JP2007254183A - グラウト材組成物及びグラウト材 - Google Patents

グラウト材組成物及びグラウト材 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のセメント系グラウト材と比較して、同等以上の流動性を有しながらも、材料分離現象が防止でき、且つ補修後の断面の温度応力や乾燥収縮によるひび割れを抑制又は防止できるグラウト材組成物及びグラウト材を提供する。
【解決手段】 グラウト材組成物は、低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、オキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩0.01〜0.1質量部、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ及び硫酸アルカリ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種0.5〜3質量部、乾燥収縮低減剤1〜5質量部及び細骨材100〜200質量部を配合してなり、さらに水を混合することでグラウト材が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グラウト材組成物及びグラウト材に関し、特に、中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害などの劣化現象により劣化したコンクリート構造物の断面修復または増厚に用いるセメント系グラウト材であって、鉄筋コンクリート構造物からなる橋脚の耐震補強や道路床版の下面増圧工法によるコンクリート構造物の補修・補強に用いる低発熱型グラウト材組成物及びグラウト材に関する。
一般にコンクリート構造物の補修・補強工法に用いる材料は、対象となるコンクリートの材質の力学的性質にできる限り類似していることが望ましいことから、セメント系材料が好適に使用されている。
また、コンクリート構造物の大断面の補修・補強には吹き付け工法やグラウトの充填工法が用いられているが、流し込み成型ができ、人的負担が少なく、マニュアル化による施工安定性の高いグラウト充填工法が大規模な補修・補強には多く適用されている。
しかしながら、セメント系グラウト材は、十分な型枠充填性、強度等を有する点で優れた修復材である一方、種々の原因により、修復後の断面にひび割れが発生しやすいといった欠点を有する。
修復後の断面にひび割れが発生すると、そのひび割れから水、炭酸ガス、塩化物イオン等の劣化因子が浸入し、結果的に修復後の断面が徐々に劣化するといった二次的な問題が生じる。
ところで、修復後の断面にひび割れを引き起こす種々の原因としては、セメント系グラウト材の単位体積中に含まれるセメントに起因する温度応力、セメントの水和による自己収縮、修復後の断面(硬化体)からの水分蒸発による乾燥収縮等が原因とされている。
セメントの水和による自己収縮、修復後の断面(硬化体)からの水分蒸発による乾燥収縮等が原因となるひび割れに対しては、膨張材や乾燥収縮低減剤を使用することで、ある程度解決できる(特許文献1)。
また、セメントに起因する水和熱による温度応力を低減するため、骨材である乾燥珪砂を増量し、単位セメント量を低減する方法があるが、材料分離が生じやすいという問題がある。
そこで、初期の発熱量が少なく、温度応力が軽減できる低発熱型のセメントを使用する方法が提案されている(特許文献2、3、4)。
このような点に鑑み、コンクリート構造物の大断面の補修・補強に使用されるグラウト材として、特許文献1(特開2002−285153号公報)には、セメント、特定の比表面積の分級フライアッシュ及びカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含むセメント系無機粉体100質量部と、乾燥収縮低減剤1〜5質量部、細骨材120〜200質量部を含有するセメント系のグラウト材組成物が開示されている。
しかし、本文献には使用するセメントは特に限定されてなく、低熱ポルトランドセメントを使用した場合は、この開示されている技術だけでは、流動性が不十分で初期強度も低い。
また、特許文献2(特開平8−268744号公報)には、ポルトランドセメント27〜47質量部、高炉水砕スラグ粉末20〜40質量部、炭酸カルシウム微粉末20〜30質量部、活性シリカ質微粉末2〜8質量部、セメント系膨張材1〜3質量部、無水石膏1〜3質量部、セメント分散剤0.3〜1質量部、硬化遅延剤0.05〜0.2質量部の組成を有するFRP被覆コンクリート補修工法用低発熱型無収縮充填材が開示されている。
しかし、本文献の断熱温度上昇試験において50℃以上の値を示し、セメントに起因する水和熱による温度応力を十分に低減できない。
特許文献3(特開2003−89563号公報)には、低熱ポルトランドセメントと細骨材とを用いた65から40%の水セメント比(W/C)で、セメントに対する質量比で0.8〜1.7%の高性能AE減水剤と、25〜45kg/mの膨張材とが配合され、フレッシュ性状として20〜30cmのモルタルスランプフローを備え、かつ硬化後の乾燥収縮率が8×10−4以下であることを特徴とする充填用グラウト材が開示されている。
本文献では、低熱ポルトランドセメントを使用しているが、開示されている技術では、混練後の初期段階で流動性が著しく低下し、流動性が不十分であるとともに、1日強度が不十分である。
更には、特許文献4(特開2005−179781号公報)には、クリンカ鉱物組成物中のビーライト量が45から75質量%、アルミネート相が4.0質量%以下で、比表面積が3000から4500cm/gである低熱ポルトランドセメント70〜84質量部と、シリカフューム16〜30質量部とからなる高強度セメント組成物が開示されている。
本文献に開示されている技術では、J14ロートの流下時間を測定できるような材料ではなく、流動性に劣る。
低熱ポルトランドセメントを使用した場合、初期の発熱量が少ないため、温度応力が軽減できるが、低熱ポルトランドセメント特有の物性として、混練初期の短時間に流動性が著しく低下すること、水和反応が比較的緩慢であるために初期強度が低下する問題が生じる。それらの問題点を解決したグラウト材組成物及びグラウト材の開発が望まれていた。
特開2002−285153号公報 特開平8−268744号公報 特開2003−89563号公報 特開2005−170781号公報
従って、本発明の目的は、従来のグラウト材と比較して、同等以上の流動性を有しながらも、材料分離現象が防止でき、施工性に優れ、且つ補修後の断面の温度応力や乾燥収縮によるひび割れを抑制又は防止でき、早期強度発現性及び長期強度持続性を有するグラウト材組成物及び当該グラウト材組成物を用いたグラウト材を提供することである。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するため、特定の組成からなるグラウト材組成物を用いることにより、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の請求項1記載のグラウト材組成物は、低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、オキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩0.01〜0.1質量部、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ及び硫酸アルカリ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種0.5〜3質量部、乾燥収縮低減剤1〜5質量部及び細骨材100〜200質量部を配合してなることを特徴とする。
請求項2記載のグラウト材組成物は、請求項1記載のグラウト材組成物において、水硬性無機粉体中の低熱ポルトランドセメントとカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の配合割合が、質量比で95:5〜99:1であることを特徴とする。
請求項3記載のグラウト材は、上記本発明の請求項1および2記載のグラウト材に、水を混合してなることを特徴とするものである。
請求項4記載のグラウト材は、請求項3記載のグラウト材において、グラウト材組成物中の水硬性無機粉体100質量部に対し、水を30〜40質量部混合してなることを特徴とする。
本発明のグラウト材組成物を用いたグラウト材によれば、従来のセメント系グラウト材と比較して、同等以上の流動性を有しながらも、材料分離現象が防止でき、施工性に優れ、且つ補修後の断面の温度応力や乾燥収縮によるひび割れを抑制又は防止することが可能である。また、早期強度発現性及び長期の強度持続性についても優れた効果を有する。
本発明を最適例を用いて以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のグラウト材組成物は、低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、オキシカルボン酸もしくはオキシカルボン酸塩0.01〜0.1質量部、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ及び硫酸アルカリ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.5〜3質量部、乾燥収縮低減剤1〜5質量部及び細骨材100〜200質量部を配合してなるものである。
本発明のグラウト材組成物に用いるセメントとしては、低熱ポルトランドセメントであれば、特に限定されず、公知のもの又は市販品を1種又は2種以上混合して用いることができる。
2種以上を併用する場合には、混合割合は特に限定されず、適宜設定することができる。
ここで、本件明細書における低熱ポルトランドセメントとは、例えばJISに規定される一般的な低熱ポルトランドセメントをいうものである。
当該低熱ポルトランドセメントを用いることにより、普通ポルトランドセメントと比較して強度発現性は遅いが、水和反応が穏やかに進むので温度上昇速度が小さくなって、コンクリート構造体の温度上昇を抑え、自己収縮及び体積変化を小さくすることが可能となる。
従って、普通ポルトランドセメントの水和反応による温度上昇に伴うコンクリート構造体の体積変化を防ぐことができ、この体積変化によるコンクリートのひび割れなどの発生を抑制することができる。
具体的には、本発明のグラウト材組成物には、低熱ポルトランドセメントを用いているため、普通ポルトランドセメントを用いたグラウト材に比べて、水和活性が高くエンタルピーが大きい3CaO・SiO(CS)、3CaO・Al(CA)が少なく、水和活性が比較的低くエンタルピーが小さい2CaO・SiO(β−CS)が多いものであることから、低熱ポルトランドセメントを使用したグラウト材には、初期の水和にともなう発熱量が低くなるという効果があり、このことにより、温度応力によるひび割れを有効に防止することが可能となる。
このことは、一般にセメントの水和に伴い、水和熱が蓄積され、膨張するグラウト部材中心部と、熱放散の大きい表面部との温度差が大きくなり、表面部では内部拘束による引張応力が生じ、表面ひび割れが発生するので、温度応力によるひび割れを防止するには、発熱量の低いものであることが要され、後記する簡易断熱温度上昇試験により、そのことが明確となる。
更に、硬化体の収縮は、セメント水和物の生成にともなって硬化体中に毛細管が生成され、その毛細管水が蒸発するときに働く毛細管張力よる乾燥収縮と、水和前のセメントと水との合量よりも、水和して生成した水和物量の体積が物理的に小さくなることによって生じる自己収縮の双方が考えられ、低熱セメントを使用した場合には、初期水和が緩慢なため、毛細管空隙が少なくなることと、構成成分に自己収縮が大きいCS、CAが少ないことから、上記2つの収縮に対して有利に機能する。
当該低熱ポルトランドセメントには、当該分野で通常用いられる種々の混合材料が混合されていても良い。
例えば、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉、石英粉末、二水石膏、半水石膏、無水石膏等の公知のセメント混合材料を挙げることができる。
これら混合材料を混合する場合には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、混合割合は特に限定されず、適宜設定することができる。
本発明のグラウト材組成物に用いるカルシウムサルフォアルミネート系膨張材としては、修復後の断面を適度に膨張させ、乾燥収縮によるひび割れを補償することができるものであれば特に限定されず、公知のもの又は市販品を1種以上で用いることができる。
水硬性無機粉体としては、必要に応じて上記セメント混合材料を混合した低熱ポルトランドセメント及びカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の合計が100質量部となるように適宜調整すれば良い。
カルシウムサルフォアルミネート系膨張材の割合は、特に限定されないが、必要に応じて上記セメント混合材料を混合した低熱ポルトランドセメントとカルシウムサルフォアルミネートの合計量100質量部中、通常、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材は1〜5質量部程度が好ましく、1.5〜3質量部がより好ましい。
水硬性無機粉体中のカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の割合が上記範囲未満である場合には、乾燥収縮によるひび割れを効果的に補償することができない場合があり、また、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材の割合が上記範囲を超えると、補修後の断面が過度に膨張し、却ってひび割れが発生するおそれが生じる場合がある。
さらに本発明のグラウト材組成物においては、グラウト材の混練から打設までの極初期の流動性を確保する目的で、オキシカルボン酸及びその塩類を添加する。
これらの材料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酒石酸、酒石酸二ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウムが例示できる。
また、これらオキシカルボン酸類は、グラウト材の混練時に溶出するカルシウムイオンと反応して難溶性の塩を生成して、主に未水和セメント粒子表面を覆うため、セメントの水和反応を著しく阻害する。そのため、凝結時間が遅延し、添加量によっては初期強度不足により脱型時期が延びる弊害が生じる場合がある。
上記オキシカルボン酸類の添加量は、低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、オキシカルボン酸またはオキシカルボン酸塩を少なくとも1種以上用いてその合計量が0.005〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.08質量部であることがより好ましい。
オキシカルボン酸類の添加量が前記範囲未満であると、グラウト材の初期流動性の低下が著しく、前記範囲を超えると、セメントの凝結が著しく遅延する。
また、初期強度を補償する目的で、水和促進剤を添加する。
使用できる水和促進剤の種類は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸リチウム等が挙げられる。
前記水和促進剤の添加量は、低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリまたは硫酸リチウムを少なくとも1種以上用いてその合計量が0.1〜3質量部であることが好ましく、0.8〜2質量部であることがより好ましい。
上記水硬性促進剤の添加量が少なすぎるとオキシカルボン酸類によって生じる凝結遅延を補償することができず、多すぎるとグラウトの初期流動性を低下させる。
本発明のグラウト材組成物においては、前記したように必要に応じて上記セメント混合材料を混合した低熱ポルトランドセメントとカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の合計量100質量部に対し、1〜5質量部の乾燥収縮低減剤を添加する。
乾燥収縮低減剤の添加量が上記範囲未満の場合には、十分な乾燥収縮低減効果が発揮できず、一方、乾燥収縮低減剤の添加量が上記範囲を超えて多く添加しても乾燥収縮低減効果は殆ど変わらないため、経済的ではない。
乾燥収縮低減剤としては、グラウト材組成物中に含まれる水の表面張力を減少させることで、補修後の断面の乾燥収縮を抑制又は防止できるものであれば、特に限定されず、公知のもの又は市販品を用いることができる。
例えば、低級アルコールアルキレンオキシド付加物、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体、ポリエーテル、低分子量アルキレンオキシド共重合体を挙げることができ、これらの乾燥収縮低減剤は、単独又は2種以上で用いることができる。
2種以上を併用する場合には、その併用割合は特に限定されず、適宜設定することができる。
更に、本発明のグラウト材組成物においては、前記した水硬性無機粉体100質量部に対し、120〜200質量部の細骨材を添加する。
細骨材の添加量が前記範囲未満の場合には、グラウト材組成物中の単位セメント量が多くなり、温度応力により補修後の断面にひび割れが発生しやすくなる。
一方、細骨材の添加量が前記範囲を超える場合には、水/セメント比の上昇による乾燥収縮の増大、材料分離抵抗性の低下、グラウト材の強度発現性の低下等が生じやすくなる。
細骨材としては、補修後の断面(硬化体)の耐久性を低下させないものであれば、その材質は特に限定されず、公知のもの又は市販品を用いることができる。
細骨材としては、JAS S5に規定されるような、例えば、一般にモルタル又はコンクリート用の細骨材として知られている乾燥珪砂、石灰石砂、川砂、砕砂等を挙げることができる。
また、細骨材の粒度は、特に限定されず、適宜設定することができるが、通常5mm以下が好ましく、特に間隙への充填性を考慮する場合には、3mm以下のものがより好ましい。
なお、本発明のグラウト材組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、高性能減水剤、消泡剤、発泡剤等の公知の化学混和剤を混合することができる。
これら化学混和剤は、単独又は2種以上で用いることができ、化学混和剤の混合割合や2種以上を併用する場合の併用割合等は、限定的ではなく、適宜調整しながら用いることが好ましい。
本発明のグラウト材は、上記グラウト材組成物と水とを混練してなるものであって、好ましくは、グラウト材組成物中に含まれる水硬性無機粉体100質量部に対し、水30〜40質量部を添加し均一に混練することにより得られる。
本発明のグラウト材は、前記したグラウト材組成物に所定量の水を添加し、混練するだけで得られるものであり、グラウト材の施工現場までは、例えば袋詰めされたグラウト材組成物の状態で運搬し、施工時に所望量のグラウト材を効率よく調製することが可能である。
このようにして得られた本発明のグラウト材のフレッシュ性状は、下端内径がJ漏斗(J14漏斗)試験において、流下時間が6〜10秒の高流動性を供えるものであり、この値は、所定の流動性を得るために必要な範囲であり、10秒を超えると、充填に必要な高流動性が得られず、6秒未満では材料分離のおそれが生じる。
また、本発明のグラウト材は、混練後30分経過後であっても、下端内径がJ漏斗(J14漏斗)試験において、流下時間が6〜15秒の高流動性を備えるものであり、このことにより所定の作業性及び優れた施工性を確保することができる。
また、本発明のグラウト材は、後記する日本道路公団試験方法「JHS 312−1992」の規定に従って、φ5×10cmのグラウト材円柱供試体を作製し、材齢1日、4週後に測定した圧縮強度が、材齢1日で5N/mm以上であり、また、材齢4週目で35〜50N/mmである。このことにより、本発明のグラウト材は、早期強度発現性優れるとともに、長期の高強度維持性を備えるものである。
本発明を以下の実施例及び比較例により具体的に説明する。
(使用材料)
低熱ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
カルシウムサルフォアルミネート系膨張材(商品名「サクス」住友大阪セメント株式会社製)
乾燥収縮低減剤(商品名「テクタF#100」住友大阪セメント株式会社製)
炭酸リチウム(日本化学産業株式会社製)
グルコン酸ナトリウム(関東化学株式会社製)
乾燥珪砂(珪砂3号)
高性能減水剤(株式会社花王製マイティ100)
消泡剤(旭電化工業株式会社製アデカネートB211F)
水(水道水)
(実施例1および比較例1〜4)
表1に示す配合割合に従って、高速ハンドミキサーを用いて各材料及び水を混練し、グラウト材を調製した。
得られたグラウト材の流動性は、高性能減水剤及び消泡剤を添加して、J14ロート流下時間が8±2秒以内(適正範囲)となるように調整した。
当該高性能減水剤添加量を増加させると、グラウト材の流動性が向上すると同時に空気の混入量が増加するので、その連行空気の脱泡を目的に消泡剤は添加されるものである
高性能減水剤の添加による流動性の評価はJ14ロート、脱泡に十分な消泡剤が添加されているかは表1の単位容積質量の測定により評価される。
その具体的な調整方法は、まず高性能減水剤のみを添加することでJ14流下時間を適正範囲に調整し、そのときの単位容積質量を測定し、次に、消泡剤を添加して単位容積質量が増加する上限値の添加量を決定することにより行なう。
但し、J14ロート流下時間によるグラウト材の流動性の調整は、日本道路公団試験方法「JHS 312−1992」の規定に従って行い、実施例1及び比較例1〜4で得られたJ14ロート流下時間は、表1に示す。
次に、流動性を適正範囲に調整した上記各実施例1、比較例1〜4のグラウト材に対し、(1)材料分離抵抗性試験、(2)圧縮強度試験、(3)簡易断熱温度上昇試験、(4)乾燥収縮試験の各試験を、20℃の恒温室において以下の方法に従い実施し、その結果を表1に示す。
(各試験の実施方法)
(1) 材料分離抵抗性試験
充分に混練したグラウト材を内容積5リットルの容器に入れ、混練後1時間静置し、細骨材の分離及びブリーディングの有無を視覚で確認した。
(2) 圧縮強度試験
日本道路公団試験方法「JHS 312−1992」の規定に従って、φ5×10cmのグラウト材円柱供試体を作製し、材齢1日、4週後における圧縮強度を測定した。
(3) 簡易断面温度上昇試験
φ10×20cmの円柱型枠にグラウト材を打設し、厚さ10cmの発泡スチロールで密閉した容器中に静置し、グラウト材の中心部の最高到達温度を熱電対により測定した。
(4)長さ変化試験(乾燥収縮試験)
JIS A 1129−3:2001「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法−第3部ダイヤルゲージ法」の規定に従って4×4×16cmの供試体を作製し、材齢1日、1週、4週、8週、13週の長さ変化を測定した.
Figure 2007254183
比較例1では、炭酸アルカリ化合物である炭酸リチウムを配合していないため、初期の圧縮強度が劣ることが確認された。
また、比較例2及び比較例3では、オキシカルボン酸であるグルコン酸ナトリウムが配合されていないので、得られたグラウト材の初期流動性が上記した適正範囲であるにも関わらず、30分経過後の流動性が著しく損なわれた。
比較例4では、普通ポルトランドセメントを使用した配合のため、低熱ポルトランドセメントを使用した場合に比べて簡易断熱温度上昇が大きくなり、長さ変化率が大きくなった。
一方、実施例1では、グラウト材の流動性が適正範囲(J14ロート流下時間8±2秒)である場合に、乾燥珪砂(細骨材)の分離及びブリーディングは全く確認されなかった。
簡易断熱温度上昇試験においては、グラウト材中心部の最高温度は、50℃未満であり、温度応力によるひび割れも効果的に抑制又は防止できるものである。
また、長さ変化試験についても、低熱ポルトランドセメントを使用することによって、普通ポルトランドセメントを使用した比較例4よりも優れた結果となっている。
更に、圧縮強度について、初期強度に優れるとともに長期強度においても優れるものであることがわかる。
本発明のグラウト材は、コンクリート構造物、特に、鉄筋コンクリート構造物からなる橋脚の耐震補強や道路床版の下面増圧工法によるコンクリート構造物の補修・補強に有効に用いることが可能である。

Claims (4)

  1. 低熱ポルトランドセメントおよびカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を含む水硬性無機粉体100質量部に対し、オキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩0.01〜0.1質量部、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ及び硫酸アルカリ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種0.5〜3質量部、乾燥収縮低減剤1〜5質量部及び細骨材100〜200質量部を配合してなることを特徴とする、グラウト材組成物。
  2. 請求項1記載のグラウト材組成物において、水硬性無機粉体中の低熱ポルトランドセメントとカルシウムサルフォアルミネート系膨張材との配合割合が、質量比で95:5〜99:1であることを特徴とする、グラウト材組成物。
  3. 請求項1または2記載のグラウト材組成物に、水を混合してなることを特徴とする、グラウト材。
  4. 請求項3記載のグラウト材において、グラウト材組成物中の水硬性無機粉体100質量部に対し、水を30〜40質量部混合してなることを特徴とする、グラウト材。
JP2006078123A 2006-03-22 2006-03-22 グラウト材組成物及びグラウト材 Pending JP2007254183A (ja)

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