JP2007253992A - 光学フィルム重畳体の包装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光学フィルムを複数枚積み重ねた光学フィルム重畳体を包装フィルムで包装する方法は、上下2枚の包装フィルム間に、上下に保護シートを配置した光学フィルム重畳体を挿入する工程、該光学フィルム重畳体の周囲をヒートシールすると共に溶断してフィルム包装体とする工程および該フィルム包装体を加熱して表面の包装フィルムを熱収縮させる工程を有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
これを防止するために、光学フィルム重畳体を帯状の紐環で緊締した後、包装フィルムで包装する方法が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法は手間がかかるという問題を有しており、より簡単で、光学フィルム重畳体の型崩れを起こすことなく、更にはホコリなどの異物が混入したり、接着層が包装フィルムに付着して接着層が欠けたり、光学フィルムの表面に接着剤が付着するという不具合を起こさない光学フィルム重畳体の包装体が望まれている。
光学フィルム重畳体の端から、光学フィルム重畳体長さの10〜25%の長さの間隔を開けてヒートシールすることを特徴とする上記の光学フィルム重畳体の包装方法である。
90〜120℃の熱風を、光学フィルム重畳体の上下から、0.5〜2Nm3/cm2×hrで10〜30秒当てて加熱することを特徴とする上記の光学フィルム重畳体の包装方法である。
光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも一種のフィルムである上記の光学フィルム重畳体の包装体である。
また、光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも二種のフィルムの積層体である上記の光学フィルム重畳体の包装体である。
更には、上記のいずれかに記載の方法によって得られた光学フィルム重畳体の包装体である。
位相差フィルムは、例えばポリカーボネート系樹脂フィルムを延伸することで得られる一軸配向フィルムなどが使用され、その厚みは通常30〜100μm程度である。
また、特定の角度からの入射光は散乱し、それ以外の角度からの入射光はそのまま透過する性質を有する光制御フィルムなどのような方向性を有するフィルムも挙げられる。このような光制御フィルムとしては、住友化学株式会社製の“ルミスティー(登録商標)”が例示される。
さらに、光学フィルムは光制御フィルムと偏光板、位相差板との積層フィルムであってもよい。かかる光学フィルムの形状は、目的とする液晶表示装置の画面サイズに対応する大きさの矩形に加工されることが多い。
帯電防止処理する方法は既知の手法が採用される。例えば、帯電防止剤を包装フィルムにコーティングする方法などが例示される。コーティングする場合は、包装フィルムの片面もしくは両面にコーティングする場合があるが、片面にコーティングするだけでも実効性のあるホコリ付着防止能が発現されれば、その方が経済的に有利なので片面にコーティングする方を好ましく採用してもよい。
帯電防止剤を包装フィルムに含有させる方法は、例えば、包装フィルムの基材に帯電防止剤を混練して、包装フィルムに成形する方法などが例示される。
帯電防止剤としては、陰イオン性界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホネート、高級アルコール硫酸エステルなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及びアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、アルキルアミドのエチレンオキサイド付加物など)、陽イオン性界面活性剤(例えば、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩など)、両性界面活性剤(例えばイミダゾリン型、ベタイン型など)を用いることができる。中でも、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、アルキルアミドのエチレンオキサイド付加物、およびベタイン型両性界面活性剤などが好ましい。
離型処理する方法は既知の手法が採用される。例えば、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系、ふっ素系や長鎖アルキル系等の適宜な離型剤をコーティングする方法が例示される。コーティングの方法としてはバーコート法、ドクターブレード法、リバースロールコート法、グラビアロールコート法、スピンコート法など、従来から知られている方法が利用できる。これら離型剤は、熱硬化、紫外線硬化や電子線硬化などで基材に固定化することができる。
アンチブロッキング剤は公知のものが制限なく採用できる。アンチブロッキング剤の粒径は0.1〜50μm程度が好ましく、素材はケイ酸アルミニウム、珪藻上、熱的に調製した二酸化ケイ素、コロイド状シリカゲル、マイクロシリカ、軽長石、カオリン、タルク、セメント、炭酸カルシウムおよびヒドロケイ酸マグネシウムなどの無機粒子、アクリル系モノマーおよび/またはスチレン系モノマーを主体とする架橋ポリマービーズなどが例示される。
アンチブロッキング剤を含有するフィルムとして、特開平8−225655号公報に記載の架橋ポリマービーズを含有する延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましく用いられる。
保護シートとしては、光学フィルム重畳体より剛性が高いものであれば、特に制限されるものではないが、ポリスチレン製シートが好ましく用いられる。滑り性を向上させるため、表面に微細な梨地模様があるシートが好ましく用いられる。また保護シートの厚さは、約0.5〜5mmのものが用いられる。
上下に配置された包装フィルム12がローラーを介して、およびコンベア13によって搬送される。上面および下面に保護シート(図示していない。)を配置した光学フィルム重畳体10がコンベアで搬送され、包装フィルムの間に挿入される。図3においては半折りフィルムが使用されており、半折フィルムの折り返し部は(A)図の奥側、(B)図の
上側にあり、(A)図の前側、(B)図の下側が開いている。この開いている部分から搬送された保護シートを配置した光学フィルム重畳体10が挿入される。
図3では、包装フィルムの搬送方向に対して直角方向から光学フィルム重畳体を挿入しているが、包装フィルムを搬送方向を途中で変更する等して、包装フィルムの搬送方向から光学フィルム重畳体を挿入するようにすることも可能である。
この際、光学フィルム重畳体の端から、光学フィルム重畳体の長さの約10〜25%、好ましくは約15〜20%の長さの間隔を開けてシールする。例えば、20インチの光学フィルムの場合、長さ方向に約7mm、幅方向に約4mm、32インチの光学フィルムの場合、長さ方向に約11mm、幅方向に約6mm、40インチの光学フィルムの場合、長さ方向に約18mm、幅方向に約10mmの間隔を開けてシールする。
間隔が光学フィルム重畳体の長さの約10%より小さくなるとヒートシールの際に光学フィルム重畳体に熱損傷を生じさせることがあり、また熱収縮させた際に収縮力によって光学フィルム重畳体に反りを生じさせることになり好ましくない。また、間隔が約25%より大きくなると、熱収縮しても包装フィルムと光学フィルム重畳体との間が空いて光学フィルムのずれが生じて好ましくない。
熱風量を、光学フィルム重畳体の単位面積当りの風量で表して、約0.5〜2Nm3/cm2×hr、好ましくは約1〜1.5Nm3/cm2×hrで、約10〜30秒、好ましくは約15〜20秒当てて行う。
図3に示すと同様の包装装置を用いて、光学フィルム重畳体を包装した。
(1)光学フィルム重畳体:偏光フィルムSRF862APG6-S/81(住友化学株式会社製)を長さ400mm×幅300mmに切断し、20枚重ねたものを準備した。
(2)包装フィルム:ポリエチレン製のシュリンクフィルム(大倉工業株式会社製)、厚みが15μmで、半折りした幅が500mm。
(3)保護シート:長さ400mm×幅300mm×厚さ1mm、表面に梨地模様付き。
(4)包装機:L型包装機(株式会社ニッサンキコー製)
これを熱風炉に挿入し、上下から約100℃の熱風を約1Nm3/cm2×hrで、約18秒間、フィルム包装体に当てて、包装フィルムを熱収縮させた。
得られた光学フィルム重畳体の包装体は、光学フィルム重畳体と包装フィルムの間隔は殆どなく、また光学フィルムの反りも見られなかった。
この光学フィルム重畳体の包装体の入ったダンボール箱を高さ1mから落とす落下試験を50回繰り返した。試験後、包装体の外観および中身を確認した。その結果、包装体の外観は良好で落下試験前の包装形態を維持できていた。また、異物や光学フィルムの接着層の付着もなく、光学フィルムには特に不具合が見あたらなかった。
2 接着層
3 保護フィルム
4 剥離フィルム
5 接着層を有する光学フィルム
6 光学フィルム重畳体
7 包装フィルム
10 光学フィルム重畳体
11 包装フィルム
13 コンベア
14 ヒートシーラー
15 熱風炉
16 光学フィルム重畳体の包装体
Claims (6)
- 光学フィルムを複数枚積み重ねた光学フィルム重畳体を包装フィルムで包装する方法であって、上下2枚の包装フィルム間に、上下に保護シートを配置した光学フィルム重畳体を挿入する工程、該光学フィルム重畳体の周囲をヒートシールすると共に溶断してフィルム包装体とする工程および該フィルム包装体を加熱して表面の包装フィルムを熱収縮させる工程を有することを特徴とする光学フィルム重畳体の包装方法。
- 光学フィルム重畳体の端から、光学フィルム重畳体長さの10〜25%の長さの間隔を開けてヒートシールすることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム重畳体の包装方法。
- 90〜120℃の熱風を、光学フィルム重畳体の上下から、0.5〜2Nm3/cm2×hrで10〜30秒当てて加熱することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム重畳体の包装方法。
- 光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも一種のフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム重畳体の包装方法。
- 光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも二種のフィルムの積層体である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム重畳体の包装方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法によって得られた光学フィルム重畳体の包装体。
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