JP2015190224A - 掘削工具および掘削工法 - Google Patents

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田中 邦彦
Kunihiko Tanaka
邦彦 田中
中村 和由
Kazuyoshi Nakamura
和由 中村
博士 太田
Hiroshi Ota
博士 太田
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【課題】掘削孔からケーシングトップおよびケーシングパイプを容易に引き抜いて回収するとともに施工コストを削減する。【解決手段】ケーシングパイプ1の先端にケーシングトップ2が同軸に取り付けられ、ケーシングトップ2の先端部にはケーシングパイプ1およびケーシングトップ2よりも小さな内径の被当接部3Bを内周部に有するリングビット3がケーシングトップ2の軸線O回りに回転自在かつ先端側に係止されて取り付けられ、リングビット3の内周部には被当接部3Bに当接可能な当接部4Aを有する、ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2の内径よりも小さな外径のインナービット4が後端側から挿通されてリングビット3と一体に回転可能に係合させられ、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径に対して?3mmの範囲内とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、ケーシングパイプの先端にケーシングトップが取り付けられるとともに、このケーシングトップの先端部にはリングビットが、またリングビット内にはインナービットが取り付けられて地盤に掘削孔を形成する掘削工具、および該掘削工具を用いた掘削工法に関するものである。
このような掘削工具として、特許文献1には、円管状のケーシングパイプの先端部に接合される円筒状のケーシングトップと、このケーシングトップの先端部に同軸かつ該ケーシングトップの軸線回りに回転自在に取り付けられ、ケーシングパイプ内に挿通されたインナービットに対して軸線方向先端側および軸線回りに係合可能とされる円環状のリングビットとを備えたものが提案されている。このリングビットの外周面には軸線回りに周回する突条部が形成されるとともに、ケーシングトップの内周面には上記突条部を収容する環状溝が形成されており、これによりリングビットは軸線回りに回転自在、かつ軸線方向先端側と後端側とに係合させられている。
ここで、円筒状のケーシングトップの内周面に形成された環状溝にリングビット外周面の突条部を収容してリングビットを上述のように軸線回りに回転自在、かつ軸線方向先端側と後端側とに係合させるのに、この特許文献1に記載された掘削工具では、ケーシングトップを上記軸線に直交する断面がC字状をなして弾性変形可能とされたものとし、これを拡径させた状態で内周部にリングビットを挿入して環状溝に突条部を収容した上で、縮径させてケーシングトップの突き合わせ部を接合することにより円筒状のケーシングトップを形成するようにしている。
特開2012−154096号公報
ところで、この特許文献1の例えば実施例に記載された掘削工具では、ケーシングパイプの外径が139.8mmであるのに対して、リングビットの突条部の外径は146mmとされており、従ってケーシングトップの外径は、このリングビットの突条部の外径より少なくとも環状溝の溝底からケーシングトップの外周面までの肉厚分だけ大きくなる。このため、リングビットおよびインナービットによって掘削孔を形成しつつ、この掘削孔にケーシングトップおよびケーシングパイプを挿入し、所定の深さまで掘削孔が形成された後に掘削孔からケーシングトップおよびケーシングパイプを引き抜いて回収しようとしても、ケーシングトップが掘削孔の内周に崩落した土砂に引っ掛かって引き抜きが困難となるおそれがある。
また、このようにケーシングトップの外径が大きくされていることにより、このケーシングトップが挿入される掘削孔の内径も大きくしなければならず、従って掘削孔の内径を決定するリングビットも、外径の大きなものを用意しなければならない。このため、リングビットやケーシングトップ自体がコスト高になることが避けられないとともに、インナービットを介してリングビットを回転駆動するのに要する動力も大きくなり、施工コストの増大を招くことになる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、インナービットおよびリングビットによって形成した掘削孔からケーシングトップおよびケーシングパイプを容易に引き抜いて回収することが可能であり、しかも施工コストの増大を招くことのない掘削工具および掘削工法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の掘削工具は、円管状のケーシングパイプの先端に円筒状のケーシングトップが同軸に取り付けられ、このケーシングトップの先端部には、上記ケーシングパイプおよびケーシングトップよりも小さな内径の被当接部を内周部に有する円環状のリングビットが、その後端部を上記ケーシングトップの内周に挿入して該ケーシングトップの軸線回りに回転自在、かつ該軸線方向先端側に係止されて取り付けられていて、このリングビットの内周部には、上記被当接部に当接可能な当接部を外周部に有する、上記ケーシングパイプおよびケーシングトップの内径よりも小さな外径のインナービットが、上記軸線方向後端側から挿通されて該リングビットと一体に回転可能に係合させられており、上記ケーシングトップの外径が上記ケーシングパイプの外径に対して±3mmの範囲内とされていることを特徴とする。
また、本発明の掘削工法は、このような掘削工具により、上記リングビットとインナービットを一体に回転しつつ上記軸線方向先端側に打撃力と推力を与えて掘削孔を形成するとともに、この掘削孔に上記ケーシングトップおよびケーシングパイプを挿入し、掘削孔を形成し終わった後は、上記ケーシングトップ、ケーシングパイプ、リングビット、およびインナービットを上記掘削孔から引き抜くことを特徴とする。
上記構成の掘削工具では、リングビットの内周部に、このリングビット内周部の被当接部に当接可能な当接部を外周部に有してケーシングパイプおよびケーシングトップの内径よりも小さな外径のインナービットが、軸線方向後端側から挿通されて該リングビットと一体に回転可能に係合させられており、インナービットに与えられた打撃力および推力が上記当接部から被当接部を介してリングビットに伝えられるとともに、インナービットの回転力もリングビットに伝えられて掘削孔が形成される。さらに、リングビットはケーシングトップの軸線回りに回転自在、かつ該軸線方向先端側に係止されて取り付けられているので、ケーシングトップおよびケーシングパイプは回転することなく打撃力および推力のみが伝えられて、掘削孔に挿入されてゆく。
そして、上記構成の掘削工具においては、ケーシングトップの外径がケーシングパイプの外径に対して±3mmの範囲内とされていて、これらケーシングトップとケーシングパイプが略同等の外径とされている。このため、上記掘削工法のように掘削孔を形成し終わった後に、ケーシングトップ、ケーシングパイプ、リングビット、およびインナービットを掘削孔から引き抜く場合でも、ケーシングトップが土砂等に引っ掛かるのを抑制して、ケーシングパイプごと容易に掘削孔から引き抜いて回収し、再利用することができる。また、ケーシングトップやリングビットが必要以上に大きくなることがないので、これらがコスト高となるのも防ぐことができ、施工コストの削減を図ることができる。
ここで、ケーシングトップの外径がケーシングパイプの外径より3mmを超えるほど大きいと、掘削孔からの引き抜きの際にケーシングトップが土砂に引っ掛かったり、ケーシングパイプの外径によってはリングビットやケーシングトップがコスト高となったりするおそれがある。また、逆にケーシングトップの外径がケーシングパイプの外径より3mmを超えるほど小さいと、ケーシングトップに必要な肉厚を確保するにはケーシングトップの内径が小さくならざるを得ず、これに伴いインナービットの当接部も含めた外径やリングビットの被当接部の内径も小さくなって、掘削孔を形成する際の打撃力や推力を確実に伝達することが困難となるおそれがある。
さらに、ケーシングトップの外径はケーシングパイプの外径以下とされているのが望ましく、すなわちケーシングトップの外径は、ケーシングパイプの外径と等しいか、3mmまでの範囲内でケーシングパイプの外径よりも小さくされているのが望ましい。ケーシングトップの外径がケーシングパイプの外径よりも大きくなければ、土砂等の引っ掛かりが生じることもない。
ところで、このようにケーシングトップの外径をケーシングパイプの外径に対して±3mmの範囲内と小さくして、リングビットの外径も小さくした場合に、このリングビットの被当接部とインナービットの当接部との当接面積を確保しようとして、リングビットの被当接部の内径すなわちリングビットの最小内径を小さくしすぎてしまうと、掘削孔を形成した後に、まずインナービットだけを引き抜き、次いでケーシングパイプ内を通して建て込み材を掘削孔に挿入してからリングビット、ケーシングトップおよびケーシングパイプを掘削孔から引き抜くことにより、建て込み材を基礎として掘削孔に建て込もうとしたときに、挿入可能な建て込み材の大きさ(外径)が制限されてしまい、建て込み材による基礎の強度の向上を図ることが困難となるおそれがある。
そこで、このような場合には、リングビットの最小内径をケーシングパイプの内径の0.85倍以上とするのが望ましく、このようにリングビットの最小内径を設定することにより、掘削孔に建て込み可能な建て込み材の大きさが小さくなりすぎるのを防いで、基礎として十分な強度を確保することが可能となる。ただし、このリングビットの最小内径が大きすぎると、上述のようにリングビットの被当接部とインナービットの当接部との当接面積を十分に確保することができなくなるおそれがあるので、リングビットの最小内径はケーシングパイプの内径の0.9倍以下の範囲とされるのがより望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、所定の深さまで掘削孔を形成し終わった後に、ケーシングトップ、ケーシングパイプ、リングビット、およびインナービットを掘削孔から引き抜く場合でも、ケーシングトップをケーシングパイプごと容易に掘削孔から引き抜いて回収することができるとともに、ケーシングトップやリングビットが必要以上に大きくなるのを防いで、施工コストの削減を図ることが可能となる。
本発明の掘削工具の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。
図1および図2は、本発明の掘削工具の一実施形態を示すものである。本実施形態の掘削工具においては、軸線Oを中心とした円管状のケーシングパイプ1の先端(図1において左側端)に、円筒状のケーシングトップ2が上記軸線Oに関して同軸に取り付けられ、このケーシングトップ2の先端部には、円環状のリングビット3が、その後端部をケーシングトップ2の内周に挿入して軸線O回りに回転自在、かつ軸線O方向先端側に係止されて取り付けられるとともに、このリングビット3の内周部には、インナービット4が軸線O方向後端側(図1において右側)から挿通されてリングビット3と一体に掘削時の工具回転方向Tに回転可能に係合させられている。
ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2は鋼材等の金属材料により形成されており、ケーシングトップ2はその後端がケーシングパイプ1の先端に溶接等により接合されて一体に取り付けられている。ケーシングトップ2の内径は、ケーシングパイプ1の内径と略等しいか、僅かに小さくされている。ケーシングトップ2の内周には、ケーシングパイプ1の先端よりも先端側に環状溝2Aが軸線O回りに周回するように形成されており、この環状溝2Aに、リングビット3の後端外周部に形成されたやはり軸線O回りに周回する突条部3Aが収容されることにより、リングビット3は上述のようにケーシングトップ2に対して軸線O回りに回転自在、かつ軸線O方向先端側に係止されるとともに、軸線O方向後端側にも係止されて取り付けられる。
なお、このようにリングビット3後端外周部の突条部3Aをケーシングトップ2の内周の環状溝2Aに収容するには、例えば特許文献1に記載された掘削工具と同様に、ケーシングトップ2を上記軸線Oに直交する断面がC字状をなして弾性変形可能とされたものとし、これを拡径させた状態で内周部にリングビット3を挿入して環状溝2Aに突条部3Aを収容した上で、縮径させてケーシングトップ2の突き合わせ部を接合することにより円筒状のケーシングトップ2を形成し、これをケーシングパイプ1の先端に接合してリングビット3も取り付けるようにすればよい。
また、ケーシングトップ2を軸線Oに沿った平面で半割、あるいはそれ以上の複数に分割された分割体により構成し、これらの分割体をその環状溝2Aにリングビット3の突条部3Aが収容されるように外周側から突き合わせた上で、その突き合わせ部を溶接等によって接合してケーシングトップ2を形成するようにしてもよい。なお、リングビット3もその本体はこのように溶接等によって接合可能な鋼材等の金属材料により形成される。
ここで、リングビット3の内径Dは、ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2の内径よりも小さくされており、ただし本実施形態では、ケーシングパイプ1の内径Pに対して0.85×P〜0.90×Pの範囲内とされている。これによりリングビット3の内周部はケーシングパイプ1およびケーシングトップ2の内周に突出することになり、こうして突出したリングビット3の内周の後端は被当接部3Bとされて、その後端面は内周側に向かうに従い軸線O方向先端側に向かうように延びている。
また、リングビット3の内周部には、周方向に幅広の凹溝3Cが、リングビット3後端の被当接部3Bから先端に突き抜けるようにして、周方向に等間隔に複数(本実施形態では3つ)形成されている。さらに、これらの凹溝3Cの工具回転方向T側には、径方向外周側への深さが凹溝3Cと等しく、周方向には凹溝3Cよりも幅狭の係合凹部3Dが該凹溝3Cと連通するようにそれぞれ形成されている。これらの係合凹部3Dは、軸線O方向にはリングビット3の後端面との間に被当接部3Bが残されるように先端側に離れた位置から軸線Oに平行にリングビット3の先端に突き抜けるように、また工具回転方向T側に隣接する凹溝3Cとの間にもリングビット3の内周部が残されるように間隔をあけて形成されている。
さらに、リングビット3の先端部は、その外周がケーシングトップ2よりも先端側で外周側に張り出し、外径がケーシングトップ2の外径よりも僅かに大きくなるようにされている。そして、このように外周側に張り出したリングビット3の先端外周部と、上記凹溝3Cおよび係合凹部3Dの間に残された先端内周部と、その間の中間部とには、超硬合金等の硬質材料よりなる掘削チップ5が植設されて取り付けられている。
一方、インナービット4も、その本体は鋼材等の金属材料により形成され、その先端部は軸線Oを中心とした概略円柱状をなしている。また、このインナービット4の図示されない後端部は先端部よりも小径のシャンク部とされ、このシャンク部に、やはり図示されないダウンザホールハンマおよび掘削ロッドが取り付けられて掘削装置と連結されることにより、インナービット4には掘削時に軸線O回りに工具回転方向Tに向けて回転力と、該軸線O方向先端側に向けた打撃力および推力が与えられる。
このインナービット4の外径は、ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2の内径よりも僅かに小さく、リングビット3の内径(被当接部3Bにおける内径)よりは大きくされており、インナービット4の後端外周部には、このような外径で周回するような段部が形成されて、リングビット3の被当接部3Bに軸線O方向後端側から当接可能な本実施形態におけるインナービット4の当接部4Aとされている。この当接部4Aの先端面は、リングビット3の被当接部3Bの後端面と等しい傾斜で内周側に向かうに従い軸線O方向先端側に向かうように延びている。
また、インナービット4の外周には、段部とされた当接部4Aより先端側のインナービット4の外径よりも内周側への深さが僅かに深く、周方向にはリングビット3の凹溝3Cと略等しい幅とされた凹溝4Bが、周方向に等間隔に凹溝3Cと同数の複数(本実施形態では3つ)形成されている。これらの凹溝4Bは、軸線O方向には当接部4Aの後端からインナービット4の先端に軸線Oに平行に突き抜けるように形成されている。
さらに、これらの凹溝4Bの工具回転方向T側には、当接部4Aの先端側に、被当接部3Bの軸線O方向の厚さよりも大きな間隔をおいて、リングビット3の上記係合凹部3Dに収容可能な係合突条4Cが、軸線Oに平行に延びるようにそれぞれ形成されている。ここで、これら凹溝4Bおよび係合突条4Cを除いたインナービット4の当接部4Aよりも先端側の部分の外径は、リングビット3の被当接部3B内からその内周部に挿通可能な大きさとされている。
さらにまた、インナービット4の先端面には、周方向において各凹溝4Bの中央から内周側に向けて溝深さが漸次浅くなるように延びる排気溝4Dがそれぞれ形成されている。このインナービット4の先端面は、後述するように当接部4Aを被当接部3Bに当接させた状態で、軸線O方向にリングビット3の先端と略同じ位置に配設され、このインナービット4の先端面にも、上記排気溝4Dを避けるようにして超硬合金等の硬質材料よりなる掘削チップ5が植設されて取り付けられている。
また、インナービット4内には、軸線Oに沿って上記シャンク部から排気孔4Eが延びており、この排気孔4Eはインナービット4先端部において複数に分岐して、そのうち3つは各排気溝4Dの底面に開口している。さらに、残りの分岐した排気孔4Eは、インナービット4先端側における上記係合突条4Cの工具回転方向T側の外周面と、インナービット4後端側の凹溝4B内とにそれぞれ開口している。
そして、ケーシングトップ2の外径は、ケーシングパイプ1の外径に対して±3mmの範囲内とされていて、これらケーシングトップ2とケーシングパイプ1が略同等の外径とされている。このケーシングトップ2の外径は、ケーシングパイプ1の外径以下とされるのが望ましく、すなわちケーシングトップ2の外径は、ケーシングパイプ1の外径と等しいか、または3mmまでの範囲内でケーシングパイプ1の外径よりも小さくされるのが望ましく、本実施形態では図1に示すようにケーシングパイプ1とケーシングトップ2の外径が互いに等しくされている。
このような掘削工具は、上述のようにケーシングパイプ1の先端にケーシングトップ2が取り付けられるとともに、このケーシングトップ2にリングビット3が、その後端部をケーシングトップ2の内周に挿入して軸線O回りに回転自在、かつ軸線O方向先端側に係止されて取り付けられた状態で、このリングビット3の内周部にインナービット4の先端部を軸線O方向後端側から挿通して一体に回転可能に係合することにより、本発明の掘削工法の一実施形態において掘削に用いられる。
インナービット4の先端部をリングビット3の内周部に挿通する際には、まずインナービット4の各係合突条4Cの周方向の位置を、これらと同数のリングビット3の各凹溝3Cの位置に合わせて、インナービット4の当接部4Aよりも先端側をリングビット3内周部に軸線O方向後端側から挿入する。すると、係合突条4Cは、凹溝3Cを通って被当接部3Bよりも軸線O方向先端側に位置し、さらにインナービット4を挿入すると、図1に示すようにインナービット4の当接部4Aがリングビット3の被当接部3Bに軸線O方向後端側から当接する。
そこで、この状態からインナービット4を工具回転方向Tに回転させると、図2に示すように係合突条4Cが凹溝3Cの工具回転方向T側に連通した係合凹部3Dに収容されて当接することにより、リングビット3はインナービット4と工具回転方向Tに係合して一体に回転可能とされる。なお、このとき、リングビット3内周の凹溝3Cとインナービット4外周の凹溝4Bとは周方向に一致して、掘削時に生成される繰り粉の排出孔を形成する。
従って、こうしてリングビット3とインナービット4を一体回転しつつ、上述のようにインナービット4に軸線O方向先端側への打撃力と推力を与えることにより、これら打撃力と推力はインナービット4の当接部4Aから被当接部3Bを介してリングビット3にも伝えられ、リングビット3およびインナービット4先端の掘削チップ5により掘削孔が形成される。
さらに、こうしてリングビット3に伝えられた打撃力と推力は、リングビット3がケーシングトップ2に対して軸線O方向先端側に係止されていることにより、ケーシングトップ2およびケーシングパイプ1にも伝えられ、リングビット3およびインナービット4によって形成された掘削孔にこれらケーシングトップ2およびケーシングパイプ1が挿入されてゆく。ただし、リングビット3はケーシングトップ2に対して軸線O回りに回転自在とされているので、ケーシングトップ2とケーシングパイプ1は回転することはない。
また、掘削中は、上記ダウンザホールハンマから圧縮空気等がインナービット4の排気孔4Eに供給されて分岐し、排気溝4Dから噴出することによりインナービット4先端の上記繰り粉を排出するとともに、凹溝4Bに噴出することにより排出された繰り粉を上記排出孔からケーシングパイプ1内の後端側に送り出し、さらには係合突条4Cの工具回転方向T側に噴出して係合凹部3Dとの間の繰り粉の噛み込みを防止する。
こうして所定の深さまで掘削孔が形成されるとともに、この掘削孔内にケーシングパイプ1およびケーシングトップ2が挿入されたなら、まずインナービット4を掘削時の工具回転方向Tの後方側に回転させて係合突条4Cをリングビット3の凹溝3Cの位置に合わせ、上記掘削ロッドおよびダウンザホールハンマとともに軸線O方向後端側に引き抜いて回収する。次いで、ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2と、このケーシングトップ2に軸線O方向後端側に向けても係止されたリングビット3とを一体に掘削孔から引き抜いて回収する。なお、こうしてケーシングパイプ1、ケーシングトップ2、およびリングビット3を回収する前に、ケーシングパイプ1内を通して掘削孔にリングビット3の内径よりも小さな大きさ(外径)の建て込み材を挿入して構造物の基礎としてもよい。
そして、上記構成の掘削工具においては、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径に対して±3mmの範囲内と、略同等の大きさとされているため、この実施形態の掘削工法のように掘削孔を形成し終わった後に、インナービット4を引き抜いてからケーシングパイプ1、ケーシングトップ2、およびリングビット3を掘削孔から引き抜いて回収する場合でも、ケーシングトップ2が掘削孔内に崩落した土砂等に引っ掛かてしまうのを抑えることができる。
このため、ケーシングトップ2をケーシングパイプ1ごと掘削孔から容易に引き抜いて回収することができ、これらケーシングパイプ1やケーシングトップ2、およびその先端に取り付けられたリングビット3も確実に再利用することが可能となる。また、このようにケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1と略同径に抑えられるために、これらケーシングパイプ1およびケーシングトップ2を挿入可能な内径の掘削孔を形成するためのリングビット3の外径も必要以上に大きくなることがないので、これらケーシングトップ2やリングビット3に要する材料コストも抑えることができ、総じて施工コストの削減を図ることができる。
ここで、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径よりも3mmを超えるほど大きいと、掘削孔からの引き抜きの際にケーシングトップ2が引っ掛かったり、ケーシングパイプ1の外径が大きい場合にはケーシングトップ2やリングビット3の外径も大きくなってコスト高となったりするおそれがある。また、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径よりも3mmを超えるほど小さいと、特にケーシングパイプ1の外径が小さい場合にケーシングトップ2に必要な強度および肉厚を確保するにはこのケーシングトップ2の内径が小さくならざるを得ず、このためインナービット4の当接部4Aの外径やリングビット3の被当接部3Bの内径も小さくなり、これら当接部4Aから被当接部3Bを介して打撃力や推力を確実に伝達することが困難となるおそれがある。
特に、本実施形態では、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径以下とされているので、ケーシングトップ2がケーシングパイプ1よりも外周側に張り出すことがなく、一層確実に土砂等のケーシングトップ2への引っ掛かりを防ぐとともにコスト増を抑えることが可能となる。ただし、この場合も、ケーシングトップ2の外径がケーシングパイプ1の外径よりも3mmを超えるほど小さいと、インナービット4からリングビット3への打撃力や推力の確実な伝達が困難となるおそれがあるので、ケーシングトップ2の外径はケーシングパイプ1の外径よりも3mmまでの範囲で小さくされ、特に本実施形態のようにケーシングパイプ1の外径とケーシングトップ2の外径が等しくされるのがより望ましい。
また、こうしてインナービット4およびリングビット3によって形成した掘削孔にケーシングパイプ1およびケーシングトップ2を挿入した後には、ケーシングパイプ1およびケーシングトップ2を引き抜いて回収する前に、まずインナービット4を掘削ロッドおよびダウンザホールハンマとともに引き抜き、次いで上述のようにケーシングパイプ1内に建て込み材を挿入して掘削孔内に基礎として設置する場合もあるが、このような場合に、上記被当接部3Bが形成されるためにケーシングパイプ1やケーシングトップの内径よりも小さくなるリングビット3の最小内径が小さすぎると、建て込み材の外径も制限されざるを得ず、基礎として十分な強度を確保することができなくなるおそれが生じる。
そこで、特にこのような場合には、本実施形態のようにリングビット3の最小内径Dをケーシングパイプ1の内径Pに対して0.85×P以上とすることにより、建て込み材の外径が必要以上に小さくなって強度が不十分になるのを防ぐことができる。ただし、このリングビット3の最小内径Dが大きすぎて、ケーシングパイプ1の内径Pに近すぎると、被当接部3Bの内周側への突出量やインナービット4の当接部4Aの外周側への突出量が小さくなって、これら当接部4Aと被当接部3Bとの当接面積を十分に確保することができず、打撃力や推力を確実に伝達することも困難となるおそれがあるので、リングビットの最小内径Dはケーシングパイプ1の内径Pの0.90×P以下とされるのがより望ましい。
1 ケーシングパイプ
2 ケーシングトップ
2A 環状溝
3 リングビット
3A 突条部
3B 被当接部
3C 凹溝
3D 係合凹部
4 インナービット
4A 当接部
4B 凹溝
4C 係合突条
4D 排気溝
4E 排気孔
5 掘削チップ
O ケーシングトップ2の軸線
T 掘削時のインナービット4およびリングビット3の工具回転方向
D リングビット3の最小内径
P ケーシングパイプ1の内径

Claims (4)

  1. 円管状のケーシングパイプの先端に円筒状のケーシングトップが同軸に取り付けられ、このケーシングトップの先端部には、上記ケーシングパイプおよびケーシングトップよりも小さな内径の被当接部を内周部に有する円環状のリングビットが、その後端部を上記ケーシングトップの内周に挿入して該ケーシングトップの軸線回りに回転自在、かつ該軸線方向先端側に係止されて取り付けられていて、このリングビットの内周部には、上記被当接部に当接可能な当接部を外周部に有する、上記ケーシングパイプおよびケーシングトップの内径よりも小さな外径のインナービットが、上記軸線方向後端側から挿通されて該リングビットと一体に回転可能に係合させられており、上記ケーシングトップの外径が上記ケーシングパイプの外径に対して±3mmの範囲内とされていることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記ケーシングトップの外径が上記ケーシングパイプの外径以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記リングビットの最小内径が上記ケーシングパイプの内径の0.85倍以上とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の掘削工具により、上記リングビットとインナービットを一体に回転しつつ上記軸線方向先端側に打撃力と推力を与えて掘削孔を形成するとともに、この掘削孔に上記ケーシングトップおよびケーシングパイプを挿入し、掘削孔を形成し終わった後は、上記ケーシングトップ、ケーシングパイプ、リングビット、およびインナービットを上記掘削孔から引き抜くことを特徴とする掘削工法。
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