JP2007253136A - 有機溶剤回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の有機溶剤回収装置は、この程度の濃縮倍率では、後段の処理装置としての冷却装置でかなり冷却しないと塩化メチレンの液化回収ができないことから、冷却装置が大型化し、コストも高くなるという課題があった。
【解決手段】本発明の有機溶剤回収装置は、VOCを吸着する吸着工程と、吸着剤を加熱する加熱工程と、吸着したVOCを脱着する脱着工程と、吸着剤を冷却する冷却工程とを、順に行うによって有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収装置であり、4塔以上の吸着塔1を設け、該吸着塔1の内部には、導入した空気が複数の吸着剤2を通過するように、吸着剤2を直列に配置し、さらに複数のヒータ3を設けたことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)が大気に排出されるのを抑制するための、有機溶剤回収装置に関する。
近年、大気汚染防止の観点から、揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制、すなわち有機溶剤蒸気の発生源からの大気拡散防止が求められている。これを解決するために、種々の有機溶剤回収システムが開発されてきた。一般に有機溶剤回収装置は、前段の有機溶剤蒸気を濃縮する有機溶剤濃縮装置と、後段の濃縮された有機溶剤を液化する液化装置とから構成されている。そして、濃縮、液化されて回収された有機溶剤は、再び有機溶剤蒸気の発生源へ戻されるものである。
従来、この有機溶剤回収装置に使用される有機溶剤濃縮装置は、内部に吸着剤を有する複数の吸着塔のうち、1塔の吸着剤に有機溶剤を吸着させた後、1塔の吸着剤から有機溶剤を脱着させて濃縮していた(例えば、特許文献1参照)。
特許第3421923号公報
このような従来の有機溶剤回収装置における濃縮倍率は、吸着工程において吸着塔を通過する気体の流量Q1と、脱着工程において吸着塔を通過する気体の流量Q2との比、Q1/Q2で表される。例えば、吸着工程の流量に対し脱着工程の流量が1/2であった場合、吸着された有機溶剤が全て脱着したとして、脱着後の有機溶剤蒸気の平均濃度は2倍となり、濃縮倍率が2倍になったと表現することができる。そして、脱着時にある程度の流量がないと十分脱着しないことから、脱着工程の流量を大幅に減少させることはできず、濃縮倍率には限界があった。例えば、塩化メチレンの場合、これまで濃縮倍率は5倍程度が限界とされていた。この程度の濃縮倍率では、後段の処理装置としての冷却装置でかなり冷却しないと塩化メチレンの液化回収ができないことから、冷却装置が大型化し、コストも高くなるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、濃縮倍率を高めることにより、冷却装置を小型化する、もしくは冷却装置を不要にして、大幅にシンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤回収装置を提供することを目的としている。
本発明の有機溶剤回収装置は、VOCを吸着する吸着工程と、吸着剤を加熱する加熱工程と、吸着したVOCを脱着する脱着工程と、吸着剤を冷却する冷却工程とを、順に行うことによって有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収装置において、4塔以上の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に複数の吸着剤と、複数の加熱装置とを、設けたことを特徴とするものである。
これにより、VOCの濃縮倍率を高めることができるので、冷却装置を不要にして、シンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤回収装置を提供することができる。
また、本発明の有機溶剤回収装置は、吸着工程では、吸着塔の上部からVOCを含む空気を導入して、吸着塔の下部から空気を排出し、脱着工程では、吸着塔の下部から空気を導入して、VOCを含む空気を吸着塔の上部から排出することを特徴とするものである。
これにより、VOCの濃縮倍率を高めることができるので、冷却装置を不要にして、シンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤回収装置を提供することができる。
本発明によれば、VOCの濃縮倍率を高めることができるので、冷却装置を不要にして、シンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤回収装置を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、VOCを吸着する吸着工程と、吸着剤を加熱する加熱工程と、吸着したVOCを脱着する脱着工程と、吸着剤を冷却する冷却工程とを、順に行うことによって有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収装置において、4塔以上の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に複数の吸着剤と、複数の加熱装置とを、設けたことを特徴とする有機溶剤回収装置である。
加熱工程と、脱着工程とを、分けることにより、脱着工程が開始された時点で、すでに吸着剤が十分温まっているため、脱着工程開始と同時に高濃度のVOCを排出することができ、VOCの濃縮倍率を高めることができるので、冷却装置を不要にして、装置をシンプルで小型化、低コスト化することができる。
また、冷却工程を設けることにより、吸着剤を、短時間で効率良く冷却することができるので、次の吸着工程を効率良く行うことができる。
また、ここに示すVOCとは、有機溶剤が揮発したときなどに発生する揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略である。
また、ここに示す吸着剤とは、VOCを吸着することができる吸着剤のことであり、吸着剤を練り込んで成形したもの、または、セラミックや金属など耐熱性を有するものに担持された吸着剤のことを示す。吸着剤を練り込んで成形したものの形状、および、吸着剤の担体としてのセラミックや金属の形状に特に制限はないが、大きな表面積を有するニカム形状が好ましい。
また、ここに示す加熱装置とは、ヒータなど通電することにより加熱する装置、または、通電することにより電磁波を発生させることができる装置などを用いることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、塔内に複数の吸着剤が上下に積層されている吸着塔を設けた有機溶剤回収装置において、吸着塔内に導入した空気が、複数の吸着剤を通過するように、吸着剤を直列に配置したことを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着塔内に導入した空気から、VOCを効率良く吸着除去することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、吸着剤と吸着剤との間に、加熱装置を設けたことを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着剤を短時間で効率良く加熱することができる。
他の加熱方法としては、ヒータで温めた空気を吸着剤に流すことにより、吸着剤を温めるといった方法が考えられるが、放熱してしまうため熱ロスが大きいので、加熱装置は吸着剤の直近に配置するのが好ましい。
本発明の請求項4に記載の発明は、吸着させたVOCを、加熱することにより脱着させることを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着剤に吸着したVOCを効率良く脱着することができるので、一度飽和してしまった吸着剤に、再び吸着性能を付与することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、加熱工程または/および脱着工程でのみ、加熱することを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、不必要に加熱することを防ぎ、装置の消費電力を抑えることができる。
また、次の吸着工程へ移行する際に、吸着剤を短時間で冷却することができるので、次の吸着工程を効率良く行うことができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、加熱工程時には、吸着塔へ空気を導入せずに加熱することを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、導入した空気に発生した熱が奪われてしまうことがないので、すべての熱が吸着剤の加熱に使われるため、吸着剤を短時間で効率良く加熱することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が、設定した温度以上に上がらないようにする制御機構を有することを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が、設定した温度以上に上がらないので、装置の安全性を確保することができる。
加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が、設定した温度以上に上がらないようにする方法としては、加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度を熱伝対などで測定し、加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が設定した温度に達したら、加熱装置への通電をストップする、または、加熱装置の消費電力を下げるといった方法が考えられる。
本発明の請求項8に記載の発明は、加熱装置がヒータであることを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着剤を短時間で効率良く加熱することができるとともに、安価なヒータを用いることにより装置のコストを下げることができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、吸着工程では、吸着塔の上部からVOCを含む空気を導入して、吸着塔の下部から空気を排出し、脱着工程では、吸着塔の下部から空気を導入して、VOCを含む空気を吸着塔の上部から排出することを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着工程時と、脱着工程時との、空気の流れが対向流となるため、VOCの脱着効率を上げることができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、吸着工程におけるVOCを含む空気の導入量よりも、脱着工程における空気の導入量のほうが少ないことを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着工程時の空気に含まれるVOC濃度よりも高い濃度で、VOCを脱着させることができる。
例えば、吸着工程時の空気導入量を1m↑3/minとし、脱着工程時の空気導入量を1/Nm↑3/minとしたとき、脱着後の空気に含まれるVOC濃度は、吸着前の空気に含まれるVOC濃度のN倍となる。
本発明の請求項11に記載の発明は、冷却工程において、吸着塔内に空気を導入することにより、吸着剤を冷却することを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、加熱工程または/および脱着工程時に加熱された吸着剤を、短時間で効率良く冷却することができるので、次の吸着工程を効率良く行うことができる。
本発明の請求項12に記載の発明は、吸着工程、脱着工程、および、冷却工程における、空気の導入量を変えることができることを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、VOC発生源から発生するVOCの量、または、濃度に合わせて、吸着工程で導入する空気の量を変えることができる。
また、脱着工程時の空気導入量を変えることによって、VOCの濃縮倍率を変えることもできる。
また、冷却工程時には、加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が、高いときには空気導入量を増やし、低いときには減らしたりすることもできる。
本発明の請求項13に記載の発明は、冷却工程において、吸着塔から排出された高温の空気を、他吸着塔の吸着剤の加熱または/および他吸着塔に導入される空気の加熱に用いることを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、吸着塔から排出された廃熱を、他吸着塔の吸着剤の加熱または/および他吸着塔に導入される空気の加熱に用いることができるので、加熱に必要な消費電力を抑えることができる。
また、廃熱の利用方法としては、冷却工程において吸着塔から排出された高温の空気の一部を、脱着工程中の吸着塔に導入して吸着剤を温める、または、冷却工程において吸着塔から排出された高温の空気で、脱着工程中に吸着塔に導入される空気を温める、といった方法が考えられる。
また、冷却工程において吸着塔から排出された高温の空気で、加熱工程中の吸着塔を外部から温めることもできる。
本発明の請求項14に記載の発明は、吸着工程時にVOCを含む空気を導入する流路と、VOCが吸着除去された空気を排出する流路、および、脱着工程時に空気を導入する流路と、脱着したVOCを排出する流路、および、冷却工程時に吸着剤を冷却するための空気を導入する流路と、冷却後の空気を排出する流路、および、これらの流路を切り替えるための流路切換手段とを、設けたことを特徴とする有機溶剤回収装置である。
これにより、各工程の切換をスムーズに行うことができ、VOCの濃縮回収を効率良く行うことができる。
また、流路切換手段としては、電磁弁、ボールバルブ、または、開閉ダンパーなどでも良い。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、以下の解釈に何ら限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の有機溶剤回収装置の概要について図1を参照しながら説明する。
本発明の有機溶剤回収装置は、吸着塔1の内部に、複数の吸着剤2と、加熱手段としての複数のヒータ3とを、有する吸着塔1が、6塔設けられている。吸着剤2と、ヒータ3とは、上下に積層されており、さらに、複数の吸着剤2は直列に配置されている。
また、吸着塔1の上部からは、吸着前空気流入路4と、脱着後空気排出路5と、冷却前空気流入路6とが、接続されており、吸着塔1の下部からは、吸着後空気排出路7と、脱着前空気流入路8と、冷却後空気排出路9とが、接続されている。
また、流路切換手段として、吸着前空気流入路4には吸着前空気流入路弁10、脱着後空気排出路5には脱着後空気排出路弁11、冷却前空気流入路6には冷却前空気流入路弁12、吸着後空気排出路7には吸着後空気排出路弁13、脱着前空気流入路8には脱着前空気流入路弁14、冷却後空気排出路9には冷却後空気排出路弁15が、それぞれ設けられており、これらの弁はすべて電磁弁からなる。流路切換手段としては、電磁弁以外にも、ボールバルブや開閉ダンパーなどでも良い。
以下、本発明の有機溶剤回収装置の動作について、6塔の吸着塔1をそれぞれ、1A、1B、1C、1D、1E、1Fとして説明する。吸着塔1は計6塔あるので、吸着を3塔で行い、その他の各工程を1塔で行うものとする。
例えば、1ターン目は、1A、1B、1Cは吸着、1Dは加熱、1Eは脱着、1Fは冷却を行い、2ターン目は、1A、1B、1Fは吸着、1Cは加熱、1Dは脱着、1Eは冷却を行い、3ターン目は、1A、1E、1Fは吸着、1Bは加熱、1Cは脱着、1Dは冷却を行い、4ターン目は、1D、1E、1Fは吸着、1Aは加熱、1Bは脱着、1Cは冷却を行い、5ターン目は、1C、1D、1Eは吸着、1Fは加熱、1Aは脱着、1Bは冷却を行い、6ターン目は、1B、1C、1Dは吸着、1Eは加熱、1Fは脱着、1Aは冷却を行い、この6ターンを1サイクルとする。つまり、一つの吸着塔1について言えば、吸着⇒吸着⇒吸着⇒加熱⇒脱着⇒冷却という工程を繰り返すこととなる。また、1ターンを3分で行った場合、吸着9分間⇒加熱3分間⇒脱着3分間⇒冷却3分間となる。
なお、このサイクルを4塔で行った場合は、吸着⇒加熱⇒脱着⇒冷却を1サイクルとし、5塔で行った場合は、吸着⇒吸着⇒加熱⇒脱着⇒冷却を1サイクルとし、7塔で行った場合は、吸着⇒吸着⇒吸着⇒吸着⇒加熱⇒脱着⇒冷却を1サイクルとすれば良い。
以下、各工程について説明する。
(吸着工程)吸着前空気流入路弁10と、吸着後空気排出路弁13とは、開いており、その他の弁はすべて閉じている。
VOC発生源16より発生したVOCは、吸着用ファン17により、吸着前空気流入路4を通って吸着塔1の上部より導入される。VOCを含んだ空気は複数の吸着剤2を通過する際に、吸着剤2の作用によって、VOCは吸着除去される。VOCが除去されて浄化された空気は、吸着塔1の下部より吸着後空気排出路7を通って、有機溶剤回収装置の外へ排出される。
(加熱工程)このときは、すべての弁が閉じている。
ヒータ3に通電することにより、吸着剤2は加熱され、吸着したVOCを脱着する。発生した熱は対流によって吸着塔1の上部に上がっていくので、より多くのVOCを吸着している上部の吸着剤2が、より加熱されやすくなっている。
(脱着工程)脱着後空気排出路弁11と、脱着前空気流入路弁14とは、開いており、その他の弁はすべて閉じている。
脱着用ファン18により、空気が脱着前空気流入路8を通って吸着塔1の下部より導入される。この空気は、加熱により脱着したVOCを含み、吸着塔1の上部より脱着後空気排出路5を通って、VOC発生源16に還される。
脱着工程時の空気の導入方向としては、吸着工程時の空気の導入方向とは逆方向、すなわち対向流となるように導入したほうが、脱着効率が良くなるので好ましい。
このとき、加熱はしていても、していなくても良い。加熱をしていればより脱着が促進され、また、加熱をしなければ、その後の冷却工程時において吸着剤が冷却されやすくなり、さらにその後の吸着工程において吸着性能を確保することができる。
脱着工程が開始された時点で、すでに吸着剤が十分温まっているため、脱着工程開始と同時に高濃度のVOCを排出することができ、VOCの濃縮倍率を高めることができる。
(冷却工程)冷却前空気流入路弁12と、冷却後空気排出路弁15とは、開いており、その他の弁はすべて閉じている。
冷却用ファン19により、空気が冷却前空気流入路6を通って吸着塔1の上部より導入される。この空気は吸着剤2より熱を奪って、吸着塔1の下部より冷却後空気排出路9を通って、有機溶剤回収装置の外へ排出される。
このとき、排出された空気は高温になっているので、加熱工程中の他の吸着塔1を加熱するのに利用する、または/および、脱着工程時に吸着塔1に導入される空気と熱交換すると、ヒータの消費電力を抑えることができ、装置の省エネになる。
(実施例1)
実施の形態1に示したように、吸着塔1を6塔有する有機溶剤回収装置を仮定して、1ターン4分で、原理モデルを用いて吸脱着試験を行った。その原理モデルの概念図を図2に示す。
原理モデルは、吸着塔1の内部に、吸着剤を練り込んで押し出し成形したハニカム20を複数枚積み重ね、その間にヒータ3を複数備えている。
(吸着工程・12分間)吸着前空気流入路弁10と、吸着後空気排出路弁13とは、開いており、脱着後空気排出路弁11と、脱着前空気流入路弁14とは、閉じている。
VOC発生装置21により発生させた、約600ppmのジクロロメタン蒸気を、吸着用ファン17より送り出し、吸着塔1の上部より導入し、下部より排出し、排出された空気に含まれるジクロロメタンの濃度をVOC測定器22にて測定した。
このとき、ジクロロメタンを含む空気は、ハニカム20に対して面風速1.5m/s、SV値10000/hとなるように導入した。
(加熱工程・4分間)吸着前空気流入路弁10と、吸着後空気排出路弁13と、脱着後空気排出路弁11と、脱着前空気流入路弁14とは、閉じている。
塔内にあるすべてのヒータ3に通電して、ハニカム20を加熱した。
このとき、ヒータ3は、100Vで200Wのものを用いた。
(脱着工程・4分間)吸着前空気流入路弁10と、吸着後空気排出路弁13とは、閉じており、脱着後空気排出路弁11と、脱着前空気流入路弁14とは、開いている。
脱着用ファン18により、空気を吸着塔1の下部より導入し、上部より排出し、排出された空気に含まれるジクロロメタンの濃度をVOCセンサー23にて測定した。
このとき、空気は、ハニカム20に対して面風速0.3m/s、SV値2000/hとなるように導入した。
(冷却工程・4分間)吸着前空気流入路弁10と、吸着後空気排出路弁13とは、開いており、脱着後空気排出路弁11と、脱着前空気流入路弁14とは、閉じている。
吸着用ファン17により、空気を吸着塔1の上部より導入し、下部より排出した。
このとき、空気は、ハニカム20に対して面風速1.5m/s、SV値10000/hとなるように導入した。
吸着後空気のVOC濃度測定結果を図3に、脱着VOC濃度測定結果を図4に示す。
図3より、ジクロロメタン濃度600ppmで導入された空気は、吸着剤2を通過することによって、20ppm以下になっていることがわかる。
図4より、ジクロロメタンが、8000〜9000ppmで脱着されていることがわかる。
吸着工程では600ppmで導入され、脱着工程では8000ppm〜9000ppmで排出されていることから、本発明の有機溶剤回収装置は、ジクロロメタンを13〜15倍に濃縮して回収することができることがわかった。
本発明の有機溶剤回収装置により、VOCの濃縮倍率を高めることができるので、冷却装置を不要にして、シンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤回収装置を提供することができるので有用である。
本発明の実施の形態1における有機溶剤回収装置の概念図 本発明の実施例1における有機溶剤回収装置原理モデルの概念断面図 同実施例1における吸脱着試験の吸着後空気のVOC濃度測定結果を示す図 同実施例1における吸脱着試験の脱着VOC濃度測定結果を示す図
符号の説明
1 吸着塔
2 吸着剤
3 ヒータ
4 吸着前空気流入路
5 脱着後空気排出路
6 冷却前空気流入路
7 吸着後空気排出路
8 脱着前空気流入路
9 冷却後空気排出路
10 吸着前空気流入路弁
11 脱着後空気排出路弁
12 冷却前空気流入路弁
13 吸着後空気排出路弁
14 脱着前空気流入路弁
15 冷却後空気排出路弁
16 VOC発生源
17 吸着用ファン
18 脱着用ファン
19 冷却用ファン
20 ハニカム
21 VOC発生装置
22 VOC測定器
23 VOCセンサー

Claims (14)

  1. VOCを吸着する吸着工程と、吸着剤を加熱する加熱工程と、吸着したVOCを脱着する脱着工程と、吸着剤を冷却する冷却工程とを、順に行うことによって有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収装置において、4塔以上の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に複数の吸着剤と、複数の加熱装置とを、設けたことを特徴とする有機溶剤回収装置。
  2. 塔内に複数の吸着剤が上下に積層されている吸着塔を設けた有機溶剤回収装置において、吸着塔内に導入した空気が、複数の吸着剤を通過するように、吸着剤を直列に配置したことを特徴とする請求項1記載の有機溶剤回収装置。
  3. 吸着剤と吸着剤との間に、加熱装置を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機溶剤回収装置。
  4. 吸着させたVOCを、加熱することにより脱着させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  5. 加熱工程または/および脱着工程でのみ、加熱することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  6. 加熱工程時には、吸着塔へ空気を導入せずに加熱することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  7. 加熱装置の表面温度、または、吸着剤の温度が、設定した温度以上に上がらないようにする制御機構を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  8. 加熱装置がヒータであることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  9. 吸着工程では、吸着塔の上部からVOCを含む空気を導入して、吸着塔の下部から空気を排出し、脱着工程では、吸着塔の下部から空気を導入して、VOCを含む空気を吸着塔の上部から排出することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  10. 吸着工程におけるVOCを含む空気の導入量よりも、脱着工程における空気の導入量のほうが少ないことを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  11. 冷却工程において、吸着塔内に空気を導入することにより、吸着剤を冷却することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  12. 吸着工程、脱着工程、および、冷却工程における、空気の導入量を変えることができることを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  13. 冷却工程において、吸着塔から排出された高温の空気を、他吸着塔の吸着剤の加熱または/および他吸着塔に導入される空気の加熱に用いることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
  14. 吸着工程時にVOCを含む空気を導入する流路と、VOCが吸着除去された空気を排出する流路、および、脱着工程時に空気を導入する流路と、脱着したVOCを排出する流路、および、冷却工程時に吸着剤を冷却するための空気を導入する流路と、冷却後の空気を排出する流路、および、これらの流路を切り替えるための流路切換手段とを、設けたことを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の有機溶剤回収装置。
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