JP2007253284A - 真空チャック及びこれを用いた真空吸着装置 - Google Patents

真空チャック及びこれを用いた真空吸着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェハやガラス基板を汚染から防止するとともに、載置部と支持部とを強固に接合した信頼性の高い真空チャックを提供すること。
【解決手段】少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Tiを5質量%以下(0質量%を除く)で含有すること。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハやガラス基板等の被処理物を研磨するために、これら被処理物を吸着保持する真空チャック及びこれを用いた真空吸着装置に関するものである。
従来より、半導体ウェハのデバイス形成面の裏面を研削するために吸着面を備え、この吸着面上に真空吸引することで半導体ウェハを固定する真空チャックを備えた真空吸着装置と、半導体ウェハをグラインド加工するダイヤモンドホイールとを備えるウエハ研削装置が用いられている。
真空吸引により吸着面に固定された半導体ウェハは、ダイヤモンドホイールで研削されるが、加工された面には通常加工変質層が発生する。近年、半導体ウェハの極薄化に伴い、加工変質層の影響が相対的に大きくなり、半導体ウェハから半導体素子を形成する工程で、この加工変質層の影響を受け、半導体素子にクラックが入りやすいという問題が顕在化しつつある。
近年では前記加工変質層を除去するため、半導体ウェハのデバイス形成面の裏面を、例えば砥粒が付着した研磨布で磨くというドライポリッシュ方式による追加研磨が提案されている。当初、ドライポリッシュ方式のウエハ研磨装置と組み合わせて用いられる真空吸着装置には、ウエハ研削装置と組み合わせて用いられたアルミナ質焼結体を吸着部材とする真空吸着装置を転用していたが、アルミナ質焼結体の熱伝導率が低いために、ダイヤモンドホイールによる研削中に半導体ウエハから十分熱を逃がすことができず、デバイス形成面を保護するために用いられていた樹脂フィルムが溶けて、デバイス形成面が損傷するという問題が発生していた。
この問題を解決するために炭化珪素の高い熱伝導性に注目し、以下の特許文献1及び2では炭化珪素質焼結体を吸着部材とする真空チャックが提案されている。
具体的には特許文献1では、半導体ウェハやガラス基板を真空吸着するための炭化珪素を主成分とした多孔質体からなる円板形状の載置部と、この載置部を支持するための炭化珪素を主成分とした緻密質体からなる支持部との間に、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等を塗布し、1100〜1250℃で溶融することで、載置部と支持部とを接合した真空チャックが提案されている。
特許文献2では、半導体ウェハやガラス基板を真空吸着する炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる円板形状の載置部と、この載置部を支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部との間に、Al,SiO,NaO−SiO,NaO−CaO−SiO,KO−CaO−SiO,KO−PbO−SiO,BaO−SiO−B,NaO−B−SiO等の成分に非酸化物系セラミックス粉末を配合したガラスを挿入し、1000℃で溶融することで、空気の透過を遮断する空気不透過層を形成した真空吸着チャックが提案されている。
特開2002−373873号公報 特開2005−279789号公報
しかしながら、特許文献1で提案されるように、炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる円板形状の載置部と、この載置部を支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部をケイ酸ガラスで接合しようとすると、ケイ酸ガラスの溶融温度は1700℃であるために、この温度までケイ酸ガラスを加熱しなければならない。
しかしながら、この温度では載置部および支持部は酸化し、この酸化に伴って載置部や支持部から気泡が発生する。そして、支持部表面には気泡が残りやすく、この気泡が空隙となって接合を妨げ、載置部と支持部との接合強度を低くするという問題があった。
また、載置部と支持部とをホウケイ酸ガラスで接合した場合、ケイ酸ガラスより溶融温度は低くなるものの、ホウケイ酸ガラスには通常NaO,KO等のアルカリ金属酸化物が含まれるため、ガラス溶融中、これらアルカリ金属酸化物が溶出して吸着面に付着し、真空吸着された半導体ウェハやガラス基板を汚染するという問題があった。
また、特許文献2で提案されるように、NaO−SiO,NaO−CaO−SiO,KO−CaO−SiO,KO−PbO−SiO,BaO−SiO−B,NaO−B−SiO等の成分非酸化物系セラミックス粉末を配合したガラスを用いた場合、膨潤等の形状変化を起こしにくいものの、上述と同様、アルカリ金属酸化物が含まれるため、ガラス溶融中、これらアルカリ金属酸化物が溶出して、吸着面に付着し、真空吸着された半導体ウェハやガラス基板を汚染するという問題があった。
さらに、特許文献1および特許文献2で提案されたいずれのガラスを用いた場合も、1000℃以上で溶融しているため、載置部や支持部は酸化する。そして、この酸化に伴って、載置部や支持部から気泡が発生して、表面に残った気泡が接合を妨げ、載置部と支持部との接合強度を低くするという問題があった。
本発明は、半導体ウェハやガラス基板を汚染から防止するとともに、載置部と支持部とを強固に接合した信頼性の高い真空チャックおよびこれを用いた真空吸着装置を提供することを目的とする。
上記に鑑みて本発明は、少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Tiを5質量%以下(0質量%を除く)で含有することを特徴とする。
さらに少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Baを6質量%以下(0質量%を除く)、Srを5質量%以下(0質量%を除く)で含有することを特徴とする。
さらに前記結合層における重金属とアルカリ金属の合計の比率が300質量ppm以下(0質量ppmを除く)であることを特徴とする。
さらに前記真空チャックを断面視したとき、前記支持部と結合層のなす界面の長さの合計に対して、前記支持部と結合層の間の空隙部の長さの合計の占める割合が45%以下であることを特徴とする。
さらに前記載置部と支持部との間の接合強度が40kg・cm以上であることを特徴とする。
さらに前記結合層の厚みが5〜100μmであることを特徴とする。
本発明の真空チャックに依れば、1000℃未満の低温でガラスが溶融可能なので、1000℃以上の高温接合で発生していた載置部および支持部の各接合面の酸化は抑制される。その結果、酸化に伴って発生していた気泡の発生が抑えられ、載置部と支持部を強固に接合することができる。
また、結合層からこれら汚染物の流出量は著しく減少するので、半導体ウェハやガラス基板を汚染しにくくなる。
また、ガラスの軟化温度に対する適正温度での接合を制御管理することで、半導体ウェハまたはガラス基板を真空吸着する載置部の吸着面に対し、垂直な断面における支持部と接合する結合層の空隙部の長さの比率を45%以下とし、支持部、結合層間の接合されていない部分が減少するので、載置部、支持部間の接合強度を高くすることができる。
また、前記載置部、支持部間の接合強度を40kg・cm以上とすると、半導体ウェハやガラス基板を真空吸着する面の平坦度を維持するためにこの面を研磨しても、載置部が支持部からはずれるようなことはなくなるので、信頼性を高いものにすることができる。
また、結合層はガラスから形成されるため、炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる載置部や、炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部よりも熱伝導率が低いため、結合層の厚みが5〜100μmと薄い場合は特に、熱の移動が滞ることなく支持部から効率的に放熱することができる。
また、本発明の真空吸着装置は、載置部と支持部が強固に接合された前記真空チャックを吸着部材として用いているので、信頼性が高く、好適である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の真空チャックの一実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は同図(a)のA−A線における断面図である。
本発明は、少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Tiを5質量%以下(0質量%を除く)で含有することが重要である。
または少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Baを6質量%以下(0質量%を除く)、Srを5質量%以下(0質量%を除く)で含有することが重要である。
たとえば、前記結合層はSiOが30〜65質量%、Alが10〜40質量%、Bが10〜20質量%、CaOが4〜5質量%、MgOが1〜5質量%、TiOが0〜5質量%、BaOが0〜6質量%およびSrOが0〜5質量%のガラスなどである。
本発明の真空チャック1は、半導体ウェハまたはガラス基板を真空吸着する炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる載置部2と、該載置部2を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部3とをガラス状の結合層4で接合したものである。
載置部2は円板形状をなし、吸着作用をなす気孔2aが連続した三次元網目構造を有する多孔質体であって、高い熱伝導性および機械的特性が要求されることから炭化珪素を主成分としている。そして、載置部2の吸着面2bに半導体ウェハやガラス基板(いずれも不図示)が置かれ、真空ポンプ(不図示)により、気孔2aを介して吸引することで固定されるようになっている。
また、支持部3は中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体であって、載置部2をガラスからなる結合層4により凹部3a内で固定、支持するものであり、載置部2と同様、高い熱伝導性および機械的特性が要求されることから炭化珪素を主成分としている。
なお、本発明における主成分とは、載置部2および支持部3を構成する成分のうち70質量%以上、好適には75質量%以上を占める成分をいう。
そして、載置部2の吸着面2bと支持部3の凹部3aを形成する隔壁の頂面3bとは同一平面上に位置するように構成してあり、吸着面2bは平坦度を維持するために使用頻度に応じて研磨される。支持部3の内部には気孔2aと連通する吸引通路3cが形成され、排気の通路とされている。支持部3の外周縁にはフランジ部3dが備えられ、ネジ止めや係合等の手段によりフランジ部3dを各種装置に取り付けるようになっている。
ガラスの構成成分のうち、SiOはガラスの骨格を形成するための主成分であって、
SiOの含有量が少な過ぎると、耐候性が低下したり、熱膨張係数が大きくなったりする。逆に、SiOの含有量が多過ぎると溶融性が悪くなるとともに結合相にトリジマイトやクリストバライトが異物として失透しやすくなる。
本発明では、結合相中SiOの比率を30〜65質量%とすることで、耐候性を低下させず、ガラスの熱膨張係数と炭化珪素の熱膨張係数との差を小さくすることができるとともに、トリジマイトやクリストバライトの失透を防止することができる。
Alはガラスの耐熱性、耐失透性を高める成分であって、Alの含有量が少な過ぎると、ガラスの耐熱性が低下したり、失透による異物が発生したりする。逆に、Alの含有量が多過ぎると、ガラスの溶融性が低下する。
本発明では、結合相中、Alの比率を10〜40質量%とすることで、耐候性、溶融性ともに低下させず、失透による異物の発生を防止することができる。
は融剤として働き、粘性を下げ、ガラスの溶融性を改善する成分であって、Bの含有量が少な過ぎると、溶融性を十分改善することができず、多過ぎると、化学的耐久性が低下したり、失透による異物が発生したりする。
本発明では、結合相中、Bの比率を10〜20質量%とすることで、ガラスの溶融性を改善すると同時に、化学的耐久性を維持し、失透による異物の発生を防止することができる。
CaOは歪点を下げずに高温粘性を下げ、ガラスの溶融性を改善したり、熱膨張係数の調整をしたりする成分であり、CaOの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が大きくなり、CaOの含有量が多過ぎると、失透による異物が発生する。
本発明では、結合相中、CaOの比率を4〜5質量%とすることで、ガラスの熱膨張係数と炭化珪素の熱膨張係数との差を小さくすることができるとともに、失透による異物の発生を防止することができる。
MgOも歪点を下げずに高温粘性を下げ、ガラスの溶融性を改善したり、熱膨張係数の調整をしたりする成分であり、MgOの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が大きくなり、MgOの含有量が多過ぎると、エンスタタイト(MgO・SiO)が失透による異物として発生する。
本発明では、結合相中、MgOの比率を1〜5質量%とすることで、ガラスの熱膨張係数と炭化珪素の熱膨張係数との差を小さくすることができるとともに、エンスタタイト(MgO・SiO)の発生を防止することができる。
TiOはガラスの機械的強度を向上させる成分であるが、多過ぎると、失透による異物が発生しやすくなる。
本発明では、結合相中、TiOの比率を5質量%以下含むことで、ガラスの機械的強度を向上させるとともに、失透による異物の発生を防止することができる。
但しTiOは0を含まず不可避分程度は含まれていることが必要である。
あるいは上記TiOに代わって、SrOおよびBaOはガラスの耐薬品性を向上させるとともに、ガラスの溶融性を改善する成分であるが、多過ぎても、溶融性を損なって溶融欠陥が発生する。
本発明では、結合相中、BaOの比率を0〜6質量%、SrOの比率を0〜5質量%とすることで、溶融欠陥を発生させずに、ガラスの溶融性を改善することができる。
但しBaO、SrOは0を含まず不可避分程度は含まれていることが必要である。
さらに、ガラスをこのような成分の構成、比率にすることで、1000℃未満の低温でガラスは溶融するので、1000℃以上の高温接合で発生していた載置部2および支持部3の各接合面の酸化は抑制される。その結果、酸化に伴って発生していた気泡の発生が抑えられ、載置部2と支持部3を強固に接合することができる。
なお、結合層4を構成するガラス各成分の比率はICP(Inductivity Coupled Plasma)発光分析法により金属の各比率を求め、それぞれ酸化物換算すればよい。
さらに前記結合層における重金属、またはアルカリ金属の比率が合計300質量ppm以下(0質量ppmを除く)であることが好ましい。
ここで重金属とは比重4以上の重金属(但し、Tiを除く)、アルカリ金属については酸化物を含むものである。
また、結合層4における重金属(但し、Tiを除く)、アルカリ金属およびこれら金属の酸化物は半導体ウェハやガラス基板の汚染源となるため、少ないほどよい。
前記結合層における重金属とアルカリ金属の比率が合計300質量ppm以下にすることで、結合層4から蒸発した重金属およびアルカリ金属が半導体ウェハに拡散したとしても、半導体ウェハから形成された半導体素子は誤作動を起こすことがない。
但し、X線回折法を用いて、結合層4の結晶構造を分析した場合、強度を示すピークは確認できるものの同定できない化合物については前記比率の合計に含まないものとする。
特に、結合層4の熱膨張係数は炭化珪素や珪素の熱膨張係数に近似していることが好ましく、例えば熱膨張係数が3.0〜4.7×10−6/℃であることが好適である。
さらに前記真空チャックを断面視したとき、前記支持部と結合層のなす界面の長さの合計に対して、前記支持部と結合層の間の空隙部の長さの合計の占める割合が45%以下であることを特徴とする。
半導体ウェハまたはガラス基板を真空吸着する載置部2の吸着面2bに対し、垂直な断面における、支持部3と接合する結合層4の空隙部の長さの比率は、載置部2、支持部3間の接合強度に影響し、この比率が上がれば接合強度が低くなり、比率が下がれば、接合強度が高くなる。
本発明ではこの比率を45%以下とすることで、支持部3、結合層4間の接合されていない部分が減少するので、載置部2、支持部3間の接合強度を高くすることができる。
図2は、支持部3と接合する結合層4の空隙部4aを模式的に示したものであり、真空チャック1の厚み方向に対して、垂直な方向から見た断面図であって、空隙部4aの長さの比率は、(空隙部4aの長さ/(空隙部4aの長さ+接合部4bの長さ)×100)(%)として定義され、図2では(a1+a2+・・・+a11)/((a1+a2+・・・+a10)+(b1+b2+・・・+b11))×100で求められる値である。
空隙部4aの長さの比率は、走査型電子顕微鏡を用い、倍率100〜500倍で得られる画像から、例えば、空隙部4aの長さと接合部4bの長さの合計が0.3〜0.9mmになるような範囲で求めればよい。
さらに前記載置部と支持部との間の接合強度が40kg・cm以上であることが好ましい。
また、載置部2、支持部3間の接合強度は真空チャック1の信頼性に影響を与える。
載置部2、支持部3間の接合強度を40kg・cm以上とすることで、吸着面2bの平坦度を維持するために吸着面2bを研磨しても、載置部2が支持部3からはずれるようなことはなくなるので、信頼性を高いものにすることができる。
なお、接合強度については真空チャック1より、長手方向略中央に結合層4を挟む10mm×10mm×30mmの試験片を切り出し、多孔質体を固定した後、トルクレンチで緻密質体を捻り、この試験片が破壊したときの強度を読み取り、この値を接合強度とすればよい。
ところで、結合層4はガラスから形成されるため、炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる載置部2や炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部3より熱伝導率は低くなる。
従って、真空チャック1の放熱性を向上させようとすると、結合相4の厚みを薄くするのがよく、本発明ではその厚みを100μm以下とすることが好適である。結合層4の厚みを100μm以下と薄くすることで、熱の移動が滞ることなく、支持部から効率的に放熱することができるからである。
但し、結合層4の厚みを薄くし過ぎると、ガラスによる載置部2へのアンカー効果が低減するため、その厚みは5μm以上とすることが好適である。
なお、結合相4の厚みは、走査型電子顕微鏡で得られる倍率100〜500倍の画像より求めることができる。
次に、本発明の真空チャックの製造方法について説明する。
本発明の真空チャック1の一部を構成する載置部2を得るには、先ず平均粒径105〜350μmのα型炭化珪素粉末100重量部に対して、平均粒径1〜90μmの珪素粉末15〜30重量部を調合し、成形助剤として後の脱脂処理後の残炭率が30%以上となるような熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂の少なくともいずれか1種を添加し、ボールミル、振動ミル、コロイドミル、アトライター、高速ミキサー等で均一に混合する。特に、上記成形助剤として、熱硬化後の低収縮性の点からレゾール型またはノボラック型のフェノール樹脂が好適である。
成形助剤の添加量は、成形体の生密度を左右するため、載置部2の気孔率にも強く影響する。載置部2の気孔率を30〜40%とするには、α型炭化珪素粉末100重量部に対し、成形助剤の添加量を1〜2重量部とすればよい。
ところで、炭化珪素にはα型とβ型が存在し、一般的にα型はβ型より耐酸化性が高く、粒子内部には残留炭素や残留珪素を殆ど含まない。このような理由から出発原料にはα型炭化珪素を用いる。
また、このα型炭化珪素粉末の平均粒径を105〜350μmとすることが重要で、平均粒径が105μm以下では、径の小さな粉末が閉気孔を形成したり、気孔自体を小さくしたりすることで、半導体ウェハやガラス基板を真空吸着する場合、圧力損失が高くなり、一方、350μmを超えると、載置部2の密度が低下することで、強度が低下するからである。α型炭化珪素粉末の平均粒径を105〜350μmとすることで、圧力損失が低く、強度低下を招くことのない載置部2を得ることができる。
また、珪素粉末は、後の熱処理で珪素相となって、炭化珪素の結晶粒子を連結する。珪素粉末は、平均粒径1〜90μmの粉末を用い、α型炭化珪素粉末100重量部に対し、その比率を15〜30重量部とすることが重要である。珪素粉末の平均粒径が1μm未満では、珪素粉末の分散性が悪く、局部的にしか炭化珪素の結晶粒子を連結することができないからである。
一方、90μmを超えると、後の熱処理で珪素粉末は溶融して炭化珪素粉末を被覆するように移動するので、珪素粉末が部分的に凝集して占有していた空間は大きな気孔として残り、強度低下を招くからである。
また、α型炭化珪素粉末100重量部に対し、珪素粉末の比率を15〜30重量部としたのは、珪素粉末の比率が15重量部未満では、炭化珪素の結晶粒子に対する比率が低く、前記結晶粒子を十分連結させられないからである。
一方、比率が30重量部を超えると、珪素が偏析しやすく、相対的に機械的特性の良好な炭化珪素の比率が下がり、十分な機械的特性を得られないからである。珪素粉末の比率を15〜30重量部とすることで、十分な機械的特性を備えた均質な組織を有する載置部とすることができる。
なお、珪素粉末の純度は高いほうが望ましく、95%以上の純度のものが好適で、99%以上の高純度珪素の使用が特に好ましい。なお、使用する珪素粉末の形状は特に限定されず、球形又はそれに近い形状のみならず、不規則形状であっても好適に用いることができる。
上記炭化珪素粉末、珪素粉末の各平均粒径は液相沈降法、光投下法、レーザー散乱回折法等により測定することができる。
次に、混合した原料を転動造粒機、スプレードライヤー、圧縮造粒機、押し出し造粒機等各種造粒機を用いて顆粒にする。特に、粒径の大きな顆粒、例えば粒径0.4〜1.6mmの顆粒を得るには、転動造粒機の使用が好適である。
なお、造粒時間は成形体の潰れ性を考慮すると30分以上にすることが好適である。
また、この造粒で得られる顆粒の粒径は、0.4〜1.6mmとすることが好適で、0.4mm未満あるいは1.6mmを超えても成形体の潰れ性が悪くなったり、ハンドリングが難しくなったりするが、顆粒の粒径を0.4〜1.6mmとすることで成形体の潰れ性もハンドリングも向上する。特に、上記顆粒の粒径は0.5〜1.5mmとすることが好適である。
次に、顆粒を乾式加圧成形、冷間等方静水圧成形等の成形手段で所望の形状に成形して成形体とし、必要に応じて、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、真空等の非酸化雰囲気中、400〜600℃で脱脂処理を行った後、脱脂処理と同様、非酸化雰囲気中、1400〜1450℃で熱処理することで珪素−炭化珪素の複合体とすることができる。
なお、熱処理の温度を下げるには、珪素の純度を99.5〜99.8質量%とすることが好適である。
熱処理では、その温度を1400〜1450℃とすることが重要で、1400℃未満では、珪素粉末が十分溶融しないため、炭化珪素の結晶粒子を珪素相として連結することができないからであり、1450℃を超えると、珪素が蒸発することで強度低下を招きやすいとともに、製造コストが高くなるからである。熱処理温度を1400〜1450℃とすることで、珪素粉末は蒸発することなく適度に溶融するため、隣り合う炭化珪素の結晶粒子間に空洞部が介在して2箇所以上の接合部を発生することなく、炭化珪素の結晶粒子を珪素相として連結することができ、適切な強度及び熱伝導率が得られ、製造コストも削減することができる。特に、熱処理温度を1420〜1450℃にすることが好適で、この温度範囲で熱処理することで3点曲げ強度が30MPa以上、ヤング率が30GPa以上の複合体を得ることができる。また炭化珪素の結晶粒子を珪素で被覆するには、珪素粉末を十分溶融させた上で、珪素が蒸発したり、雰囲気内で浮遊する炭素と一部反応して炭化珪素に変化したりすることのないようにしなければならない。このような観点から炭化珪素の結晶粒子を珪素で被覆するには、1420〜1440℃にすればよい。
このような製造方法で得られた複合体は、その上面を研削、研磨等の機械加工を施して、載置部2とすることができる。
なお、吸着面2bはその面状態が加工後の半導体ウエハやガラス基板の精度に影響を与えることから極力平坦化する必要があり、少なくとも平坦度1μm以下、好ましくは平坦度0.3μm以下とすることが望まれる。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備し、SiOが30〜65質量%、Alが10〜40質量%、Bが10〜20質量%、CaOが4〜5質量%、MgOが1〜5質量%、TiOが0〜5質量%、BaOが0〜6質量%およびSrOが0〜5質量%からなるペースト状のガラスを凹部3aに塗布する。ガラス塗布後、載置部2を凹部3aに置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧する。加圧後、950〜980℃で熱処理することにより載置部2と支持部3とは、ガラスからなる結合層4で接合され、本発明の真空チャックをえることができる。
このような真空チャックは、例えば、吸引通路3cを介して被処理物に吸着作用を及ぼす真空ポンプ(不図示)を備えた真空吸着装置に吸着部材として用いると、載置部2と支持部3とが強固に接合されているため、信頼性が高く好適である。
以下本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末及び成形助剤となるフェノール樹脂を均一に混合し、調合原料を作製した。この調合原料を転動造粒機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得た。
次にこの成形体を窒素雰囲気中、500℃で脱脂処理した後、1420℃で同じく窒素雰囲気中で熱処理して、気孔率31%、平均気孔径55μmの多孔質体である、図1に示す載置部2を作製した。
載置部2の気孔率、気孔2aの平均径についてはそれぞれJIS R 1634−1998に規定されたアルキメデス法、JIS R 1655−2003に準拠して測定した。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備し、接合後の結合層4を構成するガラスの各成分が表1になるように調整されたペースト状のガラスを凹部3aに塗布した。ガラス塗布後、載置部2を凹部3aに置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、980℃で熱処理することで、結合層の厚みが110〜120μmである真空チャックを得た。
そして、結合層4を構成するガラス各成分の比率はICP(Inductivity Coupled Plasma)発光分析法により金属の各比率を求め、それぞれ酸化物換算した。
また、ガラスの熱膨張係数については別途JIS R 3102―1995に準拠して、測定した。
載置部2、支持部3間の接合強度については、長手方向略中央に結合層4を挟む10mm×10mm×30mmの試験片を切り出し、多孔質体を固定した後、トルクレンチで緻密質体を捻り、この試験片が破壊したときの強度を読み取り、この値を接合強度とした。
これら測定結果を表1に示す。
失透による異物については、結合層4の断面を走査型電子顕微鏡を用いて倍率500倍で観察し、観察されたものを×、観察されなかったものを○として表1に示した。
Figure 2007253284
表1に示す通り、SiOが30質量%未満である試料No.7、CaOが4質量%未満である試料No.2、MgOが1質量%未満の試料No.1は、は熱膨張係数が5.3×10−6/℃以上と高かったため、冷却時にガラスの収縮が載置部および支持部に比べて大きかった。その結果、結合層4に空隙部が発生し、載置部2、支持部3間の接合強度は低かった。
また、SiOが65質量%を超える試料No.16、Alが10質量%未満である試料No.15、Bが20質量%を超える試料No.18、CaOが5質量%を超える試料No.19、MgOが5質量%を超える試料No.21およびTiOが5質量%を超える試料No.22は、失透による異物が観察され、この異物の影響により接合強度が低かった。
また、Alが40質量%を超える試料No.5、Bが10質量%未満である試料No.3、BaOが6質量%を超える試料No.24およびSrOが5質量%を超える試料No.26は、接合はしていたものの、ガラスの溶融性が悪かったために、接合強度が低かった。
一方、本発明の範囲内の試料No.4,6,8〜14,17,20,23,25は、ガラスの溶融性が良好で、しかも結合相4の熱膨張係数と載置部2、支持部3の熱膨張係数との差を小さくすることができるとともに、異物が失透することもなく、載置部2、支持部3間の接合強度が高い真空チャックとすることができる。
(実施例2)
先ず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末及び成形助剤となるフェノール樹脂を均一に混合し、調合原料を作製した。この調合原料を転動造粒機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得た。次にこの成形体を窒素雰囲気中、500℃で脱脂処理した後、1430℃で同じく窒素雰囲気中で熱処理して、気孔率30%、平均気孔径50μmの多孔質体である、図1に示す載置部2を作製した。
載置部2の気孔率、気孔2aの平均径については実施例1と同様の方法で測定した。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備し、接合後の結合層4を構成するガラスの各成分が表1になるように調整されたペースト状のガラスを凹部3aに塗布した。ガラス塗布後、載置部2を凹部3aに置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、970℃で熱処理することで、結合層の厚みが110〜120μmである真空チャックを得た。
そして、結合層4を構成するガラス各成分の比率は、実施例1と同様の方法で測定した。
支持部3と接合する結合層4の空隙部4aの長さの比率=(空隙部4aの長さ/(空隙部4aの長さ+接合部4bの長さ)×100)については、走査型電子顕微鏡を用い、倍率130倍で得られた画像より空隙部4aの長さと接合部4bの長さの合計が0.3mmになる範囲で求めた。
測定結果を表2に示す。
Figure 2007253284
表2からわかるように、空隙部4aの長さの比率が45%以下である試料No.27,28は、比率が45%を超える試料No.29より接合強度が高く好適である。
(実施例3)
先ず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末及び成形助剤となるフェノール樹脂を均一に混合し、調合原料を作製した。この調合原料を転動造粒機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得た。次にこの成形体を窒素雰囲気中、500℃で脱脂処理した後、1420℃で同じく窒素雰囲気中で熱処理して、気孔率31%、平均気孔径55μmの多孔質体である、図1に示す載置部2を作製した。
載置部2の気孔率、気孔2aの平均径については実施例1と同様の方法で測定した。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備し、接合後の結合層4を構成するガラスの各成分が表3になるように調整されたペースト状のガラスを凹部3aに塗布した。ガラス塗布後、載置部2を凹部3aに置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、980℃で熱処理することで、結合層の厚みが110〜120μmである真空チャックを得た。
そして、結合層4を構成するガラス各成分の比率は、実施例1と同様の方法で測定した。
載置部2、支持部3間の接合強度については、長手方向略中央に結合層4を挟む10mm×10mm×30mmの試験片を切り出し、多孔質体を固定した後、トルクレンチで緻密質体を捻り、この試験片が破壊したときの強度を読み取り、この値を接合強度とした。
併せて、真空チャック1の支持部3の底面に、圧力0.4MPa、流量0.003m/分で水を噴射するという耐圧試験を実施し、吸引通路3cを介して、載置部2が支持部3よりはずれるかどうかを確認した。載置部2が支持部3よりはずれた試料には×、載置部2が支持部3よりはずれなかった試料には○を表3に示した。
Figure 2007253284
表3からわかるように、載置部2、支持部3間の接合強度が40kg・cm未満の試料No.32は、耐圧試験で載置部2が支持部3よりはずれたが、接合強度が40kg・cmの試料No.30,31は、耐圧試験で載置部2が支持部3よりはずれず、信頼性が高いと言える。
(実施例4)
先ず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末及び成形助剤となるフェノール樹脂を均一に混合し、調合原料を作製した。この調合原料を転動造粒機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得た。次にこの成形体を窒素雰囲気中、500℃で脱脂処理した後、1430℃で同じく窒素雰囲気中で熱処理して、気孔率33%、平均気孔径52μmの多孔質体である、図1に示す載置部2を作製した。
載置部2の気孔率、気孔2aの平均径については実施例1と同様の方法で測定した。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央に円形の凹部3aを有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備し、接合後の結合層4を構成するガラスの各成分が表3になるように調整されたペースト状のガラスを凹部3aに塗布した。ガラス塗布後、載置部2を凹部3aに置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、980℃で熱処理することで、真空チャックを得た。
結合層4の厚みは、後述の熱伝導試験実施後に、走査型電子顕微鏡を用い、倍率130倍で得られた画像より測定し、得られた値を表4に示す。
得られた真空チャック1は図3に示すような熱伝導試験を実施した。具体的には、炭化珪素からなる均熱板5を挟んで、載置部2を下にした真空チャック1をホットプレート6に置いた後、このホットプレート6で均熱板5を60℃になるまで加熱し、熱が載置部2、結合層4、支持部3を順次伝わり、支持部3の裏面の中心の温度が60℃になるまでの時間を測定した。この時間が短いほど、真空チャックとしての放熱特性が良好であるといえる。
支持部3の裏面3eの中心の温度は、サーモグラフィー7で測定し、60℃になるまでに要した時間を表4に示す。
Figure 2007253284
表4からわかるように、結合層の厚みが100μmを超える試料No.33は、支持部3の裏面の中心の温度が60℃になるまで70秒要しているのに対し、結合層の厚みが100μm以下の試料No.34,35は、支持部3の裏面の中心の温度が60℃になるまで50秒以下であり、放熱特性が良好な真空チャックであるといえる。
本発明の真空チャックを示す斜視図である。 支持部と接合する結合層の空隙部を模式的に示したものであり、真空チャックの厚み方向に対して、垂直な方向から見た断面図である。 熱伝導試験により真空チャックの放熱特性を評価していることを示す断面図である。
符号の説明
1:真空チャック
2:載置部
2a:気孔
2b:吸着面
3:支持部
3a:凹部
3b:頂面
3c:吸引通路
3d:フランジ部
4:結合層
4a:空隙部
4b:接合部
5:均熱板
6:ホットプレート
7:サーモグラフィー

Claims (7)

  1. 少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、
    該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とを
    ガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、
    前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Tiを5質量%以下(0質量%を除く)含有する
    ことを特徴とする真空チャック。
  2. 少なくとも炭化珪素を主成分とする多孔質体からなる吸着面を有する載置部と、該載置部を囲繞して支持する炭化珪素を主成分とする緻密質体からなる支持部とをガラス状の結合層で接合した真空チャックにおいて、前記結合層はそれぞれ酸化物換算でSiを30〜65質量%、Alを10〜40質量%、Bを10〜20質量%,Caを4〜5質量%、Mgを1〜5質量%、Baを6質量%以下(0質量%を除く)、Srを5質量%以下(0質量%を除く)含有することを特徴とする真空チャック。
  3. 前記結合層における重金属とアルカリ金属の合計の比率が300質量ppm以下(0質量ppmを除く)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空チャック。
  4. 前記真空チャックを断面視したとき、前記支持部と結合層のなす界面の長さの合計に対して、前記支持部と結合層の間の空隙部の長さの合計の占める割合が45%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の真空チャック。
  5. 前記載置部と支持部との間の接合強度が40kg・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の真空チャック。
  6. 前記結合層の厚みが5〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空チャック。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の真空チャックを吸着部材として用いたことを特徴とする真空吸着装置。
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