いの抜けを防止する連結部が設けられたものが記載されている。また、特許文献2には、所望位置で外ビット(リングビット)を内ビット(インナービット)から抜き出すことによって、外ビットによる掘削と保護チューブ(ケーシングパイプ)の引き出しを止めて、その後、内ビットだけで掘削を続ける掘削工具および掘削工法が記載され、さらに特許文献3には、削孔ヘッドがリングロストビットとインナービットとから構成されて、リングロストビットに嵌合されたインナービットがケーシングシューの内部に挿入された掘削工具が記載されている。
特開平9−158656号公報 特表平10−510601号公報 特開平11−173057号公報
ところが、まず上記特許文献1記載の掘削工具では、ケーシングパイプとリングビットとが上記連結部によって抜け止めされているため、例えば軟質な崩落しやすい地盤はケーシングパイプを伴って掘削を行って掘削孔を確保するとともに崩落し難い硬質な地盤に達した後はビットだけで効率的な掘削を行うようなことはできない。さらに、掘削後に伝達部材およびインナービットをケーシングパイプから引き抜いて建て込み部材を挿入し、掘削孔内に建て込む場合でも、この建て込み部材の外径は、インナービットからの先端側への打撃力を受けるリングビットの傾斜面が形成された部分の内径未満に制限されざるを得ず、逆に所定の外径の建て込み部材を挿入するにはリングビットやケーシングパイプの内外径を大きくしなければならないため、非効率的且つ非経済的であった。
また、リングビットとインナービットとで所定の深さまで掘削孔を形成した後にインナービットだけで掘削を続けることができる特許文献2記載の掘削工具では、上述のように軟質地盤まではケーシングパイプを伴って掘削を行い、硬質地盤ではケーシングパイプを伴わずにインナービットだけで第2の掘削孔を連続して形成することは可能であるが、こうして形成される第2の掘削孔は、リングビットによる掘削径よりも小さなインナービットによる掘削径となる。しかも、ケーシングパイプ内を通してこの第2の掘削孔に建て込み可能な建て込み部材の外径は、やはりインナービットからの回転打撃力を受けるためにリングビットの内周面に形成された突出部分における内径未満に制限されざるを得ないため、特許文献1記載の掘削工具と同様に建て込み部材の外径に対してリングビットやケーシングパイプの内外径が大きくなることは避けられない。
これらに対して、リングビットがロストビット式とされた特許文献3記載の掘削工具では、掘削終了後にリングビットをインナービットから取り外してインナーロッドおよびインナービットをケーシングパイプ内から引き抜くことにより、このケーシングパイプ内に設けられてインナービットからの打撃力を受ける段部の内径までの外径の建て込み部材をケーシングパイプを通して掘削孔に建て込むことができる。しかしながら、この特許文献3に記載の掘削工具でも、ケーシングパイプを伴わずに上述のような第2の掘削孔の形成を行うことはできず、しかもリングビットはケーシングパイプの先端部には単に回転自在に嵌挿されているだけであるので、例えば下向きに掘削孔を形成する場合に地盤に空洞部があったためにリングビットが空打ちされたりすると、その衝撃によりインナービットとの係合が外れてリングビットが掘削孔内に脱落してしまい、その後の掘削自体が不可能となってしまう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、ケーシングパイプを伴う掘削に続いて同径の第2の掘削孔をケーシングパイプを伴わずに行うことができて効率的であり、またケーシングパイプ内を通して建て込まれる建て込み部材の外径を大きく確保することができて、すなわち同じ外径の建て込み部材を挿入する場合にはケーシングパイプやリングビットの径を小さくすることができて経済的であり、さらには二重管式ビットを備えた掘削工具全般において掘削中にリングビットの脱落などの生じることのない掘削工具、および該掘削工具を用いた掘削工法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の掘削工具は、円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが互いの内外周面を対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、上記係止手段には、上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱する抜脱機構が備えられていることを特徴とする掘削工具。
従って、このような掘削工具を用いた本発明の掘削工法によれば、第1に、上記インナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第1、第2の当接部と上記ケーシングパイプ側当接部およびリングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記ケーシングパイプおよびリングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットにのみ伝達しつつ、所定の深さの第1の掘削孔を形成した後、上記インナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、次いで、上記第1の当接部を備えることなく上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さな外径を有し、かつ上記第2の当接部と上記係合手段とを備える第2のインナービットを伝達部材の先端に取り付け、上記ケーシングパイプ内を通して上記リングビットの内周に挿入するとともに、上記抜脱機構により上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱し、上記第2のインナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第2の当接部と上記リングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記リングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットに伝達しつつ、上記第1の掘削孔の先端側に第2の掘削孔を形成することができる。
すなわち、上記第1の掘削孔を形成するときは、インナービットに与えられた回転打撃力がリングビットに伝達されるとともにケーシングパイプには打撃力だけが伝えられ、これによりケーシングパイプを伴って掘削孔の形成ができるので、軟質な地盤でもこの第1の掘削孔を確保することができ、そしてこのときリングビットは、上記係止手段により軸線方向先端側に向けてケーシングパイプ先端部に係止されているので、万一空打ち等が生じてもリングビットの脱落を防ぐことができる。さらに、この第1の掘削孔が硬質な地盤に達した後は、インナービットを上述の第2のインナービットに交換するとともに、上記係止手段に備えた抜脱機構によってリングビットをケーシングパイプ先端部から抜き外して離脱させ、この第2のインナービットからの回転打撃力によってケーシングパイプを伴わずに効率的に、しかも第1の掘削孔と同径の第2の掘削孔を形成してゆくことが可能となる。
従って、この第2の掘削孔を形成した後に、該第2の掘削孔内に上記リングビットを残した状態で、上記第2のインナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、次いで、上記ケーシングパイプ内に、上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さく、かつ上記リングビット側当接部の内径よりも大きな外径を有する建て込み部材を挿入して、上記第2の掘削孔内に建て込むことにより、例えば同じ第2の掘削孔を掘削可能な上記特許文献2に記載の掘削工具および掘削工法や、或いは特許文献1に記載の掘削工具などに比べても、この第2の掘削孔まで建て込み可能な建て込み部材の外径を大きくすることができ、言い換えれば同じ外径の建て込み部材を建て込むときには掘削孔やケーシングパイプの径を小さくすることができて、経済的である。
また、本発明の掘削工具を用いた掘削工法によれば、上記伝達部材を介して上記インナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第1、第2の当接部と上記ケーシングパイプ側当接部およびリングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記ケーシングパイプおよびリングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットにのみ伝達しつつ、所定の深さの掘削孔を形成した後、上記インナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、次いで、上記抜脱機構により上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱するとともに、上記ケーシングパイプ内に、上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さく、かつ上記リングビット側当接部の内径よりも大きな外径を有する建て込み部材を挿入して、上記掘削孔内に建て込むことも可能である。従って、この場合も、特許文献3に記載の掘削工具のようなリングビットの脱落を上記係止手段によって防ぎつつ、特許文献1、2記載の掘削工具や掘削工法などに比べて小さな掘削径およびケーシングパイプ径で大きな外径の建て込み部材を建て込むことが可能となる。
ここで、上述のようにケーシングパイプ先端部とリングビットの互いに対向する内外周面に形成された凹凸部よって構成される係止手段により、ケーシングパイプを伴う掘削のときにはリングビットを軸線方向先端側に確実にこのケーシングパイプに係止する一方で、ケーシングパイプを伴わない上記第2の掘削孔を形成するときなどに、複雑な装置構造や操作を要することなく、上記抜脱機構によりこのリングビットをケーシングパイプから抜脱するには、まず第1に、上記係止手段において、上記内外周面のうち、上記ケーシングパイプ側の周面の先端部と上記リングビット側の周面の後端部とに環状の上記凸部を形成するとともに、これらの凸部にそれぞれ上記軸線方向に連なるようにして上記ケーシングパイプ側の周面の後端部と上記リングビット側の周面の先端部とに上記凹部を形成し、上記抜脱機構を、上記凸部の内外周面に形成された互いに螺合する雌雄ネジ部とすればよい。
すなわち、このような構成の係止手段および抜脱機構では、互いに螺合する雌雄ネジ部の雌ネジ部のネジ山の内径は雄ネジ部のネジ山の外径よりも小さいので、リングビットはケーシングパイプ先端部に対して、このような雌雄ネジ部が形成されたケーシングパイプ側周面先端部の凸部とリングビット側周面後端側の凸部とが当接したところで軸線方向先端側に確実に係止され、またこれらの凸部に連なる上記凹部の範囲で軸線回りに回転自在かつ軸線方向に進退可能とされる。そして、掘削時のリングビットのケーシングパイプに対する回転方向は、上記つのように当接した凸部の雌雄ネジ部が螺合しない方向としておいて、抜脱機構によりリングビットを抜脱する際にはこの回転方向とは反対向きにリングビットをケーシングパイプに対して相対的に回転させることにより、雌雄ネジ部が螺合して凸部同士がねじ込まれ合い、さらにはそのねじ込み方向と反対側に抜け出て螺合が外れるため、リングビットを抜脱することが可能となる。従って、このような係止手段および抜脱機構によれば、上記係合手段を介してインナービットによりリングビットを回転させたり、あるいは上述した第2のインナービットによってリングビットを回転させたりすることで、確実かつ容易にリングビットを抜脱することができる。
また、このような係止手段および抜脱機構に代えて、上記係止手段においては、上記内外周面のうち、一方の周面に上記凹部を形成するとともに、他方の周面には上記一方の周面側に向けて付勢された係止部材を環状に配設して上記凸部とし、上記抜脱機構においては、上記凹部に形成される上記軸線方向を向く環状面のうち、上記リングビットを上記ケーシングパイプ先端部に対して抜脱する際に上記係止部材と当接する環状面に、この環状面に上記係止部材が当接する方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面を形成するようにしてもよい。このような係止手段では、他方の周面に配設された上記係止部材が一方の周面の凹部に付勢されて突出してなる凸部が、上記リングビットを上記ケーシングパイプ先端部に対して抜脱しようとする際に、この凹部の軸線方向両端部に形成される上記軸線方向を向く一対の環状面のうち一方の環状面に当接することによってリングビットが軸線方向先端側に係止され、また凸部がこの一方の環状面を超えない範囲でリングビットがケーシングパイプに対して軸線方向に進退可能とされる。
そして、この係止手段に備えられた抜脱機構においては、リングビットが軸線方向先端側に向けて係止された状態で係止部材よりなる凸部と当接する上記環状面に、この係止部材が当接する方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面が形成されているので、こうして凸部がこの傾斜面が形成された環状面に当接した状態から、例えば上記第2のインナービットや上述した建て込み部材を挿入してリングビット側当接部に当接させ、先端側に向けて打撃力や推力を与えたり、あるいはケーシングパイプをリングビットに対して相対的に後退させたりすることにより、凸部を構成する係止部材が上記傾斜面に案内されるようにして付勢力に抗して後退し、これにより係止が解かれてリングビットを先端側に抜脱させることが可能となる。なお、このような係止手段および抜脱機構を備えたリングビットをケーシングパイプ先端部に取り付けるには、上記とは逆に係止部材をその付勢力に抗して他方の周面内に後退させた状態で、リングビットをケーシングパイプ先端部に挿入すればよい。
一方、上記係止手段および抜脱機構としては、係止手段において、上記内外周面のうち、上記ケーシングパイプ側の周面の先端部と上記リングビット側の周面の後端部とに上記凸部を形成するとともに、これらの凸部にそれぞれ上記軸線方向に連なるようにして上記ケーシングパイプ側の周面の後端部と上記リングビット側の周面の先端部とに、互いに他方の周面の上記凸部を収容する上記凹部を形成し、上記抜脱機構においては、上記内外周面それぞれのこれら凹凸部が連なる部分に形成される上記軸線方向を向く面に、当該面が向く方向とは反対側の軸線方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面を形成するようにしてもよい。このような係止手段においては、リングビットとケーシングパイプ先端部の互いに対向する内外周面のうち、ケーシングパイプ側周面の先端部とリングビット側周面の後端部とに凸部が形成されるとともに、これらの凸部にそれぞれ軸線方向に連なるように、ケーシングパイプ側周面の後端部にはリングビット側の凸部が収容される凹部が、逆にリングビット側周面の先端部にはケーシングパイプ側の凸部が収容される凹部が形成されるので、これらの凹部の範囲でリングビットは回転自在かつ軸線方向に進退可能とされ、さらに両周面の凸部が当接したところでリングビットは軸線方向先端側に係止される。
そして、この係止手段に備えられた上記抜脱機構では、やはりリングビットが軸線方向先端側に係止された状態で当接している凸部から凹部に連なる軸線方向を向く面に、この面が向く軸線方向とは反対側に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面が形成されているので、上述したのと同様に第2のインナービットや建て込み部材を挿入してリングビットにケーシングパイプに対して相対的に軸線方向先端側に向けて打撃力や推力を与えることにより、これらの傾斜面同士が互いに案内し合うようにして、リングビットとケーシングパイプ先端部のうち、凹凸部が内周面に形成された側が拡径したり、外周面に形成された側が縮径したり、あるいはこれらの双方が拡縮径したりするように、望ましくは弾性的に変形が生じ、これによって互いの凸部が収容されていた凹部から抜け出て、リングビットを先端側に抜脱することが可能となる。ここで、このような係止手段を備えたリングビットをケーシングパイプ先端部に取り付けるには、例えばこれらリングビットとケーシングパイプ先端部のうち内周面に上記凹凸部が形成される一方を加熱して、その凸部の内径が他方の凸部の外径よりも大きくなるように膨張させた上でこの他方を挿入する、いわゆる焼き嵌め方式によればよい。
一方、このような掘削工具において、上記リングビットがその外周面を上記ケーシングパイプの先端部内周面に対向させるようにして挿入されており、上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成されている場合には、この係合手段の上記凹溝と、上記係止手段において上記リングビットの外周面に形成される上記凹凸部の少なくとも一方とを、上記軸線方向において少なくとも一部が重なるように形成することにより、当該リングビットの軸線方向の長さを小さくすることができて、その質量を軽減することができるので、経済的であるのは勿論、インナービットによって空打ちされた際に先端側に弾き出されたとしてもその慣性を低減することができ、リングビットの脱落を一層確実に防止することが可能となる。
また、同様に上記係合手段において、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条よりも周方向に幅広でこの突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成されている場合に、この凹溝の後端開口部の掘削時における上記インナービットの回転方向側に、該凹溝に収容された上記突条の後端に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な凸壁部を形成しておいて、上記第1の当接部が上記ケーシングパイプ側当接部に当接し、かつ上記凸壁部が上記突条の後端に当接した状態で、上記係止手段における上記凸部が該凸部を収容する上記凹部内に上記軸線方向両端側に間隔をあけて収容されるようにすることにより、やはり掘削時にリングビットが空打ちされて先端側に弾き出されても、係止手段の凸部が収容された凹部の端部に衝突する前に、リングビットの凹溝に形成された凸壁部がインナビットの突条後端に当接することになるので、この係止手段の凹凸部に損傷が生じたりするのを防いで工具寿命の延長を図ることができる。
なお、これらの構成は、上記抜脱機構の有無に関わらず、リングビットが係止手段によって先端側に係止されただけの二重管式の掘削工具にも適用可能であって、上述した効果を奏功することができる。従って、本発明の掘削工具は、円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが、その内周面を上記ケーシングパイプの先端部外周面に対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成されており、この係合手段の上記凹溝と、上記係止手段において上記リングビット側に形成される上記凹凸部の少なくとも一方とは、上記軸線方向において少なくとも一部が重なるように形成されていることを特徴とするものでもある。
さらに、本発明の掘削工具は、円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが互いの内外周面を対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条よりも周方向に幅広でこの突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成され、かつこの凹溝の後端開口部には、掘削時の上記インナービットの回転方向側に、該凹溝に収容された上記突条の後端に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な凸壁部が形成されており、上記第1の当接部が上記ケーシングパイプ側当接部に当接し、かつ上記凸壁部が上記突条の後端に当接した状態で、上記係止手段における上記凸部は該凸部を収容する上記凹部内に上記軸線方向両端側に間隔をあけて収容されることを特徴とするものでもある。
このように、本発明の掘削工具および該掘削工具を用いた掘削工法によれば、係止手段によってリングビットの脱落を防ぎつつ、抜脱機構によってリングビットをケーシングパイプから抜き出して、所定の深さまで第1の掘削孔を形成した後に同一径で第2の掘削孔を形成したり、あるいは掘削終了後に掘削孔に建て込まれる建て込み部材の外径を大きく、もしくは同一径の建て込み部材を建て込む場合にはケーシングパイプ等の外径を小さくできて、効率的かつ経済的である。また、このような抜脱機構の有無に関わらず、本発明の掘削工具によれば、リングビットの脱落や係止手段における凹凸部の損傷を防ぐことができる。
図1ないし図4は、本発明の掘削工具の第1の実施形態を示すものであって、本実施形態の掘削工具は図示されない掘削装置に取り付けられ、例えば土木工事や建築基礎工事、水井戸工事、集排水工事、パイプルーフ工事、フォアパイリング工事、フォアボーリング工事、法面アンカー工事、マイクロパイル工事において、垂直掘り、横掘り、あるいは斜め掘りを行うのに用いられる。
本実施形態において、ケーシングパイプ1は、必要に応じて順次継ぎ足される円管状のパイプ本体2の先端に円筒状のケーシングトップ3が溶接により同軸に取り付けられて構成されるとともに、このケーシングパイプ1の内周には、図示されないインナーロッド等の打撃、回転、推力を伝達する伝達部材が上記ケーシングパイプ1の中心軸線Oと同軸に挿入されて、この伝達部材も必要に応じて順次継ぎ足されて構成され、その最後端は、掘削時に該伝達部材に軸線O回りの回転力と軸線O方向先端側に向けての推力を与える上記掘削装置に連結される。そして、ケーシングパイプ1先端のケーシングトップ3のさらに先端には円環状のリングビット4が取り付けられるとともに、伝達部材の先端には、軸線O方向先端側に向けての打撃力を与える伝達部材の一部としてのダウンザホールハンマー5Hを介してインナービット5が取り付けられて、上記リングビット4の内周に挿入されている。
上記ケーシングトップ3は、その後端部が、先端部に対して内外径とも一段縮径するように形成されるとともに、その後端縁には後端側に向けて漸次拡径するテーパ部が形成されてケーシングパイプ側当接部3Aとされており、この後端部を最先端のパイプ本体2の内周に嵌挿した上で、上記先端部の後端をパイプ本体2先端に突き合わせて溶接されることにより取り付けられている。また、このケーシングトップ3の先端部は、その外径がパイプ本体2の外径と略等しくされるとともに、内径はパイプ本体2の内径より僅かに大きくされている。ただし、このケーシングトップ3先端部の外径はパイプ本体2の外径より大きくてもよい。
このケーシングトップ3の先端側に取り付けられる上記リングビット4は、その後端部が上記ケーシングトップ3の先端部内周に挿入されて、軸線Oに同軸に該軸線O回りに回転自在とされるとともに、先端部は外周側に拡径してその外径がケーシングトップ3やパイプ本体2の外径よりも大きくされている。従って、本実施形態では、このリングビット4の後端部の外周面がケーシングパイプ1先端のケーシングトップ3における先端部の内周面と径方向に対向するように、リングビット4がケーシングトップ3に挿入されることになる。また、このリングビット4の内周面は上記ケーシングトップ3の後端部の内周面よりも一段小さな内径に形成されていて、その後端部のケーシングトップ3後端部の内径よりも小さくなる部分には、後端側に向かうに従い漸次拡径するテーパ部が形成されて、リングビット側当接部4Aとされている。
また、本実施形態では、このリングビット4の先端面は軸線Oに直交する平坦な円環状面とこの円環状面の内外周に連なって内外周側に向かうに従い後端側に傾斜する2つのテーパ面とから構成されており、これらの円環状面および内外周のテーパ面のそれぞれに、超硬合金等の硬質材料よりなるチップ6が多数植設されている。さらに、リングビット4の先端側の内周面には、軸線Oに平行に延びる複数条の凹溝4Bが、周方向に等間隔に、かつリングビット4先端の内周側の上記テーパ面に植設されたチップ6と干渉しないように形成されている。これらの凹溝4Bは、掘削時の上記インナービット5の回転方向Tの後方側の部分がリングビット4先端内周の上記テーパ面から上記リングビット側当接部4Aに亙って貫通して開口するように形成される一方、掘削時のインナービット5の回転方向T側の部分にはその後端側に、軸線Oに垂直な前壁面を有する凸壁部4Cが形成されていて、上記リングビット側当接部4Aには開口しないようにされている。
一方、上記インナービット5は、先端から後端に向けて2段に拡径した後に段階的に縮径する外形多段円柱状をなしており、先端側の1段目の部分の外径はリングビット4の内周部に、また2段目の部分の外径はケーシングトップ3後端部の内周部に、さらに3段目の最も大きな部分の外径はパイプ本体2の内周部に、それぞれ緩挿可能な大きさとされている。また、このインナービット5の上記1段目の部分の先端面の外周縁部、すなわち当該インナービット5の先端面の外周縁部と、1段目から2段目の間の段差部と、2段目から3段目の部分の段差部とは、それぞれ外周側に向かうに従い後端側に向けて円錐状に広がるテーパ部とされており、このうち2段目から3段目のテーパ部および1段目から2段目のテーパ部は、そのテーパ角が上記ケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aと等しくされて、それぞれ本実施形態におけるインナービット5側の第1、第2の当接部5A,5Bとされ、図1および図3に示すようにこれら第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接した状態で、インナービット5の先端はリングビット4の先端よりも突出するように設定されている。
さらに、このインナービット5先端側の上記1段目の部分の外周面には、上述のようにリングビット4の内周部に緩挿可能とされたその外径よりも外周側に突出する突条5Cが、上記凹溝4Bと同数、やはり周方向に等間隔に、かつ軸線O方向にはそれぞれインナービット5の先端面からやや後退した位置から上記第2の当接部5Aの手前部分にかけて延びるように形成されている。これらの突条5Cは、リングビット4の上記凹溝4Bのリングビット側当接部4Aへの開口部に後端側から緩挿可能とされ、かつこうして凹溝4Bに緩挿して上述のようにケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aと第1、第2の当接部5A,5Bを当接させたところで、図3に示すように凹溝4Bの上記凸壁部4Cよりも先端側に間隔をあけて該凹溝4B内に収容可能とされている。
従って、こうして突条5Cを凹溝4Bに収容してリングビット4の内周に挿入させるとともに第1の当接部5Aをリングビット側当接部4Aに当接させたインナービット5は、リングビット4に対して軸線O回りに回転させたときには突条5Cが凹溝4Bの周方向を向くいずれかの側壁に当接することで、この軸線O回りに係合可能とされてリングビット4と一体に回転させられ、これら突条5Cと凹溝4Bとによって本実施形態における係合手段が構成されている。また、本実施形態では、インナービット5を当該掘削工具の掘削時の回転方向Tに回転させて突条5Cを凹溝4Bの側壁に当接させたときには、図2に示すように突条5Cが凹溝4Bの上記開口部の先端側から待避して上記凸壁部4C手前側に収容されるようになされており、すなわち凹溝4Bの周方向の幅は突条5Cの幅よりも幅広とされて、凸壁部4Cの周方向の幅が突条5Cの幅と略等しくされている。ただし、この凸壁部4Cの幅は、突条5Cの幅より大きくても小さくてもよい。
なお、インナービット5後端側の縮径した部分は上記ダウンザホールハンマー5Hへの取付シャンクとされている。なお、このインナービット5に打撃力を与えるハンマーがトップハンマーの場合は、このシャンクは伝達部材とされるインナーロッドとネジ等により嵌合させられるものとされる。また、インナービット5の内部には、その後端から上記軸線Oに沿って先端側に向けて、このダウンザホールハンマー5Hや伝達部材を介して送られた圧縮空気等の供給孔5Dが形成されている。この供給孔5Dは、インナービット5の先端側で外周側に向かうに従い先端側に延びる複数の噴出孔に分岐させられていて、このうち一部の噴出孔はインナービット5の先端面に開口させられるとともに、残りはインナービット5の上記1段目の外周面において、リングビット側当接部4Aに上記第2の当接部5Bを当接させた状態でリングビット4の先端面に略臨むような位置に開口させられている。
また、このインナービット5の先端面から外周面にかけては、突条5Cおよび上記凹溝4Bと同数の掘削屑の排出溝5Eが、突条5Cの上記回転方向T後方側に隣接するように、かつインナービット5の先端面では放射状に、また外周面では軸線Oに平行に延びて該インナービット5の最大外径となる上記3段目の部分に開口するように形成されている。これらの排出溝5Eは、インナービット5の先端面では内周側に向けてその溝深さが漸次浅くなるように延設されていて、供給孔5Dから分岐した上記一部の噴出孔はこの先端面の排出溝5E内に開口させられる一方、インナービット5の外周面では図2に示すように外周側に開口する「コ」字状をなすように形成されていて、凹溝4Bに収容された突条5Cが上述のように凸壁部4Cの手前側に位置した状態で、該凹溝4Bの上記開口部に連通する部分と周方向に一致して、リングビット4およびインナービット5の先端からケーシングパイプ1内の筒状空間に連通する貫通孔を画成するようになされている。さらに、このインナービット5の先端面にも、超硬合金等の硬質材料よりなる多数のチップ6が、テーパ部とされたその外周縁部にかけて、上記排出溝5Eと干渉しない位置に多数植設されている。
そして、上述のように互いに対向するように挿入されたリングビット4後端部の外周面とケーシングトップ3先端部の内周面とには、その一方の周面に軸線O回りに環状をなして該軸線O方向に延びる凹部7Aが形成されるとともに、他方の周面にはこの凹部7Aに収容可能な凸部7Bが形成されており、これら凹凸部7A,7Bにより、リングビット4をケーシングトップ3(ケーシングパイプ1)に対して軸線O方向先端側に係止するとともに上記凹部7Bの範囲で該軸線O方向に進退可能とする係止手段7が構成されている。しかも、この係止手段7には、こうしてケーシングトップ3に対して軸線O方向先端側に係止されて抜け止めされたリングビット4を、必要に応じて適宜の操作により先端側に抜脱して取り外す抜脱機構8が備えられている。
ここで、本実施形態では上記係止手段7として、互いに対向するケーシングトップ3先端部内周面とリングビット4外周面との双方に凹凸部7A,7Bがそれぞれ形成されている。すなわち、ケーシングトップ3の先端部内周面においては、その先端に内周側に凸となる凸部7Bが軸線O回りに環状に形成されるとともに、この凸部7Bから軸線O方向後端側の、ケーシングトップ3後端部が先端部に対して内径が一段縮径する部分の段差部までが、該凸部7Bに連なる凹部7Aとされている。
また、リングビット4の外周面にあっては、その後端に外周側に凸となる凸部7Bがやはり軸線O回りに環状に形成されるとともに、この凸部7Bから軸線O方向先端側の、リングビット4先端部が後端部に対して外径が一段拡径する部分の段差部までが、該凸部7Bに連なる凹部7Aとされている。従って、本実施形態では、リングビット4の内周に形成された上記係合手段における凹溝4Bと、このリングビット4後端部の外周に形成される上記係止手段8における凹凸部7A,7Bとは、軸線O方向において凹凸部7A,7Bが凹溝4Bの一部と重なるように形成されることになり、すなわち円筒状をなすリングビット4後端部の内外周の表裏にこれら凹溝4Bと上記凹凸部7A,7Bとが形成されることになる。
なお、ケーシングトップ3側の凸部7Bの内径は、リングビット4側の凹部7Aに緩挿可能な程度に僅かに大きくされるとともにリングビット4側の凸部7Bの外径よりは小さくされ、このリングビット4側の凸部7Bの外径はケーシングトップ3側の凹部7A内に緩挿可能な程度に僅かに小さくされている。また、これらケーシングトップ3の先端部内周面とリングビット4の後端部外周面との凹部7A同士と凸部7B同士は、軸線O方向にそれぞれ略等しい長さで形成されており、かつ凹部7Aの長さは凸部7Bの長さよりも長くされるとともに、凹部7Aの底面(内外周面)は軸線Oを中心とした一定の径の円筒面とされている。
さらに、本実施形態における上記抜脱手段8は、このような係止手段7のケーシングトップ3側とリングビット4側の両凸部7Bの内外周面に形成された互いに螺合する雌雄ネジ部8A,8Bとされている。すなわち、ケーシングトップ3先端部の内周面先端に形成された凸部7Bの内周面には一定ネジ径の雌ネジ部8Aが螺設されるとともに、リングビット4後端部の外周面後端に形成された凸部7Bの外周面には、上記雌ネジ部8Aにねじ込み可能な等しい一定ネジ径の雄ネジ部8Bが形成されている。なお、上述した凸部7Bの内外径は、これら雌雄ネジ部8A,8Bにおけるネジ山の突端の径であり、また本実施形態ではこれら雌雄ネジ部8A,8Bのネジは台形ネジとされている。
このような抜脱機構8を備えた係止手段7においては、リングビット4の凸部7B外周に形成された雄ネジ部8Bをケーシングトップ3の凸部7B内周に形成された雌ネジ部8Aに先端側から螺合させ、ケーシングトップ3に対してリングビット4を相対的に回転させつつ後退させてねじ込んでゆき、雄ネジ部8Bが雌ネジ部8Aの後端側に抜け出たところで、リングビット4の凸部7Bがケーシングトップ3の凹部7Aに、ケーシングトップ3の凸部7Bがリングビット4の凹部7Aにそれぞれ収容され、この状態で軸線O方向先端側に向けてはリングビット4の凸部7Bがケーシングトップ3の凸部7Bに後端側から当接することによって係止される。なお、このねじ込みの際のケーシングトップ3に対するリングビット4の相対回転の方向は、掘削時のインナービット5およびリングビット4の回転方向(図1における矢線Z方向から見た回転方向)Tと同方向とされ、すなわちこの掘削時のリングビット4の回転によって上記雌雄ネジ部8A,8Bが螺合してリングビット4が抜け出る方向にねじ込まれることのないようにされている。
また、こうして凹部7Aにそれぞれ収容された上記リングビット4の凸部7Bの先端とケーシングトップ3の凸部7Bの後端との間の軸線O方向の間隔L1は、本実施形態においては図1および図3に示すようにインナービット5の上記第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aとリングビット側当接部4Aにそれぞれ当接した状態で、リングビット4の凹溝4Bの後端部に形成された上記凸壁部4Cの上記前壁面とこの凹溝4Bに収容されたインナービット5の突条5Cの後端面との軸線O方向の間隔L2よりも大きくなるようにされている。
従って、インナービット5を掘削時の回転方向Tに回転させて突条5Cを凹溝4Bの上記凸壁部4Cの軸線O方向に先端側に収容した状態で、リングビット4を先端側に前進させたときには、上述のようにリングビット4の凸部7B先端がケーシングトップ3の凸部7B後端に当接する前に凸壁部4Cが突条5Cのの後端に当接することになって、両凸部7Bの間にはL1−L2の間隔αがあけられ、すなわちこれらの凸部7Bは該凸部7Bをそれぞれ収容する凹部7A内に軸線O方向の先後両端側に間隔をあけて配設されることになる。
そして、上述のように係止手段7によって係止されたリングビット4は、上記抜脱機構8の雌雄ネジ部8A,8Bを、上述の凹部7Aに凸部7Bがそれぞれ収容されるようにねじ込むときとは逆に螺合させて上記相対回転の方向とは反対向きにケーシングトップ3に対してリングビット4を相対的に回転させつつ前進させてゆくことにより、雄ネジ部8Bが雌ネジ部8Aの先端側に抜け出ることで抜脱可能とされる。
なお、このようなリングビット4の抜脱は、当該掘削工具の先端が下向きとされている場合には、インナービット5を掘削時の回転方向Tとは反対向きに回転させることにより、突条5Cの後端を凸壁部4Cの前壁面から外して凸部7B同士を当接させ、さらにインナービット5を回転させてリングビット4の自重により雌雄ネジ部8A,8Bを螺合させつつ該リングビット4を先端側(下側)に前進させることによっても可能であるが、例えば後述する本発明の掘削工法の第1の実施形態に用いる、図5に示すような第2のインナービット9によれば、一層確実に抜脱可能となる。
この第2のインナービット9は、上記インナービット5の先端部が先端から後端に向けて2段に拡径した多段円柱状をなしていたのに対し、この先端部が1段拡径するだけの多段円柱状とされていて、該インナービット5先端部の最大外径とされた3段目の外径が、2段目と等しい径でケーシングトップ3の内径よりも小さく、かつリングビット4の内径よりは大きくされたものであり、すなわち第1の当接部5Aが形成されていない構成とされて、リングビット側当接部4Aには当接するとともにケーシングトップ3の上記ケーシングパイプ側当接部3Aは通過可能とされている。なお、この図5に示す第2のインナービット9は、図1に示した上記インナービット5に対して先端部の上記3段目の部分を備えないように短くされたものであって、これ以外の部分は上記インナービット5と同様の構成であるので、図6において上記インナービット5と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略してある。
すなわち、このような第2のインナービット9を装着した本発明に係わる掘削工具は、円筒状のケーシングパイプ1の先端部に円環状のリングビット4が互いの内外周面を対向させて該ケーシングパイプ1の軸線O回りに回転自在に挿入され、これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線O回りに環状をなして該軸線O方向に延びる凹部7Aが、他方の周面にはこの凹部7Aに収容可能な凸部7Bが形成されていて、これら凹凸部7A,7Bにより構成される係止手段7によって上記リングビット4が上記ケーシングパイプ1に上記軸線O方向先端側に係止されつつ該軸線O方向に進退可能に取り付けられるとともに、上記ケーシングパイプ1内に挿入される伝達部材の先端には第2のインナービット9が取り付けられていて、この第2のインナービット9は、上記ケーシングパイプ1の先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部3Aを通過可能な外径を有するとともに、該第2のインナービット9の外周面には、上記リングビット4に形成された上記ケーシングパイプ側当接部3Aよりも内径の小さなリングビット側当接部4Aに上記軸線O方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部5Bが形成され、かつ該第2のインナービット9は、上記リングビット4に対しては係合手段によって上記軸線O回りに係合可能とされており、上記係止手段7には、上記リングビット4を上記ケーシングパイプ1に対して上記軸線O方向先端側に抜脱する抜脱機構8が備えられているものである。
図6(a)〜(e)は、上記第1の実施形態の掘削工具を用いて掘削孔を形成するのに際して、この第2のインナービット9によりリングビット4を抜脱する場合の、本発明の掘削工法の第1の実施形態を示すものである。本実施形態では、まず図1ないし図3に示したようにケーシングトップ3にリングビット4を取り付けるとともにケーシングパイプ1内を通してインナービット5をこれらケーシングトップ3およびリングビット4内に挿入し、第1、第2の当接部5A,5Bをケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接させるとともにインナービット5を上記回転方向Tに回転させてリングビット4と係合させたまま、上記ダウンザホールハンマー5Hによって軸線O方向先端側に打撃力を与えることにより、図6(a)に示すようにリングビット4およびインナービット5の先端面の上記チップ6によって第1の掘削孔H1を形成するとともに、ケーシングパイプ1にはケーシングトップ3を介して打撃力を与えて前進させ、リングビット4およびインナービット5に伴ってこの第1の掘削孔H1にケーシングパイプ1を建て込んでゆく。
この第1の掘削孔H1が所定の深さ、例えば崩落しやすい軟質な地盤を抜け出て硬質な地盤に達する深さまで形成されたなら、一旦掘削を中断してインナービット5を突条5Cが凹溝4Bから抜け出るように上記回転方向Tの後方側に回転させてから、ダウンザホールハンマー5Hや伝達部材ごと後退させることによりケーシングパイプ1から引き抜き、次いでダウンザホールハンマー5Hに上記第2のインナービット9を取り付けてケーシングパイプ1内に挿入し、図6(b)に示すようにその突条5Cをリングビット4の凹溝4Bに挿入した後に回転方向Tに回転させて凸壁部4Cの先端側に位置させ、当該第2のインナービット9をリングビット4の内周に挿入する。
さらに、この状態から図6(c)に示すように掘削工具全体を僅かに引き上げるとともに先端側に向けて第2のインナービット9を前進させると、リングビット4は、そのリングビット側当接部4Aが第2のインナービット9の第2の当接部5Bに当接するとともに後端部外周面の凸部7Bがケーシングトップ3先端部内周面の凸部7Bに当接するので、この状態のままインナービット5とともに上記回転方向Tの反対側に回転させることにより、上述のようにこれらの凸部7Bの雌雄ネジ部8A,8Bが螺合し、さらに雄ネジ部8Bが雌ネジ部8Aの先端側に抜け出て、リングビット4が第2のインナービット9ごとケーシングトップ3の先端側に抜脱される。
そこで、この状態から第2のインナービット9およびリングビット4を前進させて第1の掘削孔H1の孔底に接地させ、再び上記回転方向Tに回転させるとともに打撃力を与えて掘削を行うことにより、図6(d)に示すように上記硬質な岩盤等に第2の掘削孔H2を第1の掘削孔H1の先端側に連続するように形成してゆく。従って、こうして形成される第2の掘削孔H2は第1の掘削孔H1と等しい掘削径とされる。
このようにして第2の掘削孔H2が所定の深さまで形成されたなら、本実施形態では第2のインナービット9を上記回転方向Tの後方側に回転させて突条5Cを凹溝4Bの上記凸壁部4Cの先端側から外した後、ダウンザホールハンマー5Hおよび伝達部材ごと後退させて、リングビット4から抜き外すとともにケーシングパイプ1からも引き抜き、次いでこのケーシングパイプ1を通して図6(e)に示すように第1、第2の掘削孔H1,H2内に建て込み部材Dを挿入する。
このとき、リングビット4は第2の掘削孔H2の孔底に残されたままであり、ケーシングパイプ1の最小内径はケーシングトップ3のケーシングパイプ側当接部3Aの内径となるので、建て込み部材Dとしてはこのケーシングパイプ側当接部3Aの内径よりも小さく、かつリングビット側当接部4Aの内径よりは大きな外径を有するものを挿入することができる。なお、場合によってはこうして建て込み部材Dを挿入した後に、ケーシングパイプ1をケーシングトップ3ごと後退させて第1の掘削孔H1から引き抜き、再利用したりするようにしてもよい。
このように、上記構成の掘削工具および該掘削工具を用いた掘削工法によれば、ケーシングパイプ1を伴って軟質な地盤の崩落を防ぎつつ第1の掘削孔H1を形成し、この第1の掘削孔H1が硬質な地盤に達した後は、リングビット4を先端側に抜脱して第2のインナービット9とともに第1の掘削孔H1と同径の第2の掘削孔を形成してゆくことができる。このため、この第2の掘削孔H2を、ケーシングパイプ1を前進させるための駆動力を要することなく効率的に形成することができるとともに、該第2の掘削孔H2に大きな径を確保することが可能となる。
しかも、上記実施形態の掘削工法のように、こうして形成された第2の掘削孔に建て込み部材Dを建て込む場合でも、リングビット4が先端側に抜脱されてケーシングパイプ1から取り外されているので、このリングビット4の内径よりも大きな外径の建て込み部材Dを第2の掘削孔H2にまで挿入して建て込むことができる。言い換えれば、同じ外径の建て込み部材Dを建て込む場合を比べると、従来よりもケーシングパイプ1やリングビット4の外径、すなわち掘削孔H1,H2の径を小さくすることができるので、経済的な掘削を促すことが可能となる。逆に、建て込み部材Dの外径と掘削孔H1,H2の径が同じであれば、ケーシングパイプ1の外径からリングビット4の内径までの厚さを大きくすることができ、従って上記ケーシングパイプ側当接部3Aやリングビット側当接部4Aの面積を大きく確保することができるので、これらの寿命の向上を図ることができ、例えば上述のようにケーシングパイプ1を引き抜いて再利用する場合などに有効である。
また、上記掘削工具においては、このように第2の掘削孔H2を形成するときには抜脱機構8によってリングビット4を確実に先端側に抜脱可能としつつも、ケーシングパイプ1を伴って第1の掘削孔H1を形成する際には、ケーシングトップ3とリングビット4との互いに対向する内外周面に形成された凹凸部7A,7Bによる係止手段7によってリングビット4を先端側に確実に係止して抜け止めすることができる。従って、このリングビット4が掘削中に不用意に抜脱されて脱落してしまったりすることもなく、円滑な掘削作業を図ることが可能となる。
しかも、上記実施形態の掘削工具では、この係止手段7に備えられた上記抜脱機構8が、上記内外周面の双方に形成される凸部7に螺設された互いに螺合する雌雄ネジ部8A,8Bであるので、上述のようにリングビット4を抜脱する際の雌雄ネジ部8A,8Bの回転方向を掘削時の回転方向Tと逆向きとしておくことにより、一層確実にリングビット4の不用意な脱落を防止することが可能となる。また、このような雌雄ネジ部8A,8Bは形成が比較的容易であって別部材を要したりすることがなく、しかもリングビット4のケーシングパイプ1への取付も簡略であるため、より経済的であるという利点も得ることができる。
なお、上記第1の実施形態の掘削工法では、上述のようにリングビット4内にインナービット5を挿入して第1の掘削孔H1を形成した後に、このリングビット4内に上記第2のインナービット9を挿入して第2の掘削孔H2を形成し、しかる後にこの第2の掘削孔H2内まで建て込み部材Dを挿入して建て込むようにしているが、図7に示す本発明の第2の実施形態の掘削工法のように、ケーシングパイプ1を伴って第1の掘削孔H1を形成して(図7(a))、インナービット5および伝達部材を後退させてケーシングパイプ1から引き抜いた後に(図7(b))、第2のインナービット9を挿入して第2の掘削孔H2を形成することなく、建て込み部材Dを直接ケーシングパイプ1に挿入して、上記抜脱機構8によりリングビット4をケーシングパイプ1に対して軸線O方向先端側に抜脱するとともに建て込み部材Dを第1の掘削孔H1内に建て込むようにしてもよい(図7(c))。
この第2の実施形態の掘削工法でも、第1の実施形態と同じように建て込み部材Dとして、ケーシングパイプ側当接部3Aの内径よりも小さく、しかしながらリングビット側当接部4Aの内径よりは大きな外径を有するものを挿入して建て込むことができるので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この場合には、建て込み部材Dの先端部にインナービット5と同様の第2の当接部5Bおよび係合手段の突条5Cを形成しておくことにより、一層確実にリングビット4の抜脱を図ることができる。また、この第2の実施形態においても、建て込み部材Dを建て込んだ後にケーシングパイプ1を第1の掘削孔H1から引き抜いて再利用したりしてもよい。
また、上記第1、第2の実施形態の掘削工法では、このようにケーシングパイプ側当接部3Aの内径よりも小さく、かつリングビット側当接部4Aの内径よりは大きな外径を有する建て込み部材Dを挿入して建て込むようにしているが、リングビット側当接部4Aの内径よりも小さな外径の建て込み部材を挿入するようにしてもよく、この場合にはリングビット4を抜脱して掘削孔H1,H2内に残したままとしてもよいが、リングビット4を抜脱することなくケーシングパイプ1とともに掘削孔H1,H2から引き抜いて再利用したりすることも可能となる。
また、第1の実施形態において、インナービット5を引き抜いた後に上記第2のインナービット9を挿入して第1の掘削孔H1と同径の第2の掘削孔H2を形成する代わりに、リングビット側当接部4Aの内径よりもさらに外径が小さくてリングビット4内を通過可能な中堀ビットを挿入して、第1の掘削孔H1の孔底からこれよりも径の小さい掘削孔を形成した後、同様にリングビット側当接部4Aの内径よりも外径が小さい建て込み部材を挿入してこれらの掘削孔に建て込むようにしてもよい。
一方、本発明の掘削工具では、例えば図8に示す本発明の第2の実施形態の掘削工具のように、リングビット4を係止する係止手段11が、このリングビット4とケーシングトップ3との互いに対向する内外周面のうち、一方の周面に凹部11Aが形成されるとともに、他方の周面には上記一方の周面側に向けて付勢された係止部材12が環状に配設されて上記凹部11Aに収容可能な凸部11Bとされている場合に、第1の実施形態のような雌雄ネジ部8A,8Bによる抜脱機構8に代えて、この係止手段11に備えられる抜脱機構13を、上記凹部11Aに形成される上記軸線O方向を向く環状面のうち、リングビット4をケーシングトップ3に対して抜脱する際に上記係止部材12と当接する環状面に形成された、該係止部材12が当接する方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面13Aとしてもよい。なお、この第2の実施形態を初め、後述する第3から第5の実施形態も含めて、上記第1の実施形態の掘削工具と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
すなわち、この第2の実施形態の掘削工具では、第1の実施形態と同様にリングビット4はその後端部の外周面をケーシングトップ3の先端部内周面に対向させて挿入されており、このうちケーシングトップ3の内周面(一方の周面)には軸線O回りに環状をなして該軸線O方向に延びる上記凹部11Aが形成されていて、この凹部11Aの軸線O方向を向く環状面のうち、先端側に位置して軸線O方向後端側を向く面が上記傾斜面13Aとされている。ただし、本実施形態では、これとは反対の軸線O方向先端側を向く面も、軸線O方向後端側に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面とされている。
一方、リングビット4の後端部外周面(他方の周面)には、インナービット5の第1、第2の当接部5A,5Bをケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接させた状態で、上記凹部11Aよりも後端側に位置するように断面「コ」字状の環状溝11Cが形成されていて、この環状溝11Cに弾性変形可能な断面方形のC字止め輪等の上記係止部材12が収縮させられて嵌挿されることによりケーシングトップ3の上記内周面側に付勢されて密着させられている。
このような係止手段11において、掘削時にリングビット4は、係合手段によって軸線O回りに係合したインナービット5を回転させることにより、ケーシングトップ3に対してその内周面に上記係止部材12が密着したまま回転自在とされるとともに、軸線O方向先端側には、係止部材12が凹溝11Aの位置に前進したときにその弾性によって拡径して凸部11Bとして凹部11A内に収容され、この凸部11Bが先端側の上記傾斜面13Aに当接したところで係止され、かつ該傾斜面13Aまでの範囲で軸線O方向に進退可能とされる。
従って、本実施形態では上記傾斜面13Aは、この係止部材12が当接する方向すなわち軸線O方向先端側に向けて、上記内外周面が対向する方向すなわち内周側に傾斜することになる。そして、この傾斜面13Aによる本実施形態の抜脱機構13では、例えば上記第1の実施形態の掘削工法と同様にインナービット5を第2のインナービット9と交換してリングビット4内に挿入し、凸部11B(係止部材12)が傾斜面13Aに当接した状態から、さらに第2の当接部5Bおよびリングビット側当接部4Aを介してリングビット4に先端側に向けての打撃力あるいは推力を与えることで、係止部材12を傾斜面13Aに案内されるように縮径させつつリングビット4を前進させてケーシングトップ3から先端側に抜脱することが可能となる。
また、係止手段7が第1の実施形態と同様に、ケーシングパイプ1先端部とリングビット4の互いに対向する内外周面のうち、ケーシングパイプ1側の周面の先端部とリングビット4側の周面の後端部とに凸部7Bが形成されるとともに、これらの凸部7Bにそれぞれ軸線O方向に連なるようにしてケーシングパイプ1側の周面の後端部とリングビット4側の周面の先端部とに該凸部7Bを収容可能な凹部7Aが形成されている場合には、図9に示す本発明の第3の実施形態の掘削工具のように、抜脱機構14として、上記内外周面それぞれにおいてこれら凹凸部7A,7Bが連なる部分に形成される軸線O方向を向く面を、この面が向く方向とは反対側の軸線O方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面14Aとするようにしてもよい。
ここで、この第3の実施形態では、やはり第1、第2の実施形態と同様にリングビット4の後端部がケーシングトップ3の先端部内周に挿入されており、このリングビット4後端部の外周面後端に凸部7Bが、その軸線O方向先端側に連なるように環状の凹部7Aが形成されている。一方、ケーシングトップ3先端部にはその内周面の先端に凸部7Bが、またその軸線O方向後端側に連なるように凹部7Aが形成されて係止手段7が構成されている。従って、リングビット4側の外周面の凹凸部7A,7Bが連なる部分には軸線O方向先端側を向く面が形成されて、本実施形態ではこの面が、先端側とは反対の軸線O方向後端側に向かうに従い、上記内外周面が対向する方向すなわち外周側に向かう傾斜面14Aとされ、またケーシングトップ3側の内周面の凹凸部7A,7Bが連なる部分には軸線O方向後端側を向く面が形成されて、この面が、後端側とは反対の軸線O方向先端側に向かうに従い、上記内外周面が対向する方向すなわち内周側に向かう傾斜面14Aとされている。
このような第3の実施形態でも、リングビット4は、上記係止手段7により第1の実施形態と同様に、上記凹部7Bの範囲内で軸線O方向に進退可能かつ軸線O回りに回転自在とされるとともに、上記両凸部7Bが当接したところで軸線O方向先端側に係止される。そして、この係止手段7に備えられた上記抜脱機構14では、こうして両凸部7Bが当接してリングビット4が係止された状態で、これらの凸部7Bから凹部7Aに連続する面が互いに先端側に向かうに従い内周側に向かう傾斜面14Aとされているので、第2の実施形態と同様に第2のインナービット9や建て込み部材Dを挿入して、ケーシングパイプ1に対して相対的にリングビット4に先端側に向けて打撃力や推力を与えることにより、これらの傾斜面14Aに案内されるようにしてリングビット4後端部は内周側に、ケーシングトップ3先端部は外周側に、相対的に拡縮径させることができ、これによってリングビット4をケーシングパイプ1の先端側に抜き出すことが可能となる。
従って、これら第2、第3の実施形態でも、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる上、このリングビット4の抜脱操作が、第1の実施形態の抜脱手段8のようなリングビット4の回転による雌雄ネジ部8A,8Bの螺合のような煩雑なものではなく、第2のインナービット9や建て込み部材Dの挿入、前進等によるものであるため、一層確実かつ容易にリングビット4を抜き外すことができるという利点も得られる。ここで、第2の実施形態においてリングビット4をケーシングトップ3先端に取り付けるには、上記係止部材12を縮径させた状態でリングビット4後端部をケーシングトップ3先端部内周に挿入すればよく、また第3の実施形態では、例えばケーシングトップ3の先端部を加熱して膨張させることにより拡径させておいて、その内周にリングビット4の後端部を挿入すればよい。
なお、これら第1ないし第3の実施形態の掘削工具では、いずれもこのようにリングビット4の後端部がケーシングトップ3の先端部内周に挿入されて、リングビット4後端部の外周面がケーシングトップ3先端部の内周面に対向するようにされているが、これとは逆に、リングビット4後端部を大径とするとともにケーシングトップ3(ケーシングパイプ1)の先端部はこれより小径として、このリングビット4後端部内周にケーシングトップ3先端部を挿入することにより、リングビット4の内周面とケーシングトップ3の外周面とが互いに対向するように構成することも可能ではある。
ただし、その場合には、円環状をなすリングビット4の後端部における径方向の厚さや軸線方向の長さが大きくなってその質量が増加し、例えば掘削時にリングビット4の前方の地盤に空洞があってリングビット4が空打ちされたりしたときに、大きな慣性が作用してリングビットが脱落しやすくなってしまうおそれがあるので、上記第1ないし第3の実施形態のようにリングビット4は、その後端部をケーシングトップ3の先端部内周に挿入するようにして取り付けられるのが望ましい。
そして、さらにこのようにして、リングビット4が、その外周面をケーシングトップ3(ケーシングパイプ1)の先端部内周面に対向させるように挿入されているときに、リングビット4とインナービット5とを軸線O回りに係合する係合手段が、上述のようにインナービット5の外周に形成される軸線O方向に延びる突条5Cと、リングビット4の内周に上記突条5Cを収容可能に形成される凹溝4Bである場合には、やはり上記第1ないし第3の実施形態のように、リングビット4における係合手段の凹溝4Bと、係止手段7,11における凹凸部7A,7Bの少なくとも一方あるいは凹部11Aまたは凸部11Bとが、軸線O方向において少なくとも一部が重ねるように形成されるのが望ましい。すなわち、このような構成により、これら凹溝4Bと係止手段7,11の凹凸部7A,7B,11A,11Bとが形成されるリングビット4後端部の長さを一層短くすることができるので、リングビット4の質量も一層軽減することができ、空打ち等が生じてもリングビット4が不用意に脱落したりするのをより確実に防止することができる。
また、上記第1ないし第3の実施形態においては、このようにリングビット4の内周に係合手段として形成された凹溝4Bが周方向にインナービット5の突条5Cより幅広とされるとともに、この凹溝4Bの後端開口部には、掘削時におけるインナービット5の回転方向側に凸壁部4Cが形成されている。そして、掘削時にインナービット5の第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接するとともに突条5Cが上記凸壁部4Cの前方に位置した状態で、これら突条5Cの後端と凸壁部4Cの前壁面との間隔L2が、第1の実施形態では係止手段7における凸部7B同士の間隔L1、第2の実施形態では図8に示したように係止手段11における凸部11B(係止部材12)と凹部11Aの傾斜面13Aとの先端同士の間隔L1、第3の実施形態では図9に示したように係止手段7における凹凸部7A、7Bの傾斜面14Aの両端同士の間隔L1よりも、それぞれ小さくなるようにされている。
従って、これら第1ないし第3の実施形態では、上記第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接した状態からリングビット4が空打ちされたりして先端側に弾き出されても、例えば図4に示したように係止手段7の凸部7A同士や抜脱機構14の傾斜面14A同士、あるいは係止手段11の凸部11Bと抜脱機構13の傾斜面13Aとが衝突する前に、上記凸壁部4Cが突条5Cの後端に当接することとなるので、リングビット4の係止や抜脱に必要な部分に損傷が生じたりするのを防いで工具寿命の延長を図ることができ、また不用意なリングビット4の脱落もさらに確実に防止することが可能となる。
ところで、上記第1ないし第3の実施形態では、いずれも係止手段7,11が抜脱機構8,13,14を備えてリングビット4を先端側に抜脱可能とされているが、上述したリングビット4における係合手段の凹溝4Bと係止手段7,11においてリングビット4側に形成される凹凸部7A,7B,11A,11Bの少なくとも一方とが軸線O方向において少なくとも一部が重なるように形成されているといった構成や、インナービット5の第1の当接部5Aがケーシングパイプ側当接部3Aに当接し、かつ凹溝4Bの凸壁部4Cが突条5Cの後端に当接した状態で、係止手段7,11における凸部7B,11Bが凸部7B,11Bを収容する凹部7A,11A内に軸線O方向両端側に間隔をあけて収容されているといった構成は、このような抜脱機構8,13,14を備えることのない係止手段7,11を有する掘削工具に適用することも可能である。
図10および図11に示す本発明の第4、第5の実施形態は、それぞれ上記第2、第3の実施形態において係止手段11,7が抜脱手段13,14を備えることのない場合に、これらの構成を適用したものであり、第2、第3の実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。すなわち、これら第4、第5の実施形態では、第2の実施形態において抜脱機構13とされた上記傾斜面13Aや第3の実施形態において抜脱機構14とされた上記傾斜面14Aに代えて、これらが軸線Oに垂直な環状の平坦面15とされている。従って、第4の実施形態では凸部11Bとされる係止部材12が凹部11Aの上記平坦面15に当接した状態でリングビット4が先端側に係止され、また第5の実施形態では凹凸部7A,7Bが連なる部分の上記平坦面15同士が当接した状態でリングビット4が先端側に係止されるものの、これらの状態からリングビット4に先端側に向けて推力や打撃力を与えても、リングビット4が先端側に抜脱されることはない。
しかして、このような第4、第5の実施形態でも、上述のような構成を採ることにより、抜脱機構13,14の有無には関わりなくリングビット4の質量および慣性を軽減し、あるいは上記平坦面15と凸部11Bや平坦面15同士の衝突による損傷を防ぐことができるので、第1ないし第3の実施形態と同様に不要なリングビット4の抜脱や脱落を防いで円滑な掘削を図ったり、工具寿命の延長を促したりすることが可能となる。また、雌雄ネジ部8A,8Bによる抜脱機構8が備えられた第1の実施形態においても、上述したようにリングビット4を抜脱することなく掘削に供することは可能であり、そのような場合でもこれらの構成を採ることにより、同様の効果を得ること可能である。
本発明の掘削工具の第1の実施形態を示す側断面図である。 図1に示す実施形態を軸線O方向先端側(図1における矢線Z方向)から見た正面図である。 図1に示す実施形態において、インナービット5の第1、第2の当接部5A,5Bとケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aとが当接した状態における先端部の拡大側断面図である。 図1に示す実施形態において、インナービット5の第1の当接部5Aおよび突条5Cとケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット4の凸壁部4Cとがそれぞれ当接した状態における先端部の拡大側断面図である。 図1に示す実施形態を用いた本発明の掘削工法の第1の実施形態に係わる第2のインナービット9を示す側面図である。 図1に示す実施形態を用いた本発明の掘削工法の第1の実施形態を示す図である。 図1に示す実施形態を用いた本発明の掘削工法の第2の実施形態を示す図である。 本発明の掘削工具の第2の実施形態を示すリングビット4後端部のケーシングトップ3先端部内周への挿入部分の拡大側断面図である。 本発明の掘削工具の第3の実施形態を示すリングビット4後端部のケーシングトップ3先端部内周への挿入部分の拡大側断面図である。 本発明の掘削工具の第4の実施形態を示すリングビット4後端部のケーシングトップ3先端部内周への挿入部分の拡大側断面図である。 本発明の掘削工具の第5の実施形態を示すリングビット4後端部のケーシングトップ3先端部内周への挿入部分の拡大側断面図である。
符号の説明
1 ケーシングパイプ
3 ケーシングトップ
3A ケーシングパイプ側当接部
4 リングビット
4A リングビット側当接部
4B 凹溝(係合手段)
4C 凸壁部
5 インナービット
5A 第1の当接部
5B 第2の当接部
5C 突条
6 チップ
7,11 係止手段
7A,11A 凹部
7B,11B 凸部
8,13,14 抜脱機構
8A,8B 雌雄ネジ部
9 第2のインナービット
12 係止部材
13A,14A 傾斜面
15 平坦面
O ケーシングパイプ1の軸線
T 掘削時の回転方向
L1 インナービット5の第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接した状態での、凸部7B同士の間隔、または凸部11Bと凹部11Aの傾斜面13Aあるいは平坦面15との間隔、または凹凸部7A、7Bの傾斜面14A同士あるいは平坦面15同士の間隔
L2 インナービット5の第1、第2の当接部5A,5Bがケーシングパイプ側当接部3Aおよびリングビット側当接部4Aに当接した状態での、突条5Cの後端と凸壁部4Cの前壁面との間隔
H1 第1の掘削孔
H2 第2の掘削孔

Claims (11)

  1. 円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが互いの内外周面を対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、
    これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、
    上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、
    このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、
    かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、
    上記係止手段には、上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱する抜脱機構が備えられていることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記係止手段においては、上記内外周面のうち、上記ケーシングパイプ側の周面の先端部と上記リングビット側の周面の後端部とに環状の上記凸部が形成されるとともに、これらの凸部にそれぞれ上記軸線方向に連なるようにして上記ケーシングパイプ側の周面の後端部と上記リングビット側の周面の先端部とに、互いに他方の周面の上記凸部を収容する上記凹部が形成されており、上記抜脱機構は、上記凸部の内外周面に形成された互いに螺合する雌雄ネジ部であることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記係止手段においては、上記内外周面のうち、一方の周面に上記凹部が形成されるとともに、他方の周面には上記一方の周面側に向けて付勢された係止部材が環状に配設されて上記凸部とされており、上記抜脱機構においては、上記凹部に形成される上記軸線方向を向く環状面のうち、上記リングビットを上記ケーシングパイプ先端部に対して抜脱する際に上記係止部材と当接する環状面に、この環状面に上記係止部材が当接する方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  4. 上記係止手段においては、上記内外周面のうち、上記ケーシングパイプ側の周面の先端部と上記リングビット側の周面の後端部とに上記凸部が形成されるとともに、これらの凸部にそれぞれ上記軸線方向に連なるようにして上記ケーシングパイプ側の周面の後端部と上記リングビット側の周面の先端部とに、互いに他方の周面の上記凸部を収容する上記凹部が形成されており、上記抜脱機構においては、上記内外周面それぞれのこれら凹凸部が連なる部分に形成される上記軸線方向を向く面に、当該面が向く方向とは反対側の軸線方向に向かうに従い上記内外周面が対向する方向に向かう傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  5. 上記リングビットは、その外周面を上記ケーシングパイプの先端部内周面に対向させるようにして挿入されており、上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成されていて、この係合手段の上記凹溝と、上記係止手段において上記リングビットの外周面に形成される上記凹凸部の少なくとも一方とは、上記軸線方向において少なくとも一部が重なるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の掘削工具。
  6. 上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条よりも周方向に幅広でこの突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成され、かつこの凹溝の後端開口部には、掘削時の上記インナービットの回転方向側に、該凹溝に収容された上記突条の後端に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な凸壁部が形成されており、上記第1の当接部が上記ケーシングパイプ側当接部に当接し、かつ上記凸壁部が上記突条の後端に当接した状態で、上記係止手段における上記凸部は該凸部を収容する上記凹部内に上記軸線方向両端側に間隔をあけて収容されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の掘削工具。
  7. 円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが、その内周面を上記ケーシングパイプの先端部外周面に対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、
    これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、
    上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、
    このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、
    かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、
    上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成されており、この係合手段の上記凹溝と、上記係止手段において上記リングビット側に形成される上記凹凸部の少なくとも一方とは、上記軸線方向において少なくとも一部が重なるように形成されていることを特徴とする掘削工具。
  8. 円筒状のケーシングパイプの先端部に円環状のリングビットが互いの内外周面を対向させて該ケーシングパイプの軸線回りに回転自在に挿入され、
    これら互いに対向させられた内外周面のうち、少なくとも一方の周面には上記軸線回りに環状をなして該軸線方向に延びる凹部が、他方の周面にはこの凹部に収容可能な凸部が形成されていて、これら凹凸部により構成される係止手段によって上記リングビットが上記ケーシングパイプに上記軸線方向先端側に係止されつつ該軸線方向に進退可能に取り付けられるとともに、
    上記ケーシングパイプ内に挿入される伝達部材の先端にはインナービットが取り付けられていて、
    このインナービットの外周面には、上記ケーシングパイプの先端部内周に突設されたケーシングパイプ側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第1の当接部と、上記リングビットに形成された上記ケーシングパイプ側当接部よりも内径の小さなリングビット側当接部に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な第2の当接部とが形成され、
    かつ該インナービットは、上記リングビットに対しては係合手段によって上記軸線回りに係合可能とされており、
    上記係合手段においては、上記インナービットの外周に上記軸線方向に延びる突条が形成されるとともに、上記リングビットの内周には上記突条よりも周方向に幅広でこの突条を収容可能な凹溝が該リングビットの後端に開口するように形成され、かつこの凹溝の後端開口部には、掘削時の上記インナービットの回転方向側に、該凹溝に収容された上記突条の後端に上記軸線方向先端側に向けて当接可能な凸壁部が形成されており、上記第1の当接部が上記ケーシングパイプ側当接部に当接し、かつ上記凸壁部が上記突条の後端に当接した状態で、上記係止手段における上記凸部は該凸部を収容する上記凹部内に上記軸線方向両端側に間隔をあけて収容されることを特徴とする掘削工具。
  9. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の掘削工具を用いた掘削工法であって、
    上記インナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第1、第2の当接部と上記ケーシングパイプ側当接部およびリングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記ケーシングパイプおよびリングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットにのみ伝達しつつ、所定の深さの第1の掘削孔を形成した後、
    上記インナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、
    次いで、上記第1の当接部を備えることなく上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さな外径を有し、かつ上記第2の当接部と上記係合手段とを備える第2のインナービットを伝達部材の先端に取り付け、上記ケーシングパイプ内を通して上記リングビットの内周に挿入するとともに、上記抜脱機構により上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱し、
    上記第2のインナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第2の当接部と上記リングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記リングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットに伝達しつつ、上記第1の掘削孔の先端側に第2の掘削孔を形成することを特徴とする掘削工法。
  10. 上記第2の掘削孔を形成した後に、該第2の掘削孔内に上記リングビットを残した状態で、上記第2のインナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、
    次いで、上記ケーシングパイプ内に、上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さく、かつ上記リングビット側当接部の内径よりも大きな外径を有する建て込み部材を挿入して、上記第2の掘削孔内に建て込むことを特徴とする請求項9に記載の掘削工法。
  11. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の掘削工具を用いた掘削工法であって、
    上記伝達部材を介して上記インナービットに上記軸線方向先端側への打撃力と上記軸線回りの回転力とを与えることにより、上記第1、第2の当接部と上記ケーシングパイプ側当接部およびリングビット側当接部とを介して上記打撃力を上記ケーシングパイプおよびリングビットに伝達するとともに、上記係合手段によって上記回転力を上記リングビットにのみ伝達しつつ、所定の深さの掘削孔を形成した後、
    上記インナービットおよび伝達部材を後退させて上記ケーシングパイプから引き抜き、
    次いで、上記抜脱機構により上記リングビットを上記ケーシングパイプに対して上記軸線方向先端側に抜脱するとともに、
    上記ケーシングパイプ内に、上記ケーシングパイプ側当接部の内径よりも小さく、かつ上記リングビット側当接部の内径よりも大きな外径を有する建て込み部材を挿入して、上記掘削孔内に建て込むことを特徴とする掘削工法。
JP2006082425A 2006-03-24 2006-03-24 掘削工具および掘削工法 Active JP4887857B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006082425A JP4887857B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 掘削工具および掘削工法
TW095115760A TW200736489A (en) 2006-03-24 2006-05-03 Drilling tool and drilling method
EP07005240A EP1837481B1 (en) 2006-03-24 2007-03-14 Drilling tool and drilling method
DE602007002936T DE602007002936D1 (de) 2006-03-24 2007-03-14 Werkzeug und Verfahren zum Bohren
AT07005240T ATE447091T1 (de) 2006-03-24 2007-03-14 Werkzeug und verfahren zum bohren
KR1020070028529A KR101413405B1 (ko) 2006-03-24 2007-03-23 굴착 공구 및 굴착 공법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006082425A JP4887857B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 掘削工具および掘削工法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007255106A true JP2007255106A (ja) 2007-10-04
JP2007255106A5 JP2007255106A5 (ja) 2008-08-14
JP4887857B2 JP4887857B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=38091760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006082425A Active JP4887857B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 掘削工具および掘削工法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1837481B1 (ja)
JP (1) JP4887857B2 (ja)
KR (1) KR101413405B1 (ja)
AT (1) ATE447091T1 (ja)
DE (1) DE602007002936D1 (ja)
TW (1) TW200736489A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174302A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Tookinooru:Kk 掘削工具
WO2013084994A1 (ja) 2011-12-09 2013-06-13 三菱マテリアル株式会社 掘削工具
KR20150012249A (ko) * 2012-04-04 2015-02-03 엘코아베 바싸라 에이비 보어홀의 라이닝 및 드릴링을 위한 장치
JP2015190224A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 三菱マテリアル株式会社 掘削工具および掘削工法
JP2016194221A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 孝幸 千葉 二重管削孔工具

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE533272C2 (sv) * 2008-12-18 2010-08-03 Sandvik Intellectual Property Borrverktyg för slående bergborrning samt förbrukningskit, ringborrkrona och slagsko härför
DE102012000983A1 (de) * 2012-01-20 2013-07-25 Minova International Ltd. Vorrichtung für ein Drainage-Bohr-System
WO2014001601A1 (en) * 2012-06-28 2014-01-03 Oy Atlas Copco Rotex Ab Method and apparatus for use of a drilling device meant for down-the-hole drilling
KR101499585B1 (ko) * 2012-11-30 2015-03-09 김은숙 지하 암반 천공 방법
KR101387119B1 (ko) * 2013-03-11 2014-04-29 지산특수토건주식회사 관 삽입형 천공장치
JP6307979B2 (ja) * 2014-03-31 2018-04-11 三菱マテリアル株式会社 掘削工具
JP6589374B2 (ja) * 2014-08-20 2019-10-16 三菱マテリアル株式会社 掘削工具
EP3103958A1 (en) * 2015-04-02 2016-12-14 PSM S.p.A. Drilling assembly for drilling holes in subsurface formations
WO2017019017A1 (en) * 2015-07-27 2017-02-02 Halliburton Energy Services, Inc. Drill bit and method for casing while drilling
FI127402B (fi) 2015-09-14 2018-05-15 Mincon Nordic Oy Poralaite
US10851593B2 (en) 2016-08-09 2020-12-01 Mitsubishi Materials Corporation Drilling tool
FI130094B (en) 2019-08-26 2023-01-31 Mincon Nordic Oy Boring unit
CN111425145A (zh) * 2020-03-23 2020-07-17 中国五冶集团有限公司 一种管幕施工用的钻头装置
CN111472688B (zh) * 2020-04-17 2021-06-22 青岛理工大学 自钻式管柱支护装置及其方法
US11643879B2 (en) 2021-08-03 2023-05-09 Halliburton Energy Services, Inc. Nested drill bit assembly for drilling with casing
EP4234816A1 (de) * 2022-02-25 2023-08-30 Wesu GmbH Bohreinheit und verfahren zur erstellung einer gründung in einem boden und/oder einer gründung unter wasser
KR102643419B1 (ko) * 2023-06-15 2024-03-05 광성지엠(주) 재사용 가능 및 직진도가 향상된 직천공 비트 장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07243295A (ja) * 1994-03-07 1995-09-19 Kameyama:Kk ボーリングロッド
JP2001140578A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具
JP2003172088A (ja) * 2001-12-04 2003-06-20 Ushio Kogyo Kk 二重管式掘削工具

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE320343B (ja) * 1963-09-11 1970-02-09 Stabilator Ab
US5472057A (en) * 1994-04-11 1995-12-05 Atlantic Richfield Company Drilling with casing and retrievable bit-motor assembly
FI20010699A0 (fi) * 2001-04-04 2001-04-04 Jorma Jaervelae Menetelmä poraukseen ja porauslaitteisto
CA2432246C (en) 2003-06-12 2009-07-28 Luc Charland System for overburden drilling
CA2496199C (en) * 2004-02-17 2013-10-01 Tesco Corporation Retrievable center bit

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07243295A (ja) * 1994-03-07 1995-09-19 Kameyama:Kk ボーリングロッド
JP2001140578A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具
JP2003172088A (ja) * 2001-12-04 2003-06-20 Ushio Kogyo Kk 二重管式掘削工具

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174302A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Tookinooru:Kk 掘削工具
WO2013084994A1 (ja) 2011-12-09 2013-06-13 三菱マテリアル株式会社 掘削工具
US9428964B2 (en) 2011-12-09 2016-08-30 Mitsubishi Materials Corporation Excavating tool
KR20150012249A (ko) * 2012-04-04 2015-02-03 엘코아베 바싸라 에이비 보어홀의 라이닝 및 드릴링을 위한 장치
JP2015512476A (ja) * 2012-04-04 2015-04-27 エルコーアーベー・ワッサラ・アクチボラゲットLKAB Wassara AB 穿孔及び穿孔ライニングのための装置
KR102049779B1 (ko) * 2012-04-04 2020-01-08 엘코아베 바싸라 에이비 보어홀의 라이닝 및 드릴링을 위한 장치
JP2015190224A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 三菱マテリアル株式会社 掘削工具および掘削工法
JP2016194221A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 孝幸 千葉 二重管削孔工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP4887857B2 (ja) 2012-02-29
EP1837481A1 (en) 2007-09-26
KR20070096885A (ko) 2007-10-02
TWI361854B (ja) 2012-04-11
DE602007002936D1 (de) 2009-12-10
KR101413405B1 (ko) 2014-06-27
EP1837481B1 (en) 2009-10-28
TW200736489A (en) 2007-10-01
ATE447091T1 (de) 2009-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4887857B2 (ja) 掘削工具および掘削工法
JP5849671B2 (ja) 掘削工具
JP6330573B2 (ja) 掘削工具
JP2998097B2 (ja) 拡径ビット
JP4957440B2 (ja) 掘削工具
JP3903881B2 (ja) 掘削工具
JP4765950B2 (ja) 掘削工具および掘削工法
JP4844279B2 (ja) 掘削工具
TW201241298A (en) Drilling device for percussion or rotary percussion drilling having a coupling sleeve
JP4501407B2 (ja) 掘削工具
JP6542179B2 (ja) 芯材埋設工法
JP6751643B2 (ja) 掘削工具
JP6507012B2 (ja) 二重管削孔工具
JP4962129B2 (ja) 掘削工具
JP4039181B2 (ja) 掘削工具
JP4007216B2 (ja) 二重管式掘削工具
CA3033263A1 (en) Drilling tool
JP2010077699A (ja) 掘削工具
JP2009007890A (ja) 掘削工具
JP2006152602A (ja) 掘削装置
KR20090078158A (ko) 일체형 천공비트 장치
JP6589374B2 (ja) 掘削工具
JP2009041253A (ja) インナービット、削孔ビット、および、削孔機
JPH11200753A (ja) 掘削工具
JP2006022593A (ja) 掘削爪、ホルダ、及び掘削手段

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4887857

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250