JP2007253966A - 包装ケース - Google Patents

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裕 瀬戸上
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【課題】蓋部を容易に開封することができ、且つ異物の侵入や被梱包物の漏出を防止可能な包装ケースを提供する。
【解決手段】差し込み片3と重なる箱体1の側面上端には円弧状の切り欠き部5が形成されており、差し込み片3には、円弧状の切り込み8で囲まれた押し込み片9が切り欠き部5と対面する箇所に設けられている。この押し込み片9を内側に押し込むことにより、蓋部2を持ち上げるための指掛け孔6を形成する。切り込み8は切り欠き部5よりも大きく形成されており、蓋部2を閉じた状態では押し込み片9が外側に突出しないようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子機器等のような製品を梱包する段ボール箱等の包装ケースに関し、特に差し込み片を有する蓋部の開閉機構に関するものである。
従来、箱体の蓋部に差し込み片が形成された紙製又は段ボール製の包装ケースが広く用いられている。このような包装ケースの構造を図7に示す。包装ケース100は、上面が開口した箱体1と、箱体1の開口端の一辺に延設された蓋部2と、蓋部2の一端を折り曲げて形成された差し込み片3とを有し、蓋部2を閉じたとき差し込み片3を箱体1の開口4の内側に差し込むことにより、蓋部2を閉状態に保持可能となっている。
このような包装ケースにおいては、蓋部2に手指を引っ掛ける箇所がないため、蓋部2を開封し難いという問題点があった。そこで、従来は開封性の向上を図るため、例えば図8に示すように、差し込み片3と重なる箱体1の側面上端に切り欠き部5を形成し、差し込み片3の切り欠き部5と対面する箇所に指掛け孔6を設けることにより、切り欠き部5を介して指掛け孔6に指を掛けて蓋部2を開封できるようにしたものや、図9に示すように、差し込み片3を形成する前の蓋部2に切り込みを入れておき、差し込み片3を折り曲げ形成する際に切り起こし7を形成することにより、切り起こし7に指を掛けて蓋部2を開封できるようにしたものが用いられていた。
しかし、図8のような包装ケースでは、梱包状態で指掛け孔6が開いているため、ごみや異物が侵入したり、被梱包物が小型の部品等である場合は指掛け孔6を介して外部に漏出したりするおそれがあった。また、図9のような包装ケースでは、図9(b)に示すように、蓋部2を閉じた状態で切り起こし7が包装ケース100の前面に突出するため、デザイン上も好ましくない上、例えば包装ケース100を前後方向に並べて陳列する場合や、複数の包装ケース100をまとめて大型の梱包ケースに収納する場合に、切り起こし7が隣接する箱体1に干渉して包装ケース100を整列できないという問題点があった。
なお、蓋部の開封を容易にする方法としては、例えば特許文献1には、複数の段ボール製の個別ケースに蓋体を被せて成る連結ケースにおいて、個別ケースの側面上端部に指掛け孔を形成し、この指掛け孔と重なり合う蓋体の対面箇所にミシン目で囲まれた押し込み片を形成することにより、押し込み片を押し込んで個別ケースの天面壁と蓋体の天面壁とを同時に剥ぎ取る方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、蓋体と共に個別ケースの天面壁が剥ぎ取られてしまうため、図7〜図9のように繰り返し開閉可能な蓋部2を有する包装ケースに適用することはできなかった。
特開平7−205971号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、蓋部を容易に開封することができ、且つ異物の侵入や被梱包物の漏出を防止可能な包装ケースを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも一面が開口した箱体と、該箱体の開口端の一辺に延設される開閉可能な蓋部と、該蓋部の端部を折り曲げて形成され前記開口端に差し込むことにより前記蓋部を閉状態に保持する差し込み片と、を有する包装ケースにおいて、前記差し込み片と重なる前記箱体の側面上端に切り欠き部を形成するとともに、前記差し込み片の前記切り欠き部と対面する箇所に指掛け孔を形成可能な押し込み片を、前記切り欠き部の端縁の少なくとも一部に重なるように設けたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装ケースにおいて、前記押し込み片は、前記切り欠き部の端縁全周に重なるように形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装ケースにおいて、前記押し込み片は、先端に向かって幅が狭くなる形状であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装ケースにおいて、前記押し込み片はミシン目で囲まれており、前記ミシン目を破断することにより前記指掛け孔を形成可能としたことを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、切り欠き部から指で押し込み片を内側に押し込んで指掛け孔を形成し、指掛け孔に指を引っ掛けて蓋部を持ち上げることにより、蓋部を容易に開封することができる。また、蓋部を閉じた状態では押し込み片により指掛け孔が塞がれているため、外部からの異物の侵入や、内容物の外部への漏出を防止できる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の包装ケースにおいて、押し込み片を切り欠き部の端縁全周に重なるように形成することにより、押し込み片と切り欠き部との間に隙間が生じ難くなる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の包装ケースにおいて、押し込み片を先端に向かって幅が狭くなる形状とすることにより、押し込み片と共に差し込み片を箱体内に挿入する際の押し込み片と切り欠き部端縁との干渉が低減されるため、差し込み片を箱体内に円滑に挿入できる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の包装ケースにおいて、押し込み片をミシン目で囲んでおき、このミシン目を破断して指掛け孔を形成することにより、箱体への差し込み片の挿入の際に押し込み片が外側に浮き上がるおそれがなく、包装作業性が向上する。また、外力により押し込み片が容易に内側に倒れ込まないため、異物の侵入や内容物の漏出を一層効果的に防止できる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る包装ケースの構成を示す斜視図であり、図2は蓋部2を閉じた状態を示す正面図である。従来例の図8と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図1に示すように、差し込み片3と重なる箱体1の側面上端には図8と同様の円弧状の切り欠き部5が形成されており、差し込み片3には、円弧状の切り込み8で囲まれた押し込み片9が切り欠き部5と対面する箇所に設けられている。また、図2に示すように、押し込み片9の外周部が切り欠き部5の端縁に重なるように、切り込み8は切り欠き部5よりも大きく形成されている。
次に、図3を用いて本実施形態の包装ケースの開封操作を説明する。図3(a)は蓋部2が閉じられた状態を示す側面断面図(図2のAA′断面)であり、差し込み片3は箱体1の内側(図の右側)に差し込まれている。押し込み片9の端部は切り欠き部5の端縁に内側から重なっており、押し込み片9が外側(図の左側)に突出しないように構成されている。
蓋部2を開ける場合は、図3(b)のように、切り欠き部5から指で押し込み片9を矢印B方向に押し込むことにより指掛け孔6を形成する。そして、指掛け孔6に指を引っ掛けて蓋部2を矢印C方向に持ち上げる。これにより、蓋部2を容易に開封することができる。また、図3(a)に示す蓋部2を閉じた状態では、押し込み片9により指掛け孔6が塞がれているため、外部から異物が侵入したり、内容物が外部に漏れ出たりするのを防止できる。
なお、押し込み片9は外周縁が切り欠き部5の端縁全周に重なっている必要はなく、例えば図4に示すように、切り込み8によって矩形状の押し込み片9を形成し、押し込み片9の両端部のみが切り欠き部5の端縁に内側から重なるようにしても良い。即ち、押し込み片9が切り欠き部5の端縁の少なくとも一部に重なるようにすれば、外部への押し込み片9の突出を防止可能となる。しかし、切り込み8の一部が切り欠き部5から露出するため、押し込み片9に外力が加わると切り欠き部5との間に隙間が生じ易くなる。そのため、図2のように押し込み片9の外周縁が切り欠き部5の端縁全周に重なる構成とすることが好ましい。
また、切り欠き部5及び押し込み片9の形状についても特に制限はないが、差し込み片3を箱体1に挿入する際に押し込み片9が外側に浮いていると、箱体1の開口端と干渉して差し込み片3を円滑に挿入できない場合がある。そこで、押し込み片9を円弧状に形成しておけば、図5(a)のように切り欠き部5が矩形の場合でも、図5(b)のように差し込み片3を箱体1内に所定量挿入した状態で、押し込み片9の外周縁の一部を切り欠き部5の両角部10の内側に潜り込ませた後、さらに差し込み片3を挿入れば良いため、差し込み片3の挿入開始時に押し込み片9を内側に押さえておく必要がなく、より円滑な挿入が可能となる。なお、押し込み片9の先端に向かうほど細くなるような形状であれば、円弧状に限らず逆台形状や多角形の一部のような形状であっても良い。
図6は、本発明の第2実施形態に係る包装ケースの構成を示す斜視図である。第1実施形態の図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態においては、押し込み片9は切り込み8ではなくミシン目11で囲まれている。そして、蓋部2を開ける場合は、切り欠き部5を介して外側から押し込み片9を指で押さえ、ミシン目を破断する。これにより、第1実施形態と同様に指掛け孔6が形成され、蓋部2の開封が容易となる。
さらに、本実施形態では押し込み片9と差し込み片3とが予めミシン目11により一体化されているため、箱体1への差し込み片3の挿入の際に押し込み片9が外側に浮き上がるおそれがなく、包装作業性が向上する。また、外力により押し込み片9が容易に内側に倒れ込まないため、異物の侵入や内容物の漏出を一層効果的に防止することができる。従って、内容物が漏出し易い小型の部品等である場合、或いは医薬品や食品等のように高い密封性が要求される場合に好適に用いることができる。
ミシン目11のピッチについては特に制限はないが、ミシン目のピッチが狭くなる程外力を受けた場合に破断し易くなるため、押し込み片9を押し込んで指掛け孔6を形成し易くなる反面、剛性は低下するため、小さな衝撃によりミシン目の破断が生じ易くなる。そのため、包装ケースの材質や要求される剛性、及び開け易さの程度等に応じて適宜設定すれば良い。また、切り欠き部5及び押し込み片9の形状や大きさについては第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、箱体1の上端に開口4が設けられており、蓋部2も上端一箇所に設けているが、箱体1の上下に開口を設けて上下二箇所に蓋部2を設けても良い。また、蓋部2が容易に開封しないように箱体1の内面と差し込み片3とを数カ所接着しておいても良い。
本発明は、少なくとも一面が開口した箱体と、該箱体の開口端の一辺に延設される開閉可能な蓋部と、該蓋部の端部を折り曲げて形成され開口端に差し込むことにより蓋部を閉状態に保持する差し込み片と、を有する包装ケースにおいて、差し込み片と重なる箱体の側面上端に切り欠き部を形成するとともに、差し込み片の切り欠き部と対面する箇所に指掛け孔を形成可能な押し込み片を、切り欠き部の端縁の少なくとも一部に重なるように形成したものである。
これにより、蓋部を容易に開封することができ、外部からの異物の侵入や、内容物の外部への漏出を防止可能な包装ケースを簡便且つ低コストで提供することができる。また、、押し込み片を切り欠き部の端縁全周に重なるように形成すれば、押し込み片と切り欠き部との間に隙間が生じ難くなり、異物の侵入や内容物の漏出がさらに抑制される。さらに、押し込み片を円弧状や逆台形状等の先端に向かって順次細くなる形状とすれば、押し込み片を差し込み片と共に円滑に挿入可能となる。
また、押し込み片の少なくとも一部をミシン目で囲み、このミシン目を破断して指掛け孔を形成する場合、押し込み片が差し込み片と一体化されるため、包装作業性が向上する。また、外力により押し込み片が容易に内側に倒れ込まないため、異物の侵入や内容物の漏出を一層効果的に防止可能となり、特に小型部品や医薬品、食品等に好適な包装ケースとなる。
は、本発明の第1実施形態に係る包装ケースの構造を示す斜視図である。 は、第1実施形態の包装ケースの蓋部を閉じた状態を示す正面図である。 は、第1実施形態の包装ケースの開封操作を説明する部分断面図である。 は、第1実施形態の包装ケースの他の構成例を示す部分拡大図である。 は、第1実施形態の包装ケースの他の構成例を示す部分拡大図である。 は、本発明の第2実施形態に係る包装ケースの構造を示す斜視図である。 は、従来の包装ケースの構造を示す斜視図である。 は、従来の包装ケースの他の構造を示す斜視図である。 は、従来の包装ケースの他の構造を示す斜視図及び側面図である。
符号の説明
1 箱体
2 蓋部
3 差し込み片
4 開口
5 切り欠き部
6 指掛け孔
8 切り込み
9 押し込み片
11 ミシン目
100 包装ケース

Claims (4)

  1. 少なくとも一面が開口した箱体と、該箱体の開口端の一辺に延設される開閉可能な蓋部と、該蓋部の端部を折り曲げて形成され前記開口端に差し込むことにより前記蓋部を閉状態に保持する差し込み片と、を有する包装ケースにおいて、
    前記差し込み片と重なる前記箱体の側面上端に切り欠き部を形成するとともに、前記差し込み片の前記切り欠き部と対面する箇所に指掛け孔を形成可能な押し込み片を、前記切り欠き部の端縁の少なくとも一部に重なるように設けたことを特徴とする包装ケース。
  2. 前記押し込み片は、前記切り欠き部の端縁全周に重なるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
  3. 前記押し込み片は、先端に向かって幅が狭くなる形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装ケース。
  4. 前記押し込み片はミシン目で囲まれており、前記ミシン目を破断することにより前記指掛け孔を形成可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装ケース。
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