JP2007254839A5 - - Google Patents
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Description
本発明の高りん鋼の溶製方法は、スロッピングを抑止できることを条件として、可及的に低い塩基度を有する転炉スラグを生成せしめて転炉精錬を行うこととするものである。
具体的には、高りん鋼の吹練に当たり、転炉操業結果を解析して塩基度とりん分配比との関係式を得ておき、該関係式及び溶銑中Si含有量に基づいて吹止目標P含有量を有する溶鋼を得るための塩基度を求め、該塩基度が達成されるようにCaOを添加して転炉精錬を行うこととするものである。但し、上記塩基度は溶銑中Si含有量及び炉の使用回数により定まるスロッピング抑制可能最低塩基度を下回らないことを条件とする。なお、塩基度とは、転炉スラグ中のCaO含有量(mass%)に対するSiO2含有量(mass%)の比をいう。また、高りん鋼とは、Pの含有量が0.05mass%以上の鋼をいい、他の合金成分の如何を問わない。
具体的には、高りん鋼の吹練に当たり、転炉操業結果を解析して塩基度とりん分配比との関係式を得ておき、該関係式及び溶銑中Si含有量に基づいて吹止目標P含有量を有する溶鋼を得るための塩基度を求め、該塩基度が達成されるようにCaOを添加して転炉精錬を行うこととするものである。但し、上記塩基度は溶銑中Si含有量及び炉の使用回数により定まるスロッピング抑制可能最低塩基度を下回らないことを条件とする。なお、塩基度とは、転炉スラグ中のCaO含有量(mass%)に対するSiO2含有量(mass%)の比をいう。また、高りん鋼とは、Pの含有量が0.05mass%以上の鋼をいい、他の合金成分の如何を問わない。
(ケースI:塩基度を2.0とする場合)
溶鋼からスラグに移行するPの量:(0.150-0.070)×200×103/100=160kg
溶鋼からスラグに移行するSiの量:0.30×200×103/100=600kg
SiO2生成量:600×60/28=1286kg
B=2.0であるから、
CaOの添加量:1286×2=2572kg
スラグ中MgO含有量を12%、FeO含有量を10%とすると、
スラグ中MgO量:618kg
スラグ中FeO量:515kg
スラグの全質量:4038+618+515=5171kg
スラグのP含有量:(160/5171)×100=3.1%
分配比Rから計算されるスラグ中Pの含有量:33.7×0.07=2.4%
したがって、このケースIでは、塩基度を2.0としたときのスラグ中Pの含有量が、分配比から計算されるPの含有量と異なっており、必要な脱りんが行えない。
溶鋼からスラグに移行するPの量:(0.150-0.070)×200×103/100=160kg
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SiO2生成量:600×60/28=1286kg
B=2.0であるから、
CaOの添加量:1286×2=2572kg
スラグ中MgO含有量を12%、FeO含有量を10%とすると、
スラグ中MgO量:618kg
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スラグのP含有量:(160/5171)×100=3.1%
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したがって、このケースIでは、塩基度を2.0としたときのスラグ中Pの含有量が、分配比から計算されるPの含有量と異なっており、必要な脱りんが行えない。
(ケースII:塩基度を2.5とする場合)
ケースIでは、脱りん不十分であったので、塩基度を2.5に上げて計算をやり直すこととする。ケースIの場合と同様にして再計算を行う。
溶鋼からスラグに移行するPの量:(0.150-0.070)×200×103/100=160kg
溶鋼からスラグに移行するSiの量:0.30×200×103/100=600kg
SiO2生成量:600×60/28=1286kg
B=2.5であるから、CaOの添加量:1286×2.5=3215kg
スラグ中MgO含有量を12%、FeO含有量を10%とすると、
スラグ中MgO量:687kg
スラグ中FeO量:572kg
スラグの全質量:4501+687+572=5760kg
スラグのP含有量:(160/5760)×100=2.7%
分配比Rから計算されるスラグ中Pの含有量:0.07×40.9=2.8%
このケースIIでは、塩基度2.5としたときのスラグ中のPの含有量が、分配比から計算されるPの含有量の許容範囲内に収まっており、上記条件で必要な脱りんが行えることを示している。換言すれば、CaOを1286kg投入し塩基度が2.5になるように調整して操業すれば、吹き止めP含有量が0.066mass%となり、所期の目標値に近い脱りんが達成できる。
ケースIでは、脱りん不十分であったので、塩基度を2.5に上げて計算をやり直すこととする。ケースIの場合と同様にして再計算を行う。
溶鋼からスラグに移行するPの量:(0.150-0.070)×200×103/100=160kg
溶鋼からスラグに移行するSiの量:0.30×200×103/100=600kg
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B=2.5であるから、CaOの添加量:1286×2.5=3215kg
スラグ中MgO含有量を12%、FeO含有量を10%とすると、
スラグ中MgO量:687kg
スラグ中FeO量:572kg
スラグの全質量:4501+687+572=5760kg
スラグのP含有量:(160/5760)×100=2.7%
分配比Rから計算されるスラグ中Pの含有量:0.07×40.9=2.8%
このケースIIでは、塩基度2.5としたときのスラグ中のPの含有量が、分配比から計算されるPの含有量の許容範囲内に収まっており、上記条件で必要な脱りんが行えることを示している。換言すれば、CaOを1286kg投入し塩基度が2.5になるように調整して操業すれば、吹き止めP含有量が0.066mass%となり、所期の目標値に近い脱りんが達成できる。
Claims (3)
- 高りん鋼の吹練に当たり、転炉操業結果を解析して塩基度とりん分配比との関係式を得ておき、該関係式及び溶銑中Si含有量に基づいて吹止目標P含有量を有する溶鋼を得るための塩基度を求め、該塩基度が達成されるようにCaOを添加して転炉精錬を行うことを特徴とする高りん鋼の溶製方法。
但し、上記塩基度は溶銑中Si含有量及び炉の使用回数により定まるスロッピング抑制可能最低塩基度を下回らないことを条件とする。
ここに塩基度とは、転炉スラグ中のCaO含有量(mass%)に対するSiO2含有量(mass%)の比をいう。また、高りん鋼とはP含有量が0.05mass%以上の鋼をいう。 - 転炉スラグは、10mass%以上のMgOを含有していることを特徴とする請求項1記載の高りん鋼の溶製方法。
- 塩基度とりん分配比との関係式が高りん鋼の連続溶製回数により修正されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の高りん鋼の溶製方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006082050A JP4826307B2 (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | 高りん鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006082050A JP4826307B2 (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | 高りん鋼の溶製方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007254839A JP2007254839A (ja) | 2007-10-04 |
JP2007254839A5 true JP2007254839A5 (ja) | 2009-04-30 |
JP4826307B2 JP4826307B2 (ja) | 2011-11-30 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006082050A Expired - Fee Related JP4826307B2 (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | 高りん鋼の溶製方法 |
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JPS58133310A (ja) * | 1982-02-01 | 1983-08-09 | Kawasaki Steel Corp | 高リン鋼の溶製方法 |
JPH01242711A (ja) * | 1988-03-24 | 1989-09-27 | Kobe Steel Ltd | 転炉吹錬制御方法 |
JPH0678563B2 (ja) * | 1989-12-07 | 1994-10-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 転炉吹錬方法 |
JPH08104911A (ja) * | 1994-10-03 | 1996-04-23 | Nippon Steel Corp | 含燐鋼の溶製方法 |
JP4048010B2 (ja) * | 1999-11-19 | 2008-02-13 | 株式会社神戸製鋼所 | 転炉および溶銑予備処理容器におけるりん平衡状態の推定方法 |
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2006
- 2006-03-24 JP JP2006082050A patent/JP4826307B2/ja not_active Expired - Fee Related
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